犯罪(YSミニ辞典)
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犯罪(a crime) : @罪をおかすこと。また、おかした罪。
    A法律上は刑法その他の刑罰法規規定により、刑罰を科される行為をいう。
    サイバー犯罪 : 一般的にコンピュータ技術及び電気通信技術を悪用した犯罪をいう。
     以前は「ハイテク犯罪」と呼んでいたが、近年、国際的にサイバー犯罪の呼び方が多くなっている。
     大別すると、コンピュータ・データ及びシステム自体に向けられた犯罪と、
     既存の犯罪類型をコンピュータネットワークを用いて敢行する場合に分けられる。
     前者の例としては、違法アクセス、違法傍受等があり、後者の例としては、
     偽造、詐欺、著作権侵害に加え、コンテンツ(通信内容)に関する犯罪(児童ポルノ、脅迫)などがある。
     サイバー犯罪は、市民の生命、財産、プライバシーに対する新たな脅威となっており、
     サイバー空間の安全性と信頼性を脅かしている。
    参 : 不正アクセス禁止法ピッキング防止法スキミング性犯罪
犯罪人引渡条約(はんざいにん・ひきわたし・じょうやく) : 逃亡犯罪人引き渡し条約。
    相手国の領域にいる「国外逃亡犯」を相互に引き渡すことを定めた国際条約のこと。
    刑事事件の犯人が国外に逃亡すると、
    その相手国までは日本の警察権や司法権が及ばないために逮捕できなくなるので、
    あらかじめ他国との間で条約を結び、国外逃亡犯の引き渡しに関する事項を決めている。
    日本とアメリカの間では、日米犯罪人引渡条約が1980(昭和55)年3月に発効した。
    日米間の引き渡しには、容疑や起訴事実が両国の法律で1年を超える拘禁刑の犯罪
    当たること(双方可罰性)などが要件になっている。引き渡しに関する国内手続きは、
    1978(昭和53)年に制定された「逃亡犯罪人引渡法」で規定されていて、
    相手国から国外逃亡犯の引き渡しを求める請求があると、外務省から東京高等検察庁を経て、
    東京高等裁判所に関係書類が送付され、逃亡犯罪人の引き渡しが妥当かどうかが審議される。
    犯人が日本国籍の場合や政治犯罪の場合などの例外を除き、原則として、引き渡しが認められている。
    東京高等裁判所で引き渡しが決まると、当該犯人の身柄は請求国の捜査機関に送られる。
    日本はアメリカのほか、韓国との間で2002(平成14)年に犯罪人引渡条約を結んでいるが、
    現在この2国だけである。 参 : 外国人犯罪代理処罰国外犯処罰規定

    日本国内で事件を起こし国際手配された南米人が母国に逃げ帰り、
    捜査当局が身柄を確保できない例が相次いでいる問題で、外国人在住者を多く抱える
    全国の自治体が参加する「外国人集住都市会議」が2006年4月25日、三重県四日市市で開かれ、
    犯罪人引渡条約が結ばれていないブラジルと、同条約を締結するよう政府へ求めることで全会一致した。
    犯罪人引渡条約をめぐっては、2005年末、静岡県湖西市や浜松市で相次いだブラジル人の
    過失による死亡事故や強盗殺人事件などで、国際手配された容疑者が逮捕状請求前に帰国し、
    日本の捜査当局が身柄拘束できない状態が続いている。
     警察庁によると、2006年末現在での国外逃亡中の外国人容疑者は656人で、
    国籍・地域別では、中国が291人と最多で、ブラジルが92人、韓国・北朝鮮が50人と続いている。
    ひき逃げ国外逃亡で初の身柄引き渡し、韓国で容疑者拘束
     長野市内で1997年に死亡ひき逃げ事故を起こし、逃走していた韓国人の男が2007年5月11日、
     韓国南西部・全羅南道で地元警察当局に拘束されていたことが5月22日、わかった。
      男は日韓犯罪人引き渡し条約に基づき、近く長野県警に移送され、
     業務上過失致死と道交法違反の容疑で逮捕される見通し。
     ひき逃げ事件で外国から身柄が引き渡されるのは初めて。
      拘束されたのは、チョウ・ヨンウ容疑者(39)。調べでは、1997年10月16日夜、
    同市上松の市道で、自転車で横断しようとしていた同市内の建設作業員、
    山浦一雄さん(61)をワゴン車ではね、逃走した疑い。

    ブラジル人2人が、それぞれ日本国内で信号無視での死亡事故や強盗殺人事件を起こしていたが、
    数日後に楽々とブラジルに逃げ帰っている。外国人が日本国内で罪を犯した後、
    自分の出身国へ逃亡してしまった場合、日本がその国と犯罪者の引渡条約を結んでいなければ、
    犯人がわかっていても国外で逮捕して裁判を行うことができないのである。
    一人は交通違反により相手を即死させているのだから、警察は直ちに拘束すべきなのに
    何の手立てもしていないのもおかしいし、これでは亡くなった人や浮かばれないし、
    遺族は泣き寝入りである。このようなことがあるからには、日本と犯罪人引渡条約を
    結んでいない国の者には日本での自動車運転は禁止させるなど、何らかの法整備をする必要がある。
    ブラジルに逃げ帰った殺人犯は逃げ隠れることはなく、堂々と暮らしているのである。
    しかし、日本でひき逃げ事件を起こした後、母国に逃げ帰ったブラジル人容疑者の裁判が、
    ブラジルの「国外犯処罰規定」により始まったが、ブラジルでは憲法5条で、麻薬犯罪などを除き、
    容疑者の自国民の引き渡しを禁じているし、死刑がないので遺族の不満は強いのである。

犯罪人名簿(はんざいにんめいぼ) : 資格制度に関係のない少年の場合や道路交通法違反以外で
    罰金刑以上の有罪判決を受けた人の氏名や生年月日、罪名、刑期などを記載した名簿のこと。
    法務省の内部規定に基づき、各地検から本籍地に送られる既決犯罪通知書を基に市区町村が作成し、
    本人の本籍地または入・寄留地の市区町村役場に一定期間備えられるが、
    行政上の資格制限確認のためのものなので、非公開であり、関係官庁などが法令の適用のために
    必要な場合を除き、内容を外部に通知することはできないばかりか、本人さえも見ることができない。
    一定期間とは、刑の執行が終わって復権のとき、またはその執行の免除を得てから、
    罰金以下の刑(罰金、拘留、科料)の場合は5年、禁固以上(死刑、懲役、禁固)の場合は10年。
    罰金以上の刑に処せられずに経過すると刑の言渡しは効力を失い、犯罪人名簿からも削除される。
    恩赦、特赦によっても刑の言渡しの効力が失われ、犯罪人名簿から削除される。
    なお、本人の本籍地の検察庁に備える犯歴票には、犯罪捜査の必要上、罰金よりも軽い刑を
    言い渡された場合も記入され、復権のときはその旨を逐次記入する。また、警察庁鑑識課では
    被疑者の、法務省矯正局では懲役・禁錮受刑者の記録を、指紋原紙の形で保管している。
犯罪被害給付制度(はんざいひがいきゅうふせいど) : 傷害・強盗・殺人など故意の犯罪に巻き込まれた
    被害者や家族を「犯罪被害者」といい、その人たちを救済するために国が給付金を支給する制度。
    事件や事故の被害者や被害者の遺族に、給付金を支給するなどして被害の早期軽減を
    めざすための法律である「犯罪被害者等給付金支給法」に基づき、1981(昭和56)年1月から始まり、
    地下鉄サリン事件などの無差別殺傷事件をきっかけに支給額などが拡充された。
    遺族給付金は被害者の年齢や収入で算定され、上限は1573万円。
    本人に障害が残った場合に支給される障害給付金は1849万円が上限。
    現在は給付金だけでなく、NPO法人などの民間団体などによる相談事業についても規定している。
    同法に基づいて認定された早期援助団体には、被害者側の同意を前提に、
    警察を通じて名前や住所などの連絡先が提供される。
    参 : 犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(法律)
犯罪被害者基本法(はんざいひがいしゃきほんほう) : 2004(平成16)年12月に議員立法で成立、
    2005年4月に施行された。基本理念で「すべて犯罪被害者等は個人の尊厳が重んぜられ、
    その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を持つ」と規定し、権利保護を図る施策の実施と協力を、
    国や自治体、国民の責務とした。政府は犯罪被害者等基本計画の策定に当たり
    (1)損害回復と経済的支援(2)精神的・身体的被害の回復と防止(3)刑事手続きへの関与拡充
    (4)支援等の体制整備(5)国民の理解の増進、配慮と協力の確保、を重点課題に設定した。
    被害者側のニーズを踏まえた支援策を盛り込んだ「犯罪被害者等基本計画」の策定を進めた。
    犯罪被害者 : 刑罰法令に違反する行為によって、生命、身体、財産、精神、
     又は人格等に対する危害を被った者及びその遺族をいう。犯罪被害者の認定にあたっては、
     加害者の特定の有無、加害者に関する刑事手続の進行状況、加害者が処罰されるか否か、
     又は加害者との間に夫婦・親子関係等の特別な関係があるか否かは問わないものとする。
    準犯罪被害者 : 犯罪被害者の家族及び被扶養者、
     ならびに被害者防止及び被害者救助のための行動をしたことにより被害を被った者をいう。
    被疑者及び被告人の権利 : この法律に基づく施策を行うにあたって、
     被疑者及び被告人の権利を不当に制限することがあってはならない。
     特に、少年事件に関しては、少年の保護、更生を目的とする少年法の理念を尊重しなければならない。
    参 : 犯罪被害者基本法(HP)
犯罪被害者等基本計画(はんざいひがいしゃきほんけいかく) : 2005年4月に施行された
    犯罪被害者基本法に基づき、有識者らによる政府の犯罪被害者等基本計画検討会が
    具体的施策について話し合っている。2005年8月には骨子をまとめており、年内に政府が
    基本計画を決定する。骨子には、警察が被害者の実名、匿名発表について配慮することのほか、
    犯罪被害給付金の支給範囲の拡大や公訴参加制度の導入検討などが盛り込まれた。




































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