墓関連(YSミニ辞典は)

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(a grave、a tomb)はか : 「墳墓(ふんぼ)」。「塚」。「墓地(ぼち)」。「墓所」。「納骨堂」。
    遺骸や遺骨を葬り、故人を弔う場所で、一般にしるしとして墓石・墓碑などを置く。
    またこの墓石・墓碑のことも「墓」ということもある。
    なお、墳墓は「築く」といい、その他の墓や塔は「建てる」という。
    建てた人という意味で建立者の名を刻む場合は、殆どが「建之」の字を当てる。
    現代における墓地は、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域をいう。
    なお、「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋葬する施設である(墓地、埋葬等に関する法律第2条)。
    なお、墓地についてその他地方税法などで優遇されているものもある。    
                             (朝日新聞2008.12.11号より引用)
墓の種類 記事
個別型 家墓 ●家族(主に長男)により代々引き継がれる墓で、登場したのは、
 明治期の家制度の導入以降、大正から昭和にかけてと言われ、
 約9割がこの形式とみられる。
●一般的には「○○家」の文字が入る
両家墓 ●両家で分担し、負担を軽くする目的で生まれた新しい形式で、
 夫婦両家のために両家名を刻む
●少子化による継承者不足に対応
夫婦墓 ●夫婦2人で入る
●継ぐ墓がなく子供もない場合に建てることが多い
個人墓 ●本人だけの1代限り
●好みのデザインで仕上げる個性的な墓が目立つ
集合型 永代供養墓 ●継承者がなくても寺や霊園が供養するので、
 「子がいない」「面倒をかけたくない」場合などに利用される
●集合型や個別型もあり形式は様々
●継承者がいらない、宗旨宗派は原則問わない、
一般の墓と比べて安い、などの長所がある
合祀・合葬墓 ●親しい他人同士や身寄りのない人たちが一緒に入る
●永代供養墓に含まれる
その他 納骨堂 ●遺骨の保管施設
●厳密には墓ではないが、同じ役割を果たす例もある
    
                                   (朝日新聞2008.12.18号より引用)
墓地の特徴 寺院墓地 公営墓地 民営墓地
檀家になる必要 ×
継承者の必要
価格 さまざま 安め 高め
デザインなどの墓石の自由度 低め ふつう 高め
メリット ★僧侶がいる
★寺と関係が密に
★石材店が自由
★倒産なし
★入りやすい
★ペットと合葬なども
デメリット ●寄付が必要なこともある
●長男のみなど条件もある
●抽選が大半
●居住要件など
●倒産のおそれもあり
●石材店は指定
    墓地、埋葬等に関する法律
     墓地は、公衆衛生上その他公共の福祉の見地からいろいろな行政上の規制を受ける。
     ●墓地の経営には、都道府県知事の許可が必要である。
     ●墓地の経営者は管理者を置き、管理者の本籍、住所、氏名を
      墓地所在地の市町村長に届け出なければならない。
     ●墓地の管理者は、埋葬等を求められたときは、正当な理由がなければ拒否できない。
     ●都道府県知事は、必要があると認められるときは、
      墓地の管理者から必要な報告を求めることができる。などである。
    その他の法律
     ●相続税法国税) : 祭祀財産(墓所・仏壇・神棚など)については相続税について課税財産と
      扱わない(非課税)。純金の仏像など純然たる信仰の対象とは考えにくいものは課税財産となる。
     ●地方税法 : 墓地に対する固定資産税は非課税。
     ●刑法 : 墓地に対する不敬行為等は刑法第188条、第189条により処罰される。
      (礼拝所及び墳墓に関する罪を参照)
     ●民法 : 墳墓の所有権は、習慣に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が
       これを承継するものとして特例を設けている。
    永代使用権 : 墓地の取得権のことで、墓地は宅地分譲などのように、
     土地そのものが売買されるのではなく、「永代使用権」を得るというかたちを取る。
     つまり、墓地の取得は、所有権譲渡ではなく、永代使用承諾という方式で扱われ、
     そこで支払われる代金を「永代使用料」と言う。
      永代使用権には期限がなく、それは永久の権利なので、
     使用者の権利は、代々にわたって受け継がれていくことになる。
     法律でも、そのお墓を祀る者に対して、墓地使用権の相続は認められている。
     しかし、第三者に譲渡したり、墓所以外の目的に使用することは一切できない。
    墓地選びのポイント
     ●立地条件  : 電車・バスの便や道路事情。自然に囲まれた場所かなど周辺の環境も考える
     ●管理規則  : 供え物の決まりごとなどを確認。お酒禁止や当日持ち帰りの墓地もある
     ●価格     : 永代使用料と、毎年払う管理費が妥当かどうか
     ●施設・設備 : 駐車場や水道施設の場所を確認。
                バリアフリーになっているかどうか、排水がいいかも大事
     ●宗教・宗派 : お寺の檀家かどうか。墓地によっては宗教宗派を限定していることもある        
墓地の入手について 
必要になったら考える 34.3
後に残る家族に任せる 15.9
いずれ(候補地あり、なし両方) 15.9
いらない(自然葬を希望) 10.0
永代供養墓を考えている  9.7
合葬を予約したい  1.7
その他  12.5
日本消費者協会調査(2010年)資料 
    参 : 永代供養墓ポータル(NPO法人・永代供養推進協会HP)、墓参り
墓石(a gravestone、a tombstone)はかいし、ぼせき : 墓のしるしとして立てる石で、
    墓碑(ぼひ)ともいう。墓石を指して(お墓)ということもある。
    五輪塔、宝篋印塔、宝塔、多宝塔、層塔、板碑も含まれる。
    ○○家之墓とか死者の戒名・姓名・没年を刻むことが多いが、最近は「自分流」が人気で、
    「愛」「和」「永遠」「やすらぎ」「安らかに」「ありがとう」「いつもそばに」「海」「やさしさに包まれて」
    などのほか、「遊心一処」などの造語を記す人もいる。
    また、故人の名前や命日などは、側面や裏側などの目立たない場所に彫るものが多くなっている。
    自由な形が広がり始めた背景には、死生観などに対する意識の変化があるという。
    日本では、平安時代に仏教の伝来に伴い石工の技術も渡来人によってもたらされ、
    供養塔や墓石としての五輪塔、宝篋印塔、宝塔、多宝塔、層塔などが支配階級の間で出現した。
    その後、鎌倉時代室町時代にかけて、禅宗の到来とともに位牌と戒名が中国から伝わる。
    その影響からか、位牌型の板碑や今日の墓石に近い角柱型のものもつくられるようになった。
    江戸時代になると檀家制度が確立し、人々に先祖に対する供養や葬儀、
    墓など仏事が生活の中に定着したことにより、庶民まで墓石を建立するようになった。
    墓石に家紋を入れるようになったのはその頃からである。
    はじめ墓石は個人や夫婦の為のものであったが、明治中期以降は家制度の確立により、
    家単位で建立されることになった。その為、正面には以前は故人の戒名(法名)を彫っていたものから、
    「○○家先祖代々之墓」などのような形に変わっていった。
    その他、正面には宗派の梵字や名号、「倶会一処」などが刻まれる。
    側面には建之日・建之者・故人の命日・俗名などを刻む。文字の所に墨を入れる場合もある。
    墨色は、石の色や地域により白・黒・金・銀などがある。
    第二次世界大戦後、霊園の洋型の墓石が登場。現在ではデザイン墓石など多様化している。    
墓石のタイプ(朝日新聞2008.12.11号より引用)
タイプ 登場時期 特徴
和型 江戸時代中期 五輪塔を簡略化したもので、ほとんどが縦長である。
仏教的な意義がある。
洋型 1960年代後半 オルガン型や扇型が一般的。墓石建築ブームで広がる。「愛」「和」
「無」「ありがとう」「安らかに」など、好きな文字や言葉が刻まれる
デザイン型 1980年代後半 形は好みで自由自在に。ニーズの多様化で登場。
乗り物や楽器、将棋盤など趣味や仕事に関する個性的な形が多い
    参 : 全国優良石材店の会(HP)
墓に布団は着せられず(はかにふとんはきせられず) : 墓石には布団を掛けられないという意味で、
    親孝行しようと思っても死んでしまってからではもう遅いということ。
    【類語】●石に布団は着せられず●親孝行したいときには親はなし
墓参り(visit a person’s grave)はかまいり : 墓参(ぼさん)。墓詣で。へ行って拝むこと。
    特に、盂蘭盆(うらぼん)に先祖の墓に参ること。(例)墓に詣でる。[季語]秋−生活。
    墓参りの心得
     ●バケツとスポンジ、白いタオルや布を持参し、墓をていねいに拭く。
     ●生かされ、支えられていることの、先祖や両親への報恩感謝の気持ちで拝む。
      間違っても、先祖霊に頼みごと、願いごとはもちろん、愚痴や不満を言いたててはならない。
     ●年末は30日までに墓参りをしましょう。
      細木數子先生によると、墓石は心身の健康、2段目は財産、土台石の3段目は不動産を
      あらわすとのことだが、ある資料を見ると3段墓は良くないとされていたので、私は2段墓にしたが、
      どちらが正しいのでしょう。また、般若心経を棒読みでいいから声を出して拝みましょうとのことだが、
      一家で覚えている浄土宗のお経ではいけないのでしょうか。誰か教えて〜。

    お墓で絶対にしてはいけない事(開運の心得より引用)
     ●お供え物やワンカップのお酒など、お供えするのは大いに結構なことだが、置き放しにしないこと!
      帰るときには持って帰る。置き放しにすると虫やありなどが群がり、
      ご先祖様も墓石が汚れ居心地が悪いことでしょう。また災いの元になるのでおいてこないこと。
      お酒などは封を開けて供えましょう。
      これは開運の心得であり、放置OKの寺もあるが、最近の市区町村管理の墓地では
      カラスや野犬対策のため、お供え物の放置は禁止されるようになった。

     ●墓石は人間の体と同じです!墓には柄杓で水をかけない方がよいが、
      カラスの糞などを除く場合など、水をかけてもかけっぱなしにしない事!
      水をかけたら真サラな白いタオルでやさしく拭いてあげましょう(雑巾はだめ!)。
      また墓石をたわしでゴシゴシ洗ってはいけません。スポンジか手のひらで丁寧に洗ってあげましょう。
      我家では墓専用のバケツとタオルを用いている。
     ●無縁仏には手を合わせない事
    暑い日にすぐ枯れてしまう生花に、造花を用いてもよいか?
     墓参りという行為は、もちろん墓前で手を合わせるだけでもお参りには違いないが、
     墓石を洗い清め、汚れた水を換え、季節の花を手向け、線香をお供えし……、といった一連の
     流れを通して、我々拝む側の心がおのずと変化していく、という現実的な効果がある。
     なので、供花を省略したり、造花ですませたり、といったお参りについては基本的にお勧めできない。
     しかし、ほとんどのお寺の本堂には木造蓮華で荘厳されているし、法要の場合でも
     紙で作ったお花を散じ仏さまを供養することから、お供えに造花を用いてはいけないことはない。
     お墓に花を供えることには大きく分けて、@亡き人を思う真心を花に託す意味と、
     A墓地という祈りの空間を清め飾る意味の、二つの方向性がある。
     生花をお供えするのが基本ということを理解した上で、酷暑の時期に墓所を清らかに保つため、
     造花を活用することは決して間違いではないが、一年中同じ造花をお供えしておくのは控えた方がいい。    
墓参りをしていますか?
はいの人の理由
2つまで選択(73%)
回答者
数(人)
いいえの人の理由
2つまで選択(27%)
回答者
数(人)
祖父母や親を供養したい 2296 親族に墓を任せている 502
以前からの習慣 1153 時間の余裕がない 392
先祖を供養したい 1123 経済的な負担が大きい 260
墓参りの習慣を子供に伝えたい  656 参る墓がない 142
行かないと墓が荒れる  426 体力的な負担が大きい 122
親族に言われた  146 宗教上の理由  41
法事に参加する  91 墓参りの代行業者を利用 14
その他  232 その他  400
年に何回?  墓参りに行かないのは心苦しい?
1回  20 いいえ   53
2〜3回   46 はい   47
4〜5回   20    
6〜12回   9    
13回以上   5    
よく行く時期は?(複数回答、6位まで) 検討しているのは?(複数回答)
盆   2518 永代供養墓への改葬   113
春の彼岸   2233 近くの墓地への改葬   84
秋の彼岸   2179 墓の清掃サービス   41
故人の命日   981 手元供養の商品購入   16
正月   755 墓参り代行サービス   13
年の暮れ   678 ネット上での墓参り   11
    その他  70
    特に検討していない   1019
2010.9.18、朝日新聞「アスパラクラブ」会員によるアンケートによるもの。
回答総数:4994人。私は、親など身近な故人を含め、先祖を供養したいことから
墓参りをする。「先祖があっての自分」として、親から引き継がれたことを守りたい。
お墓参りしたい歴史上の偉人ベスト20    
順位 偉人名(墓地在所) 記     事 回答数
(人)
坂本龍馬(京都市)
京の街を見下ろす東山区の京都霊山
護国神社の墓地に、一緒に暗殺された
中岡慎太郎らとともに眠る。入場料300円
589
織田信長(京都市など) 上京区の阿弥陀寺には、信長家臣らの骨を
納めたという墓がある。このほか信長が最後を
とげた本能寺などに複数の墓がある。
448
手塚治虫(東京都)
1989年没。お墓の横のレリーフには「鉄腕アトム」や
「リボンの騎士」などのキャラクターたちとご本人が、
一緒に描かれている。
377
夏目漱石(東京都)
1916年没。「こころ」に友人Kの墓地として登場する
豊島区の雑司ケ谷霊園に眠っている。
ジョン万次郎、竹久夢二の墓もある。
332
徳川家康(栃木県など)
 
本人の遺言で、墓所として造営された日光東照宮に
葬られ、「大権現」としてまつられている。
高野山にも霊廟(れいびょう)がある。
312
真田幸村(長野市など)
大坂冬の陣・夏の陣で豊臣方につき、少人数で
徳川軍をおびやかす。墓や供養塔が、
ゆかりの地である長野市などにある。
274
上杉謙信(山形県など)
 
上杉家の転封に伴い墓所も転々としたが、
明治維新後、米沢市にある上杉家廟所に改葬された。
高野山にも廟がある。
268
伊達正宗(仙台市)
自身の遺言でつくられた墓所・瑞鳳殿は国宝だったが、
戦災で焼失し、戦後に再建された。
267
武田信玄(山梨県)
 
織田信長に対抗して京都に向かう途上で病没。
甲州市の恵林寺にある墓の背後には
家臣団約70人の墓もある。
265
10 空海(和歌山県)
 
お大師さまとして親しまれる平安時代の僧で真言宗の
開祖。自ら創建した高野山の奥の院に廟がある。
256
11 勝海舟     
12 紫式部     
13 芥川龍之介     
14 安倍晴明     
15 豊臣秀吉    
16 明智光秀    
17 高杉晋作     
17 宮沢賢治     
17 宮本武蔵    
20 太宰治     
朝日新聞「アスパラクラブ」会員によるアンケートより(2010.9.18掲載、回答総数2407人)
文芸研究家のカジポン・マルコ・残月さんと編集部が100人の候補者を選び、
その中から最大10人を選んだ。
歴史に名を残した人物のお墓を訪れる人を「墓マイラー」という。
墓穴を掘る(digone’sown grave)ぼけつをほる : 自らの行為が失敗を招くこと。
    自分の行為が原因となって破滅すること。【類語】●紙子着(かみこき)て川へ嵌(は)まる。オウンゴール
墓相(ぼそう) : お墓を持つ家族の家運や人生の吉凶などの運勢に影響するといわれる墓の形や建て方、
    向きや方角のほか、墓石の形・色・材質、周辺の環境などの特色をいい、この考え方を「墓相学」という。
    墓相という考え方は、中国で発達した風水の思想がその起源であるといわれ、
    日本に墓相学が登場したのは大正末期頃のことで、戦後になって、
    多くの出版物や雑誌などで紹介されたことから、墓相は広く一般に知られるようになった。
     墓相は仏教の経典においては一言も触れられていない。例えば、墓の方角については、
    お釈迦様の骨は方角に関係なく因縁のあった8つの場所に葬られたとされているし、
    墓石の色についても仏教では特定の色が悪いという思想はなく、どの色も大切だと考えられている。
    白は吉相で、青色・黒色・淡紅色は凶相などと言われているが、
    最近では良質で重量感のある「黒」が圧倒的に人気をよんでいるし、
    東向き、南向き、東南向きは吉で、西、北、西北などは凶となっているが、
    仏教では「西方浄土」と言われ、仏典でも「お墓はこのようにたてるべきだ」という教えはなく、
    墓を建てる際に墓相について考慮する必要は全くないと言う考えもある。
    ご先祖のおかげでこんにちあることを喜び、その喜びを表現し、やがて自分も一諸となる「場」として
    真心をこめて合掌できるお墓つくりであれば少しも不都合は生じないし、
    最近では「要は、心がまえ一つだ」と言う人が多いようである。
    良い墓相 : 日当りが良く、手入れが行き届き、
             いつもお花やお香が絶える事なく先祖の供養をしている墓。
    良くない墓相 : 墓地のバランスが崩れていたり、古い墓石を再利用した墓、大き過ぎる墓など。
               風化した墓や傷がついた墓など、荒れた墓。

























































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