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牡丹(a tree peony)ぼたん、ぼうたん : @古名は、ホウタン・フカミグサ・ハツカグサ。
     別名に「百花王」「花王」「花神」「富貴花」があるように、原産地の中国では、
     古くから「花の王」として愛でられ、中国文学にも数多く登場している。
     わずか数日で散ってしまう儚さから、「二十日草(はつかぐさ)」とも呼ばれている。
     日本には8世紀頃、仏教とともに伝わったといわれ、古くから栽培されている。
     4月23日の誕生花。学名の「Paeonia」はギリシャ神話の医の神「Paeon」に由来する。
     かつては種からの栽培しかできなかったため、開花させるまでに時間がかかり、
     高級品だったが、戦後、芍薬の苗に牡丹の芽を接木する方法が編み出されてから、
     多用な品種が生まれ、広く普及するようになった。
     中国原産のキンポウゲ科の落葉小低木で、原種は赤紫色。「牡丹」の名は漢名を音読みしたもので、
     「丹」には「赤」の意味がある。高さ約1メートル。葉は白緑色で羽状に分裂し、
     さらに切れ込む。初夏、枝先に径10〜20センチメートルの花を開く。
     園芸品種は重弁で、紅・白・淡紅・紫・黄など。もともとは薬用として栽培されていた。
     根の皮を乾燥させたものを「牡丹皮(ぼたんぴ)」といい、漢方薬の原料になり、
     消炎、解熱、鎮痛、浄血などの効果がある。[季語]夏−植物。
     (注)刺蛾(いらが)の幼虫がとり付くと、数日で葉がなくなり花が咲かなくなるので、
        早めに駆除しましょう。また、幼虫(イラ、イラムシ)に刺されると痛みがひどい。
     
     豊麗(Paeonia‘Hourei’門脇茂、1933年作出)
     2011.4.28、大阪の長居植物園にて(大阪のK.Kさん提供)

     
     麟鳳(Paeonia‘Rinpou’)同上
     
     我が家の庭の牡丹(2005.4.24撮影)
     
     同上(2007.4.24撮影)
     
     白ボタン(大阪のK.Kさん提供)
     
     五大州(Paeonia lactiflora‘Godaishu’田中新左衛門)
     2011.4.28、大阪の長居植物園にて(大阪のK.Kさん提供)
     
     ハイヌーン(Paeonia ‘Highnoon’)同上
     
     島錦(Paeonia‘Shimanishiki’渡部三郎、1974年作出)同上

     
     楊貴妃(Paeonia lactiflora‘Youkihi’)同上
     
     日月錦(Paeonia‘Jitsugetsunishiki’)同上
     
     満天紅(Paeonia‘Mantenbeni’)同上
     
     花競(Paeonia‘Hanakisoi’)同上

     
     我が家の庭の牡丹(2005.4.24撮影)
     
     佐渡島の長谷寺にて(2007.5.11撮影)
     
     同上
     
     黒光司(Paeonia ‘Kokkoutsukasa’)
     2011.4.28、大阪の長居植物園にて(大阪のK.Kさん提供)

     
     長寿楽(Paeonia suffruticosa‘Chojuraku’福井熊三郎)同上
     
     藤染衣(Paeonia suffruticosa‘Fujizomegoromo’)同上

     牡丹を県花や市花などに指定している自治体には、島根県、松江市八束町(全国一の産地)、
     福島県須賀川町、埼玉県東松山市などがあり、いずれも牡丹の名所がある。
    A「獅子(しし)に牡丹」の「獅子」を猪(いのしし)にとりなして、猪の肉をいう。 参 : 牡丹鍋
    Bはなやかで大きなものの形容。





























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