新幹線関連(YSミニ辞典)

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ATC = ATC(別掲)
新幹線(The New〈Tokaodo〉〈Trunk〉Line、the Shinkansen)しんかんせん
    新幹線の定義は「主たる区間で列車が時速200キロ以上で走行できる幹線鉄道」で、
    全国主要都市の間を高速で結ぶ新しい鉄道。また、その列車のことをいう。
    
    軌間が1435ミリメートル(標準軌間)で、在来線の1067mmより368mmも広いのは、
    200キロ以上ものスピードで走る新幹線の車体を安定させるためである。この他、
    列車の運行を管制する、総合指令所(CTC)や、自動列車制御装置(ATC)などのシステムなど、
    世界が注目する近代設備が備わっている。1964(昭和39)年10月10日の東京オリンピック開催に
    あわせて登場した新幹線電車「0系」(2008年に引退)は、旧国鉄が専用に造った車両で、
    10月1日の東海道新幹線の開業に始まり、1986(昭和61)年まで、時速210キロで運転していた。
    世界の高速鉄道の先駆けだった。その後、山陽新幹線・東北新幹線・上越新幹線・
    長野新幹線(北陸新幹線)・九州新幹線が営業した。今は、路線ごとに最高速度が違い、
    最も早いのは山陽新幹線(新大阪〜博多)で、300キロ。次は東北新幹線(宇都宮〜盛岡)で275キロ。
    270キロの東海道新幹線(東京〜新大阪)や260キロの九州新幹線(新八代〜鹿児島中央)が続く。
     なお、山形新幹線や秋田新幹線は在来線の線路幅を新幹線と同じ線路幅に拡げ、東北新幹線との
    直通運転を行っていて、整備新幹線でもない「通称」であり、厳密には新幹線には該当しない。
     ちなみに、新幹線の車体の白は雲の白色をイメージし、
    ツートンカラーの青のラインは空の青色をイメージしたものである。
    黒煙を吐きながら走るSL時代には、汚れの目立つ白色はタブーだった。
     日本での新幹線の成功は欧州の先進国を刺激し、
    フランスは1981(昭和56)年に260キロでる「TGV」を開業し、
    今では320キロにスピードアップしている。ドイツの「ICE」も320キロで運転している。
    TGVは2007年には時速574.8キロを記録し、
    1996(平成8)年にJR東海が出していた時速443キロに、100キロ以上も差を付けた。
    JR東海が2003年に磁力で浮上して走るリニアモーターカーを使って出していた、
    581キロの世界記録に迫る早さである。
    世界最速は日本とドイツが協力した中国で、北京〜天津(てんしん)間などを350キロで走る。
    
    
    
    参 : [YouTube](山陽新幹線徳山駅にて)
    新幹線の歴史
    1958(昭和33)年       建設計画が承認される。
    1959(昭和34)年4月20日 新丹那トンネル入口で起工式(総工費3800億円)。
    1962(昭和37)年4月20日 テストコース完成(神奈川県鴨宮 全長32キロ)。
    1963(昭和38)年3月30日 256km/hの世界新達成。
    1964(昭和39)年7月7日  ひかり・こだまの愛称が決まる。
    1964(昭和39)年10月1日 東京オリンピックの開催に合わせ、東海道新幹線(0系)が開業
                       当初「ひかり」は1日14往復。全席指定席の12両編成。
                       東京−大阪運賃1,180円、特急料金1,300円。
                       開業当初の営業最高速度は200km/hだが、
                       軌道の安定を図るため180km/hで運転。
    1965(昭和40)年       路盤の安定を待って210km/h運転を開始。
    1965(昭和40)年5月     こだまに自由席が常設される。
    1967(昭和42)年       山陽新幹線の着工。
    1969(昭和44)年2月     万博の輸送に備えすべての「ひかり」が12両から16両化。
                4月     東海道新幹線三島駅開業。
    1970(昭和45)年       大阪万博の開幕を機に16両編成まで拡大された。
    1971(昭和46)年       東北新幹線と上越新幹線の着工。
    1972(昭和47)年3月15日 山陽新幹線が大阪から岡山まで開業(210km/h運転)。
                       ひかり1号車〜4号車が自由席になる。
    1974(昭和49)年       成田新幹線の着工。後に工事中止。
    1975(昭和50)年3月10日 山陽新幹線が大阪から博多まで全線開業。
    
    1976(昭和51)年8月     こだまに禁煙車登場。16号車自由席1両のみ。
    1982(昭和57)年6月23日 大宮発着という暫定的な形で東北新幹線(盛岡〜大宮)開業
                       (210km/h運転)上野〜大宮間は「新幹線リレー号」で連絡した。
               11月15日 上越新幹線(新潟〜大宮)が開業(210km/h運転)。
    1983(昭和58)年2月     新幹線定期乗車券の販売開始。
    1985(昭和60)年3月     上越新幹線の始発駅が上野になる。
    1985(昭和60)年       東北新幹線で240km/hの運転開始。
    1985(昭和60)年3月27日 100系車両(一部2階建て16両編成)登場。
    1986(昭和61)年       山陽新幹線で220km/hの運転開始。
    1987(昭和62)年4月     国鉄分割民営化。JR各社発足。東北・上越新幹線はJR東日本、
                       東海道新幹線はJR東海、山陽新幹線はJR西日本の運営とされたが、
                       設備は第3種鉄道事業者の「新幹線保有機構」が保有する事とし、
                       各会社が第2種鉄道事業者として路線を借り受けて運営する形とした。
    1988(昭和63)年       上越新幹線で240km/hの運転開始。
    1989(平成元)年3月11日  山陽新幹線に「グランドひかり」新設。230km/h、2往復の運転開始。
    1990(平成2)年        上越新幹線で275km/hの運転開始(大清水トンネルの下り坂を利用)。
    1991(平成3)年6月     上越新幹線(新潟〜上野)が東京駅まで乗り入れとなる。
    1992(平成4)年7月1日   ミニ新幹線方式により、山形新幹線(新造400系)として
                       奥羽本線の福島駅〜山形駅区間が開業。

    1992(平成4)年3月14日  東海道新幹線の「のぞみ」号スタート、一番列車が初めて名古屋を通過。
                       300系車両が登場し、270km/hの運転開始。
    1993(平成5)年3月18日  山陽新幹線に「のぞみ」新設(270km/h運転、16往復)。
    1993(平成5)年8月     浜松で早朝保守中の事故。夕方まですべての東海道新幹線が止まる。
    1995(平成7)年1月17日  阪神淡路大震災のため寸断。ドクターイエローが線路復旧用資材の
                       輸送に使われる。
               4月8日   東海道、山陽新幹線が81日ぶりに復旧。
    1997(平成9)年3月     東海道、山陽新幹線に500系車両登場、東京〜博多間4時間49分に短縮。
    1997(平成9)年        秋田新幹線(新造E3系)として
                       田沢湖線・奥羽本線の盛岡駅〜秋田駅区間が開業。

    1997(平成9)年        長野新幹線(北陸新幹線が正式路線名)開業(260km/h運転)。
    1997(平成9)年        東北新幹線で275km/hの運転開始。
    1997(平成9)年3月22日  山陽新幹線に500系「のぞみ」新設。
                       300km/hで新大阪〜博多間1往復の運転開始。
    1999(平成11)年3月13日 東海道・山陽新幹線(東京〜博多間)に700系「のぞみ」車両登場。
                       山陽新幹線管内285km/h、3往復。
                6月27日 山陽新幹線福岡トンネル崩落事故。
                9月18日 0系車両が東海道新幹線から引退。
    
    「ひかり」の回数券を替え、初めて700系「のぞみ」を利用したときの特急券
    
(注)変更した場合は、自動改札ではエラーとなり通過できない
    1999(平成11)年12月4日 山形新幹線(E3系1000番台増備)の延伸として
                       奥羽本線の山形駅〜新庄駅区間が開業。
    2000(平成12)年3月11日 山陽新幹線で700系を基にした
                       「ひかりレールスター」がデビュー(285km/h運転、18往復)。
    2001(平成13)年       九州新幹線着工。
    2002(平成14)年       0系ドクターイエロー引退、700系ドクターイエロー運用開始。
                       JR東日本の新幹線(上越・東北・長野)は指定席の検札をやめる。
               12月11日 東北新幹線の盛岡駅〜八戸駅区間が開業。
    2003(平成15)年6月20日 東海道新幹線に初の女性運転士(山本美香)さんら4名就任。
                9月16日 東海道新幹線から100系引退。
                10月1日 東海道新幹線品川駅開業。
    2004(平成16)年3月13日 九州新幹線「つばめ」(800系)の
                       新八代駅〜鹿児島中央駅区間が開業
(260km/h運転)。
                6月30日 車内呼び出し電話「107」サービス終了。
    2005(平成17)年3月10日 次世代新幹線N700系の試運転開始。
    2007(平成19)年7月1日  東海道・山陽新幹線にN700系の営業運転開始。
    2007(平成19)年8月7日  新幹線電車「0系」が、日本機械学会から戦後初の
                       国産旅客機「YS11」などとともに機械遺産に登録された。
    2008(平成20)年11月31日 平成11年9月18日をもって、東海道新幹線から姿を消した0系が、
                       山陽新幹線の営業運転を終え完全引退。
    2009(平成21)年12月15日 JR東日本は東北新幹線の新型車両「E5系」の試験走行を実施し、
                       走行中の車内を初めて報道陣に公開するとともに、
                       一ノ関駅(岩手県)付近などで最高速度の320キロを計測した。
    2010(平成22)年6月15日 2011年3月にも全線開通する九州新幹線・鹿児島ルートと山陽新幹線
                       とを直通運転する新型車両「さくら」の試運転を姫路〜博多間で行った。
    2010(平成22)年12月4日 東北新幹線が八戸駅から新青森まで延伸して全線開業した。
    2011(平成23)年3月12日 2004年3月に部分開通していた九州新幹線・鹿児島中央〜新八代に
                       加えて、12日朝、新たに新八代〜博多間が開通し、
                       鹿児島ルートが全線開通し、山陽新幹線への乗り入れも始めた。
    
    のぞみ、165キロ速度超過、徐行規制、誤り解除
     博多発名古屋行きのぞみ54号(16両編成)が2007年6月29日、
     徐行規制が誤って解除され、山陽新幹線新山口−徳山間で規制速度の時速120キロを
     約165キロ超過する約285キロで走行していたことが7月9日、分かった。
     国土交通省中国運輸局は「担当者を呼んで事情を聴き、今後の対応を決めたい」としている。
      JR西日本によると、6月29日は1時間当たり40ミリ以上の降雨があり、雨後に巡回点検するため
     午後7時半すぎから新山口−新岩国間で120キロ以下の徐行規制がかけられた。
      午後8時ごろ、東京指令所は「徳山−新岩国間」の点検終了の報告を受けたが、
     規制解除の対象ではない「新山口−徳山間」と区間を誤って規制解除した。
     現場に保線区員二人がいたが、線路から約4メートル離れた保線用通路にいたため無事だった。
     さらに7月3日には広島県の芸備線で、大雨で30キロ以下の徐行規制をしていた
     神杉−塩町間の規制を誤って解除したという同様のミスが中国運輸局に報告された。
     JR西日本はいずれも「人為的なミス」としている。また2006年7月には北陸、山陽、湖西の各線で
     7件の誤った規制解除により計23本が速度超過で走行しており、口頭で指導を受けた。
    東北新幹線に世界最速の時速320キロ新型投入、東京−新青森3時間5分
     JR東日本は2007年11月6日、平成22年度末に予定している東北新幹線八戸−新青森間の
     開業に伴い、東京−新青森間を最速3時間10分で結ぶ計画を発表した。
     2024年度末からは、さらに3時間5分に短縮する。
     フランス国鉄のTGVと並び世界最速となる営業最高時速320キロの「新型はやて」を投入することで、
     現在の「E2系はやて」(同275キロ)と比べて約10〜15分短縮されるという。
     「新型はやて」は1日2〜3往復運転する予定。当初は最高時速を300キロに抑えて走行し、
     車輪やブレーキパッドの摩耗具合を確認したうえで、24年度末に時速320キロでの運転を開始する。
     同社は、秋田新幹線「こまち」も2024年度末から別の新型車両に切り替える予定で、
     2025年度末までにはすべての「はやて」「こまち」が高速化されるという。
     現在、東京から青森までは、八戸駅での新幹線から特急への乗り換え時間を含めて
     最短でも3時間59分かかる。
    新大阪〜鹿児島中央4時間10分、「さくら」停車駅決定
     JR西日本は2010年12月17日、来年3月12日からの山陽・九州新幹線の直通運転に伴い、
    新大阪〜鹿児島中央間を結ぶ「さくら」の停車駅や所要時間を発表した。
     JR西日本によると、さくらは昼間の時間帯に1日11往復する。
    すべてのさくらが、新神戸、岡山、福山、広島、小倉、博多、熊本、川内に停車。時間帯によっては、
    姫路、徳山、新山口、新下関のうち1、2駅に止まる。九州内でも新鳥栖と久留米のどちらか一方に停車。
    新大牟田や新八代といった残りの駅にも時間帯によって停車する。
    新大阪から鹿児島中央までの所要時間は最短で4時間10分、熊本までは同3時間20分となる。
    これに伴って、ひかりレールスター(新大阪―博多間)が1日20往復から10往復に減る。
    
    参 : 整備新幹線フリーゲージトレイン記念入場券F35機械遺産(HP)、
        交通科学博物館(HP)、JR東海(HP)、[YouTube](東北新幹線、福島駅)、
        [YouTube](東北新幹線PV)、[YouTube](新幹線社内チャイム集)、
        [YouTube](新幹線700系のぞみ入線&車窓)
     新幹線に関することが、2004年10月4日の朝日新聞「天声人語」に載っていたので紹介しましょう。
    最近では、日本の人口を超える客を年ごとに運びながら、東海道新幹線が2004年10月、
    開業40周年を迎えた。地球から太陽までを5往復したことになるという。1列車あたりの平均の遅れは、
    10秒にまで短縮された。正確さを追求してきた人たちの努力のたまものだろう。
    そして何よりも、この間、衝突のような事故が全く無かったことに安堵
(あんど)させられる。
    新幹線の駅のホームで、のぞみが通過するのを見る時、その爆走ぶりを実感する。
    走るというよりも飛んでゆく感じがある。「後ろからムチで打たれて追いかけられているようだ」と述べた
    中国の要人がいたが、本当の速さは、乗っていては分からない。40年で速度は上がり、本数は増えた。
    現代には欠かせないものになったからこそ、「過速」や過密には、
    これまで以上に考慮が要る。周辺住民の被害も忘れてはなるまい。
    世界一の速度を競うより、世界一の安全を追い続けることである。近年はビジネス客が増え、
    車窓を気にする人が減ったという。「新幹線の車窓も、まんざら捨てたものではない」と、
    国鉄全線の乗車を果たした宮脇俊三さんは書いた。現代人が、500キロ離れた関東と関西を忙しく
    往復されられるのは、徳川家康が江戸に幕府を開いて日本を二極に分解したからではないかという。
    「家康の体臭が満ちている」沿線は、織田信長などのゆかりの地も連なる「史跡の宝庫である」
    (『宮脇俊三鉄道紀行全集』角川書店)。二極分解から約400年。
    その変遷にも思いをはせれば、車窓は捨てがたいものになりそうだ。
    と、新幹線の速度と安全を述べられているが、それから半年ばかりで在来線ではあるが
    107人もの犠牲者がでたJR福知山線の脱線事故が起きてしまった。

    0系 : 1964年登場。最高速度220km/h。1986年までの22年間、
    約3000両以上が製造された。鼻の長さ4.7m、先頭車両の長さ25.15m。
    
    新幹線電車「0系」(西日本旅客鉄道株式会社資料より)
    日本の戦後復興、高度成長期を象徴した夢の超特急初代新幹線「0系」が、2008年11月30日、
    44年間の営業運転を終えて完全引退した。JR西日本は0系を「ひかり」として復活させる
    「さよなら運転」を営業運転終了後の12月6、13、14日に催す。「各駅停車の『こだま』ではなく『ひかり』
    として最後を飾らせたい」と同社。問い合わせは福岡支社=092(474)1677。
    飛び出す丸鼻、0系の碑「新幹線発祥の地」JR鴨宮駅(asahi.comより)
     初代新幹線0系をあしらった「新幹線発祥の地」の記念碑が2009年4月19日、
     神奈川県小田原市のJR鴨宮駅前で除幕された。     
 高さ3mで、丸鼻がトンネルから飛び出すデザインである。
 東海道新幹線の開業前、鴨宮を基地に約32キロの
 モデル線区で試験運転が繰り返された。
 地元自治会役員らが「地域のシンボルに」と
 2年半かけて募金し、建立した。
 開業した1964年10月1日、新大阪発上り第1便を運転した
 関亀夫さん(75)は「立派な碑ができてよかった」と
 感慨深げだった。
 写真は完成した0系が飛び出す新幹線発祥の地記念碑。
 右側が上り一番運転士の関亀夫さん
 (小田原市の東海道線鴨宮駅南口)





    100系 : 1985年登場。最高速度220km/h。1992年までにおよそ1000両が製造され、
    2003年に東海道新幹線から退き、現在は約100両が山陽新幹線で
    「こだま」(4両・6両)として活躍するのみとなっている。
    
    100系
    
    JR西日本の100系。広島県三原駅(2007年6月24日、山下香撮影)MSN産経ニュースより
    
参 : [YouTube](100系こだま、徳山駅入線から発車まで)
    200系 : 1982年雪に強い新幹線として登場。東北新幹線大宮〜盛岡間と
    上越新幹線大宮〜新潟間が開業。国鉄時代に誕生した形式のひとつで、
    当時は東海道・山陽に奇数(0、100、300、500、700〜)、
    東北・上越に偶数(200、400・・・)の形式をつける考えがあった。
    
    200系
    300系
 : 1992年登場。最高速度270km/h。東京と大阪を結ぶ交通機関として、
    航空機とのシェア争いに対抗した300系「のぞみ」は、登場当時、名古屋駅に停車しない速達ダイヤの
    設定もあった。現在300系は「ひかり」「こだま」を中心として活躍しているが、一部廃車も出てきている。
    
    300系
    
    山陽新幹線の相生〜岡山間を走る300系車両(2010年8月2日、恵守乾撮影)MSN産経ニュースより

    
新幹線初代のぞみ(300系)、3月16日にさよなら運行、100系も
     JR西日本は2012年1月18日、引退が決まっている新幹線100系と300系車両について、
    3月16日に山陽新幹線での最終運行をすると発表した。
     同社によると、100系は岡山駅を午前11時43分に出発し、博多駅に午後2時29分に到着。
    300系は午前10時52分に新大阪駅を出発し、午後1時28分に博多駅に到着する。
    二つの列車は岡山駅の下りホームで約1分間並ぶ予定だ。
     全席指定で2月16日の午前10時からみどりの窓口などで切符の販売を始める。
    車内で記念乗車証を配布するほか、停車する駅でセレモニーをする予定。
     3月16日には東海道区間でもJR東海が300系の最終運転を実施する。
    400系 : 新幹線と同じ標準軌に改軌した在来線の奥羽本線を直通運転する、
    山形新幹線「つばさ」用として開発・製造され、1992(平成4)年7月1日から山形〜東京間で
    営業運転を開始した。最高速度240km/h。JR奥羽本線の線路幅を新幹線の線路幅に広げることで、
    世界でも例のない新幹線・在来線直通運転を可能にした。
    一方、車体のサイズは在来線のトンネルを通過することなどから、東北新幹線などの
    フル規格新幹線よりも一回り小さく設計。シルバーメタリックの車体カラーも注目を集めた。
    福島駅からは東北新幹線に連結して運行し、乗り換えなしで山形〜東京間を行き来できるようになった。
    山形新幹線で得られたノウハウは、1997年に開業した同様のミニ新幹線・秋田新幹線や、
    最新鋭のフル規格新幹線の開発に生かされた。1999年には山形から新庄に延伸された。
    車両は増結車の429形を除いて第三セクターの「山形ジェイアール直行特急保有株式会社」が
    所有(車籍はJR東日本)しており、JR東日本が借り受けて運行を行っている。
    編成記号は「L」(試作編成は登場時はS4編成)。
    当初は全車電動車の6両編成であったが、「つばさ」の利用者が増加したため、
    1994(平成6年)より中間車両(付随車)を1両増結して7両編成となった。
    山形新幹線は2010年2月現在、15編成(E3系14編成、400系1編成)で運行している。
    
    400系
    
    400系(東日本提供のもの)
    400系山形新幹線が引退
     山形新幹線つばさの初代車両400系が2010年4月18日に退役する。
     在来線に新幹線が乗り入れる日本初のミニ新幹線の「先駆者」である。
     1992(平成4)年の開業から18年がたち、新型車両への更新が進められており、主力は既に
     E3系に代わった。12編成が製造された400系は2010年2月現在、1編成(7両)が残るのみ。
     最盛期の1996年度年度には年間約328万人が利用した。
     4月18日の新庄発東京行き「つばさ18号」が営業運転の最終列車で、
     全車指定席とし、「記念乗車証明書」を配る。
     引退後の“身の振り方”はまだ決まっていないが、鉄道ファンなどからは保存を求める声が
     寄せられている。これまでに退役した400系11編成は保存されることなく解体された。
     JR東日本などによると、現段階で最後の1編成を保存する具体案はないが、
     初代車両は技術的、鉄道史的に価値が高く、
     鉄道ファンや利用者からは鉄道博物館(さいたま市)での保存などを求める声もあるという。
    500系
(500けい) : 正式名は「新幹線500系電車」。JR西日本が山陽新幹線向けに
    開発した車両で、1996年から1997年にかけて、16両編成が9本、合計144両が生産された。
    1997(平成9)年3月に登場し、「のぞみ」として新大阪〜博多間で営業運転を開始した。
    日本初の最高速度300km/hを実現し、新大阪〜小倉間を最速1時間59分で運行した。
    新大阪〜博多間は最短2時間17分で結んだ。開業当時(1972年)の
    山陽新幹線(最高時速210km)は3時間44分かかっていたので、それに比べて約1時間半の短縮。
    1987年のJR発足直後に比べても40分以上の短縮だった
    11月には東京まで乗り入れ、東京〜博多間を最速4時間49分で運行した。
    運転開始時の表定速度242.5km/hと
    2停車駅間の平均速度261.8km/hが世界一としてギネスブックに掲載された。
    円筒状の車両断面形状が特徴で、高速化に伴う騒音対策として、
    ジェット戦闘機のような約15mにも及ぶ先頭部分のロングノーズ、
    翼型パンタグラフやセミアクティブサスペンションなど、様々な新技術を採用している。
    鼻の長さ15m、先頭車両の長さ27m。
    2010(平成22)年2月28日、のぞみ号としての定期運転を終えるが、完全に消えてしまうわけではない。
    JR西日本では16両編成を8両に短編成化したうえで、2008(平成20)年末より0系新幹線の
    代わりとして、山陽新幹線の「こだま」として活躍している。500系「こだま」の6号車指定席は
    グリーン車を改造したもので、オーディオ設備やフットレストなどは撤去されているものの、
    従来の3列シートを廃止し2+2列シートに変更されて余裕があり、“プチ・グリーン車気分”が味わえる。
    翼型パンタグラフなど特徴的な装備のいくつかは廃止され、
    最高時速も285kmと遅くなってしまっているが、500系車両に乗ることはまだまだできる。
    
    500系
    
    岡山駅にて(2009.5.16撮影)
    
    岡山駅にて(2009.5.16撮影)

    
    騒音になる風切り音を低減するために採用された、
    フクロウの羽の形状を参考にしたという「翼型パンタグラフ」。

    参 : [YouTube](500系、JR徳山駅にて)
    700系
 : 1992年登場。最高速度285km/h。
    カモノハシをイメージする先頭形状はエアロストリーム形と呼ばれる。
    
    700系
    
    岡山駅にて(2009.5.16撮影)
    
    700系7000番台。山陽新幹線の「ひかりレールスター」用として2000年登場。8両編成の4列シート、
    オフィスシート、サイレンス・カー、コンパートメントといった、おもに客室設備をグレードアップさせた。
    それにあわせて0系12両編成「ウエストひかり」が姿を消していった。

    
    700系
    
    700系
    
    名古屋駅前の「スカイプロムナード」展望室よりの700系(ひかり475号)
    上方は近鉄の特急電車(大阪のK.Kさん提供)

    800系 : 新幹線800系電車(しんかんせん800けいでんしゃ)
    九州旅客鉄道(JR九州)の新幹線車両で、九州新幹線の初代車両として2004(平成16)年に登場した。
    JR西日本所有の「ひかりレールスター」用車両の700系E編成を基本に開発・製造されているため、
    モータ制御等の制御装置についてはほぼ700系と共通である。
    ただし35パーミルの急勾配に対応するため、全車両電動車(M)とされている。
    その結果主電動機の定格出力は700系と変わらないものの、
    起動加速度は2.5km/h/sに強化されている。最高速度については、500系や700系より
    若干遅い260km/hで運行されるが、営業運転における設計最高速度は285km/hとなっている。
    九州内の運用ということで、6両編成であり、2004年3月に開業したのは、
    鹿児島中央(西鹿児島から改称)〜新八代間であり、引き続き博多までの開業を目指している。
    鹿児島中央〜新八代は、約35分で結び、新八代駅では、在来線787系特急「リレーつばめ」に
    同一ホームで接続することで、博多〜鹿児島中央を2時間10分台で結ぶことになった。
    これによって、当該区間は約1時間40分の大幅な短縮となっている。
    
    JR九州の九州新幹線用車両800系(700系がベース)
    
    鹿児島中央駅にて

    
    新大阪駅に停車中のN700系の山陽・九州新幹線「さくら」(大阪のK.Kさん提供)
    深夜の住宅街に九州新幹線…「新800系」を陸路搬送
     九州新幹線「つばめ」として2011年の夏から導入される新型車両「新800系」が
    2009年6月24日未明、鹿児島県薩摩川内市の川内港から車両基地まで搬送された。
     トレーラーに1両ずつ載せて同港を出発。国道3号や住宅地の細い道路をゆっくりと通過し、
    約20キロ離れた同市の車両基地に約3時間かけてたどり着いた。
     搬送は公表されていなかったが、無線の音などで目を覚ました住民が、
    幅数メートルの道路を慎重に通り抜ける様子を携帯電話のカメラで撮影していた。
    
    トレーラーで搬送される九州新幹線の新型車両「新800系」
    E1系 : 上越新幹線に1994年登場。最高速度240km/h。
    
    E1系
    E2系 : 東北新幹線・長野新幹線に1997年登場。最高速度275km/h。
    
    E2系
    E3系 : 秋田新幹線に1997年登場。最高速度275km/h。
    E3系つばさは、JR東日本の新幹線では初めてグリーン車の全席と普通車の一部の座席に
    パソコンなどに使える電源コンセントをつけ、出入り口付近には防犯カメラを設置。
    サイズの大きな電動車いすでも利用できる多目的トイレも設けた。
    400系は第3セクター「山形ジェイアール直行特急保有」からリースを受け運転していたが、
    E3系はすべてJR東日本が所有する。
    
    E3系
    
    山形新幹線の新型車両のベースとなるE3系1000番台。
    
    E3系2000番台。2008年12月登場予定。最高速度275km/h。新造両数は7両編成12本の84両。
    E3系2000番台の登場は、山形新幹線用の車両をE3系で統一することで
    「はやて」「こまち」との品質・サービスをそろえる目的もある。

    
    コスモスと秋田新幹線(壁紙村より)
    E4系 : 東北新幹線・上越新幹線に1997年登場。最高速度240km/h。
    
    E4系
    
参 : [YouTube](E4系+E3系『やまびこ・つばさ102号』を接続し福島駅を出発〜)
    E5系 : E5系量産先行車に搭載された新技術は
    「環境性能」「走行性能と信頼性」「快適性」の3つがテーマという。
    「環境性能」面では、先頭車を独特のロングノーズ(鼻の長さ15m、先頭車両の長さ26.5m)に
    デザインし、トンネル微気圧波を低減させた。
    また、台車はカバーで覆われており、車両同士の連結面は全周ホロを採用した。
    パンタグラフも小型化し低騒音タイプとした。これにより、列車全体の空気抵抗を減らしつつ、
    風切り音の低減を図っているという。
    「走行性能と信頼性」については、パンタグラフの集電装置、主回路装置、
    ブレーキ装置について新技術を投入したとのこと。全車両に新型のフルアクティブサスペンションを採用し、
    車体傾斜装置によって曲線通過時の乗り心地を向上させているとのこと。
    「快適性」については、客室の設備を充実させている。グリーン車座席には電動レッグレスト、
    可動式枕、座席内蔵タイプの読書灯を装備。コンセントは各座席の下にひとつずつ用意されている。
    普通車座席も可動式枕と読書灯を装備した。コンセントは窓側座席の壁と車端部に用意されている。
    普通車のシートピッチはE2系と比べて60mmも拡大。座席幅もE2系より10〜25mm拡大したという。
    テーブルは大型化され、A4サイズのノートPCが乗るサイズとなった。
    内装色はグリーン車、普通車とも暖色系で落ち着いたナチュラルカラーを採用したとのこと。
    1号車と5号車には大型トイレスペースを設置した。改良型ハンドル形電動車椅子も乗り入れ可能で、
    5号車にはオストメイト対応設備も用意したという。また、1、3、5号車には
    女性専用トイレと洗面所を設置している。デッキ部には防犯カメラと対話式の非常通報装置も設置され、
    安全面にも細心の注意が払われているという。
    
    E5系。東北新幹線に2010年12月登場予定。最高速度320km/h。
    ロングノーズはトンネル通過時の気圧・騒音低減対策

    東北新幹線:延伸新車両、ロングな鼻でお披露目
     JR東日本は2009年6月17日、宮城県利府町の新幹線総合車両センターで、
     東北新幹線新青森延伸に伴い2011年春から運転予定の量産先行車両E5系を報道陣に公開した。
     2012年度末には国内最速の320キロで走行し、東京−新青森間を約3時間5分で結ぶという。
      E5系は「ロングノーズタイプ」と呼ばれる約15メートルの長い先頭部(鼻)が特徴。
     カモノハシのくちばしのように、愛嬌(あいきょう)のある“顔”をしており、
     トンネルに入る際の騒音が減少する効果があるという。車体のカラーは上部を常緑樹をイメージした緑、
     下部を白雲から白とし、中央にツツジをイメージしたピンクの帯が入っている。
    
    「E5系」量産先行車
    
    E5系運転席。メーター類はディスプレイで表示する「グラスコクピット」スタイル
    最速320キロ! 東北新幹線新型車両「E5系」の車内を公開
     JR東日本は2009年12月15日、国内最速の320キロでの運転が予定されている
    東北新幹線の新型車両「E5系」の試験走行を実施し、走行中の車内を初めて報道陣に公開した。
     午後0時55分ごろ、仙台駅を出発した新型車両は、一ノ関駅(岩手県)付近などで
    最高速度の320キロを計測した。現行より前後の間隔が6センチ長い普通車の座席は、
    上下に調整できる枕付きで、ゆったりとした印象。横揺れを防止する電子制御の
    新型サスペンションにより、最高速度時も快適な乗り心地だった。八戸駅(青森県)では、
    居合わせた一般客が極端に長い車両の先端部を珍しそうにカメラで撮影していた。
     JR東日本によると、E5系は2010年12月の東北新幹線八戸−新青森間の開業に伴い、
    2010年度末から順次導入する方針。東京−新青森間を最速3時間5分で結ぶ。
    
    JR東京駅に初お目見えした東北新幹線の新型車両E5系
    N700系(エヌ700けい) : 正式名は「新幹線N700系電車(しんかんせんN700けいでんしゃ)」。
    東海道・山陽新幹線の第5世代の車両で、環境性能とスピード、快適性のすべてを追求した
    「最新・最速・最良」の車両である。300系や500系を置き換える次期主力車種として、
    2007(平成19)年7月1日のダイヤ改正から営業運転を開始した。2007年10月1日には
    財団法人日本産業デザイン振興会の2007年度グッドデザイン賞金賞(商品デザイン部門)、
    2008年には鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞した。
     700系の後継車両で、東海道新幹線では270km/h、山陽新幹線では300km/hで走行可能。
    また、乗り心地向上も兼ねて空気バネを活用した車体傾斜システムを搭載し、新ATCや制御伝送と併せ、
    東海道新幹線での曲線区間でスピードアップ。さらに加速性能もアップすることに成功し、
    最高速度に到達する時間を短縮している(平坦線では、700系に比べて4割減の約180秒である)。
     先頭形状は700系からさらに進化し、「エアロ・ダブルウィング」と呼ばれる形状とし、
    車両間に全周ホロを採用することで騒音軽減も向上した。さらに、車両の各種部品の軽量化もあり、
    700系に比べて電力消費を19%減とした。初代「0系」と比較すると、
    最高速度が50km/h向上しているにもかかわらず、32%の電力消費量削減を実現している。
    鼻の長さ10.7m、先頭車両の長さ27.35m。
     乗降口には運転台と車掌室から監視できる防犯カメラを装備。従来の車両には無い安全対策となる。
    そして、IT社会に対応すべく、グリーン車全席と普通車の窓側席すべてにコンセントを増設。
    テーブルはA4サイズのパソコン用にサイズが拡大され、パソコンが使いやすくなる。
     また、全車両禁煙を実施する一方で「喫煙ルーム」を新設しており愛煙家にも配慮がなされている。
    これは、デッキ部に数箇所設置される設備で、煙や臭いの削減を図るため、
    強制排煙装置や光触媒脱臭装置を設置。また煙や臭いの流出を防ぐため、
    出入り口にタッチ式自動ドアを導入し、さらに喫煙希望の場合は指定席件購入の際、
    喫煙ルーム付近の座席を販売してもらえる。徹底した分煙化が図られたのも、N700系の特徴である。
    最新型のこの車両は、JR東海が所有する25編成とJR西日本が所有する9編成を合わせて、
    2008年10月末時点で1日60本が運行している。車両編成はこれまでと同じ16両で、定員は1323人。
     また、2008(平成20)年には山陽新幹線(新大阪〜博多)・九州新幹線(博多〜鹿児島中央)
    相互直通運転用のN700系7000番台が登場。JR西日本とJR九州が保有し、
    2011(平成13)年春の九州新幹線全通時に営業運転を開始する予定。
    山陽新幹線区間では300km/h、九州新幹線区間では260km/hで運転される。
     なお東海道・山陽新幹線用N700系と異なり、輸送量にあわせた8両編成で、
    さらに九州新幹線区間の急勾配(35%)に対応するため全電動車化されているのが特徴。
    さらに塗装は陶磁器の青磁を思わせる白藍(しらあい)色をベースとし、
    濃藍(こいあい)色と漆器の蒔絵に使われる金色を組み合わせたラインを巻く。
    また、車内はグリーン席と指定席が2列+2列、自由席が2列+3列である。
    JR東海、西日本は2006年5月26日、2007年夏から2009年度にかけて
    東海道・山陽新幹線に、次世代車両「N700系」(16両編成)を両社で計54編成投入する計画を
    発表した。費用は計約2600億円(JR東海:約2000億円、JR西日本:約600億円)。
    N700系はカーブで車体を傾ける「車体傾斜装置」と最新型の列車自動制御装置(ATC)を備え、
    東海道区間のカーブを270キロで曲がれるのが最大の特徴。
    最高速度は300キロで、開発のベースとなった現在の700系との比較では、
    東京−新大阪間と新大阪−博多間を、それぞれ約5分間短縮できるという。
    2009年度には、東海道・山陽区間を直通運転する「のぞみ」はすべてN700系になる予定。
     N700系は車体幅が3.36mで、定員1323人を乗せて時速300キロで走行でき、
    フランスのTGV−POSは車体幅が2.904mで、定員357人を乗せて時速320キロ、
    ドイツのICE3は車体幅が2.95mで、定員413人を乗せて時速320キロで走行できるが、
    N700系に比べて運べる定員が3分の1程度と少なく、スピードは単純に比較できない。
    2011年春に東北新幹線でデビューする「E5系」の車体幅は3.35mで、
    731人の定員で320キロ運転を計画している。
    
    N700系。2007年登場。最高速度300km/h。航空機開発に用いる最新の空力シミュレーションを
    採用したエアロストリーム形の先頭形状が印象的。「N700系」の“顔”である「エアロ・ダブルウイング形」。
    正面から見ると、鳥が羽を広げているように見えることからこの名前が付けられた。

    
    500系の後継になるのが、JR東海とJR西日本が共同開発した「N700系」(写真右)。
    車両断面は四角形になり、車体傾斜システムやセミアクティブサスペンションなどを搭載し、
    居住性と高速性能を両立した車両だ。左隣はその土台となった700系。
    N700系は700系をベースに開発されたので、NにはNewとかNextの意味合いがあるという。

    
    2011年3月にも全線開通する九州新幹線・鹿児島ルートと山陽新幹線とを
    直通運転する新型車両「さくら」(N700系7000番台)。
    JR九州とJR西日本が共同で開発し、外観はN700系「のぞみ」とほぼ同じだが、
    内装は「和」をテーマに、座席のテーブルやひじ掛けに木材が使われている。

    
    九州新幹線「さくら」の指定席用座席。
    座席の生地は、日本の山並みを表す遠山模様の濃菜種(こいなたね)色。

新幹線特例法 : 正式名称は「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」
    (昭和39年法律第111号)で、昭和39年6月22日に公布され、同10月2日より施行された。
    ●運行保安設備の損壊等の罪(2条)…保安設備の機能を損なう行為など。
     自動列車制御設備や列車の運行の安全を確保するための設備を損壊し、
     その他これらの設備の機能をそこなう行為をした者は、5年以下の懲役または5万円以下の罰金。
     装置をみだりに操作した者は、1年以下の懲役又は5円以下の罰金。
     装置を損傷し設備の機能をそこなうおそれのある行為をした者は、5円以下の罰金。
    ●線路上に物件を置く等の罪(線路内への立ち入り行為も含む)(3条)
     1年以下の懲役又は5万円以下の罰金。
    ●列車に物件を投げる等の罪(4条)5万円以下の罰金に処せられる。
    
    「新幹線鉄道」とは、その主たる区間を列車が200キロメートル毎時以上の
    高速度で走行できる幹線鉄道をいう。(全国新幹線鉄道整備法の定義)
    
    2005年10月30日、岡山市中島の山陽新幹線下り線で、東京発広島行き「のぞみ49号」の運転士が
    ドアの開閉ランプの異常に気付き、緊急停車したところ、3号車左前方のドアが開き、
    若い男が線路に降りているのを車掌が見つけた。男は線路上を東へ約2キロ逃走したが、
    約50分後、岡山県警鉄道警察隊員が新幹線特例法違反(線路内への立ち入り)で現行犯逮捕した。
    調べでは、男は愛知県岩倉市の大学4年生(24)。のぞみ49号は当時、
    JR岡山駅の約3キロ東を時速220キロで走行中で、大学生はドア(高さ約2メートル)の上の
    緊急脱出用コックを動かしてドアを開け、停車後、車外に降りたらしい。大学生にけがはなかった。
    この影響で、のぞみ49号が1時間9分遅れたほか、後続の上下23本が最大1時間11分遅れ、
    約1万1000人に影響が出た。
    無銭乗車か降車駅を乗り過ごしたのか分からないが、馬鹿なことをしたもんだ。
    1年以下の懲役又は5万円以下の罰金のほかに、JRからの損害賠償請求もあるのだ。
    その上、あと数カ月で卒業できたのに、逮捕されたのではそれも危うい。
    新幹線の場合、2時間以上遅れると特急料金の払い戻しになるが、
    その分の賠償はないにしても、ダイヤのみだれに対する賠償はあるでしょう。
    (昭和50年3月10日から新幹線の遅延時の特急料金払い戻しの基準を、
    1時間以上から2時間以上に変更している)
    「新幹線遅れ承知特急券」は、新幹線が約2時間以上遅延している時、
    又は遅延する事が明らかな場合で、到着時刻に2時間以上遅延しても
    料金の払い戻しをしない条件として5割引にする特急券のことだが、現在もあるのだろうか。

新幹線の新駅(しんかんせんのしんえき) : 新幹線開通後の新駅建設は、
    地元の自治体が工事費の大部分を出せばできないことはない。
    民間企業のJRは本来、採算が厳しい地方に自らお金を出してまで駅を設ける必要はないが、
    自治体が経費を肩代わりすれば話は別で、JRに頼んで造ってもらう駅を「請願駅(せいがんえき)」と言う。
    旧国鉄が民営化でJRになった1987(昭和62)年以降、東海道、山陽で各3駅、
    東北、上越で各1駅の8駅が請願で生まれた。東海道新幹線は1964(昭和39)年の開業後に
    5駅が新設されて全17駅になったが、このうち1969年に開業した三島と、新富士、掛川、三河安城の
    4駅が請願駅である。JRが単独で設けた新駅は、2003(平成15)年開業の品川駅だけである。
    品川駅は1日6万人の乗り降りが期待でき、東京駅の混雑も減らせると考えて造られたが、
    他の新駅は地元の自治体がほとんどの工事費を捻出して造った請願駅なのである。
    選挙の争点となった米原〜京都駅間の仮称「南びわ湖駅」は滋賀県の栗東市(りっとうし)にあり、
    2006年5月に着工し、2012年度の完成をめざす計画で、工事費約240億円は滋賀県が半分、
    残りを栗東市と周辺6市が分担し、JR東海の負担はレール1本分ほどの約8億5千万円と
    いうものだったが、新駅は京都駅と24kmしか離れておらず、「のぞみ」は止まらないし、
    滋賀県には9千億円近い債務があることから、2006年の知事選で当選を果した嘉田由紀子知事は、
    「公約」として掲げた「計画の凍結・廃止」を望んでいるのである。
    山口県の厚狭駅(あさえき)の工事費は約88億円だったが、
    南びわ湖駅は地上区間を高架に切り替えるために約240億円もの経費がかさむのである。
    私は、いくら地元が金を出すといっても、1日平均の乗降者が1万人を割るような新駅は
    造るべきではないと思う。栗東駅から京都駅までは、在来線の快速・新快速を利用して
    27分・400円しかかからず、あえて、特急料金を追加してまで、新幹線を使う人はいないと思うし、
    現在のダイヤでは名古屋〜新大阪間が各駅停車の「ひかり」があるため、
    現利用者はますます遅れを生じ、新幹線の駅は地元の人たちだけのものではないのである。
    それでなくても、これからもより一層の「のぞみ主体ダイヤ」になることから、
    「ひかり」「こだま」の「のぞみ」通過のための待合時間が多くなることは間違いない。
    新駅はJRにすれば所詮「都合の良いダイヤを組むための退避施設」に過ぎないのである。
    大借金のある県や市が新駅を建設するのは「以ての外」で、
    ゼネコンと地元の土建業者そして、一部の県議・市議などが恩恵に預かるだけである。
    6万3000人ほどの栗東市で、地元の人は1日7500人が乗り降りし、
    その後も増えると想定しているが「甘い」考えで、新駅の建設コストは回収できないどころか、
    膨大な地方債という「借金だけが残る」状況になりかねない。

    東海道新幹線の品川駅開業によるメリット
     品川新駅の開業には理由がある。近い将来、東海道新幹線の増発キャパシティが
     頭打ちになってしまった場合に、その状況を打破するための突破口が品川新駅構想なのである。
     なぜ品川新駅が開業すると新幹線の増発キャパシティが増えるかというと、
     回送電車に線路をふさがれるケースが減るからだ。そもそも東海道新幹線はどこから入れるかというと、
     品川から入れるのである。朝、東京駅を出発する新幹線は、品川の先にある車両基地から
     どんどん入れていく。東京駅に到着してその日の運行が終わった新幹線も品川からどんどん出していく。
     そうすると、終点である東京駅と品川駅の間の区間だけは乗客を乗せて運行する新幹線以外に、
     回送列車もたくさん走らせることになる。新幹線の利用客の需要が増加して
     キャパシティが限界に近づいてくる頃になると東京駅を出発できる列車の本数が新幹線の
     運行本数の上限になることが分かる。回送電車の本数分だけ増発キャパシティが無駄になってしまう。
     ところが、品川にもう一つ新駅を開業させておけば、回送電車が東京駅から品川に向かっている
     空白の時間は、品川始発の新幹線を新大阪に向かわせることができる。
     したがって、品川に駅があれば、新幹線を増発できるのである。
     
      また、羽田空港へ向かう鉄道は浜松町駅から発車する東京モノレールと、
     品川駅から出発する京浜急行の大きく二つある。
     京浜急行の羽田空港駅は、元々第二ターミナルが出来ることを想定して、
     第一ターミナルと第二ターミナルのちょうど中央に位置するように設計されていたことから、
     日本航空に乗りたい人は従来どおり列車後方に、全日空に乗りたい人は
     列車の先頭側に乗ればそれぞれのターミナルに近いところで降車できるようになっている。
     モノレールは電鉄よりも速くは走れない“構造”であることから、
     羽田へのアクセスはモノレールよりも品川駅発着の京浜急行の方が早いのである。
新幹線のブレーキ : 現状のシステムは@とAの2つだが、JR東日本の次世代新幹線には
    Bの空気抵抗増加装置と呼ばれるブレーキの実用化に向けた試験運転が行われている。
    ブレーキの種類
    @ディスクブレーキ : 車輪と共に回転しているディスク(摩擦円盤)を
     ライニング(摩擦材)ではさみつけることによる摩擦がブレーキになる。
    A発電機の回転抵抗によるブレーキ : 車輪を回すモーターを、逆に回転する車輪から動力をもらう
     発電機として使うシステムで、発電した電気は熱に変えて逃がすか、架線に流して利用する。
    B空気抵抗増加装置によるブレーキ : 空気抵抗増加装置と呼ばれる「猫の耳」のようなものを付け、
     止まる際には車体に収納してある「耳」を立てて空気抵抗を大きくして止まるまでの距離を
     縮めるようにしている。トンネル内でも、耳を出すスペースの余裕はある。
     着陸時に、戦闘機やスペースシャトルが機体後部から広げるパラシュートと同じように、
     空気抵抗を増して止まるまでの距離を縮める。
     JR東日本は試験運転を2007年度いっぱい続けた上で、設計を固める。
整備新幹線(せいびしんかんせん) : 全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)に基づき、
    1973(昭和48)年に整備計画が決定された新幹線で、以下の合計5路線のことをいう。
    巨額の費用がかかるため、計画策定以来、政治経済情勢の変化に伴い、
    建設の凍結と解除を繰り返してきた。
     @北海道(新青森〜新札幌):2015年度末に新青森〜新函館間が開業予定。
     A東北(盛岡〜新青森):2002(平成14)年12月1日に盛岡〜八戸間が部分開業。
      2010年12月に八戸〜新青森間が開業予定。
     B北陸(東京〜長野〜金沢〜新大阪):1997(平成9)年10月1日に高崎〜長野間が部分開業。
      2014年度末に長野〜金沢間が開業予定。
     C九州鹿児島ルート(博多〜鹿児島):2004(平成16)年3月13日に新八代〜鹿児島中央間が
      部分開業。2010年度末に博多〜新八代間が開業予定。
     D九州長崎ルート(新鳥栖〜長崎):
    なお、東海道新幹線は国鉄が1950年代後半、輸送力が限界に近づきつつあった東海道本線を救済し、
    大幅な高速化と輸送力増強を目的に建設した高速鉄道路線で、全国新幹線鉄道整備法が
    施行される前に着手したため、山陽新幹線とともに整備計画は定められていない。
    上越新幹線(東京〜新潟)、東北新幹線(東京〜盛岡)は昭和46年に整備計画が定められ、
    昭和57年に既に開業している。
    また、山形新幹線や秋田新幹線は在来線の線路幅(1067mm)を新幹線と同じ線路幅(1435mm)に
    拡げ、東北新幹線との直通運転を行っているものであり、整備新幹線ではない。
    政府・与党は、北海道(新青森〜新札幌)、北陸(富山〜金沢)、九州長崎ルート(武雄温泉〜諫早)の
    3区間を2005年度に着工する方針を決めている。建設費は、北海道5000億円、北陸3900億円、
    九州2700億円で、財源には、将来JRから入る予定の新幹線譲渡収入約3300億円を担保とする
    借金や、国と地方の公共事業関係費を充てる。それでも約2000億円足りないが、建設費削減などで
    対応する。約300億円の金利負担が生じる見通しだが、コストの削減などで対応するとしている。
    ちなみに、新幹線の定義は「主たる区間で列車が時速200キロ以上で走行できる幹線鉄道」である。
    針路なき交通政策(借金の山)
     2009年度に建設中区間の総事業費は約4兆円で、
    建設財源はは原則、JRから入る線路貸付料分を除く必要額を国2、地方自治体1の割合で負担する。
     国と地元で負担し合う整備新幹線の財源ルールに沿って、
    青森県は盛岡〜新青森間の建設に計1800億円余りを投じた。
    2009年度末で残る借金は1539億円。県が抱える借金総額の12%にあたる。
    さらに新幹線を北海道・函館まで延ばす工事の県負担もあり、2009年度は39億円。
     新幹線と並行する区間在来線はJRから分離される。その負担も県にのしかかる。
     盛岡〜八戸間が開業した2002年、県は並行在来線の資産を24億円でJR東日本から買い取った。
    運行を担う第三セクター「青い森鉄道」から入る線路使用料で埋めるもくろみは外れた。
    利用者は予想以上に少なく、県が毎年2億〜3億円を出して三セクを支えている。
     空港とともに族議員などの圧力で、最初から不採算と分かっている新空港や新路線を
    造ってきたが、このことが地方自治体だけでなく、借金大国の国も国の借金を加速させているのである。

    
    整備新幹線に関する議論
    賛成派の意見:主に整備新幹線ができる沿線の住民や政治家、地方自治体が主張をしている。
    北海道新幹線を例に挙げると、@交流が増え、新たな需要を開拓できる。
    A雪に強く、運休や遅れがほとんどない。B北海道の経済を力強くリードする。などがある。
    Aは、すべてトンネルなどの地下なら別だが、東海道新幹線の岐阜羽島あたりでは冬季は雪害が多く、
    他の場所でも運休や遅れがあるのに、雪の多い北海道や青森で雪に強いとは思えない。
    Bは、東京から北海道へ行く人のほとんどは飛行機を利用していることと、
    在来線の特急が利用できるのに比べ、そんなに経済を力強くリードできるとは思えない。

    反対派の意見:主に大企業の経営者や財政問題の学者が主張している。
    @採算性に疑問があり、国の財政を悪化させる。
    A情報化社会になれば、人の移動は減るので新幹線は必要ない。
    国土交通省鉄道局のホームページ → http://www.mlit.go.jp/tetudo/
    
    私は与党と政府のなにがなんでも造ってしまおうとするやり方には反対する。バブル期の財源が
    有り余る時ならまだしも、主な財源は毎年JRから入ってくる新幹線の売却代金を担保に高い利子を
    払ってまで借金するというのである。国が持っていた東海道新幹線などを買い取らされたJRは、
    毎年720億円余もの代金を60年の分割で国に払って苦しんでいるのに、北海道と北陸の
    新幹線ができれば、かなりの儲けになるだろうから、JR東日本にも金を出せというのである。
    長い不景気のトンルネから抜け出すことができず、人口も減り続け、グリーン車や豪華列車は
    まばらの状態で、走れば走るほど赤字がかさむことになる新幹線を大借金してまで作る理由は
    何一つない。新幹線が開通すると多くの在来線が切り捨てられ、ネツトワークが寸断される
    ことにより貨物輸送まで影響がでるのである。自分たちの利権のみで、
    先のことを何も考えずに造り続けた道路・建設族は、旧国鉄時代から巨額の借金を作り、
    そのうちの24兆円が国の一般会計に移され、私たちの税金で返しているのである。
    線路はいつできるかも分からないのに、新幹線福井駅だけは先に造っておき、
    後戻りさせたないための悪知恵は誰が考えたのだろうか。
    日本は世界一の借金国だということをお忘れでは?
    どうしても新幹線を急ぐなら、その地域の公共事業は一切やめるべきである。

ドクターイエロー(Doctor Yellow)
    正式名称の「新幹線電気軌道総合試験車(しんかんせんでんききどうそうごうしけんしゃ)」または、
    新幹線電気軌道総合検測車(〜けんそくしゃ)の愛称。新幹線区間において、
    線路のゆがみ具合や架線の状態、信号電流の状況などを検測しながら走行し、
    新幹線の軌道・電気設備・信号設備を検査するための事業用保守車両である。
    ドクターイエローによる検測結果は、東海道・山陽新幹線においては新幹線情報管理システム(SMIS) 、
    東北・上越・長野新幹線においては新幹線総合システム(COSMOS)に送られ、それぞれ乗り心地の
    向上や安定した集電、信号トラブルの未然防止などを目的とした保線作業のデータとして使用される。
    現在、700系がベースの「T4」(JR東海)と「T5」(JR西日本)の2編成で運行されている。
    10日に1回のペースで東京〜博多間を最高時速270キロで走り、
    主要駅のみ止まる“のぞみダイヤ”と各駅停車の“こだまダイヤ”の2タイプがある。
    
    ドクターイエロー(JR新大阪駅)
    東北新幹線区間等で「ドクターイエロー」と同等の目的で走行をしている白ベースに赤の塗装の
    編成である、東日本旅客鉄道(JR東日本)E926形については「East i(イースト・アイ)」
    (正式名称は「電気軌道総合試験車(でんききどうそうごうしけんしゃ)」)と呼ばれている。
    
    イースト・アイ
    参 : [YouTube](JR徳山駅着発のドクターイエロー)
フリーゲージトレイン(gauge−changinng trains:GCT・英、free gauge train:FGT・和)
    軌間可変電車。軌間自由可変列車。レールの幅にあわせて自動的に車輪間隔を変える電車。
    JRの新幹線区間と在来線区間を直通運転することを目的に、
    鉄道総合技術研究所が1994(平成6)年に開発に着手し、1998年10月に試験車両を完成させた。
    新幹線の1435ミリメートルの標準軌区間と在来線の1067ミリメートルの狭軌区間を
    軌間変換軌道という特殊な軌道で結び、電車はこの上を通過するだけで車両の車輪幅を
    軌間(ゲージ)にあわせて自動的に変換する。装置を通過する際は速度を度を時速10キロまで落とす。
    フリーゲージトレインは、軌間の異なる路線間を直通運転できるため、
    乗り換えの手間がなくなるとともに、所要時間の短縮を図ることができる。
      四国運輸局(HP)より
    試験電車の最高速度は新幹線区間が時速300キロメートル、在来線区間が130キロメートル。
    1999(平成11)年1月に山陰線の米子〜安来間の狭軌で時速100キロメートルの走行試験を行い、
    同年4月からアメリカ・コロラド州プエブロ市にある実験線で標準軌での高速試験に入った。
    2003(平成15)年5〜6月には四国において、ロングレール区間における曲線通過試験を実施しており、
    引き続き在来線の急曲線走行に適応させるための車両改造や振り子機能を持った車両の開発が
    予定されている。実用化されれば、在来線しか通っていない地方都市への所要時間が
    大幅に短縮されるほか、整備新幹線への導入も見込まれる。
    2009年12月現在、JR九州や車両メーカーメーカーなどでつくる技術研究組合が開発中で、
    国は鉄道・運輸機構(旧鉄道公団)を通じて毎年10数億円を補助している。
    これまでに投じた国費は240億円にのぼる。
    長崎新幹線へのフリーゲージトレイン導入方針
     2004(平成16)年、自公政権下での政府・与党申し合わせで決まった。
     博多〜新鳥栖間は九州新幹線・鹿児島ルートの線路(標準軌1435ミリ)を使い、
     新鳥栖で車輪間の幅を在来線の幅(狭軌1067ミリ)へ走行しながらせばめて、武雄温泉まで走る。
     武雄温泉〜諫早間は狭軌だが路盤は新幹線と同じ「新幹線鉄道規格新線」を通り、
     諫早〜長崎間は在来線を走る計画である。
     フリーゲージだと、博多〜長崎間を現行の1時間45分から約26分短縮できる。
     そうでない場合は、短縮効果は約21分間となる。
     長崎新幹線では2018年をめどに開業当初からFGTが導入される見通しだが、
     急カーブの走行性能など、技術的な課題も多い。
      2010年度政府予算案では国土交通省の要望通り18億円が「満額」認められたが、
     2009年11月の事業仕分けの際に国交省の三日月大造政務官は、
     技術開発を続けるかどうか「2010年度に見極めたい」とも述べた。
並行在来線 = 並行在来線(別掲)
ミニ新幹線(みにしんかんせん) : より少ない費用で時間と距離の短縮効果を期待し、
    在来線のトンネルや鉄橋、踏切を在来線の規格のまま再利用し、線路間の幅(1067mm)だけを
    新幹線と同じ1435mmに約40cm拡大し、特別に設計された車両で編成された列車を
    新幹線との間に直通運転できるようにした区間がミニ新幹線と通称される。
    車両のサイズを在来線に合わせたことなどから「ミニ」と呼ばれる。新幹線直行特急ともいう。
    1992(平成4)年7月に開通した山形新幹線(福島―山形間)が最初のミニ新幹線であり、
    1997年3月に開通した秋田新幹線(盛岡―秋田間)がこれに続き、
    さらに山形新幹線の新庄(しんじょう)への延長工事が進められ、1999年12月に開通した。
    山形新幹線では特急「つばさ」が、秋田新幹線では特急「こまち」が運転され、
    ともに東北新幹線の特急「やまびこ」に併結されて東京に直通運転される(「つばさ」には
    東北新幹線の区間を単独運転するものもある)。
     勾配(こうばい)や曲線半径は在来線のままなので、通常の新幹線並みの高速運転は不可能であり、
    東北新幹線の最高時速は275キロだが、130キロに制限される。
    一方、ミニ新幹線に改築された区間は在来線とのレールの連絡は絶たれるため、
    在来線列車の直通運転はできなくなる。
    貨物列車の運転も不可能となるため、3線区間を設けたり、在来線の単線を並行させたりして、
    在来線列車の運転を維持する区間もある。また、ミニ新幹線はあくまで通称であって、
    全国新幹線鉄道整備法などに定める新幹線(整備新幹線)ではなく、法的には在来線である。
    
    山形新幹線400系が引退 こまちと同型に置き換え
     JR東日本は2007年7月3日、1992年に初のミニ新幹線として登場した
    山形新幹線「つばさ」の400系は、車両の老朽化などに伴い2008年12月から順次、
    秋田新幹線「こまち」と同型のE3系に置き換えると発表した。
    銀色で流線形の車体の400系は、2009年度中に姿を消す。
     新しいE3系つばさは、最高速度275キロ。
    JR東日本の新幹線では初めてグリーン車の全席と普通車の一部の座席に
    パソコンなどに使える電源コンセントをつけ、出入り口付近には防犯カメラを設置。
    サイズの大きな電動車いすでも利用できる多目的トイレも設ける。
     JR東日本は約230億円をかけて、12編成(84両)を製造する予定。
    400系は第3セクター「山形ジェイアール直行特急保有」からリースを受け運転していたが、
    E3系はすべてJR東日本が所有する。
リニア中央新幹線(リニアちゅうおうしんかんせん) : 「中央新幹線」。
    東京都を起点に、甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近を主な経過地として、
    終点の大阪市までを時速500kmで走行する超電導リニアモーターカーによって
    約1時間で結ぶ「中央新幹線」のこと。最大16両編成で約1千人が乗れる。
    乗務員はいるが、運行は司令室で管理して運転手はいない。
    全国新幹線鉄道整備法の基本計画路線に位置付けられ、1973(昭和48)年に基本計画が決まった。
    JR東海は2〜3年内に着工し、東京〜名古屋間の2025年開業を目指し、同年までに
    大阪への延伸に着工したい考えである。最高時速500kmで東京〜名古屋間を40〜50分で結ぶ。
     東京〜名古屋間の建設費約9兆円をすべて自己負担でまかなう方針を2007年12月に発表したが、
    土地収用などで法制面の支援を受けるには国交省から建設主体の指名を受ける必要がある。
     誘致側・マスコミ報道などでは「リニア中央新幹線」「リニア中央エクスプレス」
    「中央リニア新幹線」「中央リニアエクスプレス」とも呼ばれることもあるが、
    事業主体である東海旅客鉄道(JR東海)は東海道新幹線のバイパス路線としての意味合いを込めて
    「東海道新幹線バイパス」ないしは、単に「中央新幹線」と称している。
     JR東海は、南アルプスをトンネルで貫く直線ルートを想定しているが、
    長野県は、南アルプスを迂回するルートで県内に複数駅を要望している。
    実験線がある山梨県では4地域が駅誘致を進めていて、調整はこれからである。
    岐阜県では東濃地区への駅誘致でほぼ一本化している。
    神奈川県相模原市も駅誘致に名乗りをあげている。    
リニア中央新幹線計画の概要
  東京〜名古屋間 東京〜大阪間
開業予定 2027年 2045年
距   離 286km 438km
所要時間 約40分
(約95分)
約67分
(約145分)
予定料金
(指定席)
1万1480円
(1万780円)
1万5050円
(1万4050円)
建 設 費 5兆1000億円 8兆4400億円
JR東海の計画による。
建設費は中間駅建設費を除いた額。
( )内は東海道新幹線の「のぞみ」 
    JR東海は、国の補助金に頼らずに5兆円もの建設費に自腹を切れる体力があるのなら、
    東海道新幹線の運賃値下げを願いたいね。しかし、最低でも200億円かかると
    見込まれている駅の建設費を全額、地元負担とする方針というのだから、
    儲けもうまいが相手の弱みにつけ込むのもうまい。東京から名古屋までは
    トンネルが8割を占めるそうだが、運転士もいなくて大地震には大丈夫なのだろうか。

    
    「リニア、14〜15年に着工」JR東海社長
     JR東海の松本正之社長は2009年12月24日、2025年に首都圏〜名古屋市間の
    開業を目指すリニア中央新幹線について、2014〜15年に着工する考えを明らかにした。
     JR東海が着工時期に言及したのは初めて。
    今後、ルート選定や中間駅の設置場所などについて沿線自治体との調整を急ぐ構えだ。
     松本社長は同日、リニア中央新幹線の需要予測、
    建設費用などを盛り込んだ調査報告書を前原国土交通相に提出した。
    報告書では建設ルートを特定せず、実現可能な3ルートの建設費などの試算結果を列挙している。
    だが、松本社長は、建設費が安く、開業後の所要時間が最も短い「南アルプス直下を貫通する
    直線ルートしか取り得ない」と述べ、沿線自治体との交渉が難航する可能性もある。
    直線ルートの場合、東京都〜名古屋市間は、所要時間が最短40分、
    中間駅設置を含めた建設費は5兆4300億円。
     JR東海側による建設に向けた事前手続きは一区切りを迎え、国交省は今後、
    JR東海をリニアの営業・建設主体として指名するほか、整備計画などを決める手続きに入る。
    JR東海、リニア新型車両を開発<最長12両編成で試運転>(MSN産経ニュースより)
     東海旅客鉄道(JR東海)は2010年10月26日、平成39年の開業を目指すリニア中央新幹線で
    使用する新型車両を開発したと発表した。新型車両は、先頭車両に長さ15メートルの「ノーズ」と
    呼ばれる構造があるのが特徴。これによって、高速走行でも空気抵抗を大きく減らすことができるという。
    JR東海では、居住性を向上させた中間車両も開発している。
     山梨リニア実験線の延伸工事が終わるのを待って25年度中にも最長12両編成で試運転を行いたい
    考えだ。この日の記者会見で山田佳臣社長は「信頼性については証明できていると思う。
    今後は保守性や環境負荷低減を含めて検証していきたい」などと意気込みを語った。
     国土交通省の交通政策審議会小委員会は10月20日、リニア中央新幹線の
    ルートについて東京〜名古屋を直線で結ぶ「南アルプスルート」で事実上、決着している。
    JR東海リニア車両を年明けに発注、13年度完成目指す(Yahoo!毎日新聞ニュースより)
     JR東海は2010年12月7日、2027年に東京〜名古屋間で開業するリニア中央新幹線で
    使用する新型車両「L0(エル・ゼロ)系」の生産に向けて、
    鉄道車両メーカーへの車両発注を年明けにも行うことを明らかにした。
    メーカー側は今年度中に新型車両の製造に着手、試験走行のために13年度中の完成を目指す。
     JR東海は、2010年10月、車体断面が箱型で車内のスペースを広くした新型車両の概要を発表した。
    現在細部の仕様を詰める作業を行っており、
    「発注に向けた最終的な準備に入っている」(幹部)としている。
     同社の子会社の日本車両製造と三菱重工業、日立製作所、川崎重工業の4社が
    リニア車両製造を手掛けており、同社は実績のあるメーカーの複数社に発注する方針だ。
     JR東海は先頭車両2両、中間車両3両を13年度中に完成させ、山梨県内のリニア実験線の
    延伸工事完了に合わせて走行試験を開始する計画だ。さらに15年度までに9両を追加生産し合計14両
    の車両で走行試験を実施する。5〜12両編成で、時速500キロの営業運転に向けた走行をする。
























































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