YSミニ辞典(G)

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G7(Group Seven)ジーセブン : G7サミット。「主要7カ国先進国首脳会議」のことで「先進国サミット」の一つ。
    サミットとは英語で「山の頂上」のことで、国を代表する大統領や首相が参加する最高レベルの
    国際会議、という意味があり、各国のトップが集まる主要先進国首脳会議のことをいう。
    1973(昭和48)年に第1次石油ショックがあり、原油が1バーレル当り約3ドルから
    一挙に3倍以上暴騰し、世界経済がパニック状態になり各国とも経済活動が狂奔した。
    そこで、日本・米国・イギリス・フランス・ドイツ(当時西独)の5カ国(G5)が金融危機への対応策など、
    経済政策について意見交換するため1975(昭和50)年に発足し、1986(昭和61)年から
    イタリア・カナダを加えた7カ国(世界経済の70%のシェアを持つ国々)の公式会議になった。年3回開く。
    首脳が集まって今後の世界経済運営について共同歩調をとり再建しようと決意し、
    会合を持ったことを先進国サミットと云う。このサミットは、1975年以降毎年1回開催される国際会議で、
    石油危機による世界経済の混乱に対処するために、フランスの提唱で始まり、
    主に経済と政治問題を協議する。大統領・首相による首脳会議、
    外交問題(東西冷戦中は西側陣営の結束)を専門に協議する外相会議、更に経済貿易の活性化と
    世界金融の安定を相談する財務相・中央銀行総裁会議の三つの国際会議が行われている。
    こうしたサミット7か国の財務大臣の集まりとしては、このサミット財務大臣会合に加えて、
    中央銀行総裁も同席して議論するのが「G7」である。
    経済の動きは急ピッチなので、G7とサミット財務大臣会議をあわせて考えれば、
    およそ3か月毎に7か国の財務大臣が集まる会議が開催されることになっている。
    ロシアが加わった現在は「主要8カ国(G8)」として、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・
    イタリア・カナダ・日本・ロシアの8カ国の首脳およびEU委員長が参加し、
    「先進国首脳会議」や「主要排出国会議」などがあり、開催地の地名を冠した会議名で呼ばれる。
    参 : A39

    G7への随行、多すぎないか
    (2009.3.3、朝日新聞「声」より、北九州市小倉北区の岡田 直人さん(78歳)の投稿文紹介)
     ローマで開催された主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が先月14日に閉幕した。
    我が国からは、中川前財務・金融相と白川日銀総裁が出席したが、
    国会答弁などによると、随行した官僚は22人もいて、
    その費用たるや2日間でなんと6千万円(1人当たり300万円弱)かかったという。
     この事実を聞いて、驚きというより先に怒りを覚えた。
    世界の閣僚がそろうG7の会議とあって、ベテラン官僚を同行させたい気持ちは理解できるものの、
    本当に22人も必要だったのかどうか。我々庶民からみて、到底理解できない。
     私たち高齢者の年金は1年間でも300万円はない。
    現在、世界中が未曾有の不況で、多くの企業は経営が赤字となり、
    多くの労働者が解雇され明日からの生活の糧を無くしているという時なのだ。
     国民が不況で苦しんでいる時に、財務・金融相は我々の税金を使って、
    ろれつが回らぬ醜態をさらし、翌日は観光をした。まさに「ローマの休日」を楽しんできたようだ。
     こんな大変な時になぜ22人もの随行員が必要だったのか。
    一体誰が22人もの官僚の出張を許可したのか。問いただしたい気持ちでいる。
     ベテラン官僚の資料提供や口添えなら5人もいれば十分で、半ば観光目的のためとしか思えない。
    ベテラン官僚なら、ロレツも回らないほど酔っていて足取りもおぼつかない中川大臣に、
    「このたびの記者会見は体調不良として延期するように取り計らいましょう」などの進言をするはずで、
    醜態を世界にさらし、日本のイメージを大きく傷つけた責任は随行員の方が大きく、
    処分をしてもおかしくない。何もしなかったのは中川大臣を落とし入れることだったかも・・・
    バチカン博物館観光でも、立ち入り禁止場所に近づいた大臣を体を張って阻止すべきであり、
    現地大使や大勢の随行員が同行していながら、何の配慮もしなかったということではないか。
     官僚は、弱者切捨てなどの台本を作っておきながら、
    自分たちは国民の血税を湯水のごとく使っていることは許せない。
    今回の会議の出張報告書に、出張先・目的・内容の基本項目のほかに300万円の詳細内訳も付け加え、
    随行者全員分の出張報告書を国民に公表してほしい。22人もの随行員は桁外れに多いからだ。
    大臣といえども会議に関係のない観光などは自費とすべきで、
    今回参加した官僚も含めて会議に不要な出費(税金)は国庫に返還するのが当然のことである。

G8(Group of Eight:MEM)ジーエイト : G8サミット。主要8カ国首脳会議や主要経済国会議とも呼ばれ、
    フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシアの各国首脳(および国際機関の代表)
    が年1回集まり、国際的な経済的、政治的課題について討議する会議のこと。
    合わせて、数多くの下部会議や政策検討もある。一般には「サミット」と呼ばれることが多い。
    1977(昭和52)年からヨーロッパの国々でつくる今の欧州連合(EU)の代表も参加している。
    ロシア参加前は先進国首脳会議、G7(ジーセブン)、先進7カ国首脳会議と呼ばれていた。
    サミットは、参加国が順番に議長国となって開く。
    日本では2008年の「北海道洞爺湖サミット」をはじめ、これまで5回開かれた。
     先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書に定めのない2013年以降の
    国際枠組みでの合意形成を主導するため、ブッシュ米大統領が主要な先進国と
    発展途上国に呼び掛けて2007年9月27、28両日にワシントンで初の
    主要排出国会議(しゅようはいしゅつこくかいぎ)を開いた。
    米国、日本など主要8カ国(G8)と、中国、インド、韓国、南アフリカ、ブラジルなど
    排出量の多い開発途上国8カ国の計16カ国と、欧州連合(EU)、国連が参加する。
    国連気候変動枠組み条約締約国会議での議論を補完するものとして、
    世界全体の長期的な温室効果ガス削減目標の設定、削減技術の開発・移転の進み方などで
    2008年末までに数回会議を開き、合意を目指すとしている。
    長期目標実現のためには各国が自主的に目標を立て、それを検証する仕組みをつくるとしたが、
    拘束力のある目標を支持するEUはこれに否定的である。
    参加16カ国の二酸化炭素の排出割合の合計は世界の4分の3を占める。
    2008年11月にはアメリカ発の経済危機に対応するため、初めてのG20サミットが開かれた。
GCT(Gauge Changable Train、Gauge Change Train) : @軌間可変電車(きかんかへんでんしゃ)
     線路の幅(軌間)に合わせて線路上を走行可能な電車のこと。
     スペイン国鉄によって、S−120系電車Alviaを用いた異軌間の新在直通を行う営業運転が、
     2006年より運行開始されているが、日本ではまだ開発中で、軌間可変試験電車と呼び、
     フリーゲージトレイン(Free Gauge Train:FGT)という和製英語を用いている。
     日本では、主に標準軌(1435mm)と狭軌(1067mm)の両方の線路上を走行可能な車両を
     開発するべく、国土交通省の施策で鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の
     委託によりフリーゲージトレイン技術研究組合が開発を進めている。
     異なる軌間を直通するために、軌間の異なる線路を接続するように設置された軌間変換装置を
     通過する間に、車輪案内レールにより車輪を車軸方向にスライドさせて両方の軌間に設定できる
     軌間可変車軸を持つ。車輪と一体となったダイレクト・ドライブ・モーター(DDM)を用いたもの、
     平行カルダンとスプラインを用いたものなどの機構が試行されている。
     この技術を用いて、標準軌の新幹線と狭軌の在来線を自由に行き来できることで乗換えが不要となり、
     利用者の負担軽減を図ることができる。フル規格新幹線に対しては所要時間の面で格段に劣るが、
     新規路線の建設用地確保が不要であるため建設コストや建設期間は大幅に抑えることができる。
     また、ミニ新幹線のように改軌による在来線のネットワークの寸断も生じない。
     このため、実用化されれば新規のミニ新幹線が建設される可能性は低くなる。
     GCT(ゲージチェンジトレイン)というちゃんとした英語があるのに、
     なぜ日本ではFGT(フリーゲージトレイン)という紛らわしい和製英語を作るのだ。

     「夢の列車」実用険し(朝日新聞2008.2.24号より部分引用)
      GCTは、新幹線に乗り換える手間がいらない「夢の列車」として期待を集め、
     九州新幹線西九州(長崎)ルート(博多〜長崎間)では政府・与党が「導入をめざす」と決めているが、
     技術的な壁が高い。開発が本格的に始まってから10年たち、
     北九州市内のJR日豊線で走行試験が行われているものの、実用化のめどは立たないままである。
     期待していた自治体からは不要論も出始めた。
    Aグリニッジ標準時(Greenwich civil time:GCT、Greenwich mean time:GMT)
     グリニッジ子午線における時刻。世界の地方標準時の基準とし、世界時ともよばれる。
    B優良家庭犬試験(Good Citizen Test) : 優良家庭犬普及協会が主催する家庭犬と
     その飼い主を対象とした認定試験のこと。社会に受け入れられるしつけの良い家庭犬と
     責任ある飼い主を育成することを目的としている。 参 : 優良家庭犬普及協会(HP)
    Cグランド・セントラル駅(Grand Central Terminal)
     ニューヨーク市中心にあるメトロ北線、ニューヨーク市地下鉄および地下鉄の主要駅。
GDP(Gross Domestic Product) : Gross(全体)、Domestic(国内)、Product(生産したもの)の、
    頭文字をとった略称で、「国内総生産」のこと。国民総生産(GNP)から海外で得た純所得を
    差し引いたもので、国内の経済活動の水準を表す指標となる。日本人が商品を買ったり、
    家を建てたり、企業が工場を作ったり機械を買ったりした額、つまり国内で使われたお金の総計のこと。
    海外にいる日本人が使ったお金は含まれないが、日本にいる外国人の使ったお金は含まれる。
    以前は国の経済成長尺度にGNPが使われいたらしいが、国際化の進展によるためGDPになった。
     GDPの変化を示す成長率のうち、物価変動の影響を含むのが「名目成長率」で、
    除いたのが「実質成長率」である。インフレ率が上がれば、名目成長率も高くなる。
     中国のGDPは過去30年間で84倍に増えた。
    このところ伸び悩む日本を抜き、2010年は米国に次いで世界2位となる。
    1978年に始めた、海外の技術やお金を取り込む「改革開放」政策の成果だ。
    今や世界の各国にとって、中国は自国の商品を買う大切な客だ。
    このため各国の政治家は、中国の人権問題に関して、厳しく言いにくくなったとの声もある。
    参 : 労働分配率
GHG = 温室効果ガス
GHQ(General Headquaters/Supreme Commanger for the Allied Powers)ジー・エイチ・キュー
    連合国軍最高司令官総司令部(れんごうこくぐんさいこうしれいかんそうしれいぶ)。
    SCAPを省き、「連合国軍総司令部」や「連合国総司令部」など、GHQのみの略称を用いる場合が多い。
    1945(昭和20)年8月28日にアメリカ政府が東京に設置した対日占領政策の実施機関で、
    第二次世界大戦終結に際してポツダム宣言の執行のために日本を占領し、
    間接統治を行なった連合国軍の日本における司令本部である。
    連合国軍総数は20万人、うち12万人が横浜市に上陸した。
    1952年(昭和27)4月28日のサンフランシスコ平和条約発効とともに
    日本の主権が回復し、GHQ/SCAPは廃止された。
    GHQの検閲(けんえつ) : 1945(昭和20)年9月に検閲の指針となるプレスコード(検閲規則)を
     定め、日本国内の報道機関や出版社に新聞や雑誌、書籍のゲラを提出させて事前検閲をした。
     GHQは、戦時中よりも厳しい徹底した言論の検閲を行い、戦争に至る日本の立場の
     正当性を主張することも、広島、長崎の原爆の悲惨さを公表することも禁じた。
     その一方で、日本国民を一般国民と支配階級に分け、
     「国民は支配層にだまされていた」という宣伝によって、国内対立があおられた。
     GHQが戦争に関する罪悪感を徹底して日本人の心に植え付けるために行った宣伝計画を
     戦争犯罪宣伝計画(War Guilt Information Program)という。
     占領軍は周到な計画の下に、新聞、雑誌、ラジオ、映画とあらゆるメディアを使い、
     日本の戦争が不当なもので日本人は残虐なことをした、と強調した。
     戦後日本の教育は、このような占領下でスタートし、占領政策の柱をなしたのは徹底した検閲であり、
     原爆投下など連合軍の攻撃による日本の被害、旧日本軍に関する記述を幅広く取り締まり、
     占領軍の検閲基準として、下記のような「禁止30項目」というのがあった。
      1.占領軍総司令部批判
      2.東京裁判批判
      3.占領軍総司令部が日本国憲法を起草した事実への批判
      4.検問への言及
      5.米国の批判
      6.ソ連の批判
      7.英国の批判
      8.朝鮮人への批判
      9.支那の批判
     10.その他連合国の批判
     11.連合国の全般的批判
     12.満州での日本人処遇への批判
     13.連合国の戦前の政策への批判
     14.第3次世界大戦への論評
     15.ソ連と西側諸国との対立への論評
     16.戦争弁護の宣伝
     17.神国日本の宣伝
     18.軍国主義の宣伝
     19.民族主義(国家主義)の宣伝
     20.大東亜に関する宣伝
     21.その他の宣伝
     22.戦争犯罪人の正当化または弁護
     23.占領軍将兵の占領地女性との懇交
     24.闇市場の取引
     25.占領軍の批判
     26.飢餓状態の誇張
     27.暴力行為と不穏状態の誘導
     28.嘘偽の陳述
     29.占領軍総司令部への不適当な言及
     30.時期尚早の発表
    
    太宰作品にGHQ検閲=「神国」など削除指示(4短編集7作品)、米で新資料
     生誕100年を迎えた作家太宰治(本名津島修治、1909〜48年)が、
    戦後間もなく発表した「新釈諸国噺」や「薄明」など4短編集に収められた7作品が、
    連合国軍総司令部(GHQ)の検閲を受けていたことを示す資料が
    発見されたことが2009年7月31日、分かった。
     日本を「神国」と表記した部分や、武士道の精神を唱えた記述が主な削除対象。
    戦後日本を占領下に治めたGHQへの反発が、
    人気作家の著述であおられる可能性を排除する措置だったとみられる。
     米ペンシルベニア州立大学のエイブル・ジョナサン准教授と
    青森県出身で長崎総合科学大学の横手一彦教授が共同研究の中で、
    メリーランド大学(米メリーランド州)の図書館「プランゲ文庫」から資料を見つけたという。
     横手教授によると、GHQの検閲が判明したのは、1945年発行「新釈諸国噺」に収められている
    「人魚の海」▼1946年発行「薄明」の「鉄面皮」、「校長三代」▼1947年発行「ろまん燈籠」の「貨幣」
    ▼同「黄村先生言行録」の表題作と「佳日」、「不審庵」の計4短編集7作品。
    また、「新釈諸国噺」の冒頭に書かれている「凡例」についても検閲個所があった。
    「人魚の海」では、「そもそもこの日本の国は神国なり」や「神国三千年」などの言葉のほか、
    武士道精神を表現し、軍国主義を連想させる個所に対して、GHQの削除指示が出されていた。
     言論の自由の国「アメリカ」が、占領中の日本には言論の弾圧をし、
    著作物にはアメリカの都合の良いように、大幅に内容を修正させられていたのである。
    検閲、修正された7作品はGHQの占領が終わって3年後の1955(昭和30)年、
    筑摩書房が出版した「太宰治全集」で元原稿の形に復元されている。

GM作物(Genetically Modified Organisms:GMO) : 遺伝子組み換え作物(いでんしくみかえさくもつ)
    最近では「Modified」を「Engineered」として「GEO」とも言われている。細菌などの
    遺伝子を導入して除草剤や害虫に抵抗性を持たせた植物のことで、農薬を減らすことができる。
    通常の品種改良は交配を重ねて行うのに対し、ある生物が持つ有用な遺伝子を、
    改良しようとする生物のDNA配列に、人工的な操作により組み込んで、
    新たに特殊な性質を持たせて品種改良等が行われた作物のことである。
    病虫害に強いトウモロコシや特定の除草剤に耐性を持つ大豆などがある。
    各国とも安全性の確認を行っているが、人体や環境への長期的な影響を懸念する声があり、
    欧州連合(EU)は域内での栽培や流通の新規認可を凍結している。
    日本では農林水産省が2001(平成13)年に大豆、ジャガイモなどで組み換えの表示を義務付け、
    安全性が未審査の組み換え作物などの輸入や販売を禁じている。
    現在はジャガイモ、大豆、テン菜、トウモロコシ、菜種、ワタなど88品目の組み換え作物の安全性を認め、
    食品認可しているが、消費者団体の反対などで商業栽培は行われていない。
    だが、大豆とトウモロコシのほとんどを輸入に頼っているため、
    国内で消費される大豆の6割はGM大豆という試算もある。
    日本は2004(平成16)年2月、GM作物の環境への影響を避けるため、
    栽培するには農水相、環境相の承認を受けなくいはならないとしたカルタヘナ法を施行した。
    食品や飼料などとして農家や家庭で一般栽培するには、
    さらに食品衛生法や飼料安全法などの審査を通らなければならない。
     1992(平成4)年に米国Calgene社が日持ち性を改善した
    遺伝子組み換えトマト(フレーバー・セーバー:FlavrSavr)の特許を取得し、
    1994(平成6)年に米国で市販開始されたフレーバー・セーバーが実用化第1号とされ、
    本格的な商業栽培は2年後の1996年から行われ、米国、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、
    メキシコにおいて、除草剤の影響を受けにくい大豆や菜種、害虫抵抗性のあるトウモロコシ、
    綿、芋などの栽培が開始された。米国などを拠点に活動している国際アグリバイオ事業団の
    調査によると、2005年時点で21カ国で栽培され、商業栽培の面積は世界全体で約9千万ヘクタールで、
    前年より11%増えた。除草剤耐性の大豆が最も普及しており、GM作物の総栽培面積の
    60%を占める。次いで、トウモロコシ、綿花、菜種の順に多い。
    2008年から米国で栽培が始まったビート(砂糖大根、テンサイ)はすでに作付面積の6割がGMである。
    遺伝子組み換えとは、単純にいえば、ある生物から別の生物に遺伝子を移すことである。
    Aという生物が持っている有用な遺伝子を、改良したいBという生物に導入することができれば、
    もともと持っていた性質に加えて、新しい性質をBに付与することができるというもので、
    従来の品種改良も遺伝子レベルで見れば、組み換えによって人間にとって
    都合のよい性質をもたせたことになる。従来と大きく異なるのは、近縁の生物種だけでなく、
    無関係な生物種の遺伝子を組み込むことができる点にある。
    いろいろな生物の遺伝子を遺伝資源として利用することが可能になったともいえる。
    遺伝子組み替え食品の利点
     省力化。一度にたくさん収穫できたり、天候や虫害に強い農作物の開発によって生産を上げる
      ことができる。害虫抵抗性や除草剤耐性を組み込んだ作物の栽培による労働量や労働時間の軽減。
     環境に対する負荷の軽減。生分解性プラスチック、環境浄化微生物、病虫害抵抗性を
      付与することによる農薬使用量の減少、生物エネルギー等の開発環境・資源問題の解決への貢献。
     コストの削減。栽培面積の増加傾向から判断すれば、
      栽培にかかる全体のコストは下がり、収益が増大する。
     消費者のニーズに沿った生産。栄養成分や機能性成分(抗ガン効果等)に富む農作物、
      日持ちの良い農作物、アレルギー原因物質を除いた食品を作り、
      消費者の好みや要望にそった生産ができる。
    遺伝子組み替え食品に対しての不安
     食品として安全であるかどうかがまだ確立されていないため、
      将来思わぬ被害を受けないと誰も保障できない。
      日本では、7〜8割の人がGM作物を食べたくないという現状がある。
     人間や家畜への影響。遺伝子組み換えされた作物には葉にも実にもすべての部分に
      組み込まれた遺伝子が存在し、作物のすべての部分でこれまでにないたんぱく質を作っている。
      つまり、遺伝子組み換え作物を食べ続けるということは、これまで食べることのなかった
      たんぱく質を長く食べ続けるということになり、その影響は分かっていない。
     自然生態系への影響。遺伝子の配列は非常に複雑であり、それぞれの作物の中でどの遺伝子が
      どのように機能しているのか、まだほとんど解明されていない。このような段階で組み換え技術により
      新規の遺伝子が導入された場合、新しい遺伝子が当初とは別な働きをしたり、
      もともとの遺伝子がその働きを阻害されたり、両者が組み合わされて予期しない結果を
      引き起こしたりする可能性がないとはいえない。
      これらのことから、導入された遺伝子が周囲の植物や微生物に取り込まれ、
      その結果生態系が乱される危険性が指摘されている。
     組み替え技術の応用は、植物から動物へ、さらにはヒトへと続いていき、臓器移植と同様、
      遺伝子がかかわる病気の治療のための遺伝子移植はすでに検討されている。
      その先は、いわばヒトの品種改良につながる危険性がある。
     これらのことからうまれたのが、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」という
      市民運動の「大豆畑トラスト運動」で、信頼できる生産者や自分たちで畑に大豆を植え、
      できた大豆を分け合って食べることで、国内の自給率を少しでも上げ、
      輸入大豆に頼らないようにしようという運動である。消費者のグループが、生産者と提携したり、
      自分たちで畑を借りて植えたりと、全国各地でさまざまな形の取り組みが続いている。
      なにより、このしくみでは、基本的に作付けした大豆をすべて消費者が引き取るしくみになっている。
      大豆は、そのままや味噌などに加工されて消費者の手に渡るため、
      生産者も安心して大豆をつくることができる。
遺伝子組み換え作物(2006年2月現在、厚生労働省により安全性が確認された作物)
品 名 耐 性 等   [ ]は審査継続中 品種数 記 事
ダイズ 除草剤耐性・成分改変(高オレイン酸) 大豆。
ナタネ 除草剤耐性・成分改変(高オレイン酸)・
雄性不稔性・稔性回復性
15 菜種。
ジャガイモ 害虫抵抗性・ウイルス抵抗性 馬鈴薯。
トウモロコシ 除草剤耐性・害虫抵抗性・
[高リシン形質]
25[1] 玉蜀黍。
テンサイ 除草剤耐性 甜菜。
ワタ 除草剤耐性・害虫抵抗性 16[1] 綿。綿花。
アルファルファ 除草剤耐性 豆科に属する
多年生植物
パパイヤ [ウイルス抵抗性] [1] 審査継続中
作物
トマト 成分改変(高ペクチン酸)・
その他(高日持ち性)
日本では
未確認
    除草剤耐性作物 : グリホサート(商品名「ラウンドアップ」)など特定の除草剤を使用しても
     枯れない性質を持たせた作物のことで、その除草剤を一度使えば雑草だけを枯らすことができるので、
     散布量・作業・コストの軽減が可能になる。
    害虫抵抗性 : 害虫に強い性質のこと。遺伝子組み換えの場合、このような性質をもった農作物は、
     害虫の天敵微生物から特定の昆虫のみを殺すたん白質をつくる遺伝子を取り出して、
     導入することによってつくられている。導入するたん白質は、特定の種類の昆虫だけに
     殺虫力を示すので、それ以外の生物に影響を及ぼすことはないとされる。
    雄性不稔性 : 雄性不稔性とは、植物の雄性器官である花粉や胚のうに異常があるために、
     受粉・受精や種子形成が行われないことをいい、雄しべができないようにする遺伝子
     (雄性不稔遺伝子)を組み込んだ植物は、花粉ができなくなるため、自家受粉でなく他の花の花粉を
     利用する他家受粉によって受精を行う。この他家受粉によってできた雑種の種子は、
     生命力が強く収穫量が上がるといった”雑種強勢”の性質を有するようになる。
     また、稔性回復遺伝子は、雄性不稔遺伝子を不活化する遺伝子のことで、
     雄性不稔の植物と稔性回復の植物を交配してできた植物は、再び受粉ができるようになる。
    稔性回復性 : 雄性不稔の作物の花粉を提供するための父親として稔性回復系が使われる。
     例えば、雄しべができない性質をもった母親に普通の父親の花粉を交配すると、
     できた雑種の種は母親の性質を受け継ぐことがある。このような種を播いて栽培すると、
     花が咲いても雄しべができず、実らない。そこで、雑種の種をとるときは、父親には、
     母親の雄しべや花粉ができないか、働かない性質を打ち消す性質をもたせる。これを稔性回復性という。
     稔性回復性ナタネの場合、遺伝子組み換えによって、
     雄しべをなくす遺伝子の働きを打ち消すようにしている。
    グリホサート : 植物がある種のアミノ酸を作るのに必要なEPSPSという酵素を阻害する。
     これによってその植物はアミノ酸を作れなくなり、枯れてしまうことになる。
    アルファルファ : 豆科に属する多年生植物。牧草と新芽(スプラウト)などを
     食用に利用する場合がある。日本では主に飼料として輸入している。
     アルファルファスプラウト(もやし)は食用としても用いられている。
    参 : バイオテクノロジー遺伝子組換え食品ホームページ(厚生労働省)
GNEP = 国際原子力パートナーシップ(核関連に別掲)
GNP(Gross National Product) : Gross(全体)、National(国民)、
    Product(生産したもの)の、頭文字をとった略称で、「国民総生産」のこと。
    一国において一定期間(通常一年間)に生産された財貨・サービスを市場価格によって評価した総計。
    ただし、企業間で売買される原材料は除く。一国の経済の大きさを測る尺度となる。
    日本人が使ったお金の合計のことで、日本人が日本で使ったお金や、
    海外にいる日本人が使ったお金は含まれるが、日本にいる外国人の使ったお金は含まれない。
GPS = GPS(パソコン用語)
GTR法(Guided Tissue Regeneration) : 歯周病により破壊された歯の支持組織を再生させ、
    歯をできるだけ元の健全な状態に戻す歯周組織再生療法の一つ。
    1982(昭和57)年にヨーテボリ大学(スウェーデン)のスティーレ・ニーマンらによって
    GTR法の成功が初めて報告された。「歯周組織再生誘導法」または「組織再生誘導法」ともいう。
    歯周病で破壊、吸収された歯周組織は、その原因を除去すれば再生しようとする。
    しかし、歯周病に罹患した部分を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと必要な支持組織が
    再生する前に歯肉がそこに入り込み歯周組織の再生を阻んでしまう。
    そこで、歯周ポケット内部を清掃した後にメンブレンと呼ばれるバリアー膜を設置し、
    外からの不要な歯肉が入り込まないよう防御する。そうするとメンブレンの下には
    歯周組織が再生を始め、ゆっくりと成長していく。この成長には時間を要すので、
    メンブレンの下が新しい組織で満たされるまで一定期間保持しておく必要がある(平均4週間)。
    その後、4〜8週間後にメンブレンを取り除く。新たに再生された歯周組織は、始めのうちは
    非常に幼若だが、時間の経過とともに成熟し、完全にもとの組織と同じ位の成熟度に達する。
    GTRは2008(平成20)年春、公的医療保険の適用対象になった。
    GTR法はすべての歯を救えるわけではなく、歯槽骨の破壊の形が水平に広がっていたり、
    破壊が重度だったりすると、この手術法を使うことはできない。
    GTR法は失われた歯槽骨を回復する手段としては有効だが、膜を設置する手間がかかるし、
    膜が露出すると失敗することもある。そのため、GTR法よりも手間がかからず手技も簡単な
    「エムドゲイン」が今後、GTR法に取って代わっていくのではないかと言われている。
GXロケット(ジーエックスロケット) : 国の基幹ロケットであるH2Aロケット
    科学衛生打ち上げ用のM5ロケットに続く第3のロケットとして2002年度に開発が始まった。
    米アトラスロケットの1段目に自主開発のLNG(液化天然ガス)エンジンを積んだ2段目をつなぐ
    中間ロケットで、日本の航空宇宙関係企業グループと宇宙航空研究開発機構(JAXA)、
    アメリカ合衆国のロッキード・マーティンが官民共同で開発を進め、
    民間の航空宇宙関連企業が1段目の購入とロケット全体のシステム統合、
    文部省と宇宙機構がエンジン開発、経済産業省が電子機器開発などを負担し、
    製造や完成後の打ち上げは石川島播磨重工業などが出資したIHI系企業の
    「ギャラクシーエクスプレス社(GX社)」が当たり、
    種子島宇宙センターの大崎射場から打ち上げる予定である。
     世界で初めて、液化天然ガス(LNG)を推進剤に利用したエンジンが搭載された
    中型の2段式液体ロケットで、主に商業打上げを目的とし、高度800kmの太陽同期軌道に
    約2トンの衛星打上げ能力を持つ。ロケットの大部分はすでに実績のある技術を結集して構成されるが、
    先端技術開発が必要となる部分もある。
    LNGは都市ガスなども使われる非常に安価な燃料だが、液体水素に迫るポテンシャルを有するもので、
    NASDAはこのLNGエンジンや、複合材を利用した極低温推進薬タンクなどの
    未開拓の技術分野での開発を担当、GXロケットの飛行実証を目的として計画に加わっている。
    またここで得られた成果を、将来の宇宙輸送システムに応用することも検討されている。
     1号機打ち上げは2005年度の予定だったが、2010年度以降とする計画になっている。
    全体の開発費は当初の450億円から、さらに増える見込みである。

























































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