.【政治・外交・法律に関すること】
A50 何故、古賀衆院議員は、学歴詐称疑惑についての米国での調査結果を、
地元を優先して報告したのか。

昨年11月の衆院選で「米国の大学卒」と公表した学歴が事実とは異なっていた責任を取り、
民主党を離党する考えを表明し、議員は辞職せず、次期選挙まで議員報酬を受け取らず、
政治活動を続ける意向などを地元民に示したが、その前に何故、帰国後直ちに民主党本部に今後の身の
振り方などを相談したり、国会に報告しなかったのだろうか。国会開会中に歳費で渡米したのだから、
国会への報告が第一ではなかったろうか。早朝の街頭演説で、調査報告とは何ら関係のない若者へ
夢や希望を与えたとか、渡米の目的はプロテニスプレーヤーになることだとか、涙ぐむことなど
本筋からかけ離れた言動は無用であり、ウソをついたあとの「きょうの言葉にウソはない」もむなしく響き、
痛々しい姿のみさらけ出すこととなった。単位を修得したいなら、議員辞職後にゆっくりできることであって、
ことさら地元民に釈明する必要もないし、正規の単位を取ってから報告しても遅くはなく、学歴真偽問題の
明確な説明をすればすむことである。有権者に同情をさそうための、都合のよい「けじめ」と「パフォーマンス」と
思われてもしかたがない。私の憶測に過ぎないが、周囲に陣取った支持者から「負けるな」、
「頑張れ、古賀」などと激励の声がかかったように、「サクラ」を集めるのに地元が最も都合がよく、
国会でも、まだ有権者に支持されていることを言いたかったのだと思う。
いまさら「離党」、「歳費返上」、「米大学の卒業」の3つのけじめを持ち出して有権者に理解を求める必要は
全くない。福岡空港の記者会見にしても、学業とテニスのことや単位・認識不足のことばかりをダラダラ話して、
各大学卒業の真偽の説明は何もない。

渡米時には、「報道陣に調査報告は行うのでつきまとわないでくれ」と約束しておきながら雲隠れしたし、
肝心の「卒業」が証明されず、説明も二転三転しているし、「地元で説明責任を果たす」と言っておきながら、
学歴真偽問題への答えは、UCLAのことなど語られぬままとなっていて無責任極まりない。もともと、
大学に取りにいかせた弁護士に卒業証書を見せられて、「卒業したんだなあ」と言うこともおかしく、
もらったのなら大事に保管して日本に持ち帰るはずである。卒業証書だけでなく、弁護士の名前を
明らかにせず、所在も分からないということでは信用度0である。

「大金星」を獲得した当時にさかのぼると、古賀氏は2003年11月、自民党副総裁だった山崎拓氏らを
破って初当選した衆院選で、報道各社へ提出した経歴調査表に「ペパーダイン大卒業」と記入していた。
しかし、「実際には卒業していない」との疑惑が持ち上がったため、古賀氏は1月21日、
「自分の目と耳で確認したい」として渡米したのだが、大学側が言うように「電話一本ですむことだ」のように、
国会を休み旅費まで使って現地調査する必要はないわけで、「UCLA」(カリフォルニア大ロサンゼルス校)に
ついても、米国留学中の経歴をめぐる疑惑が一段と深まっただけだった。

当初は「けじめはつける」と豪語。経歴に間違いがあれば辞職する意向を示したものの、
米加州ペパーダイン大側が卒業を否定すると「進退は白紙」と、あっさりと前言撤回。さらに、
ホームページの経歴に記載した「UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)」を
「CSULA(カリフォルニア州立大ロサンゼルス校)」に訂正した後、「UCLA」に再度訂正した理由は
「スタッフ間の連絡ミス」に豹変。ロサンゼルスから帰国の途についたときにも、「今後も調査を続けたい」と
未練タラタラの様子だが、これまでの迷走ぶりは実にお粗末。

最後に公職選挙法235条違反のことだが、履歴調査票などに各校を「大学卒業」と列記し、
有権者に「偉い人だ」というイメージを持たせるので、当選目的のために経歴について虚偽の事項を
公にしたと言われてもしかたがない。「大学に通い、いくつかの単位を取得した」「公開講座に行った」と
いうだけで卒業したと経歴を詐称しているのだから当選目的の虚偽公表になると思う。

2004年9月22日、古賀議員が福岡県警や福岡地検の事情聴取に、衆院選当時から米国の大学を
卒業できていないと認識していたなどと公選法違反容疑(虚偽事項の公表)を大筋で認めていることが
分かった。

2004年9月24日正午過ぎ、古賀議員は秘書を通じて辞職願を河野洋平衆院議長あてに提出した。
この後、福岡県庁で「政治的、道義的責任を取り、辞職する決意をした」との「有権者の皆様へのお詫び」と
題したコメントを発表し、自ら進退を明らかにする方針だったが、結局秘書を通じての辞任表明となった。
有権者の前で「うそをついていました。ごめんなさい」とは言いづらいことだか、あれだけのことを言って
いたのだから、有権者の前で誤るべきである。経歴に間違いがあれば辞職すると言っていながら
議員に執着していたことを加味すれば、罪は大きい。
公選法違反で有罪が確定した場合、当選無効で失職し、5年間は公民権が停止され、立候補は出来なくなる。
しかし自発的に辞職した場合、来年4月24日の補欠選挙には立候補できないが、以降の選挙への
立候補制限はないという抜け穴があるのには納得できない。
検察当局は疑惑発覚当初から「辞職すれば立件は見送る」(幹部)との方針で、古賀氏が少しでも有利な
道を選択するため、事実上の“司法取引”に応じたとの見方も出ている。
そのようになり、福岡地検は2004年10月5日、「議員辞職し、政治家としてのけじめはつけた」などとして
起訴猶予処分にしたと発表した。(H16.9.22、9.24、10.6追加・訂正)






























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