柿関連(YSミニ辞典)

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あんぽ柿 : 渋柿を硫黄で燻蒸して乾燥させる独特の製法で作られる干し柿(ドライフルーツ)の
    一種で、果肉が完全に乾ききらない生干しの状態のもの。
    福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ:旧伊達郡五十沢村)で大正年間に開発された。
    単に干しただけの干し柿は、乾燥して黒く堅くなり、さらに時間が経過すると糖分の粉を
    白く吹く(ころ柿など)が、あんぽ柿は、半分生のようなジューシーな感触で、
    羊羹のように柔らかいのが特徴。硫黄は乾燥中に揮発するため毒性はない。
    カリウムビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいる。
    原料には主に、蜂屋柿(はちやがき)や平核無(ひらたねなし)などの渋柿を使用する。
    蜂屋柿は大粒で柔らかく、平核無は小粒で甘みが強いのが特徴である。
    
    和歌山県産の紀州あんぽ柿(大阪のK.Kさん提供)
    
    同上
     
    「あんぽ柿」セシウム検出、苦渋の廃棄…福島
     東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県伊達地方特産の干し柿「あんぽ柿」から
    国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたのを
    受けて、地元農家は一斉に干し柿の加工をやめ、2011年11月から柿の実の廃棄を始めた。
     「市場に出た後で暫定規制値を超えたことが判明したら、ブランドイメージが打撃を受ける」と、
    JA伊達みらい(伊達市)は農家に出荷自粛の徹底を求め、実の廃棄を指導。
    多くの農家が実の処分場所の確保にも困っている。
おけさ柿 : 昭和初期、越後からはるばる海を渡り、佐渡島に植栽された。
    1931(昭和6)年に、新潟市古田(旧新津市)地内のの古木が原木であることが判明し、
    「越後の七不思議」に次いで8つ目に珍しいものとして「八珍柿(はっちんかき)」と名付けられた。
    「おけさ柿」は、JAの商標で、1964(昭和39)年に佐渡特産品としてブランド化された。
    形状は、6〜7cm、やや丸みのある四角形で、渋柿であるが種がないのが特徴である。
    焼酎にさわして渋抜きすることによって、甘柿にはない柔らかい肉質となり、
    とろけるような甘さが味わえる。山形県では「庄内柿」と呼ばれている。
    
    おけさ柿
    問い合わせ : 0259−24−7106(JA佐渡)
(a persimmon)かき : @カキノキ科の落葉高木。山中に自生し、また果樹として古くから栽植される。
     雌雄同株。秋に多肉の液果を結び、熟して黄赤色となる。甘柿と渋柿があり、
     甘柿には富有柿・次郎柿など多くの栽培品種がある。渋柿は干し柿や合せ柿などにする。
     ビタミンCはイチゴより多く、二日酔いや風邪の予防に効果があると言われている。
     柿に多く含まれるタンニンはアルコールそのものとも、アセトアルデヒドとも結合して体外への
     排出を促すので、二日酔いには有効で、更にビタミンCも柿100gにつき70mg含有しているので、
     一般的な1日必要量が50mgとすると1個200gの柿なら半分でOKとなる。[季語]秋−植物。
    
     干し柿(鳥取の錦織梨園・錦織さん提供)
    
     和歌山四郷の吊るし柿
     出来の良い柿の選び方
      4枚のヘタが青々としてキレイにそろっていて、ヘタと実がピッタリくっついて、隙間がないのが良い。
     柿のおいしい食べ方 : へたの下までオレンジ色が均一だと食べ頃で、切った時、
      果肉の断面に黒色の斑点が多いものが甘いとされている。
      メロンのように、生ハムをのせて食べても美味である。
     柿皮茶 : 柿の皮を天日で3日間干し(雨に当たらないように注意)、すり鉢で粉末にして、
      小さじ1杯湯のみに入れ、お湯を注いで1日1杯飲むと、風邪・感染症予防になる。
     上手な摘果のコツ : つぼみを摘む方が効果が高いが、7月上旬に葉数20枚くらいに1果の割で
      摘果するのが一般的である。できるだけ葉をたくさん付けている枝の中間の位置の果実を残す。
      つぼみの間引きをしていない場合は、最終の結果数の2倍くらいを残して、他はすべて間引くとよい。
    A「柿色」の略。
    B柿色の布子(ぬのこ)。柿衣(かきそ)
富有柿(ふゆうがき、ふゆがき) : 富有(ふゆう)。甘柿の品種の一つ。
    岐阜県原産の御所系の完全甘柿で、甘みが強く、大粒で肉厚、多汁大果で果肉は柔らかいのが特徴。
    花は雌花のみが着き、単為結果性がやや低いため受粉の必要がある。実は橙黄色の扁球形。
    現在では、西日本を中心に各地で栽培され、甘柿で最も生産量が多い。
    発祥の地である瑞穂市とその周辺でも生産は盛んである。
    1857(安政4)年、岐阜県瑞穂市居倉の小倉初衛が栽培を始めた御所系統の柿の木がその起源である。
    当初は「居倉御所」と呼ばれていたが、接木による栽培に成功していた同じ村落の福島才治により、
    1898(明治31)年、福島才治により品評会に出品され、「礼記」中「富有四海之内」の一文から
    二字を取り富有と命名された。[季語]秋−植物。
    
    富有柿(青い未熟なものでまだ渋い)
    
    和歌山九度山の富有柿
    
    鳥取産の富有柿



















































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