YSミニ辞典(ま)
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麻羅観音(まらかんのん) : 1000年以上の古い歴史を持つ
俵山温泉(山口県長門市)の
北のはずれにある小さなお堂で、
大寧寺で自刀した大内義隆公の遺児が
男根(男性器)を切られた上に殺害されたことを哀れんだ里の人たちが建てたと言われる。
俵山温泉方面に右折せずに直進すると左側にトイレのある駐車場がが見えてくる。
その駐車場の手前に、「麻羅観音 日本一 ココ」という看板がある。
その道の愛好家の間では男根奉納の「チンコ寺」として知られ、
後利益は、子孫繁栄、精力増強、良縁、恋愛成就などがあるという。
道路を挟んで駐車場の向かい側の斜面にある小さな寺が麻羅観音である。
麻羅観音への上り口
階段を上ると石碑があり、下記のような麻羅観音の由来が書かれている。
麻羅観音の由来 : 天文二十年(一五五一年)九月一日、
中国地方の太守、大内義隆公は家臣の陶晴賢に攻められ、湯本温泉の大寧寺で自刀した。
翌二日、長子の義尊公はこの奥で捕らえられ斬首された。墓は近習のものと共に上安田にある。
末子の歓寿丸は女装して山中にかくまわれていたが、翌年春捕らえられてここで殺され
男児の証拠に男根を切られて持ち去られた。これを里人はあわれんで、この社をたてて霊を慰めた。
ここは子宝に恵まれない人や健康増強への願を託す参拝者でにぎわう。
こんな悲惨な由来なのに麻羅の名前にちなんで、強壮祈願、性病完治、夫婦円満、
子宝成就、安産祈願などへの願を託す参詣者が少なくないのであります。
麻羅観音の由来の石碑を右に見て階段を上る
すぐ上にお堂が見えてくる
こんな小さなお堂だった
本堂内には、主に木製の奉納された様々な男根がある
本尊も男根で、奉納品には自分で作った手作りのものもある。
さすがに麻羅観音で、お堂の周りには色々な男根がある
大小さまざまな男根
聳え立つ巨根群
過去から多くの参拝者に頭を撫でられているためにピカピカに光っている
奥に奉納小屋が見える
祠の横の小屋には奉納された張り型がぎっしり詰め込まれている。
これらの張り型はすべて陶器製で、500〜1500円ほどで俵山温泉の土産品店等で売られているそうだ。
奉納されている男根は石、セメント、金属、木、陶磁器など、様々な素材で出来ていて、
石や金属の亀頭部だけがピカピカに光っているのは、参拝者が撫でながら願掛けをするからである。
本堂横には、奉納品で溢れている祠がある。ここに収められているのはすべて陶器製の男根である。
全部同じ形をしているが、これは俵山温泉にある土産物店など1500ほどでで売っているもので、
それに名前を書いて奉納しているというわけである。
堂内の「ご記帳」には、「かわいい赤ちゃんが授かりますように」、「子供ができますように」、
「五体満足で元気な赤ちゃんが生まれますように」、「結婚生活がうまくいきますように」、
「孫がすくすくと育ちますように」、「彼氏ができますように」、などのほか、
もちろん「お陰様で子宝に恵まれました」というようなお礼の言葉もある。
「彼の○○○がおっきくなりますように」、「長くて太い立派な○○○になりますように」、
「72歳、朝立ち万歳!」などという露骨な願い事もあるという。あなたの願い事は?
「高校合格」もあるというが、ご利益はないでしょう。
5月初旬には供養祭があるので、この時にお参りすればより一層のご利益があるかもしれない。
祭と言っても 能満寺住職が慰めの読経と般若心経をあげて、その後に地元の保存会などによる
踊りの奉納があり、餅撒きをして終わり、という総時間が1時間半程度の行事である。
いくらこの観音様が「日本一」と言っても その祭の内容は全国的に有名な川崎の「かなまら祭」や
愛知小牧の「田県神社豊年祭」、越後の「ほだれ祭」、奈良明日香村の「おんだ祭」とは
比べようも無いほど地味だが、神社ではなくて寺では日本一だとか。
麻羅観音堂での供養祭(2009.5.8)
アクセス : 国道316号線沿いにある湯本温泉から県道34号線に入り、
信号機のある三差路で右折(豊田湖方面からは左折)して5分くらい走ると
県道281号線沿いにある麻羅観音の駐車場に到着する(湯本から車でおよそ20分)。
JR長門市駅からバス36分・俵山温泉バス停下車徒歩10分。
俵山マップ(俵山温泉「泉屋旅館」の資料より)