官房機密費(YSミニ辞典)

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官房機密費(かんぼうきみつひ) : 正式な名称は「内閣官房報償費」で、略して「報償費」と言われ、
    単に「機密費」とも言われる。戦前、会計検査院に対する使途の証明が免除され、
    使途がほとんど不明だった「機密費」の系統をひくもので、行政機関が事務を円滑に行うために
    機動的に使う経費で、捜査協力への謝礼や外交交渉の功労者への表彰費用など、
    機密性の高い用途に国や都道府県で使われる。
    予算上は「情報収集及び分析その他の調査に必要な経費」に分類される。
    首相や官房長官の判断で、支出先の証明や使用目的の公開も不要で、
    領収書なしに自由に使えるとされる。官房機密費であれば、
    大臣官房の会計課長が官房長官に支出した段階で、国の予算支出は終わりとされているので、
    会計検査院の検査も形だけで、官房長官の支出先までは及ばない。
    歴代政府は「報償費」の目的について、「内政、外交を、円滑かつ効果的に遂行するため、
    その都度の判断で機動的に使用する経費であり、国政の遂行上不可欠のもの」と説明してきたが、
    国会対策費に使われたなどの証言もあり、不透明さには批判がつきまとう。
    内閣官房のほか外務省、防衛省、警察庁などにもあり、運用の不透明さが指摘されている。
    予算額は公表されていて、1997〜2001年度は年間16億2400万円だったが、
    批判が高まったため2002年度から年間14億6200万円に減額されたが、
    2009年度でも14億6165万円で、ほとんど変わっていない。
    官房長官に一任されている金額は12億3021万円で、残りは内閣情報調査室の費用に充てられる。
    しかし政府は、使途の公表については外交事務に支障があるとし、一貫して拒否しつづけている。
    2002年度予算では官房機密費が14億6千万円、外交機密費が33億4千万円。官房機密費の
    計上額は、じつは表向きで、外務省機密費から官邸に「上納」しているとの疑惑がもたれている。
     機密費が議員の政治資金パーティー券購入や選挙資金に充てられた場合、
    政治資金や選挙運動費用の収支報告書に報告する義務が生じる。
    政治資金規正法や公職選挙法に抵触する可能性があるが、
    これまで官邸から受領したとの記載が確認された例はない。
     防衛省は使途を@情報収集A犯罪捜査B自衛隊員が災害派遣で
    死亡した場合などに授与する賞恤(しょうじゅつ)金C表彰の副賞、と定義している。
    具体的な使途は「業務に支障を来す」として明らかにしていない。
    2008年度予算の防衛省報償費は、賞恤金を除き1億1700万円。
    これまでのプール金総額は少なくとも数千万円に上り、
    幹部の私的流用や省内の飲み食いなど不正の温床とされる。
     厚生労働省の報償費は、労働組合の動向調査や麻薬取り締まりの際に情報提供者へ
    渡す謝礼として使われてきた。組合情報では、三井三池争議(1959〜60年)や
    国鉄労働組合のスト(1975年)などでは同省にとって重要な役割を果たしたが、
    労使協調路線や組織率の低下などで必要性が減ったといわれる。
    麻薬取り締まりの際に情報提供者へ渡す謝礼がなぜ厚労省なのだろうか。警察庁ではないの?
    機密費の上納問題
     外務省の報償費(機密費)の一部が、首相官邸の官房報償費(機密費)に転用されていた問題。
    関係者によると、問題が表面化した2001年当時、年55億7千万円の外務省機密費のうち
    約20億円が上納されていた。自民党政権は一貫して否定していたが、
    鳩山内閣は2010年2月5日、鈴木宗男衆院議員の質問主意書に対して
    転用を認める答弁書を閣議決定。岡田克也外相は、2001年以降は行われていないと説明した。
     外務省OBら関係者によると、上納は1960年代の池田、佐藤内閣の頃には
    すでに行われていたという。首相官邸の官房機密費の増額が困難なため、
    外務省機密費の一部を官邸向けに流用するようになったとされる。
    機密費が一度官邸に渡ってしまえば、使途を特定することはほぼ不可能である。
    自民党の選挙対策に回っていたという話もある。
     自民党政権のうそを暴く政権交代の成果だが、「何のための上納だったか」、
    「どんな目的に使われたのか」などの事実関係の調査については平野博文官房長官は拒否したのだ。
    税金が不正流用されていたので、元河村建夫官房長官の2億5000万円の内訳とともに調査すべきだ!
    民主党政権になっても、官邸を預かる官房長官は、おいしい裏の金を使い続けたいと言う訳か。
    歴代の自民党の首相、官房長官、外相たちは国民をだまし続けていたことになるが、
    民主党もまた機密費は闇に葬るということなのか。


    厚労省、報償費で飲食し受領書偽造、5年で500万円(朝日新聞2000.10.17より)
     厚生労働省が労働組合の動向などの情報を集めるために組合内部の協力者らに
    謝礼として支払う報償費について会計検査院が調べたところ、受領書の名義人には
    謝礼などが支払われていないことが分かった。検査院は受領書が偽造だったとして、
    2001年度から2005年度までに計上された総額500万円が全額不当だと指摘した。
     報償費の取り扱い責任者は同省政策統括官で、2004年度、2005年度の政策統括官だった
    太田俊明・職業安定局長は「実際の手続きには携わっておらず、詳細は把握していない」としている。
     検査院は2001年度〜2005年度の報償費を調査した。検査院によると、毎年100万円前後が
    使われており、使途について同省は「労働団体内部の協力者への謝礼金」と説明していたという。
    ところが、検査院の指示で厚労省が受領書の名義人に確認したところ、
    「会っていない」「身に覚えがない」などの回答が相次ぎ、受領書が偽造だったことが発覚。
    検査院の調べに対し、報償費を使用した職員は「全国規模の労働組合幹部らとの飲食費に充てていた」
    などと説明したという。 検査院は「架空の受領書を作って報償費から裏金を捻出(ねんしゅつ)し、
    目的とは異なる使い方をしていた」と同省の報償費の取り扱いを批判した。
     報償費に関する調査は2006年度から行われていた。同省は検査院の調査を受け、
    2006年度から報償費の使用をやめており、今年度は予算の計上をしなかった。
     同省労政担当参事官室は朝日新聞の取材に対し、報償費の実際の使途は「具体的には言えない」と
    しており、「予算の性格上、相手に配慮した受領書になっていた。使途は問題ないと思っている」と話した。
    2001.3.11、朝日新聞「天声人語」より
     政府の機密費(報償費)の流用疑惑をめぐって、外務省の松尾克俊元室長が逮捕された。
    実は遠く70数年前にも、機密費疑惑が世を騒がしている。
    昔と今と、二つの疑惑には、どこか似た点がある
    ▼疑惑の主は陸軍出身で、のちに首相も務めた田中義一。1925(大正14)年、立憲政友会の
    総裁に迎えられ政界入りしたとき、彼は「持参金」として300万円を用意した。ところが翌26年、
    元陸軍主計(経理担当官)が田中らを陸軍機密費横領で告発し、帝国議会でも問題にされた
    ▼300万円は、現在に換算すれば数十億円にもなろうか。告発状などによると、
    機密費は田中陸相(当時)ら陸軍幹部らの個人名義の預金や無記名の公債の形になっていた。
    金の出入りは正規の帳簿には記されず、勝手に使ってもわからない状態。
    公債を持ち出して換金し、芸者遊びや事業家の友人への融資に使った主計もいた、という
    ▼議会で追求した代議士、中野正剛は「田中君が現れて以後、
    政界の動揺にはつねに金銭がある」と演説した。告発を受理した検察当局は捜査に乗り出したが、
    ある朝、捜査を指揮していた検事が鉄道線路のすぐそばで遺体となって発見される。
    疑惑は結局、なんら解明されないまま、不起訴処分になった
    ▼さて松尾元室長の容疑は、告発状にあった「業務上横領」ではなく、「詐欺」。
    個人が国から機密費をだまし取ったというものだ。
    指摘されていた外交機密費の管理、使途などにからむ組織的疑惑、
    官房機密費が政界工作に使われているという疑惑の解明が、これではウヤムヤになりかねない
    ▼昔の事件がウヤムヤになった翌1927年、金融恐慌で内閣は総辞職。
    代わった田中義一内閣のもとで、治安維持法の改悪、
    大陸への積極的出兵など強硬政策が展開され、時代は戦争へと進んでいったのだった。
     今は考えられないが、昔はばれそうになると軍の部下などに命じて捜査関係者を消していたのだろう。
    代わった検事も怖さで何もできなかったとはいえ、当時の検察当局も落ちていたもんだ。

    機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出
     歴代内閣が使途を明らかにしていない官房機密費について、
    平野官房長官は2009年11月20日、2004年度以降の国庫からの月別支出額を公表した。
     毎年度4月に2億円が支出され、その後は月1億円程度が支出されていたが、
    2009年は衆院選2日後の9月1日、当時の麻生内閣の官房長官だった河村建夫・衆院議員が
    2億5000万円を請求して支出を受けていた。政権交代が決まった直後、
    なぜ突出した額の機密費を引き出したのか、議論を呼ぶものとみられる。
     平野官房長官は、情報公開法で保存が義務付けられている過去5年分の記録のうち、
    月別支出額は過去の開示請求でも開示しているとして、歴代内閣で初めて公表した。
     2008年度までの5年間、小泉、安倍、福田内閣の歴代官房長官は毎年4月に、
    2回に分けて計2億円を請求して支出を受けている以外、5月から翌年2月まで月1回、
    ほぼ1億円ずつ支出を受けていた。3月は請求がなく、
    年間の支出額は約11億9500万円〜約12億3000万円だった。
     2009年度も麻生内閣では、4月から8月までは例年通りの支出だったが、
    8月30日の衆院選で民主党が圧勝した2日後、河村前官房長官から2億5000万円の請求があり、
    全額が支出されていた。これについて、河村前長官は20日夜、「政権にある立場ではないので、
    特に述べることはない。内容、詳細、使途については非開示を原則としている」と語り、
    衆院選の費用を補填(ほてん)したのではとの質問には「それも非開示だ」と答えた。
     一方、平野長官はこの日の記者会見で、河村前長官から官房機密費に関する引き継ぎを受けた後、
    金庫の中には現金が全く残っていなかったとした上で、「前政権の官房長官が必要に応じて支出された。
    国民目線からおかしいと言っても、私の立場でコメントするのは差し控えたい」と話した。
    使途の公開の是非などについては今後1年間かけて検証する考えを改めて示した。
     平野氏が公表した同資料によると、機密費は毎月約1億円、年間およそ12億円が内閣府に
    請求されていた。しかし河村氏は、9月1日付けで通常の2.5倍に当る2億5000万円を請求した。
    平野氏によると、河村氏から引継ぎを受けた9月17日時点で、
    官邸の金庫には「(残高が)全くなかった」と発言した。
     自民党は政権交代後に何故機密費を使う必要があるのか。歴代の自民党政権は非開示を
    隠れみのにこんなことばかりしてきたのか。官房機密費の全ては国民の血税で、正に税金泥棒だ。
    金庫の残金は新政権に引き継ぐべきで、政権交代後の使途は徹底して追及すべきだ!!
    「政権にある立場ではないので、特に述べることはない」と河村前官房長官は言うが、
    それなら政権交代後には政権にある立場でなかったのに、何故機密費を引き出したのか。
    国に対する背任行為だ。すでに権限がなかったことと、使途によっては事件性もありうる。
    参 : 捜査報償費A33

    外務省は2004年4月22日に外交機密費に関する文書を初めて部分公開し、その中で
    レセプションと称される行事に数十万円から数百万を使っているが、参加人数や招待者氏名は
    黒塗り扱いなどの非公開とされているため、1人あたりの単価などはわからないのである。
    また、2003年3月に「在外公館に飾るため」として、6点で計約883万円の日本画を
    日本橋の高島屋で購入していたことがわかったが、大使館ならまだしも、
    公館に何故900万近くの絵を飾る必要があるのだろうか。
    すべて税金を使うのだから、見栄を張らずに1点10万円程度の絵にしてほしいね。
    複数の内閣官房経験者を取材すると、「毎月1億円を領収書なしで自由に使える」
    「いくら使っても翌日には事務方が補充してくれた」など、使い勝手の良さを証言しているが、
    一切書類に残す必要は無く、領収書も出納記録も一切必要ないから、
    国民の血税を国会対策や海外視察時などの餞別や官邸内での晩餐会などのための
    高級ワイン購入に使ったりするのだ。
    もともと、機密費は国内外の情報を早く、的確に知るスパイ活動のような費用として使う目的で計上され、
    そのために使途も、支出先の証明や使用目的の公開も不要の、名目が「報償費」という予算であり、
    国民には公表しないことになっているが、戦争をしない平和憲法を遵守している日本国が年間14億円を
    超える税金をこのようなことに使う必要はない。つまり、外交機密費や官房機密費という制度は廃止し、
    はっきりした名目の予算にすべきである。たとえ、外交を有利に展開する上で一定の機密費は
    必要としても、年間1億円もあれば十分に情報収集くらいできるはずで、
    全くベールに包まれた現状では国民の理解は得られないばかりか、税金泥棒と言われてもしかたがない。
    戦時中でもないのにスパイ活動に使ったとしても、工作員何人に何億円使ったとか、
    情報提供者Aさんに何百万円の礼金を支出したとかの公開くらいできるではないか。
    そして領収書とともに保存期限の5年後に国民に公開したとしても何ら国家に不都合が生じることはない。
    核の闇市場のように、今の機密費は「
税金の闇市場」ではないか。

    機密費2億5千万円の説明を
    (朝日新聞2009.11.27「声」より、栃木県柳那須塩原市の栃澤 勝也さん(73歳)の投稿文紹介)
     総選挙2日後の9月1日、内閣官房報償費(官房機密費)が2億5千万円も使われたという
    報道に驚き、あきれた。自公政権時代には、月平均約1億円の支出があったようだが、
    この日の金額は突出している。この時期になぜ、これほどの大金が必要になったのか不思議だ。
     当時の河村健夫官房長官は「説明する立場にない」と使途を明らかにしようとせず、
    平野博文官房長官も「前政権のことだから」と述べるにとどまる。機密費は国家機密にかかわるため
    公表してこなかったようだが、税金を納めている国民はその内容を少しでも多く知りたいのだ。
     前政権の関係者は「選挙に負けたのだから最後にパッと使ってしまえ」と考えたわけではあるまい。
    国民が納得できる説明をすべきだ。
     また、民主党は元々、官房機密費は公表すべきだったはず。その考えを貫徹してもらいたい。
     私としては機密費の使途内容は少しでも多くではなく、全てを知りたい。それは税金だからだ。
    民主党も「こんなおいしい裏金は前政権と同じように使うことにしよう」と思っているのだろうか。
    使ってもかまわないが、数年後の公表でもよいから使途はすべて明らかにすべきだ。

    官房機密費こそ事業仕分けを
    (朝日新聞2009.12.4「声」より、福岡県古賀市の斉藤 節子さん(82歳)の投稿文紹介)
     「機密費2億5千万円の説明を」(11月27日)を読み、全く同感である。
    領収書がいらず、使途公開も必要ないという官房機密費。なぜ非公開なのかを首をかしげたくなる。
    民主党は機密費の透明化や大幅削減をうたってきたはずではないのか。
     政権に就くや平野博文官房長官は、衆院選2日後の2億5千万円の国庫からの支出記録を公表した。
    その内容については「前政権の時の支出だ。私が根堀り葉掘り、
    おかしいということは差し控えたい」と述べている。
     受け取った当時の河村健夫官房長官は「使途についてはこれまでも非公開だ。
    説明する立場にない」と語った。どちらもどちらで逃げ腰である。
     ほぼ毎月1億円、年間12億円前後の金額が引き出されている機密費。
    それこそ「事業仕分け」を足元からやるべきではないか。
     この不景気、庶民の日々の生活はつましく、どう考えても機密費の闇金を理解することはできない。
    鳩山首相は常に国民の立場に立ってとおっしゃる。
    ならばこの際、機密費の内容を明確にすることから初めてもらいたい。
     月に1億円の機密費でも多過ぎると思っていたのに、
    政権担当でなくなると分かった直後に2倍半もの機密費を引き出す理由はないはずで、
    数日で2億5千万もの国民の血税を使った内容は明確にすべきだ!
    機密にするのは外国での工作員や情報提供者への礼金くらいしかないはずで、
    数日でどうしてこんに大金が必要なのだ。こんな闇金こそ、細かく仕分けしてほしい。
    平野官房長官も「湯水のように使えるこんなおいしい機密費を公表することはさらさらない」
    とでも思っているのだったら、透明化をうたう民主党の公約に反している。
    無駄な金と闇の金の洗い出しは国民の願いである。
    民主党は国の借金を減らすとともに、機密費の透明化を図ってほしい。

    機密費5年以内に全面公開を
    (朝日新聞2009.12.5「声」より、熊本県菊池市の農業・本山 幸博さん(51歳)の投稿文紹介)
     平野博文官房長官は先月、鳩山政権発足後、9月と10月の2回に分けて計1億2千万円の
    内閣官房報償費(官房機密費)を内閣府から受け取っていたことを公表。さらに衆院選2日後の9月1日、
    当時の麻生内閣の河村健夫官房長官が2億5千万円を受領していたことも明らかになった。
     しかし、使途内容は公開せず。今後公開するかどうか、平野氏は来年度1年間、
    経過を検証した上で判断するという。民主党が野党時代、内容公開を厳しく要求した事項であり、
    政権獲得後は直ちに公開すると思われていただけに残念な印象だ。一部でも税金使途に
    不明部分を残しては、国民の真の信頼は得られないと鳩山政権は自省すべきではないだろうか。
     外交上、政治上、機密にすべき内容も存在するだろうが、
    永遠に税金の使途を国民に非公開とする権限まで政権与党に付託することは、制度上も間違いであろう。
     私は、検証も含めて5年以内の全面公開を提案する。そして、公表時点で、
    内容に不正があった場合、執行者の刑事責任(業務上横領罪など)告発はもちろん、
    当時の政権政党に機密費全額の返済義務を負わせる法制化を提案する。
    国民が最も期待する公費のムダ廃絶を民主党政権が掲げる以上、
    自らの公費に関しても、襟を正すべきは必然のことだろう。
     何で1年間も検証する必要があるのか。自分たちで使ってみて「おいしい」と分かるまでの期間なのか。
    官房機密費はどうなったのか
    (朝日新聞2010.2.1「声」より、東京都大田区の評論家・中澤 孝之さん(75歳)の投稿文紹介)
     衆議院議員選挙直後の2009年9月1日、当時の河村建夫官房長官は
    内閣官房報償費(官房機密費)として2億5千万円もの大金を引き出し、その使途は不明のままです。
    小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体を巡る疑惑で、土地購入代金4億円のうち
    1億円が裏金ではないかと騒がれていますが、金額的には機密費の方が大きい。
    しかも国民の貴重な税金です。にもかかわらず、マスコミは小沢疑惑にかかりきりです。
     本紙は1月18日の夕刊(一部19日朝刊)で、大阪市の市民団体が東京地検特捜部に
    河村前長官を背任容疑などで告発したと小さく伝えました。
    小沢幹事長は市民の告発に基づき「容疑者」として検察の事情聴取を受けたと報じられていますが、
    河村前長官の場合はどうなるのでしょうか。
     検察当局は告発後の処理について説明する義務があるし、
    マスコミは当局に問いたださなければならない。また、今国会でも、取り上げられるべき重要な案件です。
     場合によっては、河村前長官を参考人招致あるいは証人喚問すべきでしょう。
    この問題を決してうやむやにしてはならないと思います。
     10カ月経っても何も出てこないのは、民主党政権と自民党、検察当局との
    小沢幹事長の疑惑もからめた裏取引があったと疑いたくもなる。
    機密費といえども国民の税金なので、疑惑の2億5千万円の使途は明らかにすべきだ!

    野中氏が暴露、機密費にあ然
    (朝日新聞2010.5.19「声」より、大阪府豊中市の片山 明彦さん(71歳)の投稿文紹介)
     秘密のベールに包まれてきた官房機密費の使い道について、小渕内閣で官房長官を務めた
    野中広務氏が暴露した、と報じられた(5月1日)。その内容に驚かされた。
     毎月5千万〜7千万円使っていたと、野中氏は記者団に語っている。首相の部屋に1千万円、
    野党工作などのため自民党国対委員長に500万円程度毎月渡していたほか、野党議員にも
    配っていたという。政治評論家から自宅の新築祝いに3千万円要求されたこともあったらしい。
     機密費といえば、2009年9月の政権交代時、自民党が国庫から2億5千万円引き出し、
    残金ゼロで民主党政権に引き継いだことが分かって問題となった。
    一方、野党時代に厳格な支出基準や使途の公開を求めていた民主党は、
    政権を握ると一転して消極的な姿勢が目につく。
     年間約14億円もが領収書なしで使え、会計検査院の検査も形ばかりという。
    野中氏の告白で、いかに不適切な使われ方をしているかがはっきりした。
    税金のムダ遣い排除を掲げて事業仕分けを公開の場で展開している民主党政権だが、
    機密費こそ真っ先にメスを入れるべきではないのか。
    巨額の税金が闇に消えていく機密費は政治をゆがめかねず、即刻廃止していただきたい。
     餞別に使ったり、競馬馬を購入したり、女性との交際に使ったりなとなど、
    本当にひどい税金泥棒を長年に渡って平然と行なってきた自民党のやりかたにメスを入れるどころか、
    こんなおいしいものは私たちにも使かわさせてもらうかのように、
    自民党が国庫から引き出した2億5千万円の使途の追及さえ、民主党は目をつぶったのである。
    民主党は野党時代に言っていたことと、政権の座に着いてからの言動は一致しないことが多く、
    本当に政治を勉強して政治がやれる政党かと疑いたくもなる。
    マニフェストは絶対的なもので、首相の言葉も同じように重いものである。
    議会制民主主義を否定するような度重なる強行採決(同じことを現民主党政権も見習っている)、
    長年に渡って充実してきていた福祉の後退・弱者切捨て、法人には減税をしながら、
    一般国民には有無を言わせぬ大増税をし、野中氏を追い出した自民党小泉政権に、
    野中さんの機密費の暴露は国民を代表しての復讐をしてもらったような気がする。
    当の小泉氏は強引な政治を貫き通し、息子に地盤を譲ってちゃっかり政界から退き、
    悠々自適に過ごしているが、息子が言う国会での「強硬採決反対」の声はむなしく聞こえる。

    官房機密費は国家による脱税まがいの事案(週刊朝日編集長・山口一臣さんの「タブーなし」より)
     元官房長官、野中広務氏の発言をきっかけに官房機密費によるマスコミ汚染問題が
    注目を集めています。週刊ポストが大キャンペーンを展開中で、週刊大衆も追及を始めました。
     週刊朝日は先週(2010年7月2日号)、外務省の外交機密費によるメディア懐柔の
    手口を明らかにしています。いずれも、権力とメディアの癒着という看過できない問題ですが、
    機密費に関してはもうひとつ、あまり指摘されていない重大な視点があります。
     それは「国家による脱税まがいの事案」だということです。
    機密費は、その使途も支払先も明らかにされていません。
    つまり、毎年、税の補足をされない何十億円ものカネが政府から流出していることになります。
     7月2日号の週刊朝日では、元外務省主任分析官の佐藤優氏が
    初めて機密費を受け取ったときの様子を生々しく証言しています。
    海外出張に出かける際に官邸から呼び出しを受け、秘書官から30万円を手渡されたというのです。
     また、週刊ポストの報道によれば、世論形成に影響のある識者、
    評論家などには百万円単位で機密費が渡されることがあるそうです。
    自宅を新築したからといって数千万円を要求してきた輩がいたという話まであります。
     当然、これらの所得は申告されていません。出した側も、受け取った側も口を割らない、
    闇から闇への使途不明金です。課税を逃れたカネが過去に何百億、何千億円もあったわけです。
    問題はこれを、国民に対しては厳しい納税の義務を課している国家が、
    自ら手を染めているということです。こんなバカな話があるでしょうか。
     末端の税務署員であるマルサなど、徴税の現場では身を粉にして昼夜休みなく働いている
    人たちがいる一方で、政府の中枢では課税逃れを奨励しているといわれても仕方ないことでしょう。
    国家が税に関してこれほど明らかな不正を続ける一方で、政府は消費税の税率アップを目論んでいます。
    わたしは、いずれ消費税率は上げなければならないと考えていますが、
    こうした不正を一掃してからでなければ納得はできません。
     もちろん、国家にとって支出先を「機密」にしておきたい事案があるのはわかります。
    しかし、その使途について一定の時期を経て明らかにするシステムが必要です。
    いまは秘密にする必要のある支出でも、後世の国民に対して恥ずかしくない
    カネの使い方をしているという自負があるなら、一定の年月を経たあと、
    機密を公開することはできるはずです。いくつかの先進国はすでに実施しています。
     そうしたシステム構築の模索もしないで、延々と「脱税」を奨励し、国民にだけ負担増を強いるのは
    絶対に許されることではありません。今後、政府がこの機密費問題をどう扱うか、
    週刊朝日は消費税の税率引き上げ問題と絡めてきちんと監視していきます。
     私が長年主張している通りで、一定の年月を経たあと、機密費を公開し、透明化を図るべきだ!
    マスコミは官房機密費の調査を
    (朝日新聞2010.9.11「声」より、長崎市の大学教授・根本 孝幸さん(55歳)の投稿文紹介)
     マスコミは世論調査が好きらしい。内閣の支持率などは毎月のように報道される。
    特に今日このごろは「どちらが民主党代表にふさわしいか」と調査をして、
    新聞やテレビをにぎわせている。日本を預ける人を決めるのだから、それも重要だろう。
    しかし、どれだけの意味があるのだろうか。
     それよりもやるべき調査がある。それは官房長官などを歴任した元自民党衆議院議員・
    野中広務氏が4月に暴露した内閣官房機密費の使い道である。氏によれば国会議員だけでなく、
    有力な評論家諸氏にも盆暮れに配り、持っていって断られたのは田原総一朗氏だけだったとしている。
     このまま放置すれば、評論家諸氏、そしてマスコミ関係者も懐に入れていたと受け取られかねない。
    マスコミが政治家や財界、官僚の汚職、腐敗などを糾弾するならば、自らは清廉でなくてはならない。
    だが、この問題に対して多くのマスコミが、臭いものにふたをしているように思える。
    徹底的に調査し、その事実を公表すべきである。
     朝日新聞は6月18日の〈紙面モニター←→報道・編成局〉で、東京本社編成局長が
    「朝日新聞社についてはそのように事実はありません」と述べていたが、扱いが小さかった。
     自浄作用を示す姿勢が見られないマスコミが、「賭博をした」と名乗り出た関取を非難する報道に、
    違和感を覚えるのは私だけではないと思う。ペンは剣よりも強いが、汚れたペンで美しい文字は書けない。
    機密費非公開、誠意なき官房長官
    (朝日新聞2010.12.16「声」、北海道北広島市の会社員・中村 孝太郎さん(57歳)の投稿文紹介)
     4月から11月までの8カ月間に計9億円の官房機密費が国庫から引き出されたことが明らかになった。
    しかし、仙谷由人官房長官は「日々のプロセスを公にすることは全く考えていない」と延べ、
    またも機密費の使途秘匿を宣言した。
     自民党政権以来、官房機密費の使途は完全に秘密扱いされてきた。しかしそれを批判してきた
    民主党が政権についたことで国民の公開への期待は高まった。それが見事に裏切られた。
    あれだけ自民党を批判し、情報公開を叫んでおきながら、
    いざ自分が機密費を使える立場になると使途は公開しないというのでは言行不一致の極みだ。
    官房長官には政権交代に寄せられた国民の期待に応えようという誠意が全く感じられない。
     冷戦時代ならまだしも今の平和な日本に毎月1億円以上の巨額な機密資金が本当に必要なのか。
    本当に必要なら予算措置すべきだし、最低でも数年後、常識的に秘密保持の必要がなくなった時点で
    使途を公開するとか、会計検査院の対象にするとか、積年の悪習を是正すべきだろう。
     永久に国民には公開できないということは、
    毎月1億円もの税金を政権政党のヤミ政治資金にしているとしか思えない。
    納税者として腹立たしい限りで、政権交代に期待した自らの不明について慙愧(ざんき)に堪えない。
     多額の官房機密費を国民が問題視するのは、何に使うかが分からない金が国民の税金だからだ。
    日々のプロセスを公にしないでもよいが、税金の使途は後年になっても国民に公開する必要がある。

    消えた官房機密費、どうなった
    (朝日新聞2011.2.9「声」、熊本県荒尾市の梅木 博之さん(63歳)の投稿文紹介)
     民主党の小沢一郎元代表が政治資金規正法違反の罪で強制起訴されましたが、「収賄」「不正献金」
    「脱税」等ではなく「虚偽記載」、すなわち記載年度が違うという事務手続き上の共謀の問題です。
    このことが自民党や公明党の言う「政治とカネ」の問題なのでしょうか。
     ならば政権交代が確実になった2009年8月の衆院選の2日後に、河村建夫官房長官が、
    官房機密費2億5千万円を引き出したという事実をどう考えればいいのでしょう。
    小沢氏の件と河村氏の件を比べれば、どちらが国民の税金を食い物にした「政治とカネ」の問題か、
    明瞭ではないでしょうか。自民党及び公明党は、当時の政権与党として、
    「消えた2億5千万円」を調査し、その使途を国民の前に明らかにする義務があると思います。
     それにしても不思議なのは、民主党がこの件について何も言わないことです。
    まさか「自分たちも下野する時、同じことをしようと思っているから」なんてことはないでしょうね。
    違うと言われるのなら、事実解明のため河村氏の国会招致を提案されてはいかがでしょうか。国民は、
    少なくとも私は、納めた税金が訳のわからない使われ方をすめなら、増税に同意することはできません。
     自民党をはじめ、各党から寄せ集めの民主党だから「おいしい官房機密費」の使途は
    良く知っているからで、こんなボタ餅は食すに限るからでしょう。
    税金のムダ遣い排除を掲げて事業仕分けをしている民主党と、
    領収証も不要で使途を明らかにしなくてよい機密費による税金のムダ遣い、
    いや税金詐欺を行っている民主党はあまりにもかけ離れている。本当のクリーンな政党になってほしい。
























































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