海上(YSミニ辞典)
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海上警備行動(かいじょうけいびこうどう) : 自衛隊法に定められた自衛隊の活動の一つで、
同法の第六章・自衛隊の行動で、自衛隊の出動として@防衛出動A治安出動
B要請による治安出動C海上における警備行動D災害派遣
E地震防災派遣F領空侵犯に対する措置をあげている。
このうち海上における警備行動(第82条)は「長官は、海上における人命若しくは財産の保護または
治安の維持のための特別の必要がある場合には、
内閣総理大臣の承認を得て、
自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる」としている。
過去には、1999(平成11)年3月に能登半島沖の日本海で発見された不審船を追跡するため、
護衛艦やP3C哨戒機が出動した北朝鮮の不審船事件で、警告射撃を行ったケースがある。
自衛官には警察官職務執行法が準用され、
正当防衛と緊急避難などの場合に武器使用ができるとされている。
沖縄県の先島諸島周辺で2004年11月10日早朝、国籍不明の潜水艦が日本の領海内を
潜航しているのを海上自衛隊のP3Cしょう戒機が発見し、大野功統防衛庁長官は午前8時45分、
小泉純一郎首相の承認を得て自衛艦隊司令官に対し「海上警備行動」を発令している。
潜水艦は同諸島付近の領海を3時間にわたり航行後、
領海外に出たが、引き続きP3Cが追尾し、政府は12日午後、
日本領海を侵犯した潜水艦が中国海軍所属の漢級
(はんきゅう)攻撃型原潜と断定し、
防衛庁長官は海上自衛隊に海上警備行動の終結命令を出した。
これを受け、町村外相は12日夕、程永華駐日中国公使を外務省に呼んで抗議したが、
調査中なので直ちに抗議を受け入れ、謝罪するわけにはいかないと答えている。
中国外務省の報道局は、「関係部局が確認を進めている」と述べるにとどまっている。
政府の承認なしに、軍部が独自に領海侵犯するはずがないのに「わからない」とは
どういうことでしょう。ちまたには、こうした行動に日本がどの程度反応するかや、技量を探るためとか、
東シナ海のガス田開発問題での日本側へのけん制や、台湾への軍事介入事前調査など、
いろいろと言われているが、中国で仕込まれた工作員(スパイ)集団が正解にならないことを望みます。
1隻の建造費が、500億円以上もするという原子力潜水艦を保有している中国に、
日本はいまだに開発途上国としてODAなどの援助をしているのはいかがなものでしょう。
このお金で原子力潜水艦を建造したのではないでしょうね。お金を出しても低姿勢でも
なめられるのなら、もうここらで“対中弱腰外交”は終わりにしましょう。
中国の武大偉・外務次官は、中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯した事件について、
1週間も経った11月16日に阿南惟茂・駐中国日本大使に侵犯の事実を認め、「通常の訓練過程で
技術的原因により日本の石垣水道に誤って入ったもので、事件発生を遺憾に思う」と述べた、
ということだが、そんなことなら直ちに浮上して司令部や追尾の自衛隊機に連絡をとればすむことで、
12日には中国に帰港しているのだから、遅くとも13日には謝罪すべきであり、
そんな技術レベルの低い艦長なら外海に出て欲しくないね。
原子力潜水艦なので操舵ミスで岩礁に衝突でもして原子炉が爆発したら、
何百キロ四方の人間を含めた生物が放射能の被害を被るのだから。
潜水艦は衛星や高性能の音波探知などで簡単に探索される時代になっているので、
高価で危険な原潜は廃棄したほうが良さそう。自沈するようなロシアの二の舞にならないようにね。
海上自衛隊特別警備隊 =
海上自衛隊特別警備隊(防衛関連に別掲)
海上衝突予防法(かいじょうしょうとつよぼうほう) : 国際規則の規定に準拠し、
海上船舶や水上航空機の海上における衝突事故を防止し船舶交通の安全を確保するために、
航法や灯火、信号など、船舶の遵守すべきルールを定めた法律で、1953(昭和28)年に制定された。
海上は「右側航行」が原則で、2隻の船が正面から行き合う場合、両船とも進路を右に転じて航行。
2隻の船が進路を交差して横切る場合、相手を右舷側に見る船が右に進路を転じて衝突を避け、
一方の船は進路、速力を保ったまま航行することを定めている。
参 :
海上衝突予防法(法律)、
船の豆知識(HP)
海上保安官(Coast Guard Officer)かいじょうほあんかん
日本の海上警備を担い、海難事故から守る機関である
海上保安庁の職員で、
海からの不法入国者を見張ったり、海上の密輸を取り締まったり、海で遭難した人がいれば助ける。
員数は約1万2000人で、刑事訴訟法上の特別司法警察職員とされている。
海上保安官になるには、
海上保安大学校か
海上保安学校を卒業する必要があるため、
海上保安官は、これらの卒業者が大多数を占める。
日本は四方を海に囲まれ、海と接している面が広い国である。それだけに、船舶の航行や外国との
接点が海を介して行なわれることも多く、同時に海難事故や密輸、密入国などのトラブルも発生している。
海上保安官は、国家公務員として船舶や飛行機などを使い、船舶の安全な航海や、
日本の沿岸の安全確保を行なっている。
海上保安官の階級は、海上保安庁長官を最高位として、三等海上保安士までの12階級ある。
海上保安官の守秘義務
神戸海上保安部に所属する巡視艇「うらなみ」の主任航海士(43歳)が、尖閣諸島沖の中国漁船衝突の
映像を動画サイト(You Tube)に投稿したとして、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで
警視庁の取り調べを受けていることについて、ネット上や電話などでは「これは不正じゃない。
国民が知りたかった権利」「勇気ある告発がなぜ罪になるのか」と海上保安官を擁護する意見や、
「問題ないという風潮はいかがか。公務員としてあるべき姿ではない」と流出を批判する声などが
書き込まれているが、私としては、海上保安官として「国家公務員法」で守秘義務が課せられているし、
政府も中国との関係に影響があることからビデオ映像は厳重管理し「映像は国民には見せない」と
していたのだから、たとえ職場で見ることができたとしても、故意に流出させるべきではなかったと思う。
海上保安庁というのは、治安機関であると同時に、国際的には準軍事組織と見なされる組織なので、
ルール違反は絶対に許すべきではない。「義憤」や「正義感」に駆られ、職を賭す覚悟で
流失させたとしても、ルール違反は正当化できない。万一懲戒解雇になった場合、
家族ともども路頭に迷うことになることなどは頭に浮かばなかったのだろうか。
映像は職場しか見られなかったことだし、一般国民は知ることができないことと、
国が保護していた映像なので、国家公務員の守秘義務違反になることは明らかであり、
懲罰が科されてもしかたがないと思う。検察官や警察官等の国家公務員が
こんな守秘義務違反をするようになれば民主法治国家として好ましいことではない。
ただ、中国に対して有利となるような映像を、政府が中国のために日本国民に公開しなかったことと、
海保と検察の限られた捜査関係者しかアクセスできない漁船衝突事件のビデオ映像が
職場で誰もが見られることになっていたのは問題である。
元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんは、「国民の知る権利」に応えようとする者であるならば、
まず、上司に公表を求め、受け入れないなら、辞表を提出し、一私人となってからデータを流す手順が
不可欠だった。と言われるように、守秘義務のある国家公務員として国家的な機密情報を漏らすことは
許されず、今回の海上保安官の行為は「同情にも称賛にも値しない」と私も思う。
海上保安庁(the Maritime Safety Agency)かいじょうほあんちょう : 海上において、人命・財産を保護し、
法律違反を予防・捜査・鎮圧するために設けられた国土交通省の機関(外局)で、
1948(昭和23)年に設置された。海上での警察または消防機関であり、
領海、排他的経済水域の警備を第一の任務としていて、防衛庁とは行政上、別系統の機関である。
海上自衛隊は防衛庁長官による海上警備行動の発令によって初めて洋上の警備行動が取れる。
ただし、自衛隊法第80条には、「
内閣総理大臣は、第76条第1項又は第78条第1項の規定による
自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、
海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れることができる。」(第1項)
「内閣総理大臣は、前項の規定により海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れた場合には、
政令で定めるところにより、長官にこれを指揮させるものとする。」(第2項)との規定があり、
有事の際には海上保安庁の指揮権を一時的に防衛庁長官に委ねることができる旨を定めている。
しかし、自衛隊法第80条に基づく海上自衛隊艦艇と海上保安庁船舶の統一運用は、
指揮命令系統がまったく別であること、これを調整する諸規定が定められていないこと、
船名艦名で同一のものが少なからず存在すること等から困難であるとの考えが有力である。
また、海上保安庁法第25条は「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として
組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」と
海上保安庁を非軍事組織として強く定義しており、これについての法的整理も必要と考えられる。
この点が、軍の一種であるアメリカ沿岸警備隊との非常に大きな違いである。
海難事故が起きると、
海上保安官が捜査して検察庁に送致され、
起訴により地方・簡易裁判所で判決を受けて有罪・無罪が決まるが、
控訴の場合は高等裁判所で裁決され、それでも不服があれば最高裁まで争える。
海上保安庁の組織(2010.11.11、朝日新聞より)
(中央機構)
長官(国交省キャリア)━┳━┳━
次長
┃ ┃ ┗━
警備救難監
┃ ┣━首席監察官
┃ ┣━総務部
┃ ┣━装備技術部
┃ ┣━警備救難部
┃ ┣━海洋情報部
┃ ┣━交通部
┃ ┣━海上保安大学校(広島県呉市)
┃ ┗━海上保安学校(京都府舞鶴市)━┳━門司分校(北九州)
┃ (地方機構) ┗━宮城分校(岩沼)
┗━
管区海上保安本部(11カ所)━┳━海上保安(監)部
┣━海上保安航空基地
┣━海上保安署
┣━海上交通センター
┣━航空基地
┣━国際組織犯罪対策基地
┣━特殊救難基地(羽田)
┣━水路観測所
┗━航空標識事務所 など
参 :
海上保安庁(HP)、
海上保安庁法(法律)、
海難審判庁
海上保安の日(かいじょうほあんのひ) : 5月12日。
海上保安庁が1948(昭和23))年5月12日に、
「開庁記念日」として制定し、2000(平成12)年より「海上保安の日」に改称された。
海上保安庁が運輸省(現在の国土交通省)の外局として1948年に開庁し、
アメリカのコースト・ガード(沿岸警備隊)に倣
(なら)い、日本国の沿岸水域における海上の安全確保、
法律違反の予防・捜査・鎮圧等の海上保安業務を一元的に担当する機関として発足した。
毎年5月12日の「海上保安の日」には、各地の海上保安庁施設でイベントが開催される。
航空基地一般公開もその内の一つで、航空基地では航空機の展示(実際に航空機の中に入ることも
できる)、救難用具の展示、ヘリコプターによる救難の実演もある。
また、巡視船の船内一般公開や搭載艇の体験乗船など、海上保安の仕事を地域住民に
広く知ってもらおうと毎年記念行事を行っている。