YSミニ辞典(ほ)

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盆栽(Bonsai、a dwarf tree、a potted plant)ぼんさい : 植木鉢に小形の草木を植え、
    枝ぶり、葉姿、幹の肌、根及び鉢の総称、もしくはその姿全体を鑑賞する趣味のこと。
    また、その植物の、野外で見られる大木の姿を、鉢の上に縮尺して再現することを目指すものである。
    そのために剪定を施したり、自然の景観に似せるために枝を針金で固定し時に屈曲させ
    あるいは岩石の上に根を這わせたりと様々な技巧を競うのも楽しみの一つとされる。
    施肥、剪定、針金掛け、水やりなど、手間と時間をかけて自然の景色を創り出す芸術作品でもある。
    生きた植物なので「完成」というものがなく、常に変化するのも魅力の一つである。
     現代の社会通念では、陶磁鉢その他の器物に植えた草木が、
    自然の景観から受ける豪壮、佳麗(かれい)、繊細などの感興を表現する場合を盆栽とよび、
    植物体本来の形、色、香りなどを直接的に観賞する、いわゆる鉢植えと区別する。
    そのような概念の分化は、1887(明治20)年ごろ一部の人々の間に発端し、
    その後ほぼ40年を要して通念化した。中国では、古来、盆栽の文字は通用せず、
    かわって、唐代の「盆花」、その後の「盆景」が、広義の盆栽(盆栽と鉢植え)にあてられてきた。
    盆栽の種類としては松類が代表的であるが、花物・実物・草物・葉物など多様である。
    いずれも自然木のように大きなものではなく、数10cmのミニチュアのようなもので、
    ミニ盆栽などは10cmに満たないものまである。
     日本独自の文化であった盆栽は、今や日本だけでなく海外にも愛好者が急増しており、
    欧米でも大きな展覧会がしばしば開催されている。欧州では日本の盆栽と庭木が広まり始めたのは
    約40年前で、1970年の大阪万博の盆栽展がきっかけという。
    アメリカ・スペイン・フランスには数万部を発行する専門誌があり、
    イタリアには盆栽の大学や美術館まである。「ボンサイマスター」と呼ばれる専門家も誕生している。
    五葉松やモミジ、カエデが人気で、贈り物にもなっている。
    近年では小品盆栽(20cm程度)やミニ盆栽(10cm)を趣味にする若者が急増し、
    ヨーロッパを中心に盆栽輸出も行われ、「BONSAI」が世界の共通語となっている。
    盆栽の分類
    ◆松柏(しょうはく)盆栽 : 常緑の針葉樹で盆栽の中でも主流で、季節を問わず緑を保ち、
     寿命も平均して長い(樹齢何百年というのも目にします)盆栽である。
     丈夫で育てやすく、丹精しだいで思い通りに仕立てる事が出来る。
     また長い年月育てていると荒れた木肌になって、一段と風格を増し、古木の味わいを楽しめる。
     クロマツ・アカマツ・シンパク・スギなどがこれに含まれる。
    ◆雑木(ぞうき)盆栽 : 主に落葉樹の盆栽で、葉姿を鑑賞し、
     ケヤキ・モミジ・カエデ・ソロ・イチョウ、ハゼノキ、タケなどがある。
     春の新緑、夏の若葉、秋の紅(黄)葉、冬の寒樹(落葉後の姿)と、四季折々姿を楽しむことができる。
     花物、実物も含めて雑木と呼ぶこともある。
    ◆花物(はなもの)盆栽 : 花木盆栽ともいいます。花を咲かせることを目的とした盆栽で、
     誰にでも気軽に楽しめて初心者の間は楽しみの深いものである。
     ウメ・ボケ・サクラ・サツキなどが含まれる。
    ◆実物(みもの)盆栽 : 実をならせるて楽しむ盆栽で、
     ヒメリンゴ・カリン・グミ・アケビ・ウメモドキ、柿・花梨などが含まれる。
    ◆草物盆栽 : 竹笹盆栽(モウソウチク・クロチク・コクマザサなど)、
     山野草盆栽(フウチソウ・イワヒバなど)、苔類盆栽(ギンゴケ・スギゴケ)などがある。
     草物盆栽は主に、自然の趣や季節感を出すために他の盆栽の下草として、主木の添え物として用いる。
    ◆異種の植物や造形物を組み合わせたもの : 寄せ植え、彩花盆栽、マン盆栽などがある。
     
     善光寺参道脇に展示の寄せ植え
     
     贈り物の寄せ植え
    大きさによる分類 : 小品盆栽は樹高12cm以下のもので、豆盆栽、掌上盆栽、ミニ盆栽などとも
     呼ばれる。小盆栽は樹高30cm〜60cmくらい、大盆栽は70cm〜150cmくらいに別けられる。
    代表的な手入れ方法
    ●剪定(せんてい) : ハサミや専用の道具で枝を切る作業のこと。
     盆栽としての骨格を決める大切な作業で、バランスよく枝を切っていく。
     植物が生長する力をうまく利用して盆栽の形を整え、
     かつ盆栽の日当たりや風通しをよくして成長を助ける役目もある。
    ●針金かけ : 幹や枝に針金をかけて、その力を利用して樹に曲がりをつけたり、
     不自然な曲がりを直したりする作業のこと。盆栽の姿を美しく整える為に行う作業だが、
     それぞれの樹の性質と個性をつかんで、樹の良い面を引き出す事が大切です。
    ●植え替え : 鉢の中でいっぱいになった根を切って、新しい土で植えなおす作業のこと。
     鉢という限られたスペースの中で根がぎっしりとつまってしまうと、樹の成長を止め、
     空気や水の通りも悪くなってしまうので、定期的に植え替えをして、樹の生育を助けるために行う。

    参 : なおの「趣味の園芸」(HP)







































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