株関連(YSミニ辞典)
[ホーム]
[索引]
[前項]
[次項]
CFD(Contract For Difference) : 直訳すれば、差額(Difference)の契約(Contract)となり、
「差金決済取引」や「差金決済契約」と呼ばれ、デリバティブ(金融派生商品)の一種である。
現物株・株価指数・業種別指数や、商品・債券などの市場での値動きをそのまま反映しながら、
実際に投資対象となる現物株(原資産)等を保有することなく、
原市場と同様の取引ができて、かつその売買価格の差が損益になるという取引で、
2008年から2009年にかけてCFD商品の取り扱いを始める証券会社が相次ぎ、注目されている。
一方、通常の株式の現物取引では、取引分の買い付 け代金や
売却株券を持たない「差金決済取引」は禁止されている。
CFDの最大の特徴は『証拠金』を用いる金融商品であり、少額の証拠金(保証金)を口座に入金すれば、
実際の投資資金の何倍もの取引ができる「レバレッジ取引」ができるのが一般的で、
たとえばレバレッジ10倍であれ ば、口座に1万円しかなくても、10万円の商品Aを購入できる。
これを11万円で売却すれば、差益の1万円が口座に入金されるから、手持ち資金は倍増する ことになる。
各証券会社が扱うCFDには、個別銘柄に連動するもの、株式指数に連動するもの、
原油や金のような商品価格に連動するものなどがある。
かつてエクイティスワップと呼ばれ、機関投資家しか取引できなかったが今では、
世界70カ国以上の投資家に取引され、急速に成長している。
一般の金融取引商品に比べ、さらにパワフルでより有利な取引を提供する革新的な商品で、
高いリターンが期待できる一方、損失も大きくなる可能性があり、リスクは高い。
また、相対取引のためセーフティーマットとなるものがなく、資金リスクにさらされる危険性もある。
CFDを始めるにあたっては、手数料が発生することも考慮に入れるべきである。
ちなみにCFDの取扱でも上位を占める「ひまわり証券」の手数料の場合、
株のスプレッドが0.4%、為替のスプレッドが往復1%となり、合計で1.4%の手数料となる。
そこに約定代金が100万円以下の場合は、20ドルの手数料がかかる。
つまり『1ドルを100円』で計算すると、10万円の時は「1400円+2000円=3400円」という計算になり、
実質「3.4%の手数料」ということになる。
LBO =
LBO(別掲)
M&A =
M&A(別掲)
TOB =
TOB(別掲)
インサイダー取引(Insider Trading)いんさいだあとりひき : 内部者取引。
会社関係者が未公表の重要事実を知りながら、
公表前にその情報を使って特定有価証券等の売買等を行うことを言う。
詳しくは、証券会社の者や発行会社の役員・大株主など、証券の投資判断に影響を及ぼす重要な
未公開の内部情報を入手できる特別な立場にある者が、それを利用して株式等の売買等を行う
不公正な証券取引(
不公正取引)のこと。売買取引の公正と投資者保護のために
証券取引法で規制されていて、この制限に違反してインサイダー取引を行った者には
刑罰(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその双方)が課されるほか、
公開会社の役員や、発行済株式の10%以上を保有する株主が、
当該会社の株式等を6カ月以内の短期間において売買することにより得た利益は、
当該会社からの請求により、一定の場合には当該会社に提供しなければならないものとされている。
法人にも3億円以下の罰金刑が規定されている。また、公開買い付け(
TOB)に関しては、
TOBの事実を知った者は公表後でなければ買い付けてはならないと定めている。
証券取引法施行令で発行株式のうち5%以上の株を買い集めることも「TOBに準ずる行為」と
位置づけている。 参 :
有価証券報告書の虚偽記載、
課徴金制度
円キャリートレード =
円キャリートレード(別掲)
会社更生法(かいしゃこうせいほう) : 経営が行き詰まったが再建の見込みのある株式会社について、
債権者・株主その他利害関係人の利害を調整しながら、その事業の維持・更生を目的としてなされる
更生手続を定めるために制定された法律である。倒産の一種で、当該会社や株主らが裁判所に申し立てる。
1952(昭和27)年8月1日に制定され、最終改正は2006(平成18)年3月31日法律第10号である。
会社更生法は株式会社にだけしか適用されない。
有限会社や合資会社及び医療法人などのその他法人や個人企業は申し立てできない。
なお、会社更生法に基づく更生手続のことを、「会社更生手続」と呼ぶことが多い。
会社更生法による更生手続きは、倒産手続きのうち、再建型と分類される。
通常、会社更生法の申立に基づいて裁判所が財産保全命令を出し、
適用を受けると管財人が指名され、今までの役員の殆どは退陣して経営の権限を失うことになる。
管財人は、財産の処理権、経営権を掌握し、債権者や株主の利害を調整しながら事業を継続させ、
債権者に対し債権放棄などを求め再生のための更生計画づくりにあたる。
計画決定には債権総額の2分の1以上を持つ債権者の同意が必要で裁判所の認可で発効する。
会社は新しい出資者のもと、新たな経営者が経営を再スタートする。
債権者は、担保権を有していても、競売などの権利行使は認められず、
財産評定の結果認められた更生担保権の金額の範囲で配当を受けることになる。
なお、会社更生法の申立てに基づいて裁判所が更生手続開始の決定をした時から
当該会社を「更生会社」と呼ぶ。会社の再建が軌道に乗り、更生手続きが終了すると、
会社の経営は取締役の手に戻る。逆に、再建の見込みがない場合には、破産手続き等に移行される。
参 :
会社更生法(法律)
日航が更生法申請、戦後最大の経営破綻で政府管理下に
経営再建中の日本航空と主要子会社2社は2010年1月19日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。
日航によると、グループ3社の負債総額は2兆3221億円となり、事業会社として戦後最大の経営破綻になる。
日航の西松遥社長は同日付で辞任した。
日航はこの日午後、臨時取締役会を開き、会社更生法の適用申請を正式に決定した。
これを受け、官民共同出資の
企業再生支援機構は支援を決定、
政府も運航を全面的にバックアップする声明を発表した。
支援機構が公的資金で3000億円を出資し、運航を継続させながら3年以内の経営再建を目指す。
「ナショナルフラッグ・キャリア(国を代表する航空会社)」として日本の空の足を担ってきた日航は事実上、
政府管理の下で経営再建に取り組むことになる。(産経新聞ニュースより)
支援機構がまとめた再建計画では、経営悪化の要因を「大型機の大量保有、
硬直的な人件費など構造的高コストからの脱却を図ってきたが、年金債務などの
レガシーコスト(負の遺産)の削減が遅れがちで抜本的な収益改善には至らなかった」と分析しているが、
年金債務はどこの会社も同じで、何十年前から分かっていたことで倒産の理由にはならない。
それより何年も前から赤字を抱えていたのに、
今日まで早めの対策をとらずに国の援助を仰いだ日航の旧経営陣の責任をとらすべきだ!!
亀井静香郵政改革・金融相は日本航空の経営悪化について「『採算を度外視しても飛行機を飛ばしてくれ』
という、地域の強い要望に政府が対応してきた面もある。すべて日航だけの責任というわけにはいかない」と
話しているが、元はといえばあなたもいた自民党の族議員からの要請によるものが大で、
万が一経営破綻した場合には国で責任をとるとでも言っていたのしょう。
カギ足 : 相場の値動きを屈折した一本の線で結び、その動きからトレンドを探り売買のタイミングを
はかろうとするトレンドフォロー系のテクニカルである。別名を「値幅足」、
欧米ではスウィングチャートと呼ばれている。非時系列チャートで、チャートに時間の要素を加えないもの、
つまり時間の要素は分析対象に加えず価格変動に重点をおいて分析する。
カギ足は上昇時は上方へ下降時は下方へ縦線を引く。
一定の値幅・比率を決めておく必要がある。(逆転値幅とも呼ばれる)
同一方向への動きがあった場合、その値段まで線を延ばし、その後、先に決めておいた値幅又は
比率以上に反対方向への値動きがあった場合は、横線を引き横線からその値段まで縦線を引く。
一定の値幅及び騰落率によって、かぎ状の線を屈折させ陰転・陽転などを判断する。
基準とする値幅・率の目安は、その銘柄の刻みの単位の10倍〜50倍位である。
ただし、頻繁に転換するような値幅では意味がないので相場動向と照らし合わせて決めると良い。
現状のドル円週足などは値幅1円位が良さそうで、定率では1〜5%位が目安である。
基本的な見方 : かぎ状の屈折の手前の肩(直近の高値)を抜いた時を陽転=買い、
逆に手前の腰(直近の安値)を割った時に陰転=売りとなる。
書き方 : 同一方向の動きを継続している間は、その方向の値幅分の線を記入する。
あらかじめ決めた一定率及び値幅だけ反対方向へ動いた場合は、
次の行に移り反対方向に動いた値幅分の線を記入する。
貸株(かしかぶ) : 保有する株券を手数料をもらって貸し出すこと、またその株のことをいう。貸している間は
株主総会で議決権を行使する権利は借り手に移る。主に、株を大量に保有する機関投資家が、
株価の値下がりを見込んで「空売り」しようとする投資家に対して貸し出す場合が多い。
貸株サービスとは、証券会社などが、企業やお客から何十億円の株券を借り、
それをまとめて貸株市場に出して運用し、金利を企業やお客に分配するというサービスのこと。
一方、貸し出すためのリスクもあり、株券の所有権が証券会社にいったん移るので、
証券会社が名義人になる。貸株をやめれば、自分のところに戻くるが、
貸株の間は証券会社にお金を貸しているのと同じ状態になるので、もし、万一のことがあったら、
お客は一般債権者となるわけで、分別管理ではないというリスクがある。ただし、毎日変更できるので、
もし貸株サービスを中止したければ、いつでも貸出しを止めることはできる。また、
貸株をしている間の配当や株主優待、株式総会の議決権は、すべて証券会社のものになる。
株券の電子化(かぶけんのでんしか) : 「株式の電子化」や「株の電子化」とも呼ばれ、
2009(平成21)年1月までに紙の株券が全面電子化(ペーパーレス化)されること。
2004年6月9日に「株券の電子化(株券不発行制度)に関する法律」が公布され、
これまでのように、株券で株主権を管理するのではなく、
株主権は証券会社等の金融機関の振替口座で電子的に管理されるようになる。
紙の株券は無効になることから、証券会社に口座を作り、株を保有することになる。電子化された株券は、
基本的に証券保管振替機構(通称・ほふり)にてコンピューターで一元管理・保管する。
紙の株券のままの「
タンス株」を持つ個人投資家のうち、相続や譲渡などで受け取った株券の名義を
書き換えていない株主は権利を失ってしまう恐れがあり、早めに株券を確認し、手続きをする必要がある。
取引をする側のメリット : @盗難の危険性がなくなる。A証券会社に株券を持ち込む手間がなくなる。
上場企業のメリット : 株券の印刷費用がなくなる。株券はよい和紙などで作られることが多いので、
その費用もかなりの額になる。
株券を証券会社などに預けなかった場合、企業が株主名簿から名義人を割り出して、
データを残すそうで、すぐに権利がなくなるということはないが、
人から譲り受けた株券で、名義変更をしていない場合には、権利は株券に名義がある人になるので、
手元に株券を持っていても勝手に名義人に売却される恐れがある。
株券は裏側に株主名や名義書き換え日などが記載されている。
ただ、発行時期によっては株主名を書いていない株券もあり、発行会社に問い合わせると確認できる。
名義を書き換える必要がある場合は、発行会社や近くの証券会社に相談すると手続きの方法がわかる。
株券が本人名義だと、電子化の際に特別な手続きをとる必要はない。
株式の発行会社は、現在の株券を持つ株主の権利を守る必要がある。
株券電子化の際には、住所がわからない株主の株券などは「特別口座」を作って管理し、電子化する。
このため書き換えを忘れた株主の権利がすぐに失われるわけではないが、
放っておくと以前の株主が第三者へ勝手に売却するなどの危険が残る。
さらに特別口座の株券は売買できない。売買するためには投資家が証券会社に作る取引口座に
株券を移す必要があり、株価が上がっても急には売れず、売買タイミングを逸する恐れなどがある。
また、1株未満の株式の「端株」は電子化制度に対応していない。このため、株主は
端株を発行会社に買い取ってもらったり、売買できる最低単位まで株を買い増したりする必要がある。
株式公開買い付け =
TOB
株式交換(かぶしきこうかん) : 子会社になる会社の株主からすべての株式を親会社になる会社が受け取り、
交換に親会社となる会社の株式を渡し、100%の親子会社の関係をつくる方法で、
1999年の商法改正で導入された。
株式を買い取る資金がなくても、自社株を対価に機動的な企業買収ができる。
株式市場(a stock market)かぶしきしじょう : 株式の発行と売買が行われる市場の総称のこと。
新たに株式が発行され、投資家がこれに応募する「
発行市場」と、
すでに発行されている株式が投資家から投資家に売買される「
流通市場」とがあり、一般には後者をさす。
参 :
新興株式市場
株式譲渡(かぶしきじょうと) : 売り手の会社が発行済みの株式を譲渡することで、
経営権を買い手の会社に譲り渡す。
株式譲渡益・配当所得への減税 =
株式譲渡益・配当所得への減税(税関連に別掲)
株式の保有制限(かぶしきのほゆうきげん) :
銀行法では、銀行経営の健全性確保の観点から、
銀行に他業禁止が課されている趣旨の徹底を図るとともに、
銀行の子会社の範囲制限が逸脱されることを回避するため、
事業会社の発行済株式の5%を超える株式取得を原則禁止している(いわゆる「5%ルール」)。
また、銀行経営が株価下落により左右されないようにする目的で、
2006(平成18)年9月末から、銀行の株式保有額は、自己資本の範囲内に制限される。
放送局株式の保有制限は、電波法に基づき、総務省令で定められていて、
マスメディアがある放送局の株式を10%を超えて保有している場合には、
同一地域の別の放送局について10%超の株式を保有できない。
また、同一地域以外の放送局の株は、20%以上持つことができない。
これらの規制は「マスメディアの集中排除原則」と呼ばれる。
株式分割(かぶしきぶんかつ) : 発行済みの高額株式を細分化して、
多数の小額の株式にして市場に出回る株数を増やすこと。5分割する場合なら、
既存株主には1株当たり新株4株を配分する。会社や株主の自己資本全体は変化はなく、
分割で株価を下げて購入しやすくすることから株式の流通性が高められる。
また、株主への利益還元として株式の無償交付の形としても行われる。
つまり、分割前の配当金を変えないことで株主配当を増やしたりする狙いがある。
株主総会(a general meeting of stockholders)かぶぬしそうかい
株式会社の実質的な所有者である株主全員によって構成され、
その株主の総意によって会社の基本的事項に関する最高意思決定機関であり、
株式会社にはかならずおかれる必要的機関である。株主総会は非常設機関であり、決算期に
招集される定時総会(商法234条)と随時招集される臨時総会(235条)の2種類があり、
毎年1回以上は必ず開催されなければならない。
原則として取締役会の決議に基づいて代表取締役がこれを招集し、
定款変更・合併・取締役の任免などの商法所定の事項と、定款所定の事項とに限り決議をなしうる。
株主総会の決議は、過半数によって決定されるが、その議決権は国会のように一人一議決権ではなく、
一株一議決権となる。その株主総会の決議事項は主に以下のものがある。
●定款の変更●資本の減少●会社の解散・合併●営業譲渡●計算書類の承認
●利益処分又は損失処理の決定●取締役の選任・解任●会計監査人の選任・解任
●清算人の選任・解任●取締役・監査役の報酬額の決定
株主フレンドリースコア(かぶぬしふれんどりーすこあ) : 企業側の株主に対する親切度。
こんなとらえどころのない評価を野村證券金融経済研究所が数値化したもの。
野村グループは上場企業の主要400社を対象にしている「NOMURA400」をもとに
「情報開示や投資家向け広報活動」「コーポレート・ガバナ ンスの体制」
「株主還元や企業価値向上政策に積極的か」など3種類の分類ごとに23項目を評価し、
各企業のポイントを集計。さらに、平均が50になるよう 偏差値付けし「株主フレンドリースコア」を作成した。
また、スコア上位76社の過去4年間に対して、株価の推移を調査した。
株主に対して親切な企業達ばかりだから、さぞかしいい結果だろうと思いきや、
直近1年の下落率はおよそ28%で、全調査企業の平均の約20%より大きかった。
しかし、これが即「悪評価」となるわけではない。
株主に親切な企業は株主利益を重視する外国人投資家に人気があると考えられる。
これらの株を多く 持つ外国人投資家は今回の金融危機で、
企業が良し悪しに関係なく換金売りに走ったと推測できるのだ。
つまり今回の世界的な金融危機の打撃をモロに受けてし まい、下落幅を広げてしまったということ。
通信、商社が高得点
2009年の上位の個別銘柄をみると、トップは84.3のハイスコアを獲得した資生堂。
調査手法を変更したので単純比較できないが、2008年の同様の調査でも1位で、“連覇”を果たした。
社外取締役の複数選任や、中期的なROE目標の開示など、多くの項目で高い得点を集めた。
小差ながら2位は83.6のオムロンで、東証の表彰や自社株買いの実施が評価された。
このほか、アステラス製薬、東京ガス、アサヒビールなどが続いた。
業種別では、通信、商社、家庭用品のスコアが高く、建設、自動車、機械で低い傾向がみられた。
株主優待(かぶぬしゆうたい) : 企業(株式会社)が、一定数以上の自社の株式を権利確定日に
保有していた株主に対し、配当のほかに自社製品、商品、金券などやサービスを
無料または格安で提供するなどの優待制度のこと。略して株優
(かぶゆう)と呼ぶこともある。
種類(優待内容) : その企業が取り扱っている商品(食品、家庭用品、衣料品、寝具、化粧品など)、
食事券、割引券、入場券、図書券、国内線割引運賃・乗車券、スポーツクラブ利用券、
遊園地・アミューズメント施設の利用券、野球・Jリーグなどの指定席券、新米コシヒカリなどのお米券、
無農薬野菜、ギフトカード、選べるカタログギフト、有料携帯サイトの無料利用、など様々。
発行会社やその関連会社の商品などがもらえる場合もある。
優待はあくまで企業の利益還元の一つで、企業の好意でありオマケであり、
優待を行う法的義務はなく、優待の変更・廃止・新設について株主総会の承認を得る必要もない。
したがって、業績悪化等の理由で、優待が突然変更されたり、廃止されたりする可能性は常にある。
株主優待の流れ
証券会社で口座を開設 |
|
株式を買い付け注文する(売買単位、権利確定日に要注意) |
|
名義書き換え(実質株主登録)をする |
|
権利確定日を迎える |
|
株主優待が実施される |
現金配当と違い、株主優待については信用取引で売建てしていても決済時には
配当金相当額の調整を行わない。したがって、現物株式を買う一方、同じ株数を同じ値段で
売建てした状態で権利付最終日を超えれば、株価変動のリスクを負わず取引手数料だけで
株主優待を手に入れることができる。権利を確定したら、後は権利落ち日に現渡で決済すればよい。
この場合、現金配当は現物株式で受けとれるが、
売建ての決済時に調整で同額を支払わなければならないので、差し引きゼロになる。
実施に対する法的な義務は無く、諸外国ではほとんど行われておらず、
基本的に日本独自のものであるがアメリカでも希にあり、スターバックスの物が知られる。
海外投資家、海外への優待発送は行われていない。
上場企業の1000社以上が株主優待制度をもうけており、上場企業の約4分の1になる。
優待は一般的には課税されないのも魅力だが、優待を換金した場合は所得となり、
一定額以上は課税対象となる。
株主優待情報は「株主優待検索」で利用できる。
企業が優待を実施する目的
★自社及び自社の製品・商品・サービスの知名度やイメージの向上を図る。
★個人投資家主体の安定株主を増やすことにより、総株主数を増加させる。
(上場基準の達成・流動性の確保)
★アンケートなど株主を通して消費者の動向を知る。
★株価対策。
★売り上げ増に貢献。
★安定個人株主を増加させ、企業買収を抑止。 などが考えられる。
「株主優待ガイド」を出している
大和インベスター・リレーションズの調べでは、
2007年9月末での株主優待実施企業は全上場企業の27%で毎年増え続けている。
調査を始めた1993年は10%だったが、特に2000年以降の伸びがめだつそうである。
参 :
株主優待倶楽部(HP)
株の信用取引(かぶのしんようとりひき)
一定の担保(委託保証金)を証券会社に差し入れて、株券や資金を借りて株式の売買をすること。
信用取引では自分の資金以上の取引が可能になるが、
証券会社に手持ちのお金や株を担保として差し出すと、その約3倍まで取引できる。
自分が持っていない株でも、証券会社から借りて先に売り注文を出す「空売り」という手法があり、
後で株を買い戻して返す。売った価格より買い戻す価格が安ければ利益が出るので、
株価が下がれば下がるほどいい。信用取引なら株価が上がっても下がっても、もうける機会がある。
いいことずくめに聞こえるが、世の中そんなに甘くはなく、お金や株を借りれば、
金利や「貸株料」などの費用がかかり、株価が予想通りに動かなかったら大損することもある。
普通は元手を上回る損が出そうな場合には、証券会社が強制的に取引を終了させるか、
「追い証」と呼ばれる追加の担保を差し出させる。
小資金で大きな資金を動かす事ができることから「レバレッジ(てこの原理)取引」とも呼ばれている。
信用取引の場合は新規の売買に対して『玉を建てる(建玉)』と言う。
信用取引には、「信用売り」「信用買い」の2種類がある。
「信用売り」では株を、「信用買い」ではお金を借りることになる。
株を始めると、当然のことながら、欲しい株がどんどん出てくる。
しかし皆が皆、欲しい株を無限に買える財力を持っているわけではない。
そこで、「お金はないけど株を売買したい」という人のために設けられたのが、
この信用取引という制度である。信用取引では、クレジットカードのように、決済は後で行う。
よって、そのときはお金がなくても、株の売買ができるというわけである。
ただし信用取引は、当然審査や限度額があるので、文字通りある程度の信用が必要になる。
また、株で損をしても、借りたものは絶対返さなくてはならないし、金利もある。
信用取引の制度を利用する際は、以上のことを念頭におき、安易に手を出さないようにしましょう。
信用取引と現物取引の比較
|
信用取引 |
現物取引 |
売買 |
自己資金の約3倍の取引 |
現金分の取引 |
買い→売り
売り→買い |
買い→売り |
1日の取引 |
信用余力分 |
現金余力分 |
利益 |
(売却代金−買付け代金)×3 |
売却代金−買付け代金 |
決済期限 |
6カ月 |
なし |
損失発生 |
追証発生
追加保証金入金の必要有 |
含み損のまま保有可 |
※信用取引の場合は、信用余力いっぱいまで売買した場合 |
株の信用取引の注意点 : 信用取引は、言ってしまえば「証券会社からお金や株を借りて
株の売買を行う」ということ。もちろん審査や限度額はあるものの、
すぐに株を買うお金を作れない人にとっては、信用取引はありがたいシステムである。
しかしながら、初心者には向かない。なぜなら、信用取引の返済は半年後で、
金利もある=つまり半年以内に株で利益を出さなければ、借りたお金や株は返せないことになる。
初心者にこんなリスクが負えるでしょうか。確実に返済できる自信があるならともかく、
株で大損したなんて日には、もう目も当てられない。信用取引は便利ではあるが、
安易に手を出せるものではないということを肝に銘じておきましょう。
空売り(からうり) =
空売り(別掲)
監理ポスト(a temporary post for company’s stocks under supervision)かんりぽすと
証券取引所は、株主数や経営状況などから
上場廃止基準を定めているが、
証券取引所に
上場している株券が上場廃止基準に触れる恐れがあるとき、
投資家にそのことを伝えるために他の株券と区別しておかれる場所をいう。
銘柄は監理ポストに割り当てられ、監理ポストで取引されることになるが、
それまでの取引と同様に市場で売買できる。問題が改善されれば、
元の取引に戻されて復活する場合も多く、一時的に問題が起きた会社というイメージとなる。
その問題が大問題で上場廃止の方針が決定されると
整理ポストに移され、
原則1カ月後に上場廃止となる。なお、会社更生法や民事再生法の適用を受けた会社の株式は、
監理ポストでななく、即座に整理ポストに移される。
東京証券取引所は、粉飾決算の疑いなどがあるとして東京地検の強制捜査を受けている
ライブドアを監理ポストに割り当てることを検討していると2006年1月20日に明らかにしたが、
上場廃止となった場合、株式の換金性や担保価値が下がることになることから、
ライブドアの売り注文が殺到し、取引開始直後から値幅制限いっぱいのストップ安(326円)が続いた。
ライブドアの証券取引法違反事件で堀江貴文容疑者が2006年1月23日、
東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、東京証券取引所は上場廃止を視野に
ライブドアとライブドアマーケティング株を同日付で監理ポストに割り当てた。
逮捕容疑の「
風説の流布」を理由とする監理ポスト割り当ては初めてとなる。
偽計取引(ぎけいとりひき) : 有価証券の募集、売出し、売買その他の取引等のため、
又は有価証券等の相場の変動を図る目的で、ウソの説明などで他人をだます虚偽の情報(偽計)を
用いることをいい、「
風説の流布」とともに証券取引法で禁止されている。 参 :
不公正取引
金融商品取引法(きんゆうしょうひんとりひきほう) : 金商法。
1948(昭和23)年に国民経済の適切な運営・投資者の保護に資するため、
有価証券の発行・売買その他の取引を公正なものとし、
有価証券の流通を円滑にすることを目的に定められた「証券取引法」や「金融先物取引法」など
複数の法律を整理統合して、多様化する金融取引に対応し、国民経済の健全な発展と投資者の保護を
目的として定められた法律で、2006(平成18)年6月の通常国会で成立し、2007年7月より施行された。
これまで野放しだった投資ファンドの特権を規制し、株式公開買付制度(
TOB)の規制強化、
大量保有報告書制度の見直し、
インサイダー取引・時間外取引など不公正な取引に対する罰則を強化、
上場企業の四半期業績の開示の義務づけなどが定められた。また金融商品取引法の中で、
上場企業に対し、内部統制の整備や内部統制報告書の提出を義務付けており、
日本版SOX法の核となる法律としても注目されている。
ライブドアの時間外取引を使った手法や、村上ファンドの5%ルールを悪用した
仕手筋的な手法が問題視され、株売買に関する法改正の必要性が求められていた為に、
規制や罰則の強化が盛り込まれた「金融商品取引法」が制定されることになった。
参 :
金融商品取引法(法律)
クラウン・ジュエル(Crown Jewel) : 直訳は「王冠についている宝石」で、「たいへんな価値のあるもの」、
「垂涎
(すいぜん)の的となるもの」という意味である。
M&A(企業の合併と買収)の際に
買収される企業の重要な部門や資産などを売却して企業価値を大幅に下げる買収に
対抗する手法の一つで、M&Aにおいて、買収する会社における資産価値、収益力、
事業力などが、もっとも魅力的な部門をさす。そうした魅力的な部門があるから、
株を買い集めることによって、その会社の経営権を握るだけの価値があるということになる。
アメリカなどではこうした「クラウン・ジュエル」目的のM&A対策としては、買収がかけられると同時に
クラウン・ジュエル部門を売却したり、分社化して買収会社の支配が及ばないようにしたりする。
こうした買収防御策を「スコーチド・アース・ディフェンス」(
焦土作戦や焦土戦術)とよんでいる。
参 :
ホワイト・ナイト、
貸株
減資(capital reduction)げんし : 「資本減少
(しほんげんしょう)」の略称で、2006年5月施行の会社法に
おいては、「資本金の額の減少」(資本金額の減少)と規定されている(会社法第447条)。
企業(株式会社または有限会社)の登記事項である資本金の額を減ずること。
会社は株主から集めたお金を「資本金」として持っている。でも、経営が悪化して損失が累積した会社では、
資本金を取り崩して、この損失を穴埋めせざるを得ない場合がある。これを減資といい、
株主総会で3分の2以上の賛成が必要である。実際には発行済みの株式数を減少させたり、
株式の額面金額を引き下げることで、会社の資本金を減らすことを指す。
減資には、名目的減資(計算上の減資)と実質的減資(実質上の減資)の2つの種類がある。
「名目的減資」とは、業績不振で大きな赤字を抱えている企業が実際の資産に合わせて資本金を減らすこと。
資産そのものが減るわけでないので名目的というわけである。
株主は出資の見返りに株券を持ち、配当を受け取ったり、株主総会などで経営方針に注文をつけたりできる。
「100%減資」となると、株式は無価値になる。株式上場も廃止され、一切の権限は消滅することになる。
減資した分は企業が欠損の穴埋めに使い、株主には返ってこないので「無償減資」ともいう。
他方、「実質的減資」とは、資本金の減少と同時に資産も減らすこと。
過大資本を切り離し、減らした資本金は株主に還元される「有償減資」になる。
物的会社の場合、資本金は会社の財政的信用を表す一つの指標と言えるものであり、
みだりにこれを減少すべきではないが(資本不変の原則)、実際上必要がある場合に、
法はきわめて厳重な手続のもとで許容している。より具体的に述べると、減資を行うと、
会社の資産規模が縮小し会社の事業基礎に変更を生じさせるために株主に少なからぬ影響を与え、
かつ、会社の責任財産の確保の基準の数字を減少させるために債権者に少なからぬ影響を与える。
よって、株式会社において減資を実施するには、
株主を保護するため、株主総会の特別決議を経る必要がある。
また、債権者を保護するため、一定期間、債権者からの異議申し立てを待たなければならない。
なお、商法の一連の改正により、額面株式が廃止されたことや一株あたりの純資産額制限が無くなり
資本と株数の関係は無くなったことから、減資にあたって株式を消却する必要や券面額の変更は不要である。
※有限会社は出資一口の金額×出資口数が資本の額となるので、
減資にあたっては出資口数の減少または出資一口あたりの金額の減少手続が必要となる。
日航の減資の想定
日航には約38万人も個人株主がいる。飛行機が割引で利用できる株主優待を目的に
株式を持ってきた人も多い。利用者をつなぎとめるため、100%減資は避けるべきだとの声もあったが、
日航は2010年1月19日にも会社更生法の適用を申請する予定で、これまで更生法を申請した
企業の大半は100%減資であり、日航も100%減資になる可能性が強まっている。
日航は官民が出資したファンドの企業再生支援機構のもと、再建を目指す。
再建がうまくいかないと、国民の税金が使われる恐れもある。金融機関は借金の棒引きを求められ、
退職者も企業年金を減らされ、従業員は人員削減の対象になるかもしれない。
機構は発行済みの株主優待券は今後も使えるようにするなどの配慮はする方針だが、
「会社は株主のもの」という建前からいえば、株主の責任も避けられないだろう。
後配株(こうはいかぶ) : 「劣後株」や「劣後配」とも言い、利益の分配(配当)や残余財産の
分配への参加順位が、普通株より劣位にある株式のこと。商法に定める株式の一種で、
利益あるいは利息の配当、残余財産の分配について、普通の株式より劣位にある株式を指す。
会社が後配株を発行するには、後配株の発行、その内容、株数を定款に定めなければならない。
後配株が発行されるケースとしては、@会社が設備拡充を目的に新株を発行する際、
旧株の配当を低下させないために、設備が稼動するまでの期間、新株を後配株とする
A政府出資の特殊会社において、民間所有の株式に対する配当が一定の率に達するまで、
政府の持ち株を後配株とする、などがあるが、実際の発行例は非常に少ない。
1929(昭和4)年の地方鉄道法により、地方鉄道会社が路線延長のための資金調達に限って
その発行が認められ、1938(昭和13)年の商法改正では、一般の会社も発行できるようになった。
反対語は「
優先株」である。
三角合併 =
三角合併(別掲)
自己資本比率 =
自己資本比率(自己に別掲)
自社株購入(Stok Option)じしゃかぶこうにゅう : @「自社株買い」とも言い、
過去に発行し、株式市場に出回っている自社の株式を、時価でお金を払って市場から
買い戻す取引を言う。自社の既存株主に対して一定の金額(通常は株式の時価)を払って株式を
買い戻すことから、株主には株式と交換に株主から預かっている資金を返還することになる。
株式数が減るため、1株あたりの利益や株価上昇につながりやすい。
増配などと並ぶ株主への利益還元策とされる。現金など会社の資本を減少させるデメリットもあるため、
債権者保護の観点から一部のケースを除いて原則、禁じられていたが、
2001(平成13)年10月に全面的に解禁された。
自社株購入は、企業合併・買収などに利用できるメリットがあり、
経済界からの要望に応える形で、自由化された。
11年度上期の自社株買い
実施企業の取得金額ランキング
順位 |
会社名 |
取得金額
(億円) |
1 |
NTT |
2234 |
2 |
キャノン |
999 |
3 |
東京ガス |
339 |
4 |
ヤマトHD |
241 |
5 |
中国銀行 |
226 |
6 |
味の素 |
199 |
7 |
静岡銀行 |
145 |
8 |
ソフトバンク |
107 |
9 |
クボタ |
99 |
10 |
セガサミーHD |
82 |
アイ・エヌ情報センター調べ。
HDはホールディングスの略 |
自社株買い8割増(2011.10.17、毎日新聞より抜粋)
東証1部上場企業による2011年度上期(4〜9月)の自社株取得額が6783億円に上り、
前年同期比8割の急増となったことが分かった。背景には、世界的な株安が続くなか、
企業は自社株買いで株価を支えたい思惑があり、取得企業の数も約1割増の349社となった。
A自社株購入権。企業が従業員に向けて用意する自社株購入制度(社員持株制度)のこと。
自分が働く企業の株を一定期間内に、あらかじめ決められた価格で購入できる権利のこと。
従業員が給与天引きの形で、少額を積み立てて自社株を購入していく。
安定株主確保、従業員のモチベーション向上を目的として設定される。企業業績連動型報酬の一つ。
実質共同保有者(じっしつきょうどうほゆうしゃ) : 上場企業の株の5%超を取得した株主は、
国に大量保有報告書を出す必要がある。その際、「共同で株券等を取得し、譲渡し、
又は議決権の行使等を行うことを合意している者」がいれば、「
実質共同保有者」として
合算した上で報告することが義務付けられている。違反すると大量保有報告書の虚偽記載や
不提出として5年以下の懲役刑や500万円以下の罰金がある。定義は下記の通り。
共同保有者の定義
@
実質共同保有者(証券取引法第27条の23第5項) : 共同して株券等を取得し、譲渡し、
又は議決権その他の権利の行使等を行うことを合意している者。ただし、共同保有の合意をしただけで、
当該合意に係る株券等を全く保有していない者は共同保有者には該当しない。
(書面での合意の有無等、合意の形態の如何にかかわらない)
A
みなし共同保有者(証券取引法第27条の23第6項、施行令第14条の7)
@の合意がない場合でも、下記の関係にある場合においては、共同保有者とみなす。
ただし、内国法人の発行する株券等については、単体株券等保有割合が千分の一となる
株券等の数以下である場合等には、みなし共同保有者から除外される。(府令第6条)
ア.会社の総株主又は総社員の議決権の50%超を所有している者
(以下「支配株主等」という)と当該会社(以下「被支配会社」という)
イ.支配株主等を同じくする被支配会社同士の関係
ウ.支配株主等及び被支配会社同士合わせて、又は被支配会社単独で50%超の資本関係を
有している会社(この会社も被支配会社とみなされ、
アから
ウは反復適用される)と支配株主等
エ.夫婦の関係
オ.夫婦で合わせて50%超の資本関係を有している場合には、
当該夫婦を支配株主等とみなして、上記
アから
ウを適用する。
カ.財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条第3項に
規定する子会社(組合に限る)と同項に規定する親会社の関係とする。
なお、みなし共同保有者については、以下の場合は除外される。
内国法人の発行する株券等については、単体株券等保有割合が1000分の1となる
株券等の数(金融商品取引法第27条の23第6項に規定する特別の関係にある
他の保有者の単体株券等保有割合のうち当該保有者の単体株券等保有割合以下であるものを
合計した割合が1000分の9を超える場合にあっては、100分の1から当該合計した割合を
控除して得た割合に相当する株券等の数)、また、外国の者の発行する株券等については、
発行済株式又は発行済投資口の総数の100分の1に相当する数。
(金融商品取引法第27条の23、金融商品取引法施行令第14条の7、
株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第5条の3、同府令第6条)
失念株(しつねんかぶ) : 売買や譲渡の際に株主が名義書き換えをしなかったため、
株の実際の所有者と名義人が異なり、新株や配当などを受けられなくなった株式。
書き換えをうっかり忘れる、との意味でこの名が付いた。
配当や株主総会への出席といった株主の権利を行使するには名義書き換えを行い、
株主名簿に記載される必要がある。だが、放送会社は議決権総数の20%以上の株式を
外国人に所有された場合、電波法で放送免許が取り消されることから、
会社側が株主名簿への記載を拒否でき、失念株ができやすい。
この場合、株券の預かり業務をしている「証券保管振替機構」の名義となり、議決権は発生しない。
機構には配当金を受け取る権利がなく、企業が未払い配当金などして処理する。
社会的責任投資(しゃかいてきせきにんとうし) =
社会的責任投資(社会へ別掲)
証券取引所(stock exchange、securities exchange)しょうけんとりひきじょ
主に株式や債券の売買取引を行うための施設であり、資本主義経済における中心的な役割を
果たしている。経済の発展に欠かせない資金調達と資本運用の双方が効率的に
行われるようにするため、株式および債券の需給を取引所に集中させ、
流動性の向上と安定した価格形成を図ることがその主な役割である。
証券市場は発行市場と流通市場とに区分されるが、証券取引所は典型的な流通市場である。
日本国内では元来は金融商品取引法(旧証券取引法)で認められた特別法人であったが、
株式会社への移行が進んでいる。 なお、証券取引法の金融商品取引法への改正に伴い、
日本では法律上「金融商品取引所」と規定されているが、
名称又は商号に「取引所」という文字を用いなければならないとされるにとどまるため、
各証券取引所においては、従来どおりの名称が現在も利用されている。
株式および債券の購入や売却について、一般の投資家(個人投資家、取引所会員証券会社以外の
機関投資家)が証券取引所で直接取引を行うことはできず、会員である証券会社を通じて
取引を行う(委託売買)か、直接当事者間で取引を行う相対売買で取引することになる。
日本での3証券取引所と言えば、東京、大阪、名古屋である。3つとも、一部と二部にわかれ、
公社債、新株予約券、新株予約券付社債を扱っており、先物やオプションの取引も行われている。
それ以外の札幌、福岡は地方証券取引所と言われている。
東京証券取引所(とうきょうしょうけんとりひきじょ) : 略称は「東証
(とうしょう)」。
現在、株式会社として、持株会社「株式会社東京証券取引所グループ」の傘下にある。
東京都中央区日本橋兜町に所在する日本の証券取引所で、
株式市場として上場基準の異なる市場第一部及び市場第二部並びに
新興企業向けのマザーズがあり、この外に公社債市場が開かれている。
所在地の東京・兜町には証券会社が多く集まっている。
1878年5月に東京株式取引所として設立され、1943年に、
全国11箇所(東京・大阪・横浜・名古屋・京都・神戸・博多・広島・長崎・新潟・長岡)の
取引所が統合され日本証券取引所となるが、長崎市への原子爆弾投下により休会。
1949年に証券取引法に基づき、東京証券取引所として設立。
日本の株式取引の9割以上が集まり、年間の売買代金は300兆円を超える。
株式を上場する企業数は2290社(第1部、第2部、マザーズの合計)。
上場企業の株式時価総額は約329兆円でアジア最大を誇り、日本を代表する証券取引所として、
大阪証券取引所及び名古屋証券取引所と共に「三市場」と呼ばれている。
また世界的にもニューヨーク、ロンドンと並んで「世界三大証券取引所」に挙げられ、
世界経済の中枢ともいえる。また世界の証券所の規模でも、
NYSEユーロネクスト、ナスダックOMXに続いて3位となっている。
長らく証券会社を会員とする法人(証券会員制法人)であったが、2001年11月に株式会社化。
2006年7月には持株会社制への移行を発表、2007年7月、金融庁が持株会社設立を認可し、
同年8月に持株会社が設立される予定である。
大阪証券取引所(おおさかしょうけんとりひきじょ) : 略称は「大証
(だいしょう)」。
大阪府大阪市中央区北浜にある日本の証券取引所である。株式市場として、上場基準の異なる
市場第一部・市場第二部・新興企業向けのヘラクレス・日経平均株価(日経225)先物市場などがある。
大阪証券取引所自身が株式をニッポン・ニュー・マーケットヘラクレスに
上場している(証券コード:8697)。江戸時代の大坂の米穀取引所を源流として、
1878年、大阪株式取引所が設立。1943年、日本証券取引所大阪支所となったのち、
1949年4月1日に証券会員制法人・大阪証券取引所として設立され、
1980年代にいち早く
先物取引を始めた。 2001年3月、京都証券取引所(京証)を
合併し、2001年4月に株式会社に組織変更し、株式会社大阪証券取引所が設立される。
大証は指数先物・オプション市場において重要な地位にあるが、これは世界で最初の商品先物取引、
すなわち堂島米会所で行われた帳簿上の差金の授受によって決済を行う「帳合米取引」に由来する。
2004年4月には国内の取引所で唯一、自らの株式を上場した。
現在では、日経225先物等、大証の株価指数先物の日本における取引シェアは約60%を占め、
同オプション取引においてはほぼ100%を占めている。
株券オプションにおいても、約85%のシェアを誇っている。上場投資信託(ETF)の上場にも意欲的で、
日本で始めて株式以外の商品を対象にした金ETFを、2007年8月10日に上場した。
上場企業数は1741社(第1部、第2部、マザーズの合計)。株式取引は国内の4%前後だが、
デリバティブ取引高は東証の約7倍で世界15位。所在地は大阪・北浜。
名古屋証券取引所(なごやしょうけんとりひきじょ) : 略称は名証
(めいしょう)。
愛知県名古屋市中区栄3丁目3番17号にある証券取引所である。
現在株式会社となっており、通称の「伊勢町」は所在地の面する通りに由来する。
東京証券取引所(東証)、大阪証券取引所(大証)とともに、日本の三大市場とも呼ばれる。
1886年、名古屋株式取引所として設立。1943年、全国8証券取引所と合併し
株式会社日本証券取引所(日証)を設立、名古屋支所となる。1947年4月、日証解散。
1949年4月 証券取引法による「証券会員制法人名古屋証券取引所」設立。
株式市場として、上場基準の異なる1部・2部市場、1999年に開設された新興企業向けの市場である
セントレックスがあり、株式以外にも、公社債市場、外国債市場、新株予約権付社債券(転換社債)・
新株引受権付社債券(ワラント債)市場、新株予約権証券市場が開かれている。
東京証券取引所への一極集中の影響を受け、三大取引所の中では最もシェアが少なく、
売買高におけるシェアは0.16%(平成16年度統計)である。
札幌証券取引所(さっぽろしょうけんとりひきじょ) : 1949年に設立された。
東京証券取引所(東証)、大阪証券取引所(大証)、名古屋証券取引所(名証)の3取引所が
株式会社化する中で、現在でも証券会員制法人である。北海道の地場産業、企業を中心に
上場されており、平成16年度統計では売買代金ベースでシェアは0.0008%である。
ベンチャー企業向けの新興企業市場である「アンビシャス」を2000年4月に開設している。
福岡証券取引所(ふくおかしょうけんとりひきじょ) : 1949年に設立された。
東京証券取引所(東証)、大阪証券取引所(大証)、名古屋証券取引所(名証)の
三大証券取引所が株式会社化している中、福岡証券取引所は現在も証券会員制法人である。
2000年5月に新興企業向け市場として「Q−Board」を開設した。九州で唯一の証券取引所である。
地元九州の企業の上場が中心であるが、取引の電子化に伴い、東京証券取引所や
大阪証券取引所に上場する企業が増加し、それら企業の上場廃止がみられている。
その一方で、会員証券会社は増加しており、
九州に本社を持つ新興企業によるQ−Boardへ上場する新規公開株の取引が盛んである。
ジャスダック証券取引所 : 以前は店頭市場と呼ばれていた、証券会社同士の取引で売買されていた
株式市場が2004年に免許を受け、正式に証券取引所として開設にいたった。
店頭市場、すなわち証券会社同士のオンライン取引のシステムのことをJASDAQと
呼んでいたことから、この名称になった。ジャスダックは基本的には新興企業の上場を扱っている。
歴史的には、1963年に、日本証券業協会により店頭登録制度(店頭市場)を設立したことに始まり、
1976年に日本証券業協会と証券会社の共同出資により日本店頭証券株式会社となった。
1991年に株式取引システム「JASDAQ」が稼働開始。
2004年に免許の交付を受け「株式会社ジャスダック証券取引所」が成立。2007年8月、
最先端テクノロジー企業のための新しい市場「NEO」が開設され今後の動きが注目される。
証券取引等監視委員会(Securities and Exchange Surveillance Commission:SESC)
しょうけんとりひきとうかんしいいんかい : 証券取引や金融先物取引等の公正を確保する目的で、
1992(平成4)年に設置された委員会で、株式の売り買いで不正な取引がないかどうか監視したり、
調べたりする国の機関である。委員長と2人の委員は衆参両院の同意を得て、首相に任命される。
委員会のもとに事務局が置かれており、職員は400人強。
当初は、大蔵省(現在の財務省)の下に、いわゆる独立行政委員会として設置されたが、
現在は内閣府設置法に基づいて金融庁に置かれた独立の監視機関である。
証券会社などの検査や日々の市場監視、一般からの情報提供に基づいて
インサイダー取引、
相場操縦、
損失補填、
有価証券報告書の虚偽記載などを調査しており、
問題があれば金融庁に行政処分するよう勧告する。
必要に応じて裁判所の許可を得て強制捜査もでき、告発も行い、
これまでに検察庁などに告発した事件は74に上る。
だが、ライブドアの社長だった堀江貴文容疑者が東京地検に逮捕された事件では、
企業買収についてライブドアグループがうその情報を公表していたことを監視委員会が
もっと早く見抜けなかったのか、という声が政府の中で上がっている。
参 : 証券取引等監視委員会の
ホームページ
証券取引法(しょうけんとりひきほう)
投資家保護の観点に立ち、多くの発行体や投資家が自由に参加できるために、
株や債券などの有価証券の適正な発行・流通を目的として制定されている
法律のこと。
主に、発行体の
ディスクロージャーに関する規制、証券会社の営業活動に関する規制、
相場操縦や
インサイダー取引、
有価証券報告書の虚偽記載などの
不公正取引の規制などから成り立っている。2007年7月より「
金融商品取引法」に統合された。
証券保管振替機構(しょうけんほかんふりかえきこう) : 「ほふり」の通称が多く用いられる。
株券を集中的に保管し、株式の売買に伴う受渡しや名義書換などの手続きを簡素化する、
日本で唯一の保管振替機関である。「ほふり」を使うと、株主の名義は「ほふり」になるが、
株を買った人は「実質株主」として登録されるので、
手続きなしで配当受取や株式分割などの株主権利を行使することができる。
上場(list on the stock exchange)じょうじょう : @上げ場
(あげば)。きちんとした会社だと認められ、
証券取引所または商品取引所において、株式や物件が売買取引できるようになること。
「上場会社」とは、株式が証券取引所で売買されている会社のこと。
「上場株」とは、取引所で売買の対象とされている株で、「建て株」ともいう。
A上演。
上場廃止(じょうじょうはいし) : 投資家保護などのため、証券取引所が定める株式上場廃止基準に
基づいて、ルール破りや問題を起こした会社の株式公開取引を終了して「退場処分」にすること。
上場している企業が、自ら廃止を希望して上場廃止となる場合もある。
上場廃止になると、市場取引はできなくなるが、相対での取引はその後も可能である。
上場会社が倒産した場合などや、時価総額や取引量など取引所ごとにいくつかの基準が設けられている。
上場廃止は、大きく以下のようなケースに分けられる。
●発行会社が会社更生法適用を申請、または一定期間債務超過に陥った場合。
●上場株券の絶対流通量が不足し公正な価格形成が困難になったとき。
●発行会社が合併などのために株式交換を行う場合。
また、証券アナリストの来生 悠氏は、上場を廃止する理由に@会社再建、Aグループ再編、
B長期的視野の経営および投資、C不祥事によるペナルティ、の4つに大別されている。
債務超過は、例外による猶予期間もあるがほとんどのケースでは直近2年間、
上場株券の流通量不足については、市場ごとに上場株式単位数、
少数特定者持株比率、株主数、売買高などの基準が設けられている。
上場廃止が決定すると、JASDAQ上場銘柄の場合はJASDAQ管理銘柄、それ以外では
「
監理ポスト」から「
整理ポスト」に移され、原則1カ月間は取引所で売買ができたあと、上場廃止となる。
上場廃止決定により株価が急落することが多いため、上場廃止の発表後から最初の値段がつくまで
値幅制限が撤廃されることも多くある。合併を理由とした場合は、株式交換実施日に以前の銘柄の
上場が廃止されるが、一般に、交換後の新しい株式が交換実施日に新規上場されるため、
取引は引き続き行うことができる。
上場廃止になると、売買が極めて難しくなるため、株価は大きく下落するケースが大半となる。
東証の主な上場廃止基準
株主数 |
400人未満 |
売買高 |
最近1年間の月平均売買高が10単位未満又は3カ月間売買不成立 |
債務超過 |
債務超過の状態となった場合において、
1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき |
時価総額 |
時価総額10億円未満(猶予期間9カ月) |
連結財務諸表等の
虚偽記載等 |
「虚偽記載」を行った場合で、
その影響が重大であると取引所が認めたとき |
その他 |
破産・再生手続・更生手続又は整理、営業活動の停止、その他 |
東京証券取引所第1部を上場廃止になった例として、
2004年12月の西武鉄道株(株式の大量保有およびその比率に関する
有価証券報告書への重大な虚偽記載を行ったことによる)などがある。
同じく、同取引所第2部市場を上場廃止になった例は、駿河屋株、丸石ホールディングス株
(ともに架空増資を行ったことによる)などがある。また新興企業を対象とした東証マザーズ市場の
上場廃止例としてライブドアとライブドアマーケティングの例(有価証券報告書の虚偽記載)がある。
ライブドア株は2006年4月13日に最後の取引が行われ、最終株価は94円と、
事件発覚前の約7分の1まで急落した。時価総額もピーク時の約10分の1まで縮小し、
上場廃止は14日付であった。最近、上場廃止になった企業は、
2007年2月のアイ・エックス・アイの粉飾決算による民事再生手続きによるものがある。
焦土作戦(しょうどさくせん) : 侵入してきた敵に武器や食料を残さないように焼き尽くす軍事作戦から
転用したもので、これを
M&A用語では「
クラウン・ジュエル」と呼び、王冠を買収対象企業になぞらえ、
王冠の宝石を外すことで王冠の価値を減じることを狙うことである。
2005年2月に表面化したライブドアのニッポン放送株買収は、ニッポン放送がフジテレビの株の
22.5%を所有しており、ニッポン放送の経営権を握れば、フジテレビの経営権を握ることにも
なるのが、「クラウン・ジュエル」にあたるとみられている。 参 :
ホワイト・ナイト
新株引受(しんかぶひきうけ) : 売り手の会社が新株を発行(第三者割り当て増資)し、
それを買い手の会社が引き受けて大株主になることで、経営権を取得する。
新株予約権(しんかぶよやくけん)
平成14(2002)年4月1日施行の商法改正で導入された新しい制度で、
株式を特定の価格で購入できる権利、
転換社債、新株引受権、
ストック・オプションの総称をいい、
権利の保有者が会社に対し権利行使することにより、会社から予め定められた条件で
新株あるいは会社の有する自己株式を取得することのできる権利(会社法第2条第21号、
会社法第236条)のことで、従来の「新株引受権」の制限を緩和してできた新しい用語である。
新株引受権は、二つの意味で使われていて、ひとつは、会社が新株を発行するときに、
株主に対して当然にその新株を引き受ける権利があるという意味で使う新株引受権、
もうひとつは、オプションとして将来にあらかじめ決められた行使価額により新株の発行を約束した、
将来において新株を引き受けることができるという意味で使う新株引受権のことをいう。
後者は、俗にワラントと言われている。商法の改正により、このワラントの意味での新株引受権を
新株予約権と呼ぶことになった。新株予約権の所有者は、新株予約権を行使して、
会社に新株を発行させる、または自己保有株式を移転させることができる。
また、新株予約権では、付与対象者、付与株式数、権利行使期間に関する制限をなくし、
株主総会における決議事項などの規制が緩和された。 参 :
ポイズンピル
新興株式市場(しんこうかぶしきしじょう) : 規模の小さいベンチャー企業や中小企業を育成するために
特化した
株式市場を指し、代表的なものとしては
ジャスダック証券取引所(東京)、
東証
マザーズ(東京証券取引所)、大証
ヘラクレス(大阪証券取引所)が挙げられ、
「新興3市場」などと呼ばれる場合が多い。その他にも、
セントレックス(名古屋証券取引所)、
アンビシャス(札幌証券取引所)、
Q−Board(キュウボード:福岡証券取引所)などがあり、
地方の証券取引所において上場基準を緩和することで、地域経済の発展に貢献すると思われる
ベンチャー企業や中小企業に対し資金調達手段を提供している。
東証の1部や2部のように、投資家が安心して売買できる株式市場は、設立年数や資本金、
収益性などを厳しくチェックしているが、これらより緩い基準で入れるように各証券取引所が
競って作ったのが新興株式市場である。
マザーズの代表企業だったライブドアが粉飾事件で市場から追放されたように、
大きな不祥事があれば、市場ごと投資家から見放されてしまう。
ライブドアがいなくなったマザーズは取引が減ったそうである。
ストックオプション(stock option) :
新株予約権方式による新株発行の特例制度で、
簡単に言うと「会社の株式を割安な値段で購入できる権利」のことである。
会社(企業)の役員(取締役など)や従業員が、将来の一定期間内に、
あらかじめ決められた権利行使価格(ストライクプライス)で、
所属する会社から自社株式を購入できる権利をいい、会社は、この権利の付与を無償で行う。
会社の業績が伸びるなどして株価が上がった時に権利を使い、
市場で売却すれば、大きな利益を得られるという一種の報酬制度である。
株価が下がった場合には株式を購入しないので、損はない。
報酬額が企業の業績向上による株価の上昇と直接連動することから、
権利を付与された取締役や従業員の株価に対する意識は高まり、業績向上への
インセンティブとなる。
また、結果として、業績向上が株価上昇につながれば株主にも利益をもたらす制度とも言え、
この利益を報酬として捉えると、資金が不足しがちな非上場の新興企業(ベンチャー企業)などが
優秀な人材を確保することにも役立つ。これら非上場の企業は株の市場価格がないため、
多くの場合は費用計上を不要とする。ただし、
情報開示は義務づける。
ストックオプション制度は、1997(平成9)年5月の商法改正により、
6月1日より「自己株式方式」が、同じく10月1日より「新株予約権(ワラント)方式」が全面解禁され、
外資系企業の子会社日本法人等を中心に、親会社の株式を対象としての導入が相次いだ。
2002(平成14)年4月施行の改正商法において「新株予約権の無償発行」として新たに整備された。
権利行使で時価より安値で株を購入した段階では差額が給与所得として、
さらに株を売った時は購入時との差額が譲渡所得として、それぞれ課税される。
整理ポスト(せいりぽすと) : 株式の
上場廃止が決まった場合、株主や取引先との関係を考慮して
すぐに上場廃止とはならないで一定期間(原則3カ月)売買を継続するが、
その売買が行われる特別のポスト(立会場所)のこと。
監理ポストから通常のポストに戻るのは、上場基準に該当する恐れがなくなったときで、
上場基準に該当することになると、「整理ポスト」に移される。
上場廃止になると取引所で売買ができなくなることから、換金しにくくなるため、
投資家に換金の機会を提供するために設置されているのが、「整理ポスト」であり、
通常、整理ポストに割り当てられた株は、大きく値を下げる。
相場操縦(そうばそうじゅう) : 不正な手段を用いて、証券・商品取引所の相場を人為的に操作すること。
上場、又は店頭売買有価証券について、その売買取引等を誘引することを目的として、
以下の行為を行うこと。
@相場を変動させるべき一連の売買すること等。
A自己又は他人の操作により相場が変動する旨を流布すること。
B売買を行うにつき、重要な事項について虚偽又は誤解を生じさせるべき表示を故意にすること。
証券取引法・商品取引所法違反での罰則
証券取引法第159条2項及び4項で禁止されており、罰則(証券取引法197条)がある。
また損害を賠償する責任もある。(証券取引法160条)
参 :
不公正取引、
風説の流布、
証券取引等監視委員会、
課徴金制度
損失補填(そんしつほてん) : 株式・債券など有価証券の売買で生じた投資家の損失を、
事前に損失埋め合わせの契約もしくは約束はないが、証券会社が事後に穴埋め(補填)すること。
とくに大口投資家である法人に対する1件約100億円もの損失補填が明るみに出て問題化したため、
1992(平成4)年に
証券取引法が改正され、その禁止が明文化された。
参 :
証券取引等監視委員会
タンス株 : 自宅や貸金庫など個人で保管している、株券本券(ジャスダック銘柄を含む上場株式、
上場新株予約権付き社債等)を指す。タンス株の対象は、特定口座制度において特定口座に
受入れ可能な上場株式等と同じなので、タンス株を特定口座に入れることで、
取得価額や損益の計算を証券会社がお客に代わって計算するので、
わずらわしい確定申告の手続きが不要となる。証券会社に保護預りしている上場株式等や、
平成13年10月1日の市場価格の終値の80%相当額で特定口座に入れられている
上場株式等についても、一旦、引き出すとタンス株に該当することとなる。
紛失や偽造・盗難の危険性を減らし、株券の管理や取引の迅速化を図る狙いで、
株券は2009年1月より電子化される。
フランスなどですでに完全電子化されているほか、日本でも国債などは電子化されている。
タンス株が、2007年2月末現在で約755億株に上ることが4月9日、
日本証券業協会のまとめで分かった。上場会社が発行した全株式の20.7%に当たる。
2006年3月末より約100億株減少したが、日証協は上場企業の株主総会で
パンフレットを配るなどし、証券会社で電子化の手続きをするようPRする。
タンス株は2006年3月末の調査では858億株で、約1年間で12.0%減少した。
しかし、2007年末でのタンス株がまだ全国で約140億株残っていることが判明した。
国内で発行された全上場企業の株式の約4%を占め、現在の時価総額から換算すると20兆円分になる。
(注)2009年1月に上場会社の株券の電子化(ペーパレス化)が実施され、
個人や会社が株券を保有したまましまい込み、「タンス株」として放置しておくと無効になる。
株券が全面的に電子化されると、タンス株は発行企業が開く特別口座で管理され、
配当を受けるなど株主としての権利は守られる予定で、
本人名義なら電子化後も株主でいられるが、
相続などで受け取った株の名義を書き換えていないと、自分の権利を失う恐れがある。
つつみ足 :
はらみ足とは逆に、高値が切り上がり、安値が切り下がるという値動きが大きくなるパターン。
これもはらみ足と同様だが、大きく動くまで少々時間がかかることがある。
転換社債(convertible bond)ていかんしゃさい : 一定期間内に一定の条件で発行会社の株式に
転換できる権利(転換権)が付いた社債のこと。商法改正により、
この転換権が
新株予約権に改められた。社債の発行価額と新株予約権の行使価額は、同額となる。
権利を行使すると、社債が償還されて、新株予約権の行使価額の払込みに充てられる。
特設注意市場(とくせつちゅういしじょう) : 上場企業を監視する部門を自主規制法人として
2007年11月1日から独立させるのに伴い、問題のある企業を通常の市場から隔離して
投資家に注意喚起するために設けられた制度のこと。
「
有価証券報告書などへの虚偽記載」や「財務諸表などにおける不適正意見」、
その他上場契約などの違反や公益・投資家保護の観点から「重大性はないが改善の必要はある」と
判断した企業に対しては、東証の判断でその企業を「特設注意市場」に移行できるとしている。
この「特設注意市場」に割り当てられると、1年経過ごとに内部管理体制確認書の提出が義務付けられ、
その内容に問題がなければ注意市場の指定は解除され一部・二部・マザーズに戻れる。が、
3回(3年)経過しても問題解決が見られない場合には上場廃止が決定されることになる。
いわば、最長3年の「リハビリ制度」である。審査は透明性を確保するため、
これも11月に設置された自主規制法人が行う。ポイントになるのは「重大性の判断」である。
株式の売買そのものは通常の銘柄と同様にできる。
東証はこの制度について、「上場審査をして廃止にあたらないと判断されれば、
これまでは監理ポストの印がはずれるだけでした。特設注意市場というのは新たに、
別の印が付くと考えてください」と説明した。
IHI初の特設注意市場に
東京証券取引所は2008年2月8日、上場廃止の可能性を周知させる
監理ポストに指定していた造船重機大手のIHI(旧石川島播磨重工業)と
三洋電機の2銘柄について、2月9日付で指定を解除すると発表した。
IHIは、2007年11月に新設された特設注意市場銘柄に指定し、内部管理体制の改善を求める。
三洋電機は「改善報告書」の提出と、「注意勧告」にとどめ、東証1部市場に戻る。
東証の自主規制法人の水沼久雄・上場管理部長が会見し、今回の解除について、
「提出資料の審査とヒアリングの結果、有価証券報告書の虚偽記載の影響が重大でないと
判断した」と説明した。ただ、三洋のケースが「会計上のルールの解釈の問題」だったのに対し、
IHIは、「エネルギー・プラント事業の問題を適切に把握する機能がなく、
本社体制も万全でなかった」とし、1部市場に戻さずに特設注意市場銘柄に指定した。
匿名組合(Silent Partnership)とくめいくみあい : 匿名組合契約。投資事業組合の一種。
当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために出資をして、相手方が
その営業から得られる利益又は損失を匿名組合員に分配することを約束する特別の契約形態をいう。
つまり、営業者が匿名組合員から集めた財産を運用して利益をあげ、これを分配(配当を受け取る)
するのが匿名組合契約である。商法第535条に規定されている出資組織で、
実務上はTKとも呼ばれる。出資者側の名前がが外部に現れないところからついた名称で、
秘密性の高い資産運用ができる利点がある。
商法上、匿名組合契約は、匿名組合出資を行う匿名組合員と営業を行う営業者との間で
個別に締結される。匿名組合員により拠出された出資金は営業を行う営業者に帰属(預かり金)し、
営業者は自己の権限と裁量に基づいて営業を行い、匿名組合員には業務を執行する権限がない。
また、営業者だけが営業の主体として第三者に対して直接の権利義務を保有する。
営業者の営業に際しては、誰が匿名組合員であるかはまったくわからないため、「匿名」と呼ばれ、
出資者側にとっては、名前が表に出ないため秘密性の高い資金運用ができる利点がある。
匿名組合員は、営業者に対し、匿名組合出資金の返還及び利益がある場合にはその支払を
請求する権利を有すが、営業の結果、損失が発生し、匿名組合出資金が減少している場合には、
その残額のみしか返還されず、最悪の場合には、匿名組合出資金の返還額はゼロとなることもある。
つまり、匿名組合員の匿名組合出資金の返還が保証されているものではなく、
匿名組合員は損失を蒙る可能性もある。匿名組合員の損失額が出資額を超えた場合、
匿名組合員が出資額を超えて損失の負担を分担する義務はない。
計487億円を集めたまま破綻
(はたん)し、2007年に元社長らが逮捕された「平成電電」の
投資詐欺事件でも、出資金の受け皿として匿名組合方式が使われた。
参 :
匿名組合.com(HP)
未公開株上場を名目に100億円集金、出資者が告訴へ(2009.2.12、朝日新聞より)
大阪市の経営コンサルタント会社が「上場予定の未公開株を売る」などと
説明し、2004年ごろからの3年間に百数十億円を集めていたことが
朝日新聞の調べでわかった。資金を出した人は1万人以上とみられる。
実勢価格の数倍〜百数十倍の金額を提示し現金を集めていたが、
実際に上場を果たした投資対象企業はなく、
トラブルが拡大する可能性がある。
この会社は「人間と産業開発研究所」(H&M研究所、倉原忠夫所長)。
「上場すると言っていた時期を過ぎた」と出資金の返還を求める訴訟が
全国で起きており、複数の出資者が
近く詐欺容疑などで大阪府警に刑事告訴する。
関係者によると、株の購入希望者はH&M研に会員登録する。
H&M研が買った額を大幅に上回る金額を匿名組合に支払い、
株の預かり証を受け取ったり、口頭で何株と説明を受けたりする。
上場で高値がつけば、株券に引き換えて売却益を得るという仕組みだ。
上場しなければ会員の手元には値上がりしないままの株が残る。
投資対象となったのは約20社で、銘柄ごとに会員数を限定した
匿名組合をつくっていた。H&M研が1株六百数十円で取得した株は
150倍の1口(10株)100万円で事実上販売されていた。
会員が新規の会員を勧誘すると紹介料を受け取るマルチ商法で
すそ野が広がった。出資させた金額に応じて準会員、正会員、特別会員、
支社長と昇格。支社は約20あり、
会員数は「1万5千人」や「2万人」と倉原所長が話していたという。
投資対象はソフトウエア開発会社や広告会社など設立間もない
ベンチャー企業が中心。上場した会社はなく、
2社が倒産・破産手続き中で、5社は業務実態がなかった。H&M研とは何の取引もなく、
投資を受けた事実のない会社もあった。
支社長の一人によると、会員からの出資額の約2割を支社長や新規会員を誘った会員で分配。
残りをH&M研に渡したが、その後どう使われたかは定かでない。かつては株を直接売買していたが、
2006年ごろ、匿名組合への出資契約にするようH&M研の指示があった。
支社長は「H&M研は証券業の登録をしていない。登録義務を規定した
証券取引法(現・金融商品取引法)違反に問われないよう今後は匿名組合を使うと聞いた」と話す。
H&M研のホームページや著書によると、倉原所長は経営学と心理学の博士。
製薬機器の商社を10年間経営し、1978年にH&M研を設立。
経営学やスーパーサイエンス(超科学)を米国で学んだ。
「ユダヤ人の成功法則」「華僑流大富豪の教え」などの著書がある。
H&M研は朝日新聞の取材に「販社(支社長)などが(上場を)断定的に勧誘したかもしれないが、
H&M研は把握していない。投資先企業は上場に向けて準備中と理解している。
すべての株発行会社の社長から株譲渡を前提に支援依頼を受けている」と回答した。
こんな不明瞭な匿名組合を商法で認めているからたびたびトラブルが発生するのだ。
脱税の温床にもなるし、直ちに廃止すべきだ。
H&M研は、2006年1月に大阪国税局の税務調査を受け、
2005年2月期までの3年間に約6億1700万円の申告漏れにより、
重加算税を含め約2億5000万円を追徴課税され、修正申告し、全額を納付しているのだ。
すでに2007(平成19)年11月、名古屋地裁に総額5億3000万の損害賠償を求める
集団訴訟を提起されているし、2008年4月には「H&M被害者の会」まで発足している。
H&M人間と産業開発研究所とは、独自に考案した「ワープ理論」(笑)を提唱する
倉原忠夫氏が率いる経営コンサルタント会社で、「金持ちになるには投資が必要」と説き、
毎月、東京・大阪・福岡・名古屋・仙台などで「スーパーリッチセミナー」と称する講演会を開催し、
未公開株の購入などを呼びかけていたが、
「上場、値上がりが確実」とされた未公開株はいずれも上場していないという。
飛ばし(とばし) =
飛ばしA(別掲)
はらみ足 : 定義はいろいろあるが、最も単純化して捉えると、高値が切り下がり、
安値が切り上がる形がはらみ足である。この形は、値動きがある価格に収束する動きであり、
この価格が一時的な落ち着きどころになっていると言える。そのため、はらみ足で値動きが落ち着き、
収束した価格で十分な取引が行われた後は、他の思惑により大きく相場が動くのが普通である。
ファンド =
ファンド(別掲)
風説の流布(ふうせつのるふ) : 株券の売買などの取引に関し、相場を変動させる目的で、
他人を錯誤させる手段を用いたり虚偽の情報等(風説)を流す行為をいう。
そうした情報等を信頼して投資判断を行った投資家に損害を被らせ、
また、市場の信頼性・健全性を阻害することから、証券取引法により禁止されている行為であり、
金融庁内に設置されている証券取引等監視委員会がそうした動きを監視している。
風説の流布の動きを知ったら、同委員会に通報することができる。違反者は懲役や罰金を科される。
口頭の手段だけでなく、
インターネットの
掲示板・
メールマガジンや
チャットなどを使って、
自分の投資に有利になるようなデタラメな情報を流す行為も、風説の流布に当たり、
証券取引等監視委員会は、ネットをチェックする専門官を増やすなど監視を強めている。
証券取引法第158条の規定
〔
風説の流布、偽計利用等の禁止〕何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引
若しくは有価証券指数等先物取引等、有価証券オプション取引等若しくは
外国市場証券先物取引等のため、又は有価証券等の相場の変動を図る目的をもつて、
風説を流布し、偽計を用い(
偽計取引)、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。
証券取引法第197条などの規定
〔
罰則〕「一般不正取引行為・風説の流布・仮装売買・馴合売買・相場操縦」について、
以下に罰則が規定されている。
●上記行為を行った者は5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は併科が科される。
(証券取引法第197条第1項7号)
●財産上の利益を得る目的で上記行為により相場を変動又は固定させ、
その相場により取引を行った者は5年以下の懲役及び3000万円以下の罰金が科される。
(証券取引法第197条第2項)
●上記行為により得た財産は没収(証券取引法第198条の2)
●操縦的行為による損害賠償責任(証券取引法第160条)
参:
不公正取引、
監理ポスト、
課徴金制度
ライブドアグループの証券取引法違反事件で、2006年1月23日、ライブドア社長の
堀江貴文容疑者(33)のほか、ライブドアのナンバー2で企業合併・買収(M&A)を担当する
取締役の
宮内亮治容疑者(38)、ライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)社長で
ライブドア取締役の
岡本文人容疑者(38)、ライブドアファイナンス社長の
中村長也容疑者(38)ら
4人の逮捕容疑となった虚偽公表(風説の流布、偽計)の疑いがあるのは、
2003年11月19日〜2004年10月25日に発表された6社の買収で、
まず、グループが出資・支配する投資事業組合が、現金で安価に相手先の全株式を買い取り、
買収を完了し、この事実を隠したまま数カ月後、グループ側が多数の新株を発行し、
この新株と組合が持つ買収先の株式を交換する。と発表していた。
なぜ、これで巨額の利益が転がり込むのかというと、情報誌出版会社「マネーライフ社」の買収では
「VLMA2号投資事業組合」が買収の際に支払った現金は4200万円なのに、
ライブドアマーケティング(LDM)は発行した新株16万株を、同組合経由で海外のファンドに売り、
手数料などを差し引いた約6億6000万円を還流させたことにより、4200万円が15倍超になった
わけで、他の5社の還流分と合わせ、計約100億円がライブドア本体に流れ込んだという。
「株券をどんどん印刷して、組合を通じて海外に売り払う。お札を刷っているようなもの」と、
関係者は「錬金術」をこう解説しているという。
一連の不正工作は、ライブドアが自社株の高値を利用して
M&Aを繰り返す「時価総額経営」を
続けるため、宮内取締役が考案した利益還流システムの中で実行された。
不動産投資信託(ふどうさんとうししんたく) =
Jリート
粉飾決算(account−rigging)ふんしょくけっさん : 会社が正規の会計処理上の基準に従わず、
故意に財務諸表の内容をゆがめ、利益または損失を過大もしくは過小表示して決算すること。
業績が悪化した企業が経営破たんや上場廃止を免れる目的で実行するケースが多い。
売上高の水増し計上や経費の過少計上で利益額を増やすのが一般的だが、損失を隠したり、
関係会社に損失を移し替える「飛ばし」などの手法もある。粉飾は損失の先送りにすぎない。
粉飾決算を繰り返した結果、経営状態をさらに悪化させることが多い。
水増しした売り上げや利益が公表されると、株価形成に影響を及ぼしたり、
金融機関や取引先の貸し倒れや資金回収のリスクを増大させるため、
証券取引法や商法違反で罪に問われることもある。金融商品取引法で有価証券報告書の
虚偽記載の罰則は、個人が懲役10年以下または罰金1千万円以下、法人は7億円以下の罰金。
粉飾決算で一番痛いのは、会社の信用を失うことであり、信用を失った会社は、もう営業することが
難しい。「粉飾決算=倒産企業」ということを肝に銘じておいたほうがいい。 参 :
不公正取引
ライブドアグループの証券取引法違反事件で、有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)容疑は
ライブドアの2004年9月期と、ライブドアマーケティング(LDM)の2004年12月期の決算が対象で、
いずれも買収を終えた企業の預金などを自社に付け替え、利益として計上する手法を取った疑いで、
このうち、ライブドアは消費者金融「ロイヤル信販」(現ライブドアクレジット)と
結婚仲介サイト運営「キューズ・ネット」の利益約14億2000万円を3回に分けて自社に付け替え、
本来は利益がないのに、約14億2000万円の経常黒字と公表していた。LDMも、
キューズ・ネットから1億1000万円余の利益を付け替え、2億2000万円余の経常黒字と公表した。
平均足(へいきんあし) : 通常のローソク足を作る四本値(寄付き、高値、安値、引け値)を、
それぞれ平均化し、足型やパターンなどから相場の趨勢を探ろうとするトレンド追随型のテクニカルである。
平均足の基本本数は3本(他は5本や9本)である。
この場合、日足なら3日平均足となり、3日間の四本値を平均した足となる。
ホワイト・ナイト(White Knight) : 直訳すれば「白馬の騎士」。
買収をしようとしている者と仕掛けられている者との間で、どちらに味方するかによって大きく
その形勢が変わる、
キャスティング・ボートを握っている第三者をいい、「友好的投資家」などとも
呼ばれる。買収を仕掛けられた会社の経営者は、買収されると自分たちが追い出されてしまうと考え、
自分たちに有利な条件で買収してもらうよう、友好的な企業に対して働きかけることがあり、
その相手をさすことばである。
2005年2月に表面化したライブドアのニッポン放送株買い占めにおいても、
村上世彰氏の率いる村上ファンドがニッポン放送株を18.5%所有しており、
その株をニッポン放送側のフジテレビに売却すれば、
村上ファンドはフジテレビ・ニッポン放送側にとっての「ホワイト・ナイト」、
逆にライブドア側に売却すれば、ライブドア側にとっての「ホワイト・ナイト」ということになる。
参 :
クラウン・ジュエル、
M&A、
貸株
南極や北極に近い地方で、それぞれの夏に真夜中でも薄明か、または日が沈まない現象を「白夜」と
言うが、White Knightが白夜と思っていたが、白夜は「the midnight sun」だとは知らなかったね。
持ち株会社(もちかぶがいしゃ) : 株式保有を通じて複数の企業を傘下に収め、
グループの事業活動を支配し、経営戦略を練る会社のこと。
持ち株会社には、純粋持株会社と事業持株会社がある。
純粋持株会社 : 株式を所有することにより、他の会社の活動を支配することのみを
事業目的とする会社をいい、この形態が一般的である。
事業持株会社 : 他の会社の活動を支配するのみならず、
持株会社自身も相当規模で事業を営む会社をいう。電電公社から民営化されたNTTグループは、
持ち株会社NTTの傘下にNTTドコモ、NTT東西などがぶら下がる形態である。
有価証券報告書の虚偽記載 :
証券取引法違反の一つ。有価証券報告書は上場企業などが
年度ごとに経営を開示する基本書類で、財務諸表や役員の履歴、株式の発行状況などが記され、
投資家にとって重要な判断になる。このため、証券取引法では、報告書の重要事項に
虚偽の記載があった場合、行為者に対して2年以下の懲役か500万円以下の罰金を科している。
法人に対しては5億円以下の罰金刑が規定されている。
参 :
インサイダー取引、
証券取引等監視委員会
優先株(ゆうせんかぶ) : 配当または残余財産などの分配を、普通株より優先的に受けられる株のこと。
特殊株の一種で、普通株に比べて配当金を優先的に受ける、あるいは会社が解散した時に
残った財産を優先的に受けるなど、投資家にとって権利内容が優先的になっている株式のことをいう。
ただしその代わり、会社の経営に参加する権利(議決権)については制限されるのが一般的である。
発行企業にとっては配当コストがかかるというデメリットがあるが、投資家に有利な条件を提示することで、
通常の増資よりも資金が調達しやすくなる。さらに、銀行のように規制によって自己資本比率が
定められている企業にとっては、優先株を発行することでその比率を向上できるというメリットもある。
参 :
後配株、
劣後債
ローソク足 : 相場(株価)の値動きを記録するための記述法のことで、
見た目がろうそくの様に見えることから、この名前が付いたとされる。
株価のテクニカル分析をする際に使い、ローソク足は始値と終値を使って縦長の長方形を書いて、
その日の株が上がったときに白(陽線)で、下がったときには黒く(陰線)塗られる。
また、その日の高値が始値と終値の間にない時はローソク足の上に1本の線を引く。
さらに、その日の安値が始値と終値の間にないときは、ローソク足の下に1本の線を引く。
これらの線をヒゲという。ヒゲは、上下どちらかについたかで、その後の株価を暗示したりする。
そして、この個々のローソク足を組み合わせることにより、株価の先行きを考える。
また、日々の相場動向を記したものを「日足」、週単位のものを「週足」、月単位のものを「月足」、
同限月の相場動向の発会値から納会値までを記したものを「一代足」と言う。