亀関連(YSミニ辞典)

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青海亀(green turtle)アオウミガメ : 学名は[Chelonia mydas」。爬虫(はちゅう)綱カメ目ウミガメ科のカメ。
    正覚坊(しょうがくぼう)ともよばれる大形のウミガメ。世界の熱帯から亜熱帯の海洋に分布する。
    背甲は滑らかで各鱗板(りんばん)は重なることがなく、若齢時は濃いオリーブ色であるが、
    成長とともに不規則な褐色や淡黄色の放射状や雲状の模様が現れるなど甲の紋様には変化が多い。
    腹面は淡黄色。肋甲板(ろっこうばん)は4対を基本とするが変異もある。
    普通、第1肋甲板は頂甲板に接することはなく前額板は1対である。老成したものは甲長1.2〜1.4m、
    体重300kgを超える。浅海に繁茂するトチカガミ科やリュウキュウアマモ科などの顕花植物や
    褐藻・緑藻類などの海藻も好む草食(藻食)性傾向の強いウミガメで、餌場(えさば)と産卵場の間を
    回遊することで知られている。日本では4〜5月ごろより夏にかけて、屋久島(やくしま)以南の
    島々および小笠原諸島(おがさわらしょとう)などで産卵上陸がみられるが、
    世界的にみると分布の北限に近く、資源は小さい。
    地方によって亜成体のものをアサヒベッコウなどとよぶところもある。
    ウミガメの仲間の中でも美味とされ、食用目的の乱獲で世界的に数が減り、
    国際自然保護連合(IUCN)は「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」絶滅危惧1B類種に
    指定している。
    
    名古屋港水族館のアオウミガメ(2011.6.11撮影、大阪のK.Kさん写真提供)
    
    回遊中のアオウミガメ
赤海亀(loggerhead turtle)アカウミガメ : 学名は[Caretta caretta」。
    動物界脊索動物門爬虫(はちゅう)綱カメ目ウミガメ科アカウミガメ属のカメ。
    本種のみでアカウミガメ属を形成する。世界の温帯から亜熱帯域にかけて分布する。
    大形のウミガメで、背甲は赤褐色。肋甲板(ろっこうばん)は5対を基本とするが、
    4対または5対以上などの変異もみられ、左右が対をなさない場合もある。
    第1肋甲板が頂甲板に接するのを常とする。前額板は2対が普通である。
    雑食性で、軟体動物、甲殻類、ウニやヒトデ、海綿類、クラゲなどのほか、
    大形のプランクトン、海藻なども食べる。老成すると、体重200kg、甲長1.2mを超える。
    日本の太平洋沿岸は重要な産卵場で、5〜8月上旬に産卵上陸がみられるが、
    北緯37度付近を北限とする。1回の平均産卵数は約120卵で、シーズン中に同じ雌が
    ほぼ2週間の間隔で数回産卵する。孵化(ふか)までには50〜60日を必要とする。
    卵は食用にもされ、肉も地方によっては食べるが、近年産卵場環境の悪化などにより
    資源の衰微が著しく、国際的に保護する傾向にある。日本でも自治体により保護条例や
    漁業規則などで採捕を禁止している。また、地域指定の天然記念物として、
    1967(昭和42)年に徳島県海部(かいふ)郡日和佐(ひわさ)町(現美波(みなみ)町)の
    大浜海岸のアカウミガメおよびその産卵地が、1980(昭和55)年に
    静岡県御前崎(おまえざき)海岸のアカウミガメおよびその産卵地が指定されている。
    
    名古屋港水族館のアカウミガメ(2011.6.11撮影、大阪のK.Kさん写真提供)
長亀(leatherback turtle、luth)オサガメ : 筬亀。革亀。学名は「Dermochelys coriacea」。
    爬虫(はちゅう)綱カメ目オサガメ科のカメ。太平洋、インド洋、大西洋の熱帯から亜熱帯の海洋に生息し、
    現生するウミガメ類のなかで最大の種類である。強大な遊泳力があり、海流にのって熱帯から
    亜寒帯海域にまで出現する。わが国の沿岸では太平洋岸はもとより、日本海側や北海道周辺でも
    採捕されるが、多くはない。産卵期以外は沿岸に近づくことが少ない沖合い性のウミガメである。
    老成すると甲長2m以上、体重650kgを超える。甲は他のウミガメ類と著しく異なり、
    薄い滑らかな皮膚で覆われている。また背甲には7本の縦走する隆起が顕著で、
    中央の1本は尾状突起の後端にまで達する。クラゲ類、サルパ類などの
    大形の浮遊生物を専食する肉食性のウミガメで、卵は食用にされるが、肉の利用はまれである。
    
    オサガメ
(turtle、tortoise)かめ : 動物界脊索動物門爬虫(はちゅう)綱カメ目に属する動物の総称。
    この目「Testudines」の仲間の胴は箱形の堅固な甲に包まれる。極地を除いて世界中に分布し、
    約220種と多くの亜種が知られている。完全な陸生から水陸両生、水生、海洋生まであり、
    日本には陸に6種、沿岸の海に5種が分布する。
    淡水域、海洋、砂漠、草原、森林などの様々な環境に生息する。
    緯度の高い地域に生息する種では氷の張った水面下での活動が観察されている種もいる。
    樹上棲種はいないが、オオアタマガメは四肢や尾を使い多少ながら木に登ることもある。
    陸棲種のみで構成されるリクガメ科から、産卵を除いて上陸しない完全水生種(海棲種)のみで
    構成されるウミガメ上科もいる。食性は植物食、動物食などと幅広く種によって異なる。
    魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、昆虫、甲殻類、動物の死骸、植物の葉、果実、キノコなどを食べる。
    一部の食物を専食する種もいる。水棲種では口を開け舌弓を動かし喉を広げることで口内の水圧を
    低下させ、水ごと獲物を吸い込み捕える事が多い。繁殖形態は卵生。主に陸上に産卵するが、
    浅い水中に産卵(発生は水没していない状態で進む)する種もいる。
    エミスムツアシガメは産卵巣の上に木の枝や落ち葉を塚状に積み上げ、母親が卵を保護する。
ミドリガメ(Trachemys scripta elegans) : 緑亀。学名は「Trachemys scpipta elegans」。
    爬虫類、カメ目、ヌマガメ科キバラガメの亜種。「ミシシッピアカミミガメ」の通称(商品名)で、
    単にアカミミガメとも呼ばれ、日本では主に幼体をミドリガメと呼ぶ。
    キバラガメやフロリダガメの子を含めていうこともある。
    アメリカ合衆国の東部・中部、メキシコ北東部などが原産地で、甲が美しい緑色を呈する。
    植物が多く、底が泥質の流れのないところにすみ、よく日光浴をする。眼の後ろに赤いすじがある。
    幼体は明るい緑色で、背甲に複雑な模様がある。オスは前肢の指をふるわせる求愛行動をとる。
    
    ミシシッピアカミミガメ。甲長約30cmの成体(琵琶湖博物館、水族展示室資料より)
    5〜8月に産卵し、幼体は動物質、成体は主に植物質の餌を食べる。
    1960年代に大手菓子メーカーが景品としたのがペットとして普及するきっかけになったという。
    現在、米国産を中心に、年間数十万から100万匹が輸入されている。
    国内では人為的な密放流のために本州、四国、九州、沖縄島、
    小笠原父島の川や沼で生息が確認されている。
    肉食傾向が強い雑食性で繁殖力が高く、大きなものは28センチ、2.5キロほどまでに成長する。
    南アフリカや韓国は禁輸、輸出が認められている米国でも、
    4インチ以下の子ガメの国内での販売は禁止されている。
    日本では生態系への影響から要注意外来生物に指定されているだけで、
    在来のニホンイシガメやクサガメを追いやる勢いで増えている。

    爬虫類(ミドリガメ)にご用心、サルモネラ菌で感染症、厚労省注意呼びかけ
    2005年3月と10月、千葉県内でミドリガメのサルモネラ菌によって6歳と1歳の女児が髄膜炎や
    敗血症を起こして重症となる感染症例が報告されたとして、厚生労働省は爬虫類の衛生的な
    取り扱いに関する冊子を作成、また一般家庭などへ注意を促すよう都道府県に通知した。
    また、文部科学省は2006年3月9日までに、飼育に当たる児童・生徒に注意を徹底するよう
    都道府県教育委員会などに緊急の指示を出した。
    幼稚園と小学校については、「飼育を控えるべきだ」としている。

    昔のことだが、娘が緑亀を2匹もらってきて金魚鉢に入れていたら、
    一晩のうちに5匹くらいの金魚をほとんど食べられたことから、金魚に可哀そうなことをしたといって、
    友達にあげたそうだが、その亀も大きくなれば池や川に捨てられるのでしょう。
    こんな繁殖力が高くて大きくなる亀は、日本でも輸入禁止にすべきだ。



























































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