清水寺(YSミニ辞典き)

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清水寺(きよみずでら) : せいすいじ。京都府京都市東山区清水1丁目294にある寺院。
    山号は音羽山(おとわさん)。本尊は千手観音。宗派はもと法相宗に属したが現在は独立して
    北法相宗(きたほっそうしゅう)大本山を名乗る。奈良時代末期の778(宝亀9)年に
    延鎮上人(えんちんしょうにん)が開基(創立者)し、平安建都間もない798(延暦17)年に
    坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が仏殿を建立したと伝えられる。
    平安時代、延暦寺と興福寺との抗争で、しばしば焼かれた。現在の建物の多くは、
    1631(寛永8)〜1633(寛永10)年、3代将軍・徳川家光の寄進によって再建されたもの。
    本堂の前面、懸崖上に張り出して設けられた板敷の部分は「清水の舞台」として知られる。
     清水寺は、金閣寺(鹿苑寺)、嵐山などと並ぶ、京都でも指折りの観光名所で、
    季節を問わず多くの参詣人で賑わっている。また、石山寺(滋賀県大津市)、
    長谷寺(奈良県桜井市)などと並び、日本でも有数の観音霊場として古くから知られ、
    平安時代以来、文学作品などにもたびたび登場する著名寺院である。
    西国三十三箇所観音霊場の第16番札所であり、
    古都京都の文化財の一部として1994(平成6)年に世界遺産にも登録されている。
    
    清水寺の仁王門(左)と「西門(さいもん)」(右)。西門の後ろにあるのは「三重の塔」
    (以下2008.12.4撮影)

    
    室町時代後期に再建された重要文化財の「仁王門」は清水寺の正門で、応仁の乱後に再建された。
    室町様式の堂々たる楼門で、昔の丹塗りを残し「赤門」とよばれる。
    正面軒下に平安時代の名書家・藤原行成の筆と伝える「清水寺」の額を揚げ、
    両脇間に京都における最大級の仁王門(像高365cm、鎌倉時代)を安置する。

    
    南方面より望む「仁王門」
    
    南方面(裏側)よの「仁王門」
    
    江戸時代初期の1607年(慶長12)年に再建された「鐘楼」(重要文化財)。
    仁王門の背後の階段を上りきった左側にあり、六本柱に貫を三重に通す頑丈な作りになっている。
    鮮やかな丹塗りと、各所に施された桃山様式の様式の装飾が見事である。
    梵鐘は、平安時代から名鐘として知られていたが、応仁の乱によって損なわれ、乱の後、清水寺を
    復興すべく大勧進を行った願阿上人の寄進によって室町時代の1478(文明10)年に再鋳造された。

    
    右側は「西門(さいもん)」への石段、左側は「鐘楼」への石段
    
    江戸時代初期に再建された重要文化財の「西門」。
    随所に飾り金具を備え、丹塗りに極彩色文様を施して華麗な桃山時代の美をみせる。
    両脇間に鎌倉様式の持国天・増長天を祀る。後ろにあるのは「三重の塔」

    
    江戸時代中期に再興の「随求堂(ずいぐどう)」。塔頭(たっちゅう)慈心院の本堂で、
    本尊に衆生の願い・求めにすぐに随って、すべて叶えてくれるという大功徳をもつ随求菩薩(秘仏)を祀る。

    
    江戸時代初期に再建された日本最大の「三重の塔」(重要文化財)。平安時代初期847年創建という。
    高さ31m弱、総丹塗りの上、各重の横木に桃山様式の極彩色文様を施す。一重内部に
    大日如来像を祀り、四周の壁に真言八祖像、天井・柱などに密教仏画や飛天・竜が描かれている。

    
    同上「三重の塔」
    
    江戸時代初期の再建で重要文化財の「田村堂(開山堂)」。
    清水寺創建の本願主 坂上田村麻呂夫妻と清水寺元祖 行叡居士・開山 延鎮上人を祀る。
    謡曲「田村」に謡われている「田村堂」。夫妻像を祀る厨子は重要文化財。

    
    江戸時代初期の1633(寛永10)年の再建で重要文化財の「経堂」。
    名前のとおり仏教の経を宝蔵する仏殿で、堂内に釈迦三尊像を祀る。
    正面五間、側面四間の一重、本瓦葺き、入母屋造り。正面と両側面に蔀戸(しとみど)を吊る。
    天井には岡村信基筆の墨絵の円竜が描かれている。

    
    江戸時代初期の1633(寛永10)年の再建で国宝の「本堂」は、もともと歌舞などを演じ
    奉納するためにつくられた、文字通り「舞台」である。
    清水寺本尊十一面千手観音を祀り、「大悲閣」ともいう。
    堂内は巨大な丸太の列によって外陣(げじん)、内陣、内々陣に三分され、本堂南正面に
    「舞台」を張り出している。外陣内奥の正面欄間に本尊と両脇侍の懸仏(かけぼとけ)を掲げる。
    内々陣には、中央に巨大な和様・漆塗りの須弥壇(しゅみだん)を置き、
    壇上に三基の厨子(ずし)(国宝、江戸初期作)を安置。中央の厨子に本尊(秘仏)を祀り、
    厨子前に本尊お前立ちが立つ。向かって左の厨子には脇侍の地蔵菩薩を、
    右の厨子には毘沙門天(共に秘仏)を祀り、両厨子間に本尊守護の二十八部衆を、
    両脇に風神・雷神を全像そろえて祀る。内々陣は「夏の千日詣り」(8月9〜16日)の
    宵まいりが行われる3日間(8月14〜16日)だけ、昼間・夜間共に特別拝観される。

    
    「本堂」の西側入口。正面に「出世大国天」が奉られている
    
    本堂南正面側の崖に張り出した「清水の舞台」(阿弥陀堂より望む)。錦雲渓の急崖に最高12m強、
    16角・周囲2.3mの巨大な欅(けやき)の柱を立て、貫(ぬき)を縦横に通して楔(くさび)で組み固め、
    懸造り(かけづくり)に構築し、約190mの総檜(ひのき)張りの「舞台」を張り出している。
    舞楽などを奉納する正真正銘の舞台で、東西両端の翼廊は「楽舎」である。
    美しい反りと曲線が特徴の寄棟(よせむね)造りで檜皮葺き(ひわだぶき)の屋根はすばらしい。

    
    江戸時代初期の再建で重要文化財の「奥の院」。本尊は秘仏・三面(頭上二十四面)千手観音菩薩坐像
    と地蔵菩薩立像・毘沙門天立像両脇侍(三基の厨子は重要文化財)、二十八部衆、風神・雷神を祀り、
    舞台造りになる。本堂と同じ形式で三十三体を安置している。真言宗兼学の歴史があるので、
    弘法大師像も安置。南脇堂に、裏門と境内守護の夜叉神を祀っている。

    
    江戸初期に再建された重要文化財の「阿弥陀堂」。内陣に丈六の阿弥陀如来像を安置する。
    法然上人が日本最初の常行念仏を行われたところで、右隅に法然上人像を祀る。

    
    同上
    
    「法華塔」
    
    「子安(こやす)の塔」方面より望む清水寺
    
    「子安の塔」方面より望む「三重の塔」の方面
    
    江戸時代初期の寛永期(1624〜44)の再建で重要文化財の、「子安(こやす)の塔」。
    高さが約15mある桧皮葺(ひわだぶき)の三重の塔で、
    千手の子安観音を祀り、子授け・安産・子育てにご利益があると信仰を集めてきた。

    
    同上。南方面より望む
    
    「音羽の滝」(清水の舞台より望む)。こんこんと流れ出る清水は「清めの水」として尊ばれ、
    開祖 行叡居士、開山 延鎮上人の滝行(たきぎょう)の伝統を今も残す。
    滝祠に不動明王や行叡居士を祀っている。

    
    音羽の滝入口
    
    音羽の滝。(右から)長寿、金運、勉学に効くとされる
    
    十一重石塔
    
    仁王門の階段を上がらずに左へ行ったところにある「善光寺堂」。
    この寺の左脇にある地蔵は、首振地蔵と呼ばれている。その名の通り首を回すことができ、
    願い事がある方向に首を向けて拝むと、願いが叶うとされている。
    なお、首は、そっと、やさしく回さないといけない。

    清水の舞台 : 清水寺最大の名所。本堂の前面に檜造りの舞台(バルコニー)が設置されており、
     京都市街の眺望が楽しめるが、その本来の目的は舞楽を奉納するための舞台である。
     現在のものは1633(寛永10)年、徳川家光により再建されたもので、崖地に多数の支柱を建てて
     舞台を支える手法は懸造(かけづくり)と呼ばれ、清水の舞台はその代表例となっている。
     思い切って物事を決断することを「清水の舞台から飛び降りる」つもりでと言うが、
     実際に観音の住むという補陀洛浄土(ふだらくじょうど)へ旅立とうとして飛び降りた者が
     多かったそうだが、過去に飛び降りた人の統計をとると、生存率は85.4%と意外に高かったという。
     
     高画質壁紙写真集無料壁紙(HP)より、紅葉狩りのできる清水の舞台
     参 : 清水寺(HP)

     清水寺でライトアップ試験点灯、12日から夜間特別拝観(MSN産経ニュースより)
      京都市東山区の清水寺で夜間特別拝観(12日〜12月6日)を前に2009年11月11日、
     ライトアップの試験点灯が行われた。雨上がりの澄んだ空気の中、大小約500基の照明が点灯。
     雨露をまとった国宝の本堂「清水の舞台」が柔らかな光に包まれた。
      特別拝観は午後6時半〜9時半。色づき始めた約1千本のモミジも幻想的に秋の夜を演出。
     モミジは今月下旬以降が見ごろとなりそう。
     
     紅く色づいた木々が照らされ荘厳に夜空に浮かぶ清水寺

 




















































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