YSミニ辞典(豆関連)

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小豆(a red bean)あずき : ショウズ。マメ科の一年草。古く中国から渡来し、種子を食用とするため
    各地で栽培される。高さ30〜50センチメートル。葉は3枚の小葉からなる複葉で、茎・葉に毛がある。
    夏、葉腋(ようえき)に黄色の蝶形花(ちょうけいか)を開き、花後、8センチメートル内外の円筒形の
    豆果を結ぶ。種子は10個前後で、暗赤色のものが多い。ダイナゴン・キントキアズキ・ウズラアズキ・
    シロアズキ・リョクズなど品種が多い。種子は甘納豆・餡(あん)・菓子・赤飯などに使う。
    [季語]秋−植物。 参 : 大豆
隠元豆(インゲンマメ) : マメ科の一年生草本で、豆類の中でもっとも大きく種類も豊富で利用面から
    緑色の未熟なさやを収穫し利用するものと成熟した種子を利用するものに分けられ、
    味豆(アジマメ)、フジマメ、花(はなささげ)、千石豆(せんごくまめ)
    三度豆(さんどまめ)などとも呼ばれている。[季語]秋−植物。
枝豆(green soybeans)えだまめ : まだ熟していない青い大豆を枝ごと収穫したもの。
    さやのままゆでて食べる。[季語]秋−生活。
    
    枝豆
    健康効果 : 大豆ならではの良質なたんぱく質や豊富なカルシウムのほか、
     小さな実の中に大豆にはないビタミンCビタミンAをたくさん含み、ミネラルも凝縮されている。
     ビタミンCは美肌効果も期待でき、日ざしで肌を傷めやすい夏には積極的にとりたい食べ物である。
     また、枝豆のたんぱく質に含まれるメチオニンという物質がビタミンB1ビタミンB2と共に
     アルコール分解を助け肝臓の負担を和らげる効果があるため、
     ビールのお供としては最適といわれている。
    選び方・調理のポイント : 緑色が濃く鮮やかで、しっかりけば立っていて、
     豆が大きくさやがふっくらとしたものが新鮮である。枝つきの場合は、さやが密生しているもの、
     葉がついている場合は、葉に張りのあるものを選びましょう。
     また、鮮度が落ちると甘みや風味が損なわれやすいので、買ってきたらすぐに塩茹でし、
     残ったら冷凍保存をしておく。枝豆といえば、塩茹でしてそのまま食べるのが定番だが、
     中華の炒め物や粗くつぶしてマヨネーズと和えたりしてもよい。わさび醤油との相性も抜群である。
    枝豆をおいしく茹でる方法
     @塩もみをしてよく洗い、さやに傷を付ける。
     A両端を切り落とす(塩がしみこみやすくなる)。
     B4%の塩分の熱湯で3〜4分(沸点をあげてふっくらと茹であげることで、甘味を引き立たせる)。
    枝豆のすり流し(2〜3人前)
    【材料】 : さやつき枝豆300グラム、水175cc、薄口しょうゆ10cc
    【作り方】 : @ゆでた枝豆をさやから出し、薄皮をむく。
     A枝豆をすり鉢でよくする。水を少しずつ足してはすり、足してはすり、豆と水を合わせる。
      ミキサーを使う場合も水を一度に入れず、何度かに別ける。
      豆の味が濃厚なら、水の量を増やしてもよい。
     B薄口しょうゆで味加減をする。より滑らかにしたいときには、味を調えた後にこしてもよい。
莢隠元(a kidney、a green bean:米、a French bean:英)サヤインゲン
    未熟なうちに莢ごと食べるインゲンマメのことで、野菜として食べるので「菜豆(さいとう)」、
    健康効果が高いので「野菜の宝石」とも呼ばれる。種子が小さく、さやは細長い。
    夏が旬のサヤインゲンだが施設栽培などにより一年中市場に出回っている。
    サヤインゲンにはつるなし(わい性)種と、つるあり(つる性)種があり、それぞれ特性が大きく違う。
    つるなし種 : 生育期間が短く、種まきからわずか50〜60日で収穫できる。
     5月から7月上旬頃まで逐次(ちくじ)種まきして連続的に収穫する。
     その代わり一作の収穫期間は20〜25日ぐらいと短く、株当たりの収量もそう多くは望めない。
     代表的な品種としては「マスターピース」「グリーンマイルド」「さつきみどり」などがある。
     丈は30センチ前後にしか伸びないので、畝(うね)間60センチ、株間25センチぐらいに
      1カ所3〜4粒まきとし、本葉2枚のころに間引いて2本立てとする。支柱は不要である。
    つるあり種 : つるの長さが2メートル以上にも伸びる。長い間収穫できて、
     つるなし種より味も良いため、畑にゆとりのある場合はこちらがおすすめである。
     代表的な品種は「ケンタッキーワンダー」「スラットワンダー」「新衣笠いんげん」などがある。
     5〜6月に種まきして60日ぐらいで収穫に入り、30日以上収穫し続けられる。
     大きく育つので、畝間90〜100センチ、株間35センチぐらいに粗植し、
     つるなし種と同じく3〜4粒まきして、間引いて2本を伸ばす。つるの伸びが早く、すぐに巻きつくので、
     早めに1.8メートル以上の長い支柱を低い位置で交差させて立てる。
     こうするとつる先まで手が届きやすく、収穫が楽にできる。
    健康効果 : ●食物繊維が豊富で疲労回復に役立つビタミンB1ビタミンB2
     高血圧を予防するカリウム、骨や歯の構成成分であるカルシウムなどを含有し、
     疲労回復、便秘予防、高血圧予防などに有効である。サヤインゲンの水溶性成分中に
     ガン細胞増殖抑制作用をもつ機能性成分があることが確認されている。
     ●血管を傷つける悪玉物質・LFA−1を撃退するために最適な緑黄色野菜で、
     下茹でした後焼酎など少量の酒をふりかけてから、きのこ類と合わせて摂ると、
     有効成分の効果が最大限に高まり、血管を保護する効果が強化される。
大豆(a soybean)だいず、おおまめ : マメ科の一年草。中国原産で、日本への渡来は古く、
    縄文時代後期、弥生時代初期に伝わったとされ、畑作物として栽培される。
    高さ約60センチメートル。全体に粗毛がある。葉は三小葉から成る複葉。
    夏、葉の付け根に淡紫色の蝶形花をつけ、豆果を結ぶ。種子は緑・淡黄・黒色などで、
    「畑の肉」ともいわれ、良質なたんぱく質のほか、脂肪カルシウムビタミンB1
    ビタミンEなどを多く含み、栄養価の面からも重要な食材とされている。
    大豆油を絞るほか、味噌醤油・油・豆腐の原料、また黄な粉などとする。
    若い豆果は枝豆(えだまめ)と称してゆでて食べる。
    また、「鬼は外、福は内」で有名な節分の時にまく風習もある。[季語]秋−植物。 参 : 小豆
刀豆(なたまめ) : @鉈豆。マメ科ナタマメ属の生命力旺盛な蔓(つる)性の一年草で、高さが5mにもなる。
     熱帯アジア原産で、江戸初期に中国より渡来し、サヤの形がナタや刀に似ていることから名付けられ、
     「帯刀(たてわき)」)という別名で呼ばれることもある。
     また、熟すと堅くなり、木を切るなたのようになることから「大刀豆」名がつけられたとされる。
     あの赤穂浪士は討入りの際にお守りとしたとも伝えられる。
     刀豆には白刀豆(白花種)と赤刀豆(淡紅花種)の2種類の品種がある。
     
     葉は長楕円形の3枚の小葉からなる複葉。夏、淡紅紫色か白色の花を穂状につけ、やや垂れる。
     夏、淡紅紫色または白色の花をつける。花後、長さ約25〜70cmに達し、
     平たい弓形に曲がる豆果を結ぶ。1つのサヤの中に6〜16個くらい、豆が入っている。
     刀豆には良質のミネラル・「コンカナバリンA」などのたんぱく質・「カバナニン」などのアミノ酸・
     「ウレアーゼ」などの酵素・食物繊維・ポリフェノール・鉄分など、
     豊富な栄養素が含まれており、古くから健康食材として利用されている。
     若い莢(さや)は福神漬けなどに用いるが、お茶として飲むのが一番とされる。
     若草色のさやの中から鮮やかな紅色の豆を取り出し、
     天日による乾燥・精製焙煎などの工程を経てお茶となる。
     しかし、刀豆には消化管内の粘膜に刺激を与え、胃腸内で充血や腫れ、出血性炎症を起こす
     サポニンなどの物質が含まれており、調理・飲用方法を誤ると刀豆中毒を起こすことがある。
     一説には、カナバニン、コンカナバリン、その他の数種類の物質も有毒性が指摘されている。
     刀豆に含まれるサポニンは赤血球の破壊から溶血症状を起こすともいわれる。
     また、外皮内にサポニンは多く含まれ、
     摂氏100度以上で充分に加熱処理をすれば毒性は軽減するといわれている。
     研究がすすめられた結果、毒性のある「カナバニン」が健康効果に有用な成分とわかった。
     刀豆の中毒症状 : 胃腸炎と似ていて、悪心、嘔吐、腹痛、下痢(非潜血性水様便)などがあり、
      嘔吐は少ない場合は数回、多い場合は十数回に及ぶ。多くの中毒者は手足のしびれ、胸焼け、
      動悸、背中の痛みなどを伴い、めまい、冷や汗、寒気などの神経系統の症状を伴うこともある。
      刀豆中毒は数十分から数時間の短期間で、1〜2日以内に回復するが、
      場合によっては数時間で回復することもある。
     刀豆中毒の対処方法
      @軽症中毒者の場合は、安静にしていれば回復する。
       砂糖を混ぜたお湯、濃いお茶などを少しずつ何回かに分けて飲ませてもよい。
       必要な場合は、鎮静剤を服用させ、安静や睡眠を保つなどしてもよい。
      A重症中毒者の場合は、病院で適宜治療をする。
       嘔吐が止まらない場合、脱水症状がひどい場合、溶血症状が見られる場合などである。
      B甘三、緑豆などを煎じてお茶にして飲むという民間漢方療法にも一定の解毒作用がある。
     [季語]秋−植物。
    Aナタマメのさやに似た形の「鉈豆ギセル」の略。平たく延べ打ちにした短いもの。
納豆(fermented soybeans)なっとう : 語源は、納所(なつしょ)の豆の意で、
    「むかし動物性タンパク質を食べることができなかった僧が、タンパク質の豊富な大豆を、おいしく、
    消化よく食べるために研究をした所産が納豆であり、僧房の納所でつくられ普及したものであるから、
    その場所名を冠して広義の納豆という語が生まれた。」ということとされる。
    @糸引き納豆(ひきわり納豆)。煮た大豆に納豆菌を繁殖させて作る、粘質の糸を引く食品。
     醤油やからしを加え、練って食べる。現在は、納豆といえばこの「糸引き納豆」のことを指す。
    A塩辛納豆(寺納豆)。むした大豆に麹(こうじ)をまぶし、塩水に漬けて発酵させ、乾燥させた塩辛い食品。
     今でも京都の大徳寺納豆や静岡県浜松市の浜納豆などが作り続けられている。
     そのほかに、山形県酒田市の塩納豆、茨城県の干し納豆、
     熊本県の金山寺納豆などローカル色に富んだ納豆もある。
    B甘納豆。1857年(安政4年)に栄太楼が開発した和菓子で、醗酵食品の納豆とは全く別物である。
     当初は浜名納豆(浜納豆)に似せて甘名納糖と名づけられた。
     名前が簡略化されて甘納豆と呼ばれるようになったのは戦後のことである。
     関西、特に大阪では、納豆と言えば甘納豆を指す場合もある。
    健康効果(NTVおもいッきりテレビより部分引用)
    ●大豆タンパク質が体脂肪を効果的に燃焼させ、大豆サポニンが中性脂肪まで減らす。
     しかも健康的に肥満予防・改善できる。
    ●新しい細胞を誕生させ、若々しい身体にするには、ポリアミンを多く含む納豆を、
     朝食べる前にバナナと一緒に密封袋に入れ、バナナから出るガスを納豆に5分間嗅がせると、
     納豆のポリアミンが5倍増え新しい細胞をつくる能力が高まる。
    ●ひきわり納豆は、脂肪を燃やすアミノ酸が最も多い。
     100回かきまぜるとアミノ酸の一種、グルタミン酸がピークとなり、糸の成分も最も良く働くため、
     肥満予防・改善効果が最も高くなる。さらに効果を高めるには、細かく刻むとよい。
    ●海苔の成分ポルフィランが納豆の大豆タンパク質の働きを高める。
     海苔の佃煮を入れることで海苔成分ポルフィランの働きがよく生かされる。
     ひきわり納豆1パック(50g)に海苔の佃煮を大さじ一杯入れてよくかま混ぜて食べる。
    ●緑茶のカテキンが納豆の大豆タンパク質と相乗して効果を発揮するので、
     昼食に食べると1日の摂取食事量が無理なく減らせて肥満予防・改善できる。
    ●食後血糖値が急上昇してしまう恐れのある麺やパンを食べる時は、黒豆納豆がオススメ。
    (注)「ワーファリン」を服用されている方は、抗凝血効果が損なわれてしまう恐れがあるので
       納豆の摂取については必ず医師に相談してください。
    ナットウキナーゼ : 納豆に含まれている血栓を溶かして、血液をサラサラにして
     血流を良くするという酵素のこと。私たち人間の体には、不要な血栓を溶かす「プラスミン」という
     酵素が存在し、血液の循環をスムーズにしている。このプラスミンを作るのがtPAという酵素である。
     tPAは、血管の内皮細胞(血管内壁の表面の細胞)でつくられている酵素だが、
     動脈硬化などで血管が弱まってしまうと、つくられるtPAの量が減って血栓を溶かしきれなくなる。
     ところが、納豆菌が作り出すナットウキナーゼは、このtPAを作る働きを高めて、
     血栓をどんどん溶かしてくれるのである。よく「納豆を食べると、血液がサラサラになる」と
     いわれる理由は、このナットウキナーゼの作用にある。
     参 : 食品保存法納豆のホームページ


















































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