YSミニ辞典:あ(蟻関連

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(an ant)あり : @膜翅目アリ科の昆虫。体は頭・胸・腹の三部に分けられ、
    胸部と腹部の間が細くくびれている。大部分は2〜10mm。体色は黒か赤褐色。
    女王アリを中心に雄アリ・働きアリ(不完全な雌)が地中や朽ち木に巣を作り、
    多数で社会生活を営む。糖分を含む食物を好む。全世界に分布し、種類が多い。[季語]夏−動物。
アルゼンチンアリ(Argentine ant) : 亜爾然丁蟻。学名は「Linepithema humile」。    
 ハチ目アリ科カタアリ亜科アルゼンチンアリ属に
 分類されるの一種。
 その性質から駆除や根絶が容易ではなく、果樹を食害し、
 人間を含む他生物の巣に侵入してきてその住人を襲い、
 そこから追い出し時には絶滅に追いやる、
 その結果間接的に生態系を破壊するなど、
 このうえもなく厄介なことで世界的に有名である。
 世界の侵略的外来種ワースト100(IUCN2000)
 選定種であり、日本の侵略的外来種ワースト100
 選定種であり、特定外来生物にも指定されている。
  分布については世界中から記録されているが、
 南米 (ブラジルもしくはアルゼンチン) が本来の生息地とされ、
 人間の移動に伴い分布が広範に拡大がったとされている。
 アジアでは記録がなかったが、1993(平成5)年に
 広島県廿日市市より初めて採集され、2001(平成13)年
 には山口県の岩国市や柳井市まで分布域が拡大し、
 その後、兵庫県神戸市、岐阜県各務原市などでも
 生息が確認されている。
  働きアリの体長は約2.5mm、体高は1.6mm程度で、
 女王アリは通常その2〜4倍程度の大きさである。
 
日本産アリ類画像データベースより
    体色は遠目には黒く見えるが、近寄ると褐色であることがわかる。
    他種に比較して脚と触角が長く、 それらを振り回してせわしなく動き回る。
    人目につくときにはたいてい多数の個体からなる行列をなしているのも特徴の一つである。
    1匹だとそれほどでもないが、多数群れているときにそのうちの1匹を潰すと黴くさい臭いがする。
    攻撃性が強く、他種のアリの巣を見つけるとこれを襲って、その巣の成虫幼虫含めまるごとエサにする。
    ゆえに、本種の蔓延した地域から在来種のアリは一匹残らず姿を消し絶滅に追いやられる。
    アリだけでなく、ハチの巣や天敵であるはずの鳥の巣まで襲ってヒナを殺戮する。
    またよく人家にも侵入し、その場合は人間や家畜が攻撃の対象となる。
    武器は大顎で、これでもって噛み付く。毒針は持っていないので刺したり、蟻酸を含んだ毒液で
    攻撃することもないので、噛み付かれても他のアリやハチに攻撃されたときのような症状は起きない。
    多女王性であり、一つの巣に複数の女王アリがいる。
    その割合は、ふつうは働きアリ1000匹に対して女王アリ8匹程度であるが、
    超巨大コロニーともなると100万匹以上の働きアリを抱え、女王アリの数は1000匹以上になる。
    行動スピードはとても速く、日本在来種のありの4倍近いスピードで動ける。
    気温の一定な市街地を好み、山間部での活動は確認されていない。
    女王アリは一日に約60個の卵程度を産み、約2カ月で成虫の働きアリとなる。
    働きアリの寿命は約1年で、気温が5〜35℃のときに活動し、低温になる冬季は活動が鈍る。
    女王アリも20℃以下では産卵しなくなる。
    駆除方法
     ●スプレー型殺虫剤 : コンクリート構造物の亀裂、建物の壁の隙間などに吹き込むことで
      効果がある。ノズルを奥まで差し込み、十分内部にいきわたるように吹き込む。
      また、ドアや窓枠に吹き付けることで、これらの隙間からの侵入防止に効果がある。
      参 : アリパワーブロック(NEO LAPAN・HP)
     ●液体型殺虫剤(遅効性タイプ) : アリの行列に散布したり、
        巣穴に直接流し込むことで効果がある。これは、アリがお互いに体を
        舐め合う性質(グルーミング)を利用したもので、直接殺虫剤に触れたアリから
        別のアリに殺虫成分が伝わることで、巣全体への効果を期待できる。
     ●えさ型殺虫剤 : アリの巣穴周囲や行列付近に置くことで、効果がある。
        これは、働きアリがえさを巣に持ち帰り、仲間に分け与える習性を利用したもので、
        巣全体に作用するので、アリの巣を丸ごと駆除したいとき等に効果的がある。
     ●粉末型殺虫剤 : 建物の中へ侵入しようとするアリをブロックしたいときに効果がある。
        建物の壁際へ隙間の無いよう、建物を一周取り囲むよう帯状に散布する。
     参 : 白蟻
    A建築で、鳩尾状(逆三角形)に広がった形の名称。
     木材の端に作って継ぎ手・仕口(しくち)などに用いる。
白蟻(a white ant、a termite)しろあり : オオシロアリ、ヤマトシロアリ、イエシロアリなど、
    昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科(Termitidae)の昆虫の総称。
    に似るが体長3.5〜7.5mm、柔軟で乳白色で、アリとは違って胸部と腹部の間にくびれがなく、
    不完全変態のため、幼虫は成虫とほぼ同じ姿である。
    等翅(とうし)類で、系統的にはゴキブリに近縁の植物遺体を食べる社会性昆虫の一つ。
    熱帯から亜寒帯まで、陸上のほとんどの地域に分布するが、熱帯に種数が多い。
    女王・王・働きアリ・兵アリから成る大きな社会を作る。木材・建築物・地中などに営巣し、
    建物や立ち木に大害を与える害虫として忌み嫌われるが、自然界においては
    セルロースの分解に携わる重要な要素(分解者)として不可欠な存在でもある。[季語]夏−動物。    
シロアリの種類
( )内は英名 生息地 進入経路 特徴
ヤマトシロアリ
(Japanese
subterranean termite)
北海道北部を除く全国 床下から 湿った土や木を好み、
分散して巣をつくる
イエシロアリ
(Formosan
subterranean termite)
関東以西の
太平洋沿岸に多い
床下から 数十万匹で土中に巣をつくる。
被害の進行が早い
アメリカカンザイシロアリ
(外来種)
(America common
dry−wood termite)
1976(昭和51)年に
東京で見つかり、
神奈川、和歌山、
兵庫など全国各地に
点在している
屋根裏や窓から。
輸入家具や
建材を介して
乾燥した木を好み、ヒノキの
柱も食す。被害の進行は遅い。
寒さに弱い
ダイコクシロアリ
(Daikoku
dry−wood termite)
奄美大島以南の
南西諸島と
小笠原諸島
屋根裏や窓から 乾燥した木を好む。
家具などにも潜む。
寒さに弱い
カンモンシロアリ
ノキシロアリ
関門地域
タイワンシロアリ 沖縄県、中国、台湾
    参 : (社)日本しろあり対策協会(HP)
























































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