職員(YSミニ辞典)

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職員厚遇問題 : 自治体職員の厚遇問題のことで、ヤミ年金・退職金問題、過剰な福利厚生やカラ残業、
    不適切な特殊勤務手当など、自治体独自で取り決めている不正とされることがらのことで、
    民間の会社では考えられない「お手盛りによる公金ぶんどり」のことをいう。

    お手盛りにより国家公務員を大幅に上回っている市職員の給与水準も是正すべきで、
    国規模での破産状態にあるなか、行政の効率的運営に心血を注ぐ時代が到来している。
    大阪市に端を発した厚遇問題では、他の多くの各市町村でも職員の福利厚生互助組織に
    公費を支出していて、各自治体は運営方法を早急に見直す必要がある。
    また各種手当も職務の実態のないものは廃止し、
    人件費や福利厚生の在り方を厳正に再検討すべきである。

    2004年末に大阪市で発覚した目に余る職員厚遇の数々にはあきれるばかりで、
    職員互助会の生命共済掛け金を公費で負担し、
    係長級以下約2万3000人の職員に1着3万円のスーツを支給していた。
    年金掛け金を職員負担分より2倍も多く公費で賄っていたヤミ年金・ヤミ退職金も明らかになっている。
    交通局職員に地下鉄やバス乗務のたびに手当を支給する「給与の二重取り」のような特殊勤務手当や、
    区役所などの大掛かりなカラ残業も発覚した市政の退廃には目を覆いたくなる。
    このような「市民感覚から程遠い」市職員の厚遇ぶりが相次いで発覚した大阪市では、
    大平助役を委員長とする「改革委員会」を設け、来年度、互助団体への交付金支出をゼロにするなど
    計180億円を削減する改革案を公表したが、労働組合が猛反発し、年度末に向け、
    市側との労使交渉や来年度予算を審議する市議会でも波乱が予想されている。
    ということだが、掛け金を約7億円も公費負担していた団体生命共済と、
    4億円もかける制服としてのスーツの貸与を除き反対、もしくは再検討などを求める姿勢を示したそうだが、
    非常識極まりない税金の無駄遣いをし、市民から強い批判を浴びてもなお、
    「今まで通りの厚遇措置のままにしておけ」とは何と厚顔無恥な職員たちだろう。
    過去にも市民グループが起こした訴訟の中で、裁判長から「大阪市は規律が乱れ、
    通常の道義心を持つ人でも金銭感覚がまひし、公金を私的に使用していた」との
    厳しい指摘を受けているのである。
    長年の大阪市の幹部と労組のなれあいがこのような結果となったのである。
    長引く不況で、民間の企業では給料2〜3割カットで
    再編成か子会社に回される人たちが多いというのに、もっと民間並みに危機意識を持てと言いたい。
    大阪市民に謝罪すると同時に、市民の血税の多くを私的に不正流用してきた罪として、
    市長以下全ての職員が、民間並に給料3割カットで反省・自浄すべきである。
    180億円の予算削減と給料カットで税金は半分くらいですむんじゃーないの?

    これほどの公費乱用がまかり通ってきた背景には、市当局と職員労組との長年のなれ合いがある。
    市議会にしても、チェック機能を果たすどころか市当局とのなれ合いを続けるようでは
    市政の刷新に期待できそうもなく、3者共犯のそしりは免れまい。
    民間であれば会社の儲けというのが労使の待遇を決定する大きな要因になるのに対し、
    公務員は営利組織ではないのでこの意識が薄いとされているが、
    大阪市は財政再建団体目前の自治体で、
    まさに破産寸前の状況にある中での待遇の切り下げは致し方ないことである。
    大阪市に限った話ではないが、お役所は一度手にした既得権は決して手放そうとしない。
    大阪市は、財政難に拍車をかける高齢者無料交通パスや、
    生活保護世帯や高齢者らに対する上下水道料金の減免措置などの市民サービスは存続するそうだが、
    「職員厚遇を維持するために、バラマキを続ける」とも言われている。

    市民グループ「見張り番」は、大阪市が職員にスーツを支給していた問題で、
    2005年2月、過去10年分の購入費35億円を関市長、
    磯村隆文前市長に返還させるよう求めていたが、市監査委員は4月14日、関市長に対し、
    1年分の購入費約3億8000万円を市に返還するよう勧告したが、
    刑罰ではないのでこれに応じるかが問題だね。一連の厚遇問題の住民監査請求で、
    請求期限の1年分についてのみだが公金返還の勧告をするのは初めてである。
    市は1960年代からイージーオーダーのスーツなどを支給していたが、
    厚遇批判を受け、2005年度から廃止している。
    市庁舎内や業務で制服として使用しているのなら問題はないのだが、
    ポケットの部分の市章を折り込めるようにして
    業務以外でも使用できるようにしていたのがいけないのである。

職員厚生経費(しょくいんこうせいけいひ) : 国家公務員法法が「各省庁は職員のレクリエーションを計画、
    実施に努めなければならない」としていることなどを受けて支出される国の予算の一つ。
    一般会計のほか、特別会計や特定財源からも事業にかかわる職員向けに支出される。
    財務省の予算基準では、使い道は「健康診断、レクリエーション、表彰の各経費」となっている。

    国家公務員の福利厚生経費
     国家公務員法に基づく国家公務員福利厚生基本計画や人事院規則などの運用方針で、
    生活習慣病対策のような健康増進やレクリエーション活動に充てる経費が認められている。
    2007年度予算の経費は職員一人当たり505円を算定基準として、各省が財務省に予算を要求。
    国土交通省の道路関係職員の場合は、
    道路特定財源でやりくりする道路整備特別会計での予算要求となる。
    省庁の娯楽費、使途制限 基準作り監視へ
     国家公務員の「娯楽費」の使い道を制限するため、総務、財務両省は全省庁共通の基準を作り、
    チェックを強化する方針を固めた。道路特定財源などがカラオケセットなどに使われ、
    「税金の無駄遣い」との批判が広がったためだ。
     娯楽費は、各省庁が職員の健康や福利厚生のために支出している「職員厚生経費」の一部。
    同経費は2008年度予算では、国家公務員1人当たり6135円が支出される。
     職員厚生経費の使い方は、国家公務員の給与や待遇を定める人事院規則のなかで「社会通念上、
    不健全であると認められる内容を含まないこと」としているだけで、各省庁の判断に委ねられていた。
     国土交通省では、ガソリン税など道路特定財源から出ている娯楽費が、職員向けマッサージチェアや
    カラオケセットの購入に使われていたことが発覚。3月には治水、港湾整備、
    空港整備を目的とする3特別会計でもマッサージチェアなどの購入が判明した。
     総務省が、携帯電話会社などが国に納めている電波利用料を職員の野球観戦や、
    メンタイコ作りに使っていたことも5月、明らかになった。
     無駄遣い批判を受け国交省などは使い道の見直しの検討に入っている。だが、
    政府内には、省庁ごとの対応では「地方の出先機関などに徹底されず、
    同様のケースが出てくる可能性がある」との懸念もあった。
    このため、国家公務員の福利厚生を管理する総務省は、
    娯楽費の使い道について共通の基準を新たにつくる必要があると判断した。
     新基準について政府内では国家公務員法や人事院規則を改正して明文化するほか、
    全省庁への通達などで徹底する案が出ている。財務省も新基準に従い、
    予算額が適正かどうかを判断することになる。
     新基準は、購入後に個人の所有物になる物品、一部の愛好家だけが楽しめる物品や
    イベントへの支出を禁止・制限する方向で検討する。利用者が限られるカラオケセットなどの購入は
    出来なくなりそうだという。明確な線引きができるかどうかが課題となる。
     一方、道路整備などのために集められた特定財源を職員の娯楽に充てること自体への
    国民の反発もある。ただ、政府は特定財源を人件費や物品購入に充てることは「法律上認められ、
    違法ではない」との姿勢は崩していない。(2008.6.3、朝日新聞より引用)

    電波利用料:総務省が不明朗支出、野球観戦やボウリング
     総務省が放送局や携帯電話会社など電波利用の免許を受けた事業者から徴収した
    2006年度の電波利用料収入のうち、職員のレクリエーションや備品購入など281件約4000万円の
    「不明朗」な支出があったことが2008年5月20日、参院総務委員会の民主党の指摘でわかった。
     不明朗支出は、全国11の地方総合通信局で見つかった。
    11局分の2006年度の電波利用料収入の決算額は約50億円。
    電波利用料は本来、電波監視や技術試験、研究開発などに充てられることになっているが、
    民主党によると、職員の野球観戦や映画鑑賞、ボウリング参加費用などに44万円が
    使われていたほか、無線操縦カー150台の購入に10万円が使われるなどしていた。
     総務省によると、レクリエーション費用は「職員厚生経費」として電波利用料を充てることに
    法的な問題はなく、無線操縦カー購入は電波教室の教材用だったという。
    増田寛也総務相は「レクリエーションへの支出は法的な問題は別にして、国民の理解を得られない。
    備品購入は必要なものに限定するなど、支出の透明性を高めたい」と答弁した。
    電波利用料は携帯電話会社が支払っているから関係ないと思われるが、
    その分、通話料や基本料に組み込まれていることから、
    携帯電話を持っている人は1台に対して年540円の電波利用料を支払っているのである。
     総務省によると、レクリエーション費用は「職員厚生経費」として電波利用料を充てることに
    法的な問題はなく、無線操縦カーの購入は電波教室の教材用だったというが、
    電波利用料は、道路特定財源と同じく、一般会計ではなく、
    別会計なので合同庁舎のトイレの便座の修理に使用するなどに充てるのはおかしい。
    そもそも電波法第103条の2、4項には、この条及び次条において「電波利用料」とは、
    次に掲げる事務その他の電波の適正な利用の確保に関し総務大臣が無線局全体の受益を
    直接の目的として行う事務の処理に要する費用(同条において「電波利用共益費用」という。)
    の財源に充てるために設けられているものである。

































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