司法(YSミニ辞典)

[ホーム] [索引] [前項] [次項]                                          
司法解剖 → 解剖
司法支援センター : 日常生活での身近なトラブル解決のために相談に乗り、弁護士費用も補助するなどの
    司法サービスを提供する公的法人で、正式名は「日本司法支援センター」である。
    「法テラス」は、「法で社会を照らす」「日当たりのよいテラスのように安心できる場所」という
    思いを込めて名付けられた愛称である。2004(平成16)年5月26日、通常国会において
    「総合法律支援法」として結実し、同年6月2日に公布、施行された行政組織の一つで、
    「あまねく全国において、民事・刑事を問わず法による紛争の解決に必要な情報やサービス提供が
    受けられる社会を実現する」ことを基本理念としている。「日本司法支援センター」は、
    この法律に基づき、2006(平成18)年4月10日に設立された独立行政法人に準じた法人で、
    法務省が音頭を取り、日本弁護士連合会などか協力して同年10月2日から全国一斉に業務を開始した。
    司法ネットの運営主体として独立行政法人の枠組みに従い、住んでいる地域や資力、
    情報量などに関係なく、公的刑事弁護運営、民事法律扶助、弁護士過疎対策、
    そして犯罪被害者支援などの様々な法的サービスを利用できるようにするのが目的である。
    本部は東京に置き、全国の都道府県庁所在地などに計50カ所の地方事務所を配置し、
    トラブルの内容に応じて弁護士会など適切に対応できる機関や団体を紹介し、仲介業務もこなす。
    電話相談の窓口を東京のコールセンター(0570−078374)に一本化し、相談料は無料で、
    固定電話なら全国どこからでも3分当たり8.5円の通話料金だけで、もめ事解決への道案内をする。
    各地方事務所などに勤務するスタッフ弁護士も配属し、スタート時の22人体制を
    裁判員制度が始まる2009年までに300人まで増員する計画である。
    しかし、財団法人法律扶助教会が2001年度に始めた「犯罪被害者法律扶助」は、
    司法支援センターの開業に伴い、2007年春に解散となり、この援助は終わる。
    各分野で規制緩和が進み、法的なトラブルの増加も予想されるだけに、
    時代の要請に応える制度づくりといえる。
    日本司法支援センターの主な業務
     @紛争について相談先がわからない人への情報提供。
     A資力がない人の破産手続き、訴訟提起などを支援する民事法律援助。
     B容疑者・被告の公的弁護。逮捕された容疑者の勾留が決まった段階から、
       公的費用で弁護士をつけられるよう、国選弁護人を確保する業務も担う。
     C弁護士過疎地対策。
     D犯罪被害者へ情報提供。(情報提供や法律専門家につなぐサービスは無料)  など。
    国選弁護人制度はこれまで起訴後の被告だけが対象だったが、これを捜査段階にも広げるのである。
    対象となる事件は、当初は法定刑の下限が懲役・禁固1年以上の、殺人や危険運転致死などの
    重い罪に限定する。施行後3年ほど経過してから、法定刑の上限が懲役・禁固3年を超える窃盗、
    業務上過失致死、詐欺、収賄、偽証などの事件にも、適用を拡大する方針とされている。
    捜査段階での国選弁護人は、国に選任を義務づける制度にはせず、
    本人が請求した場合に限られる見込み。公費で支出する前提から、
    本人が捜査段階の弁護を必要としないケースにまで広げる必要はないと判断したものである。
    導入されると、対象事件の容疑者はだれでも、勾留後すぐに弁護士と接見できるようになるため、
    争点の早期把握が可能となり、一審判決までの期間短縮が期待されている。
    参 : 日本司法支援センター(HP)
司法取引(plea bargain) : 米国に特有の制度で「訴追裁量権の取引的行使」と定義され、
    刑事裁判の時間と経費を節約するため、警察・司法当局(検察側)が「犯罪者(被告側)」に対して、
    真相を証言したり起訴事実の一部を認めて捜査に協力する代わりに、
    一部を取り下げて減刑あるいは免罪にしてもらうこと。
    @被告の有罪答弁と引きかえにした訴因縮小や求刑引き下げ、
    A被告の有罪答弁プラス捜査協力と引きかえにしたヲ訴因縮小や
     求刑引き下げァ不起訴(免責の合意)など様々な形がある。
    B「刑事免責」は同じく訴追裁量だが、免責を一方的に付与することで自己負罪拒否特権を失わせて
     供述を強制し、その供述を他の者の有罪を立証する証拠とする制度である。
     取り引きではなく、証言強制であり、拒否すれば新たに処罰される。
    刑事免責(供述強制)にはヲ行為免責(証言をした人に関しては一切起訴しない)とァ
    使用免責(証言した内容をその人の刑事事件の証拠として使わない)という二つの類型があり、
    アメリカでは後者が主流となっている。
    被告人は罪を認める代わりに刑を軽くしてもらうことができ、検察官は面倒な立証作業を
    省くことができ、事実認定は自白だけで済み、審理を行なわずにすぐ判決を下すことができるので、
    裁判所としても効率のいいシステムといえる。アメリカでは刑事事件の90%が、この司法取引によって
    決着している。残りの10%のうち7割が陪審裁判を受け、3割が裁判官による裁判を受けている。
    米国の軍法会議にも「審理前合意」という制度があり、審理開始に先立ち被告が罪を認めれば
    量刑を軽くしてもらえることがある。米国の軍法会議は日本など米国外でも開くことができる。
    拉致被害者の曽我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんの追訴問題で、
    北朝鮮に亡命した米兵の情報を伝えることなどが司法取引の材料として想定され、
    2004年7月23日、政府はこれを軸に、早期の決着を図る方針を決めている。
司法面接(Forensic Interview) : 米国、英国、オランダなどで行われており、
    専門的な訓練を受けた面接士が虐待を受けた子供から、いつ、どこで、誰が、何をしたか、
    事実を特定できるように、子供の気を配りながら必要な情報をまとめて聞く。
    治療を目的とした面接とは技術的にも異なる。60分程度で原則1回のみ行う。
    この面接で得た証言は、捜査やその後の刑事裁判の証拠とされることを想定しているため、
    「Forensic(法定の)」という語が使われている。
     少なくとも子どもから事情を聴く場合には専門家が加わることが、
    正確な情報を得るためにも被害者保護の意味からも必要なこととして、
    日本でも、導入に向けて動き出している自治体もある。
     現在は、児童相談所と警察、検察、医療機関などがそれぞれ子供から話を聴いて
    手続きを進める縦割りになっている。このため、各機関が緊密に連携をとって
    面接で得た情報を共有するシステムをどう作っていくかが大きな課題となっている。
     加害者の刑事責任を追及する場合でも、司法面接をもとに警察や検察が刑事手続きを進める
    ことになるが、いまのところ法務省や警察庁、厚労省に司法面接を採り入れようとする動きはない。
    参 : 児童虐待防止法
























































inserted by FC2 system