漢字関連(YSミニ辞典)

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漢字(a Chinese character)かんじ : 本字。真字。真名(まな)。男文字。
    中国語を表すため、漢民族の間に発生・発達した表意文字のことで、
    漢民族のつくった文字という意味である。今日でも中国・日本・韓国などで使われている。
    原則として、一字一音節で一語を表す。
    殷墟から出土した紀元前15世紀頃の甲骨文字が現存最古のもの。
    成り立ちからみて、象形・指事・諧声・会意・仮借(かしゃ)などの種類があるとされる。
    日本に伝来した漢字としては、1世紀頃の貨泉や委奴国王(わのなのこくおう)の金印などが古い。
    5万字ほど作られたが、一時代で実際に使われたのは5千字程度である。
    日本では、これから片仮名・平仮名などの音節文字が生み出された。
    ちなみに、12月12日は「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」(いい字1字)の語呂合せで、
    日本漢字能力検定協会(漢検)が1995(平成7)年に制定した「漢字の日」である。
    毎年、その年の世相を象徴する「今年の漢字」を全国から募集し、この日に京都の清水寺で発表される。
    仮名の誕生 : 古墳時代に日本に入って来た漢字は、
     500年ほどの時間を経て仮名を生み出していった。漢字がその意味を無視して、
     その音(おん)だけを使う仮名的用法に使われだしたのは万葉仮名からである。
     「星」を「保思」、「草」を「久佐」と書いたりするのがその例である。
     漢字は真名と呼ばれていた。仮名はそれに対するものである。仮名には平仮名と片仮名がある。
     平仮名は漢字を草書化したもの、片仮名は漢字を省略したものである。「以呂波」を草書化したのが
     平仮名の「いろは」であり、「伊呂八」を省略したのが平仮名の「イロハ」である。
    当用漢字 : 学校教育における漢字の弊害とローマ字の活用という連合国軍の占領政策により、
     1946(昭和21)年に内閣から告示された「漢字の全廃」を目的に、
     全廃まで当面使用できる漢字表に掲載された1850字の漢字を指す。
    常用漢字 : 一般の言語生活で用いるうえの目安として定められた漢字のことで、
     偶然に無条件降伏の年と同じ1945字からなる漢字である。
     つまり、1981(昭和56)年10月1日の内閣告示第1号により、当用漢字に95字を新たに加え、
     最低限これだけ学べば一般生活に支障はないという「常用漢字表」に掲載されている漢字を指す。
     新聞や雑誌、法令や公用文書では、常用漢字だけが使われる。
     出版者やそれぞれの編集部の方針によって異なる基準が使われるものの、
     常用漢字以外の文字はまったく使われないか、似た文字で置き換えられてしまうか、
     そこだけひらがなで表記されることになる。漢字の数を制限するという
     常用漢字が作られた背景には、難解な漢字を排して学びやすくすることが目的だったのだが、
     逆に常用漢字でない漢字をすべて殺してしまう結果になった。
    学習漢字 : 「教育漢字」とも呼ばれ、新学習指導要領案により、常用漢字のうち、
     小学校6年間で学習することが決められている1006字のこと。
     1年80字、2年160字、3年200字、4年200字、5年185字、6年181字と決められている。
    人名漢字 = 人名用漢字
    和製漢字 : 日本で作られた漢字のことを指し、「国字」ともいう。710(和銅3)年から
     784(延暦3)年までの都となった平城宮の跡からは、「鰯」という字が刻まれた木簡が発掘されている。
     和製漢字が作られる以前は、漢字の読みを借りて表音文字として表す万葉仮名(真仮名ともいう)で
     書き表していたようである。和製漢字が表す概念の典型的なものとして、
     もともと中国で作られた漢字では表現できない日本固有の物事や事象がある。
     例えば、日本人が昔から食べてきた魚には、中国大陸の食生活に登場しないものが多く、
     結果としてその魚を表す漢字が存在しない。そういった場合に、
     漢字の構成原理にしたがって新たに漢字を作られた「鱈(たら)」「鯖(さば)」「鰤(ぶり)」などがある。
     また、「峠」「働」「榊(さかき)」「椛(もみじ」「雫(しずく)」なども和製漢字で、
     これらすべては漢字に含まれている。
    表外漢字 : 「常用漢字表に含まれない文字」のことをいう。
    非漢字 : 漢字以外のすべての文字(記号も含む)を指す。
    漢字コード : 漢字コード(パソコン用語集)
    参 : A14
漢字検定(かんじけんてい) : 「日本漢字能力検定」の通称。漢検。
    漢字の読み書きの能力を問う文部科学省認定の技能検定のこと。
    1975(昭和50)年に財団法人・日本漢字能力検定協会が主催した試験が始まりで、
    1992(平成4)年6月4日に文部省(現在の文部科学省)認定の資格となった。
    受験者数は年ごとに増加しており、平成17年度には実に年間約240万人もの人が受験している。
    年齢も、4歳の幼稚園児から94歳の方までという大変な幅の広さがある。
     試験の日程は、原則として年3回以上。検定会場は各都道府県に設置されている公開会場のほか、
    学校や企業などで受験できる準会場という制度もある。
    また、申し込みも個人で出願する方法のほかにも、学校・企業等で一定数以上の志願者がまとまれば
    団体申し込みという制度も利用できる。
     試験は、審査基準により10級、9級、8級、7級、6級、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、
    1級までの12段階にわかれているが、10級と9級は平成18年度の第1回試験から新たに設けられた。
    なお、1級と準1級については公開会場のみでの実施となる。
    参 : 漢字検定合格講座(生涯学習のユーキャンHP)
今年の漢字(ことしのかんじ) : 「今年を表す漢字」、「今年を表現する漢字」などとも呼ばれ、
    財団法人日本漢字能力検定協会(本部・京都市下京区)が、漢字の奥深さを知ってもらおうと、
    その年の日本や世界の世相をイメージする漢字1字の公募を日本全国より行い、
    その中で最も応募数の多かった漢字で、その年の世相を表した漢字1字のことである。
    1995(平成7)年より始まり、毎年12月12日の「いい字」を1字は覚えてほしいという意味を込めた
    「漢字の日」に京都市東山区の清水寺で発表される。発表時には、清水寺の奥の院舞台にて、
    森清範貫主(もり・せいはん・かんす)(1940年生まれ、同協会の理事も務める)により
    縦1.5m、横1.3mの巨大な和紙に漢字一字が一気に書き上げられる。
    その後、本尊の千手観世音菩薩に奉納される。
    第一生命保険の「サラリーマン川柳」、住友生命保険の「創作四字熟語」、
    自由国民社の「新語・流行語大賞」、東洋大学の「現代学生百人一首」と並んで、
    現代の日本の世相を反映する一つの指標として使われることが多い。
    また近年では発表直前の12月上旬には、一部のニュース番組やワイドショー等の
    マスメディア(ニュースJASPAN・ミヤネ屋等)において、いわゆる「10大ニュース」的な
    当年のニュース回顧を兼ねて「今年の漢字」の予想を行うことが恒例になりつつある。
     2008年は11月1日〜12月5日に全国348カ所に応募箱を置き、インターネットやハガキ、
    学校や塾の集団応募も受け付けた。過去最高の延べ11万1208人から応募があり、
    一位の「変」以下10位までは順番に「金」「落」「食」「乱」「高」「株」「不」「毒」「楽」だった。
    
    本当に2008年は「変」な1年だった。2009年は良い方向に「変革」して欲しい。
    はがきやインターネットを通じて「変」は全体の約5%にあたる6031人が応募し、
    1番多かったので選ばれたわけだが、2位の「金」は2000年に選ばれているのに
    3211人も応募があったのは何故でしょう。3位は「落」の3158人でした。
    ちなみに、2008年のミヤネ屋の宮根さんの予想は「崩」だった。
    2011年は「災」か「震」を私は予想したが、「絆」はまったく浮かばなかった。
    清水寺の森貫主が毎年揮毫(きごう)しているのは筆字が上手いからだという。
    ちなみに、中国教育省の研究機関などが主催する今年の漢字に選ばれたのは、
    コントロールを意味する「控」。「政府は物価の抑制に努力し、
    庶民はそれがうまくいくことを希望している」というのが理由だという。去年も値上がりという意味の
    「漲」が選ばれていて、中国が物価高に悩んでいることが改めて浮き彫りになった。
    
歴代一覧
年代 漢字 理由
1995年
(平成7)
(シン・ふるえる)
兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)発生。
地下鉄サリン事件や金融機関の倒産などによる社会不安の拡大。
1996年
(平成8)
(ショク・たべる)
O157による集団食中毒の多発、それによる学校給食などへの影響。
税金や福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発。
牛海綿状脳症(狂牛病)の発生。
1997年
(平成9)
(トウ・たおれる)
相次ぐ大型企業の倒産や銀行の破綻。山一證券の廃業。
サッカー日本代表がFIFAワールドカップのアジア地区予選で
強豪を倒して出場決定。
1998年
(平成10)
(ドク)
和歌山毒物カレー事件の余波で毒物混入事件が多発。
ダイオキシンなどへの不安の高まり。社会問題となった環境ホルモン
1999年
(平成11)
(マツ・すえ)
1000年代、1900年代、1990年代の最後(世紀末)。
東海村JCO臨界事故発生。翌年への「末広がり」の期待を込めて。
2000年
(平成12)
(キン・かね)
シドニーオリンピックで、女子柔道の田村亮子、女子フルマラソンの
高橋尚子が金メダル。金大中と金正日による初の南北首脳会談
での南北共同宣言。長寿姉妹のきんさんぎんさんの成田きんが逝去。
2001年
(平成13)
(セン・たたかう
・いくさ)
アメリカ同時多発テロ事件発生。対テロ戦争。
アメリカのアフガニスタン侵攻が始まる。
2002年
(平成14)
(キ・かえる)
初の日朝首脳会談により、北朝鮮に拉致された日本人が
日本に帰国。日本経済がバブル期より以前の水準に戻る。
昔の歌などのリバイバルヒット。
2003年
(平成15)
(コ・とら)
イラク戦争の勃発。「虎の尾を踏む」ような自衛隊イラク派遣。
阪神タイガースが18年振りにリーグ優勝。
2004年
(平成16)
(サイ・わざわい)
新潟県中越地震発生。台風23号が上陸して多大な被害を与えた。
美浜発電所の事故や三菱リコール隠し。
2005年
(平成17)
(アイ・いとしい)
愛知万博の愛・地球博の開催。紀宮清子内親王と
黒田慶樹さんが結婚。卓球の福原愛の中国での活躍。
「あいちゃん」という愛称の女性の活躍が目立った。
親が子を、子が親を殺すなど「愛の無い事件」が目立った。
2006年
(平成18)
(メイ・いのち)
悠仁親王の誕生。小学生、中学生の自殺多発。
北朝鮮の核実験。臓器移植事件、医師不足などによる命の不安。
2007年
(平成19)
(ギ・いつわる
・にせ)
不二家を始めとする、「白い恋人」や「赤福餅」など食品表示偽装
次々と表面化。年金記録問題の発覚。防衛省の汚職問題の発覚。
テレビ番組『発掘!あるある大事典II』による捏造問題。
2008年
(平成20)
(ヘン・かわる)
日本の首相交代やオバマ次期米大統領の「チェンジ」(変革)など
内外の政治の変化、株価暴落や円高ドル安などの経済の変化、
食の安全性に対する意識の変化、世界的規模の気象異変による
地球温暖化問題の深刻化、スポーツ・科学分野での
日本人の活躍に表れた時代の変化などの意味が込められ、
政治・経済をはじめ、よくも悪くも変化の多かった一年を象徴した。
2009年
(平成21)
(シン・あらた・
あたらしい)
さまざまな「新しいこと」に期待し、希望を抱いた1年。
自由民主党・公明党に替わる政権交代で、鳩山由紀夫新政権発足、
バラク・オバマアメリカ合衆国新大統領就任など、政策・行政の刷新。
裁判員制度高速道路料金割引制度などさまざまな新制度が
スタート。新型インフルエンザの流行で新薬が登場。
米大リーグ・マリナーズのイチロー選手の連続200本安打新記録や
高速水着による競泳の世界新記録ラッシュなどといった世相を反映。
2010年
(平成22)

(ショ・あつい)

記録的な「猛暑」により熱中症にかかる人が続出し、
これに伴い野菜価格が高騰し、熊なども人里に出没した。
今夏の平均気温が統計史上最高を記録したことや、チリの
コピアポ鉱山落盤事故で作業員33人が「暑い」中から全員が生還
したこと、1万度の突入温度から帰還した「はやぶさ」なども反映。 

2011年
(平成23) 

(ハン・きずな) 
2位は私も予想した「災」、3位は「震」だった。
日本国内では東日本大震災や台風による大雨被害、
海外ではニュージーランド地震、タイ洪水などが発生して
大規模な災害の経験から家族や仲間など
みじかでかけがえのない人との絆の大切さが見直された。
一方、ワールドカップ(W杯)で初優勝した「なでしこジャパン」の
チームワークの絆には日本中が感動し勇気付けられた。応募総数は
過去最多の49万6997票で、トップの「絆」は6万1453票。
    参 : 財団法人日本漢字能力検定協会(HP)
常用漢字表(じょうようかんじひょう) : 漢字使用の目安として、1981(昭和56)年に
    内閣から示された1945字の漢字群である。新聞・放送もこれにもとづいている。
    常用漢字表制定から24年後の2005(平成17)年、文化審議会国語分科会(旧「国語審議会」)は、
    同表を見直すことを決め、2010(平成22)年春に「『新』常用漢字表」を
    文部科学大臣あてに答申することをめざし、審議を継続している。
    参 : 常用漢字表(HP)、常用漢字表(文科省HP)、A14

    常用漢字表は必要だろうか
    (2010.7.1、朝日新聞「声」より、山口県下関市の牛島 正行さん(78歳)の投稿文紹介)
     本紙6月20日付の「新常用漢字」についての社説を読みながら、文化審議会はなぜ
    「常用漢字表」という窮屈な枠を設けて、漢字の使用を限定するのか疑問に思った。
     「常用漢字表はあくまで目安だ。固有名詞や、個人が使う字を縛るわけではない」と社説にはあった。
    だが、新聞社への投稿文に常用漢字表外の漢字を使用した場合、たいてい平仮名に直されている。
    漢字なら一目で意味が理解できるのに、平仮名では同音異議語の区別がつかない場合もある。
    また、投稿文に使用する漢字を、常用漢字かどうか
    いちいち辞書で確かめて書かなければならない手間も煩わしい。
     この度、新たに196文字を追加して、使用頻度の低い5字が削除されるという。
    常用漢字は、義務教育で読み書きを習う漢字である。
    常用漢字表外の漢字を平仮名表記することは、漢字習得を阻害していないだろうか。
     昔は、小学校6年生程度で略字ではない旧字体の正字を、たいていは読み書きできた。
    しかし、現在は平仮名との混成熟語を普及させ、識字水準を低下させている感がある。
    難解な漢字には読み仮名(ルビ)を振ればよいわけで、常用漢字から漏れた漢字は、
    いつか読めない文字となり、淘汰(とうた)されないか気に掛かる。
人名用漢字(じんめいようかんじ) : 国民が社会生活を営む上で、複雑・難解な漢字は本人はもとより
    関係者にも不便や支障を生じさせるゆえに制限すべきだとして、
    常用漢字以外に定められた人の名前に使うことのできる漢字を指す。
    戸籍法および同施行規則により、子の名には「常用平易な文字」を用いることが決められており、
    漢字で使えるのは常用漢字1945字と、法務省令で定める人名用漢字290字である。
    1948(昭和23)年の戸籍法施行で、当用漢字(常用漢字の前身)1850字に制限されたが、
    名前に多い智・彦・也などが使えず問題になった。
    1951(昭和26)年に当用漢字以外の92字も使えるようになり、その後8回も追加された。
    2004(平成16)年9月の改定にともない、983文字の漢字が認められるようになり、
    現在、人名に使える漢字は、常用漢字1945字と人名漢字983字の合わせて2928字になった。

    子供に使える名前が不便や支障を生じるからといって、使える漢字をコロコロ変えるなと言いたい。
    常用漢字の中にも「死・殺・悪・恨…」などがあり、殺男(さつお)や死朗でも認めるのだろうか。
    「悪魔」と名付けたことが問題となったこともあるように、
    使用してもよいとされる多くの常用漢字にも問題を抱えているのに、
    使用することの少ない人名用漢字を、法相の諮問機関・法制審議会の人名用漢字部会まで立上げ、
    わざわざ追加・削除・変更する必要があるのだろうか。
    人の名として適切か否かは、昔から親の良識に任せるより他なく、その名の善悪・好き嫌いは、
    名付けられた子供本人のことである。親に付けられた名が「いじめや差別」になっているとの
    被害者である子供の申告により、変更可能とする立法の方がまだましである。
    「何故?」のA14で批判しているように、漢字文化を弄ばないでほしい。いらぬお世話さ、ほっときな!!
    法制審議会は2004年7月23日、人名用漢字を増やすことにしていた
    糞・屍・呪・癌・姦・淫・怨・痔・妾の9漢字については、反対意見が多いために追加しないことを決めた。
    こんな誰もが忌み嫌うような漢字を人名用に追加する法制審議会の連中は
    気が狂っているとしかいいようがない。水をすくって飲むという際に使う「掬(すく)う」は新たに加えている。
    法務省は「毘」「瀧」「駕」の3字について、裁などが使用を認めたことを理由に、
    法制審の判断を待たずに「人名用漢字」に追加しているが、
    こんなことなら法制審ではなく、人名漢字は家裁の裁きに任せたほうがよいでしょう。































































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