高齢(YSミニ辞典)

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後期高齢者医療広域連合(こうきこうれいしゃいりょうこういきれんごう) : 医療制度改革の大きな柱の
    一つとして、新たに都道府県単位の後期高齢者医療制度が2008(平成20)年4月から創設され、
    その運営を担うために県内の全ての市町村に2007年度中の設置が義務付けられ、
    保険料の管理や医療機関への支払いなどを行うことになっている。
    国保のように市町村単位だと、規模が小さく財政が不安定になりがちで、
    現在は市町村の間で最大5倍ほどの差がある。規模を大きくすれば運営は安定し、
    保険料格差も縮まると考え、都道府県単位で保険制度を定めたものであり、
    運営は各市町村単位の広域連合が行う。 参 : 資格証
後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど)
    75歳以上の「後期高齢者」約1300万人や一定の障害を持つ65歳以上の人を対象に
    全員が加入する新しい公的医療保険制度のことで、高齢者の多くが加入している
    市町村単位の国民健康保険が、2008(平成20)年4月1日からは75歳以上の人は、
    これまでの国民健康保険、健康保険、共済組合の保険などから、
    都道府県単位の「後期高齢者医療制度」という新しい保険に加入し直し、
    世帯別ではなく、個人単位で保険料を納めることになる。
    2006年の通常国会に提出された医療制度改革関連法案に盛り込まれ、
    2008年4月1日から新たな独立型の健康保険としてスタートする。
    公費が5割、現役世代が4割、75歳以上が1割と負担割合を明確化した。
    住んでいる市町村や加入する制度によって、高齢者の保険料に差が出ないようにする目的もある。
    地域の主治医が中心となって高齢者を支えることから、
    検査や薬の重複を防ぐことで、医療費抑制につなげる狙いもある。
    保険料は原則として年金からの天引きで、約1300万人の加入者全員から
    新たに保険料を納める必要がある。新制度に移った人は、通常、年に6回分割でもらう年金の
    4月15日分から、2カ月分の天引きが始まる。国は激変緩和策として保険料の「凍結」や
    軽減を打ち出したが、どれも2〜5年でなくなる。保険料徴収は市町村が行い、
    財政運営は全市町村が加入する都道府県単位の広域連合が担当する仕組みである。
    年齢で線引きされ、一部の人に新たに保険料負担が生じたことや年金の天引きなどで
    高齢者の反発を招き、民主党は2009年の衆院選マニフェストに廃止する方針を
    明記したことも政権交代の原動力の一つになった。だが2011年の通常国会中に関連法案を
    成立させることは絶望的な状況の中で、厚労省は廃止の先送りはやむを得ないと判断した。
    後期医療の廃止時期は2014年以降にずれ込み、政権公約の実現は見通せなくなっている。
    財政(保険給付費)は、高齢者本人の保険料1割、公費(税金)約5割、
     74歳以下が加入する各健康保険からの支援金約4割の比率で負担する。
     保険料は都道府県の広域連合ごとに決定するが、
     厚生労働省の試算では2008年度の制度発足時には月額6200円程度(全国平均)になる見通し。
     広域連合内の保険料は均一だが、低所得者や「無医地区」は減額制度を設ける。
     配偶者や子供の扶養家族となっているため保険料を払ってこなかった人は、
     激変緩和措置として2年間半額になる。
     患者窓口負担率は原則1割だが、夫婦で年収が約520万円以上ある人は3割負担となる。
    参 : 弱者切捨て資格証

    日本共産党の制度反対意見
     まず、75才以上のすべての高齢者と、65歳以上の寝たきりの方はこの医療制度に組み込まれ、
     今までは被扶養者で保険料を払わずに済んでいた方も含め、
     すべてこの制度の中で保険料を新たに払わなければならないと言うことが大問題です。
     それも介護保険料と同様に月1万5千円以上の年金(老齢年金・遺族年金・障害年金)があれば
     年金からの天引きです。介護保険料と合わせると平均月1万円にもなり、
     この金額は今でも生活に苦しむ高齢者をさらに痛みつけるものになります。
     後期高齢者は年々増加しますから、それにともない給付が増え、
     2年ごとの見直しで保険料は繰り返しの値上げということになります。
     保険料を滞納すれば保険証が取り上げられ短期保険証や資格証明書の発行で、
     払えない人は医療を受けられなくなることとなり、医療を最も必要とする人から、
     医療を最も必要とする弱者から医療を取り上げることになります。
     この医療制度そのものに大変な問題点があるわけです。
     そして、この医療制度の運営に当たるのが広域連合ですが、
     県単位に設置されることから、住民の声は届きにくいという重大な問題点があります。
     一番身近で実態を掴める市・市議会が関与できにくくなる、大変な矛盾です。
     収入の実態に即した保険料を算定できるのかどうかさえも不明のまま、
     この広域連合を設置させていくことには絶対に容認をすることが出来ません。よって、反対を致します。
    恩を仇で返す法律は許せぬ
    (朝日新聞2008.3.19「声」より、福岡県大牟田市の主婦・笠原 美代さん(81歳)の投稿文紹介)
     75歳以上の高齢者に対し「後期高齢者」という名をつくりだし、
    国民健康保険から切り離して、保険料は年金から天引きする。
    こんな医療改正法「後期高齢者医療制度」が4月から施行されるのだと聞いて、びっくりしています。
     国が命名した「後期高齢者」の人生を、国会議員たちは考えたことがありますか。
    親や兄弟、夫は戦死。街は焼け野原と化し、戦後の食糧難にあえぎながらも、
    新しい日本建設を目指し頑張ってきたのです。
     私たちのようなつらい人生を孫子に味わせたくないと働いて、日本の復興・繁栄に貢献してきたのです。
    そして、今、人生の終末になったのです。国から苦労を強いられた高齢者に対し、
    「恩を仇(あだ)で返す」ような法案を作り、賛成した国会議員を、私は許すことが出来ません。
     企業や団体から献金してもらい、さらに、税金(政党助成金)を受け取るという、
    二重取りを続けておきながら、高齢者からはさらに税金を搾り取るというやり方は、
    「人の道に外れている」と思いませんか。恩には何をもって報いるか、考えて欲しいと思います。
    厚生労働省や国土交通省など、私たちの血税を何百億と、法に触れるような無駄遣いをしておきながら、
    高齢者には厳しく、何十年とかかって築き上げてきた高齢者福祉をことごとく切り崩してきたのである。
    バイクさえ持てない時代を汗水たらして働き、薄給で生き抜いてきた高齢者に
    かくもひどい仕打ちをする自民党政権には「恩もないが、仇は仇で返そう」と言うほかなく、
    次回からの選挙には老人パワーで悪政を変えるしか、対抗する手段はなさそうだ。

    公的年金から天引き許すな
    (朝日新聞2008.3.19「声」より、兵庫県伊丹市の税理士・浦上 立志さん(54歳)の投稿文紹介)
     新年度から公的年金受給者に対する「特別徴収」が広がる。
    要するに、これまで年金から天引きしてきた介護保険料に加え、
    75歳以上を対象に4月から始まる「後期高齢者医療制度の保険料も、
    65〜74歳の国民健康保険料も天引きするということだ。将来は個人住民税も引かれる方向だ。
     納付の便宜や市町村の徴収の効率化を図るため、というのが政府の説明である。
    いずれ徴収するものは渡す前に引いておき、
    年金はそれだけしかないと覚悟させた方がよいとの為政者の考えだろう。
     しかし、公的年金は生活の原資である。
    たとえ受給者が債務超過であっても、担保に取ることや差し押さえは法律で禁止されている。
    安易な天引きを無制限に拡大することは許せない。
    何らかの負担軽減措置を考えないと、年金受給者の生活は成り立たない。
    ガソリン、酒類、タバコなど、取りやすいところから法外な税金を取り、
    その上、文句を言わず、選挙にも参加が少ない高齢者には天引き制度を取り入れ、
    否応なしに取り立てる。払える余裕があるのに払わない人の国民年金保険料を
    なぜ強制天引きしないのだ!何もできない社会保険庁は早急に廃止し、国税庁に一本化すべきだ!!
    わざと捨てたとしか思えない年金のデータや改ざんに関係していた社会保険事務所職員や
    市町村の担当者には、たとえ職を退いていても、何らかの責任をとらせるべきだ!

    公的年金から天引きは暴挙
    (朝日新聞2008.4.1「声」より、福岡県行橋市の辻 茂晴さん(87歳)の投稿文紹介)
     後期高齢者医療制度は私にとって闇討ちに遭ったような感じです。国政の不手際が続くところに、
    よくも介護保険料、健康保険料と、高齢者の公的年金からの天引きの暴挙に出ましたね。
     高齢者をいじめて気持ちがいいですか。他に方法がないというのですか。
    この措置で高齢者の生活設計が突然狂い、悲惨な事態が数多く起きるような気がします。
    政治は常に弱者の視点に立って、一人でも多く弱い者を助けることが要諦(ようてい)ではないでしょうか。
     今日の日本の繁栄は、誰のお陰ですか。後期高齢者が貢献したのではないですか。
    現在の高齢者が第2次大戦で、どれだけ辛酸をなめたか、
    政治家の皆さんのほとんどが体験がないのでしょう。
     かく言う私も召集令状1枚でビルマ(ミャンマー)から中国・雲南に
    激戦から激戦の熾烈(しれつ)な戦闘を体験しました。国家は何をしてくれましたか。
    感謝状1枚くれることなく、思い出すとはらわたが煮えたぎります。
     ねじれ国会なら私ども高齢者も、ねじれ根性で立ち上がり、次の選挙で政治の流れを変えましょう。
    老後の私どもに道路も橋もいりません。
    ささやかな幸せな生活を送ることができれば、それで十分なのです。
    今の政治家は、選挙に勝利して議員を続けていくことが、常に頭の中にうごめいている。
    特に後期高齢者は、選挙に参加しない人が多いことを知っている悪賢い官僚たちが、
    政治家に進言する。それが政治に反映され、選挙の得票に関係がないとされる高齢者が
    ターゲットとなり、「弱者切り捨て」「高齢者への課税強化」などにつながっていると思う。
    野党がいくら反対しても、自民・公明与党は数をかさに強行採決で法案を通過してしまう。
    次回の選挙には杖をついてでも、車椅子でも選挙に参加し、年寄りパワーを見せつけましょう。
    とどのつまり、小泉政権の年寄りいじめが自民党没落の一因になったと言えよう。

    温かい政府よ、高齢者大切に
    (朝日新聞2008.10.21「声」より、大分県中津市の雨宮 恵二さん(78歳)の投稿文紹介)
     「老ゆれども生命(いのち)は内に満ちて余生とふ言葉われは採らざり」。
    昨年喜寿を迎えての駄作の一首である。私はどうしても余生という言葉はいやである。
    死ぬるまで私は私の「余生」を生きる、これが私の主張であり、生きがいである。
     ところがである。社会では必ずしもそうではない。その一例をあげてみよう。
    悪名高き後期高齢者医療制度においては、毎年の特定健診は「努力義務」である。
    40〜74歳の方は「義務」なのである。どうしてこんな差別がつけられてしまうのか、
    分からないじゃなくて、怒りを感じる。75歳以上の者の生命を余生と決めつけているのだから。
     どうせお前たちの生命は余り物なんだから、健診に来ても来なくても「ご自由」ですよ、
    と言わんばかりの姿勢が見え見えではないか。
    「長寿医療制度」などと言葉だけ換えて、政府はごまかし続けている。許せない。
     高齢者に対して、こんな非情な政策を続けながら、よくも「明るい国、温かい政府」などと
    嘯(うそぶ)くことが出来るものだ。麻生首相よ、大言壮語もいい加減にして、
    高齢者の「余生」に寄り添う政策を、地道に的確に実行して欲しい。温かい政府の不可避の責任である。
    「老いていても生命は内に満ち満ちて、我に「余生」という言葉はない」という活力に満ちた一句で、
    9歳も下の私も気持ちを新たにしなければならない。人はそれぞれ体力や気力などに違いがあり、
    65歳で介護保険を使う人もいれば、85歳になっても健康な人もいる。
    健康保険や介護保険を使わないか少ない高齢者に恩典があるのならまだしも、
    75歳で一線を引いて差別するのは私も許せない。
    74歳と75歳、76歳と75歳にどんな違いがあるというのだ!

    後5年で底をつく老後の蓄え
    (朝日新聞2009.4.25「声」より、福岡県大野城市の中村 道夫さん(74歳)の投稿文紹介)
     80代、90代の長寿者に、めでたいという声が町にあふれている。
    が、私は正直言ってあまり長生きしたくないと今思っている。
    小額の年金収入とわずかな老後の蓄えを取り崩して生活しているが、その蓄えも後5年で底をつく。
     年金で細々と食いつないでいる私には、後期高齢者医療保険料と固定資産税の合計40万円が
    重すぎる。親からの相続遺産など全くなく、老後の蓄えも現役時代にこつこつとためたものである。
     蓄えが無くなれば、年金だけでは生活していけない。究極の極貧に陥る。
    加えて取りざたされる消費税の増税があれば、ますます生活は苦しくなると思う。
    すぐに死にたいわけではないが、食っていけなければ死が待っているだけである。
     極端なことを言うと驚かれるかもしれないが、これが私の現実だ。
    長患いして苦しんで死ぬよりも、夕方まで元気で生きていて、
    朝方ころりと目覚めない方がいいと思うこともある。長生きしたって、
    そんなにいいことも無さそうだし、死んで口減らしするほうが、遺族のためだと最近よく思う。
     私が後期高齢者医療保険料を払い始めるのは5年先だが、
    今は重過ぎる介護保険料と高い固定資産税が家計を圧迫している。
    退職金の殆どを率のいい企業年金などに回したが、それも5年、10年と期限が切れ、
    厚生年金だけになってしまうので、5年先は中村さんと同じような状況になる。
    政府は自殺防止に予算を組むそうだが、今まで高齢者に優遇されてきた数々の制度を
    小泉政権までにことごとく切り捨ててしまったことも自殺者急増の要因の一つであり、
    そんなちっぽけな金でお茶を濁すより、雇用確保、医療制度の改革、
    教育や福祉の充実の方が先決問題であり、切り捨てられている弱者も救済すべきだ!
    欧米の多くの国では、高齢者向けに本人の拠出を必要としない所得保障制度があり、
    例えばドイツには高齢者向けの「基礎保障」、フランスには「高齢者連帯手当」、などがあり、
    高齢者を厚遇しているが、日本は高齢者冷遇国なのである。

    高齢者医療、収入で差つけるな
    (朝日新聞2009.10.24「声」より、福岡市城南区の開業医・菅尾 頼明さん(45歳)の投稿文紹介)
     政権交代が実現し、「コンクリートから人へ」という
    わかりやすいフレーズで政治の流れが変わろうとしている。医療の現場でも、
    長きにわたった自民党政権時代に破壊されてきた現状を改善してくれる施策の実施が待望される。
     小泉政権時代に始まった、高齢者の医療費の窓口負担が
    収入によって1割と3割に分けられる制度には以前から疑問を感じている。
    3割負担になる方の多くは細々と家業を行い、規定の収入を少しだけ超えてしまう人である。
    年度替わりには同じ医療行為を受けても前の月までは千円の負担だったのが
    いきなり3千円になってしまうこともある。
     これでは受診を手控えたり、必要な医療がしにくくなったりする萎縮医療につながる。
    高齢になっても社会貢献をして税金も年金生活者よりも多く納めている人に対して、
    追い打ちをかけるような政策は即刻改善してほしい。
     現役世代ではワーキングプアの人でも東京・六本木ヒルズに住む大金持ちでも一律に
    3割負担なのだから、高齢者だけ負担に差をつけるのは露骨な高齢者いじめではなかろうか。
    後期高齢者医療制度の廃止も重要ではあるが、
    きめ細かい医療政策の実施を長妻厚労大臣には期待する。
     私が70歳になった時に周南市から医療費の3割負担の通知がきた。
    隣りの防府市に住み、同じ70歳で資産や収入が私より多いと思われるような人が1割負担で、
    市町村によっても差がでているのである。退職時、私の年金だけでは生活ができないと思い、
    退職金のほとんどを利率のよい企業年金に振り分けたために、
    夫婦で年収が約520万円を超えたと思われる。
    超えた分の企業年金を解約すれば1割負担になることから、
    市に問い合わせて何万円超えているのかを聞いても教えてくれないのである。
    当初7%もの利息がついていたのに現在は半分以下になり、医療費が3倍になるのだったら、
    年金より株の購入や貯蓄にまわしていた方がどれだけよかったことか。
    なぜ1割から2割を飛ばして3割にしたのだろうか。
     9月から10月にかけて原因不明の高熱がでて5個所もの病院や医院を回り、
    血液・レントゲン・MRIの検査や治療に6万円もの医療費を払ったが、1割だと2万円ですむのである。
    前の病院で「血液とレントゲンは異常なしでした」と言うと、「ここにもデータが必要」と
    数日間で頭部や胸部のレントゲンだけでも各病院を合わせると10枚以上にもなったが、
    X線の被爆線量などおかまいなしということになる。病院間でのデータの共有も必要だと思う。
    高額な介護保険も健康に留意して利用しない人には割引制度があってもいいだろう。
    私も、きめ細かい医療政策の実施を長妻厚労大臣には期待する。

    後期医療廃止、取り組み急げ
    (朝日新聞2009.11.23「声」より、東京都目黒区の常名 尚生さん(76歳)の投稿文紹介)
     後期高齢者医療制度について、参院予算委員会で小池晃議員が
    「廃止するとの公約を政府はなぜ直ちに実行しないのか」と首相らにただしたところ、
    「廃止するだけでも2年はかかる。それだったら、その間に新しい精度を考えた方がより効果的では」と
    歯切れの悪い答弁をした。私には問題の解決を先送りしようとする詭弁(きべん)としか思えない。
     民主党は現行制度の廃止を国民に公約し、選挙に勝利した。
    もちろん、これだけで勝ったわけではないが、この制度に不満を持つ多数の高齢者が
    即時廃止の期待を込めて、同党に一票を投じたと言って過言ではないだろう。
     高齢者が急激に進んでいるなか、私たち高齢者も相応の負担は覚悟している。
    とはいえ、現行の制度はあまりにも大きな負担を高齢者に押し付けている。
     この調子だと、廃止して元に戻すか、新制度を導入するかは今後の議論に委ねることになりそうだが、
    いずれにしろ、遅くとも11年度から実行に移せるよう、早急な取り組みと解決をお願いしたい。
     自民党政権時、いや殆どが小泉政権時に高齢者に関係が深い年金、福祉、医療、介護などに関して、
    ことごとく後退・切捨てられた。これらは自民党の「強行採決によるものが多い。
    私たち高齢者は後期高齢者医療制度や高齢者への課税強化などで弱者切捨てにされ、
    いまだに痛みのみを押し付けられているのに、民主党の公約を履行する気配は感じられない。
    官僚の天下り容認・起用、官房機密費の非開示を継承、自民党と変わらぬ強行採決、
    あやふやな普天間基地問題、高速道路の無料化やガソリンの暫定税率廃止の見直しなど、
    いままで反対してきたことの容認、公約違反が多くなっている。
    これでは自民党の政権担当時代と大差なく、
    次回の選挙には前回の総選挙のように野党に一票を投じるしかない。

高年齢者雇用安定法(こうねんれいしゃこようあんていほう) : 改正高齢者雇用安定法。高齢法。
    「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)」を一部改正し、
    団塊の世代の定年や少子高齢化の進展で、労働力人口の減少が見込まれるなか、
    企業に65歳までの雇用を義務付けるための措置を盛り込んだ法律で、
    「改正高年齢者雇用安定法」とも呼ばれ、2004(平成16)年6月5日に成立し、
    平成16年12月1日から施行された。ただし、高年齢者の安定した雇用の確保等を図るための
    措置については2006(平成18)年4月1日から施行され、65歳未満の定年を定める企業に対し、
    @定年の廃止A定年の引き上げB継続雇用制度の導入、のいずれかの策をとるよう義務づけた。
    継続雇用の対象者については、労使協定で本人の健康状況や人事評価などの基準を定めた場合は、
    その基準を満たした人だけに限定することができる。
    多くの企業では退職・再雇用による対応を整えており、意欲と能力のある高齢者の雇用を
    65歳まで確保して、“生涯現役社会”実現への第一歩が踏み出される。
    解雇等による高年齢離職予定者に対する求職活動支援書の作成・交付の義務化
     事業主都合の解雇等により離職することとなっている高年齢者等(45歳以上65歳未満)が
     希望するときは、事業主は、当該高年齢者等の希望を聴き、
     その職務の経歴や職業能力等キャリアの棚卸しに資する事項や
     再就職援助措置等を記載した「求職活動支援書」を作成し、交付しなければならない。
    労働者の募集・採用の際、年齢制限をする場合の理由提示の義務化
     事業主は、労働者の募集・採用をする場合に、やむを得ない理由により上限年齢を定める場合には、
     求職者に対してその理由を提示しなければならない。
    シルバー人材センター等が行う一般労働者派遣事業の手続の特例
     定年退職者等の多様な就業機会の確保を図るため、シルバー人材センターが届出により臨時的かつ
     短期的又は軽易な就業に関する一般労働者派遣事業を行うことが可能となった。
    65歳までの定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の義務化(平成18年4月1日から施行)
     雇用と年金との間に収入の空白期間が生じないよう、
     企業に定年の段階的引き上げや廃止、継続雇用制度の導入のいずれかの措置を
     義務付ける内容となっている。法定定年年齢は60歳のまま変わらない。
     努力期間の終了後は、継続雇用の対象者を労使協定で定め、
     2013年度までに65歳までの継続雇用を完了する必要がある。
     この法律により、平成18年4月から企業(事業主)は、従業員の65歳までの安定した
     雇用を確保するために、次の3つの選択肢のいずれかの措置をしなければならなくなった。
      @定年を65歳までに段階的に引き上げる
      A再雇用や勤務延長などの継続雇用制度を導入する
      B定年制を廃止し、働き続けてもらう。
       但し、@とAについては、平成18年4月からいきなり65歳にするのではなく、
       次のように62歳から65歳まで段階的に引き上げてもよいことになっている。
       平成18年4月から平成19年3月  62歳
       平成19年4月から平成22年3月  63歳
       平成22年4月から平成25年3月  64歳
       平成25年4月から           65歳
     3つの選択肢のうち、企業の多くが取ろうとしているのは2番目の継続雇用制度だと言われている。
     これは従業員が希望すれば60歳定年後も引き続き雇用する制度である。
     しかし注意したいのは、労使協定に基づく一定の基準があれば再雇用しなくてよい場合と、
     継続雇用後の労働条件、例えば賃金や身分・職種を変更することができる。
     なお、事業主が労使協定のために努力したにもかかわらず、調わないときは、
     大企業については施行日から3年間、中小企業の事業主(常時雇用する労働者の数が
     300人以下である事業主をいう)は施行日から5年間は、
     就業規則等により高年齢者に係る基準を定め、その基準に基づく制度を導入できる。
     企業に段階的に65歳まで雇用することを義務付けたことから、映画会社の東映は
     「嘱託」として再雇用する制度を導入したと同時に、再雇用された人の退職金加算の減額を提案し、
     強引に就業規則を変更したために勤続30年以上の人の場合、約500万円の減額になることから、
     地裁への提訴まで発展しているが、2年近くただ働きとなるようでは再雇用に応じる人はいなくなる。

高齢(advanced age)こうれい : 一般には「高齢者」のことで、「シニア」とも言われる。
    高齢社会や高齢者虐待防止法では、65才以上を「高齢者」、特に65〜74歳を「前期高齢者」、
    75才以上の高齢者を「後期高齢者」と呼ぶ。1984(昭和59)年に国会に参考人出席した
    厚生省人口問題研究所長は「75歳以上を後期高齢者、後期老人層と呼んでいる」と発言していた。
    「後期高齢者医療制度」では、「後期」というネーミングへの反発も強く、
    「終わりと宣告されたみたい」で、そのうち「臨終期」になるのではないかと。
    制度が始まった2008年5月1日、福田首相の指示もあって、厚生労働省はあわてて
    「長寿医療制度」と呼ぶようにしたが、「長寿」はあくまで通称で、保険証には「後期」と書いてある。
    なんと、高年齢者雇用安定法では年齢の上限があるものの、高齢者等とは、
    45歳以上65歳未満とされている。なお、65〜74歳までを「ヤング・オールド」と呼んでいる。
     1956(昭和31)年、国連において、65歳以上の人口が
    7%以上になった国や地域を「高齢化した地域」と記述した報告書が出されたことが、
    65歳以上を高齢者と定義することとなった始まりと言われている。
    我が国においても、介護保険制度をはじめとする社会保障制度や各種統計において、
    65歳以上を「高齢者」として扱っている。
    Webビジネスニュースでも、65歳以上の年齢層と定義されていた。
     「人生50年」の時代から、一気に「80年」になり、平均寿命が延びたのだから、
    65歳にこだわる必要はなく、高齢者と呼ぶのを70歳からにしてはどうだろうという人も多い。
    2005年の内閣府調査の「高齢者」って何歳から?の全国60歳以上の男女対象の
    アンケート調査では、「70歳以上」と答えた人が46.7%と半数近くを占め、
    「75歳以上」も約2割に達し、「80歳以上」の回答も1割あった。
    2008年の朝日新聞「アスパラクラブ」会員によるアンケートでも高齢者とは、70歳以上が36%、
    80歳以上が21%、75歳以上が18%と、「70歳以上」と答えた人が最も多かった。
    
    北九州市の市営の銭湯・温泉には高齢者用入浴券があり、70歳以上のお年寄りは半額で
    入浴できる制度があるが、83歳の母親を連れて行った娘さんが半額で利用しようとしたら、
    「証明になるものを提示しなければ、高齢者とは認められない」と言われ、通常の料金を払わされて
    立腹されていたが、68、69歳の方が70歳と偽って入浴する場合もたまにはあるかもしれないが、
    規則ばかり表にださなくても本人の良心を優先させても良いのではなかろうか。
    免許証の無い人は、温泉に行くのにも健康保険証などを持参しなければならないが、
    それとて写真がないので認めてくれるのだろうか。
     東京都の映画館をはじめ全国規模で、60歳以上は1000円という高齢者には有難い制度があり、
    60歳の時に免許証を出そうとしたら「60以上かどうかは顔を見ればすぐにわかる」と言われ、
    若く見えると思っていた私はがっかりしたくらいなので、
    83歳のおばあさんが70歳以上かどうかが分からないはずはない。
    北九州市は、半額制度を高齢者への福祉の一環としているのなら、
    もっと柔軟な対応で臨むように職員の応対方法を改善すべきである。
    生活保護の辞退を強要されて餓死者が出た北九州市は、生活保護の申請も受付けないほどの
    福祉行政が落ち込んでいる市なので、風呂まで厳しい規制を設けているのかもしれない。

高齢化率(こうれいかりつ) : 全人口に占める65歳以上の人の割合のこと。
高齢期の住まい(こうれいきのすまい) : 高齢期に住み替える場合、元気なうちに早めに住み替えておくか、
    介護が必要になってからの2通りある。高齢者専用賃貸住宅(高専賃)のサービスは
    施設ごとに大きく違うので、介護や食事の内容、退去がありえるのかなどよく確認する必要がある。   
住まいの種類とサービス (△は住宅施設による。赤字はおおむね60〜)
タイプ 種   類 年齢
(歳)
緊急時
対応
食事 入浴 介護 記   事
住宅 シルバーハウジング 60〜 入居に収入制限がある
高齢者向け優良賃貸住宅 60〜 自治体が認定し、質は高い
高齢者専用賃貸住宅 60〜 サービスは多様
施設 有料老人ホーム(健康型) 60〜 要介護になると退去
有料老人ホーム(住宅型) 60〜 外部の介護サービスを使う
有料老人ホーム(介護付き) 60〜 ホーム職員による介護
養護老人ホーム 65〜 費用は最も安い
軽費老人ホームA型 60〜 年収約400万円以下の人
ケアハウス 60〜 食事や入浴などを提供
老人保健施設 65〜 主にリハビリのため滞在する
特別養護老人ホーム 65〜 要介護度が高い人向け
ケアハウス(介護型) 65〜 要介護度が特に高い人向け
グループホーム 65〜 認知症の人が共同生活
    参 : シニアライフ情報センター(HP)、高齢者住宅財団(HP)
高齢者 → 高齢
高齢者運転標識 = 紅葉マーク
高齢社会(こうれいしゃかい) : 65才以上を「高齢者」、特に75才以上の高齢者を「後期高齢者」と呼ぶ。
    一般に、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」という。
    日本においては、1970年に高齢化率7.1%で「高齢化社会」へ、
    1994年に高齢化率14.1%で「高齢社会」へ移行した。
    また高齢化率21%を超えると「超高齢社会」となるが、平成27(2015)年には
    高齢化率が26.0%に達することが予測され、超高齢社会も10年後にもやってくる。
    高齢化率が7%を超えてから14%に倍増するまでの所要年数(倍化年数)は、
    フランスが115年、スウェーデンが85年、比較的短いドイツでも40年なのに、我が国は、
    昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達しており、
    世界に例をみない速度で進行している。今後も高齢化率は上昇を続け、
    平成27(2015)年には高齢化率が26.0%、62(2050)年には35.7%に達し、
    国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者という本格的な高齢社会の到来が見込まれている。
    総務省の統計によると高齢者のいる世帯は1640万世帯(2003年時点)で、
    全世帯に占める割合は35.0%。5年前の1998年は31.5%で、
    この間に高齢者のいる世帯の内訳は、「高齢者単身(独居老人)」が38.8%増、
    「高齢夫婦」が25.9%増。「その他の高齢者世帯」の8.8%増に比べて、大きく伸びている。
    高齢化の現状と推移
    我が国の総人口は、平成16(2004)年10月1日現在、1億2,769万人となり、
    この1年間で7万人(0.1%)増加したが、増加数、増加率とも戦後最低となった。
    同じ日に「敬老の日」にちなんで総務省ががまとめた65歳以上の高齢者人口は、
    過去最高の2,488万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も19.5%に上昇している。
    高齢者人口のうち、前期高齢者(65〜74歳)人口は1,381万人、
    後期高齢者(75歳以上)人口は1,107万人となっている。男女別にみると、
    男性は1,051万人と今回初めて1,000万人を超え、女性は1,437万人である。
    全国の100歳以上の高齢者数は、平成16(2004)年9月末現在で2万3千人を超え
    過去最高を更新したほか、90歳以上の高齢者数も初めて100万人を超えた。

    「敬老の日」を前に厚生労働省は平成17(2005)年9月13日、2005年の「長寿番付」を発表した。
    国内に住む100歳以上の高齢者は9月末時点で2万5554人となり、
    前年を2568人上回って過去最多を更新。このうち女性が85%を占め、2万人を突破した。
    人口10万人当たりでは20.05人と初めて20人を超え、5000人に1人が100歳になる計算。
    最高齢は女性で、福岡県赤池町の皆川ヨ子さんの112歳。
    男性は鹿児島市の徳田二次郎さんの110歳が13位で最高だった。
    100歳以上の高齢者数は、調査を始めた1963年は153人だったが、1981年に1000人、
    1998年には1万人に到達。最近10年は、前年比の伸びが10%を上回る勢いで増え続けている。
    2005年9月末時点で、男性は3786人、女性は2万1820人。
    高齢者に要注意の薬 → 国立保健医療科学院(HP)
                     「高齢者は避けた方がいい薬」として2008年4月上旬に掲載される。
    参 : 日本の人口のデータは平成16(2004)年3月31日現在のものである。
    内閣府ホームページ(少子化対策・高齢社会対策
高齢社会白書(こうれいしゃかいはくしょ)
    高齢社会対策基本法に基づき、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書であり、
    高齢化の状況や政府が講じた高齢社会対策の実施の状況、また、
    高齢化の状況を考慮して講じようとする施策について明らかにしているものである。
    「高齢社会白書」は全国の政府刊行物サービス・センター、官報販売所等で購入できる。
    参 : 平成17年版高齢社会白書
高齢者虐待(Elder abuse)こうれいしゃぎゃくたい : 「老人虐待」とも言われ、家庭内や施設内での
    高齢者への虐待行為をいう。児童虐待や配偶者間暴力などは制度面で対応されていたが、
    高齢者虐待については2006年4月1日、ようやく「高齢者虐待防止法」が施行された。
    2003年11月に厚生労働省が家庭内における高齢者虐待に関し調査をした時の5つの分類が、
    現在の高齢者虐待の大まかな指標となっている。
     厚生労働省の2007年度全国調査によると、65歳以上の高齢者が
    家族や介護職員らから虐待された事例は2006年度より712件多い1万3335件。
    家庭内が1万3273件を占め、27件の死亡事例はすべて家庭内だった。
    家庭内の虐待の40.6%が息子によるもので、夫、娘を離して最多だった。
    高齢者虐待の分類と指標
     @身体的虐待(physical abuse) : 暴力的な行為などで高齢者の身体に傷やあざ、
      痛みを与える行為や、外 部との接触を意図的、継続的に遮断する行為。
      殴られたり・蹴られたり・つねられたり・押さえつけられたり等の暴行を受け、
      身体に外傷・内出血(アザ)・うちみ・ねんざ・骨折・やけど等の傷跡が見受けられる場合や、
      意思に反して身体を拘禁された場合などがある。
     A心理的虐待(psychological or emotional abuse) : 言葉の暴力や威圧的な態度、
      無視、嫌がらせなどによって、高齢者に精神的、情緒的に苦痛を与えること。
      主として介護者側等からの、言葉による暴力(侮辱・脅迫等)や、
      家族内での無視等によって心理的に不安定な状態、または心理的孤立に陥り、
      日常生活の遂行に支障をきたす程のおびえなどの精神状態が見受けられる場合。
     B介護や世話の放棄・放任(neglect:ネグレクト) : 介護や生活の世話を行っている家族が
      その提供を放棄または放任し、高齢者の生活環境や身体的、精神的状態を悪化させること。
      日常の介護拒否・健康状態を損なうような放置(治療を受診させない、
      適切な食事が準備されていない等)・日常生活上の制限(火気器具等の使用制限)や
      戸外に閉め出すなどによって、高齢者の健康維持、
      日常生活への援助がなされていないと見受けられる場合。
     C性的虐待(sexual abuse) : 本人との間で合意がない、あらゆる形態の性的な行為とその強要。
      高齢者が性的暴力または性的いたずらを受けたと見受けられる場合や、
      夫婦間の強制的な行為やDVも含まれる。
     D経済的虐待(economic abuse) : 本人の合意なしに財産を処分したり、
      本人の希望する金銭の使用を理由なく制限したりすること。高齢者へ年金等の現金を渡されない、
      または取り上げて使用される、高齢者所有の不動産を無断で処分されるなど、
      過度の経済的不安感を与えられたと見受けられる場合などがある。
    高齢者虐待が起こる場所によって、家庭内虐待と施設内虐待とに分けられるが、
    家庭内虐待の背景には、介護する側にも受ける側にもいくつかの要因が考えられるとされている。
    高齢者側の要因として、寝たきり認知症のために、徘徊や妄想、不潔行為など問題行動が多く、
    重度の介護が必要な人、また、頑固で自己主張の強い性格が虐待の要因になることが多くなっている。
    介護者側の要因としては、介護を手伝ってくれる人や相談相手がない孤立した介護や、
    介護や認知症についての認識不足、経済的な問題など、要因は多岐にわたって考えられている。
     配管工の父に代わり自宅で介護していた認知症の母親(当時70歳)に
    暴行を加えて死亡させたとして障害致死の罪に問われた北九州市八幡西区の無職の長男(34歳)に、
    福岡地裁小倉支部は2009年2月、懲役4年6カ月を言い渡したが、
    長男の暴行の理由が「介護の負担より、母が私のことをわからなくなるのがつらかった」と言うが、
    認知症がひどくなったら家族の判別もつかなくなることを、父親や他人から聞いて知っていたはずで、
    2時間も母の胸や腹を殴り、踏みつけ、頭をつかんで柱にぶつけもしたということは、
    おしっこを漏らしたことに切れただけのように思える。母をひどい目にあわせる前に、
    自分が年老いて認知症になって暴行されることを頭に浮かべてみることだ。
    この長男が小学校に入ってまもなくいじめにあって不登校となり、
    中学校もほとんど通わなかったことに対し、母親は「学校に行かなくていい」と言い、
    家で本を読ませ、字を覚えさせたというが、学校で教養を高め、協調性などを養うことは
    国民の義務なので、学校や区役所に相談するなり、両親が積極的に不登校を解消すべきであった。

高齢者グループホーム → グループホーム
高齢者雇用安定法 = 高年齢者雇用安定法
高齢者専用賃貸住宅(こうれいしゃせんようちんたいじゅうたく) : 高専賃。
    入居を拒まれることが多いなど、高齢者に配慮した住宅が不足していることから、
    2005(平成17)年12月に制度化され、「高齢者向け優良賃貸住宅」と同じカテゴリーに入る
    新しい高齢者の住宅タイプで、 都道府県知事や各都道府県の指定登録機関に登録し、
    賃貸住宅のオーナーが高齢者の入居を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅」のうち、
    賃借人を高齢者に限定した専用の賃貸住宅をいう。既存の賃貸アパート・マンションでも、
    この制度に則って登録すれば高齢者専用賃貸住宅となる(入居者は60歳以上)。
    さらに、ある一定の基準(部屋の広さやサービス提供など)を満たせば、
    介護保険の「特定施設」として運営することも可能である。介護保険上の制度ではないため、
    法律などの規制を受けにくく、共同住宅が建てられる立地であれば建設できること、
    今後さらに市場ニーズが高まることなどから大いに注目されている。
     内部での保険適用サービスはなく、介護や医療が必要な人は外部の病院や診療所、
    介護事業所を利用する。
     一般の賃貸住宅と変わらない物件もあるが、緊急時の対応や、
    食事や介護のサービスを受けられる物件もある。登録された情報は、
    高齢者住宅財団や指定登録機関のホームページなどで閲覧できる。高齢者は登録情報の中から、
    立地や家賃だけでなく、受けられるサービスの内容も含め、自分のニーズに合った賃貸住宅を選べる。
    さらに広さや介護対応など、一定の条件を満たして、より有料老人ホームのサービスに近い
    「適合高齢者専用賃貸住宅」として認定を受けたものもある。ちなみに、
    有料老人ホームの管轄は厚生労働省だが、「高齢者専用賃貸住宅」の管轄は国土交通省である。
    参 : 特別養護老人ホーム高齢者向け優良賃貸住宅高齢期の住まい
        高齢者住宅財団(HP)、(財)日本賃貸住宅管理協会(HP)
高齢者の自殺と孤独死(こうれいしゃのじさつとこどくし) : 自殺対策基本法に基づき、
    政府が2007年6月に閣議決定した自殺総合対策大綱では、
    高齢者の自殺の背景として慢性的な病気や将来への不安、
    社会や家庭で役割をなくしたとの思いや、妻や夫などの身近な人を失ったつらさなどを挙げている。
    自殺者が多いというのも、悩み事を打ち明けられない結果ということもあるでしょう。
    いまや年間3万人が自殺するという時代である。
     高齢化の進行に伴いお年寄りだけで暮らす世帯が増える中、
    誰にも看取られずに亡くなる「孤独死」も社会問題化している。
    ニュースタウンなどを対象にした都市再生機構の調査でも、
    孤独死の件数が増える中で高齢者の増加の割合が著しい。

    ハンディーネットワークインターナショナル代表取締役・春山満氏の講演での言葉を借りると、
     日本は長寿世界一になったが、寝たきり要介護でも世界一であり、
    2006年厚生労働省のデータによると、65歳以上の高齢者が自宅のベッドでなく、
    病院のベッドで亡くなる人の割合は82.4%である。これは欧米の3.5倍以上。
    日本の長寿世界一というのは、裏を返せば病院に入院し、簡単に「死なない」、「死なせない」、
    「死ねない」ということ。定年退職後の考え方も違う。米国では「ハッピーリタイアメント」、
    デンマークでは「グッドタイム」というが、日本では「老後」と呼ぶ。
    定年してからも20年、30年も続くのに日本は何故か「老いた後」という表現になってしまう。
    介護の現場に携わる人間は、「福祉」という観点でなく、究極のサービス精神を養わなければならない。
    ということだが、身内がいても誰一人見舞いにも来てくれないで
    病院で亡くなる場合は、自宅でなくても「孤独死」でしょう。

    死後1年8カ月で発見、「孤独死」続く復興住宅<西宮>
     西宮市内の災害復興住宅に一人で暮らしていた男性が、死亡から約1年8カ月後の
    2004年11月、自宅で白骨化した状態で見つかっていたことが2005年1月13日、分かった。
    男性は発見された翌日が65歳の誕生日で、被災高齢者に対する見守り事業の対象外。
    男性の死亡について、生活保護費を支給していた同市も、復興住宅を管理する兵庫県も全く気付かず、
    家賃滞納に伴う部屋の明け渡しの強制執行で判明した。仮設、復興住宅で、だれにもみとられずに
    亡くなる「独居死」のうち、発見までに最も時間がかかったケースという。
     県や同市によると、男性は震災で同市内の自宅アパートが全壊したため、
    1998年6月、同市西宮浜の県営西宮浜高層住宅に入居した。2001年4月から家賃の滞納が続き、
    県は督促状などを送付したが、2003年3月、本人から「自主退去する」と連絡があったのを最後に
    音信不通となり、近所の人も姿を見なくなったという。また、男性は生活保護費を受給しており、
    退去の話を受けて同市職員も住宅を訪ねたが応答がなかった。
    同年夏に文書を届けたが返事がなかったため、保護を停止したという。
    2004年11月17日、強制執行で男性宅に入った県職員らが、ベッドから床に落ちたような状態で
    死亡している男性を発見。西宮署の調べで事件性はないが、死因は特定できなかった。
     男性は音信不通となった当時は63歳。遺体発見までの約1年8カ月間、自宅を訪ねる知人もなく、
    県も強制執行手続きに時間がかかった上、無断退去したのでは、とも考え、
    一度も男性宅を訪問しなかったという。
     県住宅管理室は「法的手続きを取るまで男性宅に入れず、
    死亡を疑うような情報もなかった。(このような結果となり)残念だ」としている。
    介護の68歳長女が病死、90歳母は衰弱死<東京・品川>
     2008年1月8日午後6時45分ごろ、東京都品川区大井のマンション5階の一室で、
    この部屋に住む母親(90)と長女(68)の2人が死亡しているのを、
    近所に住む二女(66)が警察官とともに発見した。
     警視庁大井署によると、母親は数年前に脳こうそくを患って以降、ほとんど自力では歩けず、
    同居する長女の介護を受けていた。遺体に不審な点はないことなどから、
    同署は、長女が病死した後、母親も衰弱死したとみている。
     調べによると、2人は寝室にある別々のベッドの上で死亡していた。
    いずれも死後数日とみられるが、長女の遺体の方が傷んでおり、先に死亡した可能性が高いという。
    長女の遺体のわきには薬が置かれていた。
高齢者の免許更新制度 = 高齢者の免許更新制度(自動車関連に別掲)
高齢者は避けた方がいい薬 → 薬の副作用(医療関連に別掲)
高齢者への課税強化 = 高齢者への課税強化(税関連に別掲)
高齢者向け優良賃貸住宅(こうれいしゃむけゆうりょうちんたいじゅうたく) : 高優賃。
    2001(平成13)年4月6日に「高齢者の住居の安定確保に関する法律」が公布され、
    同年10月1日に全面施行された。その法律の一部として、高齢社会の進展のなか、
    増大する高齢単身者・夫婦世帯等の居住の安定を図るため、
    民間等の賃貸住宅を活用し、高齢者の身体機能に対応した設計・設備など、
    高齢者に配慮した良質な賃貸住宅の供給を促進することになった。
    そのことから、建設または改良に要する費用に対する助成と家賃の減額に要する費用に対する
    助成を行うことにより、高齢者の安全で安定した居住の確保を図ることを目的とした制度である。
    バリアフリーと緊急通報装置設置が義務付けられている。任意で安否確認、生活相談、
    食事サービスなどを提供するところもある。入居者は入居に係る収入要件はないが、
    高齢者(60歳以上)で、単身者か夫婦世帯などである。
    国と自治体が、廊下や階段といった共用部分などの整備費の3分の2、入居者の所得に応じた
    家賃の一部を補助する。補助については、平成17年度から市町村が必要に応じて実施することになった。
    「高齢者向け優良賃貸住宅」を建設・買取りまたは既存住宅等の改良により供給しようとする方
    (事業主体)は、供給計画を作成し、都道府県知事(政令指定都市・中核市の長)に
    認定の申請をすることができる。認定を受けた「高齢者向け優良賃貸住宅」については、
    区市町村が国と都道府県の補助を受けて、建設費としての整備等に要する費用の補助、
    家賃の減額に要する費用の補助など各種の助成が行われる。
    (助成の内容は、地方公共団体によって異なる場合がある。)
    また、認定を受けた「高齢者向け優良賃貸住宅」については、供給計画に従って、
    一定の要件を満たす賃貸人により、適切に管理されなければならない。
    参 : 高齢期の住まい
高齢・障害者雇用支援機構(Japan Organization for Employment of the Elderly and Persons with
    Disabilities:JEED)こうれい・しょうがいしゃこようしえんきこう : 高年齢者や障害者の雇用を支援する
    業務等を行う厚生労働省所管の独立行政法人である。「独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法」に
    基づき2003(平成15)年10月1日に設置された。日本障害者雇用促進協会の業務に国及び
    財団法人高年齢者雇用開発協会の業務の一部を加えて活動する。
     高年齢者等を雇用する事業主等に対する給付金の支給、障害者の職業生活における
    自立を促進するための施設の設置及び運営その他高年齢者等及び障害者の
    雇用を支援するための業務等を行うことにより、高年齢者等及び障害者の職業の安定
    その他福祉の増進を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを
    目的とする(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法第3条)。
     2009年9月現在の理事長は戸苅利和・元厚労事務次官で、常勤役員7人のうち4人が同省のOB。
    前身組織の社団法人はは1971年設立で、国などの業務が加わり、2003年10月に独法となった。
     企業の事業主が支払う雇用保険料などを原資とする約500億円の運営費交付金などを国から受ける。
    別に事業者が負担する障害者雇用納付金約200億円の収入もある。
    参 : 高齢・障害者雇用支援機構(HP)

    厚労省所管の独法、事業委託先に天下りOBの年収指示(亜日新聞2009.9.13号より)
     厚生労働省所管の独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都港区)が、
    同省OBの天下り先の公益法人「雇用開発協会」に対し、天下りOBらの年収額を決め、事業の委託費
    から支払うよう指示していたことがわかった。朝日新聞が入手した同機構の作成文書などで判明した。
     同協会は47都道府県にそれぞれあり、委託費の総額は2009年度で約59億円。
    そのうち約22億円が、同機構の指示通り、同協会に天下りした同省OB計約270人(2008年7月時点)
    を含む常勤職員約360人の人件費となっていた。委託費は厚労省の交付金などから支出されており、
    公金を使って、天下りOBらの収入を保証するシステムを作り上げていた形だ。
     朝日新聞が入手した文書は、高齢者の就業セミナーの開催などの雇用支援事業の発注をめぐり、
    同機構が2009年3月、47都道府県にある同協会側に電子メールで送信した「事務連絡」文書。
    事業の受注を希望する各協会が、事業の見積もりを同機構に提出する前に、
    同機構が人件費などの積算方法を指示した内容となっている。
     この文書では、天下りOBらの年収額を同機構が通知すると明記。
    同機構は、国家公務員の俸給表に従い、OB1人ずつ、退職時の約2割減の金額を指示していたという。
    年2回の賞与や住居手当なども公務員と同等とすることや、退職手当引当金額も文書で定めていた。
     協会関係者らによると、同機構は、天下りOBらの年収額のほか、諸経費の金額を上限として
    指示していたが、ほとんどの協会は、機構が指示した上限額通りに見積もりを作成。
    同機構はその金額で契約を結んでいたという。各協会の事務局長47人のうち45人が
    ハローワーク元所長クラスの天下りOBで、60〜65歳の年収は約600万〜約900万円となっていた。
     これらの契約方法は、少なくとも5年以上前から続けられ、
    2〜3年で入れ替わる天下りOBの年収を保証していたという。
     厚労省の労働局関係者によると、この委託事業はハローワークでもできる内容も多く、
    事業の必要性が疑問視されているという。
     同機構は毎年4月に、各協会に随意契約で委託事業を発注。来年度分から入札に切り替えて7月末から
    業者を募集したが、過去の実績などの条件が付いているため、全国のほとんどの地域で同協会だけが
    参加しているという。また、来年度以降、委託事業の契約期間は1年から3年に延長された。
    天下り廃止を目指す新政権の発足をにらんだ、天下りOBの利権を守るための
    「駆け込み発注だ」との批判も、事業関係者らから出ている。
     高齢・障害者雇用支援機構企画啓発部は「人件費や諸経費の基準は独法化される前からの慣例で
    決まっていたもので、必要と判断していた。来年度分からは業務量をもとに積算する方法に改めた。
    複数年契約にしたのは同じ業者の方が効率があがるからだ」としている。
     独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」の委託費をめぐり発覚した、
    公益法人「雇用開発協会」に天下った厚生労働省OBの年収保証システム。
    公益法人側では近年、委託費の不正流用も指摘されており、公金の無駄遣いの温床となっていた。
    委託費を精査すれば、「3割はカットできる状態」(協会関係者)だという。
    何かにつけ官僚たちは「前からの慣例だった」と言うが、前例は先輩官僚がつくったものだろう。
     窓口の職員は8人いるが、1人が1日あたり2〜3人の相談を受けるだけで、
    その6割は15分以下で終わるという。関係者は「コーナーはいつもガラガラ。
    履歴書の書き方や面接の対策は教えるが、肝心の職業紹介ができない。
    『ハローワークに行ってください』というだけなので、怒って帰る相談者も少なくない」そうで、
    こんなことなら厚労省内で十分に業務ができるのに、官僚が天下り先を確保しただけではないか。
    こんな独法は直ちに廃止すべきだ!!

シルバー人材センター : 高齢者に地域社会の臨時的・短期的な仕事を
    提供することを目的とする公共的・公益的団体(社団法人)で、
    1980(昭和55)年から国の補助事業として市町村単位で組織された。
    1986(昭和61)年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)で
    法制化され、国、都、市などからの支援を受けて運営されていて、営利を目的としない。
    高齢者の「生きがい」「働く喜び」「健康の維持」「福祉の増進」など、
    地域社会に密着した「臨時的かつ短期的な仕事」を発注者から引き受け、
    会員の希望や能力に応じて提供し、地域社会に貢献している。
    ほぼ全国の市区町村にある会員制組織で、原則として60歳以上が入会できる。
    利用者は報酬にあたる「配分金」と、さらにその7〜10%を事務費として支払う。
    扱う仕事は、公園・道路の清掃、駐車(輪)場の管理、受付業務、集配、市報などの配布、
    家事援助サービス、植木の手入れ、子育て支援、ふすま張り、観光地ガイド、
    パソコン指導、農業の手伝い、あて名書き、など様々で、
    働きに応じて配分金(報酬:平均月10日ほど働き4〜5万円)が払われる。
    最近は一時託児や放課後の保育など、子育て支援を手がけているところが増えている。
     右肩上がりだった契約高が景気の低迷を受けて2006年度から減少に転じ、
    会員数も2004年度をピークに減り続けている。一方で、市町村や国の補助金が年々減額され、
    2009年度あたりから事業活動収支が赤字になるセンターが出始めた。
    年金収支に行き詰った国が年金支給開始を60歳から65歳に引き上げたことと、
    企業の退職者再雇用制度が定着したことが危機的な事業運営に陥った主な要因だと言われている。
    参 : 全国シルバー人材センター事業協会(HP)














































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