梨(YSミニ辞典)

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秋月(あきづき) : 2001(平成13)年に登録された新しい品種で、
    「新高×豊水」×「幸水」という主要品種3つの優れたところを併せ持っている。
    果実は約500g前後とやや大きめで、果肉は緻密で糖度が高く、果汁も豊富。
    この優れた味わいから現在人気上昇中である。店頭に並ぶのは9月下旬頃から。
愛宕(あたご) : 平均1kgにもなる大きな梨で、11月下旬頃から店頭に並ぶ晩生種である。
    「二十世紀」×「今村秋」が親とされているが、正確な来歴は不明である。
    果肉は柔らかめで、甘みと酸味が調和し瑞々しい食感が味わえる。
晩三吉(おくさんきち) : 約400〜500gになる大玉の晩生(おくて)の赤梨で、
    果実がややデコボコとしているのが特徴である。果肉はジューシーでやわらかく、
    さわやかな甘みとほのかな酸味がある。出回るのは10月下旬から3月頃まで。
    なお、誕生の由来は不明だが、新潟原産で、明治時代中頃に新潟で栽培されていたという。
    [季語]冬−植物。
かおり : 大玉で香りがよく、さわやかな甘みの青梨。親は「新興」×「幸水」で、
    1953(昭和28)年に神奈川県平塚市で「平塚16号」として育成されたが、
    日持ちの悪さや樹勢の弱さなどにより、品種登録はされなかった。
    しかし食味のよさから、今でも生産数は少ないが栽培が続けられている。
幸水(こうすい) : なし農林3号。園芸試験場(現、果樹研究所)が1941(昭和16)年に
    「早生幸造」と「菊水」の交配で作り、1959(昭和34)年にそれぞれの両親から1字ずつ取って
    命名された。赤梨系の早生種だが中間色(中間赤梨)と言い、若干黄緑色の地色が出る。
    和なし生産の34%を占める最も生産量の多い品種である。
    早生種の中でも特に収穫時期が早く、8月中旬から下旬だが、収穫時期は短くて日持ちも短い。
    早生幸造の甘みと菊水のもつ水分とがよくミックスされて、
    とても甘くて果汁が多い品種で、肉質も柔らかく、特有の香りがある。
新興(しんこう) : 円形でサイズが500g前後になる大玉の赤梨。
    「二十世紀」の自然交雑から誕生し、1941(昭和16)年に登録された。
    果肉はやわらかくて果汁も多く、甘さの中に適度な酸味がある。
    収穫時期は10月中旬頃だが長期保存が可能な梨で、寒冷地では年越しまで市場に出回る。
    
    鳥取の錦織梨園の新興梨(2010.10.29撮影)
新水(しんすい) : 7月下旬〜8月中旬に成熟し、梨のシーズン到来を感じさせてくれる品種である。
    親は「菊水」×「君塚早生」で1965(昭和40)年)に登録された。
    サイズは250g前後とやや小ぶりで、酸味はやや強めだが、甘みもありコクのある味わいである。
長十郎(ちょうじゅうろう) : 1895(明治28)年頃に神奈川の梨園で発見され、
    その屋号からこの名前がつけられた。かつては赤梨の代表として食卓を飾ったが、
    現在ではそれほど多く生産されていない。大きさは約250〜300gで果肉はややかため、
    酸味は少なくほどよい甘さである。シーズンは9月中旬頃。
(a pear)なし : @バラ科ナシ属の落葉高木。ヤマナシの改良品種で日本では古くから果樹として
     栽培されている日本梨のこと。葉は卵円形。花は白色五弁。果実は球形で8〜9月に熟す。
     果肉にはざらざらした石細胞があり、多汁で甘い。有(あり)の実。
     [季語]秋−植物。梨の花の[季語]は春−植物。
    Aバラ科ナシ属の落葉高木ないし低木の総称。@の日本梨のほか、西洋梨・中国梨などがある。
     西洋梨は、ヨーロッパ中部から、黒海とカスピ海の間のカフカズ地方にかけて自生する野生種を
     改良したものといわれている。日本に入ってきたのは明治初期のことである。
     平均的に洋梨→中国梨→日本梨の順に甘くなる。     
梨の分類(種類)       主な品種:早生種(赤色)、中生種(紫色)、晩生種(青色


青梨(果皮が緑色) 20世紀(にじっせいき)菊水(きくすい)八雲(やくも)
おさ二十世紀(おさにじっせいき)秀玉(しゅうぎょく)
ゴールド二十世紀(ゴールドにじっせいき)八里(やさと)
赤梨(果皮が渇色) 豊水(ほうすい)新高(にいたか)新興(しんこう)
長十郎(ちょうじゅうろう)晩三吉(おくさんきち)新水(しんすい)
幸水(こうすい)多摩(たま)長寿(ちょうじゅ)新星(しんせい)
稲城(いなぎ)清玉(せいぎょく)愛宕(あたご)かおり
愛甘水(あいかんすい)王秋(おうしゅう)南水(なんすい)
西洋梨(洋梨) バーレット、ラ・フランス、ウンターネリス、パスークラサン
プレーコス、マクレット、フレミッシュ・ビューティー(日面紅)、
ル・レクチェ
中国梨 鴨梨(ヤーリー)、慈梨、紅梨
    
    中国庭園『燕趙園』の中国梨の花 (鳥取の錦織梨園 錦織さん提供)
    
    二十世紀梨の花(周南市の二家本さん提供)

    
    交配を待っている二十世紀梨の花(2010.4.13、鳥取の錦織梨園提供)
    
    西洋梨の花(朝日家庭便利帳1995年9月号より)
    梨の薬効
     梨は昔から百薬の長と言われるように、様々な薬効があることが知られている。
     風邪で熱があり、のどが渇くときに梨を食べると熱を和らげ、同時にのどの渇きも止めてくれる。
     また2日酔いでのどが渇き、体がほてる場合にも効果的で、さらに消化酵素が食物の消化を助け、
     肝臓の負担を和らげてくれるため、日頃からお酒を飲む機会の多い人にはオススメ。
     高血圧症のかたには、梨に含まれるカリウムが体の中からナトリウムの排出を促進してくれるし、
     微量のアスパラギン酸が疲労回復にも効果がある。さらに、豊水に含まれるソルビトールと言う
     甘味質は、人体に入ったときに他のと違って急速に血糖値があがらないという特徴があるため、
     糖尿病の人に好ましい甘味料だといえる。
    梨の保存 → 食品保存法(くだもの)
南水(なんすい) : 「越後」と「新水」を交配して誕生した赤梨で、
    1990(平成2)年に品種登録された。果肉は比較的やわららかく、とても甘いのが特徴である。
    大きさは豊水と同じぐらいだが、中には500gを超えるものもある。
    日持ちもよいので贈答品としても人気で、9月下旬頃から出荷される。
新高(にいたか) : 新潟の「天の川」と高知の「今村秋」を交配し、
    それぞれの地名を取って1927(昭和2)年に「新高」と命名された。
    サイズは平均450〜500g程度で、大きなものでは1kgにもなるビッグサイズの赤梨である。
    酸味が少なく、みずみずしく風味豊かな甘さを持つ。特に高知など
    温暖な土地で栽培されたものは糖度が高いという。店頭に並びはじめるのは9月上旬頃から。
二十世紀(にじっせいき、にじゅうせいき) : 廿世紀。
    鳥取のブランド梨としても有名な青梨の代表品種。1888(明治21)年に千葉県で偶然発見され、
    これから迎える20世紀を代表するものとして命名された。果皮はきれいな黄緑でサイズは
    約300g前後の中玉。色形が美しく、果肉はなめらかで果汁も多く、
    わずかに酸味がきいたさっぱりとした味である。なお「ゴールド二十世紀」は、
    病気に強い品種として二十世紀を改良したものである。また、「おさ二十世紀」から
    育成された「瑞秋」は、「二十一世紀梨」として商標登録され2005年秋から出荷されている。
    
    鳥取の錦織梨園の二十世紀梨(2011.9.2撮影)
にっこり : 甘くて大きな「新高」と人気種「豊水」を掛け合わせて栃木県で生まれた赤梨。
    1996(平成8)年に品種登録された。平均果重が約800gにもなる大玉で、
    酸味は少なく糖度が高めで果汁も豊富である。10月下旬頃から出回る晩生種で、
    年が明けても店頭で見られる。
豊水(ほうすい) : 350〜400gほどになる大きめの赤梨。幸水と並んで生産量が多く、
    2004(平成16)年の統計では日本梨の約25%を占めている。
    1972(昭和47)年に「菊水×八雲」×「八雲」として品種登録されたが、
    その後のDNA鑑定により親子関係が誤りとされ、現在では「幸水」×「石井早生× 二十世紀」の
    可能性が高いといわれている。日持ちがよく、果肉はやわらかで多汁。
    甘みの中に適度な酸味がある。店頭に並ぶのは8月下旬頃からである。
    
    豊水(2011.10.9撮影)
ラ・フランス(lafrance) : フランス原産の洋なしの品種。不正円の果実で果皮部には斑点がある。
    国内では山形県が主産地で、「果物の女王」と呼ばれている。
    日本でよく見るりんごやなしと異なり収穫直後の実は硬く甘味もなくまずい。
    収穫してから2〜3週間「予冷」「追熟(ついじゅく)」という一定の保存期間をおくことで、
    良い香りと濃厚な甘みと滑らかな舌触りで、上品な味となる。
    追熟の間、果実に含まれるデンプンが分解されて果糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖となることで
    甘味が増し、ペクチンのゲル化により舌触りの滑らかさが増す。一段と芳香が強くなり、
    赤ん坊の頬くらいの柔らかさになったときが食べごろである。冷蔵庫などで冷却することにより、
    追熟を中断することもできるが、一旦食べごろを迎えると一気に熟成が進む。
    10月上旬〜中旬頃収穫され、11月上旬〜12月上旬にかけて食べ頃となる。
    香りがほかの洋ナシと比べて、香りが芳しいのが特徴で、食感はリンゴやモモにも似ている。
    タルト・ジュース・ジャムの原料にも使われている。
    
    ラ・フランス
    1964年に、フランスのクロード・ブランシェ(Claude Blanchet)が
    発見した品種で、日本へは1903(明治36)年に農商務省農事試験場園芸試験地(静岡県)へ
    食用としてではなく、受粉用として導入された。日本では盛んに栽培されているが、
    本国フランスなどヨーロッパ各国では、気候が合わなかったためにほとんど生産されていない。
    本国フランスでの品種名は発見者の名を取り、BLANCHET CLAUDEとなっている。
    山梨県富士川町では、珍しいラ・フランス狩り観光農園がある。
    収穫時期は9月下旬からと主産地より早い。
    食べ頃の見極めのポイント
     肩(軸の周辺の盛り上がったところ)を軽く押して、耳たぶくらいの柔らかさになれば食べ頃。
     他の西洋なしと違い、皮の色はほとんど変わらないで注意しましょう。
ル・レクチェ(Le Lectier) : 学名は「Pyrus communis」。
    「幻の洋梨」の異名を持つフランス原産のバラ科ナシ属の西洋梨(洋なし)で、
    ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアをはじめ世界中で広く食用に栽培されている。
    日本では明治後期から栽培が始まったと言われている。
    特に新潟県の信濃川河岸での栽培が盛んで、国内生産の大部分がこの地域で生産されている。
    新潟県内では「最もおいしい洋梨」との評価を受け、御歳暮に送られる方が年々増えてきている。
    果重は300〜400gくらいで、外観はやや縦に長く、いびつで独特な形(びん型)をしている。
    果皮は赤や黄色、緑など様々だが、日本において栽培されている品種の多くは緑色で、
    追熟させると黄色になる。また、果皮には「さび」と呼ばれる、傷のような褐色の斑が多数ある。
    果肉はとろけるようにやわらかく、和なしのように独特のしゃりしゃりとした食感はないが、
    果汁が多い上に甘味は非常に強く、独特の芳香を持っている。
    ただし、収穫したての時は硬く、おいしくない。追熟といって、一定期間置くと熟し、果皮は黄色になり、
    強い芳香を発するようになる。また、果肉も軟らかくなり、おいしく食べることができる。
    これは、追熟によって果実に含まれるデンプンが分解されて果糖、ブドウ糖などの糖となるとともに、
    ペクチンのゲル化により、甘みと滑らかさが増加するため。
    なお、冷蔵庫などで冷却することにより、追熟を中断することができる。
    バートレットなどの早生種は8月下旬から9月初めに収穫され、9月中には食べ頃となるが、
    ル・レクチェやラ・フランスなど多くの品種は10月から11月初めにかけて収穫され、
    食べ頃となるのは11月〜12月である。
    
    新潟市の長谷川果樹園の「ル・レクチェ」(2010.12.12撮影)
    器量は悪いが、私の好きなマンゴーより甘かった



















































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