紫外線(YSミニ辞典)

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紫外線(Ultra Violet rays)UV、ウルトラ・バイオレット : 化学線。菫外(きんがい)線。
    波長が、可視光線より短くX線より長い電磁波の総称。
    太陽光線は波長によって紫外線・可視光線・赤外線の三つに分類され、そのうちの紫外線は
    波長が100nm(ナノメートル)から400nm(1nm:10億分の1m)の光なので、目には見えないが、
    太陽光線のほか水銀灯などに含まれ、日焼け、殺菌の作用をもつほか、しばしば光化学反応を
    起こすなど化学作用が強く、皮膚癌の原因になることがある。波長の短い光線ほど
    強烈なエネルギーを持ち、生き物の体内奥深く侵入して細胞や脂肪組織にダメージをあたえる。
    反面、地球環境は太陽光の中に含まれている紫外線によって浄化されていて、
    虫干しやふとん干しなどに代表されるような日光消毒が古来から行われているのはその為である。
    また、紫外線を適度に浴びると体内でビタミンDが合成され免疫力の向上や骨を強化するとともに、
    成長ホルモンやメラトニンの分泌が促されて脳の活性化や安眠効果をもたらす。
    ちなみに、蝶や蛾などの昆虫が蛍光灯の光に集まってくるのは、
    明るい光にではなく、蛍光灯から出ている紫外線に集まってくるのである。
    従って、紫外線をカットした蛍光灯には、明るくても昆虫は集まってこない。
    紫外線の予防には、紫外線に当たらないことだが、生活をする上で、全ての紫外線を避けることは
    不可能なので、食事やサプリメント等でビタミンCを摂取し、紫外線に当たった後の対策をすると同時に、
    日焼け止め化粧品や日傘、帽子等を活用して根本的に肌に紫外線が当たらないようにする対策をとる。
    また、アルコールは血管を拡張させて紫外線の影響を受けやすくなるので、日中からお酒を飲まない
    方が良いそうで、これからビルの屋上ビアガーデンには、日が落ちてから行くことにしましょうか。
    衣服は、白い色や薄手の生地は紫外線を通すので、色物の方がよいとのことだが、
    色物は赤外線を吸収するので暑い夏はどうすればよいのでしょう。紫外線に強い皮膚をつくるには、
    キュウリの「ぬか漬け」がよい。緑茶やゴボウポリフェノール、ビタミンCは紫外線の皮膚浸透量を
    減らすことが分かっている。また、紫外線は網膜細胞を酸化させるが、
    ブロッコリーのスルフォラファンはフェーズユ遺伝子を活動させてその酸化を防ぐ働きがわかり、
    胃かいようやがんを防ぐ効果のほかに、紫外線から目を守る働きがある。
    通常、太陽光線中の紫外線は大気上層の酸素やオゾンによって吸収され、
    およそ350nm以下のものは地上に到達しない。
    紫外線は波長によって下表のように3種類に分類され、波長の長い方からA領域紫外線(UV−A)、
    B領域紫外線(UV−B)、C領域紫外線(UV−C)と呼び、それぞれ、以下のような性質を持っている。   
紫外線の種類
種類(波長nm) 地上への到達度 生物影響
可視光線
(380〜780)
UV−A
(315〜400)
長波長紫外線
(注1)
地表まで到達する。 UV−Bほど有害ではないが、長期間浴びていること
によるコラーゲンの破壊などにより、そばかすの原因や
皮膚の弾力を奪いシワ・たるみの原因にもなる。
光重合、印字、製版などに利用される。
ピークは5月。(注2)
UV−B
(280〜320)
中波長紫外線
ほとんどは成層圏オゾン
層などに吸収されるが、
一部は地表へ到達する。
一般に、「有害紫外線」と呼ばれ、皮膚や眼に非常に
有害で、日焼けなどでメラニン色素を作り、
白内障や皮膚がんの原因になるが、
体内にビタミンDを作るのに必要な波長でもある。
眼球障害、紅はん、ホトリングラフィなどに利用される。
ピークは7〜8月。
(注3)
UV−C
(100〜280)
短波長紫外線
(注4)
大気や成層圏オゾン層に
吸収されて、地表には
到達しない。
生物には非常に有害で、通常は自然界には存在せず
人工的なものだが、オゾン層が破壊されれば影響が
でる。最も危険で殺菌光線と呼ばれており、
免疫力の低下や皮膚ガン、白内障を引き起こす。
観賞用水槽の清浄作用、養魚場での水の
腐敗防止、鮮度回復や光CVDなどに利用される。
放射線
(X線など)
(100未満)
    (注1)波長は320〜380などとも言われ、はっきりした線引きはない。
    (注2)UV−Aは晴れの日曇りの日も変わらず、窓ガラスも通過して室内に入ってくるので、
       曇りの日や、家の中といっも安心できない。太陽が最も高くなる5月に最も多くなるが、
       最も少ない冬の時期でも2分の1にしかならず、年間を通して紫外線対策をする必要がある。
       1日のうち、紫外線の強い時間帯は、午前10時〜午後2時の間です。
       UV−Aによる日焼けのことを「サンタン」と呼ぶ。
    (注3)UV−Bはオゾン量が最も減る8月頃に最も多くなる。
       生物学的に重要なのはドルノ線(Dorno−rays)と称される300nm付近の紫外線で、これは
       体内に骨をつくるために必要な成分であるビタミンDを生成させたり、カルシウムやリンなどの
       鉱物質の吸収率を高めると言う作用をする。また皮膚や全身の抵抗力を増進、血液の循環も
       良くするため、昔から日光にあたると骨の病気の一つであるクル病が予防できるとして、
       日光浴が勧められてきたが、最新の知見では、私たちの体の中で、1日に必要とされる
       ビタミンDがつくられるためには、顔や手への1日15分間の紫外線曝露(ばくろ:直接さらす)で
       十分とされている。UV−Bによる日焼けのことを「サンバーン」と呼ぶ。
    (注4)100〜200nmの波長を「真空紫外線」という。殺菌灯には殺菌作用が極めて強い
        波長254nm前後の紫外線が使われている。
    参 : オゾンホールメラノーマUVインデックス地球環境問題

    紫外線から身を守る最新対策(2007.5.25、日テレのおもいッきりテレビより引用)
    @サングラス、帽子で防御力を高める : サングラスは色が薄いものをつけると防御力が高まり、
     効果的である。帽子は、つばの生地が厚いものを深めにかぶると防御力が高まり、効果的である。
    A日傘、ポリエステルの衣服・手袋で防御力を高める : 日傘は色や大きさよりもさし方が大事で、
     傘のてっぺんから約40cm下に目の位置がくるようにさすと効果的である。
    Bココア、キウイなどの食事で修復力を高める
     皮膚のダメージの回復を促す効果が期待できることが判った。
    C適度な運動をする習慣で修復力を高める
     夕方4時以降に約15分間息切れしない程度の速歩きをすると、紫外線ダメージの修復力を高める。







































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