耳関連(YSミニ辞典)

[ホーム] [索引] [前項] [次項]

外耳炎(がいじえん) : 外耳、特に耳の穴の入り口から鼓膜のところまでの外耳道に起きる炎症のことで、
    細菌や真菌の感染による化膿(かのう)や、湿疹(しっしん)などがみられ、外耳道の痛みもある。
    耳そうじの時、耳かきで外耳道が傷つけられる、またはプールやお風呂で耳に水が入ったりして起こる。
耳珠(Tragus:トラガス)じじゅ : 耳の顔側の耳の孔の入り口にある三角形の形をした
    小さな出っ張り(軟骨)のこと。場所は「」を参照のこと。
中耳炎(ちゅうじえん) : 鼻と耳をつなぐ耳管から中耳へ細菌が感染し、炎症を起こす病気で、
    主に急性中耳炎と滲出性中耳炎がある。耳閉塞感・耳痛・耳鳴り・発熱などの症状を呈する。
    中耳は、「耳管」という細い管で、鼻腔の奥の部分とつながっている。そのため、
    何らかのきっかけで、鼻の奥にいる細菌が、耳管を通って中耳に感染すると、「中耳炎」が起こる。
    子どものほうが、大人に比べて時間が短く、傾斜もなだらかなため、
    鼻にいる細菌が中耳まで到達しやすいために、特に子どもに多い病気である。
    急性中耳炎 : 鼓膜の奥(中耳)の病気で、風邪をひいて鼻の奥(上咽頭)におこった炎症が
     耳管という鼻の奥と鼓膜の奥をむすんでいる管を通って中耳に広がったもので、
     鼻炎があって鼻汁が多いと中耳炎は治りにくくなる。鼻炎がある時に強く鼻をかむことは、
     菌が耳に送り込まれるので良くないので、鼻をかむ時は、片一方ずつ、静かにかむ。
     プールや風呂で耳に水が入っても、鼓膜に穴があいていなければ中耳炎の原因にはならないが、
     風邪ひきの時は無理をしないようにする。急性中耳炎にかかると、耳が痛み、熱がでて、
     聞こえが悪くなる。炎症がひどくなると、膿が鼓膜を破って外へでてくる(耳漏)。
     赤ちゃんに多い病気で、赤ちゃんが高熱を出し、激しく泣きぐずる時はまず急性中耳炎が考えられる。
     急性中耳炎は激しい痛みを伴うため赤ちゃんはひどく不機嫌になり、泣いたりぐずったりする。
     38度以上の高熱も出るから、比較的早く見つけやすい。なかなか熱が下がらない、
     不機嫌でよく泣く、耳を痛がる、しきりに耳に手をやる、等のときは中耳炎を疑う。
     急性中耳炎は風邪が原因で起こる事が多く、赤ちゃんは大人に比べて
     鼻腔と中耳を結ぶ耳管が短く、喉や鼻から入った細菌が中耳に届きやすい。
    滲出性中耳炎 : 小児に多くみられる耳の病気で、耳管が正常に働かず、
     鼓膜の奥(中耳腔)に滲出液が溜まった状態を言う。
     この液体には、さらさらしたものから粘っこいものまであり、滲出液とか、貯留液と呼ばれている。
     通常、耳管によって鼓室(中耳)内の気圧の調整が行われているが、
     耳管の機能が悪くなってくると鼓室(中耳)内の気圧の低下が進み、
     鼓膜の陥凹(鼓膜が内側にへこんだ状態)が起こるだけではなく、
     まわりの粘膜の水分が鼓室内にしみ出てくる。中耳腔にこのような液体がたまると、
     鼓膜や耳小骨の動きがわるくなり、外耳道を伝わってきた音が鼓膜から
     耳小骨そして内耳へときちんと伝わらなくなり、そのために、聞こえがわるくなる。
中途失聴(ちゅうとしっちょう) : 音や言葉などが聞こえた生活を経験したことがあり、
    「成長(大人)」していく途中で耳が聞こえなることをいう。発語はできるが、読話が
    困難(聞こえない)のため、筆談以外のコミュニケーション手段を求めて『手話』を学なぶ人達もいる。
    中途失聴の原因 : 病気や事故により耳の器官が壊れてしまうことや、
     ストレプトマイシンのような抗生物質の副作用によることなどがある。
聴覚障害(ちょうかくしょうがい) : 聴機能(聞こえの能力)が永続的に低下している状態をいう。
    一般的には、外耳から大脳皮質の聴覚野に至る聴覚伝達回路に何らかの障害があって、
    聞こえにくくなっているか、聞こえない状態(聴覚感度の低下)、
    または聞き分けにくくなっている状態(聴覚的弁別力の低下)と定義することができる。
    聴覚障害の種類
     伝音難聴 : 外耳から中耳を経て内耳に至るまでの音を機械的に伝える部位(伝音系)に
      病変が見られるもので、聴力レベルが70dBを越えることはない。
     感音難聴 : 内耳(蝸牛)聴神経・中枢神経伝導路を経て
      大脳皮質聴覚野に達するまでの聴神経の部位(感音系)に病変がみられるもので、
      聴力レベルは軽度のものから全く聞こえないものまで、状態は様々である。
     混合難聴 : 伝音難聴と感音難聴が合併したもの。
    
     リオン社「補聴器コンサルタントの手引」より    
世界保健機構(WHO)による分類

聴 力(dB)

分 類

26〜40

軽度難聴

41〜55

中等度難聴

56〜70

準重度難聴

71〜90

重度難聴

91〜

最重度難聴

身体障害者福祉法による聴覚障害の分類
等級 分 類
2級

両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの。(両耳全聾)
聴覚障害の中では最も重い等級で、聴覚が全く喪失した状態であり、
補聴器を使っても聴力の回復はない。
他の障害と併せ持つと「身体障害者1級」の手帳が交付される場合がある。
交付は、指定医が出す診断書、意見書をもとに各都道府県や政令指定都市などが決定する。
住民税や所得税が30〜40万円控除され、所得が低ければ非課税になる。
多くの自治体が医療費の助成制度を設け、公共交通機関にも割引制度がある。

3級

両耳の聴力レベルがそれぞれ90dB以上のもの。
(耳介に接しなければ大話声語を理解し得ないもの)
耳元での大声の会話、電車の通過、車のクラクション、
サイレン等の非常に大きな音は聞き取れる。しかし、通常の会話の理解は、
補聴器を用いてもなお困難を伴い、接近して大声で話す必要がある。

4級

@両耳の聴力レベルがそれぞれ80dB以上のもの。
(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
A両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
補聴器がなくとも聴覚情報だけで自分が静かな場所にいるか、
騒がしい場所にいるかの判断が可能である。
補聴器がなくても通常会話の半分程度は理解でき、耳元で話すか、
大声で話せばほとんど理解できる。補聴器を用いればほとんどの会話が理解できる。

6級

@両耳の聴力レベルが70dB以上のもの。
(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
A一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの
補聴器なしでも非常に接近(40cm以内)するか、
大声で話せば会話を聞き取れ、補聴器を使えば健常者と変わらない機能を有する。

    聴覚障害手帳不正(全保留者、交付受けず15人却下、39人取り下げ)
     聴覚障害の身体障害者手帳申請問題で、札幌の耳鼻咽喉(いんこう)科医(73)が作成した
    診断書・意見書の記載内容に疑義があるとして、道が申請を認めず扱いを保留していた空知、渡島、
    石狩各管内の計54人全員が、最終的に手帳を交付されなかったことが2008年3月9日分かった。
    この医師が関与した手帳取得者をめぐっては、既に208人が手帳を返還していることが判明。
    厚生労働省はこれらの事実を踏まえ、全国的にも例のない異常事態だとして、
    道などと連携しながら、対応策を検討していく考えだ。
     道障害者保健福祉課によると、54人は問題の耳鼻咽喉科医が
    最重度の聴覚障害2級と診断していた身障者手帳申請者。
     いずれも、「耳が聞こえるのに、身障者手帳を持っている人がいる」との通報があった
    2004年12月から2007年12月までの間に、各管内の保健福祉事務所に手帳申請を行った。
    しかし、道が問題が発覚した2007年12月段階で申請を認めず、手帳交付を保留していた。
     これら申請者の一部は、別の医師の再検査や診断などを受けたが、申請等級に合わないばかりか、
    最軽度の6級の要件さえ満たさないケースが続出。道の諮問を受けた道社会福祉審議会が
    「申請等級に当たらない上、障害も認められない」と判断し、15人が最終的に申請却下となった。
    残る39人は自ら申請を取り下げ、返還者は3月14日現在で約300人に及び、
    この医師の診断で手帳を得た人は判明しただけでも他に約400人いるという。
    問題の医師は朝日新聞の取材に対し、「弁護士に対応を任せており、何も話せない」と回答、
    弁護士も「コメントできない」としているそうだが、こんな医師は即、医師免許の取り消しをすべきだ。
    自治体も、一人の医師が何百人もみな同様に2級と診断するのを疑わなかったのもおかしいが、
    このような偽装(福祉不正)は医療費の助成、税金の減免、障害年金の支給などで不正取得であり、
    それでなくても財政がひっ迫している市町村がさらに困窮することになる。
    疑わずに認定した市と、特定の市に限り2級認定が多いことを調査しなかった北海道庁にも責任がある。
    警察は、身体障害者手帳(聴覚)の取得者から謝礼や報酬をもらっていたブローカーや
    社会保険労務士の組織的な不正取得を、徹底して捜査すべきである。

突発性内耳障害(suddn deafness)とっぱつせいないじしょうがい : 音のセンサーであり、
    音波の振動エネルギーを電気信号に変換する内耳が、突然障害(内耳障害)を受けることにより
    高度の難聴(高度感音障害)をきたす病気のうち、原因不明のものをいう。
    「突発性難聴」とも呼ばれるが、急性高度感音難聴のうちメニエール病や外リンパ瘻(ろう)
    聴神経腫瘍など明らかな他の疾患によるものを「突発性難聴」と呼び、
    原因の明らかでない場合だけを「突発性内耳障害(真の突発性難聴)」と呼んで区別することもある。
    難聴の種別としては感音性に分類される。
     2001年の調査では、全国受療者数は年間35,000人(人口100万人対で275人)。
    統計的には40〜50代、女性に多かったが、近年10〜30代や男性の例も少なくなく、
    年齢や性別においての偏差は見られなくなってきている。
    基本的に原因不明で確実な治療法がない難病であり、厚生労働省の特定疾患に指定されている。
    騒音などが原因の外傷性(伝音性)難聴とは全く異なる難聴である。
    推定されている有力な原因
    ウィルス感染説 : 難聴の発症前に感冒(風邪)のような症状を訴える患者が少なくないことや、
     突発性難聴の罹患が一回かぎりであること(再発はほとんどない)、おたふくかぜやはしかなどの
     ウィルス疾患が突発的な高度難聴を起こすことなどが根拠となっている。
    内耳循環障害説 : 内耳血管の痙攣や塞栓、血栓、出血などによる循環障害(血行障害)は
     突発性難聴の突然の発症をうまく説明できる。また治療として血管拡張剤、抗凝固剤などの
     循環を改善する薬剤がしばしば有効であると報告されていることも根拠となっている。
     しかし、この説では再発はほとんどないという突発性難聴の特徴の説明は困難である。
     高血圧糖尿病などの生活習慣病の人に多い他に、仕事が忙し過ぎたり緊張状態が
     続いたりしたときに発症するケースもあり、ストレスは誘発要因になるという。
    主症状
    @突然の難聴 : 文字通り即時的な難聴、または朝眼が覚めて気付くような難聴。ただし、
     難聴 が発生したとき「就寝中」とか「作業中」とか、自分がその時何をしていたか が明言できるもの。
    A高度な感音難聴 : 必ずしも高度である必要はないが、
     実際問題としては高度でないと突然難聴になったことに気付かないことが多い。
    B原因が不明、または不確実 : 原因が明白でないこと。
    副症状
    @耳鳴り : 難聴の発生と前後して耳鳴りを生ずることがある。
    Aめまい、および吐き気、嘔吐 : 難聴の発生と前後してめまいや、吐き気、
     嘔吐を伴うことがあるが、めまい発作を繰り返すことはない。
    治療 : 早期に治療を開始すれば治癒可能である。
      薬は、ステロイド全身投与など、副腎皮質ホルモンを中心とした薬物治療が多く、
     ビタミン剤(B12)、血流改善剤なども用いられる。ほかに鍼灸治療などがある。
     気をつけなければいけないことは、「早期治療」を行うことで、
     発病後、1週間以内に治療を開始した人と、2週間後からでは聴力の改善が著しく違ってくる。
     4週間も経ってからだと聴力(難聴)が固定されてしまう場合が多いそうである。
    
    あゆの左耳症状悪化、突発性内耳障害
     2008年に10周年を迎える歌手、浜崎あゆみ(29)が、以前から抱えていた
    左耳の突発性内耳障害が悪化し、左耳が完全に機能不全であることが2008年1月6日、分かった。
     自身の公式ファンクラブホームページ(HP)で明かしたもので、4日付のブログで
    「実は去年、耳の検査をしてもらったのだけど、左耳はもう完全に機能しておらず、
    治療の術(すべ)はないと診断されたんだ」と衝撃の告白。続けて「私はボーカリストであり続けたい。
    だから残されたこの右耳がいけるところまで、限界まで、歌い続ける。行くぜ10周年!!」と
    歌手業を続けていく決意をつづっている。所属レコード会社のエイベックスは
    「左耳が全く聞こえないわけではなく、休むというのではなくあくまで決意表明的なもので、
    今後のスケジュールの変更などもない」とコメントしている。
    あゆは2000(平成12)年に痛みや難聴感を伴う左耳内障害を告白し、
    一部公演を延期したことがある。
難聴(difficulty in hearing)なんちょう : @聴力が低下したために、音や声がよく聞き取れない状態をいう。
     入ってきた音が脳に達するまでの間に、その流れをさえぎるような病気が起きたとき
     「聞こえにくい」という現象が起き、これを難聴と呼び、音波の伝達路(外耳・中耳)に障害が
     生じた時(伝音性難聴)、聴覚神経系が冒された時(感音性難聴)にみられる。
     中耳炎・メニエール病・ストレプトマイシンの副作用などのほか、
     遺伝・外傷・老化や騒音に長時間さらされたときなどに起こる。
     ヘッドフォン難聴 : ヘッドフォンで大音量かつ長時間にわたり音楽を聴いていると生じる現象。
      伝音難聴の一種で、感覚細胞が麻痺もしくは破壊されることで起こるため、
      回復させることは非常に困難である。予防するにはは音量を下げるか、
      定期的に音楽を止めて耳を休ませる行為が必要である。     
難聴の種類
感音性難聴
内耳以降を感音系とよび、その部位の機能障害がある場合に起きる難聴で、
単に小さな音が聞こえなくなるばかりでなく、音の強弱に対する感覚異常が起こる。
特色として程度的には軽度な難聴から全聾(ぜんろう)まで達する。
感音系に障害があるため小さな音が聞こえにくいのに大きな音がうるさいという
現象がある。感音性難聴には『音響外傷』『騒音性難聴』等もある。
医学的治癒は難しく、一般的には補聴器を使って訓練する必要がある。
伝音性難聴
外耳・中耳に機能障害がある場合に起きる難聴で、鼓膜の損傷や、
中耳炎などが代表的なものである。特色としては小さな音が聞こえない・
聞こえにくいため大きくすれば言葉の聞き取りは改善される。
大部分は手術などの医学的治療によって聴力を回復させることができ、
もし難聴が残っても補聴器を使用することにより言葉のきき取りは良くなる。
混合性難聴
伝音系・感音系の両方の機能障害がある難聴のこと。
突発性難聴
別掲
神経性難聴
聴神経の障害による難聴のこと。
老人性難聴
加齢現象によって引き起こされる感音難聴で、内耳の蝸牛の機能低下により
音が聞こえにくくなり、また中枢神経の機能も落ちるので言葉の判断力も
悪くなる。耳の働きも年齢とともに低下して会話やテレビの音が聞こえにくくなる。
40デシベル以上は補聴器必要。聞き違える音は、@カ行、サ行、タ行、ハ行が、
すべてカ行かハ行に聞こえる、Aマ行とナ行が、ラ行に聞こえる、
Bが行バ行だ行が、ラ行に聞こえる。
難聴の程度の分類
聴力の程度 平均聴力レベル 聞き取りの不自由度
正常 30dB未満 普通の会話は不自由を感じない。
声が小さいとき聞き取れないことがある。
軽度難聴 30〜50dB未満 小さな声や囁き声は聞き取りにくい。
テレビの音が大きいと言われる。
中等度難聴 50〜70dB未満 普通の会話が聞きづらい。
自動車が傍に来て初めて気づく。
高度難聴 70〜90dB未満 大きな声でも聞きづらい。
大きな声でも聞き間違いが多い。
重度難聴 90dB〜 耳元での大きな声も聞きづらい。
日常の音声はほとんど聞こえない。聾(ろう)ともいう。
     難聴に効くつぼ : 外関聴宮陽谿など。
    Aラジオなどの放送が聞きとりにくいこと。(例)難聴地域。
難聴者(なんちょうしゃ) : 一般的には補聴器をかけていれば日常生活には大きな支障がない人をいい、
    具体的には聴力の程度に関係なく、ろう学校の経験がない、手話を母語としない人を呼ぶ。
補聴器(ほちょうき) : 難聴者の聴力の補助として用いられる小型の音声増幅機器をいい、
    マイクで音を集めて、アンプで音を増幅し、イヤホンで音を発生させる電気音響機器を
    小型化したものである。メガホンのような簡単なものは補聴器具などとよび、補聴器と区別している。
    補聴器の一般的な機能は音を大きくすることだが、ほかにさまざまな機能もある。
    例えば、難聴の人は普段雑音が聞こえないので、補聴器をつけると雑音が普通の人以上に不快に
    感じられる。それを軽減する機能を持つ補聴器がある。また、音を大きくすると小さい音は良く聞こえるが、
    大きい音は大きくなりすぎてしまうので、それを調整する機能もある。
    ただし、こうした機能がつくと値段も高くなり、耳かけ型の場合、基本機能のみのもでは片耳約8万円だが、
    雑音抑制機能付きだとその倍の約16万円、さらに指向性機能(前方にある音を拾う機能)付きだと
    3倍の約24万円になる。そして、もしこれが耳あな型ならもっと高額で、片耳30万円以上になる。
    しかし雑音抑制機能が必要となるのは騒音のある職場で働く人などで、指向性機能が必要なのは
    会合などで重要な話を聞く機会が多い人であり、そうでない人の場合は音の増幅ができる
    基本機能のみの補聴器で十分で、使う人の生活環境を考えて選ぶことがポイントである。
    小型携帯用補聴器の種類
    @箱型(ポケット型) : イヤホンを除く部分が一つの箱に組み込まれ、衣服につけて携帯する。
    A耳かけ型 : 箱型の箱の部分を小さく変形して耳介の後ろにかけられるようにしたもの。
    B耳あな型 : 耳孔挿入型。小型でイヤホンと一体にして外耳道の中に挿入するもので、
     使用していることが目だたないため急増している。
    C眼鏡型 : 箱型の箱の部分をさらに小さく変形して眼鏡の枠のつるに組み込んだもの。
    Dその他 : 音波を振動として頭蓋(とうがい)骨に伝える骨導型のものがある。
     耳小骨に振動を伝えるものや、電気刺激として聴神経を直接刺激するものなどの研究も行われている。
    なお、補聴器は伝音難聴には非常に有効であるが、感音難聴では使用が困難な場合もあり、
    適応したものを選択してある程度訓練を行い、慣れることが必要である。
(an ear)みみ : 動物の器官の一つで、脊椎動物の頭部にあって聴覚と平衡覚をつかさどる感覚器で、
    音波を受容し、それを神経に伝える構造をもつのが耳である。耳介や外耳道で音を拾い集め、
    振動する鼓膜の信号を神経パルスに変換して、蝸牛神経を通して大脳の聴覚中枢へと送る。
    左右一対あり、哺乳類と一部の鳥類では外耳・中耳・内耳の三部から成る。
    また、外耳のうち外から見える耳殻や外耳道をさす場合がある。
    魚類は内耳のみ、両生類・爬虫類は内耳と中耳をもつ。
    
    耳介(俗に耳とよんでいる部分)、図は右耳。
耳鳴り(have a buzzing inone’sears)みみなり : 耳鳴(じめい)
    外界に音源がないのに雑音が聞こえる状態をいい、
    実際には音がしていないのに、耳の奥で何かが鳴るように感じられること。
    頭部外傷・腫瘍などの耳の疾患・アルコール中毒・高血圧症老化ストレスなどが原因とされ、
    神経系が侵されると高調音が持続的に、伝音系が侵されると低調音が断続的に聞こえる。
耳マーク(みみマーク) : 目の不自由な人の「白い杖」や「くるま椅子マーク」などと同様に    
 耳が不自由ですという自己表示が必要ということで、
 名古屋市中途失聴難聴者協会の故・高木四良氏が発案し、
 1975(昭和50)年10月にまず名古屋市で制定され、
 やがて全国に普及した。
 耳マークは、耳に音が入ってくる様子を矢印で示し、
 一心に聞き取ろうとする姿を図案化したものである。
 耳の不自由な人のシンボルで、これを広く市民、
 県民の方に知っていただき、協力を得ようというものである。
メニエール病 : フランスの内科医プロスパー・メニエールにより発見されたことにちなんで、
    内耳性めまいのある種のものをメニエール病といい、
    吐き気や嘔吐を伴うぐるぐる回るようなめまいを繰り返し、
    内耳の中にリンパ液がたまり水腫(むくみ)ができ、聴覚や平衡感覚に異常が起きる病気のこと。
    原因ははっきりわかっていないが、過労やストレスがきっかけとなって起こると考えられていて、
    内耳の自律神経の異常、血行不全、迷路内リンパ圧の昂進、アレルギー説、
    水分代謝の異常による内耳内の水分貯留、
    中枢の発作などにより平衡障害を生ずるものではないかといわれている。
    めまいが主な症状で、難聴がいっしょに起こることが多く、吐き気や嘔吐が起こることもある。
    また、耳鳴りを伴うこともある。めまいの発作は軽いもので数分から数時間、
    重いものになると2〜3日続くこともある。一度だけで治ってしまうこともあるが、そのほとんどが
    症状が治まっても、また同じような症状を繰り返す。また、メニエール病は「メニエール気質」と言って、
    性格が几帳面な人や融通のきかない人、小さなことに思い悩む人に多いと言われている。
    典型的なメニエール病は (1)回転性めまい(2)難聴(3)耳鳴りが連動して起こるもので、
    30歳〜50歳に多く見られる。日本での有病率は10万人に30〜40人で、
    最近、軽い症状を訴える人が増えてきているという。治療としては、投薬に加え、
    運動で汗を流したり、個人で行動する機会を増やしたりすることがよいとされている。
    参 : 突発性内耳障害














































inserted by FC2 system