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焼酎(shochu、spirits、distilled spirit)しょうちゅう : 酒かす・いもなどから製した蒸留酒の一つ。
    穀類・芋類・糖蜜などをアルコール発酵させ、それをウイスキーブランデー等と同じく
    蒸留して造ったの総称で、一般に、アルコール分が強く、
    製法の違いによって甲類と乙類に分けられている。[季語]夏−生活。
    焼酎の種類
     甲類 : 農産物の糖蜜などを原料にして発酵させたものを連続式蒸留機にかけてアルコールを採取し、
      これを水で薄めてアルコール分を36%以下にしたもので風味成分の大半は除かれているから
      香りや色はない。何度も蒸留を繰り返してアルコールの純度を高めていることから、不純物が少なく、
      「ホワイトリカー」の名で酎ハイやカクテルのベースに、また果実酒造りに多く使われる。
     乙類 : ・麦・ソバ・サツマイモ・黒糖などを原料にして麹(こうじ)で糖化発酵させ、
      単式蒸留機で1回だけ蒸留し、アルコール分45%以下にしたもので、「本格焼酎」とも呼ぶ。
      仕込みには黒麹(くろこうじ)のほか白麹や黄麹が使われ、どの麹をを使うかで風味も変わるとされる。
      原料の風味成分を多く含み、独特の香りや味わいのあるのが特徴で、
      湯割り、水割り、オンザロックなどで楽しまれ、今や左党の間で人気の的になっている。
      沖縄の泡盛(一升瓶)
     「紅ろまん」という種子島の赤米の麹を使った上妻酒造の「宝満」
     
     沖縄の泡盛(どなん、600ml、60度)
     
     同上(舞富名、180ml、60度)
     
     焼酎(神の河:かんのこ、720ml、25度)
     
     ネット通販で購入している焼酎(日々是財寶:ひびこれざいほう、900ml、25度)
     
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     韓国の安東焼酎(800ml、45度)
     甲乙混和焼酎 : 割安な甲類をベースに乙類(本格焼酎)を5%以上混ぜて風味を付けた商品をいう。
      アサヒビールが1993(平成5)年に「かのか」を売り出したのを皮切りにビール大手が
      相次いで参入し、キリンビールは2009年3月にアルコール度が低い「淡麗ストレート」を発売し、
      サッポロビールもショウガ風味の「トライアングルスムース」を売り込むなど、
      ビール大手4社で甲乙混和市場の過半数を占めている。
      ちなみに、紙パック入りの甲乙混和焼酎「かのか」は1.8リットル入りが980円で、
      同量で瓶入りの本格焼酎「二階堂」の1550円を下回り、千円を切るのが魅力でよく売れるという。
    焼酎の起源 : 紀元前の古代ギリシャまで遡(さかのぼ)るといわれ、日本への伝来経路については
     「中国から直接渡来」「朝鮮半島を経て対馬へ送られた」「南方から琉球を経て渡来」の三説があるが、
     いずれも時代は14〜15世紀だとされている。
    焼酎の語源 : 「焼」が加熱、「酎」が濃い酒を表すこととされる。
    主な焼酎産地 : 原料と温暖な気候に恵まれた南九州地方に多い。
     米を原料にした米焼酎(球磨焼酎・しろ・など)は主に熊本県の球磨川流域で造られる。
     サツマイモを使った芋焼酎(薩摩白波・島美人・伊佐美など)は鹿児島県や宮崎県に多いが、
     山口県にも山縣本店の(要助)や2006年3月から販売された(はぎ芋焼酎あいしま)などがある。
     麦焼酎(壱岐の華・神の河・いいちこ・いいとも・かのか・二階堂・など)は発祥地の長崎県の壱岐や、
     鹿児島県、大分県、福岡県、佐賀県が主な産地である。
     壱岐焼酎は米と麦を分量比1:2で使用し、米で麹を造り、次に主原料の大麦を加える。
     米麹による独特のやさしい甘みと大麦の香ばしさをあわせもち、
     味わいに厚みと幅のある麦焼酎である。ソバ焼酎(雲海・天照・など)は宮崎県に多い。
     サトウキビを使った黒糖焼酎(奄美・碧い海・など)は鹿児島県奄美諸島・徳之島の特産である。
     そして沖縄県にはタイの砕米を原料にした泡盛(南海王国・与那国・など)がある。
     (注)( )内は私が飲んだか飲み屋などで見た焼酎で、好みの多少には限らない。    
日本一の焼酎どころ (回答総数1万831人)
順位 選ばれた
都道府県
回答数
(人)
記  事
鹿児島 9851 本格焼酎出荷量でも日本一。全国で唯一、清酒蔵がない県
宮崎 4314
大分 3644
熊本 3566
沖縄 3066 泡盛を含む 
福岡  591
長野  496
北海道 288
高知 241
10 長崎 233 麦焼酎発祥地
朝日新聞「アスパラクラブ」会員によるアンケートより(2009.2.18掲載)
2010年の焼酎メーカー売上高(2011.8.13、朝日新聞より)
順位 会社名(所在地) 主な銘柄 売上高(億円)
三和酒類(大分県) いいちこ  522
霧島酒造(宮崎県) 霧島、黒霧島  472
薩摩酒造(鹿児島県) さつま白波   205
雲海酒造(宮崎県) いいとも、雲海   192
二階堂酒造(大分県) 二階堂、吉四六   180
濱田酒造(鹿児島県) 海童、薩摩富士   114
高橋酒造(熊本県) 白岳、しろ   88
本坊酒造(鹿児島県) 桜島、石の蔵から   74
美峰酒類(群馬県) 一風、司   70
10 若松酒造(鹿児島県) 薩摩一、わか松   65
帝国データバンク福岡支店の集計で、売上高は推定を含む。
県別では、芋焼酎を主力とする鹿児島県が売上高上位50社中
24社を占め、県別売上高で5年連続の首位。
2位に大分県、3位は宮崎県だった。 
    焼酎の健康効果 : 最近の研究によって乙類焼酎には血液中の血栓を溶かす酵素(プラスミン)を
     増加させる作用があるばかりか、他のアルコール飲料に比べて抜きんでることが判ってきた。
     つまり乙類焼酎を適量飲むことは血液の流れをよくして血栓症を防ぎ、心筋梗塞脳血栓の予防に
     繋がるというわけである。ちなみに世界一の長寿でギネスブックにも載った故・泉重千代さんは
     乙類の黒糖焼酎を120歳まで愛飲。これが長生きの秘訣と言われたことはよく知られている。
    参 : 日本酒ワイン
    
    甲は乙より良いのに何故、おいしく本格焼酎の方を乙類としたのだろうか。
    焼酎の季語がなぜ夏なんだろう。温暖な地方で造られ、夏にオンザロックで飲む人が多いからだろうか。
    出荷量は冬が多く、私も寒くなると鹿児島県の本坊酒造の「財宝」という麦焼酎を取り寄せ、
    梅干を入れた湯割の焼酎をたしなんでいる。
    夏にビールビール風飲料以外のアルコール分を摂ることはほとんどない。




































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