下着関連(YSミニ辞典)

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下着(an undergarment、undershirt、underwear、underclothes、lingerie:婦人用)したぎ
    @アンダー・ウエア。肌着(はだぎ)やインナーとも呼び、服(アウター)などの上着の内側に
     肌に密着するように着る衣類のこと。着用する事により、その上の服を身体からの汚れから守り、
     体の保温、快適さ、加えて衛生を維持する。現在は吸汗性と通気性に優れた素材の追求がされている。
     ベストな下着とは、まったく着けていることを感じさせない下着のことといわれる。
     水着のように、下着の上に他の衣服を着ない下着は肌の上に直接着ていたとしても下着とは言わない。
     また、ソックスは下着だが、足袋(たび)は下着とは言わない。 参 : 着物    
下着の種類
分類 男女別 種類 概要
ショーツ
(Shorts)
基本的に
見せては
いけない
部分を隠す
ために身に
着けるもの
パンツ
男性用
トランクス  → トランクス
ブリーフ  → ブリーフ
ボクサーブリーフ  → ボクサーブリーフ
フルバック お尻を包み込んで、吸いつくようなはき心地を得られる。
男性のセクシーさを強調するようなデザインもある。
ビキニブリーフ 股上が浅く、尻側の部分がTバックより広いもの。
Tバック バックがアルファベットの「T」の形をしている。
レザーパンツや薄手のパンツスタイルに向いている。
パンティ
女性用
Tバック サイドからバックにかけての布部分が少なく、
バックがアルファベットの「T」の字になっている。
ヒップラインの出るパンツに最適である。
フルバック 最も一般的な形で、
お腹とお尻全体を包み込んだ安定感のあるタイプ。
ヒップハンガー
(ローライズショーツ)
フルバックの上を浅くしたタイプ。
股上の浅いパンツやジーンズをはくときに向いている。
バックレース お尻の裾部分にレースがついているタイプ。
ラインがアウターにひびかない。
スキャンティー
(scanty)
股上が極端に浅く、サイドが狭い帯状のパンティで、
ショーツよりさらに布地の面積の小さい下着のこと。
ゴムが袋通しになっていて脱ぐと
小さく丸まる構造になっている。
シームレス 立体編みにより、サイドに縫い目のないもの。
サニタリー 生理用のショーツ。後ろまで防水布が貼られた
ナイト用や、ぴったりボトム用もある。
一般下着 女性用 ホットパンツ ショーツの上にはき、冷えから守るガードルで、
ソフトな素材でお腹を締めつけない。
スカートスタイルが多い人に愛用されている
ブルマー 運動を行う際などに下半身に着用する穿きものの一種
ガードル 垂れ下がったお尻や下腹部の張り、ヒップなどの
気になる部分を引き締める効果のある補正下着で、
骨盤矯正をするガードルも販売されている
ウエストニッパー ウエスト部分を補整して、キュッとしたくびれを作る。
ハードな補正力を持つタイプや
ソフトな締めつけタイプがある
ガーターベルト ストッキングをつすための伸縮自在のベルト。
ストッキングをとめる留め金付き
ベビードール スリップより丈が短く、バストから裾にかけて
フレアになっている
ナイトウェア 薄手でやわらかい生地を使った寝巻。
フリルやレースをあしらったネグリジェもある
インナー 上半身を覆い、吸湿性、吸水性にもすぐれた
インナーシャツ。五分袖、七分袖など袖の長さも選べる。
保温性が高く、寒い冬や冷え性の方におすすめ
パンティストッキング 足全体を引き締め、美脚効果が期待できる。
ガードル機能付き、柄や網タイプなど種類も増えてきた
ガーターストッキング ガーターベルトやガーターを使用する長い靴下




ブラジャー(brassiere)は女性が胸部に着用する下着で、胸ポチを防ぎ、
乳房を支えることが基本目的である。また補正下着としても使用される
フルカップ バスト全体をしっかり包み、サイドからもサポートする
スタンダードタイプ。安定感のあるカップで、
すっきりバストに仕上がる
3/4カップ バストをサイドから寄せて上げるタイプ。
ワイヤー入りやパッド付きによりボリュームアップでき、
谷間を強調したいときに最適。
1/2カップ バストを下から持ち上げて上にボリュームを出すタイプ。
肩ひもを外してストラップレスにできるものもある
シームレス カップ表面に縫い目のないタイプ。アウターにラインが
出ないので、薄手のTシャツやセーターなどに便利
ビスチェ ストラップがなく、脇のラインをすっきりさせる。
バストからウエストまである丈の長いものもある。
見せるタイプの下着である。
ホルダーネック ストラップを首にかけるタイプ。背中が大きく開いた洋服を
着るときに最適で、透明ストラップ付きのものもある
ノンワイヤー ワイヤーがなく、バストを大きく包み込むタイプ。
圧迫感がく、ワイヤー入りが苦手な人におすすめ
ストラップレス ストラップのないタイプ。取り外し可能なものもある。
肩や胸元が大きく開いたアウターを着るときにおすすめ



キャミソールより長めの、ワンピースタイプのランジェリーの一種で、
肩から吊るして胸部から腰ないし膝下までをカバーする。
主に、衣類のすべりを良くし、外衣で皮膚がすれたり、外衣が汗で
汚れたりするのを防ぐ。スリップにブラジャーのついたものもある
吊り型スリップ 細い肩紐(ストラップ:strap)で吊るす標準的なもの。
ラウンド
スリップ
肩紐にあたる部分は、胸部の身ごろを上に伸ばして
タンクトップのようにしたもの。
ブラスリップ 胸部にカップを成型してブラジャー機能をもつもの
ミニスリップ 腰丈程度の短めのスリップ
切り替え
スリップ
半身を綿素材、スカート部分にナイロン系の素材を採用
した機能的なスリップ。ラン型、3部袖、8部袖などがある
ジュニア
スリップ
小中学生用のスリップ。切り替えスリップと同じタイプで、
主な特徴として成長期に合わせやすいように
伸縮自在なつくりになっている
キャミソール
(Camisole)
細い肩紐で吊るし肩を露出する形状の袖なしの女性用の
上半身用下着ないし上衣。トップラインは、バストの上で
ほぼ水平な直線的であることを特徴とするが、前側は、
ブラジャーと同様な二つのゆるやかな山形ラインをもつ
ものもある。また、背側が大きく開いたベアバックタイプの
スリップで、首の後ろで紐を結んで吊るす
ホルターネックのものもキャミソールと呼ぶ場合がある
コルセット(Corset) 女性用ファウンデーションの一種で、近代から現代に
かけて、欧州大陸で一般に使用され、ヒップの豊かさの
強調と対比的に、胴の部分を細く見せた。
ファウンデーション
(Foundation
 Garment)
補正下着、矯正下着
プロポーションやボディラインを美しく整える補正機能や、
下垂する部分を理想的な位置に保つサポート機能など、
下着の中でももっとも重要な役割を果たすもので、
胸からお尻までの気になる部分を引き締め、補正する。
年配の女性が多く利用している下着である。
特殊な下着
(過去の
 もの)
男女 貞操帯
(ていそうたい:
Chastity Belt)
装着者の性交自慰を防ぐ施錠装置つきの下着。
女性用に用いられたが男性用もある。
また、強制的に装着させられる場合と、
自発的に装着する場合がある
古式豊かな
下着・肌着
男性用 半タコ 日本版トランクス。猿股、ステテコなどの総称。
明治以降に一般化した
ステテコ 裾が股より長く膝下丈まであるズボン下を指す。和服用
の下着(日本版トランクス)。半タコ、猿股とも呼ばれる。
裸祭りに於いて、褌の代りに着用する場合もある
靴下(ソックス:sock) 足を覆う袋状の布のことである。薄く伸縮性のある
布を用いたものは、ストッキングと呼ばれる
襦袢
(じゅばん、ジバン)
長襦袢または半襦袢の下に着用する肌着。
肌に直接触れるものであるため、晒(さらし)などの
綿生地で仕立てられている。筒袖で衿がないのが特徴
股引  → 股引(ももひき)

六尺褌  → (ふんどし)
九尺褌   〃
越中褌   〃
畚褌   〃
六越褌   〃
黒猫褌   〃
廻し   〃
締め込み   〃
下帯(下がり)   〃
サイジ   〃
T字帯   〃
女性用 パンドルショーツ 女性用の褌
湯文字(ゆもじ) 女の肌着で、腹巻きや腰巻を意味する。腰巻を
湯文字と呼ぶのは、江戸初期までの湯屋が蒸風呂で
女は腰巻をつけて入ったことから呼ばれるようになった
襦袢 女の下着。襦袢には半襦袢と長襦袢があり、
長襦袢はやがて部屋着としても使われ、色や柄の効果も
加えて異性挑発の手段としてさかんに利用された
    勝負下着(しょうぶしたぎ) : 狭義では女性の男性誘惑用で、
     広い意味ではデート用、見られて大丈夫な下着と言う意味もある。どちらかと言えば
     ここぞと言う時用、つまりこの男を落とす!勝負をかける用が一般的な意味だとされる。
    A和服の重ね着で、内側に着る衣服のこと。
    B「げちゃく」と呼んで、都を出て地方のある地点に到着すること。
トランクス(trunks、classic boxer) : @男性下着の一種。
     丈が膝までの短いショーツのこと。水泳・ボクシングなどで用いる男子用の短いパンツ。
     キックボクシングなどの格闘技ではトランクスをはいて闘う。
    A@と同形の男子用下着。一部では「トラパン」「トラ」の略称で呼ばれ、
     柄がプリントされていることから柄パン(がらパン)と呼ばれることもある。
     英語では通常「boxer shorts」や「boxers」と呼ばれ、
     「trunks」は、通常短丈のボクサーブリーフを指す。
     丸みを帯びたジョギングパンツ型や角ばった短パン型があり、形状は複数ある。
     ウエストはゴム入りで、ゆったりとしたはき心地と通気性がよく蒸れないのが特徴。
     様々な色・柄があり、密着タイプのブリーフと共に男性用下着の定番とされている。
     ブリーフより優れている点は汗などによる汚れが目立たない。
     ブリーフとは異なって体にフィットせず、伸縮性がない場合が多い。
      しかし、近年では「動きやすい」、「軽い」、「睾丸を締めつけず冷やせる」などの理由で
     着用者が増えている。多くの場合は綿製であるが、綿でなくブリーフと同様に伸縮性のある
     ニットトランクスもあり、他にも化学繊維を使用したもの、高級なものでは絹製の商品もある。
    
    トランクス
ブリーフ(briefs) : 腰部をぴったり包む、股下(またした)のない男性用の下着の一種。
    股下を省略した下着であることから「ブリーフ」と呼ばれる。多くの場合Y字型をしており、
    トランクスとは異なって体に密着するタイプの下着であり、下半身が引き締まる感触が得られ、
    局部が揺れにくい特徴がある。伸縮性がある綿などの素材が使用される。
    スポーツ用に特に機能性を重視して作られたものを、サポーター、ジョックストラップ、或いは、
    スポーツブリーフと呼ぶ。尚、欧米では女性用の深穿き及び浅穿きのパンティーも
    ブリーフと呼ぶ場合がある。
    
    ブリーフ
(a loincloth)ふんどし : 男性用の常用下着や、祭り・水行、相撲・入院患者・
    運動時などに用いる下帯(したおび)のことで下着の一種である。通気性や開放感の良さも
    さることながら、ブリーフやトランクスなどの洋装下着のように足を抜かなくても脱着可能なのが
    特徴である。機能性や親和性から、着物の下着には褌の利用が最も理にかなっている。
    禊(みそぎ)や滝に打たれる水修行などにも褌は用いられ、六尺褌と越中褌が使われるが、
    特別に厚手の晒木綿で仕立ててあり、前袋部分の透けるのを防いでいる。法衣店などで扱っている。
    禊や滝行は日本古来の精神身体の鍛練として宗教上の神事で、褌もまた神聖な衣裳でもある。
    九州の方言で「兵児帯」(へこおび)と呼ぶのは「へのこ」(陰茎の意)からの語源とされる。
    ちなみに女性用として、「サイジ」という石川県舳倉島の海女が身につけていた褌があり、
    非常に布面積の小さい越中褌の一種で現在のTバックに近い形状である。
    1990年代初頭に女優の宮沢りえがふんどし姿を公開して話題を呼んで以来、
    女性の褌姿を収録した写真集、アダルトビデオ、アダルトゲームなども多く出されるようになった。
    褌はデパート、呉服店、武具店、祭り用品店、通信販売などで販売されている。
    銀座三越では、ふんどしに高級感をもたせるために「クラシックパンツ」として販売しているが、
    現在はこの名称が売り手・客ともに呼びやすく一般化している。
    三越のものは薄く、肌触りのよい綿製で、長さは約1メートル。白のほかピンクや紫など11色ある。
    価格は白525円、それ以外は630円。ファッション性と手頃な価格がうけ、通気性がよく、
    高温にならない快適なしめ心地にやみつきになるのだという。
    @下帯。まわし。犢鼻褌(たうさぎ)。ふどし。下ばかま。泥まわし。ててら
     男子が陰部をおおい隠す細長い布のこと。犢鼻褌は、古人(いにしえ人)が使用した下袴を言い、
     袴が変じて褌になったとされ、「股ふさぎ」や「通し着(たうしぎ)」の由来とかの説がある。
     また、「とくびこん」とも読み、六尺褌を締めた時に股間のもっこり部分の出っ張りが、
     牛の鼻面に形が似ている事からと言う一説もある。
     ふんどしの種類
     六尺褌(ろくしゃくふんどし) : 鯨尺で6尺の長さ(約228cm)から呼ばれる
      日本人男性の下着(下帯)で、股間を跨ぎ身体に巻き付けるように締める。
      前垂れを出す締め方もあるが出さない場合が多い。
      晒木綿6尺(180cm程度だが、実際はもっと長く230cmくらいで、
      用途によって寸法がかなり違っている)を用いて作り、古くから男性の下着のほか、
      労働着として定着した。現在では主に祭礼などで使用されることが多い。
      
     半巾の六尺褌 : 半巾、2/3巾の六尺褌は、祭りなどで締められる褌で、
                 御輿(みこし)の担ぎ手などに愛用されている。
     前袋式六尺褌(まえぶくろしきふんどし) : 激しい運動にも崩れたり外れたりしないので、
      最も労働着に適している。そのため、激しい運動を伴う祭りには、殆どがこの方式の六尺褌である。
      浅草・三社祭、神田祭、四天王寺・どやどや、蘇民祭、江ノ島寒中神輿、江ノ島天王祭、
      和良比はだか祭りなどでおなじみの禅である。
     前垂れ式六尺褌(まえだれしきふんどし) : 普段の下着に締める六尺褌をそのまま
      祭礼の衣装にしたもので、下着のように横褌(よこみつ)が一重だと緩褌(ゆるふん)になるので、
      横褌を幾重にも巻き、その上に晒の腹巻きをして緩まないようにしている例も多い。
      岡山県笠岡市の「おしくらんご」、玉垂宮の「鬼夜」、高良大社の「へこかき祭」、
      福岡神社の「蛸舞式神事」、大野八幡神社「やんさ祭り」、筥崎宮玉せせり、西大寺会陽
      などで用いられている。
     水褌(すいこん) : 水泳用の前袋式六尺褌のこと。
     九尺褌(きゅうしゃくふんどし) : 六尺以上の長さの褌のことを言い、
      九尺近くあるものはかつて漁師が着用した褌で、廻しと同様に着用する。
      長い部分は腹を二重に巻いていた。現在、長崎県雲仙市国見町の伝統芸能「鳥刺し踊り」に
      使われている褌で、股間を通した布を胸まで引き上げて締める独特の形をしている。
     越中褌(えっちゅうふんどし) : 六尺褌にくらべて半分の布地で足りるので、三尺褌とも呼ばれ、
      長さ3尺(90cm)の並幅(36cm)の布の一端に紐をつけた下着で、クラシックパンツとも呼ばれる。
      六尺褌と比べて布を半分に節約できるが、1mくらいの長さにしないと前垂れ部分が短くなる。
 着装は簡単で、布を臀部にあてがって
 紐を臍下3寸(9cm)のところで結び、
 後の布を股間にくぐらせ、紐の内側から前面に垂らす。
 お尻や、男性の大切な部分をやさしく包むように着用する。



      
      越中褌は、江戸時代に発明されたというが、創案者については、松平越中守定信(1758〜1829)
      のほか、同じく越中守であった細川忠興とするものや、遊女越中に由来するとするものなど、
      多くの説がある。越中褌は外れやすいので、力仕事をする者は外れにくい六尺褌を締めた。
      その後下着のほかに祭礼にも用いられるようになり、普段激しい運動や力仕事をしない僧侶や
      神官の下着として定着して以来、禊などの修業の場にも使われるようになり、
      やがて氏子らによる祭礼の衣装となっていった。平和な江戸時代の侍も越中褌愛用者がいたという。
      祭りには、愛媛県松山市勝岡町の勝岡八幡神社「川狩り」、出羽三山神社「寒中禊」、
      熊野神社「白糸の寒みそぎ」、長勝寺「寒の荒行」などで使われている。
      現在では病院などで「T字帯」として用いられているし、男性の下着としてデパートや衣料品店でも
      「クラシックパンツ」として売られていて、一般に「認知」されつつある下着になっている。
     畚褌(もっこふんどし) : 長さ70cm程度、幅34cm程度の越中褌の両端に紐を通したもの。
      六尺褌より紐が細いのが特徴である。土木工事等で土を運ぶ畚に形状が似ているため
      この名がついたといわれる。かつて歌舞伎の女形役者は「もっこ褌」を愛用し、
      着物の裾から越中褌、六尺褌など前垂れ布が見えない、いわゆる男を意識しないように、
      前垂れのない「もっこ褌」が利用されていたと言われている。
       日本独自のものとものと思っていたが、
      1512年に描いたBaldingの絵には、すでにティーバックに近くのものがあった。

     六越褌(ろくえつふんどし) : 割褌(わりふんどし)や割下帯(わりしたおび)、割犢鼻褌(わりとうさぎ)
      とも言われ、150〜180cm程度の布を使用し、片一方の布端を45〜60cm程真中から切って、
      切った部分を腰に巻く方式の褌。六尺褌と越中褌の中間的な物で、その歴史は古い。
     黒猫褌(くろねこふんどし) : もっこ褌を水泳用に改良したもので、
      戦前の水泳の授業などで使われた子供用の水褌(水着としての褌)。
      畚(もっこ)褌の一種でTバックになる。大人は「サポーター」として用いる場合が多い。
     締め込み(しめこみ) : 福岡市博多区で毎年7月に行われる博多祇園山笠や、
      その他の裸祭りの装束として使われる褌。締め方や材質は相撲のまわしに近い。
     水行褌(すいぎょうふんどし) : 越中褌の一つで、社寺で行われる水行の衣装として定着した。
      水行褌は、普通、下着の越中褌をそのまま流用しているところが多いが、
      水に濡れると透けて見えることから、寺社によっては厚手の布で作った越中褌を締めるところもある。
      鐵砲洲稲荷神社寒中水浴大会、神奈川県鎌倉市の長勝寺「寒の荒行」、
      高野山奥の院玉川の水行などで使われる。
     相撲褌(すもうふんどし) : 相撲のふんどし(化粧回し)をそのまま祭りに用いたもの。
      京都・鞍馬の火祭り、播州・松原八幡神社「灘のけんか祭り」、播州・浜の宮天満宮の秋祭りなどで
      用いられ、播州の秋祭りでは、泥まわしと呼ばれるキャンバス製のごわごわしたふんどしが使われる。
      初めてこれを締めて走り回り、股擦れを起こしたという話も聞く。
      慣れないとかなり違和感のあるふんどしであるが、胴体の保護にもなり、丈夫で長持ちする。
     助六褌(すけろくふんどし) : 「いかり草」で染め上げた粋な褌で、
      きもの用の下着として仕立ててあるためか、やや大形で前垂れ布も長い。
     袴下(こした) : 剣道の下着としてもちいる越中褌。
     下帯(したおび) : 「下がり(さがり)」とも言われ、晒(さらし)1反分(10m)を丸ごと使うことから、
      「晒1反」とも呼ばれる褌である。1枚の布で褌と腹巻きを兼ねる。
      歌舞伎、芝居、舞踊、時代劇などの衣装(股道具)として用いる特殊な褌で、
      前垂れをきれいに見せるように羽二重か縮緬の別布でしたててある。
      ちょうど越中褌の後ろに布を縫い付け、前掛けをしるように着用する。
      激しい動きや振り付けでも、緩むことがなく、見た目もきれいに見える。
      下がりの両端には、形を整えるため鉛などの重りが縫いつけてある。
      歌舞伎ではマタギ、素人歌舞伎ではキン隠しと呼ばれる。
      着物用の下着として使われる他、玉せせりや、愛知県等の真冬の裸祭りで使われる場合が多い。
     サイジ : 石川県舳倉島の海女が身につけていた褌。
      非常に布面積の小さい越中褌の一種で現在のTバックに近い形状。
     T字帯 : 越中褌の一種で、医療用の下着として用いられる。
    A〔盤上での形が丁字形となり@に似ることから〕将棋で、桂馬で相手の駒2つを同時に取りにいく手。
    B女性の腰巻。「へこ」とも言われる。ほかに湯文字(ゆもじ)、いまき、谷地隠し(やじかくし)
     二布(ふたの)、下裳(したも)、脚布、緋縮緬、蹴出し、肌帯などと多くの呼び名がある。
     一般に女性と褌は縁がないと思われがちだが、昔は腰巻も含めた下穿きの総称として
     褌(とうさぎ)という言葉が使われていたし、タンポンやナプキンが普及する以前は
     越中褌やもっこ褌が生理帯として使用されていた。
    C廻し(まわし) : 回し。日本の国技・相撲や一部の裸祭り、奉納相撲で、腰に巻きつけて
     使われる分厚そうな特殊な褌で、「しめこみ」、「みつ」ともいう。色・材質・締め方が他の褌とは異なる。
     大相撲では、まえみつ(前褌)・よこみつ(横褌)・たてみつ(立褌)という言葉でよく使われる。
     取組(本場所)用、稽古用、土表入り用(化粧回し)の3種類がある。
     幕下以下の力士は稽古と本場所用の廻しが同じで、黒の廻し1本しか与えられない。
     十両以上になると稽古用に木綿製の白い廻しを与えられる。
     取組用の廻しは「締め込み」とも呼ばれ、幅80センチ、長さは約9メートルある。
     シュスという絹織物の締め込みは、十両以上の関取しか身につけることが出来ない。
     これを縦に6つ折りにして腰に巻く。体格や相撲の取り口によって様々だが、
     大体5回程巻くようで、その時の重さは4〜5キロになると言われている。
     規定により、廻しの下は何も付けてはいけない。
     相撲の化粧回し : 相撲で、関取が土俵入りなどの際につけるまわし。        
 金糸・銀糸で豪華な刺繍(ししゅう)をしたものが多い。
 化粧廻しをはじめ、関取に必要なものはすべてタニマチと呼ばれる
 力士の後援会やひいき筋、つまりスポンサーが寄贈するのが
 相撲界の常識で、力士が個人で注文することはほとんどない。
 化粧廻しの場合、誰が寄贈したかは表地に刺繍されている。
 人気と実力、いいタニマチを持っているかどうかで化粧廻しの数にも
 個人差があり、少ない力士で3本ぐらい、
 多い力士で10本以上は持っているそうである。

 写真は豊真将の化粧回し(博多織元 小川屋の製品)
     下がり : 締め込みの前に挟んで下げている紐のようなもの。
      本場所の取り組みでは必ず付ける。幕下以下は木綿の丸打ち紐を使用する。
      関取は廻しの先端を80センチほど横糸をほどいて使用し、1本1本ふのりで固められている。
      標準は19本で、体の大きさによって本数は変わが奇数でなくてはならない。
     ゆるふん : 廻しを緩く締めること、もしくはその力士をさして言う。
    D蟹(かに)の腹部の生殖器の蓋板。

    褌は漢字で「衣へんに軍」と書くことから、中国では軍隊で初めて使われたのかもしれない。
    というのが私の推測で、戦時の日本軍では、手拭代わりに体を洗ったり、
    前垂れで顔を拭いたり、止血や包帯代わりにしたり、包み物にまで利用し、
    大変重宝だったと聞いたことがあるが、何故廃(すた)れたのでしょう。
    締まり具合から越中褌がトランクスなら六尺褌はブリーフと言われるように、
    越中は一般用、六尺は肌に密着して外れにくい労働着として定着したのでしょうか。
    ちなみに、臨済宗や曹洞宗の「禅(ぜん)」は「衣へんに単」なので、個々の修行を表しているのでしょうか。

ボクサーブリーフ(boxer briefs) : 形はトランクスに似ているが、ブリーフの吸湿性と
    太ももまでのフィット感も備わっている。ほどよい締めつけで、スポーツ用に向いている。
    局部にゆとりをもたせたものもある。日本では「ボクサーブリーフ」、「ボクサー」、「ボクサーパンツ」、
    「ニットトランクス」など、メーカーによって呼称は異なる。ただし、英語圏では「boxers」といった場合、
    日本で呼ばれる「トランクス」を指し、逆に、「trunks」がフィット素材のボクサーブリーフを指している。
    米英を始めとして、カナダ、オーストラリアの製造業者の間では
    「boxerbriefs」の一語で綴る用語で統一している。
    生地は通常のブリーフと同様、綿や伸縮性のある化学繊維を使用しているものが一般的で、
    体に密着するような構造となっている。通常のブリーフを腿部分を覆う程度まで伸ばし、
    スパッツ状にしたような構造である。通常トランクスには排尿のための前開きがあるが、
    ボクサーブリーフにはデザイン重視のため前開きが無いものもある。
    
    ボクサーブリーフ                    ボクサーブリーフ(勝負パンツ)


























































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