イチゴ関連(YSミニ辞典)

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(a strawberry)いちご : ストロベリー。学名は「Fragaria」。花言葉は「尊敬と愛」。2月28日の誕生花。
    バラ科の草本または小低木の多年草。春先に白いかわいらしい花をつける。
    オランダイチゴ・西洋イチゴ・ノイチゴ・ヘビイチゴ・キイチゴなどの総称。
    一般には、栽培される多年草のオランダイチゴをいう。
    甘みがあるため果物として位置づけられることが多いが、
    草本性の植物であるので野菜として扱われることもある。[季語]夏−植物
    イチゴと品種登録 : 江戸時代にオランダから伝わったとされ、全国の収穫量は19万1400トン。
     作付面積は6580ヘクタール(2007年産)。種苗法に基づき180品種が登録されている。
     品種登録者(育成者権者)は独占権が得られ、生産者から許諾料を取ることができる。
     栃木県は「とちおとめ」、佐賀県は「さがほのか」の栽培を他県の生産者に許可しているが、
     福岡県の「あまおう」や熊本県の「ひのしずく」は認めていない。
    
    石垣イチゴの花(ゆんフリー写真素材集より)
    現在、イチゴの旬はクリスマスの需要に合わせ、初夏から冬に変わっている。
    イチゴはヘタの方から食べると甘みをより感じられるそうで、
    余ったイチゴを保存する時は、ヘタを取らずに、とがっている方を上にして並べる。
    あまおう(福岡S6号) : 福岡県農業総合試験場園芸研究所で「久留米53号」に
     出願者所有の育成系統を交配し、「あ」かい、「ま」るい、「お」おきい、「う」まいの
     頭文字をとって名づけられ、2003年に登録された品種。
     福岡では栽培品種が「とよのか」から急速にあまおうに置き換わっている。
     大粒でコクと甘味と酸味が絶妙なバランスのイチゴで、一粒40gにもなる。
    
    あまおう(ドラぷらショッピングより)
    とちおとめ : 女峰系の「栃の峰」と「久留米49号」を交配して育成され、
     1996(平成8)年に登録された新しい品種。収量性が高く農家の高い評価を得て、
     栃木を中心に栽培されている。大きくて甘いものを好むようになってきた消費者の好みに
     あわせて作られ、酸味が少なく甘みの多い品種として市場の評価も良好で、
     「女峰」に代わる主要品種になるものとして期待されている。
    さちのか : 「とよのか」と「アイベリー」を交配して育成され、1996(平成8)年に登録された品種で、
     「生産者・消費者に幸あれ」という意味をこめて、「さちのか」と名づけられた。
     形は整った長円錐形、色は濃赤で光沢がある。糖度が高く、香りもよく、
     食味は濃厚でコクが感じられる。急速に普及が進み、これからの主力品種化に期待がかかる。
    とよのか : 「はるのか」に変わる食味の良い品種を育成することを目指して、1973(昭和48)年に、
     農林水産省野菜試験場久留米支場で、「ひみこ」と「はるのか」を交雑して育成され、
     1984(昭和59)年に登録された品種で、促成栽培に適しており、九州および温暖な地方で
     栽培されている。円錐形の大粒の実で、色はつやのある鮮やかな赤色、香りも高く、
     甘味・酸味に富んでいる。果汁が多いので、生食用として人気がある。11〜6月頃に出荷される。
    宝交早生(ほうこうわせ) : 1955(昭和30)年、兵庫県農業試験場で育成された品種。
     形は丸みがかった円錐形、色は鮮赤色で、果肉はやややわらかく、甘味が強く、
     酸味が少ないのが特徴である。促成、反促成、抑制の栽培が可能で、
     「とよのか」が出るまでは、西の主力品種だった。果肉がやわらかく、長距離輸送に耐えられないことや、
     店頭での日もちが悪いことから、現在は交配品種や家庭菜園用として育成されている。
     うどんこ病、 炭そ病に強く、ハダニ類にも抵抗性を持っていることから、家庭園芸に適したイチゴで、
     作りやすく初心者にもおすすめの品種で、プランター栽培もできる。
     宝交早生は冷涼な気候で育てるのに適している(生育適温は17〜20℃)。
     暖かい地方でも育てられるが、年内に花を咲かせやすくなったり、イオウ病になりやすい。
     管理方法 : 堆肥、苦土石灰、化成肥料をしっかり混ぜ込んだ土作りをする。
      プランターの場合は花と野菜の土に元肥を混ぜ込む。次に、30cm間隔で苗を植え付ける。
      植え付け時の注意点は株元のクラウン(付け根にあるギザギザの短い茎の部分)を
      土に埋めてしまわないように浅植えにすること。あと、実が付く方向が決まっているので、
      親株からのランナーがついている方を通路と反対側に植えると管理や収穫がしやすい。
      植え付け後はたっぷり水を与える。その後、追肥を植え付け3週間後と2月中旬頃に与える。
      2月頃黒のビニールでマルチングしておくと、土のはね上がりによる果実の汚れ、乾燥防止、
      生育の促進になる。マルチングしない場合は、3月20頃まで子株などの葉を取り除き、
      親株の3枚仕立てにする。生育期間中に伸びてきたランナーも、実に栄養を充実させるために
      取り除く。開花後30〜40日、真っ赤に完熟した実を朝のうちに収穫する。
      育苗 : 収穫が終わったら親株からランナーが伸びて子株が出てくる。
       ランナーにつけたまま2番目以降の子株をポリポットの土に根付かせ、
       十分根が張ったらランナーから切り取って苗にする。
    イチゴの洗い方 : 日本ベジタブル&フルーツマイスター協会によれば
     「イチゴについている残留農薬はほとんど無視できるレベルなので洗わなくてもいい」そうだが、
     何となく洗いたい人は下記の手法をお試し下さい。
     @ヘタは絶対に取らないこと。ヘタを取ってから洗うと、洗い落とした農薬が切り口から中に
     侵入してしまう可能性がある。Aイチゴになるべく触らないこと。B一番最初に濃い目の塩水で
     洗ってから真水で洗うこと。具体的な手順を説明すると、パックから出したイチゴをそっとざるにあけ、
     海水と同じくらいの塩水を貼った洗い桶につけて、左右にぐるぐるとふり洗いする。
     右2回、左2回ぐらいでよい。その後、洗い桶の水を真水に替えて、イチゴの入ったざるをざぶんと漬け、
     塩気を取った後、ざるのままふきんの上でとんとんと2〜3回、水を切れば完了。
     かすかに残った塩味がイチゴの甘さを引き立てる。そのままヘタをもってぱくっと食べる。    
県別イチゴの出荷量
順位 県名 出荷量(トン)
栃木  28300
福岡  16900
熊本  13000
静岡  11400
佐賀  11300
愛知  10700
長崎  10300
農水省調べ。2007年産
日本一のイチゴ
順位 品種名(一般名) 品種登録年 交     配  回答数
1  あまおう(福岡) 2005  「久留米53号(豊の香×てるのか)」と
「92−46(久留米49号×さちのか)(福岡)
5103
とちおとめ(栃木)  1996  「とよのか」と「女峰」に「栃の峰」(栃木)  4557
とよのか(山口)  1984  「ひみこ」と「はるのか」(三重)   2707
紅ほっぺ(静岡) 2002  「章姫」と「さちのか」(静岡)  1709
女峰(香川)  1985  「はるのか」「ダナー」「麗紅」(栃木) 1649
章姫(静岡)  1992  「女峰」と「久能早生」(静岡)  1111
あすかルビー(奈良) 2000  「アスカウェイブ」と「女峰」(奈良)  1012
ももいちご(徳島)  1994  「アイベリー」と「宝交早生」に「とよのか」(愛知) 892
あまおとめ(愛媛)  2001 「とちおとめ」と「さがほのか」(愛媛)  797
10 さちのか(長崎)  1996  「とよのか」と「アイベリー」(福岡)  786
越後姫(新潟)  1996  「ベルルージュ」「女峰」「とよのか」(新潟)  〃 
2009.2.4掲載、朝日新聞「アスパラクラブ」会員によるアンケートより(回答総数1万1人)
選外は編集部とともに候補地を選出した新潟県出身の大桃美代子さんのお薦め 
野苺(a wild strawberry)のいちご : バラ科の草本のうち、山野に野生、自生しているイチゴ状の
     果実をつけるものの総称。キイチゴ・クサイチゴ・ナワシロイチゴ、ヘビイチゴ・モリイチゴなどで、
     「野いちご」と言うイチゴはない。
     
     野苺の花(2009.4.17周南市内で撮影)右下は花の散った後の実
     
     野苺(長門峡にて、2007.12.4撮影)
     
     野苺の花の蜜を吸う蝶(2009.4.17周南市内で撮影)
     
     おいしそうな野苺(防府市内にて2008.5.31撮影)
     
     へびいちごの花(フリー素材屋Hoshinoより)




































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