火災(YSミニ辞典)

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火災警報器(かさいけいほうき) : 火災により生ずる熱、煙を感知し、自動的に火災の発生を知らせるもので、
    一般的に感知を行う部分と警報を行う部分が一体化しているものをいう。
    火災警報器は大きく分けると「煙」に反応するタイプ( 煙式)と、「熱」に反応するタイプ(熱式)の
    2種類がある。また、設置方法によって乾電池タイプと配線タイプ(100Vタイプ)の2通りに分けられる。
    配線タイプには、出火した部屋以外の火災警報器に連動して火災を知らせるタイプもある。
    住宅用火災警報器(じゅうたくようかさいけいほうき)
     火災報知機の一種で、主に一般住宅に設置され、
     火災により発生する煙や熱を感知して音声やブザー音で火災の発生を知らせてくれる器具のこと。
     基本的な動作原理はビル等に設置する自動火災報知設備と同じであるが、
     自動火災報知設備が感知器、受信機、ベルなどの構成機器を配線して動作させる
     システムであるのに対し、住宅用火災警報器は感知器そのものが音声やブザー音を発し、
     単体で動作するものである。なお、連動型の機種も存在する。
     2006年6月から新築住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務付けられた。
     建物火災死者の9割が住宅という現実を受けて、
     大切な命を守る対策として消防法が改正・施行され、新たに新築住宅での設置が義務付けられた。
     設置場所についての基本的な考え方は、まず寝室に取り付けることと、
     煙の通り道である階段部分に設置することである。
     また、寝室に使用しない居室が5以上ある階の廊下にも設置するように定められている。
      「住宅用火災警報器」には大きく2つのタイプがあり、
     ひとつは「熱」に反応するタイプで、もう一つは「煙」に反応するタイプである。
     火災でもっとも死亡につながりやすいのは、火そのものよりも煙による中毒死である。
     それに、通常は火よりも先に煙を感知することが多いので、「消防法」でも「煙」式を基本に考えている。
     しかし、例外もあり、台所においては調理中の煙などで誤作動する場合もあるので「熱」式の
     「住宅用火災警報器」を認めているケースもある(法律上は「煙」式でも問題はない)。
      また「単独型」と「連動型」があり、「単独型」とは、火災を感知した警報器だけが
     単独で反応するものだが、「連動型」とは、接続された警報器すべてが警報音を発するものである。
     より安心して暮らせるのは家まるごと火災を感知できる「連動型」に越したことはない。
      電源には、電池式と家庭用電源のAC100V式の2種類がある。
     新築住宅には、電池交換の必要がない「AC100V式」がおすすめだが、
     既存住宅には、設置のしやすさから考えると配線工事を伴わない「電池式」が多く用いられる。
     10年ももてる電池もあるが、電池切れの心配や将来のことも視野に入れるなら、「AC100V式」が安心。
      万一の場合に備える「住宅用火災警報器」には確かな信頼性が問われる。
     第三者機関である「日本消防検定協会」鑑定の「NSマーク」付のものは信頼性が高く、
     また日本の現状を配慮した基準をクリアしているので、品質の判断の目安になる。
      耳の不自由な方には、住宅用火災警報器と接続し、火災の発生を「光」で告知する「光るチャイム」や
     高齢者の方にも火災を的確に音と光でお知らせする「火災警報器」など、
     ユニバーサルデザインに対応したものも開発されている。
     またリビングのインターホンに接続して各居室の警報音を知ることができるタイプがある。
     その他にも天井に取り付けに際して、デザイン面に配慮した商品や和室に合うカラーなど
     様々なニーズに対応したものがある。
      住宅用火災警報器は、煙または熱を感知する機器であり、火災を防止する機器ではない。
     また、火災は様々な条件で発生しており、特殊な条件下では住宅用火災警報器を設置していても
     窓が開放状態であった場合等、感知しないことがある。
     これらのことから火災そのものに対する保証は一切ない。
     設置義務化の時期 : 「改正消防法」により、「住宅用火災警報器」の設置は住宅すべてが
      対象となっているが、その義務化の時期については、新築住宅と既存住宅では異なる。
      新築住宅・・・平成18年6月1日
      既存住宅・・・平成20年6月1日〜2011(平成23)年6月1日の間
             (具体的な設置期日は各市町村の条例により異なる)
火災件数(かさいけんすう) : 平成13年に我が国で発生した火災の件数は、63,591件です。
    これは約8分に1件火災が発生している計算になる。
    これらの火災により、2,195人の生命や約1,474億円に相当する財産が失われている。
    この内訳を火災の種類別に見ると、建物火災が34,130件(全体の53.7%)と最も多く、
    次いで、車両火災が8,454件(13.3%)、林野火災が3,007件(4.7%)、
    船舶火災が126件(0.2%)、航空機火災が5件(0.0%)となっているほか、
    道路、空地、土手や河川敷の枯草、看板などの火災が17,869件(28.1%)となっている。
    建物火災については、44人の方が亡くなった平成13年9月の新宿区歌舞伎町ビル火災など、
    比較的多くの人々が出入りする商業的な「雑居ビル」で発生した火災が大きく報道されることが
    多くなっているが、こうした火災は、建物火災全体の中で、発生件数ベースで7.5%(2,547件)、
    死者数も7.22%(100人)にとどまっている。建物火災の多くは、マンション、
    アパートなどを含めた住宅で発生しており、住宅火災の発生件数(19,112件)は
    建物火災全体の56.0%、死者数(1,142人)も81.7%を占めている。
    特に、住宅火災による死者(923人、放火自殺者等を除く。)のうち、
    65歳以上の高齢者(511人)は55.4%にも及んでいる。
    本格的な少子高齢社会を迎えつつある我が国にとって、
    住宅の防火対策はとても重要な課題になっており、政府は2001年4月、
    住宅防火についての新方針を策定し、この問題に積極的に取り組んでいる。
    消防庁ホームページ(火災の概要) http://www.fdma.go.jp/html/data/h13_12g.htm

    全国統一火災予防運動標語 ( )内は年度
     ●火のしまつ 君がしなくて 誰がする(H20)  ●火は見てる あなたが離れる その時を(H19)
     ●消さないで あなたの心の 注意の火(H18) ●あなたです火のあるくらしの見はり役(H17)
     ●火は消した? いつも心に きいてみて(H16) ●その油断 火から炎へ 災いへ(H15)
     ●消す心 置いてください 火のそばに(H14)  ●火をつけた あなたの責任 最後まで(H13)
     ●火の始末 その目 その手で もう一度(H12) ●まさかより もしものための 火の用心(H11)
     ●火の用心 まかせずたよらず 自分から(H10)●広めよう 防火の心 住まいに町に(H9)
     ●みんなで築く住まいの安全地域の防火(H8) ●家庭から地域に広げる自主防火(H7)
     ●ふれあいの 心でつなぐ 防火の輪(H6)    ●広げよう地域ぐるみの火の用心(H5)
     ●火の用心!わが家の安心 地域の安全(H4) ●防火のそなえ 住まいに 町に(H3)
     ●防火のそなえ 住まいに 町に(H2)       ●高めよう住まいの安全(H元)
     ●その火 その時 すぐ始末!(S63)       ●消えたかな!気になるあの火 もう一度(S62)
     ●防火の大役あなたが主役(S61)        ●怖いのは消したつもりと消えたはず(S60)
     ●あとでより今が大切火の始末(S59)      ●点検は防火のはじまりしめくくり(S58)
     ●火の用心 心で用心 目で用心(S57)     ●毎日が防火デーですぼくの家(S56)
     ●あなたです!火事を出すのも防ぐのも(S55) ●これくらいと思う油断を火が狙う(S54)
     ●それぞれの持場で生かせ火の用心(S53)  ●使う火を消すまで離すな目と心(S52)
     ●火災は人災防ぐはあなた!(S51)       ●幸せを明日につなぐ火の始末(S50)
     ●生活の一部にしよう火の点検(S49)      ●あなたは安全ですか(S48)
火災旋風(かさいせんぷう) : 「火事場風」や「火の竜巻」とも言われ、火災現場で発生した大量の熱気が、
    猛烈な熱風となり、回転、上昇しつつ、周囲の冷気と接触することで、竜巻状になるものを言う。
    主に地震などの自然災害や、戦争などの爆撃などによって都市部に発生した個々の火災が、
    炎の旋風となり、さらに被害を拡大させる「火の竜巻」のことをいう。
    個々に発生した火災が空気(酸素)を消費し、火災の発生していない周りより空気を取り込み、
    燃焼している中心部分より温まった空気とともに上層へ吐き出し、それが炎の竜巻のようになり、
    さらにそれが空気のあるほうへ動いていき被害がさらに拡大していく。
    火種のない所でも移動し、しかもどちらの方向に移動するかも予測できないのである。
    地震発生時における都市災害では発生することが予想され、被害の拡大が懸念される。
    過去の関東大震災の浅草被服廠跡、ドレスデン大空襲などで発生している。
火災保険(かさいほけん) : 火災によって生ずる財産上の損害を填補(てんぽ)する目的の損害保険、
    つまり「火事になったときのための保険」のこと。建物・家具・商品・貴金属などが対象となる。
    契約によっては火災以外にも、地震や落雷、台風、雪、車両の衝突等の損害や、
    盗難に対する保険が付属するものもある。そのため、火災保険は「火災に限定した保険」と言うよりは
    「家にかける保険全般」としての役割を持っている。家にかける生命保険のようなイメージである。
    なお、火災保険は「地震を原因とする火災による損害」や「地震により延焼・拡大した損害」については
    補償されないので、地震被害の補償のためには地震保険を付帯させておく必要がある。
     一般的には1〜5年で契約内容が見直されるが、住宅ローンを借りると同時に契約される場合は、
    ローンの借入期間に応じて一括契約する商品もあるが、その場合の契約金額は、
    物件の評価額と同額に設定するのが一般的である。
    評価額(保険価格)の決め方 : 「再調達価格」と「時価」の2つの基準がある。
     再調達価格 : 損害を受けた物件と同程度の物件を新築したり購入したりするのに必要な金額のこと。
      時価の場合より保険料が割高になる場合が多いが、保険料をムダ払いせず、
      かつ万一の時の十分な補償を受けるための必要経費と考えるべきである。
     時価 : 再調達価格から時間の経過による消耗分を差し引いた、現時点での価格のこと。
      この契約の場合は、火災保険の契約金額が評価額を上回った状態になる
      「超過保険」になりやすいので、再調達価格を基準にして物件の新築価格に相当する
      保険金が支払われる「特約」付きの商品を契約しておく方が安全である。
    日本損害保険協会(SONPO)によると、火災保険の契約件数は約3千万件あり、
    最近は再調達価格を基準に補償する特約を盛り込んだ商品が増えているが、
    時価を基準に評価額を決める契約が約8割に上っているという。
    (注)「超過保険」の場合、万が一火事で建物が全焼しても保険金は評価額までしか支払われない。
       自宅が全焼して5千万円の保険に入っていたが、4千万円しか出ないことがあるのは、
       建物の評価額が物価変動によって下がっていたことが原因で、
       新築時の契約金額のまま契約し続けていると、いつのまにか超過保険になる可能性がある。
       損保会社に問い合わせるか、契約更改の際、損保会社から郵送されてくる継続申込書の
       契約金額を確認し、前回と金額が変わっていなければその時点での評価額を
       出し直すよう損保会社や代理店に申し出ることが必要となる。
    参 : 保険の第3分野




























































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