地震関連(YSミニ辞典)

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Is値(Seismic Index of Structure)あいえすち : 構造耐震指標(こうぞうたいしんしひょう)
    耐震改修促進法に基づき定められた構造耐震指標で、
    建築物の耐震性能(地震に対する安全性)を表す数値のこと。
    1981(昭和56)年以前の建物の耐震性能を判定するために考案された。
    「Is」とは建築物の耐震性能を数値化したもので、各階ごとに算出する。
    国土交通省の告示は、Is値0.3未満を、現行基準の
    「耐震強度」0.5未満と同等と分類し、地震による倒壊・崩壊の「危険性が高い」と明示している。
    Is値は、一般的な2次診断では0.6以上、簡易な1次診断では0.8以上で必要な強度を
    満たすとされる。ただ、文部科学省は、子供の安全を守り、地震時の避難所となる観点から、
    学校建築の改修では、より安全な0.7以上に補強するよう求めている。
Is対応する耐震性能(値が大きいほど耐震性能が高い)
Is値 耐 震 性 能
0.3未満 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。
0.3以上0.6未満 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性がある。
0.6以上 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。
現在の基準同等の耐震性能があると考えられている。
    地震力に対する建築物の強度や粘り強さなどの耐震性能を表す指標で、大きいほど耐震性能が高くなる。
    耐震改修促進法によると、Is値の基準として、過去の震災経験よりこの値が0.6以上ある建物は、
    震度6強の大地震に対しても建物が倒壊又は崩壊する危険性が低いとされ、
    0.3以上0.6未満は危険性がある、0.3未満は危険性が高い、と定められている。
    各階の柱の強さおよび耐震壁の強さにそれぞれの靱性に応じた係数を乗じて積算し、
    これらが支える建物の重さを各階の揺れ方によって割増した値で除したもので、
    建物の形状が良くないとき、建築年数が古い場合には低減係数を乗じる。
    総務省・消防庁では、耐震性能をあらわす指標としてls値を使用しており、防災拠点となる建物では、
    その重要度に応じて、一般建物の1.25から1.5倍以上のIs値が必要と目標を定めている。
    東京都では、震災時における施設の重要度に応じて用途係数(用途指数)を設定している。
    参 : 耐震基準耐震改修促進法(法律)
P波 = P波(地震だけの用語ではないためPへ)
S波 = S波(地震だけの用語ではないためSへ)
アウターライズ地震(outerrise earthquake)あうたーらいずじしん
    アウターライズ(海溝外縁隆起帯)という海溝の陸から見て外側(アウター)の海寄りにかけて
    存在する海洋プレートが地形的に隆起した領域で生じる地震のこと。
    海洋プレートが陸側プレートに沈み込みを開始するアウターライズ付近ではプレートが下向きに
    曲げられるため、プレートの浅い部分では伸張応力が、深い部分では圧縮応力が作用する。
    このため、アウターライズ地震のメカニズムは震源が浅い場合には正断層型の、
    深い場合には逆断層型の地震となる。
    アウターライズ地震は外側の、陸地からは離れた場所で発生するため、陸地での揺れは比較的小さく、
    また併発する津波は規模の大きなものになりやすいという特徴がある。また、
    アウターライズ地震は、プレート境界型地震によって断層が破壊された影響で引き起こされることが多い。
    1993(平成5)年に発生した昭和三陸沖地震は、その37年前に起きた明治三陸地震の影響を受けて
    発生した(正断層型の)アウターライズ地震だったと見られている。
    2011年4月17日現在、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震の中で
    アウターライズ地震に該当する地震があったと見られており、今後の発生も懸念されている。
    陸での揺れが小さい余震でも、津波には十分な警戒が必要であるという。
アスペリティ(Asperity) : 地震で大きくすべった領域。地震は地下の岩盤が急激にずれることによって
    生じる。通常は地盤が強く固着しているが、ある時に急激にずれて(すべって)地震波を出す領域のうち、
    周囲に比べて特にすべり量が大きい領域のことを言う。すべり量が大きければ、それだけ大きな
    地震波を発生することとなるので、アスペリティは強い地震動を発生させる部分とも言える。
    アスペリティの場所を明らかにすることで、大きく揺れる地域の予測に役立つと期待されている。
伊豆大島近海地震(いずおおしまきんかいじしん) : 1978(昭和53)年1月14日午後0時24分39秒、
    伊豆大島西岸沖約15km(北緯34度46分、東経139度15分)を震源として発生した地震
    は7.0。伊豆大島と神奈川県横浜市で震度5を観測したが、
    震源域が陸におよんでいたため、静岡県賀茂郡東伊豆町では、震度6相当の揺れに襲われた。
    被害は伊豆大島よりも伊豆半島東部に集中。崖崩れなどにより、多数の死者を出した。
    また、猛毒のシアンが狩野川を経て、駿河湾へと流れ込み、魚貝類に多大な被害を与えた。
    気象庁による正式名称は「1978年伊豆大島近海の地震」であるが、
    ほとんどの場合、「伊豆大島近海地震」と呼ばれる。
     この地震による被害の総計は、死者23名、行方不明者2名、負傷者211名、全壊96戸、
    半壊616戸、地滑り・崖崩れ191箇所、道路損壊1141箇所である。
    このうち、25名の犠牲者は全て伊豆半島東岸で出た。東伊豆町は、負傷者、
    全壊・半壊家屋、地滑り・崖崩れ件数、道路損壊など、ほとんどの項目で最多を記録した。
岩手・宮城内陸地震(The Iwate−Miyagi Nairiku Earthquake in 2008)いわて・みやぎないりくじしん
    気象庁による正式名称は平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震。
    2008(平成20)年6月14日(土)午前8時43分(JST)頃に岩手県内陸南部(仙台市の北約90km、
    東京の北北東約390km)の岩手県、宮城県、秋田県の3県の県境付近を震源地とする、
    マグニチュード7.2(気象庁暫定値)の地震。国内最大の4022ガルという強さの揺れが観測されている。
    同県奥州市と宮城県栗原市において最大震度6強を観測し、両市を中心に被害が発生した。
    被害の特徴として、同じ規模の地震と比較して、建物被害が少なく土砂災害が多いことが挙げられる。
    震源の深さは約8km。震源近くに北上低地西縁断層帯という活断層の巣があり、その横にある
    北東−南西方向の長さ約40kmの未知の活断層が大きくずれて強い地震が発生したと見られている。
    山間部を震源地とする地震であるために山をえぐるような大規模な深層地滑りが起こり、
    何10カ所もの道路寸断を引き起こしている。地震の揺れで、地表近くの砂の層が不安定となり、
    上部の土層が浮き上がり、それと砂の層がまとまって地滑りを起こしたと見られている。
    そのために秘湯として知られる宮城県の「駒の湯温泉」が土石流に建物を押し流されるなどし、
    23人もの死者・行方不明者が出た。また、山間を流れる川にその地滑りの土砂が流れ込み、
    中国の四川大地震の際と同じように「せき止め湖」が出現。梅雨で大量の水が溜まったせき止め湖の
    水が溢れ一気に決壊し、下流部の低地に土石流が流入する恐れがあるとの警告も出された。
液状化(えきじょうか) : 主に大きな地震で起きる現象で、ゆるく堆積し地下水で飽和している
    砂質地盤に地震動が加わり、間隙水圧が上昇して砂の粒子間の噛み合わせがはずれ、
    地盤が液状になり支持力を失うこと。
    対策 : 発生を抑える対策と液状化しても住めるようにしておく対策の二つに大別される。
    発生を抑える対策 : 砂が緩く積もった地盤が地下水をたっぷり含んでいると、
     地震で揺すられると液状化する。だから、事前に振動を加えたりセメントを注入したりし
     て地盤を固めるか、排水して地下水位を下げる。
    液状化しても住めるようにしておく対策 : 地下深くの固い地盤に届くような杭を打ち、
     家の基礎を支える。液状化しても、杭に支えられて家は耐えられる。あるいは、液状化で
     家が傾いてしまった場合に、後で持ち上げられるように基礎をしっかりと造っておく手もある。
カイン = カイン(別掲)
火災旋風 = 火災旋風
活断層(かつだんそう) : 断層(岩盤や地層がずれた痕跡)のうち、
    過去数十万年くらいの間に繰り返し変動し、将来も活動の可能性が予想される生きている断層のこと。
    ただ、東海、東南海、南海地震のような巨大地震の原因となるのも、
    プレート(岩板)の境界にある巨大な断層だが、活断層とは呼んでいない。
    数十万年単位の地形や地層に残っている活動痕跡から見分ける。
    原発では1978年の旧耐震指針で5万年前以降に活動した断層を耐震で考慮する活断層としていたが、
    2006年の新指針で12〜13万年前以降に拡大された。
    原発から少なくとも30キロ以内を調査し、その周りも影響しそうな活断層を調べることになっている。
    我が国には、陸域において約2000カ所の活断層が存在しており、
    阪神・淡路大震災も活断層の活動によって引き起こされた。
    最近の活断層による地震は、2005年10月23日のM6.8の新潟県中越地震、
    2004年12月26日のM8.9のインド洋の津波・地震、
    2005年3月20日のM7.0の福岡県西方沖地震がある。
    福岡県西方沖地震は、新潟県中越地震と同程度の地震の規模の割に被害が少なかった要因として、
    直下型地震でなかったことと、建造物の多くは南北方向の力に対して強いことから、があったとされる。

    横にも縦にも
    「活断層」は、新しい時代に動き、今後も地震を起こす可能性がある断層。
    言葉自体は1920年代から研究者が使っていた。明治時代の濃尾地震などで地表がずれる現象も
    知られていたが、発見が相次ぎ、研究が開花したのは1960年代になる。
     一つの契機が岐阜県の阿寺断層だった。
    川がつくった段丘(階段状の地形)が上下にずれた場所が1959年に学会で報告された。
    古く動かないと考えられていた断層が10万年以内程度の「最近」に活動したことを意味し、注目された。
     当時、東京大の地質学教室にいた杉村新さん(86)は松田さんを連れて調査、
    この断層が横にも繰り返しずれてきたことを62年に発表した。「少し前に海外で横ずれが報告されていて、
    ここも同じはず、と思った」。断層は上下にずれる――そんな学界の思い込みも覆された。
     プレートテクトニクスの理論が広まる前夜。断層が地震を起こす考えも確立途上だった。ただ、
    1962年にまとめられた予知計画には活断層調査も盛り込まれ、研究を後押しした。
     活断層探しの基本は、空撮写真を立体的に見て特徴的な地形を探す「空中写真判読」。
    戦後に米軍や国土地理院が撮影した写真が入手しやすくなっていた。
    地層観察が基本の地質学者には懐疑的な声もあったが、
    地質学者の松田さんは現地でも確認して「地形は信用できる」と確信。毎晩、没頭したという。
     1960年代後半には西日本を貫く大断層、中央構造線でも横ずれが見つかった。
    地層の年代を調べる方法が発達し、活動の活発さを比べられるようになってきた。
    列島にかかる力や地殻変動の様子も見え、学問の幅が広がって研究者も増えていった。
     そして1974年、「活断層」は広く知られる。
    30人が亡くなった伊豆半島沖地震で、地表に現れたずれが報じられた。
    原子力発電所の立地も相次ぎ、社会との関係も深まっていく。(2010.1.12、朝日新聞より)
    
    日本の活断層研究の歩み(2010.1.12、朝日新聞より)

    2005年3月20日に福岡市中心部まで数10キロ離れた所を走っていた高速バスが、
    福岡県西方沖地震に遭遇し、高速道路上の電光掲示板には「地震発生、ここで降りよ」と
    指示されていたのに、バスの運転手は確実な情報の確認もしないで、
    ただ、ひた走ったそうだが、バス会社の安全管理はどうなっているのだろう。
    災害時は乗客を早く確実に目的地に運ぶよりも、乗客の安全確保を第一にすべきで、
    会社も早期の電話連絡等で危険を回避するとともに、運転手も確実な情報を得る努力を積極的に行い、
    いち早く乗客と車両を安全な場所に避難させるべきである。
    次の余震で大きな割れ目に落ち込んで全員死亡ということも在り得るのに、「くわばら、くわばら」。
    (2004.3.24の朝日新聞「声」から、佐世保市の医師、吉村真紀さんの投稿記事を部分引用)
    「高速バス」のコメントを再掲

ガル = ガル(別掲)
関東大震災(かんとうだいしんさい) : 大正12年(1923)9月1日の午前11時58分に伊豆大島、
    相模湾を震源として発生した直下型の大地震による災害である。
    東京都・神奈川県・千葉県・静岡県の各県を中心に、関東地方の広い範囲に大きな被害をもたらした。
    被害は、死者・行方不明者が約14万2千8百人(うち、死者105,385人)、
    避難人数は190万人以上、倒壊または焼失した建物は合計で57万棟にもなり、
    地震の発生時刻が昼食の時間帯と重なったことから火災が多く発生した。
    火災は地震発生時の強風に煽られ、
    「陸軍本所被服廠跡地惨事」で知られる火災旋風を引き起こしながら広まり、
    鎮火したのは2日後の9月3日午前10時頃とされている。
    参 : 阪神・淡路大震災

    戦前の替え歌集に関東大震災を切実に語った歌があったので、
    今後のためにも紹介しておきましょう。元歌が何であったかは分かりません。
    「ああ関東の大震災」 西岡 真理・熊木 柳日 合作
    天地開(あまつちひら)けし初めより、かつてなかりし大惨事、悲しき調べに唄はなむ。
    大正十二も半ば過ぎ、秋たち初(そ)めし一日(いちじつ)の、真昼に近き頃なりき。
    芙蓉(ふよう)の峯(みね)は怒り出し、関八州の地は震(ふる)う、天変地異の大地震。
    武蔵上総(むさしかずさ)や伊豆相模(いずさがみ)、都も鄙(ひな)もおしなべて、倒るる家は数知れず。
    帝都もここに襲われて、彼(か)の浅草の十二階、見る見る内に倒れ落ち。
    また揺り返す激震に、家蔵納屋(いえくらなや)も皆壊(みなくず)れ、たちまちおこる大火災。
    炎は天を焦がしつつ、三日三夜(みっかみよ)は焼けつづき、彼所(かしこ)の巷や此所(ここ)の町。
    親は子を呼び子は親を、呼びつ呼ばれつ西東(にしひがし)、右往左往に逃げまどう。
    阿鼻叫喚(あびきょうかん)のその様(さま)に、逃げ場を失い焼死(やけじに)せし、
                                 屍累々(しかばねるいるい)と山をなす。
    中にも哀れを極めしは、彼の本所の被服廠(ひふくしょ)に、より集いたる罹災民。
    四囲(しい)の炎に包まれて、三万有余の人々が、皆悉(みなことごと)くの焼け死(じ)にや。
    飢えと労(つか)れに苦しみて、もだえ死(じ)にせしは数知れず、想いやるだに胸迫(むねせま)る。
    時めき栄(は)えし帝都の地、今は昨日の影もなく、あわれを忍ぶ焼け野原。
    実(げ)に天変とは云いながら、この震災に果敢(はか)なくも、幾(いく)十万の生霊(せいれい)を。
    失いたりし悲しみは、いとど哀れの極みにて、なげきは永久(とわ)につきやらじ。
基準地震動(きじゅんじしんどう) : 原発を設計する際に想定した敷地周辺での地震による最大の揺れで、
    原発ごとに異なる。周辺の活断層などで起こりうる大地震を想定し、
    地盤の状態を加味して原発直下の最大の揺れを見積もる。
    この揺れをもとに原子炉、建屋、配管などの構造や強度を決める。
    国の原子力安全委員会が定めた耐震指針は、主要設備や建物がこの地震動に耐え、
    安全を確保することを求めている。一般には敷地地下の岩盤上での最大加速度で示し、
    単位はガルである。1ガルは1秒ごとに1cmずつ加速すること。
    地球上で物が落ちる時の加速度(重力加速度)は980ガルで1Gともいう。
    2006年に改定された指針では、発生形態ごとにプレート境界の地震、
    陸域プレート上部の地震などを想定、活断層の対象は従来の「5万年前以降に活動」から
    「13万〜12万年前以降」へ拡大し、さらに未知の活断層による
    「震源を特定しない地震」を考慮し基準地震動を決めるよう定めた。
    柏崎原発の基準地震動が5倍に
     東京電力は2008年5月22日、中越沖地震で被害を受けた
    柏崎刈羽原発で見直しを進めていた耐震設計用の想定地震(基準地震動)の大きさを公表した。
    旧耐震設計審査指針に基づいて2段階で定めていた従来の基準地震動では、
    「限界地震」の加速度(揺れの強さ)を地下基盤表面で450ガルとしていたが、
    これを1〜4号機で約5倍の最大2280ガル、5〜7号機で1156ガルに引き上げた。
    揺れが減衰する原子炉建屋基礎部分は最大が1号機の829ガル、最小が5号機の543ガルとした。
    東電では、新基準地震動を踏まえて設備の耐震評価を行い、全7基とも原子炉建屋基礎部分で
    1000ガルの揺れに耐えられるような耐震補強工事を6月にも開始する。
    2280ガルの基準地震動は国内の原発で最大値である。
    危険な原子力発電所で、いかげんな基準地震動を設定していたものだ。
    内陸の知られていない古い活断層は全国にたくさんあるというのに、
    浅い直下型の地震では3000ガルでも安全とは言えないかもしれない。

強震動(Strong Motion)きょうしんどう
    地震によって引き起こされ、建物に被害を及ぼす地面の強い揺れのことである。
    微弱な揺れを高感度に測定できる地震計では測れないので、強い揺れを確実にとらえる
    特殊な地震計で観測する。新型K−NET強震計では範囲が広がり、これまでは加速度計では
    計測が難しいと考えられてきた長周期地震動までを正確に記録することが可能となった。
    各地点の揺れ方は、震源の大きさや岩盤のの破壊の進行方向、地震波が伝わる経路、
    観測点の地盤などによって大きく変わる。強震動の大きさは震源域の大きさでだけではなく、
    震源域でのすべりの不均質性によることがわかってきた。それにより将来の大地震に対する
    強震動の評価には、巨視的断層パラメータと微視的断層パラメータの推定が必要とされる。
緊急地震速報(きんきゅうじしんそくほう)
    地震発生時に被害をもたらす主要動(S波、秒速約4〜5Km)が来る前に、
    震源に近い場所で観測した速度の早いカタカタという地震の初期微動(P波、秒速6〜8Km)を
    高性能の地震計で検知し、気象庁のコンピューターが地震の規模などを数秒で予測して、
    各地の遅れて到達する主要動(S波)の予想震度、到達時間などを総務省、消防庁、
    東京大学、静岡県、JR東海など60機関に提供する秒速3〜4kmの時間差を活用した
    システムのことで、地震被害の大幅な防止・軽減を図ろうとするものである。
    この情報は、地方公共団体や鉄道会社などの希望する事業者等に限って提供されていたが、
    気象庁は2007年9月から、広く一般の方への提供を開始し、
    最大震度5弱以上の揺れが予測された場合に速報を発表する。
    気象業務法が改正され、警報として扱われるため、指定公共機関のNHKは
    速報を流すことが義務づけられてのに対し、民法テレビ局は義務はないが、放送する。
    主な在京ラジオ局は2008年4月から、震度5強以上が想定された場合に放送する予定である。
     地震発生直後に震源に近い観測点で観測された地震波を解析し、
    大きな揺れが到着する前に震源と地震の規模(マグニチュード)、
    揺れの程度などを伝えるという従来にはない画期的な情報で、
    震源から距離がある場合、P波の検出時刻とS波到達する時刻の差が数秒から数十秒に達するため、
    事前に地震発生を知ることが可能となる。緊急地震速報は、地震の発生をいち早くつかむ
    システムであり、地震の発生前に前兆現象を捕らえる「予知」とは異なる。
    東海地震が想定震源域の南端付近で発生した場合、静岡市には速報から17秒後、
    東京には47秒後に大きな揺れが来ると気象庁は試算している。
     気象庁は2006年8月から、鉄道や工場などに速報を出している。
    首都圏で震度4の揺れがあった2006年8月31日の地震では、都心では2、3秒前、
    神奈川県西部では10〜15秒前に速報が出て、的中している。
    参 : 津波警報防災チャンネル(政府インターネットテレビ51CH)

    初期微動(P波)がいち早く主要機関に伝わっても、
    地域の住民にテレビやラジオから通報されるのは地震が起きてから何分も後のことなので、
    地震を感じたら安全な場所を確保するか逃げるのが一番。

構造耐震指標 = Is値
固着域(asperity、barrier)こちゃくいき : アスペリティやバリアとも呼ばれ、
    海のプレート(岩板)が、陸側のプレートの下に沈み込むプレート境界面が
    強く「のり付け(固着)」されてガッチリと噛みあっている領域で、
    数十年〜数百年の間圧力を溜め込んで動かず、
    ひずみの力が限界に達すると一気にはがれて地震が発生する。
    ずれにくい部分は、海洋プレート表面の凹凸のため生まれると考えられている。
    固着域がない境界では、プレートがなめらかに沈み込むため、
    ひずみがたまりにくく大地震が起こりにくい。
     東海地震の固着域はなかなか頑固で容易に剥がれない。
    「相当な大きさの海山が海のプレートと一緒に陸側のプレートの下に潜り込み、
    固着域を形成しているのではないか」という専門家もいる。
    それでも海のプレートがたゆまず潜り込み続けるため、結局いつかは耐えきれずに破壊されることになる。
    歪みエネルギーが溜まってくると、固着域の周囲は耐えきれなくなって徐々に剥がれ始め、
    そのたびに小さな地震が起きる。やがて固着域自体も外側から次第に剥がれ始めて徐々に小さくなり、
    やがて固着域そのものが歪みに耐えられなくなって破壊され、両プレート間が滑り始める時が来る。
    その滑りは加速度的に大きくなり、ついに一気にずれ動いて巨大地震に至る。

    沖縄沖に大地震の巣、M8級の可能性<琉球大など調査>    
  文献の記録が乏しく巨大地震は起きないと
 みられてきた琉球海溝で、
 最大でマグニチュード(M)8級の大地震が起こる
 可能性があることが、琉球大や名古屋大などの
 調査で分かった。プレート(岩板)同士が強くくっつき、
 はがれるときに地震を起こす固着域が、
 海底の地殻変動観測で見つかった。
 18世紀の津波の痕跡の分析でも
 大地震発生の可能性が示された。
  琉球海溝は、太平洋側のフィリピン海プレートが
 沖縄があるユーラシアプレートに沈み込んでいる。
 同様のプレート境界は、静岡県―四国沖にもあり、
 東海、東南海、南海の巨大地震を
 繰り返してきたことで知られている。
  境界にプレート同士が強くくっついた固着域があると、
 ひずみがたまり、力に耐えかねてはがれる際に
 地震が起こる。これまで、琉球海溝は大地震の
 文献記録が少ないことや地上で観測される
 地殻変動が小さいことなどから、
 固着域はないと考えられていた。
  研究チームは、海底の地殻変動を観測するため、
 沖縄本島南部のユーラシアプレート上の海底に
 3台の音波発信器を設置。2008〜09年に、
 全地球測位システム(GPS)を搭載した船で
 発信器の位置の変化を探った。
  その結果、海底が沖縄本島方向に年に
 7センチずつ動いていることが判明。
 ユーラシアプレートがフィリピン海プレートに
固着して引きずられたものと判断できた。固着域は沖縄本島の南100キロの海底下5〜10キロにあった。
長さは未確定だが、最大で幅が50キロあって、M8に迫る地震が起こる可能性がある。
この場合、沖縄本島は震度6前後の揺れにみまわれる恐れがあるという。
また、石垣島などで計1万2千人が犠牲になった1771年の大津波の痕跡を
中村衛琉球大准教授(地震学)らが分析。この結果、この津波は琉球海溝沿いの大地震で発生し、
石垣島南方にも別の固着域が存在する可能性があることもわかった。
静岡県―四国沖や千島海溝、日本海溝は、巨大地震に備えて国が特別措置法や基本計画を作り
防災対策を進めているが、琉球海溝沿いは特別な対策はとられていない。(長野 剛)
図はasahi.com(朝日新聞社)より。記事は朝日新聞2010.3.17号より。
固着域が急激にずれると、ユーラシアプレートが跳ね上がり大地震につながる。
災害時優先電話 = 災害時優先電話
災害伝言ダイヤル = 災害伝言ダイヤル
自主防災組織(じしゅぼうさいそしき) : 日本において災害対策基本法第5条2において規定する
    地域住民による任意の防災組織である。大規模な災害が発生した際、地域住民が的確に行動し
    被害を最小限に止めるため、平時は地域内の安全点検や住民への防災知識の普及・啓発、
    防災訓練の実施など地震被害に対する備えを行い、また、実際に地震が発生した際には、
    初期消火活動、被災者の救出・救助、情報の収集や避難所の管理・運営といった活動を行うなど、
    非常に重要な役割を担っている。主に町内会・自治会や学校区単位で地域住民が自主的に連帯して
    防災活動を行う任意団体であるが、具体的には町内会・自治会防犯部といった組織や、
    地域の婦人防火クラブ、その他防災関連のNPOなどがその例である。
    また、地域住民の構成する消防防災機関としては消防組織法に定める公共機関としての
    消防団が存在するほか、水防法においては水防団が設置されているが、
    これらは公共機関としての位置付けであり、あくまで任意の組織である自主防災組織とは一線を画す。
    防災NPOの活動も活発化しているほか、市町村、とりわけ消防本部において防災ボランティア等の
    登録制度を設けているところも多い。また、企業においては一定の危険物を取り扱う事業所については、
    消防法において自衛消防組織を設置しなければならないとされているほか、
    石油コンビナートなどの業務を行う特定事業者については石油コンビナート等災害防止法によって
    自衛防災組織を設置義務付けされている。さらに、原子力事業者については
    原子力災害対策特別措置法によって原子力防災組織の設置が義務付けされている。
    これらの組織を総称して『自主防災組織』と称されることもあるが、あくまで便宜的な用法であって、
    法的にいうところの『自主防災組織』とは、あくまで地域住民などによる地域単位の組織を表す。
     総務省消防庁によると、2010年4月時点の全国の組織率は74.4%。
    1995(平成7)年1月の阪神大震災で、地域住民が倒壊家屋から多くの負傷者を助け出したことを
    教訓に、災害対策基本法に組織づくりの推進が盛り込まれた。
    近年、高齢化や人手不足が課題になつている。
地震(an earthquake、a shock of earthquake、a shock)じしん
    地球内部の特定部分に長期間蓄積されたプレートの運動によるエネルギー(歪んだ力)が、
    ある限界に達し、一気に放出されて弾性波(地震波)を生ずる現象。
    ほとんどの地震は、地表面から約40kmの深さにある断層に沿って、
    断層の片側の地盤がもう一方の地盤よりも相対的に速く動いたときに発生する。
    この突然の運動は、「震源」とよばれる地震発生地点から衝撃波(地震波)を全ての方向に伝播させる。
    一般に地震といわれる地表面の運動は、こららの地震波によって引き起こされる。
    地震の種類には、2種類あり「海溝型」と「直下型」に分けられる。
    「海溝型地震」は「プレート境界型地震」とも呼ばれ、海洋性プレート(太平洋、フィリピン海プレート)が
    大陸性プレート(ユーラシアプレート)の下に潜り込もうとする力に対し、
    大陸性プレートが限界になった時に跳ね返りが発生し、地震となるもので、太平洋沿岸によく起こる。
    「直下型地震」は、プレートどおしがぶつかり合い活断層がずれたり、
    プレート内で地震断層が発生することで起きる。阪神・淡路大震災は、
    この活断層のずれによって生じたものでした。活断層による地震は震源が浅いため、
    地震の規模が小さくても都市の直下で生じると大きな被害をもたらすことがある。
    東京消防庁の「地震に備えて」を読んで、いざというときに活用しましょう。
    PDFファイルでダウンロードもできます。
    大地震から身を守るには(防災コンサルタント・山村武彦氏の「意外と知らない防災の常識」より引用)
    ●阪神淡路大震災では、死亡者の8割以上が建物や家具による圧死だったことから、
     机の下に隠れるより、まずは建物から脱出しなくてはいけない。
     少しでも揺れを感じたら、それは大地震の前揺れかもしれないと考えて、
     震度2でも3でも、いったんは建物から出る習慣を身につけた方がよい。
     もしそのまま揺れがおさまったとしても、防災訓練の代わりと思えばよい。
    ●屋外にいた場合地震に遭遇したら、原則は建物から離れること。離れられない場所にいたら、
     安全そうな建物の陰に隠れること。落ちてきたガラスなどで怪我をする人が多いからである。
    ●揺れを生き抜いたあと、一番役に立つ物といえば「情報」で、なかでもラジオは、
     大地震後を生き抜くための、強い味方になってくれる。今何をするべきか、どこへ行くべきか、
     すべてはラジオの情報が教えてくれる。電池がなくても使える手回し式のラジオなどを、
     防災バッグのなか、オフィスの机のなか、そしていつも持ち歩く鞄のなかという具合に、
     分散して置いておくとよい。
    ●オフィスから自宅まで20km以上離れていて、地震のあと自宅に帰れない人を「帰宅困難者」と
     言うが、もし被災した場所がオフィスの近くであれば、帰宅するよりまずはオフィスに戻るほうが安全で、
     そのとき家族の安否を確かめるために利用できるのが「災害伝言ダイヤル」である。
     電話が直接つながらなくても、伝言によって家族との連絡が取れる仕組みとなっている。
     これは毎月1日にテストができるので、家族全員でいざというとき使えるように練習しておくとよい。
    ●水や食料の備蓄は1人200時間分。たとえば水なら16リットル×家族の人数分がベストである。
     用意はしても、量までは考えていない人が多いので、賞味期限とともにときどきチェックしておく
     必要がある。第一に心の準備、そして物を備えるなら、使える防災グッズを用意しておく。
    大地震の時の心得(政府提供)
    1.テーブルや机の下に身をかくしあわてて外に飛び出すな
    2.大地震1分過ぎたらまず安心
    3.テレビやラジオをつけて地震の情報を
    4.海岸でグラッときたら高台へ
    5.近づくな自動販売機やビルのそば
    6.気をつけよ山崩れと崖崩れ
    7.避難は徒歩で荷物は最小限に
    8.余震が起きてもあわてずに正しい情報に従って行動を
    9.不意の地震に、日頃の用意
    家屋の耐震化
    建築基準法による現在の耐震基準は1981(昭和56)年に定められ、
    それ以前に建てられた建物は耐震性が不十分で、
    阪神淡路大震災でも大きな被害が出たことが確認されている。
    家族みんなの住む家屋自体が、地震に耐えられるものかどうかも気になります。
    下記のホームページなどを参考にし、わが家の耐震診断をしてみましょう。
    地震のことわざ・言い伝え
    【異常気象】
    ●放射状の雲、水平雲、異常な形の虹が出たときは地震の前兆。
    ●雲が長い帯のようになり、なかなか消えないときは地震の疑いあり。
    ●長い帯び雲が下のほうにあって、消えないときは近くで地震がある。
    ●長い帯雲が高かくにあって、消えないときは遠くの方で地震がある。
    ●龍のようなまき雲がまっすぐ立ち上るときは、すぐに地震の疑いあり。
    ●夕方、放射状に雲が広がり、夕焼けに染まると、火山や地震の前兆。
    ●旭日が黄色に見えて、月の色が不気味なほど赤く、星が異常にまたたくときは地震あり。
    ●短い虹や、まっすぐの虹が出るときは地震の兆。
    ●夏寒く、冬暖かく、季節はずれの寒暖が続く年は地震がある。
    ●雨や日照りが続いたり、天候が定まらず、大変蒸暑く感じる時は地震がある。
    ●酷暑の夏は、秋ごろ地震の疑いあり。
    ●風もなくシトシト雨や曇りの日が10日以上続く時は地震の疑いあり。
    ●空気がなんとなく重く感じ、風がとまり、変に息詰まるような圧迫感を感じる時はすぐに地震がある。
    ●蒸し熱く、日照りが続き、空全体に黄砂があるような時は地震の兆。
    ●朝、風がなく空気が重く感じるときは、地震の可能性あり。
    ●同じような空模様が1カ月近く続くと地震の疑いあり。
    【異常現象】
    ●太陽の周囲が白くぼけるときは地震の前兆。
    ●大地が不気味な音鳴りを発し、空気が重く沈んでいるときは即地震がある。
    ●時刻を問わず、ドーンという物音が1週間以上あるときは地震の前兆。
    ●ドーンという山鳴りがすると直ぐに地震がある。
    ●遠くで1週間以上地響きがあり、家や壁の振動がたびたびあるときは地震の前兆。
    ●井戸の水が突然枯れたり、水位が下がるときは、即地震を疑うべし。
    ●井戸の底からゴロゴロと音がするときは、地震の可能性あり。
    ●井戸の水が急に減ったり、地下水が濁ったりする時は地震の疑いあり。(天候に関係なく)
    ●井戸水が急に増える時も地震の疑いあり。(天候に関係なく)
    ●井戸水が季節を問わず温くなったり、地熱が上がった感じがあるときは地震や噴火を疑うべし。
    ●井戸の水が1週間以上濁る時は、地震や噴火などの天変地異が起こる。
    ●温泉が枯れたり、温度が変わるとき、火山や地震の可能性あり。
    ●湧き水が急に出たり、温泉が噴き出したりするときは地震の前兆。
    ●ラジオなどが雑音で急に聞こえなくなるときは、直ぐに地震を疑うべし。
    ●テレビ全チャンネルの画面が砂あらしのように見えなくなるとき、直ぐに地震を疑うべし。
    ●砂浜が突然変形したときは、地震の可能性大。
    ●海水が一部分泥のように濁ったり、時ならぬ干満の差があるときは、地震や津波あり。
    ●海の水が急に引き初めると、地震や津波に注意。
    ●潮の満ち引きの差が2メートル近くもあり、1週間以上続いている時は地震や津波が近い。
    ●同じ方向で、10日ほど地響きや雷鳴のような音がする時は、その方向に地震がある。
    ●磁石が定まらぬときは、すぐに地震がある。
    ●火山の噴煙が急に減った時は地震が近い。
    ●夜水平線が異常に光るとき、地震があると疑え。
    ●夜、海や山に光の玉がみえるとき、地震が近いことがある。
    ●山の端が発光するとき、地震の可能性あり。
    ●湖や泉の水が急に減り数日続くときは、地震や近くの火山噴火を疑うべし。
    ●虹が低く見えるときは地震がある。
    ●夜、昼間のようにどことなく明るいときは、すぐ地震を疑うこと。
    ●水平線や地平線が、夜間に火事のように明るくなる時は地震が間近に迫っている。
    ●ねむの木、オジギ草の葉がしぼむときは地震の前兆。
    【動物の鳴き声や異常行動】
    ●犬が異常に吼えるときは、地震の可能性あり。
    ●犬やネコに落ち着きがなく、食欲も無くなったときは即地震と思うべし。
    ●ネコが異常に落ち着きがなく、外に出たがるときは地震の可能性あり。
    ●ウサギが飛びはねて落ち着かないときは、地震が近いことがある。
    ●ネズミが騒ぐときは地震に注意。
    ●ネズミが急に居なくなると、地震の疑いあり。(火事の前兆との諺もあり)
    ●小動物がすみかから逃げ出したりするときは地震の前兆。
    ●鶏が夜中に突然騒ぎ始めるときは、地震がある兆しあり。
    ●鶏がいつもと違ったときに鳴き騒ぐ時は地震あり。
    ●鶏が餌を食べずに首をかしげ、しばらくじっとしている時が多くなると地震の前兆。
    ●雉が急に巣を移す時は地震を疑うべし。
    ●雉の夜鳴きがひどい時は地震を疑うべし。
    ●地震の直後に雉が鳴かず警戒しているような時は再び大揺れする。
    ●日中カラスの大群が移動するとき、地震に注意。
    ●日中カラスの大群が異常な鳴き声で騒ぐとき、地震の可能性あり。
    ●深夜にカラスが大声で10日以上騒ぐとき、地震が近いしるし。
    ●地震の直後に小鳥が静かに、警戒をしているような時は続いて地震あり。
    ●赤トンボが異常に多く群れる時は、その冬地震あり。
    ●昼夜を問わず、かげろう(蜻蛉→羽の透き通った虫)が無数に飛び回るときは地震の疑いあり。
    ●ヘビが穴から出で広いところにいるときは、地震の可能性あり。
    ●ヘビが竹やぶなどに集まる時は地震が近い。
    ●真冬や日照りの時に、ヘビが這い出てくる時は、地震が近い。
    ●冬眠中のヘビやカエルを見たら地震を疑うべし。
    ●ミミズが突然大群で出てくるときは地震の可能性あり。
    ●ミミズが大量に死ぬときは地震の前兆。
    ●真冬にミミズがたくさん這い出てくるときは、地震が近い。
    ●アリが大群で固まって動かないときは地震の兆し。
    ●ムカデ(百足)が多数這い出てきたり、多数死んでいると地震がある。
    ●ムカデが大挙して移動していくときは地震や、土砂崩れに注意。
    ●小動物や魚に落ち着きがなく、異常な行動をとる時地震を疑うべし。
    ●魚が突然いなくなるときは、地震が近い兆し。
    ●見かけない魚が上がり人々が驚くときは地震や天災の前兆。
    ●水槽の魚に落ち着きがなく食欲も落ちるときは、地震の疑いあり。
    ●金魚や小魚などが同じ方向に並ぶときは地震の疑いあり。
    ●小魚が大量に釣れたり、獲れたりするときは、地震の可能性あり。
    ●ナマズやウナギが白昼多数見かけるときは、地震が近いことあり。
    ●ウナギが群をなして川上へのぼるときは地震の前兆。
    ●池の魚が真中に集まるときは地震の前兆。
    ●池の鯉が落ち着かず、盛んに水面上に飛び上がるとき、地震が近いことと知れ。
    ●海に居る魚が川にさかのぼり、大魚が陸の近くで取れることが続く時は、地震が極めて近い。
    ●深海魚や見慣れぬ魚がとれたり上がる時、地震の前兆と知れ。
    ●魚が異常に釣れたり、全く釣れないときが続く時は地震の前兆。
    ●穴の中に住む魚が、季節を問わず川の中に泳ぎ出ているときは地震を疑うべし。
    ●近海の魚群がにわかに減るときは地震の前兆。
    ●海藻がよく繁り、貝類が少なくなる事が数年続くと、大地震が近いと知れ。
    ●海ガニが群をなして陸へあがるときは地震・津波の前兆。
    ●地の中の虫が季節を問わず這い出てきたり、小動物が逃げ出すような時は地震を疑うべし。
    ●見慣れぬ虫が異常発生するときは、その年地震がある。
    【身体の異常】
    ●頭がフラフラし、脱力感があるときは、一応地震を疑うべし。
    ●頭痛があり不安感や恐怖感、神経的な不調があるとき、地震が近いときがある。
    ●耳鳴りがして、キーンという音となるときは地震の疑いあり。
    ●地震の朝は、気分がすぐれない。
    参 : 震度マグニチュードトラフアスペリティ緊急地震速報地震計震度計液状化
        固着域関東大震災伊豆大島近海地震阪神・淡路大震災新潟県中越地震
        宮城県沖地震地震被害想定耐震基準予知計画防災の日(非常用持出品)、
        自然災害津波警報e−カレッジ(総務省消防庁HP)、(財)日本建築防災協会(HP)
        全国地震予測マップ(HP)、防災チャンネル(政府インターネットテレビ51CH)

    恐ろしいものを順にあげた言葉として、地震(じしん)雷(かみなり)火事(かじ)親父(おやじ)があり、
    昔から地震がいかに恐かったかがうかがえるが、現代人にとっての恐ろしいものは
    「大地震、異常気象、泥棒・強盗、個人情報流出」の順に変わっていて、
    地震は現在でもトップの座にあるものの、普通の地震は怖いとは思わないのでしょうか。
    ちなみに、火事は5位に落ち、親父はどこにも見当たりません。
    現在は、親父は隅に追いやられ、息子や娘の方が怖いかもしれませんね。

地震回数(じしんかいすう) : 平成14年に我が国で観測した震度1以上の地震の回数は、1,253です。
    なお、「前震」、「本震」と「余震」のように、
    同じ場所を震源域とする地震でも異なる時間に発生したものについては、別々に数えている。
    このうち、震度5弱の地震を4回観測したが、震度5強以上の地震は観測していない。
    ここ10年についてみると、我が国では1年間に震度1以上の地震を800〜1,900回程度観測しており、
    そのうち耐震性の低い建物に破損が生じる震度5弱以上の地震は毎年5回程度、
    耐震性の高い建物でも破損が生じる震度6弱以上の地震も毎年1回程度観測している。さらに、
    100名以上の死者・行方不明者がでた大地震は、戦後だけでも10年に1回(6回)も発生している。
    こうしてみると、平成14年に我が国で観測した地震は、
    幸いにも、回数については平年並み、規模については平年をやや下回ったと言える。
    しかしながら、我が国が世界的にみて「地震大国」であることに変わりはない。
    地震エネルギーの大きさを示すマグニチュードについてみると、
    我が国及びその周辺(北緯20〜49度、東経120〜153度)を含めた、
    地球の総面積の0.7%にすぎない地域において、
    平成14年に発生したマグニチュード3以上の地震の回数は、
    世界全体の28%(1.278回のうち359回)を占めている。
    また、マグニチュード7以上の大規模な地震についても、
    全体の3分の1以上(8回のうち3回)が発生している。
    参 : 内閣府HP(今後の地震対策のあり方に関する専門調査会報告

    政府は、地震に強いまちづくりなどを推進しており、今後も、実践的な危機管理体制を確立し、
    住民、企業、NPOなどと行政とが連携した防災対策を推進するなど
    震災対策を総合的に進めることとしているが、最終的に自分の身を守るのは自分なので、
    身の回りの家具が固定されているか、非常時に持ち出す用具が備えられているかなど、
    地震に対する備えを確認し、普段から地震に対する備えを心がけましょう。

地震計(a seismograph)じしんけい : 設置された場所の振動を記録する装置。振り子を用いて、
    水平動および上下動に対する不動点をつくり、地面の揺れを記録する。
    全国各地にある地震計や震度計のデータは電話回線や衛星通信を通じて気象庁に集められる。
    集まったデータを使い、予想される津波の高さや到達時間、
    震度計がない地域の推計震度の計算に活用されている。
    地震の際に先に届く初期微動(P波)を利用し、その後に来る主要動(S波)が
    何秒後に来るかを予測する緊急地震速報を2004年2月から試験的に出している。
    気象庁に集まった各地の震度は、内閣府の地震被害早期評価システム(EES)にも使われ、
    死者数や建物倒壊数などを予測し、国の初期出動に役立てている。
    2003年度末で、全国にある地震計は174カ所、震度計は602カ所ある。
    1993年の北海道南西沖地震と1995年の阪神大震災後に1カ所当り500万〜1800万円、
    総額約65億円をかけて整備された。しかし、設置された地震計や震度計などの故障が多発し、
    2001〜2003年度に849件あったことが朝日新聞の情報公開請求でわかった。
    参 : 緊急地震速報

    気象庁の地震火山部管理課は「(設備の故障は)多いとも少ないとも言えない。
    この程度は壊れるものと認識している」と説明しているが、
    早期予測で多くの人命を救うことになるこれらの計器類の故障が、
    年間平均で280件も発生してもあたりまえのことだろうか。
    故障の原因別の集計や全体傾向などについては分析されていなかったし、
    地震計、震度計ともすべて東京都のメーカーが独占受注していることについても、
    金銭面などの癒着が生じやすい。
    即刻、入札制を取り入れて購入価格や保守経費面などでの改革を図るべきである。

地震対策と予知・予測(じしんたいさくとよちよそく) : 地震による被害を軽減するために、
    人類は揺れに強い建物を造る努力を続け、現在では大地震に耐えられるような建物を造ることが
    できるまでになった。一方で、地震の発生時期を予測して被害を軽減しようと、
    数千年前から地震予知を試みてきた。地震発生前に場所、発生時期、規模(大きさ)が判断できることを
    一般に「予知」という。一般には、地震の発生を事前に「正確に」予知することは、
    少なくとも現時点では不可能とまで言われている。
    地震学者や行政が公式に認め取り組んでいるのは、ほとんどが地学的な見地に基づいた地震予知である。
    また一部の研究者は従来の地学的手法とは異なる観測方法を用いた地震予知を研究している。
    これらのほかに、地震前に広く見られると言われている種々の前兆現象(宏観異常現象)を
    予知に用いる研究をする人もいるが、地震学者からはほとんど認められていない。
     1978(昭和53)年成立の大規模地震対策特別措置法(大震法)は、
    東海地震の予知を前提に災害の防止・軽減を図り、発生数日前から直前までの予知を目指している。
    主要な海溝型地震や活断層について評価する「長期予測」は、
    発生時間ではなく、一定時間内に起きる確立を示す。
    30年以内の発生確率は東海が87%、東南海が60〜70%、南海が50%となっている。
    一方、気象庁が運用する緊急地震速報は、発生直後の地震を震源に近い地震計でとらえ、
    離れた地域が大きく揺れる前に知らせる。
    地震予知の分類 : 地震の予知は前兆現象の観測によって行うが、
     この前兆現象は現れる時期にいくつかパターンがあり、地震の数分前や数日前、
     現象によっては数年前などのものもある。どの時期の前兆現象を採用するかによって、
     期間の長さから長期予知・中期予知・短期予知・直前予知と分かれるが、前兆現象が現れても
     地震が発生しない場合もあり、その因果関係なども含めて研究が進められている。
     なお、日本で予知の可能性があるとされる地震は、現在は東海地震だけである。
     長期予知 : 過去に起こった地震の記録や活断層の調査などから、
      今後数十年〜百年の間の大規模な地震の発生を予知するというもので、都市計画などに役立てられる。
     中期予知・短期予知 : 長期予知と直前予知との間ということで、具体的な定義はない。
     直前予知 : その名の通り地震が起こる直前(数時間〜3、4日前以内)の予知のことをいう。
      普通、力が徐々に加えられてものが割れたり破れたりするときは、
      突然何の前ぶれもなく一気に破壊されるのではなく、先に小さな亀裂(きれつ)が走る。
      これは岩石の場合も同様で、地震が起こる前には部分的に岩石の破壊が起こり、
      それが進行して大規模な破壊につながると考えられていることから、
      部分的な岩石の破壊を地震が起こる前に何らかの方法で見つけることができれば、
      地震を予知できるのではないか、というのが直前予知の考え方である。
    最新の地震対策システム : 空気で家を浮かせる「エアー断層システム」といい。
     センサーが揺れを感知すると、0.5秒後に家の基礎部分に空気を送り込み、
     建物全体を浮上させ、揺れを家に伝えないようにする地震対策システムで、
     このシステムを導入することで、地震の衝撃を約20分の1に軽減できる。
     周囲は薄いステンレス板で囲まれていて、空気が漏れないようになっている。
     また、揺れによって家が移動しても中のエアバッグが膨らんで自動修正するという。
    参 : 地震予知総合研究振興会(HP)
地震動予測地図(じしんどうよそくちず) : 全国地震動予測地図。
    今後30年以内に震度6弱以上の強い揺れに襲われる確率やその揺れの強さなど、
    将来の地震を予測して政府の地震調査研究推進本部がまとめた地図のこと。
    海溝型や主要な活断層帯による地震の発生確率や、各地の地盤の強度などをもとに、
    全国を約250m四方に区切り、危険度を示している。
    地震発生の長期的な確率評価と強震動の評価とを組み合わせた「確率論的地震動予測地図」と、
    特定の地震に対して、ある想定されたシナリオに対する詳細な強震動評価に基づく
    「震源断層を特定した地震動予測地図」の2種類の性質の異なる地図から構成されている。
    阪神大震災前に、関西で大きな地震が起きるリスクを警告できなかった反省から作られた。
    家庭や地域の自主防災組織において、防災意識の向上や地震防災対策を検討するための
    基礎資料として活用されることが期待されている。
    参 : 地震調査研究推進本部(HP)
地震に対する構造躯体(じしんにたいするこうぞうくたい) : 免震構造、制震構造、耐震構造の3つがある。
地震に対する構造躯体
構造躯体 イメージ
従来の技術 耐震構造 建物の骨組みでの強度で地震に対抗する
新しい技術 制震構造 骨組に制震装置を組み込み、揺れを制御する
免震構造 地盤の揺れを建物から遮断する
    参 : 耐震補強免震住宅
地震被害想定(じしんひがいそうてい) : 単に「被害想定」と呼ばれることが多く、ある地域について
    地震が発生したときの地震の揺れの大きさ、建物倒壊数、死者数などを事前に予測すること。
    例えば、関東大震災が再来した場合の死者数の推定などがある。
    被害想定によって、どの地域でどのくらいの建物が倒壊・浸水するのか、
    どの地域で停電が発生するのかといったことのおおよその見通しを立てることができる。
    震災に対する防災計画を作成する場合、
    地震が起きたときにどの程度の被害がもたらされるかを推定することにより、
    その地域にふさわしい効果的な防災対策を立てることができる。
    例えば、建物倒壊の危険が高い地域に対して重点的に再開発を行うことや、
    避難者数の予想に応じて避難所の数や食料備蓄を検討する。
    南関東では、関東大震災のようなマグニチュード(M)8クラスの地震が
    200〜300年周期で発生していて、その間にM7級の地震が数回起きている。
    2004年には、立川断層帯地震(M7.3)などM7級の18地震について揺れを推計している。
    首都圏では広い範囲で震度6弱以上の揺れがあり、一部では震度7の非常に激しい揺れも想定された。
    特に発生の恐れが高いM7.3規模の東京湾北部地震(直下地震)が発生した場合について、
    政府・中央防災会議の専門調査会は2005年2月25日、交通やライフラインの被害を予測し、
    夕方6時(風速毎秒15メートル)の最悪の場合、建物の倒壊や企業の生産停止などによる
    経済損失は112兆円にのぼるとの被害想定をまとめた。
    112兆円の内訳としては、建物被害などの直接被害額(復旧費用)が66.6兆円、
    首都中枢機能、ライフラインの被災等に伴い波及する間接被害額が37.5兆円、
    交通寸断に伴う機会損失などで6.2兆円と試算されている。
    死者は1万3千人とされ、新幹線の脱線で200人が死亡するとみている。
    また、避難者は700万人に達し、交通も大混乱すると想定している。
地震保険(じしんほけん) : 地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または
    流失による損害を補償する地震災害専用の保険で、地震保険法に基づき、政府と
    民間損害保険会社(損保)が共同経営し、支払いは被害が大きくなるほど政府の割合が多くなるが、
    1回の地震災害による総支払い限度額は5兆円までである。
    火災保険とセットで加入する必要があり、火災保険金額の30%〜50%の範囲内で契約できるが、
    個人が支払う保険料は地震が発生する可能性に応じ、住んでいる地域や住宅の種類で異なる。
    地震保険の対象は居住用の建物と家財で、地震保険の契約金額は、
    建物5,000万円、家財1,000万円が限度である。請求は被災後3年までできる。
    保険会社が損害の状況を調べ、損害の割合に応じて全損は契約金額の100%、
    半損は50%、一部損は5%を支払う。ちなみに自然災害で持ち家を失った場合、
    国の「被災者生活再建支援制度」でもらえる支援金は最大で300万円しかでない。
    しかし、地震保険に加入していても、契約金額が火災保険の30%〜50%の範囲内に
    設定されているために、「全損」と認められても、自宅を再建する費用の半額しか支払われない。
     2004年度は新規火災保険契約者の37.4%が加入している。
    東京の非木造の場合は地震保険金1千万円で年1万7500円で、
    2005年の地震補償の世帯加入率は30.3%と全国平均より低い。
    加入促進に向けて2007年から保険料を個人所得から控除して課税対象額を
    圧縮できる制度が導入された。1966年の制度発足以来初めて保険料が改定され、
    早ければ2007年にも、損保各社が新しい保険料に変えることになりそうで、
    全国平均は7.7%下がるが、以下の14道県は保険金額1千万円の時の年間保険料が、
    木造で700〜7100円、非木造で1500〜3400円の引き上げとなる。
    全国の地震保険の世帯加入率は1994年度末の9%から2009年度末は23%に上がっている。
    2011年3月の契約件数は1274万7680件。世帯ごとの加入率は2010年3月に23%。
    保険料引き上げ道県の内訳(青字は引き下げ)
     ●「4」の地域 : 東京神奈川静岡、徳島、高知、千葉、愛知、三重、和歌山
     ●「3」の地域 : 香川、茨城、山梨、愛媛
     ●「2」の地域 : 北海道、岡山、広島、沖縄
    (注)火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、
       地震により延焼・ 拡大した損害は補償されない。 参 : 建物更正共済耐震等級
地震予知(じしんよち) : 地震が発生する前に、地震予知の3要素である@発生場所、
    A発生時期B規模(マグニチュード)を予測して発表すること。
    1つでも要素が欠けていたり、予測の幅が広すぎるものは予知といえない。
    予知の期間に応じて、長期予知、中期予知、短期予知、直前予知に分けられるが、
    その境界は必ずしも明確ではない。また、その手法には多数の種類がある。
    日本では、国土地理院に置かれた地震予知連絡会や気象庁の地震防災対策強化地域判定会が
    中心となり、土地の変形・傾斜・ひずみ、前震を含む異常地震活動、震源の移動、地磁気・地電流、
    地下の電気抵抗、地下水の変化などの各種データを常時検討・判断しているが、
    現時点では特別の場合を除き確度の高い予知は困難とされている。
    震源断層における地震波の発生開始より前の予知だけを指し、
    地震波の発生後に行われる緊急地震速報などは含めない。
    参 : 地震予知連絡会(HP)、地震防災対策強化地域判定会(HP)、社団法人・日本地震学会(HP)
四川大地震(しせんおおじしん) : 四川省大地震。中国の報道などでは、
    発生日から「512大地震」や震源の地名から「ぶんせん大地震(ウェンチュアン大地震)」と呼んでいる。
    現地時間2008年5月12日14時28分(CST)(15時28分(JST)、6時28分(UTC))に
    中華人民共和国中西部に位置する四川省を震源に発生した地震である。
    地震によって道路や電力・水道・通信などライフラインが寸断された。
    中国地震局は18日、四川大地震のマグニチュードをこれまでの7.8から8.0に修正した。
    この地震は、四川盆地の北西端にあって北東から南西の方向に走る衝上断層
    (断層面が水平に近い逆断層)が動いた結果として起こったとみられている。この断層は
    龍門山断層(龍門山衝上断層帯)と呼ばれる長さ約300kmの断層帯の一部だとみられている。
    この地震は震度と規模が大きいことに加え、余震の震度が大きいことと回数が多いことで、
    19日午後1時までに、マグニチュード4以上の余震が155回あり、
    そのうちマグニチュード5以上は24回、マグニチュード6以上は、4回も発生している。
     中国政府の発表によると5月18日の時点で地震全体の死者は少なくとも3万2477人、
    負傷者は22万109人に達し、死者の数は5万人を超える可能性もある。
    また家屋の倒壊は21万6千棟、損壊家屋は415万棟である。
    国家工業情報省は、四川省の1万4207企業が被災し、
    経済的損失が670億元(約1兆50億円)に達したことを明らかにした。
    震源地のぶんせん県映秀鎮の死者、行方不明者は全人口1万人の約8割の少なくとも7700人に上った。
    また、都江堰を流れる岷江の上流にある紫坪埔ダムなど複数のダムに亀裂が生じたり
    土砂崩れによって川が堰きとめられて湖が生じるなどの被害が確認されており、
    ダムの緊急放流や下流域からの避難を含む対策が取られている。
    5月19日正午までに、四川大地震により、四川、甘粛、陜西、雲南、湖北、河南、
    湖南各省と重慶市での死者は3万4073人、負傷者は24万5108人となった。
    6月8日時点の中国政府の発表では、死者数6万9136人、
    行方不明者数1万7686人、負傷者数37万4061人に上る。
    一時は四川省だけで800万人以上が避難生活を送り、未曾有の大災害となった。

    「愛したこと忘れないで」、男児守り死亡の母、携帯に遺書「お母さんのことを忘れないで」
    身をていして赤ちゃんを守り、冷たくなった母親の手にあった携帯電話には、
    最後の力を振り絞った1行の遺書が残されていた。と、5月20日の国営新華社通信が報じた。
    この母親は最大被災地の一つ、四川省綿陽市北川(ほくせん)県で、地震発生翌日の13日、
    四つんばいになった格好で遺体で発見された。遺体は倒壊した建物に圧迫されており、
    救援隊は立ち去りかけたが、何となく気になり、ふと遺体の下のすき間に手を差し入れたところ、
    温かいものに手がふれた。「赤ちゃんが生きている!」。救援隊員が叫び、救出作業が再開。
    生後3〜4カ月とみられる無傷の男の赤ちゃんが毛布にくるまれて発見された。
    救援隊員が母親の体を調べると手に握られた携帯電話の画面に、1行のショートメールが残っていた。
    「赤ちゃん、もし生き伸びてくれているのなら、私があなたを愛していたことを絶対忘れないで…」。
    子を思う母親の愛の深さに、救援隊員も思わず涙を落としたという。

    被害を受けた中国の人たちには「本当にお気の毒だ」としか言いようがないが、
    中国政府が当初、各国からの援助隊派遣を断った理由は、
    石原都知事の言われるように「四川省には多くの核施設があるからだ」と私も思う。
    地震に対して貧弱な建物が多い中国で、原子力施設からの放射能もれは皆無なのだろうか?
    日本の国際緊急援助隊は外国勢として初めて16日から同省青川(せいせん)県で救援活動を開始し、
    18日に同省北川県に移り活動を続けたが、生存者救出には結びつかず、遺体の搬出のみに終わった。
    中国政府が12日の地震発生時に世界各国に対して援助要請をしていたなら
    多くの人を救出できたと思うと、国民より国威の方を重んじる中国首脳には怒りを覚える。
    こんな大規模な地震には、国家主席や首相がいち早く現地に駆けつけるより、
    1人でも多くの国民の命を救うためにも国際社会からの援助をいち早く求めるべきだ!

地鳴り(rumbling of the earth)じなり : 地震や火山活動などに伴って地面の振動が空気中に伝わり、
    音となって聞こえること。また、その音。鳴動。ちめい。
    ちなみに、地響き(an earth tremor)は、大きな音が、地面を伝わって響いてくること。
    また、その音で、地震や火山活動以外の崖崩れや雪崩などで用いる。
貞観地震(じょうがんじしん) : 869年7月9日(貞観11年5月26日)に陸奥国東方の海底を震源として
    発生した巨大地震。地震の規模は少なくともM8.5前後であったと推定されている。
    現在の地名では、東北地方の東の三陸沖と呼ばれる海域にある太平洋の海底が震源とされ、
    地震に伴う津波の被害も甚大であったことが知られている。約数10〜100年ごとに起こる
    三陸沖地震に含まれるという考えから「貞観三陸地震」、上述の津波被害の観点から
    「貞観津波」ともいわれる。震源域は岩手県沖〜福島県沖、更に茨城県沖の広範囲における
    連動型超巨大地震の可能性がある。多くの家屋が倒壊し、津波が現在の宮城県多賀城市を襲い
    約1000人が水死したとの記述が古文書に残っている。宮城県石巻平野から福島県北部にかけて、
    当時の海岸線から数キロ内陸まで浸水した。2011(平成23)年3月11日に発生した
    東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)との類似点が指摘されている。
昭和チリ地震津波(しょうわチリじしんつなみ) : 1960年チリ地震津波。
    1960(昭和35)年5月23日午前4時11分(日本時間)に南米チリでマグニチュード9クラスの
    大地震により太平洋を越え日本列島の太平洋岸に来襲した大津波のこと。
    波の高さは三陸で5〜6mにもなり、北海道南岸、三陸沿岸を中心に大きな被害をもたらした。
    死者・行方不明者は139人。被害家屋は4万6000戸余、船舶被害は2270余隻に及んだ。
    津波を起こしたのはこの4時31分に観測された本震によるものと見られる。
    チリで4時11分に発生した本震の初動は、チリから日本まで約20分で到達したことになる。
    そして、それを追うように地球の裏側からジェット機のスピードで津波は太平洋をわたってきたのである。
    地震直後にハワイ地磁気観測所から日本政府にも地震の情報と同時に津波警報が伝えられたが、
    経験不足からか気象庁は津波の強度を過小推定したため、日本の津波警報が発令になったのが
    津波襲来後となったことが被害を大きくしたものとみられている。
    これを契機に国際的な太平洋津波警報組織が確立した。
震源(hypocenter)しんげん : 地震のきっかけとなる岩石の破壊(岩盤のずれ)が最初に発生した場所。
    したがって震源域の中で最初に地震波が発生した場所である。
    実体波の到着時刻を各地の地震計で観測することにより震源の位置は推定できる。
    震央とは震源の真上の地表の点をいう。震源の位置は震央の緯度、経度、震源の深さによって示される。
    震源は地下の破壊が最初に発生した点であり、実際には破壊の領域は震源から拡大する。
    破壊が生じた領域全体を震源域という。野島(のじま)断層が動いて発生した兵庫県南部地震の震源は
    淡路島北端の深さ14kmだったが、震源域は神戸市東方まで広がった。
震源域(hypocentral region、focal region)しんげんいき : 地震波を発生する領域。
    地震の際に地殻(岩盤)がずれ動いた断層を囲む領域全体を指す。
    震源域はその規模によって大きく異なり、場合によっては数百kmにおよぶこともある。
    地震学においては、震源域と断層面はほぼ同義である。 参 : 波源域
新耐震基準(しんたいしんきじゅん) : 建物をどのようにつくるかは建築基準法、
    建築基準法施行例、国土交通省告示などによって定められている。
    地震に対して建物の被害が軽くてすむことを目標にしていて、
    それらをまとめて「耐震基準」と呼ぶ。現在の耐震基準は、1981(昭和56)年にできたもので、
    以前の耐震基準と区別するために「新耐震基準」と呼ばれ、現在建物はこの新耐震基準にそって
    建てられている。新耐震基準は@中程度の地震(水平方向に自重の20%の力)では建物の機能を維持。
    A 震度6以上の大地震(水平方向に自重の100%の力)では壊れても崩壊せず人命を守る、
    という2段構えの発想で作られている。地域係数が0.8なら@は16%、Aは80%となる。
    建物の粘り強さや振動特性も重視するようになった。1995年の阪神大震災でも、
    1981年以降の建物に被害は少なかった。
    新耐震基準では,地震によって建物にかかるであろう力の大きさの算定方法も変わった。
    建物の設計で使う建物にかかる地震力を算定する場合に、
    地震時の建物の揺れ方の性質や建物の建っている地盤の性質を加味するようになったため、
    実際に建物にかかる地震力に近いものを算定して建物の設計を行うことが出来るようになり、
    設計するにあたって旧耐震基準よりも正確に地震による力を見積もることができるようになった。
    さらに、バランスの悪い建物は地震の力を受けると変にねじれてこわれることがある。
    そのため新耐震基準では、ねじれが起こらないように
    建物のバランスをとって設計するという配慮もとられている。
震度(seismic intensity)しんど : ある場所での地震の揺れの強弱の度合を表し、
    「○○で地震、震度6弱」のように気象庁が発表する。
    全国600地点に設置された震度計で、震度は測定される。
    震度0から震度7までの10段階の表示で、震源地からの距離が近いほど大きくなる。
    一般的には、マグニチュードが小さくても震源に近くなるほど震度は大きくなる。
    また、地盤が軟弱だと、より強く揺れるので、震度も大きくなる。
    中高層の建物では、一般的に上層の階ほど揺れが大きくなる。
    震度階級と被害想定(平成8年10月より以下の新階級で実施)
     震度7……激震(最大震度)、揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。
            ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。ほとんどの建物で、
            壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。
            家屋の倒壊が30%以上に及び、山くずれ、大きな地割れ、地すべり、断層などが生じる。
     震度6強…立っていられず、はわないと動けない。固定していない重い家具のほとんどが移動、
            転倒する。戸が外れて飛ぶことがある。多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、
            落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
     震度6弱…立っていることが困難になる。固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。
            開かなくなるドアが多い。かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。
     震度5強…棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。
            タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。
            一部の戸が外れる。墓石や自動販売機が倒れる。
     震度5弱…つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
            座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。
            補強されていないブロック塀が倒れる。窓ガラスが割れて落ちることがある。
     震度4……中震、家屋の動揺が激しく、据わりの悪い花瓶などは倒れ、
            歩いている人にも感じられ、恐怖感があり、多くの人が戸外に飛び出す程度。
     震度3……弱震、家屋がゆれ、戸障子がガタガタと鳴動し、電灯のようなつり下げ物は相当ゆれ、
            器内の水面が動くのが分かる程度で、ほとんどの人が揺れを感じる。
     震度2……軽震、大勢の人に観ずる程度のもので、
            電灯などのつり下げ物や戸障子がわずかに揺れる。
     震度1……微震、静止している人や、特に地震に注意深い人だけに揺れを感じる。
     震度0……無感、人体に感じないで地震計でのみ揺れが計測される。
    家屋などに被害が出るのは震度5からで、一般に震度4までは被害はない。
    また震度7は、震度計で計測できる最大震度で、震度5と震度6にはそれぞれ強・弱がある。
    阪神大震災の後、より詳しくする必要性から分けて発表されるようになった。
    参 : 耐震基準
震度計(しんどけい) : 計測震度計のこと。地震で地面が揺れた時に、
       その揺れの加速度と周期及び震動の継続時間から「震度」を算出する機器。 参 : 地震計
耐震化(たいしんか) : 耐震診断に基づき「対象建築物が有する耐震性」が
    目標水準より下回っていることが判明した場合、
    目標の耐震性能を実現するために改築あるいは効率よく耐震補強を行うこと。
    1981(昭和56)年の建築基準法の改正で、住宅やビルは概ね震度6強〜7程度の揺れでも
    倒壊しないように基準が引き上げられた。国は2005年に耐震改修促進法を改正し、
    都道府県に促進計画の策定を義務付け、国庫補助も増額した。
    住宅の耐震化率は2015年までに75%から90%に上げるのが目標である。
    昭和56年以前の建物については、新しい基準に適合していないため耐震診断を行い、
    新しい基準と同等以上の耐震性があるかどうかを診断することになる。
    そして、耐震性を満たさないと診断された建物については、
    耐震改修等を行い、耐震性を確保することになる。このことを耐震化という。
耐震基準(たいしんきじゅん) : 建物を設計するとき、地震に対して安全に設計することを「耐震設計」といい、
    「耐震設計」のもとになる基準を「耐震基準」という。
    今使われている耐震基準は1978年に起きた宮城県沖地震を受けて、
    1981(昭和56)年6月に改正・強化して施行された建築基準法による
    「新耐震設計基準」新耐震基準)と呼ばれ、震度7の阪神・淡路大震災においても、
    この基準によって設計された建物は被害が少なかったといわれている。
    新耐震基準では「震度5までは損傷などの被害が起こらず、震度6でも建物にある程度の損害が
    発生しても倒壊しないで人命には影響しないような強度の設計にしなければいけない」とされている。
    阪神大震災では、死因の8割は家屋の崩壊などによる圧死とされ、
    古い木造住宅は被害を拡大させかねない。
    「耐震診断」というのは1981年5月以前に建てられた建物が、「新耐震設計基準」とくらべて、
    どこが弱いか、どこを補強すればよいかを調べることをいう。
    国土交通省の全国推計では、1981年以前に建てられた木造住宅1153戸のうち、
    9割弱にあたる約1千万戸が耐震基準を満たしていない。2005年4月からは、
    昭和57年以降に建てられた耐震基準を満たしている住宅ならば税金の軽減が受けられるようになった。
    このことから2005年現在、築25年超のマンションの場合および築20年超の木造一戸建ての場合は
    新耐震基準を満たしていることの証明書が必要となるが、地方税である不動産取得税だけは
    昭和57年1月1日以降の建築(築23年以内)であれば証明書がなくても軽減が受けられる。
耐震強度(たいしんきょうど) : 建築物の地震力に対する抵抗力のこと。簡単に言えば建物の丈夫さを示す
    数字のことで、どれだけ地震に耐えられるかを表している。基本的には建物の形状のほか、
    壁の量や配置状況などから地震に対する抵抗力の大きさを計算し、あわせて基礎や地盤の状況、
    建築後の経過年数や老朽化の状態を加味して、総合的に耐震強度を判定する。
             保有水平耐力(建物を横から押した場合に倒壊してしまう力の大きさ)
    耐震強度――――――――
            必要保有水平耐力震度6強程度の地震の横揺れでも堪えられる力の大きさ)
                 ↓
                (建物の重さ×構造特性係数×地域係数)

    耐震強度偽装の姉歯被告、求刑通り懲役5年実刑
    建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪に問われた
    元1級建築士・姉歯秀次被告(49)ら2人の判決が2006年12月26日、東京地裁であった。
     川口政明裁判長は、姉歯被告に求刑通り懲役5年、罰金180万円の実刑判決を言い渡した。
    また、姉歯被告の名義を借りて、1級建築士でなければできないビルの設計を行ったとして
    建築士法違反の罪に問われた建築デザイナー・秋葉三喜雄被告(46)には懲役1年2月、
    執行猶予3年(求刑・1年2月)を言い渡した。
     起訴状によると、姉歯被告は2003年2月から2005年2月までの2年間に、
    マンション4棟とホテル2棟の計6物件で、構造計算書のデータを書き換え、
    強度不足の建物を完成させた。また、2005年12月の衆院国土交通委員会の証人尋問で、
    偽装を始めた動機や時期についてウソの証言をしたほか、秋葉被告に1級建築士の名義を貸した。
    姉歯被告は判決を不服として、2007年1月8日、東京高裁に控訴した。
    偽装を許した第一責任は、藤田東吾イーホームズ社長にあるのに、なぜたった1年6カ月に
    執行猶予3年が付く刑になるのだ。姉歯被告が5年なら10年が妥当でしょう。
    専門家の誰が見ても設計書の偽装は明らかだと言われているのに、それらの検査を手抜きしたか
    見過ごした罪は大きい。電磁的公正証書原本不実記録・同供用(見せ金増資)など、マンションや
    ホテルを追われた被害者には何ら関係がなく、なぜ欠陥住宅が提供されたかの問題であり、
    横浜市旭区の商店街で2006年11月、トラックに積まれたショベルカーのアームが電線に引っ掛かり、
    街路灯が倒れ、1歳女児が死亡した事故でも、アームを上げたまま走行した運転手と、
    電線を設置した大手警備会社「セコム」の電線設置高度不足も悪いが、
    工事完成後の横浜市の検査が確実に行われていれば事故は防げたのである。
    つまり、最終検査がしっかりしていれば、これらの偽装や事故は起きなかったのである。
    交通ルールがあっても、免許更新時の適正検査や車検・点検がずさんだと、
    事故が起こり得ることと同じことである。姉歯被告は判決を不服として東京高裁に控訴したが、
    多くの人たちの苦しみをよそに、よく言えたもんだ。控訴後の判決では10年以上にしてほしい。

大震災の復旧・復興対策事業(だいしんさいのふっきゅう・ふっこうたいさくじぎょう)
    1995年の阪神大震災の際には、1994〜1995年度に3度の補正予算が編成され、
    インフラ復旧などに総額3.2兆円が投じられた。
    税制優遇や規制緩和など16本の特別立法も行われ、復興を支援した。
    戦後最大規模の震災被害となる東日本大震災では、対策費が10兆円を超えるとも見込まれており、
    財源の確保が大きな課題になっている。(2011.4.4、毎日新聞より)

    復旧復興税を創設、消費税や法人税、所得税などの増税を念頭
     政府が東日本大震災の復旧・復興に向けて検討している基本法案の素案が2011年3月31日、
    明らかになった。5年間を「集中復旧復興期間」と位置付け、集中して人、物、カネを投入。
    復興財源を確保するため、復旧復興特別税の創設や震災国債の発行、
    日銀引き受けの検討を打ち出した。首相を本部長に全閣僚で構成する復旧復興戦略本部を設置。
    震災復興担当相の下に復興庁の新設も明記した。
     「東日本大震災復旧復興対策基本法案」は2011年度第1次補正予算の編成と並行し
    4月中の法案提出、成立を目指す。震災の被害総額は内閣府の試算で最大25兆円に上り、
    補正規模は与党内で「10兆円規模」との見方が強い。
     基本法案では、財源確保に向けた復旧復興特別税の創設の検討を盛り込んだ。
    消費税や法人税、所得税などの増税を念頭に今後、政府・与党内で詰める。
     震災国債は国の基本計画に基づく被災世帯の住環境の整備や道路、河川、
    下水道などのインフラ整備の財源確保を目的とする。
    財政法で特別な理由がある場合に可能な日銀引き受けの検討も明記した。
     関係自治体が自主的、柔軟に復興事業を実施できるように一括交付金制度を創設。
    国が資金を拠出した新たな「復旧復興基金」も設ける。
     迅速な復旧復興対策を実現するための体制整備に向けて、首相を本部長とする
    「東日本大震災復旧復興戦略本部」(仮称)を内閣府に設置。全閣僚で構成し、
    新設する震災復旧復興担当相を副本部長とする。
     戦略本部の下に復興対策の一元的な執行機関となる「復興庁」を新設。
    担当相は各省庁の権限の一部の委任を受けられるようにする。
     戦略本部の諮問に応じて専門的な見地から答申・提言する機関として「震災復旧復興委員会」をつくる。
    有識者や被災地の知事、議員などで構成する。
耐震指針(たいしんししん) = 耐震指針(核関連に別掲)
耐震等級(たいしんとうきゅう) : 2000(平成12)年に制定された「住宅の品質確保の促進に関する法律
    (品確法)」に基づき、「耐風等級」、「耐積雪等級」、「劣化対策等級」、「維持管理対策等級」などと
    ともに住宅性能表示制度項目の一つで、地震に対してどれだけの強度があるかの目安で、
    倒壊、崩壊のしにくさをランク付けしたもの。既存住宅の等級は民間検査会社が有料で評価している。
    基準法以上の耐震性があるかどうかは、自治体などが行っている耐震診断で知ることができる。
    耐震等級の種類
    倒壊等防止 : 数百年に一度発生する大地震に対して、
     建物が壊れて人命が損なわれることのないようにすること。
    損傷防止 : 数十年に一度は起こりうる地震に対して、大がかりな工事が必要なほど
     著しい損傷が生じないようにすること。ちなみに、東京を想定した場合、
     数百年に一度の地震とは震度6強から7、数十年に一度の地震とは震度5強に相当する。
    耐震等級(耐震性を判断する目安)
    等級は倒壊等防止、損傷防止とも1〜3の3段階にランク付けされ、
    数字が大きいほど建物の耐震性は高くなる。ちなみに、台風等級では建築基準法で
    要求している耐力の1.2倍以上あるものを台風等級2と定めている。
    等級1 : 数百年に一度発生する地震(各地で異なり、東京では震度6強から震度7程度)の
     地震力に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度5程度)の
     地震力に対して損傷しない程度。もっとも低いランクだが、建築基準法の最低基準と同等の
     規定はクリアしているので、等級1でも評価されていない建物に比べれば遥かに安心と言える。
     ほとんどのマンションでは耐震等級は1か2だそうである。
    等級2 : 等級1の地震力の1.25倍の耐力を有するもの。
    等級3 : 等級1の1.5倍の耐力を有するもの。品確法に基づく最高等級で、
     「極めて希に(数百年に一度)発生する地震の力の1.5倍に対して倒壊・崩壊などしない」程度と
     している。 震度6〜7に相当した阪神淡路大震災の1.5倍に耐えうる。
    等級評価による火災保険の割引
     本評価指針に基づき指定住宅性能評価機関又は指定確認検査機関が交付した耐震性能評価書を
     確認できた場合に、その耐震等級に応じて地震保険(火災保険の地震特約)が割り引かれ、
     耐震等級1なら1割引、2なら2割引、3なら3割引、となる。
     仮に2000万円の家とすると、年間56000円の費用が発生するが、
     耐震等級3を取っていると39200円で済む。ローン期間が35年続くと、差額は588000円にもなる。
     建物の間取り計画を上手くすれば、建築費を増加させる事なく、等級3を取得できるので、
     是非性能表示を受けられる事をお勧めします。
耐震補強(たいしんほきょう) : 建物の耐震性を向上させ、倒壊を防ぐために、構造躯体の強度を高める
    工事のこと。補強工事の方法としては、壁の配置や量を改善する、筋かいや基礎を補強する、
    基礎、土台、柱、筋交いの接合部分をしっかり固定する、地盤を改良する、などが上げられる。
    具体的な方法としては、さまざまあり、多くの専門の業者が独自の方法を開発している。
    壁の配置や量を改善したり、筋交いや基礎を補強するのには、大かがりな工事になることが多く、
    費用もかなりの金額になる傾向にある。最近、注目されているのは、
    基礎、土台、柱を固定する補強用の金物である。金物は躯体の外側に取り付けるだけでよく、
    費用も比較的安価なため、耐震補強工事の主流になりつつある。
    柱が土台や基礎から引き抜かれるのを抑えるホールダウン金物などが一般的。
筋交い(すじかい) = 筋交い
建物更正共済(たてものこうせいきょうさい) : 「建更」。JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)が
    JAを通じ販売し、火災に加え地震や風水害を含む自然災害も補償する積み立て型の保険。
    地震の場合、建物の引き受け上限は2億5千万円。 参 : 地震保険

    JA共済連は2005年9月30日、自動車共済や火災共済などで過去3年間に3万5081件、
    金額で6億7172万円の共済金の不払いがあったと発表したが、
    大規模地震時の建物更正共済の補償は大丈夫でしょうね。
    JA共済連は東京国税局の税務調査を受け、2004年3月期までの5年間に、
    約10億円の所得隠しを指摘されていたことが分かり、
    経理ミスなどを含めた申告漏れ総額は約64億円で、
    追徴税額(更正処分)の重加算税などを含め約16億円を納付したばかりだし・・・。

断層(a fault、a gap:新旧世代の)だんそう : 地殻変動の一つ。地下の地層もしくは岩盤に
    押されたり引っ張られたりする力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態、
    また、それによってできた割れ目のことで、ずれる現象が地震である。
    引っ張る力が働き岩盤がずれるのを「正断層」、押される力でずれるのを「逆断層」と呼ぶ。
    海のプレートと陸のプレートが押し合う場所に位置する日本では、逆断層型の地震が多い。
    断層が動く現象を断層運動(faulting)と呼び、地震の主原因であると考えられている。
    食い違いが生じた面そのものを断層面(fault surface)と呼ぶ。断層面と鉛直線がなす角を
    断層角(fault dip)、水平面に置き換えた断層運動の方向を走向(fault strike)と呼ぶ。
    侵食や堆積環境の変化、火山岩の噴出・堆積などによってできた地層の境界は、
    一見食い違っているように見える場合があるが、
    ずれ動いたわけではないため断層ではなく、不整合、非整合などと呼ばれる。
    一般には、顕微鏡下でのみ変位が確認できる規模のものも断層とはいわない。
    将来もずれ動いて地震を起こす可能性のある断層は「活断層」と呼ばれる。
中越沖地震 → 新潟県中越地震
長周期地震動(ちょうしゅうきじしんどう) : カタカタと揺れる通常の短周期の揺れと異なり、
    一般にはP波S波の後にくる表面波と言われており、地上にいる人があまり感じない、
    数秒から十数秒の周期でゆっくりと揺れる地震動のこと。
    周期が長いほど減衰しにくく、数百キロ離れた遠方まで伝わる。
    長周期地震動が発生する地域は、地表面から岩盤まで数キロも柔らかい地盤が続く
    深い盆地構造をもった地域であり、この盆地構造により地震動が増幅・伸張され、
    大振幅で継続時間の長い地震動が発生する。
    巨大地震で発生しやすく、関東、名古屋、大阪の三大都市圏の地盤のような
    柔らかくて厚い堆積(たいせき)層は揺れを増幅させて長く続く。
    超高層ビルなどの巨大建築物はもともと揺れの固有周期が長く、こうした地震動に共振し、
    揺れがさらに大きくなって被害を招く恐れがある。2003年十勝沖地震では、
    北海道苫小牧市の石油タンクがスロッシング(液面揺動)を起こし、2基のタンクで火災が発生した。
    また、このような長周期地震動は石油タンクだけでなく、超高層ビル、免震構造物、
    長大橋など周期数秒以上の固有周期を持つ構造物に大きな震動を引き起こし、
    大被害をもたらす可能性がある。
    長周期地震動により考えられる被害
     1.石油コンビナートのタンクの揺れにより、タンク内の液体が漏洩する。
     2.超高層建物は一度揺れ始めると揺れが止まりにくくなる。その結果、
       ●エレベータが停止し、機能を果せなくなる。●建物内の家具やロッカー等の移動や転倒。
       ●建物内にいる人、特に上層階の人は大変大きな横揺れが暫く続くことから、
        大変な恐怖心を受ける。
     3.免震建物では、積層ゴムの大変形により基礎周辺に被害が発生する。
     4.長大橋梁では、部材の変形やずれなどの被害が発生する。
直下型地震(ちょっかがたじしん)
    陸地のある場所からみて、その直下または直下付近の内陸の浅い活断層に起こる地震で、
    「断層型地震」とも呼ばれている。通常、その直上の都市などに大きな被害を及ぼす。
    「直下型地震」は学術的な用語ではないが、地震を表現する用語として一般に使われている。
    地球の表面を覆う巨大なプレート(岩板)には、数多くの断層があり、
    プレートどおしがぶつかり合い活断層がずれたり、プレート内で地震断層が発生することで、
    地中の浅い部分の断層が動くときに起きることから、
    直下型地震と呼ばれている。一般に震源からの距離が近くなるため、
    被害の及ぶ範囲は比較的狭いかわりに強い揺れが地表に伝わり、大きな被害をもたらす。
    また揺れ方も、初めにやって来る地震のたて波(P波)と、
    その次の本格的な横揺れの波(S波)との間隔も短いので、
    いきなり下から突き上げられるような激しい揺れとなる。
    1995年に発生した阪神・淡路大震災や、2004年10月23日夜に発生した
    新潟県中越地震もこのタイプの地震で、周辺地域に壊滅的な被害をもたらした。
    上越新幹線にもS波をセンサーが検知し、送電をストップ、停車させるシステムがあるが、
    停車前にS波が到達し、脱線したという。一方、プレートが重なり合う海溝で、
    海溝に引きずり込まれたプレートが跳ね上がって元に戻るときに発生する地震を、
    「海溝型地震」や「プレート境界型」と呼ぶ。一般に、直下型に比べて地震の規模が大きく、
    海底を震源とするために津波が発生しやすくなるなど、広い範囲に被害を及ぼす。
    1923年に発生した関東大震災はこのタイプの地震でした。
    日本列島は海洋プレートと陸側のプレートが重なり合う場所にあるため、
    我が国は世界的にみて地震の発生が多い国で、
    これまでにもたびたび地震によって大きな被害を受けてきた。
    海溝型の地震については、いつ発生してもおかしくないと言われる「東海地震」や、
    今世紀前半にも発生が心配される「東南海地震」があり、
    東海地震は予知体制の整備を、東南海地震は津波への対策を進めている。
    また、国は、全国各地にわたる震度観測点の設置など、
    さまざまな防災対策を行っているが、直下型の地震の予知は困難だといわれている。
    このため、普段から、身の回りの家具の固定、非常用の食料や飲料水の備蓄、
    広域避難場所の確認など、地震に対する備えを心がけることが大切です。
津波警報(つなみけいほう) : 津波によって重大な災害の起こるおそれのある旨を
    警告して行う予報(警報)で、気象庁から津波の発生・規模・範囲・時刻などが発表される。基本的に、
    津波の発生場所が日本の沿岸から600km以内の近地津波の場合に津波予報は発表される。
    気象庁は地震の発生から約3分(日本近海の場合)を発表の目標とし、
    津波の到達が予想される沿岸地域と時刻、高さを発表する。
    気象庁は予想される津波の高さに応じて、「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の
    3種類の警報・注意報を発表する。地震発生後、最大3メートル以上の津波が予想される地域なら
    「大津波警報」、1〜2メートルでは「津波警報」、50センチ程度では「津波注意報」を出す。
    津波が原因で、海岸付近の低い土地に浸水することにより重大な災害が起こるおそれのある場合は、
    浸水警報を津波警報として行う。市町村は、この情報などをもとに住民に避難を呼びかける。
    気象庁によると、1メートルの津波で木造家屋は半壊、2メートルを超えると沿岸部の木造家屋が
    全壊するほどの威力があり、3メートル以上では沿岸部で海鳴りが聞こえるという。
    港の奥や海底の形状によっては3〜5倍の波高になるので注意が必要で、
    津波による死者のほとんどが打撲によるものである。
     東日本大震災では、地震発生3分後に宮城県で高さ6m、岩手県と福島県で3mと予想したが、
    44分後、全て10m以上に引き上げた。当初の過小な予測が被害を拡大させた可能性が指摘され、
    2012年中の改定に向けた検討が続いている。 参 : 避難率

    配慮の足りないNHK
     毎週、囲碁の録画を撮ってゆっくり見ているが、なんとチリ地震の津波警報の日本地図が
    右下4分の1近く2時間番組すべてに表示され、右下の位置や全体像が分からずにいらいらした。
    碁石の一つ一つがデータなので、このような番組は数分置きに短時間表示するか、
    上部や下部にテロップ式に表示すべきで、せっかくの楽しみが台無しとなった。
    NHKは教育テレビだけでなく、総合やBS、ハイビジョンもあるので、
    せめて教育番組くらいは災害時の大きな日本地図の常時表示は止めるか、
    もっと端に小さく表示するなどの配慮をすべきだ。
    津波の到来は終わっているのに民法も3月になっても地図は消えず、フラッシュ表示もあり、
    1日中いやな思いがした。山口ではKRYだけは12時を回ると表示は消された。
津波てんでんこ(つなみてんでんこ) : 、津波の被害に何度もあっきた東北の三陸地方の言い伝えで、
    「命てんでんこ」ということもある。「てんでんこ」は「手に手に」に接尾辞「こ」が付いたこの地方の方言で、
    「てんでんばらばらに」という意味である。「津波が来たら、肉親に構わず、
    各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」が語り継がれてきた本来の意味である。
    津波は到達速度が速く、肉親等に構っていると逃げ遅れて一家全滅、共倒れになってしまうため、
    「一族を存続させるためにも、自分一人だけでもとにかく早く高台へと逃げよ」の他に、
    「自分の命は、自分の責任で守れ」も含意しているとされる。
    また、自分自身は助かり他人を助けられなかったとしてもそれを非難しない、不文律にもなっている。
    実際に三陸津波でも、動けない家族を置いてゆくことができず、一家全滅になった例がある。
    また、奥尻島の避難の際にも、体の不自由な人を家族で囲んで家にとどまり、
    ほとんど犠牲になった例や、親戚や知り合いに避難を促そうと
    回り道をしていて助からなかった人の例もある。
津波避難計画(つなみひなんけいかく) : 津波による被害の生ずるおそれのある沿岸市町が、
    津波発生から終息するまでの概ね数時間から十数時間の間に、
    住民等の生命及び身体の安全を確保することを目的とした策定指針で、
    国が2002年から全国の沿岸市町村に策定を求め、町内会など地域単位の策定も必要としている。
    市町村は、津波の浸水予想地域や到達予想時間、避難できる公共施設、避難経路などを盛り込み、
    指定している「避難所」、「避難地」、「津波避難ビル」、「避難路」などを基本に、
    どの経路を通ってどこまで避難すればよいのか、災害弱者の避難は
    どのようにするのかなどについて事前に取り決めておき、住民に知らせる。

    津波避難計画、半数どまり(2011.7.9、朝日新聞より)
     今世紀前半にも発生の可能性が指摘されている東海、東南海、南海地震の対策対象地域のうち、
    沿岸の17都府県197市町村に朝日新聞がアンケートしたところ、
    住民避難の指針となる「津波避難計画」を作っていると回答したのは99と半数にとどまっていた。
     一方、避難の際の司令塔となる市役所・役場の本庁舎や、消防署、警察署のいずれかが
    津波の浸水予想地域にあると答えたのは83と4割余りに上っていた。
    避難方法や被害想定を見直す自治体の動きが加速している。
     各地に津波被害をもたらした東日本大震災を教訓に、
    いかに素早く住民を避難させるかが自治体に求められており、各市町村は対応を迫られている。
津波避難ビル(つなみひなんビル) : 津波での浸水が予想される区域で、住民が津波の到達前に
    高台や避難所に逃げるのが難しい場合の緊急避難施設で、自治体があらかじめ指定する。
    国のガイドラインでは、1981(昭和56)年の新耐震基準に適合する鉄筋コンクリート造りの高層ビル。
    想定される浸水が3mの場合は、4階以上の高さが必要。
    役場などの公共施設やマンション、ビル、ホテルなどが選ばれることが多い。
    海岸などに接する653市町村で指定しているのは2011年8月現在で約2割。
    2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、東北地方太平洋側の
    沿岸地域に大規模な津波が発生し、家屋から自動車まで波にさらって壊滅的被害をもたらした。
    木造住宅が全て波にさらわれた被災地でも、鉄筋コンクリート造のビルは多くが倒壊せずに持ちこたえた。
    参 : 津波避難ビル等に係るガイドライン(内閣府防災情報のページ)

    津波避難ビル強度緩和、指定増へ国交省方針(2011.8.20、朝日新聞より)
     国土交通省は、津波発生時に住民が逃げ込む「津波避難ビル」について、指定する際の強度基準を
    緩める方針を固めた。東日本大震災の建物被害の調査に基づき、現実にあわせて基準を見直す。
    全国1800カ所にとどまる指定ビルを増やして、防災力の向上につなげる。
     建築分野の技術基準のあり方を検討する国交省の有識者委員会が18日開かれ、
    ビル強度の見直しを進めることで一致。国交省が具体的な基準作りに入る。
     津波避難ビルは、一般に鉄筋コンクリート製の建物で、現在の基準では、
    実際の津波の高さ(浸水深:しんすいしん)の3倍の高さの波が押し寄せても、
    その時の水圧に耐えられる強度が求められている。
    東日本大震災でも避難場所として機能し、「倒壊した事例は聞いていない」(国交省)という。
     ただ、現在の基準は実験で算出した値で、実際の津波被害に基づいて計算したものではなかった。
    2005年に制度が始まったが、基準が厳しく、昨年3月時点で1790棟にとどまっている。
    東海地震や南海地震などに備え、東海・四国地域が半数強を占め、東北6県は3.8%(68棟)だった。
     東大生産技術研究所などへの東日本大震災の被害調査委託の結果に基づき、
    3倍の水圧に耐えることを一律に求めてきたのを、
    防波堤・塀の有無や海岸からの距離などに応じて、1〜2倍程度に緩める。
東海地震(とうかいじしん) : 東海地方の駿河(するが)湾や遠州灘に位置する駿河トラフで
    周期的に発生する海溝型巨大地震のことで、マグニチュード8級と想定される。
    もし大地震が起きれば、国の想定で死者は9200人、経済的損失は37兆円にのぼる。
    
    駿河トラフ(気象庁HPより)
    関東地震(南関東〜静岡県)、東南海地震(中京〜南紀)、
    南海地震(南紀〜四国)としばしば連動する(同時期または2〜3年後に発生する)。
    本来、地震名は発生後に命名される物であるが、
    周期性が確認できる事から、発生前から「東海地震」の名で呼ばれている。
    特に、駿河湾から西北西にもぐり込むフィリピン海プレート(岩板)に引きずり込まれている、
    陸地側プレートの跳ね返りにより発生する恐れがあるとされている巨大地震をいい、
    大規模地震特別措置法の対象となっている。
    この領域ではおよそ100〜150年おきに巨大地震が繰り返しおこってきたが、
    安政東海地震(1854年、M8.4)以来150年間おこっていない。
    しかし、駿河湾沿いの地盤の沈降など、地殻変動は続いており、
    プレート境界の歪みが臨界状態まで蓄積している可能性が高く、
    いつ巨大地震が発生してもおかしくないと想定されている。
    この地震については、前兆現象をとらえることにより、技術的に発生の予知が可能なものとして、
    1979(昭和54)年には、東海地震が発生した場合、大きな災害が予想され、
    早急に防災対策を強化しなければならない地域(地震防災対策強化地域、略称は強化地域)として、
    静岡県全県をはじめ神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知の6県にわたる170市町村(当時)が、
    大規模地震対策特別措置法に基づいて指定された。
    
    地震防災対策強化地域(気象庁HPより)
    一方、この地域には地震計、体積ひずみ計(21カ所)など各種の観測施設が集中的に整備され、
    気象庁により24時間変化がないか監視されている。数日、数時間前といった直前の予知をめざして
    体制が取られているのは、全国で東海地震だけだが、予知できないまま起こる可能性も十分ある。
    観測データに異常が現れた場合、東海地震との関連について科学的な検討を行うため、
    気象庁長官の私的諮問機関である地震防災対策強化地域判定会が設置されており、
    検討の結果、東海地震発生のおそれがあると判断された場合には、
    気象庁長官が内閣総理大臣に地震予知情報の報告を行い、
    内閣総理大臣は警戒宣言を発する体制ができている。
東海、東南海、南海地震(とうかい・とうなんかい・なんかいじしん)
    東海・東南海・南海連動型地震(とうかい・とうなんかい・なんかいれんどうがたじしん)。
    それぞれ静岡県御前崎一体を震源域とする「東海地震」、
    紀伊半島南東沖を震源域とする「東南海地震」、四国沖を主に震源域とする「南海地震」の
    3つの地震が同時発生した場合を想定した連動型巨大地震のこと。
    地質調査や文献資料から、東海地震、東南海地震、南海地震はそれぞれは
    約90〜150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔で発生していることが分かっており、
    今後も同じような発生パターンをとると推測されている。いずれもマグニチュードが
    8に達するような巨大地震で、揺れや津波により甚大な被害を出してきた地震である。
    これら3つの地震は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに衝突して
    その下に沈み込んでいる南海トラフで発生する海溝型地震ということで共通するが、プレート境界域で
    地下のプレート構造が原因となってそれぞれ独立した震源域を持っており、別々に発生する場合や
    数時間〜数年の間隔で近接して発生する場合、あるいはほぼ同時に発生する場合がある。
    政府の中央防災会議は、駿河湾から四国沖の海底を震源域とする3地震が連動した場合、
    震源域沿岸で津波の高さが5m以上、震度は6強以上となり、死者は最大2万5千人と想定している。
    東日本大震災の震源域が想定以上に広く連動し、津波被害が甚大だったことから、
    2011年度中に被害想定を見直す方針。
    震源域が宮崎県沖の日向灘まで延びるという研究や、さらに沖合の地震も同時に起きる
    「4連動」の可能性も指摘されている。東大地震研究所の古村孝志教授は4連動の場合、
    津波の高さは太平洋沿岸で1.5〜2倍になると試算している。
新潟県中越地震(The Mid Niigata Prefecture Earthquake in 2004)にいがたけんちゅうえつじしん
    中越地震。気象庁命名の正式名称は「平成16年(2004年)新潟県中越地震」で、
    一般的ではないものの、新潟県は、同地震による震災を「新潟県中越大震災」と命名し、
    同呼称を11月29日より使用している。
    2004(平成16)年10月23日(土)午後5時56分、新潟県のほぼ中央に位置する
    北魚沼郡川口町を震源として発生したマグニチュード6.8、震源の深さ13kmの直下型の地震のこと。
    ユーラシアプレートと北米プレート間で起こった逆断層地震で、
    川口町では阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)以来9年ぶりとなる最大震度7を記録した。
    また、余震の大きさ(震度)・多さも特徴のひとつである。
     エコノミークラス症候群などで被災後に亡くなった災害関連死を含め死者67人、重軽傷者4795人。
    全壊3175棟を含む12万746棟が損壊した。旧山古志村の690世帯2167人が全村避難した。
    2007年3月末現在で「帰村」したのは334世帯908人である。
    
    長岡市の崖崩れ現場
新潟県中越沖地震(The Niigataken Chuetsu−oki Earthquake in 2007)
    にいがたけんちゅうえつおきじしん : 中越沖地震。2007(平成19)年7月16日
    10時13分23秒(JST)に発生した新潟県上中越沖を震源とするM6.8の地震のことで、
    新潟県柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強を記録したのをはじめ、
    各地で強い揺れを観測した。
    気象庁命名の正式名称は「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」である。
     新潟県中越沖地震は、新潟県から神戸市にかけて、幅50〜200キロ程度の
    「ひずみ集中帯」とも呼ばれる地域の中で起こった。太平洋側のプレートが大陸側のプレートに
    沈み込む際、日本列島は東西に押されて縮んでいるが、ひずみ集中帯の縮み方は、
    周囲に比べて数倍速い。阪神大震災をはじめ、地震が相次いでいる地域である。
    今回の地震の周辺には、約3000万〜1500万年前に、ユーラシア大陸に亀裂が入って
    日本海が誕生した時、地殻が引っ張られてできた多数の断層がある。ひずみで耐えきれなくなると、
    この「古傷」で地震が起こる。2004年の中越地震も、こうした「古傷」で起こったと考えられている。
    
    破壊された家屋
    中越沖地震と原発
     2007(平成19)年7月16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市刈羽村)の
     北方約23キロ沖合を震源に発生、最大で震度6を観測した。
     使用済み燃料プールの水があふれ、微量の放射性物質を含む水が日本海に流出、
     変圧器の火災もあった。原発で観測した揺れは680ガル(ガルは加速度の単位)で、
     東電の想定の約2.5倍であったことから、世界の自然災害対策見直しのきっかけとなった。
波源域(source area of tsunami)はげんいき : 津波波源域。津波の発生に関与した海底の領域、
    すなわち海底に津波の発生につながる地殻変動が生じた範囲をいう。
    これは、逆伝播図などから推定され、余震域とほぼ一致する。
    一般に波源域は、震源断層の形状を反映しており、多くの場合、楕円形で近似され、
    大規模な津波では長径100km程度(ケースによっては数百km)となる。 参 : 震源域
パンケーキクラッシュ(Pancake Collapse) : パンケーキ崩壊。
    建築物の柱がフロアを支えきれずに、上の階から下の階に向かってフロア自体が崩れ落ち、
    各階が積み重なる形で倒壊する現象。倒壊したフロアが積み重なっている様子が、
    パンケーキを積み重ねた形に似ていることからこう呼ばれる。地震などの自然災害のほか、
    ずさんな工法やデザイン性を重視しすぎるあまり、強度不足に陥った建物に起こるとされている。
    特に近年の高層建築物は、フロアの柱を減らす額縁構造が多く取り入れられており、
    柱を埋め込んだ壁だけでフロアを支える構造となっており、
    十分な強度と耐震・免震構造を保つことが重要になっている。
    2010年1月12日にハイチで起こった地震で、多くの建物がパンケーキクラッシュを起こしたことで
    注目された。ハイチでは、手抜き工事や賄賂によって見逃されたずさんな設計の建物が多く、
    パンケーキクラッシュが多発したと言われている。
    また、2001年のアメリカ同時多発テロ事件で、世界貿易センタービルが崩壊した要因として、
    パンケーキクラッシュの可能性が挙げられることもあるが、確定されておらず異説もある。
阪神・淡路大震災(The Great Hanshin earthquake)はんしん・あわじだいしんさい
    平成7(1995)年1月17日午前5時46分、
    淡路島北部を震源として発生した(大都市)直下型の大地震による災害である。
    この震災の直接の原因となった地震のことを、気象庁が命名した正式名称は
    兵庫県南部地震(The South Hyogo prefecture Earthquake in 1995)と言う。
    淡路島及び阪神間(神戸市・芦屋市・西宮市・宝塚市・尼崎市・伊丹市・大阪府豊中市など)を中心に
    大きな被害をもたらし、地震による揺れは東は東京、西は鹿児島・長崎までの広い範囲で観測された。
    被害は、死者6433名、行方不明者3名、負傷者43,792名、避難人数30万名以上、
    倒壊または焼失した建物は 全半壊住家合計で24万棟以上・46万世帯以上で、
    被害総額は10兆円規模に上った。
    大都市を直撃した都市型災害としては関東大震災以来の未曾有の出来事であり、
    道路・鉄道・電気・水道・ガス・電話などのライフラインは寸断され広範囲で全く機能しなくなった。
    これ以降都市型災害及び地震対策を語る上で「ライフライン」の早期の復旧、
    「活断層」などへの配慮、建築工法上の留意点、「仮設住宅」「罹災認定」等の行政の対策、
    などが注目されるようになった。 参 : 耐震基準クラッシュ症候群
    
    橋脚ごと横転した阪神高速道路
東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)
    2011年3月11日に発生した日本の三陸沖を震源とする国内観測史上最大の
    マグニチュード9.0の大地震(東北地方太平洋沖地震)とそれに伴う津波による大震災のことで、
    地震、津波、火災などにより広範囲で甚大な被害がでた。
    2011年3月11日14時46分頃、三陸沖を震源地とするマグニチュード9.0の
    海溝型地震「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」が発生し、
    宮城県北部では震度7を記録した。この地震に伴う大津波によって岩手県、
    福島県、茨城県など三陸沿岸の集落では壊滅的な被害が発生した。
    死者は阪神大震災の6434人を超え戦後最悪の災害となった。
    警察庁がまとめた東日本大震災(余震を含む)の死者は、
    2011年5月13日現在で1万5019人となり、発生から64日目で1万5千人を超えた。
    死者の内訳は、宮城県8975人、岩手県4421人、福島県1559人など。
    警察に届け出があった行方不明者は9506人で、宮城5889人、岩手3032人、福島581人などと
    なっている。また、東北や関東など2425カ所で、11万5522人が避難生活を送っている。
    福島第一原子力発電所では、地震ののち自動停止したものの津波により冷却能力を失い、
    原子力事故の国際評価尺度がレベル「5」の深刻な原子力事故が発生した。
    政府は2011年4月12日、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が
    放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪のレベル「7」に引き上げた。
    福島第1原発と第2原発周辺には、避難指示や屋内退避指示が出された。
    また、十分な電力の供給が難しくなっていることから、計画停電が実施された。
    
    地震・津波・火災による宮城県気仙沼市街地の惨状
    参 : 貞観地震連動型地震被災者生活再建支援法
        [YouTube](千葉・旭市で車載カメラが津波にとらえる)、
        [YouTube](大津波にのみ込まれる瞬間の気仙沼市街)、
        [YouTube](巨大津波の脅威、街が消えた)

    津波、38メートルにまで到達<宮古市>
     東日本大震災で津波被害を受けた岩手県宮古市の田老地区で、
    陸地の斜面をさかのぼって到達した津波の高さ(遡上高)が37.9メートルにまで達していたことが
    2011年4月3日、東大地震研究所の都司嘉宣准教授(地震学)の現地調査で分かった。
     都司准教授は、田老地区にある小堀内漁港周辺の漂流物などを調査。その結果、海岸線から
    約200メートル離れた山の斜面にまで、海水に押し流された材木が到達していたことが分かった。
    材木があった地点を基に高さを計測したところ、37.9メートルと判明。
    その手前には、消防車や船も打ち上げられていた。
     付近では、さらに高い位置まで海水が上がったとみられる形跡があり、詳しい調査を継続する。
    都司准教授は「今後の調査で、数値はさらに大きくなる可能性がある」としている。
    復興費捻出、まず議員が身を削れ
    (朝日新聞2011.8.11「声」より、長崎市の大学教授・根本 孝幸さん(56歳)の投稿文紹介)
     東日本大震災からの復興にはお金が必要だ。これをすべて赤字国債でまかなうのは、
    破綻寸前の国庫では国際信用の面からも無理であろう。増税をすると同時に、徹底的に無駄な支出、
    いや必要な支出でさえも削減する必要がある。今後は国民に我慢してもらう場面も多くなる。
     国民の反感を買わずに、それらを成し遂げるにはどうすればよいのか。
    それはそれほど難しくないと思う。国会議員が一丸となって復興を推進することと、
    自らが率先して負担を受け入れることだ。「隗より始めよ」である。
     具体的には国会議員数の大幅な削減、政党交付金の削減(廃止)、
    国会議員に支払われる歳費及び諸経費の削減である。議員数の削減は直接には小予算でも、
    公設秘書の削減などにもつながるので、全体としては大きな削減になるのではないか。これらの
    支出削減策をまず実施すれば、多くの国民は消費税や所得税が増えても文句を言わないだろう。
     子ども手当か児童手当かなど、ちまちました議論はもうやめていただきたい。
    復興のための増収と支出削減を迅速に検討すべきだ。
    首相が誰であろうと、議員数の削減や歳費改定などは、すぐにでも国会に提出して審議できるはずだ。
     地震や津波の被害より福島第一原発事故の方が、復興に大金と期間がかかることになった。
    安全でクリーンエネルギーだという米国の原発要請に簡単に応じた当時の自民党議員の責任も大きいし、
    議員数や歳費を増やしてきた責任もあるし、大幅な削減は元に戻すだけのことで難しいことではない。
    選挙に負けるから消費税は上げられないという議員の保身が、
    国債の乱発で国の借金を世界一にしてしまったのだ。

    平等でない復興増税案は見直せ
    (朝日新聞2011.9.29「声」より、福岡県粕屋町の渡辺 孝子さん(69歳)の投稿文紹介)
     野田政権は27日、復興増税案を決定した。民主党内でも賛否が分かれ、財源の捻出に腐心したようだ。
     野田佳彦首相は「復旧・復興は、この内閣が取り組むべき最大、かつ最優先の課題」と所信を表明した。
    大賛成だ。しかし、増税案は国民に負担を押し付けるだけの内容としか思えない。
    「官も身を削る」と言いながら、具体的な金額などは示されておらず、建設費105億円の国家公務員宿舎
    の建設は続け、さらに月50万円減らしていた国会議員の歳費も10月から元に戻しそうだ。
     これではとても増税に賛成できない。危急存亡の国難であるから、みんな平等に身を削るべきである。
    民主党のマニフェストにしても、票目当てのバラマキ的要素が強く、即刻見直すべきだと思う。
     また、東電は来年度から3年間をめどに、約15%の料金値上げをしたいという。
    値上げ期間が終わったら半減しているボーナスを元に戻すことをもくろんでいるようだ。
    東電の不誠実・無責任さは言語道断である。
    事故の加害者が最後の最後まで身を削らずして、そのツケを国民が払わされるのは納得出来ない。
     野田政権は、増税案を全方位から徹底的に見直し、最善策を提案して欲しい。
    そうすれば喜んで協力する。
     現在の国家公務員宿舎は空いているところが多いというのに、族議員やゼネコンの圧力に負けて
    建設を強行したと思われるが、破綻しそうな国家財政にしておいて税の無駄遣いはないだろう。
    サラリーマンのほとんどはアパートや持ち家だ。
    同じサラリーマンである国家公務員や議員の宿舎も、給料内で自己解決すべきだ。
    2010年の民主党のマニフェストの政治改革で、参議院の定数を40程度削減、衆議院は比例定数を
    80削減するとしていたが、どうなっているのだ。増税の前にこちらを最優先に取り組むべきだ。

被災者生活再建支援法(ひさいしゃせいかつさいけんしえんほう) = 被災者生活再建支援法(別掲)
非常持ち出し品(防災グッズ) → 防災の日
避難情報(ひなんじょうほう) : 災害対策基本法により、市町村長が発令する情報のこと。
    危険度が低い順から「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」の3段階がある。
    気象庁が2005年1月に行った調査では、全国の市町村約1700のうち、
    58%が「避難勧告などを出すための指標、基準がない」と答えた。その一因に、
    気象庁が出す大雨や洪水警報の範囲が広く、市町村の防災対応と連動しにくいことが挙げられる。
    このため気象庁は、スーパーコンピューターや新たな気象レーダーを整備し、
    5年程度で市町村単位での警報の発表をめざすという。新たな防災情報システムをつくり、
    詳細なデータを図表を使って市町村に提供したい考えである。
    避難準備情報 : 河川水位の上昇や気象状況などから判断して、避難が必要になると予想される場合、
     市区町村が発令し、余裕をもって適切な避難行動をとれるように備えるための情報をいう。
     一般住民に避難の準備を促し、お年寄りら移動に時間がかかる人(災害時要援護者)に
     避難を呼びかける。
     ●テレビ・ラジオなどの気象情報に十分注意し、心構えをしておきましょう。
     ●貴重品や家族構成を考えた非常持ち出し品を準備しましょう。
     ●避難場所や家族との連絡方法を確認しましょう。
     ●浸水のおそれがあるときは、早めに家財や生活用品を高い場所へ移動させましょう。
    避難勧告 : 川から水が溢れたり堤防が壊れたりするような洪水の危険や、
     排水ポンプの運転調整など、浸水の恐れがある場合や、山崩れや崖崩れの発生の恐れがある
     場合などの危険度が高まれば、住民に安全な場所への避難を促すときに発令される。
     ◆近くの避難所へ避難することを勧告するもので、避難勧告が発令された時は、次の行動をとる。
      ★火の始末、戸締りを完全にして避難所へ避難する。
      ★非常持出品を持参して避難所へ避難する。
      ★一人暮らしの高齢者、体の不自由な人、幼児や病人がいる家庭には、
       一声掛けてから避難しましょう。
    避難指示 : 地域住民に対する生命の危険が目前に切迫しているときに発令され、
     勧告よりも拘束力が強い。避難指示が出たら、隣り近所で協力し合って直ちに避難所へ避難する。
     自治体では通常、市内の小学校を避難所、公園などを避難場所に指定しているので、
     日頃からもよりの避難所・避難場所を確認しておきましょう。
    警戒区域の設定と退去命令
     市町村長により住民の保護を目的に、危険な地域を「警戒区域」として設定する場合がある。
     「警戒区域」を設定した場合、この区域への立ち入りを制限、禁止またはその区域からの
     「退去命令」が出される場合もある(市町村長の警戒区域設定権等:災害対策基本法第63条)。
    参 : 防災の日
避難率(Shelter rate)ひなんりつ : 気象庁が大津波警報ゃ津波警報を発表した地域で、
    避難指示、避難勧告が出た対象人数のうち、避難所などへの避難が確認された人の割合をいう。
    避難情報として住民に安全な場所への立ち退きを求めるのが「避難勧告」、生命への危機が高まり、
    より急ぐのが「避難指示」だが、災害対策基本法に基づいて、市町村長が出すが、強制力はない。
    低い避難率の理由として考えられるのは、以下のどれかである。
     @勧告・指示が届いていない。
     A届いていても、自主判断で自宅等にとどまった。
     B届いてたが、自分で動けない状況だった。
    南米チリの大地震で津波に見舞われた青森県内で、避難指示・勧告が出た11市町村のうち
    実際に避難所に避難した人は4・5%にとどまることが2010年3月1日、県のまとめで分かった。
    避難率の低さについて県防災消防課は「最近、太平洋側で大きな津波被害がない。
    災害経験が伝わっていない面もあるかもしれない」と推測。
    ただ「情報がいかに正しく伝わり、正しい行動をしたかを検証しないと数字の評価はできない」とし、
    今後、市町村と連携してアンケート調査などをすることも検討するという。

    津波避難3.8%どまり、チリ大地震で指示・勧告の地域(asahi.comより)
     南米チリの大地震による津波で避難指示や勧告が出た地域の住民のうち、
    避難所などで実際に避難が確認された人の割合はピーク時でも3.8%にとどまることが、
    総務省消防庁のまとめでわかった。把握しきれない避難者もいるとみられるが、
    2006〜07年に津波警報が出た際の避難率よりも大幅に低くなっており、
    専門家は「第1波が予測より小さかったという情報が、
    避難しなくてもいいという予断につながったとしたら危険だ」と警告している。
     同庁によると、気象庁が大津波警報と津波警報を発表した地域のうち、
    市町村長が避難指示や勧告を出したのは20都道県の189市町村。対象人口は約168万人で、
    このうち市町村が避難所などに避難していることを確認した住民は6万3千人(3.8%)だった。
    大津波警報の発表地域では平均7.5%だったが、津波警報の地域は平均2.8%だった。
     片田敏孝・群馬大教授は、避難住民が少なかった点について
    「ニュース番組などで到達時間や第1波の高さを知り、自分の所は大丈夫と都合のいいように
    判断してしまう弊害が出た。警報の範囲が広く、津波が遅れて到達する地域で顕著だった」と指摘する。
     また、静岡大学の牛山素行准教授によると「岩手県沿岸部の住民は、明治の三陸地震で
    津波が標高30メートルもの高さまで駆け上がったことを教えられ、ついその高さと比べてしまい
    安心する傾向がある」と話す。スマトラ沖大地震の後、この地域の住民を対象に意識調査をした結果、
    「何メートルの津波で避難するか」という質問に過半数の人が5メートル以上と答えたという。
福岡沖地震と玄界島(ふくおかおきじしんとげんかいじま) : 2005(平成17)年3月20日、10時53分、
    福岡市北西約20キロの玄界灘を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生した
    「福岡県西方沖地震」のこと。この地震により、玄界灘に浮かぶ玄界島(福岡市西区)の他
    福岡市東区などで震度6弱を記録し、宅地や擁壁の崩壊、屋根瓦の破損といった被害が発生し、
    また福岡市の中心部でも窓ガラスの破損などの被害が生じた。
    これに加えて、博多湾沿いに多く造成されてきている埋立地や人工島、
    さらには海の中道の多くの地点で液状化が発生し、それによる被害も生じた。
    火災や津波の発生がなかったものの、福岡市で75歳の女性がブロック塀の下敷きになり死亡、
    重傷者66名、軽傷者932名。全壊453棟、半壊1,032棟、
    一部損壊3,,698棟(4月13日現在)など甚大な被害をもたらした。
     玄界灘にある玄界島では153棟が全半壊するなど全戸に近い214戸が被災した。
    島民は全島避難したが、3年後の2008年3月25日に希望者全員が帰島した。
    2005年2月に700人だった島民は2009年3月現在、583人に減った。
    
    玄海島の被害状況
防災士 = 防災士
防災の日 = 防災の日(非常持ち出し品)
マグニチュード(magnitude)
    地震の規模を表す尺度。また、その数値。記号はM。地震波の最大振幅をもとにして算出する。
    震度ある場所での揺れの強弱を表すのに対し、地震そのものが持っているエネルギーの大小を表し、
    発生場所や地震計の位置などに左右されない物差しとして使用されている。
    マグニチュードの数字が1増えると、地震のエネルギーは約32倍になる。
    安政東海地震(M8.4)は想定東海地震(M8.0)の約4倍、
    南海トラフ沿いの限界的な規模の地震(M8.5)は
    想定東海地震(M8.0)の約5.6倍のエネルギーを持つこととなる。
宮城県沖地震(みやぎけんおきじしん) : 宮城県東方沖の日本海溝(海洋プレートと大陸プレートの境界部分)
    の大陸プレート側を震源とする地震で、過去に何度も繰り返し発生している。
    そのため、「○○年宮城県沖地震」のように発生年を冠して呼んでいる。
    「宮城県沖地震」は、これまで25〜40年という比較的短い間隔で周期的に発生しており、
    近い将来再び発生することが予想されている。
    地震調査研究推進本部の長期評価によれば2007年1月1日から10年以内での発生確率は60%程度、
    30年以内では99%とされ、評価対象の中では最も高い確率である。
    30年内の発生確率が80〜90%とされる三陸沖南部海溝寄り地震と連動した場合、
    8.0前後の地震になるといわれる。最も直近の連動型は1793年に起きておりM8.2であった。
    
    方々でブロック塀が倒壊した
    1978年宮城県沖地震 : 複数回起きた宮城県沖地震の一つで、
     1978(昭和53)年6月12日の17時14分44秒に発生したマグニチュード7.4(震度5)の地震である。
    気象庁により「1978年宮城県沖地震」と命名されたこの地震では、
    現在の仙台市域(旧泉市・旧宮城町・旧秋保町の区域を含む。)で、死者16人、
    重軽傷者10,119人、住家の全半壊が4,385戸、部分壊が86,010戸という多大な被害が生じた。
     都市ガス(仙台市ガス局・塩釜ガス・石巻ガス・古川ガス)が13万戸で供給停止となり、
    老朽化したブロック塀の倒壊、1960年代に造成された新興住宅地(緑ヶ丘など)の地盤崩壊、
    水田地帯を開発した卸町地区では液状化現象が発生しビルの倒壊や傾斜が見られるなど、
    宮城県内(特に仙台市)を中心に大きな被害が生じた。
    仙台市では電気、水道、固定電話は8日目までにほぼ復旧を見たものの
    ガスの復旧率が99%を超えたのは地震発生後27日目であった。
     この地震では、ライフライン等が停止し都市生活が麻痺した。
    これは、50万人以上の大都市(当時旧仙台市は人口およそ65万人)が経験した
    初めての都市型地震災害の典型であるとも言われている。
    また、家屋倒壊被害が甚大であったために1981年に改正建築基準法が施行され、
    この地震以降の建物は耐震強化などがなされた。
     6月12日は宮城県では「県民防災の日」とされ、地震に備えた防災訓練がなされる。
    なお、この地震の最大震度は仙台市などで観測した震度5である。東京でも震度4を記録した。
    参 : 手抜き工事

    地震の備え「特になし」43% 宮城・岩手で民間調査
     8月の宮城県沖の地震の前に、地震対策を特にしていなかった人が半数近くいたことが、
    民間調査会社のインターネットアンケートでわかった。
    今後30年以内にマグニチュード7.5前後の地震が起こる確率は99%とされているのに、
    備えない人が多いことが明らかになった。
     調査したのは、サーベイリサーチセンター(本社・東京都荒川区)。
    宮城県と岩手県で地震を経験した276人にインターネットを通じて2005年8月末に尋ねた。
     今回の地震前に行った地震対策を聞くと、最も多い回答は「特になし」の43%。
    理由は、「機会がなかった」が40%、「大地震が起これば対策を立てても無駄と思った」が24%だった。
     地震での備えは十分だったかという質問には、「不十分」が13%、「どちらかといえば不十分」が52%。
    想定される宮城県沖地震に対しては、「非常に不安」「多少不安」を合わせると88%だった。
    しかし、今回の地震後、どのような対策をしたかと尋ねると、73%が「特になかった」と答えた。
明治三陸地震(めいじさんりくじしん) : 明治三陸沖地震。
    1896(明治29)年6月15日午後7時32分30秒に発生した、岩手県上閉伊郡釜石町(現・釜石市)の
    東方沖200km(北緯39.5度、東経144度)を震源とする地震。M8.22〜8.5という巨大地震であった。
    地震後の津波が当時本州観測史上最高の遡上高である海抜38.2mを記録するなど
    津波被害が甚大だったこと、および、この津波を機に、明治初年にその名称が成立したあとも、
    行政地名として使われるのみで一般にはほとんど使われていなかった「三陸」という地名が
    知られるようになり、また「三陸海岸」という名称が生まれたことで知られる。
    869年の「貞観地震(じょうがんじしん)」、1611年の「慶長三陸地震」、
    1896年の「明治三陸地震」、1933年の「昭和三陸地震」、
    そして「東北地方太平洋沖地震」(東日本大震災)などは、いずれも三陸沖地震に該当する。
明治三陸地震津波(めいじさんりくじしんつなみ) : 明治三陸大津波。明治三陸沖地震津波。
    岩手県の三陸沖で1896(明治29)年6月15日午後7時半ごろにに発生した、
    マグニチュード8.2とも8.5とも言われる巨大地震(明治三陸地震)により引き起こされた大津波の
    ことで、高さ38メートルを記録し三陸沖を襲った。震源の規模は巨大なものであったが、
    震度としてはせいぜい震度4程度に留まり、沿岸の人々に強い危機感を抱かせなかったのではと
    言われている。この津波によって22000人を超える犠牲者が出た。
    三陸沖では1933(昭和8)年にも大規模な地震が発生しており、
    明治三陸地震に対して「昭和三陸地震」と呼ばれる。
    津波被害としては明治三陸地震津波が最も多くの犠牲者を出し、国内史上最悪とされてきたが、
    2011年3月11日に三陸沖を震源として発生した「東北地方太平洋沖地震」および
    併発した津波による犠牲者(死者・行方不明者)は、
    発生後2週間を過ぎた時点で明治三陸地震津波を超える被害を呈するに至った。
    警察庁がまとめた東日本大震災(余震を含む)の死者は、
    2011年5月13日現在で1万5019人となり、発生から64日目で1万5千人を超えた。
免震住宅(めんしんじゅうたく) : 地震に対する構造躯体は、免震構造、制震構造、耐震構造の3つがあるが、
    そのうちの主に免震構造を応用した住宅をいい、建物が受ける、地震による激しい揺れのエネルギーを、
    特殊な装置によって低減し、ゆっくり揺らせることにより、地震の被害から免れるという免震構法により
    建築した住宅のことで、地震の揺れを免震装置によって大幅に吸収して建物の揺れを少なく
    することにより二次災害を防ぎ、「住む人も家具も建物も無傷で守る」とされる。
    免震住宅は風などの小さな力には踏ん張り、震度4程度の被害が想定される地震動から
    免震化(ゆっくり揺れる)が始まるように設計されている。
    「免震装置」は地震の揺れを建物に伝えない「免震支承」と、建物が大きく動くのを抑える役割の
    「ダンパー」の組み合わせによる相乗効果で、地震の揺れを大幅に低減する。
    免震装置設置基礎工事費として、20坪くらいの住宅で200〜300万程度の出費が余分にかかる。
    建物が木造か、鉄骨かなど構造や建物の大きさにもよるので一概には言えないが、
    目安として延べ床面積1mあたり3万円くらいといわれる。
    主な免震方式
     転がり免震支承 : 平面または凹面状の皿の上をボールまたはローラーが転がって加速度を
      低減する方式。この方式は単独の場合、風が吹くだけで建築物もユラユラと揺れてしまう弱点が
      あるため、「風揺れ固定装置」を併用する必要がある。
     すべり免震支承 : 平面または凹面状の皿の上を滑り部材がスルスルと滑って加速度を
      低減する方式。「転がり免震支承」の方式よりも、免震機能が始まる加速度が遅く、
      免震性能は劣り、地震後の残留変形が生じやすいといった欠点もある。
      また、「風揺れ固定装置」の併用も必要とする。
     積層ゴム免震支承 : ゴムの変形によって加速度を低減する方式。
      軽量建物では固有周期が伸びず、免震しにくいといった欠点がある。
      しかも地震後の残留変形が生じやすい。
      また、滑りや転がり支承併用時には、「風揺れ固定装置」を併用する必要がある。
      現在、建物に採用されている免震装置の多くはこの「積層ゴム」を用いたものである。
    転がり免震支承に風揺れ固定装置を併用した「IAU型免震システム」は
    丸和鋼建株式会社(HP)やカトウ建設株式会社(HP)などでも参照できる。
    「FPS免震住宅構法」は千都リビング株式会社のホームページなど。
    参 : 日本免震構造協会(HP)、積水ハウス・ホーム(HP)、
        「ROAD to MyHME」の免震住宅への道(HP)、ダイワハウス(HP)
木造住宅の耐震化 = 木造住宅の耐震化(別掲)
余震(aftershock)よしん : 地震(本震)が起きた後に本震の震源域内、またはその近くで、
    引き続きおきる地震のこと。これに対し、本震より前に発生する地震を「前震」という。
    規模は本震以下のことが多いが、本震に匹敵する規模の余震が発生することもある。
    一般に震源が浅い地震は余震が多く、震源が深いときには余震がないこともある。
    本震が大きいときには余震も大きいことがあり、余震で被害を生じることもある。
    とくに本震で弱った建築物や土木構造物が余震で倒壊することもあり、警戒が必要である。
    余震域 : 余震の起きる場所を余震域といい、本震発生後から1日程度の余震域は
     本震発生場所のままだが、日が経つにつれ余震領域が広がる。その範囲を余震域という。
    余震と誘発地震 : 本震で岩盤が不安定になり、余震が起こる。
     狭い意味では、本震の震源域で起きる地震を指す。本震によって周辺にひずみがしわ寄せされ、
     離れた場所で起きるのが「誘発地震」。広い意味ではこれも余震と呼ぶ。
予知計画 = 予知計画(別掲)
連動型地震(れんどうがたじしん) : 地震で地殻にずれが生じた範囲を「震源域」と呼び、
    隣接する震源域で短期間もしくは同時に発生する地震のこと。
    2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の震源域は南北500キロ、
    東西200キロに及ぶ。過去に起きた地震を基に、将来的に発生が予測されていた
    三陸沖〜茨城県沖の4つ以上の震源域が約6分かけてほぼ同時にずれた。
    過去の連動型地震には、中部沖から四国沖にまたがる宝永地震(1707年)や
    スマトラ沖大地震(2004年)などがある。






















































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