YSミニ辞典(J)

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J−ALERT(ジェイアラート) = 全国瞬時警報システム
J−PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)ジェイパーク : 大強度陽子加速器施設。
    世界最高クラスの大強度陽子ビームを生成する加速器と、
    その大強度陽子ビームを利用する実験施設で構成される最先端科学の研究施設で、
    日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)でつくる
    J−PARCセンターが共同で建設、運営し、超伝導の仕組みや宇宙のなりたちなどのナゾ解きをめざす。
     2001(平成13)年度に建設に着工し、総工費は約1500億円で、5000億円規模の増強計画がある。
    施設は茨城県東海村にあるJAEA東海研究開発センター原子力科学研究所の敷地内にあり、
    2008(平成20)年度中には第1期工事を完成させ、ビームを供給する予定である。
     線形加速器(長さ330m)、3GeV円形加速器(光速の97%に加速、直径約110m)、
    50GeV円形加速器(光速の99.98%に加速、直径約500m)の3段階の加速器で
    光速近くに加速した陽子を、水銀やニッケル、炭素などの原子核に衝突させてこわし、
    大量に飛び出した中性子やK中間子、ニュートリノなどの粒子の集まり(ビーム)を
    物質にあてて極微の世界を探る実験施設で、「物質・生命科学実験施設」、
    K中間子を使う「原子核・素粒子実験施設」、ニュートリノを使う「ニュートリノ実験施設」の3施設がある。
    参 : J−PARC(HP)
JA(Japan Agricultural Cooperative Association) : 農協。「日本の農業協同組合」の略で、
    新しい農業協同組合(農協)のイメージを象徴する愛称として1992(平成4)年4月から使用している。
    JA(農協)は、人々が連帯し、助け合うことを意味する「相互扶助(そうごふじょ)」の精神のもとに、
    組合員農家の農業経営と生活を守り、よりよい地域社会を築くことを目的としてつくられた協同組合で、
    この目的のために組合員の農業経営・技術指導や生活についてのアドバイスを行うほか、
    生産資材や生活に必要な資材の共同購入を行ったり、農産物を共同で販売したり、
    農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置などを行っている。また、貯金の受け入れや
    融資を行う信用事業や万一の場合に備える共済事業などさまざまな事業や活動を行っている。
     さらに最近では、高齢者福祉活動や学童農園への支援、ファーマーズマーケットなど
    地域社会とのつながりを強める活動に取り組んでいる。
     JAの組合員資格には、正組合員(農家)と准組合員がある。このため、農家でない人でも、
    それぞれのJAで定めた加入手続きに従い、出資金を払い込めば准組合員として
    組合員資格を得てさまざまな事業を利用することができる。近年は農家でない人の加入が増え、
    准組合員が組合員全体の4割を占めている。

    そもそも、農協とは何者なのか(後記・農学士の山下一仁氏の「農業開国論」より)
     正しくは、農業者によって組織された協同組合のことを指すが、一般にその略称で呼ばれるのは、
    全国農業協同組合中央会が組織する農協グループ(総合農協=JA)のことである。
     その母体は、明治時代の1900年に作られた産業組合にまで遡る。
    当初は農家に対する信用(融資)事業に特化していたが、太平洋戦争中に策定された食管法に基づき
    生産物を一元集荷する目的で、全農家を加入させた上で、
    資材購入、農産物販売、信用事業など農村・農家の諸事業を総合的に行う統制団体に改組された。
     その後、戦後の農地改革の一環として、GHQは一時、農協を解体し、
    行政から独立した欧米型の農家の自主的・自発的な組織である農業協同組合を作ろうとしたが、
    当時は深刻な食糧難にあり、食料を統制・管理する必要があった。
    そのため統制団体を農協に衣替えし存続を許されたという経緯がある。
     欧米諸国の農協が酪農、青果などの作物ごと、生産資材購入、農作物販売などの機能ごとであるのに
    対して、日本の農協は規模、事業範囲、政治力のいずれでも、世界的に抜きん出た存在となっている。
    農協との決別なしに農業は復興しない(月刊「WEDGE」2008年9月号に掲載)
    東京大学法学部卒業で、法学士、農学士の山下一仁氏(経済産業研究所上席研究員)の論文を紹介
    7兆円もの補助金が米価維持のカルテルに投入された
     コメ、麦、とうもろこしなどの穀物は直接食用にされるほか、畜産物の飼料ともなるので、
    食料として最も基本的で重要である。その穀物価格が高騰し、食料危機が叫ばれているのに、
    日本の食料安全保障を担うはずの農業は惨憺たる状況である。
    1960年から今日まで65歳以上高齢農業者の比率は1割から6割へ、
    農外所得が大半をしめる第2種兼業農家の割合は32%から63%へ、
    耕作放棄地は39万ヘクタールで東京都の面積の1.8倍になっている。
    食料自給率は79%から40%に低下した。
     1961年の農業基本法は、零細な農業規模の拡大によるコストダウンを目指した。
    所得は売上額(価格×生産量)からコストを引いたものだ。
    消費や売上額の伸びが期待できないコメでも、コストを下げれば農家所得を向上できると考えられた。
     しかし、政治的な圧力を受けた農政は、農家所得向上のため米価を上げた。
    コストの高い零細な兼業農家もわざわざ高いコメを買うよりも自らコメを作る方が得になり、
    農業から退出しようとはしなくなった。農地は企業的農家に集まらず、
    規模拡大による農業の構造改革は失敗した。
    平均農家規模は45年かけて0.9ヘクタールが1.3ヘクタールになっただけだ。
     特に日本に最も適した穀物で日本の基幹的作物であるコメの構造改革が遅れた。
    1953年まで国際価格より安かったコメは、いまでは約800%の関税で保護されている。
    主として農業所得に依存している主業農家の生産シェアは、
    野菜82%、牛乳95%に対し、コメは38%にすぎない。
     高米価はコメ消費減に拍車をかける一方で生産を刺激し、コメは過剰になった。
    1970年以降、1995年の食管制度廃止後も続いている減反や転作による生産調整の面積は、
    今では100万ヘクタールと水田全体の4割超に達している。
    米価維持のため500万トン相当のコメを減産する一方、
    700万トン超の麦を輸入するという食料自給率向上とは反対の政策が採り続けられている。
    戦前農林省の減反政策案に反対したのは食料自給を唱える陸軍省だった。
    真の食料自給は生産調整と相容れない。
     生産調整は米価維持のカルテルだ。60キログラムあたり9500円で買えるコメに
    1万5000円という高い価格を消費者に支払わせている。そのうえ、現在1600億円、
    累計総額7兆円の補助金がカルテルに参加した生産者に税金から支払われてきた。
    生産者の間でもコメ販売量の多い主業農家がその影響を最も強く受けた。
    低コスト生産のためには、規模が小さく高コストの兼業農家に生産調整面積を多く配分すべきなのに、
    平等主義による一律の配分が行われた。
    主業農家はコストを十分低下できるまで生産を拡大できず、所得も増加できなかった。
     農地がなければ食料安全保障は確保できない。
    しかし、国民全体に必要な農地は足りないのに、コメの減反で「農地も余っている」との認識が定着した。
    1961年以降、公共事業などで110万ヘクタールの農地を造成したのに、
    逆に250万ヘクタールの農地が宅地などへの転用と耕作放棄で消滅した。
    今では摂取カロリーを最大化できるようイモとコメだけ植えて、
    かろうじて日本人の生命を維持できる470万ヘクタールが残るのみである。
    終戦時農地は500万ヘクタールを超え、人口は7000万人しかいなかったのに飢餓が生じた。
    政府は生産調整をさらに拡大しようとしているが、
    これは農地を一層減少させ、日本の食料安全保障を危うくさせる。
     さらに、高い価格維持のためには高い関税が必要だ。このため、政府はWTO交渉で
    関税引下げの例外を主張しているが、代償としてこれまでの分も含め消費量の13%に相当する
    低関税の輸入枠(ミニマム・アクセス)が要求されている。食料自給率はさらに低下する。
     生産調整をやめれば米価は中国からの米輸入価格約1万円を下回る9500円の水準に低下し、
    国内需要も拡大する。EUが価格を引き下げて直接支払いという補助金で農家に所得補償したように、
    価格低下分の約8割を農業依存度が高く将来の農業生産の担い手である主業農家に補てんすればよい。
    市町村役場や農協の職員等サラリーマンとしての所得の比重が高く
    土日しか農業に従事しないパートタイム(兼業)農家に補償する必要はない。
     これに必要な額は、生産調整カルテルに参加させるため農家に払っている補助金と同じである。
    財政的な負担は変わらない上、価格低下で消費者はメリットを受ける。国内の価格が
    輸入米の価格より下がれば、ミニマム・アクセス米を輸入しなくてもよいので、食料自給率は向上する。
    食料安保政策に反対するJAの実態とは
     しかし、国民・消費者の食料安全保障に資する、価格の引下げ、
    政策対象農家の限定のいずれにも強く反対する勢力がある。
    全農家を加入させ、資材購入、農産物販売、信用(金融)事業など農業・農村の諸事業を
    総合的に行っていた戦時中の統制団体を戦後転換したのがJAである。
    コメの供出団体は農協とは別に作り、農民のための農協はじっくり作るべきである、
    という意見も農林省内にはあったが、食管制度によるコメ供出を促進するため、
    わずか3カ月程度のうちに1万3000のJA農協の設立を完了させた。
    しかも、酪農、青果などの作物ごと、生産資材購入、農産物販売などの
    機能ごとに設立された欧州諸国の農協と異なる、世界でもまれな「総合農協」だ。
     終戦後しばらく食管制度の米価がヤミ値よりも安いとき、米価引上げのため食管制度廃止論が
    与党から出されたが、食管制度の供出団体であるJAは反対した。
    組織の利益のため農家の利益とは反対の立場をとったのだ。
    しかし、米価が引き上げられるにつれて、農家の利益とJAの利益は一致していく。JAにとっても、
    米価を高くすると、コメの販売手数料収入も高くなるし、農家に肥料、農薬や農業機械を高く売れる。
    1960年以降、肥料、農薬の使用量は著しく増加した。
     本来、協同組合による資材の共同購入は、商人資本に対し市場での交渉力を強めて
    組合員に資材を安く売るためのものだが、組合員に高く売るほうがJAの利益になる。
     肥料メーカーは、独占禁止法の適用除外を認めた「肥料価格安定臨時措置法」によって
    1954年から1986年までカルテル価格が認められた。その結果、1954年当初は輸出向け価格と
    同水準であった硫安の国内向け価格は、1986年には輸出向け価格の3倍にまでなった。
    この法律は5年間の時限立法であったが、制度の継続・延長を繰り返し要望したのは、
    肥料販売の9割のシェアを持つJAだった。肥料価格が高くなるとJAは高い販売マージンを得られるからだ。
    高い米価がJAの利益となる構図は今も変わらない
     しかも、食管制度時代、このような肥料や農薬、農業機械などの生産資材価格は、
    農家が支払った生産費を基に算定される米価に満額盛り込まれた。JAが農家との
    利益相反となるような行為を働いても、農家に批判されない仕組みが制度化されていたのだ。
    また、高い米代金が振り込まれるとJAの預金額も増加する。
     肥料価格を高くすれば肥料産業に貸し付けた農協預金の利回りもよくなる。
    1956年からの10年間で農林中金(信用事業の全国機関)から肥料産業への貸出しは13.5倍になり、
    関連産業中最大の融資先となった。さらに、コメの政府買入れ前渡金を受けた農林中金は、
    末端のJAに送金する前にコール市場で運用して大きな利益を得た。
    JAが「米肥農協」と呼ばれたゆえんである。農業が衰退する中で、高い米価によって、
    JAは、生産資材・農産物販売、金融という世界にもまれな総合農協性を発揮して発展した。
     数年前、全農あきたが公的な入札制度を通じて子会社と民間卸会社に高値で落札させ、
    米価を高く操作した事件があった。高い米価がJAの利益となる構図は今も変わらない。
    JAがコメの先物市場の創設に反対するのも、これによってJAの現物操作による
    米価維持が困難になるためといわれても仕方がないのではないか。
     週末しか農業をしない兼業農家にとって、生産資材をフル・セットで供給し、
    生産物も一括販売してくれるJAは好都合な存在だ。
    農協法の組合員一人一票制のもとでは数のうえで圧倒的な兼業農家の声がJA運営に反映されやすいし、
    少数の主業農家ではなく多数の兼業農家を維持する方がJAにとって政治力維持につながる。
    JAと兼業農家は、コメ、米価、政治、脱農化を介して強く結びついた。企業的な農家を育成し
    農業の規模拡大を図るという構造改革に、JAは農業基本法以来一貫して反対してきた。
     与野党の政策をみても、自民党は生産調整を強化して価格を引き上げようとしているし、
    民主党は生産調整廃止をマニフェストに掲げたものの撤回している。
    自民党からバラマキと批判された対象を限定しない直接支払いをマニフェストに掲げて
    参議院選挙に大勝した民主党を見て、自民党も対象者の限定を緩めてしまった。
    結局、農業については選挙を意識する与野党の政策に違いはないといってよい。
     農業基本法に関わったシュンペーターの高弟、東畑精一東大教授(当時)の
    「営農に依存して生計をたてる人々の数を相対的に減少して日本の農村問題の経済的解決法がある。
    政治家の心の中に執拗に存在する農本主義の存在こそが農業をして経済的に国の本となしえない
    理由である」という主張に、農林次官、政府税制調査会長を歴任した小倉武一氏は
    「農本主義は今でも活きている。農民層は、国の本とかいうよりも、
    農協系統組織の存立の基盤であり、農村議員の選出基盤であるからである」と加えている。
    消費者ニーズに応える企業的農業者が衰退した農業を救う
     農協の改革には、農協利用度に応じて一人一票制を見直す、信用事業・共済事業を分離して
    農業関連事業に純化させる、農家に資材を安く販売すれば手数料が上がる制度にする、などが考えられる。
    しかし、1955年の河野一郎農林大臣や数年前の規制改革会議による信用・共済事業の分離案が
    JAにつぶされたように、政治過程を経なければならない制度改革は実現困難だろう。
     農地改革、国鉄改革、金融ビッグバン等成功した改革には、
    強い政治的リーダーシップや改革の必要性についての国民の支持とともに、
    改革される部門の中に改革支持グループが存在するという共通の特徴がある。
     主業農家と兼業農家を同じように扱うべきではないというJA組合長も出てきた。
    主業農家の割合が多い野菜等の比重が高いJAには革新的な組合長もいる。
    また、数年前には高い資材価格に抗議した元JA幹部が独自の農協を北海道で設立し、
    韓国から安い肥料を輸入している。2003年には、
    全国約40の農業法人が中小企業等協同組合法に基づく農業の(事業)協同組合を設立している。
     自ら資材を購入し販路を開拓しようとする“考える農業者”がいる。
    これまでJAからは正当に扱われず独自の道を歩まざるを得なかったこれら企業的農業者による農協を、
    JAとは別個に設立し、改革支持グループの経済的・政治的な連合を作ってはどうだろうか。
    零細農家を相手にする非効率なJAの農業関連事業は大幅な赤字であり、
    信用事業の利益で埋め合わせているのが現状だ。JAが信用事業に特化していき、
    農業本来の事業は企業的農業者が自発的に組織した農協によって実施されるようにすべきだろう。
    また、(農協改革の目的でもあるが)生産調整廃止に成功し、価格低下により兼業農家が
    農業から退出すると、JAの政治力も弱まり、農業の構造改革もさらに加速するだろう。
     輸入小麦価格の高騰によってパンなどの麦製品価格が上昇したため、
    相対的に安くなったコメの消費は増えている。消費者重視の政策に立ち返り、価格を下げれば、
    日本が唯一自給できるコメの国内消費も増加するばかりか、
    拡大するアジア市場へ輸出できるようにもなり、衰退した農業を復興できる。
     また、今回のWTO閣僚会議のように貿易立国日本が存在感を示すことができずなすすべもなく
    譲歩を強いられるのではなく、関税引き下げなど積極的に交渉に対応できる。
    「農家のための農協」忘れないで(2011.11.12、毎日新聞「みんなの広場」より、
    千葉県君津市の兼業農家・中山 秀男さん(72歳)の投稿文紹介)
     農業協同組合「JA」については、かねて組合員の要求に応えていないという指摘がある。
    肥料や農薬など、同じ製品でも大手のホームセンターで買う方が安価である。
    コメの販売についても業者の方が高く買ってくれるなどの指摘はほんの一例で、
    信用事業ばかりに力を入れていると不満の声が多い。
     そんな中で、福井県越前市の「JA越前たけふ」が、上部団体の「経済連」経由だった
    従来のコメの販売法などを改め、別途子会社をつくり直接手がけるというニュースを聞いた。
    非常にいいことだと思う。
     いまは全国農業協同組合中央会がJAグループを束ねているが、これにより中間手数料は
    大幅に減るだろう。他にJAは販売購買連合会(販購連)など、多くの上部組織を持ち
    経営構想が不透明な気もする。農家のためにある、という農協の原点を見直すべきだろう。
     米は農民党と言われてきた自民党のもとで、過去から厚く保護されており、
    消費者に家計費で賄える価格で売り渡す「消費者米価」より、政府が再生産を補償する価格で
    生産者からコメを買い上げる「生産者米価」の方が高いという異常な時期が続き、
    それが政府の食管会計に赤字を重ねることになり、私たちの税金で補填されることになったのです。
    政府はあわてて減反政策に切り替えたが、農民の高齢化とともに耕作地が年々増える一方になり、
    農民から米を作る意欲を奪っただけでなく、さまざまな影響をもたらすことになったのです。
    かつてはコメと麦の二本立てだった日本の農地から麦が姿を消したのは、
    政府が麦も保護しなかったからで、コストの低い輸入麦が市場を独占するようになったのです。
    コメも何百%もの関税をかけて優遇しなかったなら、今の10分の1以下の安い外米が買えたでしょう。
    政策による食料自給率の確保も必要ですが、日本のコメはいまだに鎖国状態なのです。
    このようにしたのが政府への圧力団体であるJAにほかならない。
    私は直接農家から年間2.5俵の玄米を買い、直前に自家精米しているので、
    昔のように農協から買うことはないが、一般消費者のほとんどは安いスーパーなどのコメを
    購入し、スーパーやコンビニのない地域を除き、JAから購入する国民はわずかだと思う。
    JAは農業信用組合として信用事業を主として再出発した方がいいかもしれない。

JAS(Japanese Agricultural Standard)ジャス : JAS法。日本農林規格。
    正式名称は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(法律第百七十五号)」で、
    1950(昭和25)年5月11日に定められた。
    「JAS規格制度」と「品質表示基準制度」の2つの柱となっていて、安定した品質で
    正しい表示の食品を消費者に供給するためにつくられた法律で、食品などの表示基準を示し、
    魚や貝などの水産物は「名称」と「原産地」の表示が義務付けられている。
    生鮮食品及び水産物に関する基準は、平成12年7月1日以降に販売されるものから、加工食品、
    遺伝子組換え食品に関する基準は、平成13年4月1日以降に製造、加工または輸入されたもの、
    玄米及び精米に関する基準は、平成13年4月1日以降に販売されるものから適用されている。
    各地方農政局は、この法に基づき小売店舗などを立ち入り検査し、
    注目を集めている食品は表示の根拠までさかのぼって点検する。
    偽装表示があれば、農水相による改善指導や業者名の公表などができる。
    参 : 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律有機農業推進法

    中国ヒジキを佐賀の会社「長崎産」が4.3トン偽装、クラゲも
    佐賀県は2007年7月12日、中国産のヒジキやクラゲの加工食品を「有明海産」などと
    偽って販売したとして同県小城市牛津町の海産物製造・販売業「磯屋(いそや)」に対し、
    日本農林規格(JAS)法などに基づき適正な表示を行うよう指示した。
    同社は自主回収を始めた。食品衛生上の問題はないという。
     同県によると、6月15日、九州農政局佐賀農政事務所に「磯屋の商品で産地偽装がある」との
    匿名文書が届き、県が立ち入り検査を実施。その結果、(1)長崎産と表示した「長崎産芽ひじき」など
    ヒジキ3商品(2)有明海産と表示された「有明海産生くらげロケット」などクラゲ2商品で
    原材料に中国産を使用していたことが判明した。
     磯屋の松尾清隆社長は佐賀県に「長崎産のヒジキの種を中国で養殖したので、
    長崎産で良いと思った」「クラゲが昨年不作だったため、中国産を使った」と話しているという。
    同県は同社に、7月25日までに改善措置を報告するよう指示した。
    ビジキは九州、山口を中心とした14都府県に出荷されたことから、
    私も口にしたかもしれないが、改善指導や業者名の公表だけではザル法と言わざるを得ない。
    JAS法では原則、同じ違反を3度繰り辺さなければ罰金は科されないというのがナンセンスで、
    回数には関係なく1度の違反で懲役を含めた罰則を設けるべきだ!
    虚偽表示でもしなければ、2度偽装して会社名を変えれば何度でもできるということだ。

JAS規格制度(ジャスきかくせいど) : 農林水産大臣が指定した日本農林規格(JAS規格)による
    検査に合格した農林物資に、「JASマーク」をつけることを認める制度。平成15年2月末日現在で、
    90品目について325規格が定められている。また、農林物資には以下のものがある。
    @飲食料品及び油脂
    A農産物、林産物、畜産物、水産物、これらを原材料として製造又は加工した
      物資(@に掲げるものを除く)であって政令で定めるもので、酒類・医薬品等は除く。
    参 : 食品表示とJAS規格(農林水産省HP)
JASマーク(ジャスマーク) : JAS規格に適合しているかどうかの検査を受けて、
    一定以上の品質であると認定された場合、その製品にJASマークをつけることができる。
    したがってJASマークがついている製品は、その製品の定義・規格に従って製造されたもので、
    その品質が保証されている。
    JASマークには、商品の種類によって「特級」「上級」「標準」等の等級表示があり、
    品質の目安として利用できる。ただ、JASマークの検査を受けるのは任意なので、
    マークが無いからと言って必ずしも品質が劣るものではない。
    また、焼豚やミートローフなどJASに定められていない品目もあり、
    たとえ高品質のものであってもJASマークは付いていない。
       JASマーク:国が定めた規格・基準に合格した農林物資(加工食品や木材など)に
                    つけられるマーク。
     特定JASマーク:「熟成」、「地鶏」、「有機農産物」など、
            特別な生産方法や特色ある原材料で作られた食品について一定の規格を設け、
            それに適合した商品に特定JASの表示を認めて、
            消費者が購入する際の目安にしてもらうことを目的に制定されたマーク。
            従来の表示だと、あいまいで、ネーミングだけで美味しさをイメージさせる
            実態の無い商品が出回ってしまっていたが、それを是正し、規格化したもので、
            消費者の混乱を避けるための有効な制度になる。(例:熟成ハム類、地鶏肉等)
     有機JASマーク:化学的に合成された肥料、農薬を原則として使用しない
                       農産物や農産物加工食品につけられるマーク。
     生産情報公表JASマーク:消費者の安心と信頼を確保するため、
    食品の生産情報を生産者が正確に記録・管理・公表し、消費者がその製品を買い求める際に、
    その生産情報を確認できる食品の基準となる新たなJAS規格につけられるマーク。
    農水省に登録された第三者機関が認証する認定制度として2003年12月1日から開始された。
    これまで行っていた商品の追跡情報である「トレーサビリティ・システム」での公表要件に加え、
    飼料給餌情報、治療履歴情報も公表する必要がある。
    現在対象は牛肉のみで、このマークを張った牛肉は、牛の出生日・食肉処理日・管理者名などに加え、
    牛に与えた飼料名や使用した医薬品名も開示される食品であることを示す。
    このため、買った人はその牛が何を食べて育ったか、
    治療時などにどんな薬が使われたかまで知ることができる。このマークの付いた牛肉パックが、
    2004年5月6日、ジャスコ品川シーサイド店の精肉売り場に初めてお目見えした。

    使った飼料や、ホルモン剤やワクチン、抗生物質といった薬品などの情報を知ったからといって、
    一般消費者にはそれらの違いの何が判るのだろう。
    こんな抗生物質を使っているから買わないという人はいないでしょう。また、この規格は、
    生産者だけでなく、流通業者も認定を受けないと、商品にマークを付けて売ることができないし、
    繁殖農家や飼育農家などの情報管理が難しく、審査の手間やコストに見合うほどマークに
    付加価値があるかどうか疑問視されていて、「わざわざマークを取る必要はない」との声もある。
    3つのJASマークでも多いと思っていたのに、特殊法人の認定機関を立ち上げ、
    農水省役人などの天下り先に利用するのではないでしょうね。これまでに
    JISマークやJASマークを確認して商品を購入する消費者は何パーセントくらいいたのでしょう。
    私は味が良くて安ければ、今後もその品物を買うだけで、マークの有無などどうでもよく、
    マークの申請・審査・登録にかかる費用分を安くしてもらった方がたすかる。

JAXA = 宇宙航空研究開発機構
JBIC = 国際協力銀行
JCO臨界事故(ジェー・シー・オーりんかいじこ) = JCO臨界事故(核関連に別掲)
JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme)ジェットプログラム
    語学指導等を行う外国青年招致事業。外国語青年招致事業。
    日本の中学・高校生の外国語教育の一環として、外国の青年を外国語指導助手や
    自治体の国際交流員として日本に招く取り組みで、外務・総務・文部科学の3省及び
    財団法人自治体国際化協会 (CLAIR)の協力の下に実施する事業である。
    1987年の開始以来、60カ国5万5千人が参加した。
    最大で5年間日本に滞在でき、年間360万円の給与が支払われる。
JICA(Japan International Cooperation Agency)ジャイカ : 独立行政法人 国際協力機構(HP)。
    外務省所管の特殊法人の一つ。1974(昭和49)年設立。開発途上国に資金や技術を支援する
    政府の発展途上国援助(ODA)を担う独立行政法人。国内17カ所、海外約100カ所の拠点を持ち、
    150以上の国と地域で青年海外協力隊の派遣、海外移住者の指導・援助などを行う。
     国からの支出は2009年度で、運営費交付金や途上国への円借款のための資金など計2986億円。
    2010年度で2548億円(予算ベース)に上る。理事長は元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏。
    参 : 国際緊急援助隊政府系金融機関
JIS = JIS(パソコン用語)
JIS保護等級(ジスほごとうきゅう) : JIS C−0920(日本工業規格)に規定される防水・防塵に関する
    保護構造についての規格である。防水防塵設計のデジタルカメラなどでは、その程度を表すために、
    JIS規格の「電気機械器具の防水試験及び固形物の浸入に対する保護等級」で規定される
    名称や等級を用いることが多い。    
防水の種類
保護
等級
種  類 説    明
無保護のもの
防滴T形 鉛直から落ちてくる水滴によって
有害な影響がないもの
防滴U形 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴によって
有害な影響がないもの
防雨形 鉛直から60度の範囲の降雨によって
有害な影響がないもの
防沫形 いかなる方向からの水の飛まつを受けても
有害な影響がないもの
防噴流形 いかなる方向からの水の直接噴流を受けても
有害な影響がないもの
耐水形 いかなる方向からの水の直接噴流を受けても
内部に水が入らないもの
防浸形 定められた条件で水中に没しても
内部に水が入らないもの
水中形 指定圧力の水中に常時没して使用できるもの
防湿形 相対湿度90%以上の湿気の中で使用できるもの
防塵の種類
保護
等級
種  類 説    明
防塵型 動作に影響をおよぼす以上の粉塵が
内部に入らないもの
防塵型 粉塵が内部に入らないもの
JISマーク(ジスマーク) : 品質などの内容をJISで具体的に規定して、そのJISに適合する製品には
    JIS適合品であることを示す特別の表示を付けることができるという工業標準化法による
    JISマーク表示制度で、JISに該当する製品の製造業者又は加工業者は
    主務大臣又は主務大臣の指定する指定認定機関の認定を得て、JISマークをその製品、
    又はその包装、容器若しくは送り状に表示したマークのこと。JISマーク表示制度は、
    昭和24年の工業標準化法制定以来、50年以上の歴史をもっていたが、
    新制度は制度の基本的仕組みを大幅に変更された。
    平成14年3月にJISマーク制度を含む検査・検定制度について、
    官民の役割分担および規制改革の観点から、国の関与を最小限とし、
    検査・検定にあたっては事業者の自己確認、自主保安を基本とする方針が、「閣議決定」され、
    これをふまえて平成16年6月に改正された工業標準化法の内容にもとづいた、
    新しいJISマーク表示制度が17年10月1日から実施された。
    経済産業省では、国がJISマーク表示対象製品を限定していた制度が廃止されることから、
    消費者の関心が高い環境分野、高齢者・障害者への配慮分野、安全性・衛生分野などで今後、
    JISマーク表示商品が増えることが期待できるとしている。
    旧工業標準化法に基づくJIS工場は、平成20年9月末まで、下記旧JISマークを表示することができる。
    旧JISマーク
    変更のポイント
    ポイント1国による認定から民間による認定に
     国際的に通用する民間の登録認定機関よる一貫した認証の責任体制を実現。
     国(主務大臣)による認定制度から、国の登録を受けた国際ガイドとの整合性のとれた
     民間の第三者機関(登録認証機関)が行う認証制度に変更された。
     第三者機関は、ISO/IECによる国際的に通用する基準に適合することを確認した上で登録される。
    ポイント2JISマーク表示の限定を廃止
     これまでJISマーク表示の対象でない製品にもJISマーク表示が可能に。
     JISマークを付けることのできる対象品目(JIS)を、国が指定・限定する「指定商品制」が廃止され、
     JIS製品規格が整備された製品で、規格にもとづいた認証を受ければJISマーク表示を行えるとした。
    ポイント3JIS適合性表示の自由度向上
     生産技術の進歩、製造業者・販売業者・使用者・消費者・調達主体・強制法規当局等
     利用者のニーズの多様化に対応し、かつ使いやすく信頼性が一層高い制度に。
     これまでは指定された商品に対しては、自己適合宣言ができず、また指定された商品以外に対して、
     JISマークを表示することができない従来の制度から、事業者自らの判断で、
     認証を受けてJISマークの表示またはその他の方法による自己適合表示が可能となった。
     従来、内外製造業者・加工業者としていた認証の申請主体に、
     国内の輸入業者や販売業者、海外の輸出業者を加えた。
      ●自己適合宣言●試験証明書利用●第三者製品認証の取得
    ポイント4マークデザインの変更
     平成16年12月新デザインがWeb上で募集され、現行のJISマークが変更された。
    新JISマーク : 公募により平成17年3月28日に下記のように決定した。
    @鉱工業品 A加工技術 B特定側面
    ポイント5JNLAロゴ付認証証明書が利用可能に
     これまでは利用できなかった信頼性のあるJNLAロゴ付証明書が利用可能になった。
     これまで指定商品については、JNLAロゴ付証明書の発行および使用はできなかったが、
     試験証明書に対するJNLAロゴ表示の限定が解除された。
JKA(ジェイケーエー) : @財団法人JKA。公営競技の競輪とオートレースを統括する、
     経済産業省管轄の財団法人で、競輪やオートレースの選手や審判員の登録、
     運営支援のほか、売上金の一部を機械工業振興や福祉事業に補助し、
     補助金交付要望の受付・審査・決定、その実施に関する指導を行っている。
     特殊法人の日本自転車振興会と日本小型自動車振興会の業務を継承し、
     競輪やオートレースなどの振興を目的に2008(平成20)年4月1日に発足した。
     競輪は、売り上げの一部を社会還元に使うことを条件に都道府県・市町村に実施が認められている。
     東京都千代田区に本部がある。2010年7月現在の役員11人のうち4人が天下りである。
     JKAの名は、競輪(Keirin)およびオートレース(Autorace)に関係する
     小型自動車(Kogata Jidosha)の表記を混在させるための措置で、
     日本中央競馬会(Japan Racing Association)の略称JRAとは異なる。
     参 : 財団法人JKA(HP)
     
     公営ギャンブル「見直す」、事業仕分けで枝野刷新相
      競輪の振興事業を担う財団法人JKAを取り上げた2010年5月24日の「事業仕分け」の中で、
     枝野幸男行政刷新相は「行政刷新会議として公営ギャンブル共通の問題点について方向性を出す」と
     述べ、競輪だけでなく競馬や競艇などについても制度見直しを検討する考えを示した。
      JKAは2008年度、競輪を開催する都道府県・市町村から売上金の約3%にあたる
     約253億円を受け取り、これらを財源に約193億円を公益法人などに補助した。
     競輪場の改修や宣伝のため地方自治体に約83億円を還付した。
     24日の事業仕分けでは、JKAが資金分配を仕切ることに「問題がある」として、「廃止」と結論づけた。
      尾立源幸参院議員は、JKAが補助金を支出した129法人のうち85法人の役員計145人が
     経済産業省など公務員の天下りだと指摘。仕分け人からは
     「省庁の都合のいい財布」(寺田学衆院議員)との激しい批判が相次いだ。
      寺田氏が「経産省OBがJKAのカネが流れている法人を渡り歩き、現在6カ所目だ」と指摘し、
     尾立氏も「我々の調査では推定3億円を受け取っている」と追及。
     法人・経産省側は「統合したので五つ」と返答し、会場から失笑がもれる場面もあった。
      枝野氏は、公営ギャンブルの資金が天下り法人に流れ込む構図は競輪に限らないと見ており、
     「従来の配分の仕方は問題だ」と強調した。
    A社団法人・日本空手協会(Japan Karate Association)
     空手界で唯一の文部科学省認可の社団法人で、近代空手道を日本武道の一つとして、
     国の内外で継承し、普及・発展させることを目的としている。
     参 : 社団法人・日本空手協会(HP)
    B全国カラオケ事業者協会(All−Japan Karaoke Industrialist Association)
     1994(平成6)年10月17日に設立され、、同協会がこの日を「カラオケ文化の日」として制定し、
     当日はカラオケ大会や、カラオケセット寄贈が行われる。この日とは別に、
     1月19日が「カラオケの日」、9月第2土曜日が「ファミリーカラオケの日」となっている。
     参 : 全国カラオケ事業者協会(HP)
    C日本の凧の会(Japan Kite Association)
     毎年2回の凧揚げ大会と例会に加えて、全国各地にある 支部 や団体が主催する
     凧揚げ大会を後援するほか、海外各地の凧揚げ大会にも会員有志が参加したりしている。
     参 : 日本の凧の会(HP)
JOC(Japan Olympic Committee) : 財団法人・日本オリンピック委員会。
    JOCの目的は、オリンピック憲章に基づく国内オリンピック委員会(NOC)として、
    オリンピックの理念に則り、オリンピックムーブメントを推進し、
    スポーツを通じて世界平和の維持と国際友好親善に貢献するとともに、
    わが国のスポーツ選手の育成・強化を図り、もってスポーツ振興に寄与することである。
    日本体育協会内に設置され、オリンピック規約に基づいた独自の諸活動を行なっている。
    JOCは2010年の夏季から開催されるユース五輪の試みに賛同するが、
    一方で問題点も多く、戸惑いの声も挙がっている。 参 : JOC(HP)、IOCアテネ五輪
JOC(Junior Olympic Cup) : 都道府県選抜の中学生大会。
JR = JR(JR関連に別掲)
JR宝塚線脱線事故 = JR宝塚線脱線事故(JR関連に別掲)
JR博多シティ(ジェイアールはかたシティ) = JR博多シティ(JR関連に別掲)
JR無料パス = JR無料パス(国会・政治関連に別掲)
Jパワー → 電源開発
Jリート(Japanese Real Estate Investment Trust:JーReit)
    不動産投資信託(ふどうさんとうししんたく)。不動産投信。外国のリートと区別したのが
    「Jリート」(日本版投資信託)で、主にメガバンク、大手商社・不動産会社などによって設立された
    特別目的会社(投資法人)が、多くの投資家から集めた資金を主として、
    オフィスビルや賃貸マンション、ショッピングセンター、大規模商業施設などの
    不動産等(不動産証券化商品を含む)を建設・購入して証券化し、別の投資家に販売して運用し、
    賃貸収益や売却益などを配当金として投資家に分配する金融商品(投資信託)のこと。
    投資法人は、取得した不動産の管理・運営を行ない、賃料収入や売却益から経費を引いたものを
    運用成果として、収益を投資家に配当(正確には分配)する仕組みになっている。
    米国では1960(昭和35)年に誕生し、Real Estate Investment Trust、略してREIT(リート)と呼ぶ。
    日本でもこれにならって「日本版REIT」や、「J−REIT」、
    また単なる「REIT」と呼ばれ、特に断らない限り日本のものをREITと呼ぶ。
    不動産投資信託には「会社型」と「信託型(契約型)」があるが、日本では「会社型」が主流になっている。
    会社型は投資法人(株式会社のようなもの)を使ったREITの仕組みで、
    投資法人は投資口(株式会社でいえば株式に相当)を発行して投資家から資金を調達する。
    また投資法人は一定の要件(配当可能利益の90%以上を投資家に配当する等)を満たすことで
    法人税が実質非課税扱いとなっている。一方の信託型は信託銀行の信託勘定を利用したREITで、
    信託型は更に、株式投信と同様に投資信託委託業者が運用指図する委託者指図型と、
    信託銀行が独自の判断で運用する委託者非指図型がある。
    投資信託が運用する対象は、株式や公社債などの債券が中心だが、
    1998年の投資信託法「改正」により、不動産を対象とすることが認められた。
    さらに、2000(平成12)年11月に「投資信託及び投資法人に関する法律」が施行された。
    2001年3月には東京証券取引所に不動産投資信託市場が開設され、
    Jリート自体を取引所で売買するしくみができて以来、予想配当利回りは年3〜4%程度で推移しており、
    超低金利の銀行預金と比べて有利だが、元本保証はない。
    投資家には投資証券(株券に相当するもの)が発行され、「株」と同じように
    4桁の証券コードが割り当てられていて、証券会社で指値注文や成行注文を含む売買ができる。
    一般には、この上場されたものを「Jリート」と呼んでいる。
    資産の大半をオフィスビルや商業施設などの収益不動産で運用し、
    収益の90%超を投資家に分配するなどの一定の要件を充たすことにより、
    実質的に法人税が非課税となる仕組みになっているため、魅力的な配当利回りが期待できる。
    また、決算月の異なる複数の銘柄を組み合わせて購入すると分配の時期を分散させることができる。
    不動産投資信託の分配金は、配当所得となり、原則的に株式の配当金と同様に扱われる。
    ただし、不動産投資信託の運用収益には法人税が課せられてないため、
    配当控除の適用を受けることはできない。
    基本的にREITの投資口は公募され証券取引所に上場されることになる。
    これにより実物不動産取引はもちろんのこと、これまでの不動産証券化商品では
    かなえることのできなかった高い流動性を備えることになる。REITの投資口を買うには、
    上場企業の株式を購入するときと同様に、証券会社を通じて証券取引所に買い注文を
    出す必要があることから実体は株と同じで、配当と取引所での売買益でもうける金融商品である。
    小口の資金を集め、不動産を元手に証券を発行することから、「不動産証券化」の一形態でもある。
    運用の成果は、配当金として還元されるが、投資元本が回収できないリスクもある。
    2009年4月現在、東証などに41銘柄が上場されており人気の商品の1つである。
     相場の指標となる東証REIT指数は、ピークの2007年5月には2612ポイントまで上昇した。
    しかし、金融危機や不動産市況の悪化で、指数は2009年4月現在3分の1程度に落ち込んでいる。

    Jリート初の破綻
     東京証券取引所に上場されていた不動産投資信託(Jリート)のニューシティ・レジデンス投資法人は
    2008年10月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全命令を受けたと発表した。
    負債総額は1123億円。帝国データバンクによると、Jリートの経営破綻(はたん)は初めて。
     不動産市況の悪化に伴い、借入金の返済資金などの調達が難しくなった。
    ニューシティによると、投資家は法人も含めて約9000。このうち個人が約8600人を占める。
    新たなスポンサーにリートを引き継ぐことや、投資家の救済策を検討するとしている。
     金融庁は9日、ニューシティの資産運用会社シービーアールイー・レジデンシャル・マネジメントに対し、
    金融商品取引法に基づき、財産保全や投資者保護措置を取るよう業務改善命令を行った。
     東証は同日、ニューシティを11月10日付で上場廃止にすると発表した。














































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