YSミニ辞典(そ)

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訴因変更(そいんへんこう) : 刑事事件の公判の途中で、起訴状に記載した事実の範囲内で
    訴因(日時・場所・方法を特定して書かれた犯罪事実)に該当する罪名を変更したり追加したりすること。
     検察官は、当初の訴因では有罪判決を得ることが困難であると考えたときに、
    訴因の変更を求めることができる。ただし、いかなる変更も許されるわけではなく、
    刑事訴訟法は、訴因の変更が許される範囲について、以下の規定を置いている。
    刑事訴訟法第312条1項で「裁判所は、検察官の請求があるときは、
    公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、
    撤回又は変更を許さなければならない」と訴因変更等を定めている。
    ただ、検察官は裁判所からの訴因変更命令に従わなくても構わないとされる。
    また、「公訴事実の同一性」がいかなる範囲を指し示すのかについては学説上争いがある。
     例として、詐欺罪の事実で起訴されたが、公判での立証活動が行われるなかで、
    遺失物横領の事実が明らかになってきたような場合、訴因を詐欺罪に対応する事実から、
    遺失物横領罪に対応する事実に変更するよう、検察官が裁判所に請求することなどがある。
(an elephant)ぞう : 哺乳(ほにゅう)綱長鼻目ゾウ科に属する動物の総称。
    中新世頃から栄え、化石で発見される種は多いが、
    この科Elephantidaeの現存する仲間には大形のアフリカゾウ・アジアゾウの2属2種がある。
    
    オスのアフリカゾウ(ナショナルジオグラフィックより )
    
    徳山動物園の説明板
    
    マルミミゾウとされていた徳山動物園のサバンナゾウの「マリ」(2010.2.24撮影)
    
    同上右サイド(2010.6.23撮影)
    
    まどみちおさんがマルミミゾウとして詩をかかれたのに・・・
    長い鼻は、鼻と上唇が伸びたもので、内部には骨格がない。
    上顎(じょうがく)門歯は長く伸びて牙(きば)となる。仏教では白象を神聖視する。
    古名は「きさ」で、舶来していた象牙を「きさのき」と呼んだことに由来するという。
    アフリカゾウは、アフリカ大陸に生息する陸上最大の動物で、
    木の葉や枝、果実、草など1日に200〜300kgのエサを食べ、100〜200リットルの水を飲む。
     アジア象は1970〜80年代に減り続け、
    中国は1989年にパンダと同様の国家1級保護動物に定めた。
    国際自然保護連合も1997年に絶滅危惧種リストに加えた。
    シーサンパンナ・タイ族自治州には5カ所、
    総面積の12%にあたる計24万ヘクタールの自然保護区が設けられた。
    雲南省全体で1992年に179頭しか確認されなかったが、現在は300頭前後まで増えている。
    4月15日は「象供養の日」。象は、最も目立つ大きい形(かたち)をしているところから、
    「象る(かたどる)」という「かたち」という意味になったそうで、形を象ったものが「象形文字」である。    
アフリカゾウとアジアゾウの違い
  アフリカゾウ(L.africanus)   アジアゾウ(E.maximus) 
サバンナゾウ
(L.a.africanus)
マルミミゾウ
(丸耳象、森林象)
(forest elephant)
(L.a.cyclotis)
ピグミーゾウ

絶滅?
インドゾウ、
セイロンゾウ、
スマトラゾウ、
マレーゾウ
ボルネオ
ピグミー
ゾウ
分布  サハラ砂漠
以南の
アフリカ全域 
西アフリカの
カメルーンから
コンゴ地方、
アンゴラの
森林地帯 
コンゴ地方  インド、スリランカ、
マレーシア、
インドネシア、
インドシナ半島、
中国南部 
ボルネオ
体長(m) 6.0〜7.5 4.0〜6.0    5.0〜6.4  
体高(m) 3.0〜4.0 2.4以下  1.0〜1.9 2.5〜3.0  
体重(t) 5.0〜7.5 2.7〜6.0    4.0〜5.0  
雌雄とも長い牙を
持ち、オスでは
3m以上にもなる
あまり湾曲せず、
下方へ伸びる 
  オスでも2m以下が
普通で、メスは更に
短く外部からは
見えない
 
歯の表面
の模様
ひし形で間隔は
やや広い
    横縞の
間隔がせまい 
 
背中  肩と腰が盛り
上がる分背中が
少し凹んでいる
    丸い   
耳  大きく三角形  やや小型で
丸みを帯びる 
  小さく四角形   
鼻先の
指状突起
上下2つ      上方1つ   

(ひづめ)
の数
前4・後3  前5・後4    前5・後4   
気性  荒く、
人間に慣れ難い
    温厚で、
人間によく慣れる
 
頭  平ら  尖っている    2つのこぶがある   
頭  濃い灰色      薄い灰色
または白色
 
    「国内唯一」のマルミミゾウ、別種と判明
     山口県周南市の徳山動物園で「国内唯一」として飼育されてきたマルミミゾウの
    マリ(雌、推定29歳)が、別種のサバンナゾウだったことが、
    中国の研究グループによるDNA検査で判明した。童謡「ぞうさん」の作詞で知られる
    まど・みちおさんの作品にもマルミミゾウとして登場する人気者だけに、同園も困り顔だが、
    すでに2009年9月2日、飼育場の説明板の表示を切り替えている。
     一方で、同県美祢市の秋吉台サファリランドと広島市の安佐動物公園で
    「アフリカ象」として飼育している計3頭がマルミミゾウであることも、同じ検査で判明したという。
     周南市によると、徳山動物園は1981(昭和56)年、国内の動物貿易会社からマリを購入。
    1987(昭和62)年頃、東京・上野動物園に問い合わせたところ、一般的なサバンナゾウより体格が小さく、
    耳が丸いことなどから「マルミミゾウと呼んでもいい」と回答があった。
    このため1989年からマルミミゾウとして紹介するようになった。
     ところが、中国・上海の復旦大の米澤隆弘講師らのグループが、
    研究の一環で調べたところ、サバンナゾウと判明したという。
総括原価方式(そうかつげんかほうしき) : 主に、電気やガスなどの公共料金を算定する際に
    用いられる考え方の一つで、料金規制の一種でもある。サービス料金を、
    商品やサービスの提供に必要な費用と適正利潤をちょうど賄えるように設定する方式である。
    総括原価方式は、電気事業法やガス事業法により規定されているが、
    原価に利益を上乗せした額が収入額となるため赤字になることはない。
    総括原価方式での原価には、原油などの燃料費をはじめ、
    発電所やガスの貯蔵設備などの保守管理費、運転費用、従業員への給料などが挙げられる。
    総括原価方式は、最近は規制改革の流れを受け、これの修正方式や別の方式の採用がなされている。
    この方式を用いると、メリットとして、料金を決定する際の根拠が明確である、事業者・消費者双方が
    過大な損失・負担を強いられることが無い、長期的な設備投資へのインセンティブが図られるなどの
    ことが期待できる。しかし、その料金の性質ゆえに、料金設定までに膨大な時間とコストがかかること、
    コストを削減する誘因が働かないことなどの問題点も考えられる。
    総括原価方式の下では、費用削減努力をしても、結局はその費用を賄うように料金が設定されるため、
    企業の利潤は増えず、経営効率化動機付けにならない。
    最近では、企業に経営効率化を促すインセンティブ規制の採用が検討されている。
    ヤードスティック方式や料金上限方式が、鉄道や航空、ガス事業などで採用されている。なお、
    ガス事業においては、総括原価方式の他に、上限値方式やネットレベニューテスト方式が用いられる。
    NTT東西地域会社にも総括原価方式が適用されていたが、2000年に料金上限方式に移行した。
    電力会社の場合は、電気の供給に必要な年間費用を事前に見積もり、
    それを回収できるように料金を決める算定方法で、従業員への給料などの人件費、
    原油などの燃料費、発電所やガスの貯蔵設備の運転費用・修繕費などの保守管理費を積み上げ、
    発電所などの総資産額に一定の報酬率を掛けて算出する「事業報酬」を上乗せする。
    赤字になる心配がない仕組みで、原発を次々と建設する財務基盤を支えた。
    一方で、電力会社は地域独占で競争が少ないため、
    費用の削減努力につながらず、経営の効率化をはばむ一因にもなっている。
    総括原価方式による料金の算定東京電力HPより)
    
    ※1 事業報酬:電力設備の建設・維持等の資金調達に必要な支払い利息や配当など
    ※2 控除収益:電気事業に伴う電気料金収入以外の収益(他社販売電力料、電気事業雑収益など)
     社員が利用する運動場やサークル活動費まで営業費に計上するのは納得できない。
    3%の利益分から賄うべきである。

    参 : [YouTube](総括原価方式、必要以上の見積もり)
葬儀(a funeral)そうぎ : 葬式(そうしき)。とむらい。死者をほうむる儀式。人の死を受け止める作業。
    葬儀とは、故人の冥福を祈り、成仏することを願って遺族や近親者で営み、故人に最期の
    別れを告げる儀式であり、告別式は故人の友人や知人が故人と最後の別れをする儀式である。
    このように本来、「葬儀」と「告別式」は別のものだが、現在では一つの流れの中で行われることが多い。
    仏式では告別式の前夜を通夜とし、2日間を費やして別れを告げる。
    神式では告別式の前夜を遷霊式とし、魂と肉体を遊離させて魂を自宅に残し、
    明くる日に肉体が勝手に自宅へ帰ってこないように埋葬もしくは火葬にする。
    このように、どの宗教で行うかによって「仏式葬儀」、「キリスト教葬儀」、「神式葬儀」など
    様々な形式があり、創価学会は僧侶なしの「友人葬(同志葬)」を行っている。
     死者の往生を願う、引導の儀式(下炬:あこ)を中心に行われ、一同着席、開式の辞、読経、
    弔辞、拝受、弔電代読、読経、焼香、導師退出、閉会の辞という順序で行われる。
    葬儀も通夜と同様、親族は正式な喪服を着用する。
     葬儀が終わると祭壇から棺を下ろしてふたを取り、最後のお別れをする。身内の物から生花で
    故人の周囲を飾り、喪主から順番に棺のふたに釘を打ち、近親者などの手で霊柩車まで運ぶ。
    そして喪主が位牌を持ち、近親者が遺影を持って、会葬者と向き合い、喪主が挨拶をする。
    火葬場へ向かう前に、お骨箱や火葬許可証などを忘れないようにする。
     火葬場に着き、棺をおかまの中に安置し、点火したら読経、焼香をする。
    火葬には1〜2時間くらいかかるので、それまで控室で待つ。
    その間に住職と今後の日程(初七日、四十九日、百カ日、納骨など)を話し合うとよい。
     お骨あげの作法は、普通2人1組で遺骨を箸でつまんで骨壷に納めるのが習わしだが、
    火葬場の係員の指示に従って行う。
    骨壷を封じ、白木の箱に納め、白布に包んでくれるので、喪主が胸に抱いて家に戻る。
    
    死亡する場所は大きく変化し、1955(昭和30)には自宅での死亡が76.9%と一般的であったのが、
    2005年には12.2%にまで減少し、いまほとんどの人が最期を病院で迎える。
     死亡する場所が変われば、その後の葬儀の場所も変化し、1955年当時は自宅での葬儀が
    ほぼ9割であったのが、2005年には自宅での葬儀がわずか16.2%にまで減少し、
    代わって葬儀会館(斎場)での葬儀が最も多く60.7%となっている。(公正取引委員会の実態調査)
     葬儀の場所も変われば、葬儀の主体も変わり、かつては地域共同体が葬儀を仕切っていたが、
    いまや地域の係わりも弱くなり、遺族が葬儀社に葬儀を頼んで執り行うことが一般的となった。
     葬儀の「個人化」の流れが始まったのは1980年代の末以降のことで、1995(平成7)年以降は
    この流れが加速され、葬儀だけではなく、墓においても大きな変化をしてきている。
     葬送全体を見ると、1980年代の末に継承者不要の永代供養墓(公営では合葬式墓地)が現れ、
    1992(平成4)年には散骨が始まり、1995年頃からは家族葬、自由葬(無宗教葬)が一部で
    支持されるようになり、2000年以降には葬式をしない「直葬」までもが現れ、
    葬送の世界は多様化さらには混迷化の時代へと突入している。
     葬儀の象徴である祭壇も多様化の時代に突入し、伝統的な白木の宮型祭壇が主流を占めていたが、
    生花祭壇がこれを駆逐する勢いで支持を集めている。使われる花も、かつては白菊が主体でしたが、
    色鮮やかな洋花もふんだんに使用され、また自然志向の人には緑の葉を主体にしたもの、
    さらにはさまざまなアレンジ型も登場している。
     最近の葬儀の特徴の一つは「個性化」ということで、1960年代以降、皆と同じ、人並みの葬儀を求めて、
    画一化されてきた葬儀が、故人のライフスタイルに合わせて、「その人らしさ」を葬儀に求めるようになり、
    その結果の多様化が進んでいる。変化は遺影写真にも現れ、かつては白黒で、正面を向き、
    かしこまった表情の写真が好まれたが、現在では笑顔があり、あるいは登山帽姿であったり、
    カラーでその人の最もいい表情の写真が好まれる傾向にある。
    写真を覆っていた黒のリボンも姿を消そうとしている。
     こうした「個人化」の流れにあって葬儀の性格も変化してきている。これまでは社会儀礼、
    宗教儀礼の性格が強い葬式だったが、「故人とのお別れ」に重きがおかれるようになってきた。
    亡くなった方を温かく送ってあげようという意識が遺族にも強くなってきている様子がうかがえる。
     お葬式はいま、決まりきった形式のものから大きく変化し、
    それぞれの遺族が送られる人の個性に合わせて「選ぶ」時代へと変わろうとしている。
     医師が死亡を判定すると看護師が点滴の器具等を取り外し、湯呑み茶碗に水を入れ、
    めん棒を用意すると、最期を看取った家族が一人ずつ水を浸らせためん棒で死者の唇を潤す。
    これを「末期の水」あるいは「死水」という。家族の別れが済むと、看護師等の手で死後の処置が施される。
    全身を清拭し、(胃の内容物を取り出し)身体の穴という穴は脱脂綿で保護し、傷口等は包帯で覆われる。
    爪を切り、男性の場合は髭を剃り、女性の場合には薄く化粧をし、髪を梳かし、新しい浴衣に着替えさせる。
     遺体は病室からストレッチャーで霊安室に移され、待機する。24時間営業している葬儀社を手配し、
    寝台車で遺体を自宅等に搬送する。葬儀社を決めていない場合には、とりあえず病院出入りの葬儀社に
    自宅への搬送だけを依頼する。病理解剖する場合にはそれが済むまで病院に待機することになる。
    遺体の安置の仕方が宗教によって異なるため、移送する前に宗教を決めておいたほうがいい。
     自宅に遺体を安置した後は遺族の時間で、遺体を囲んでお別れをする。
    遺族には大きな仕事が待っている。それはどのような葬式を行うかを決めることで、
    故人の意思はどうか、遺族それぞれの考えはどうか、話し合って方針を決める。
    親しい宗教者がいれば連絡して意向をたずねる。葬儀社を呼ぶ前には葬儀の大まかな方針、
    宗教、予算を決めておく。どれを遺影写真として使うかも決める。
     葬儀社との打ち合わせを行い、日程、規模、場所、コンセプト、費用を決める。
    事前に準備しておかないと、当事者は混乱の中にあることから、思わぬ方向に話が進むこともある。
     葬儀の日程、場所が決まれば、親戚や関係者への連絡をする。
    葬儀社が訃報の様式を用意しているので、これに書き込み、ファックスやメールで連絡する。
    葬儀の日程は家族が遠隔地にいるか、火葬場の休業日にあたらないか、宗教者の都合によって決まる。
    死亡当日は家族だけで遺体を守り、翌日に納棺(場合によっては通夜も)、3日目(2日目)に通夜、
    4日目(3日目)に葬儀、火葬となるのが一般的で、東北地方等では葬儀に先立って火葬をすることがある。
    納棺する際には、仏教では仏衣に着替えさせるが、最近では本人らしい衣装も好まれる傾向にある。
     近年は通夜への会葬者数が葬儀への会葬者数を上回る傾向にある。
    そんなこともあり、遺族は通夜から喪服を着用する方がいい。
     最近の葬儀は大体1時間程度で終わる。遺族席は祭壇に向かって右側前方。
    故人をあの世へ送る大切な儀式で、通夜でもそうですが遺族は会葬者に先立って焼香(献花)をする。
    全ての会葬者の焼香(献花)が終わると、柩が前に出され、蓋を外して最後のお別れをする。
    花を遺体に添える。このお別れの儀は近親者だけで行う場合と参列者にも呼びかけて行う場合とがあり、
    これは遺族の意向による。
     出棺を前にして遺族代表が挨拶。霊柩車、マイクロバスを連ねて火葬場に向かう。
    この時、喪主は霊柩車の助手席に位牌をもって乗る。火葬場では火葬に先立ちお別れし、
    火葬される間、控室やロビーで待機する。火葬が終了すると骨上げ(拾骨)。
    関東では全骨、関西では一部の骨を拾う。
    火葬が終わると用意された会場に移動し、法要を行い、親族、関係者で宴席をもつ。
    お世話になったお礼ということで、遺族は末席に座り、喪主がお礼の挨拶をして始めるが、
    皆が精神的に疲労していることもあり、1時間程度で切り上げる。
    遺族は自宅に戻り、遺骨を葬儀社が設えた後飾り壇に安置する。
    埋葬方法 : 「続和漢名数」という徳川時代初期に書かれた書物によると、
     日本にもかつては、土葬、火葬、水葬、野葬、林葬の5種があった。
    ●火葬(cremation)かそう : 荼毘(だび)。遺体を焼き、残った骨を葬ること。
     また、そういう葬法をいう。焼いた遺体は壺(つぼ)に入れて、墓や納骨堂に納められる。
     インドではじまり、仏教とともに中国や朝鮮半島へ広まった。
     日本では、5世紀頃から火葬は行われていたようで、火葬の歴史も古く、700年に
     道昭(どうしょう)という僧が遺言により火葬に付されたのが文献(続日本紀)上の初例とされる。
     その後、持統(じとう)天皇が火葬されるなど、貴族などには広まったが、
     庶民には土葬が多かった。江戸時代になって大都市には火葬場が設けられ、
     一般の人も利用するようになったが、それ以前は貴族、武士階級で火葬が多かったようで、
     理由は、火葬はお金がかかったためである。現在、火葬するには1体平均約6万円かかるが、
     無料とか1万円とかに抑えられているのは、地方自治体が費その費用を負担しているからである。
     日本は世界一の火葬先進国で99.9%の遺体が火葬されている。
      今日、東京近辺の火葬場の多くは、ロストル式の火葬炉を採用している。
     これは、炉の中にパイプでこしらえたロストルという骨組ようのものをあつらえ、その上に、
     棺を乗せて焼くものである。焼けた骨は、骨組みの隙間をくぐって下にある受け皿のうえに落ちる。
      一方、関西のほうでは、台車式の炉が好まれるという。これは、がらんどうの炉の中に、
     棺を乗せた台車をはめ込んで焼くというものである。ロストル式だと、骨が落ちる際に、
     のど仏が壊れてしまうのに対して、台車式では、骨の形が大きく損なわれずに、
     のど仏もそのままの形に残る。いづれの方式においても、炉の中の温度は、700度から900度に
     保たれる。屈強の成人でも一時間余りで焼きあがり、きれいさっぱり骨ばかりとなるのである。
    ●土葬(burial)どそう : 死者の遺体を焼かずに棺に収めて、土の中へ埋めて葬ること。
     また、その葬法をいう。棺には、大きく分類して2形態あり、ひとつを座棺、ひとつを寝棺という。
     寝棺は今日用いられている標準の棺とほぼ同様であるが、座棺は死者を座った姿勢で収めるもので、
     縦長の桶のような形をしたものが多かった。土中の棺は、数年も立つと腐食して崩れるので、
     その上の土が陥没して墓に穴が開くことともなる。それを防ぐために、あらかじめ墓穴より
     一回り大きい石を墓の上に置くこともあった。これが後になって、墓標や墓石に発展した。
      憲法の「信教の自由」の観点から土葬は保障されているが、
     禁止されているのは法律ではなく、各地方自治体の規制によるものである。
     現実にいまでも土葬を認めている墓地に限り、土葬が行われている。
     埼玉県の山間部でも土葬をする集落が残っている。
     いまでもイスラム教は火葬を認めていないので、日本にもムスリム(イスラム教徒)の墓地は 
     山梨の寺墓地の一部に設けられ、ここで土葬をしている。
    ●水葬(bury at sea)すいそう : 水葬礼。火葬などせずに遺体をそのまま、
     川や海などの水中に投じて葬ることをいう。今もインドのガンジス川流域等で行われている。
     日本では原則禁止であるが例外として、「船員法」に定められた条件として「船舶が公海上にあり、
     衛生上船内に死体を保存できない」場合に限定されて許可されている。
     詳しくは、公海を航海中に船舶内で死亡したとき、死亡後24時間経過し、
     衛生的に遺体を保存できない場合、本人写真を撮影、遺髪・遺品の保管、遺体が浮き上がらない
     措置を講じ、相当の儀礼をもって水葬に付することができる、と船員法で定めてある。
    ●野葬(やそう) : 遺体を野に捨て置くもので、曝葬とも風葬ともよばれ、
     また鳥の啄ばむに任せることから、鳥葬ともよばれる。林葬とともに、遺体を直接置く場合と、
     棺に納めて置く場合とがあった。このほか、洞窟に遺体をおさめる方法などもあったようだが、
     土葬と火葬を除いては、徳川時代よりはるか以前になされなくなったようである。
    ●林葬(りんそう) : 遺体を林中や木の上に放置して鳥獣に施す葬り方。
    斎場葬(さいじょうそう) : 市区町村の公営斎場、または民営斎場、お寺の式場、集会場などで
     行われる葬儀のこと。住宅事情や親族・参列者接待場所の確保などの理由から、
     現在では斎場の利用が多く、通夜・葬儀・告別式又繰り上げ初七日まで斎場にて執り行うこともある。
      公営斎場は自治体によって異なり、住民であれば無料から数万円で利用できる。
     民間斎場は、寺院経営や独立経営など多様だが、
     使用料金は2日間使用として15〜30万円くらいだそうである。
    1日葬儀(one day funeral)いちにちそうぎ : ワンデイ葬儀。ワンデイセレモニー。
     通夜をせず、自宅、寺院、斎場などに遺体安置→(葬儀・告別式)→納棺・出棺→火葬(荼毘)→
     (精進落とし)→(繰上げ初七日)→精進落し(会食)などの一切を当日1日のみで執り行う葬儀のこと。
     今のところ全国で流行しているのではなく、主に首都圏中心に行われている。
     (注)式場を借りる場合、1日使用でも2日間の使用料がかかる場合がある。
    密葬(みっそう) : 故人が有名人である場合や、社葬など多くの会葬者がある場合に、
     まず、数人の家族だけで、または親族だけで故人を送り、後日「本葬儀」、「お別れ会」など執り行うもの。
      年末年始にかけて死亡したときは近親者だけで密葬をし、後に本葬をする。
     また、会社の経営者が死亡して社葬にするときは、多方面に案内したり運営の準備に時間が
     必要なため、死亡直後は近親者で密葬をし、1〜2カ月後に本葬として社葬をすることがある。
    家族葬(かぞくそう) : 家族や親しい友人など少人数でだけでしめやかに故人を送り、
     故人の意志や遺族の希望で「本葬儀」等を一切行わないもの。
     無宗教葬もあるが、多くの場合、僧侶等の宗教者を招いて営まれる。
    無宗教葬(むしゅうきょうそう) : 自分葬、自由葬とも呼ばれ、
     いずれの宗教にもよらない葬送のことで、宗教儀式を排した形で営まれることをいう。
     葬儀というよりも、告別式、追悼式にあたり、焼香の代わりに献花を行い、祭壇には花と遺影を飾り、
     音楽を流すことが多い。無宗教で行う告別式を一般に「偲ぶ会」、「お別れ会」などと呼び、
     「密葬」の後の「本葬」や「社葬」を「偲ぶ会」、「お別れ会」として行うこともある。
     「偲ぶ会」、「お別れ会」はホテルやレストランで行うこともある。
      「故人らしさ」が求められる葬儀の形で、葬送の表現が自由なことから、
     故人の略歴紹介・故人を偲ぶ行事・好きだった音楽など、企画演出をしっかり立てる必要があるが、
     かといってあまりにも企画・演出に懲りすぎると葬儀費用がかさみ、
     葬儀とは程遠いものになる恐れがある。
    社葬(しゃそう) : 会社の社長や会長が亡くなられた時、社員が殉職した時などに、
     会社主催で行う葬儀のこと。
    個人葬(こじんそう) : 会社や団体ではなく、遺族が主催して行う一般的な葬儀のこと。
    合同葬(ごうどうそう) : 遺族と会社が合同で行う葬儀のこと。
    団体葬(だんたいそう) : 会社以外の団体が主催する葬儀のこと。
    骨葬(こっそう、こつそう) : 葬儀・告別式に先立って火葬をし、遺骨を前にして行う葬儀のこと。
     死亡直後は家族だけで密葬にして火葬を済ませておき、
     時間をあけて遺骨でもって本葬、葬儀・告別式、あるいはお別れ会を行うという方式である。
     「密葬」後に火葬にふして、「本葬」は「骨葬」として行うこともある。
    直葬(ちょくそう) = 直葬(別掲)
    ホテル葬 : ホテルで行う葬儀・告別式のこと。
    自然葬(しぜんそう) : 海や川、山、宇宙などに散骨を行って自然にかえすことをいう。
     通常の葬儀を行ってから、遺骨の一部を、簡単な儀式と共に散骨することが多い。
     散骨は、扱いのある葬儀社を通して依頼することができる。
     葬儀の後で、直接散骨専門の業者に依頼することもできる。
     埋葬する場所に、樹木を植えることを「樹木葬」と呼ぶ。
     「樹木葬」が行えるのはあくまでも墓地として登録された場所であり、
     「樹木葬」は葬儀というよりも遺骨を埋葬する墓地の種類にあたる。
     岩手県一関市にある知勝院の千坂住職は、1999(平成11)年に日本で初めて樹木葬を行った。
     春になると山野草が咲く里山に、深さ1mの穴を掘り、遺骨をそのまま納めて低木を植える。
     使用料は50万円。そこの生態に合った植物を植えている。
     千坂住職は「単に墓石の代わりに花木を植えるということではない。
     人間も生態系の中で生きていくという思想が大切です」と話している。
      1991(平成3)年に散骨を「自然葬」と名づけて相模湾で最初(近代以降、公になったものとしては)に
     実施した「葬送の自由をすすめる会」では、近親者が手ずから細かく砕骨することを勧めている。
     戸田葬祭場(東京・板橋)では、ミキサーのような「粉骨器」を開発し、1体の遺骨を粉骨器にかけると、
     白いきれいな粒状になる。1体の焼骨(火葬された骨)の量が約3分の2になる。
     ここでは遺族が立ち会って粉骨している。
      朝日新聞2009年6月23日東京版朝刊によれば、散骨を規制している自治体は6つあり、
     北海道長沼町、北海道七飯町〈要綱〉、長野県諏訪市、北海道岩見沢市、
     埼玉県秩父市、静岡県御殿場市で、所轄の自治体に確認しましょう。
     自然葬の注意点
     @禁止自治体か事前に確認する。(自治体によっては条例で禁止しているところもある)
     A他人の私有地で行わない。他人、特に周囲の人がいやがらない場所で撒くこと。
      川であれば周囲の人が生活用水として使っているのであれば避ける、
      海であれば養殖場の近くや海水浴場の近くは避ける。はるか沖合いに出て行う。
      仮に自分の所有地内であれば、近隣の住民の承諾を得る。
     B散骨する骨は粉末状にする。原型が残らないよう細かく砕くこと。
      後から見た人に遺骨だと認識されないレベルまで、だいたい2ミリ以下にまで細かく砕く。
    生前葬(せいぜんそう) : 本人が生きているうちに行う葬儀のことで、
     お世話になった人に自分で直接お別れを言うことができる。
     無宗教の「お別れ会」の形式の場合と、宗教的な葬儀を行う場合がある。
    お別れ会(おわかれかい) : 無宗教葬の場合、「葬儀」とよばずに「お別れ(の)会」あるいは
     「偲ぶ会」とよぶことが一般的である。しかし、一般に「お別れ会」方式と呼ばれるものは、
     死亡直後には近親者で密葬を行い、1〜2カ月後に本人の知人・友人に集まってもらい
     お別れ会を行うもの。密葬では本人や家族の宗旨に基づき宗教儀礼を行うことが多く、
     お別れ会では無宗教方式が多いようである。
    葬式の費用 : 下記の3種類が主なものである。
     @葬儀施行…葬式や火葬など葬儀全体にかかる費用。
     A僧侶へのお布施など宗教関連…お布施のほか戒名料などで宗派によってかなり違う。
     B参列者の飲食接待…通夜や精進落としの料理、飲み物などにかかる費用。
     葬儀の規模、内容によって費用は大きく変わるので一概に言えないが、最近は派手な葬儀は少なく、
     葬儀費用は全体に安くなっている。全日本葬祭業協同組合連合会
     日本消費者協会に委託した調査では、葬儀費用の最も多い価格帯は100〜150万円だったという。
     葬儀社を選ぶ時に最も注意すべきなのは、葬儀開始までに見積書を書面でだしてくれることと、
     話をきちんと聞いてくれる業者を選ぶことが大切である。
    葬式の通知を受けたら : 「誰が亡くなったか」、つまり故人と自分との関係によって変わる。
     ●あまり親しくはない、但し、多少の義理がある人のケース
      日程を無理して調整はしない。日程が調整つくようであるならば会葬にうかがうし、
      難しいときには弔電を打つ。場合によっては供花(生花)を依頼する。
     ●親しい人の場合
      日程を調整して是非会葬します。告別式に出るのが難しいときには通夜に弔問する。
     ●仕事上で義理のある人の場合
      上司(場合によっては社長)の名で電報を打ち、供花も依頼する。
      告別式には日程を調整して出る。場合によっては上司と同行する。
     ●特に親しい人の場合
      まず弔問し、手伝えることがないか聞く。葬式の手伝い、通夜、告別式への参列、火葬場へ同行する。
     最近は通夜への会葬者が多くなってきたが、会葬するのは告別式が正式。
     通夜に会葬するのは親しい人の場合が原則で、
     仕事上で会社を代表して会葬する場合には告別式に出るのが原則である。
    香典の表書き : 香典は香のかわりに霊前に供える金品のことだが、
     できれば宗教宗派を確認したいもの。キリスト教ならば「御花料」、
     神道ならば「御榊料」または「御玉串料」、仏教で宗派がわからないときは
     「御香典(「御香奠」が正式)」または「御香資」、浄土真宗であれば「御仏前」、
     その他の宗派は「御霊前」。名前は楷書で書く。会社を代表して出すならば
     「(株)○○○○社 代表取締役 ○○○○」とする。親しい場合には個人でも包む。
     受付で差し出すときは相手が読めるような向きで。内袋に住所、金額も楷書で記入する。
    香典の相場 : 近所の関係ならば3,000円、一般のお付き合いであれば5,000円か10,000円、
     深い付き合いであれば30,000円、親戚ならば30,000〜50,000円、
     家族の場合には50,000〜100,000円。会社で出すならば10,000〜30,000円。
    供花 : 施行する葬儀社を聞いて、そこへ連絡すると供花の注文用紙をファックスしてくれるので、
     それに記入しファクスする。掲載名は「(株)○○○社 代表取締役 ○○○○」とする。
     親戚やきょうだいは「一同」で出すので一人ひとりは不要で、供花はほとんどが生花である。
     金額は15,000円が普通、25,000円は特別な関係の場合。
     後日、葬儀社から請求書が送られてくるので銀行振込する。
    服装 : 本来「喪服」は喪に服していることの表明なので着用するのは遺族である。
     最近は黒が「仏事の礼服」化しているので黒のオンパレードだが、きちんとした服装ならよい。
     社葬で葬儀委員などの場合には告別式でモーニングが正装。
    焼香 : 順番がきたら前に出て遺影を見て一礼。半歩前に出て焼香し、ゆっくり合掌。
     一歩下がって遺族席に目礼して下がる。動作はゆっくりと。回数は1回でいい。
     焼香の仕方は手の平を返して額につけるようにするのが一般だが、浄土真宗は右から左へ。
     献花、玉串奉奠の場合には、一般に串が祭壇側で手前に花がくるように向け、両手で行う。
     浄土宗の焼香は、菩提寺の住職ににより、1〜3回のいずれでも構わない。
     1回というのは、一心に阿弥陀仏の名を唱えるその一心を表すものとされており、2回は仏と
     私たち衆生を表すもの、あるいは香偈(こうげ)というお経の「戒と定(じょう)の香を焚きまつりて」
     の戒、定を表すものとされている。3回は善い心を害する3つの毒である、
     むさぼり(自己中心的な過度の欲望)・いかり(むやみに腹をたてる)・
     おろかさ(ものの道理がわからない未熟さ)の煩悩を消した三心(真実の心、深く本願を信ずる心、
     往生浄土を願う心)を具えた念仏者の信仰を表す、あるいは仏(悟りを開いた教えの主)、
     法(その教えの内容)、僧(その教えを信じて修行する集団)の三宝を敬うことを表すものとされている。
     葬儀場で焼香する人が大勢いる時は1回でよいとされ、余裕がある時は2、3回でもよい。
     ちなみに、線香を立てる本数も同様に1〜3本のいずれでもよいが、
     葬儀までは1本、葬儀後や法事には2本が多いが、3本もある。
     会葬する場合、「故人を弔い、遺族の悲しみに配慮する」という心の姿勢が最も大切で、
     仲間同士の無関係な話題で大声をあげるのは慎みたい。
     通夜の弔問は長居をせず、告別式は出棺まで見送るのが礼儀である。
    葬儀後の処理
    香典返し : 香典を受けた返礼に物をおくること。また、その物のこと。
     いまは葬儀当日にお返しする即返しもあるが、正式には四十九日の法要を終えて、
     その報告とともにお返しの品物を贈る。即返しをした場合でも特にお世話になった方、
     香典をたくさんちょうだいした方へはここでお礼をする。香典返しの目安は
     いただいた香典の3分の1(三分返し)〜2分の1(二分返し)程度の品物を贈ることが多い。
     もっともお返しに替えてNGOやボランティア団体、福祉事業に寄付することもある。
     その場合はお礼の挨拶状に使途を記す。
    故人の持ち物の整理 : 運転免許証等の証明書、クレジットカード、通帳や登記簿の整理をする。
     クレジットカードは解約届をカード会社へ提出し、会社の身分証明書等は発行元へ返還する。
     勤務中の場合には勤め先の物は返還し、勤め先にある私物は引き取る。
    死後の事務処理 : 故人が世帯主の場合には14日以内に世帯主変更届を提出し、
     電気・ガス・水道・借家は名義変更を行う。公共料金や賃料がこれまで銀行自動引き落としで
     あった場合には引き落とし口座を変更することを忘れないようにしよう。
      国民年金、厚生年金の手続もする。遺族基礎年金等が受給できることがある。
      故人が自営業を営むなどして確定申告が必要な場合には、死後4カ月以内に確定申告をする。
     また、年間の医療費実費(健康保険や生命保険で補填された分を除く)が
     10万円(年間所得が200万円未満のときは5%の金額)以上のときは、
     10万円を超えた分(限度額200万円)が医療費控除の対象になる。
     医療費には死亡日までに医療機関に支払った金額のほか通院費も含まれる。
      大きな問題に遺産相続があり、まず相続財産を確定する必要がある。
     土地・家屋等の不動産、株等の有価証券、貯金、現金、家財のほか貸付金も含まれる。
     死亡退職金や生命保険金も見なし相続財産となり、3年以内にあった贈与も含める。
      墓や仏壇・神棚の祭祀財産は控除される。その他控除できるのは葬式費用、公益法人への寄付、
     借金(債務)で、生命保険と死亡退職金はそれぞれ500万円×法定相続人数が控除できる。
     さらに基礎控除があり5千万円+(1千万円×法定相続人数)である。
     この結果、課税価格の総額が基礎控除に満たないときは相続税の申告(10カ月以内)は不要。
      相続は遺言による分割、法定相続人の協議による分割があり、
     調わなかったときは家庭裁判所で分割してもらう。(ジャーナリストの碑文谷 創氏の記事を部分紹介)
    法事 = 法事(別掲)
    喪中葉書 = 喪中葉書(別掲)
    参 : 臨終死亡届
臓器移植法(ぞうきいしょくほう) : 「臓器の移植に関する法律」が正式名称。臓器移植推進のため、
    脳死患者からの臓器摘出を認めた法律で、札幌医科大の「和田移植」(1968年8月)から途絶えていた
    脳死移植実施の要望が高まったことなどを受けて、1997(平成9)年6月16日に施行された。
    移植のため臓器提供する場合に限って、脳死は人の死であると定め、
    脳死者からの臓器提供を可能としたことが最大の特徴である。
    移植する臓器はできるだけ新しくなければならない。そのため脳死段階での摘出を合法化する
    必要があった。一方、まだ心臓が動いている人から臓器を取り出すことには異論もある。
    身障者団体が「弱者切り捨ての思想。肉体のモノ化につながる」と反対運動を展開するなど、
    世論は割れた。法案は採決直前に修正され、
     @臓器提供者本人が脳死判定を受け入れる意思を書面で明らかにしている。
     A家族が反対しない。
    の2条件を満たす場合のみ、臓器移植が可能となり、心臓停止後の腎臓と角膜の移植に加え、
    脳死からの心臓、肝臓、肺、腎臓、膵臓、小腸などの移植が法律上可能になった。
    なお臓器提供者は、意思表示ができる年齢ということから15歳以上と決められた。
    また、脳死判定には必要な知識・経験を有する2人以上の医師の判断が必要である。
    心臓停止の3徴候(日本における一般的な死の概念)
     @心拍動の停止A自発呼吸の停止B対光反射の消失・瞳孔散大、の状態を指す。
    臓器移植法の特色
     ★脳死判定より先に、家族に臓器提供の意思があるかどうかを確認する。
     ★本人や家族に臓器提供の意志がなければ、脳死判定は行わない。
      そのため、脳死を「死」とする人とそうでない人とがでてくる。
     ★本人に、脳死段階での臓器提供をする意志があるかどうかを書面で確認する。
      それにあわせて、ドナーカード(臓器提供カード)が発行される。
     ★日本より手続きが簡便な欧米でも臓器提供は不足している。
      日本の法律では、はじめから臓器提供が不足するのはあきらか。
     ★日本人は西洋人に比べて、死体・遺体に強いこだわりを持つ人が多い。
      たとえ死後何十年たっていても「お骨を拾う」行為は重要な意味を持っている。
      死体を魂の抜けたただの物体とする西洋社会とは対照的である。
      この法律はそういう日本人の生命観に配慮して、脳死判定に世界でもっとも厳しい基準を設けている。
    臓器売買の禁止
     臓器移植法は死体、生体を問わず、臓器提供の対価として利益の供与、提供、申し込み、
     約束をしてはならないと規定し、違反行為と知りながら臓器を摘出する行為も禁じている。
     つまり、臓器の提供やあっせんの対価としての金銭授受を禁じている。
     違反した場合、5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科せられる。
     臓器提供ののあっせん業は厚生労働相の許可が必要で、営利目的は禁じられている。
     日本移植学会の倫理指針は、原則として臓器提供者を民法上の親族である6親等以内か、
     配偶者の3親等以内の血縁者に限定している。
     親族以外からの提供は、医療施設の倫理委員会で個別に承認するよう求めている。
    日本の臓器移植 : 1997年10月に施行された臓器移植法で脳死状態の人から臓器を摘出し
     移植することが認められた。脳死した人からの臓器提供は、本人の意思を示す書面と家族承諾の
     両方が必要である。法にもとづいた脳死による臓器提供は2009年6月1日現在で計81例あった。
     15歳未満の臓器提供は認められていないため、子どもの患者は海外で移植を受けるケースが多い。
     日本臓器移植ネットによると、移植を希望し、ネットに登録している人は2009年6月1日現在で、
     腎臓1万1695人、肝臓254人、膵臓166人、心臓138人など、移植を待っている人は多い。
     人口100万人当たりの心臓提供者数(年間)は日本では0.05人で、スペイン12.5人、
     米国10.1人などの先進国と比べても極端に少ないのは臓器移植法の厳しい制約とされる。
    改正臓器移植法 : 脳死を「人の死」とすることを前提に臓器提供の年齢制限を撤廃する
     改正臓器移植法(A案)が2009年6月13日午後、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。
    1997年に成立した現行法下では禁じられている15歳未満からの臓器提供に
    道が開かれることとなった。改正法は公布から1年後に施行される。
     改正法は「脳死は人の死」とする考えが「おおむね社会的に受容されている」との認識に立ち、
    脳死になった人があらかじめ拒否の意思表示をしていない限り、
    家族の承諾により臓器提供ができるようになる。
     また、現行制度は意思表示が可能な年齢を15歳以上としているが、
    改正法は意思表示を臓器提供の絶対的な条件に設定していないため、
    15歳未満でも家族の同意で臓器提供ができるようになる。
     現行法が成立した1997年以降、国内での脳死臓器移植は81例だが、
    日本移植学会や患者団体などは、書面による本人の意思表示を求める臓器提供条件と、
    年齢制限によって、脳死臓器移植の機会が大きく狭められているとして法改正を求めていた。
     臓器提供条件の緩和のほか、書面により親族への
    臓器の優先提供の意思を表示することができる規定も盛り込んだ。
     この日の参院本会議では改正法に先だって、改正法の骨格を維持しながら、
    脳死を現行法通り臓器移植時に限り「人の死」とする修正案が採決されたが、反対多数で否決された。
     またA案の対案として参院野党有志が提出した「子ども脳死臨調設置法案」は、
    先に採決された改正法が過半数の支持を得たため、採決されずに廃案となった。    
臓器や遺体の提供
  摘出する臓器など 年齢制限 事務局(HP)
臓器提供 膵臓腎臓眼球心臓肝臓小腸 15歳以上 日本臓器移植ネットワーク
アイバンク 角膜  なし 日本アイバンク協会 
献体 全身。解剖後、火葬して家族の元へ返さ
れるが、1年半〜3年かかる場合もある
大学で異なる 日本篤志献体協会
臓器提供の摘出する臓器で、赤色は心臓が停止した場合が対象で、
青色は脳死の場合に提供できるが、脳の摘出はできない。 参 : 脳バンク
2010年7月17日の改正臓器移植法により、年齢制限はなくなる。
2010.6.2、朝日新聞より
脳死の人からの臓器提供の流れ(2010年7月17日の改正法施行後)
病気や事故で入院、治療 新しいルール
患者が18歳未満で医師らが虐待を疑えば、
児童相談所や警察に連絡し、提供の対象から
外れる。知的障害者の提供は見合わせ
臨床的な脳死に。医師から家族に症状の説明  
   
医師らから臓器提供について説明。
または家族が提供の意思を提示 
 
  脳死かどうか判定できる生後12週以上の
子どもから臓器提供ができるようになった
(本人が拒否していた場合は提供できない) 
日本臓器移植ネットワークのコーディネーターが
家族に臓器提供について説明
 
   
家族が法的脳死判定と臓器提供について
書面で承諾
 
  臓器を提供する意思が本人にあったかどうか
不明な場合、家族の承諾で提供できる 
計2回の法的脳死判定
(2回の間隔は6時間以上) 
 
  6歳未満は24時間以上が必要 
2回目の法的脳死判定の終了時が死亡時刻に  
   
臓器摘出、移植手術へ
(心臓、腎臓、肺などの移植を受けなければ
助からない人に優先して提供される) 
臓器提供側の病院に、
子どもの専門病院を追加 
2010.7.16、朝日新聞より引用 
    愛媛県宇和島市の総合病院「宇和島徳洲会病院」(貞島博通院長)で2005年9月に行われた
    生体腎臓移植手術に絡み、ドナー(臓器提供者)に現金などを渡して臓器を売買したとして、
    県警生活環境課などは2006年10月1日、移植を受けた水産会社役員、山下鈴夫容疑者(59)と、
    山下容疑者と内縁関係にあり売買を仲介した同社社長、松下知子容疑者(59)の2人を、
    臓器移植法(臓器売買などの禁止)違反容疑で逮捕した。
    1997年10月の同法施行後、臓器売買容疑での逮捕は初めてである。
    県警は同日、病院と容疑者宅を家宅捜索し、カルテなどを押収した。
     愛媛県宇和島市であった生体腎臓移植手術を巡る臓器売買事件で、同県医療対策室は
    10月2日にも保健所を通じて、事件の舞台となった宇和島徳洲会病院に報告を求めることを決めた。
    臓器移植法違反容疑で逮捕された山下鈴夫、松下知子両容疑者が
    ドナーを「妹」とした虚偽の申し出を、病院が見抜けなかったことを重視した。
    報告は文書か担当者を呼んで説明を求めるかたちにするか今後、調整する。
    また、同室は県内で他に腎臓移植を行う能力があるとみられる宇和島市立病院、
    愛媛大医学部付属病院、県立中央病院の3病院に対し、
    ドナーの本人確認をどうしているか、実態の聞き取り調査などを行う方針である。
    一方、同病院が院内の倫理委員会を設置していなかったことも分かった。
    松下容疑者は女性に約200万円の借金があり、「ドナーになってくれたら300万円を上乗せして返す」と
    約束したことから500万円を渡せばよかったのに、女性の口座に30万円しか振り込まなかったため、
    県警に相談されて事件が発覚して逮捕されたわけだが、
    こんなミミッチイことをしなければ悪事がばれなかったかもしれない。
    500万円をケチッて最高500万円の罰金を払わされるとは思ってもみなかったでしょう。
    腎臓を提供した女性は59歳とはいえ、300万円くらいで2個しかない腎臓を1個売れるもんかねえ。
    身内なら別だが・・・残る1個が悪くなったらどうするつもりだ! 買い戻せる?

    愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院での腎移植をめぐる臓器売買事件で、
    宇和島簡裁は2006年10月27日、臓器移植法違反(売買の禁止)罪で略式起訴されていた
    臓器提供者(ドナー)の貸しビル業の女性(59)(松山市)に対し、
    罰金100万円と謝礼として受け取った30万円の追徴、
    新車の普通乗用車(150万円相当)などを没収する略式命令を出した。
    ダイヤモンド(500万円)に目がくらみ、2つしかない腎臓を、痛い目にあいながら提供したのに、
    留置されたあげくに130万円もの出費と新車没収とは、何と哀れな貸しビル業の女性でしょう。
    内縁関係にあるとは言え、移植を受けた山下容疑者は健康を取り戻したそうである。

早期早老症 = プロジェリア
臓器提供意思表示カード(ぞうきていきょういしひょうじカード)
    「臓器の移植に関する法律」が1997(平成9)年10月16日から施行され、
    脳死状態での臓器移植に途をひらく臓器移植法がスタートしたことに伴い、
    厚生労働省では臓器提供意思表示カードの普及に努めている。
    この法律では、脳死した人の身体からの臓器の提供については、
    本人が生前に臓器提供の意思と脳死判定に従う意思があることを書面に表示して
    いることが必要とされているために、「臓器提供意思表示カード」という黄色の小さなカードができた。        
 自分の臓器を提供してもよい人は、
 このカードに脳死後の提供か、
 心臓停止による死後の提供かの
 区分(数字)を○で囲んだ上で、
 提供する臓器の名称に○、
 提供しない臓器には×をつけ、
 署名年月日を記入し、
 本人の署名と家族の署名をしておく。


 記入したカードはどこかに提出して
 登録するものではなく、
 財布や定期入れなどに入れて
いつも携帯しておけばよい。カードを携帯しておく方法以外にシールによる方法もあり、
自動車運転免許証や健康保険証に貼ることができる。

最近の臓器提供意思表示カードの表と裏
    意思表示カードなどの書面に表示された本人の意思の確認と
    家族(配偶者、父母、兄弟、子、祖父母、孫、同居の家族)の承諾がなければ、提供は行われない。
    提供者の年齢 : おおよそ「心臓=50歳以下」、「=70歳以下」、「腎臓=70歳以下」、
     「膵臓=60歳以下」、「小腸=60歳以下」とされている。しかし個人差があるので、この年齢を
      越えていても医学的判断により提供可能な場合もある。逆に15歳未満の場合は、法律上の問題から
      (民法の遺言可能年齢)、本人の意思表示に基づく脳死下での臓器提供はできない。
      また、原則として全身性・活動性の感染症や、ガン(治癒したと考えられる場合を除く)の場合は、
      提供できない。その他、各臓器別に細かい基準が設けられているが、
      いずれにしても提供可能かどうかの最終的な判断は、臓器提供の際に行われる検査結果による。
     臓器を提供する方法は、脳死判定を受けてからの提供と、心臓停止後の提供の2つがある。
     脳死判定後では、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸、眼球の提供をすることができる。
     心臓停止後では、腎臓、膵臓、眼球の提供をすることができる。
    臓器提供後は、遺体をきれいにしてから数時間程で家族に返される。善意による無償の提供になる。
    臓器移植に関する問い合わせ先 (社)日本臓器移植ネットワーク本部(HP)
     0120−78−1069 参 : 腎臓移植

    私は制度が始まった頃からカードをサイフに入れていたが、汚れたために
    2枚目のカード(1999年2月6日署名)であるが、妻の家族署名もちゃんと記載されている。
    しかし、すでに67歳の私は、肺と腎臓しか提供できないので、
    すべてに○をしていても提供できないのがほとんどとは知らなかったね。
    昔、肋膜で入院して片肺は小さくなっているし、世のためになるのは献体くらいしかないか。

    臓器提供、意思表示に新カード、改正移植法17日に施行
     日本臓器移植ネットワークは2010年7月1日、脳死での臓器提供の要件を大幅に緩和した
    改正臓器移植法が7月17日に施行されるのに合わせて新たな様式の意思表示カードを作製、
    全国のコンビニや自治体の窓口、保健所、運転免許試験場など約3万4千カ所に置くと発表した。
     来年3月末までに計350万枚を配る予定。
     新カードは表が緑色。脳死や臓器移植について説明したリーフレットと一体になっており、
    はがして裏面に記入する。(1)脳死でも心停止後でも提供(2)心停止後に限り提供
    (3)提供しない―のいずれかに○を付け、提供する場合は、
    心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球のうち、提供したくないものに×を付ける。
    特記欄には、改正法で認められた親や子、配偶者への優先提供の意思を記すこともできる。
    なお、この改正臓器移植法で、被保険者証や自動車運転免許証の裏面に「臓器提供の意思表示欄」を
    設置することも決まり、より多くの人が臓器提供の意思表示ができるようになった。
    「提供したくない臓器」の選択もできる。2011年9月現在、約1000万人が利用している。
早期発症型歯周炎 = 早期発症型歯周炎(歯の関連に別掲)
統合ATMシステム : 全国約130の金融機関のATM(現金自動預け払い機)の
    相互接続を一元的に仲介するコンピューターシステムのことで、NTTデータが開発した。
    銀行のATM・CDオンラインシステムを統合し2004年1月4日に稼動開始した。
    従来は大手銀行、地方銀行、信金など業態別にオンライン網を構築し、
    業態間の相互接続は時間帯を限って別のシステムで行っていた。統合ATMでは
    業態間の垣根がなくなり、すべての金融機関同士の通信が同一システム内部で交わされる。
    これまでは、業態の違う金融機関だとキャッシュカードを使える時間帯が限られていたが、
    新システムは24時間稼動のため、フルタイムで利用できる。
    パソコンや携帯電話からのサービス利用にも利便を図る予定になっている。
総合科学技術会議(そうごうかがくぎじゅつかいぎ) : 従来の科学技術会議を改組し、
    内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、
    科学技術の総合的かつ計画的な振興を図るための基本的な科学技術政策の企画立案及び
    総合調整を行うことを目的として、内閣府に設置された「重要政策に関する会議」の一つで、
    2001(平成13)年1月に発足した。首相が議長を務め、科学技術政策特命相、総務相、財務相、
    文部科学相、経済産業相の6閣僚議員と、元大学長ら有識者議員8人の計15人のメンバーからなり、
    5年間の科学技術基本計画を策定するほか、各省庁の関連予算要求を4段階で評価する。
    この結果に応じて財務省が予算配分する。第1期計画では大学・研究所などの施設整備を行い、
    現在の第2期計画でバイオ、IT、ナノ、環境の4分野を重点化している。
    参 : 総合科学技術会議(HP)

    15年前は2兆円に満たない国の科学技術年間予算が例外的に増額し続け、4兆円を超えているが、
    これからも医療・福祉の後退、増税などの厳しい国家財政の中、各科学技術分野の研究費などの
    必要性は大いにあるが、厳しい状況下では予算の縮小もやむを得ないでしょう。
    科学技術により暮らしが楽になることも大切だが、
    今の最低の暮らしを維持していくことの方がもっと大切である。

総合支援資金(そうごうしえんしきん) = 総合支援資金(国会・政治関連に別掲)
装甲車(Armored car:AC)そうこうしゃ : 装甲を備えた車両のことで、主に軍用として使用される。
    機構的には戦車に準じており、軽度の火力(銃器や大砲といった武装)や防護力を備えた
    戦闘用車両で、おもに兵員輸送、偵察、指揮、歩兵の車上戦闘などに使用されるほか、
    警察用としても治安(暴動の鎮圧など)、警備などにも使用される。
    また、現金輸送車や要人輸送用で固有の武装を持たない民間用や文民用の装甲車もある。
    走行装置の違いにより装軌式(キャタピラー)、装輪式(タイヤ)、半装軌式(前輪タイヤ、
    後輪装軌のハーフトラック式)の3種類があり、過去には装軌装輪併用式もあった。
    装輪式装甲車(装甲自動車)の出現は戦車よりも早く、19世紀末にはその原型がみられるが、
    本格的な発展をみたのは第一次世界大戦においてであり、路上での高速力を利用して、
    とくに偵察、警戒などの任務に多用された。運用が道路網の整備に依存する度合いが大きい関係上、
    装輪装甲車はおもにヨーロッパ諸国を中心に発達してきた。
    装軌式装甲車としては、1918年にイギリスでつくられた\号型が最初で、50人の兵員を輸送できたが、
    長足の進歩をみたのは第二次大戦後で、核兵器の脅威から歩兵を防護すると同時に、
    その機動性を高めるために装甲兵員輸送車がクローズアップされた結果による。
    最近ではその発展型として、歩兵の車上戦闘を目的とした、より重武装重装甲の歩兵戦闘車も出現し、
    またミサイルなど各種兵器のプラットフォームとしても使用されている。
    半装軌式装甲車は第二次大戦初頭からドイツ軍が、また後半にはアメリカ軍が兵員輸送用として
    大量に使用したが、装輪式と装軌式の長所をもつ反面、短所もあわせもつため
    中途半端な性格に陥りやすく、現在ではあまり使われていない。
    装輪装甲車(wheeled armored vehicle)そうりんそうこうしゃ
     タイヤによって走行する装甲を備えた車両のことである。装甲車は装輪装甲車と装軌装甲車に2分され、
     民間で用いられる装甲車は基本的にすべてがタイヤ式の装輪装甲車であると考えられる。
     単に「装甲車」と云わずに装輪であることを強調して「装輪装甲車」と云う場合は
     軍用車両を指すことが多いと考えられる。
     陸上自衛隊の装輪装甲車は隊員の移動用の車両で、最高速度は100km/hと機動性に優れている。
     車上に重機関銃などを据え付けることができる。
     小火器の銃弾をはじき返す装甲が施されているが、対戦車弾などには耐えられない。
     
     陸上自衛隊の96式装輪装甲車
    軽装甲機動車(Light Armoured Vehicle:LAV)けいそうこうきどうしゃ
     主に陸上自衛隊の普通科に配備されている軽装甲車両である。
     愛称は「ライトアーマー」で、保有する部隊内では略称をもとに「ラヴ」とも通称される。
     2002年に導入された車両で、天井が開き、隊員が乗り出して発砲することもできる。
     小火器の銃弾をはじき返す装甲が施されているが、対戦車弾などには耐えられない。
     
     陸上自衛隊の軽装甲機動車
糟糠の妻(そうこうのつま) : 苦労をかけた妻。夫婦が若く貧しかった頃から連れ添い、
    苦労を共にしてきた妻のこと。「糟糠」とは「酒糟(さけかす)」と「糠(ぬか)」で、粗末な食べ物のこと。
    【類語】●糟粕の妻(そうはくのつま)
糟糠の妻は堂より下さず(そうこうのつまはどうよりくださず) :  『後漢書−宋弘伝』の故事から、
    後漢の光武帝が、夫を失った姉(湖陽公主)との結婚を、臣下である大司馬栄弘に問うたとき、
    栄弘が答えた言葉が「貧賤(ひんせん)の交わりは忘るべからず、糟糠の妻は堂より下さず」から、
    「貧しい頃から苦労を共にしてきた妻なので、立身出世したからといって、離縁する訳には参りません」
    という意味が転じて、貧しくて地位の低かった頃の友を忘れてはいけない、
    苦労を共にした妻を家から追い出してはいけないということ。
総合評価方式(そうごうひょうかほうしき) : 現在の入札制度が可能な限り安い価格で落札する
    金額基準にあることが談合を生む要因でもあることから、従来の価格のみによる落札方式とは異なり、
    価格に加え品質や安全性、環境への影響等、業者の技術力などを加味して落札者を決定する
    調達方式で、旧建設省が1999(平成11)年から直轄の公共工事で全国で試行的に実施し、
    2000年9月から一定額以上の入札で原則化した。国土交通省は現在、
    2億円以上の公募型指名競争入札と、7億3千万円以上の一般競争入札を適用対象としており、
    2004年度は8地方整備局の工事の24%(金額ベース)がこの方式で行われた。
    国以外の公共工事にも広げることを目的の一つとして、2005年4月、
    「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(公共工事品確法)が施行された。
    技術提案の評価には専門的識見が求められ、
    導入した自治体の多くは外部の有識者を加えた審査委員会を設置している。

    総合評価方式は、新技術の開発や環境への配慮といった要素も考慮して受注者を決めるため、
    価格だけの入札に比べて事前のすり合わせが難しく、談合の防止に役立つとされるのに、
    5年近くもなるのにこの方式を知っていた自治体は全国で38%しかいなかったのである。
    橋梁工事を巡る談合事件で入札のあり方が問われているのに、
    今後も導入予定のない自治体が40%もあるのはどういうことだろうか。
    最も多い理由から「中小規模の工事が主で、技術提案の余地が少ない」
    「技術提案を求めるような工事が少ない」「審査・評価体制が不十分」と続いているが、
    工事の大小に関係なく、品質や安全性、環境への影響についは評価が出来るではないか。
    審査・評価体制が不十分なら、早急に十分な体制を構築すればよいではないか。
    5年近く何もしないでおいて軽々しく言ってほしくないね。

総合労働相談員(そうごうろうどうそうだんいん) : 労働基準監督署など全国301カ所に配置された
    労働相談コーナーで労働相談に応じる非常勤の国家公務員で、2006年4月現在で580人いる。
    厚労省によると、勤務は月15日間、1日8730円の謝金が支払われる。
    簡単な相談に乗り、解決方法や処理機関などの情報を提供している。
    企業側に法律違反の疑いがある場合は監督官に取り次ぐ。
    民事の個別紛争で解決が難しい場合は労働局長の指導、助言の下、
    紛争調整委員会によるあっせんを勧める。
    総合労働相談コーナーの役割 : ●単に法令や判例を知らない●法令や判例に対する誤解、
     といった原因から、紛争に発展することを防止したり、紛争を早期解決するために、
     労働の関連情報を提供し、相談に乗ること。
     各都道府県労働局(総務部企画室)の出先機関として、このコーナーは設置されており、
     総合労働相談員が対応する。相談の際は、プライバシー保護に配慮されているが、
     相談内容(例えばセクシュアルハラスメントの場合)により、
     女性相談員を希望する場合は、都道府県労働局総務部企画室へ問い合わせる。
    総合労働相談コーナーの対象分野(業務内容)
     労働条件、募集・採用、男女均等取り扱い、セクシュアルハラスメント、
     職場環境など労働問題に関するあらゆる分野の労働者、
     事業主からの相談を専門の総合労働相談員が面談、あるいは電話で受け付けている。
    参 : 各都道府県の総合労働相談コーナー総合労働相談Q&A厚生労働省(HP)、
        ハローワーク

    トヨタ自動車系の自動車部品メーカー「大豊工業」を1999年に定年退職し、
    2000年に豊田労働基準監督署に再就職した総合労働相談員が、
    出身企業の大豊工業の内部から同労基署に寄せられた告発内容を同社に伝えていたことが
    関係者の話でわかり、相談員は同社からゴルフ場使用の割引券をもらっていた。
    人事院によると、割引券は、相談先から利益供与を禁じる国家公務員倫理規定違反、
    情報漏れは国家公務員法の守秘義務違反などに該当する可能性があるという。
    相談員が労基署に企業を呼び出し、告発内容を教えたということだが、
    呼び出しは監督官しか権限がないことだけでも国家公務員倫理規定違反だと思う。
    本当に大豊工業はOBのすべてにゴルフ場の割引券を渡しているのだろうか。
    しかし、相談員は国家公務員だから違反になるのだ。
    徹底的に調査し、こんな悪人は刑務所に追放してほしい。

捜査(そうさ) : @捜し調べること。
    A公訴のため、捜査機関が犯人を保全し、証拠を収集・保全する活動のこと。
     捜査活動には、相手の意思に反しない範囲で行なう「任意捜査」と、
     裁判官の令状が必要な「強制捜査」があるが、任意捜査のひとつとして、
     日本でも「おとり捜査」や「泳がせ捜査」が行なわれている。
捜査特別報奨金(さうさとくべつほうしょうきん) → 報奨金
捜査報償費(そうさほうしょうひ) : 捜査用報償費。聞き込みや張り込み、尾行などの捜査活動に
    かかる諸費用や、事件解決につながる情報提供者への謝礼に使用できる経費のこと。
    捜査費は国費から、捜査報償費は都道府県費から支出される。贈収賄事件の内偵、暴力団情報、
    外事公安警察の情報収集など治安維持や重要犯罪にかかわる捜査活動に不可欠とされる。
    運用は警察庁が定めた「捜査費(国費)経費の手引き」に準じて都道府県警が処理している。
    警察庁は監査の強化などを打ち出し、「現在は不適正な会計処理はない」としているが、
    全国規模での県警の不正経理問題がひびいて、2004年度の全国の都道府県警察が支出した
    捜査用報償費は約15億円余まで激減し、2000年度の約36億円余の半額以下になっている。

    福岡県警の場合、1999年度の捜査費は約3億6800万円(宮城県警は約1億2600万円)
    で捜査報償費は約1億2900万円(宮城県警は約3700万円)だったが、その後減少し、
    2003年度は捜査費が約1億7900万円、捜査報償費が約7700万円となっている。
    宮城県でも2004年度は捜査費が約6400万円、捜査報償費が約2830万円に減少している。
    情報提供者に謝礼を払ったとしても、相手の名前が漏れないよう架空名の領収書を使うことが
    多かったが、警察庁は2004年3月、架空名の領収書を認めない方針を決めた。高知県警のほか、
    北海道警、福岡県警、愛媛県警、宮城県警など全国各地で裏金化の疑惑が噴出している。

    北海道警などで相次ぎ発覚した捜査報償費の不正支出問題に関連し、市民グループ
    「全国市民オンブズマン連絡会議」(名古屋市)は2004年8月27日、全国の警察本部に対して行った
    情報公開請求の結果を発表した。大半が最近3年間の報償費の年間支出額を回答した程度で、
    支出先などを答えた警察本部はゼロだった。同会議は1998年度分から2003年度分まで、
    47都道府県警の刑事部捜査一課、同二課、鑑識課について、捜査報償費の支出関係文書を
    開示請求した。2001〜2003年度分については宮城県警が月ごとに課別の割当額と支出額を回答。
    28県警が年間総額を答え、16県警が一部年度分や項目のみ回答した。島根県警は未回答。
    捜査報償費の不正流用が発覚した北海道警は非公開だった。1998〜2000年度分については
    年額、月額を開示したのは全体の4分の1程度にとどまった。また偽名領収証の有無を尋ねたところ、
    存在を認めたのはすでに明らかになった北海道警の弟子屈署分のみ。請求を門前払いにしたり、
    捜査上の秘密や形式の不備を理由に、全面非公開とするケースが大半を占めた。

    宮城県警の犯罪捜査報償費にからみ、浅野史郎知事は2005年6月23日、犯罪捜査報償費が
    適正に執行されているか疑問があるとして、7月分から報償費の予算執行を凍結する方針を
    明らかにした。報償費をめぐる疑惑は各警察本部で噴出しているが、知事が執行停止に踏み切れば、
    極めて異例の措置となる。捜査協力者などに支払われる報償費をめぐって、浅野知事は使途に
    疑問があるとして、県警に内部監査を求め、適正な執行であることを自ら証明するよう要求。
    これを受け県警は2005年4月、「不適正な支出はなかった」との結果を公表したが、
    知事は納得せず、捜査員への聞き取りや報償費の支出関連文書の提出などを再三、求めていた。
    しかし、県警が大半の要求を拒否したため、浅野知事は報償費予算の凍結を検討。
    東川一・県警本部長から直接、執行停止の回避を要請されたが、知事は納得しなかった。
    さらに、仙台地裁が6月21日、住民訴訟の判決で県警の報償費の支出について
    「実体がなかったと推認できる」と認定したこともあり凍結の方針を固めた。
    報償費の2005年度の当初予算は2300万円。執行停止の期間について浅野知事は
    「状況が変わらない限り永遠」と話している。県警幹部は「説明できる点はし尽くした。
    これ以上は譲歩できない」としており、現状では双方が歩み寄る余地はなくなっている。
    東川一・宮城県警本部長は、「治安情勢が厳しい中、捜査活動が著しく制約を受け、
    今後の治安確保に多大な影響を及ぼすことが懸念されるので、執行停止の回避を申し入れていたが、
    知事の理解を得られず極めて不本意で残念。県民の安全確保という負託に応えるべく、
    代替措置について早急に最善策を講じることで、治安確保に万全を期していく。」と話している。

    捜査報償費は県民税から支出されているので、県知事は予算執行権者として県民に説明できない
    予算執行を認めないのは当然であり、使途不明のまま予算化するのは県民世論にも反する。
    それにしても捜査報償費より多い国から出る捜査費を含め、毎年1県警に億単位の費用が
    必要なのだろうか。A33で疑問視している国の
官房機密費についても何十億円もの
    使途不明金を認めているのである。秘密捜査のために使途も、支出先の証明や使用目的の公開も
    不要といえども、国民の血税から支出されているので、数年後には公表できないことはない。
    したがって、使った金の領収書を残しておくのは当然のことである。

総辞職(general resignation)そうじしょく : @ある役職に就いているものが全員一緒に辞職すること。
    A内閣総辞職。内閣総理大臣とすべての国務大臣がそろって辞職すること。
     憲法は、内閣が必ず総辞職すべき場合として
      1.衆議院で不信任の決議案を可決し、または、信任の決議案を否決したときは、
        10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職しなければならない(憲69条)。
      2.内閣総理大臣が欠けたとき、総辞職しなければならない(憲70条)。
      3.衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったとき、
        総辞職しなければならない(憲70条)。 と定めているが、
      そのほかにも、内閣は外交・財政政策などの重要政策や内閣提出の重要法案が否決もしくは
      大修正を加えられ、または、主要閣僚の不信任が成立した場合に、
      あるいは政権政党の内部抗争でも、総辞職する場合がある。
     内閣が総辞職すると、その旨が国会へ通知され(国会法64条)、国会は、すべての案件に先だって
     後任の内閣総理大臣の指名をすることになっている(憲67条1項)。これを「政権の交替」という。
ソウシハギ(Scrawled filefish) : 草紙剥(そうしはぎ)。草子剥。藻姿剥。
    学名は「Aluterus scriptus」。各地に「ほうき」「おきめんぼう」「またべやちゃ」
    「せんすらー」「せんするー」などの呼び名がある。
    硬骨魚綱フグ目カワハギ科ウスバハギ属に属する海水魚で、青い波模様と黒目大の斑点、
    ウチワのような大きな尾びれが特徴である。全長80cm内外だが、1mに達するものもいる。
    カワハギの仲間で、体は側扁(そくへん)し、
    吻(ふん:口の付近から先へ突き出していたり伸縮できたりする部分)が長い。
    腹びれ後端に突起がなく、背びれ棘(きょく)は目の中央上にあり細く弱い。
    体色は灰色の地に不規則な青色線が散在する。尾びれは頭長よりも長い。
    
    ソウシハギ(海の生き物大図鑑(笑)より)
    
    ソウシハギ(魚と遊ぼう−遊遊さかな大図鑑より)。色の違いは活き・死にの差だろうか。
    同属のウスバハギは群れを形成するが、本種は単独でいることが多い。
    本州中部以南の各地と世界中の暖海に分布する。
    幼魚は体が細長く、頭を下にして海底に倒立する習性があり、
    体色も海藻に似て見えるので擬態の例とされる。
     刺し身や鍋の材料に人気のナガハギ、クロギ、ヨソギ、メイボ、ハゲなどとも呼ばれる
    ウマヅラハギによく似ており、水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県廿日市市)は
    「食べると命にかかわることがあり、見つけたら食べないで連絡してほしい」と呼びかけている。
    
    ウマヅラハギ(WEB魚図鑑より)
    ソウシハギは生育環境によっては内臓にパリトキシンという強力な毒を蓄え、
    個体によってはフグ毒の約70倍と非常に強い毒があり、
    食べると筋肉痛や手足のしびれを生じさせ、呼吸困難に陥るケースもあるという。
    沖縄で内臓を食べて豚が中毒死した例がある。
    腸の内容物にパリトキシンが検出され、これに中毒したらしい。
    内臓を除くと食べられないことはないが、素人は調理しない方がいい。
    ネットから食べた人の感想を拾うと、下ろすとカワハギよりも身は薄いが、
    透明感は本種の方がある。刺身にしてさっそく味わってみてビックリ。
    食感が豊かで、甘味旨味もあって非常に旨い。
    残りのアラの潮汁も出汁が適度にでてなかなかの味であった。そうでした。
    でもフグの70倍もの毒があるとはねえ。しかし、一度は刺し身を味わってみたい。

    
    猛毒魚ソウシハギ捕獲相次ぐ
     暖かい海に生息する猛毒魚のソウシハギが2008年末、山口県柳井市沖で捕獲された。
    広島、山口近海の採集例は2008年夏から4件となった。
    水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所は、食用にしないよう呼び掛けている。
     柳井市沖では、2008年12月25日、漁師の脇村範泰さん(46)が
    網で体長57.1cmのメスを捕獲した。8月から9月ごろにかけてても、
    山口県周防大島町、江田島市沖、広島県大崎上島町沖で1匹ずつ捕獲されている。
    同研究所によると年間の捕獲数では、これまでで最多という。
    研究所は黒潮の影響が強まっているとみており、
    「瀬戸内海では越冬できないが、まだ生息の可能性がある」と注意を喚起している。
ソーシャル・エンジニアリング(social engineering) : 社会工学。社会的手口。
    @人間の社会的行動を科学的に研究し、社会生活上の実際問題を解決しようとする学問のこと。
    Aインターネット関連用語。ネットワークの管理者や利用者などから、話術や盗み聞き、
     盗み見などの「社会的」な手段によって、パスワードなどのセキュリティ上重要な情報を入手すること。
     具体的には、メールや電話で他人になりすまして関係者からIDやパスワードなどの秘匿情報を
     聞き出したり、企業から出されたゴミの中からセキュリティに関連する資料を探し出す、
     また、パソコンで重要な情報を入力しているところを背後から盗み見たり、
     ネットワークの利用者や顧客になりすまして電話で管理者にパスワードの変更を依頼して
     新しいパスワードを聞き出す、などの手法がある。
     個人確認が不十分だったり、組織内部での機密情報の管理ルールが不完全だと、
     この手法によって容易に機密が漏洩してしまう。
ソーシャルワーカー = ケースワーカー
総住宅数(そうじゅうたくすう)
    「平成10年住宅・土地統計調査」(総務省)による同年10月1日現在の総住宅数は、
    5,025です。「住宅」とは、一戸建のほかアパートなどの共同住宅も戸数単位で含み、
    また、空き家や建築中のものも含む。昭和23年には1,391万戸であった総住宅数は、
    平成10年には5,025万戸と、半世紀で約3.6倍に増加した。平成10年の総住宅数は、
    総世帯数(4,436万世帯)を上回っており、量的には「1世帯1住宅」が完全に達成されている。
    しかし、住宅の質については、まだ十分とはいえなくて、特に、賃貸住宅については、1戸当たりの
    平均床面積が44平方メートルと、持ち家(123平方メートル)に比べて低水準にとどまっている。
    また、中古住宅の流通量は、総住宅数の約0.3%にすぎず、
    人口1,000人当たりの流通量(0.9戸)はアメリカ(18.4戸)の約20分の1にすぎない。
    このような状況では、家族世帯が新築持家以外で十分な広さを確保することや、
    高齢者が最大の資産である住宅を処分して老後の準備をすることは困難になっている。
    人生設計に応じた住まい方ができるようにするためには、
    耐久性が高く良質な新築住宅を確保することはもちろん、
    既存の住宅をリフォームして質的に向上させることにより、中古住宅、
    賃貸住宅として活用し、必要に応じて住み替えていく環境を整備することが重要で、
    政府は2001年8月、「住宅市場整備行動計画」を策定した。
    中古住宅流通市場や住宅リフォーム市場を整備していくことにより、
    2015年には、中古住宅流通市場の規模は倍増(30万戸強)するとともに、
    リフォーム市場の規模も3割増(約6兆円)に拡大し、
    リフォーム市場の拡大により約22万人の新規雇用が発生することなどが見込まれている。
    参 : 住宅市場整備行動計画(国土交通省HP)
増上寺(ぞうじょうじ) = 増上寺(宗教関連に別掲)
増税(ぞうぜい) = 増税(税関連に別掲)
ソーセージ(sausage) : 腸詰め。牛・豚・羊の腸などに調味した挽(ひ)き肉を詰め、湯煮した食品。
    湯煮ののち薫製したものもある。フランクフルトソーセージとウインナーソーセージは、
    肉を詰める腸の種類が違い、フランクフルトは豚でウインナーは羊を使う。
    人工の腸を使う場合、フランクフルトの直径は20〜36mm、ウインナーは20mm未満と定められている。
    健康効果 : コラーゲンが豊富で、骨密度を高めて骨粗鬆症を予防する。
             さらに効果を高めるにはレモン汁と一緒に摂る。
    調理のコツ : ●焼く場合は、縦に切れ目を入れて弱火で3〜5分フライパンの上で転がしながら焼く。
     ●ゆでる場合は温度が大切で、切れ目を入れずに80℃で3〜5分ゆでる。
      80℃は鍋に小さな気泡が出るくらいの温度。
双生児(twins)そうせいじ : @双子(ふたご)。双児(そうじ)
     多胎児の一つで、同じ母親の胎内で同時期に発育して生まれた二人の子供を指す。
     母体が受胎した時の受精卵の数により、「一卵性双生児」と「二卵性双生児」に大別される。
     一卵性双生児とは、精子が2つ卵子に入るのではなく、一つの卵子と精子からできた受精卵が、
     発育途中に何らかの原因で二つに分裂(多胚化)し、成長して生れることで、
     ほとんどが同じ性で、容姿も似通った2人が生まれる。二卵性双生児は、
     何らかの原因によって二つの卵子が排出(多排卵)され、それぞれ別の精子と受精して生まれる。
     一卵性双生児のうちで異なる性別の一卵性双生児のことを「異性一卵性双生児」と言う。
     また、一卵性の場合、ごく稀に卵子の分裂が不完全な状態で成長し、
     体が結合したままの出生形態の双生児を「結合双生児(シャム双生児)」と言う。
     同じ遺伝情報を持っている一卵性には、同じ動作がシンクロして行われるなど特別の現象があるが、
     二卵性の場合は、普通の兄弟と同じで遺伝情報は同一ではない。

     インド北部のウッタルプラデシュ州の人口1500人のモハンマドプリウムリ村の200世帯で、
     30組以上の双子が生まれ、インド政府の研究機関が研究調査に乗り出したという。
     一卵性双生児が誕生する確率は出産数1000人に3〜4人程度に対し、
     100人に3人と際立って高いのである。
    A星の名。陰陽。二つ星。双子座のポルックスとカストルの二星。
総選挙(そうせんきょ) = 総選挙(国会関連に別掲)
曹操(そうそう) : (155〜220)中国の後漢末期の武将で、三国時代の魏(ぎ)の基礎をつくった。
    字(あざな)は孟徳(もうとく)。諡(おくりな)は武帝。廟号(びようごう)は太祖。
    群雄割拠の中で中国北部地域を地盤にした。黄巾の乱を平定し、後漢の献帝を擁して華北を統一したが、
    江南進出は「赤壁の戦い」で孫権、劉備の連合軍に敗退し、「魏・呉・蜀」が並び立つ形になった。
    その後、息子の曹丕(そう・ひ)の代に後漢が滅亡し、魏王朝が始まった。
    曹操は博識多芸で詩賦、草書、音楽、囲棋(囲碁)、方術などをよくし、
    また兵書や兵法に精通するなど、文武両面に優れていた。
    中国では「うわさをすれば影がさす」のことを「曹操の話をすると曹操が現れる」という。
    
    三国志・曹操の陵墓?発見、60歳前後の人骨/埋葬品に「魏武王河の銘文
     中国中央テレビによると、河南省安陽市で、「三国志」に登場する英雄として知られる
    魏の曹操の陵墓を発見した、と同省文物局が2009年12月27日発表した。
     陵墓内からは、60歳前後とみられる男性と2人の女性の頭や足の骨が見つかった。
    専門家の簡易鑑定によると、この男性の骨は曹操本人のものの可能性が高いという。
     陵墓の面積は約740平方メートル。文物局が2008年12月から発掘を進めていた。
    大部分が盗掘されていたものの、二つの墓室の中からは、200点以上の金銀や鉄、銅などの埋葬品や
    鉄剣が見つかった。その中には、曹操を意味する「魏武王」という銘文が刻まれたものが含まれており、
    専門家は「最も重要な証拠」としている。
     中央テレビは「曹操をめぐっては不明な点が多く諸説があったが、
    今回の発見で多くの解明が進む」と意義づけている。(2009.12.28、朝日新聞より)
相続(succession、inheritance)そうぞく : @先代に代わって、家名などを受け継ぐこと。
    A死者が生前にもっていた財産上の権利・義務を配偶者・子などの親族が包括的に承継すること。
     相続財産は、現金や預貯金だけでなく、株式などの有価証券、宝石、貴金属、土地、建物、家財家具、
     のれん(営業権)、借地権、特許権なども含まれるが、借金などの債務についても相続することになる。
     有効な遺言があればそれに従うことになる。詳細は遺産相続で。
    B次々に続くこと。
相続税(そうぞくぜい) = 相続税(税関連に別掲)
相対性理論(そうたいせいりろん) : アインシュタインにより確立された現代物理学の基礎となる理論。
    1905(明治38)年に発表された特殊相対性理論は、特殊相対性原理と光速不変の原理とに基づいて、
    互いに等速運動する観測者どうし(慣性系)に対して、エネルギーと質量が等価であることを示す式を導き、
    電磁気学を含むすべての物理法則が同じ形で成立することを定式化したもの。
    この理論によると、時間は観測者によって異なるという相対的なものとなる。
    1916(大正5)年発表の一般相対性理論は、一般相対性原理と等価原理に基づいて、
    互いに加速度運動する観測者どうし(加速系)を含む全座標系に対して、
    すべての物理法則が同じ形で成立することを定式化したもの。
    この理論によれば、重力は時空の歪みとして記述され、光線の進路や時間の経過が重力場によって
    影響されることが示された。これによって万有引力の現象が説明された。
相対的貧困率(そうたいてきひんこんりつ) : すべての国民を所得順に並べて、中央の値の半分を
    「貧困線」(2010年調査では112万円)と定め、それに満たない人(貧困層)の割合を指す。
    つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
    この場合の所得とは、収入から税金や社会保険料を差し引いた1人当たりの可処分所得を指す。
    2009年の日本全体の相対的貧困率は16%で、前回の2007年調査より0.3ポイント上昇し、
    1986年調査以降で最悪となった。同様の指標を使っている経済協力開発機構(OECD)の調査では、
    2000年代半ばの相対的貧困率は、日本はメキシコ、トルコ、米国に次ぐ4番目の高さだった。
    国民の経済格差を表す指標なので国や地域によって貧困のレベルが違う。
    相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、
    日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。 参 : 貧困率貧しさ
雙津峡温泉(そうづきょうおんせん) : 雙津峡温泉(温泉・銭湯関連に別掲)
想定(suppose、imagine)そうてい : ある状況や、範囲などの条件を仮にきめること。
    「想像」は単に、現実では有り得ないことや起こるかもしれないことを思い描いてみることだが、
    「想定」は、それに対する対処のしかたを考慮のうちに入れていることである。
    ちなみに、「創造」は、それまでなかったものを初めてつくり出すことや、神が万物をつくること。
    被害想定 : ひとたび想定した地震や洪水などが発生するとどのような被害が発生するか推定し、
     防災対策の基礎的資料とするもの。
    想定内 : 「想定の範囲内」の略で、自分の予想や考えまたは設定した数値が、
     誤りでないことや範囲内であること。つまり、思った通りに事が運んだということ。
     いくつかの予想される事態をすべて自分の頭の中に描いていて、自分の行動に対する反応や反撃、
     さらにそれに対してとりうる対策などを、行動を起こす当初から予定しているということ。
     ニッポン放送、フジテレビの買収をねらったライブドアの堀江貴文・元社長が、
     フジテレビ側がとった対抗策へのコメントを求められた際にこの言葉を使って、一躍流行語となったが、
     簡単な言葉に翻訳すると、「想定内」は「そんなことわかってますよ」になるらしい。
    想定外 : 考えている範囲に無いこと。つまり、思った通りにならなかったこと。
     (例)ジィズニーシーは平日だから混まないと思っていたが、大混雑でまさに想定外だった。
     (例)日本ハムの新庄剛志選手が、シーズン序盤というのに突然、引退を表明したのは
        まったく想定外だった。この場合は「思ってもみなかった」の方がいいかも。
     何期も当選し、今回も必ず当選すると信じていた国会議員が、落選した時に使う言葉でしょう。
    参 : 流行語大賞
曹洞宗(そうとうしゅう) = 曹洞宗(宗教関連に別掲)
相当処分(そうとうしょぶん) : 警察が、逮捕した容疑者の身柄や任意で捜査した事件の書類を
    検察庁に送る(書類送検)際、警察が付ける犯罪事実や情状に関する4段階の意見のうち、
    刑事罰を強く求める「厳重処分」に次いで2番目に重い処分ランクをいい、起訴の可能性がある。
    4段階の意見
     @厳重処分 : 起訴して刑事罰を強く求める。
     A相当処分 : 刑事的責任に応じて起訴・不起訴の判断は検察に委ねる。
     B寛大処分 : 厳しい処分を求めない。
     Cしかるべき処分 : 起訴を求めない。通常は「相応や当然の処分」という意味で用いられる。
    警察の内規「犯罪捜査規範」で定められた手続きだが、拘束力はない。
雑煮(ぞうに) = 雑煮(料理関連に別掲)
相場操縦 = 相場操縦(株関連に別掲)
ソープ(soap) : @石鹸。シャボン。Asoap+landの和製英語の省略語で、個室式の特殊浴場。
     女性によるマッサージなどの入浴サービスを伴い、第二次大戦後、風俗営業として始まり、
     一時期「トルコ風呂」と称されていたが、トルコからクレームが付いて「ソープランド」に改められた。
    Bイギリス中西部セラフィールドにある英核燃料会社(BNFL)が運転する使用済み核燃料再処理施設。
     使用済み核燃料を年間850トン処理できる。日本からも約2700トンの処理が委託され、
     大半が終わっている。収入は原発の廃炉などに充てる計画だったが、
     ドイツ、日本など大口顧客からの受注が減り経営は難しい。
     所有権は、原子力施設の廃止を担う特殊法人「英原子力廃止措置機関」(NDA)に2005年4月、
     移された。2010年ごろの閉鎖が検討されていた。ソープ工場で、
     2005年4月中旬にわかった放射性溶液漏れ事故は、外部への放射能漏れはなかったものの、
     83立方メートルもの溶液漏れがあったのに、すぐ漏れに気づかなかった点が深刻に受け止められ、
     NDAは早期の工場閉鎖も視野に入れて、原因究明と対策に取り組んでいる。 参 : A9
僧兵鍋(そうへいなべ) : 三重県「湯の山温泉」の中腹にある天台宗のお寺である三岳寺は、
    大同2(807)年に伝教大師(僧最澄)によって開山された。戦国時代には、
    織田信長による伊勢長島の一向一揆攻めにあい、いったん焼失している。
    当時は多くの僧兵が修行していたが、その僧兵たちが、武家政治の横暴に対抗して勝利したといわれ、
    その勇気、忍耐、正義感をたたえ、今も秋に僧兵まつりが盛大に行われる。
    その荒法師たちのエネルギー源となったのが僧兵鍋である。僧兵鍋には、豚骨などでだしをとり、
    そのなかに大根・人参・蓮根・蒟蒻・牛蒡・にんにく・里芋・竹の子・椎茸・玉ねぎなどの旬の山の幸や、
    野生の猪、鹿、山鳥などの肉を大きな鍋に入れ、味噌で味を調えて煮込み、
    戦のために強靭な肉体を作ることを目的としたスタミナ食である。
    寒い季節には身体の中から温まり栄養いっぱいの野趣豊かな鍋料理で、
    現在では温泉街旅館で現代風にアレンジしたものが食べられる。 参 : 僧兵まつり
宗谷岬灯台(そうやみさきとうだい) = 宗谷岬灯台(灯台関連に別掲)
贈与税 = 贈与税(税関連に別掲)
総予算の組み替え(そうよさんのくみかえ) = 総予算の組み替え(国会・政治関連に別掲)
ソーラー・システム → OMソーラー
総領事館 = 総領事館(在外公館に別掲)
総理熱線(そうりねっせん) = 総理熱線(国会・政治関連に別掲)
僧侶の税務申告 = 僧侶の税務申告(税関連に別掲)
装輪装甲車 → 装甲車
贈賄罪(ぞうわいざい) : 公務員や仲裁人に対し、賄賂(わいろ)を与えたり、
    またはその申し込みや約束をすることにより成立する罪をいう。
    公務員は、国民の公僕として、その職務行為について清潔性・純粋性・公平性が求められている。
    そのため公務員に賄賂を贈った者を罰するため「賄賂を供与し、または申し込み、
    もしくは約束したるものは3年以下の懲役または250万円以下の罰金に処せられる」とする
    贈賄罪が設けられている。また、「公務員はその職務に関し、贈賄を収受しまたはこれを要求し、
    もしくは約束したるときは5年以下の懲役に処す」との収賄罪の規定が制定されている。
ゾエア(zoea:ラテン) : エビやカニなど甲殻類に共通の幼生の第三期にあたる卵が
    孵化(ふか)したものの総称。大きな頭胸部に、一対の複眼と枝分かれした顎脚をもつ。
    代表的なプランクトンで最も量が多く、海中の浮遊生活を営む。
    ゾエアによる皮膚炎 : ゾエアが水着の中に入り込んで刺すため、水着の下の皮膚に赤い
     ぽつぽつとした発疹(ほっしん)が多発し、ちくちくした痛みやかゆみを伴う。
     予防するには、ゾエアの浮遊する海では遊ばないことに尽き、
     海水浴後は、体はもちろん、水着もよく洗う。
     ゾエアは、7〜9月の海水が濁っているとき、台風の後、赤潮のときなどに多い。
組閣 = 組閣(国会関連に別掲)
遡及効(そきゅうこう) : 法律の効力がその施行前にさかのぼって生ずること、
    または法律要件の効力がその成立前にさかのぼって生ずること。 参 : 除斥期間
遡及調査(retrospective search:RS)そきゅうちょうさ : 過去の情報の中から必要な情報を選択し、
    調査すること。あるテーマについて、現在どのような事実が公表されているか、また、どのような研究者、
    研究機関が関与しているなど、過去にさかのぼって網羅的に調査する方法で、特許の過去の出願調査、
    献血血液の追跡調査、伝染病(家畜も含む)・性病・ウイルスなどの感染ルート調査などがある。
    特許調査の中での遡及調査 : 通常の特許権利期間は出願から20年以内のことから、
     過去の発行済みの特許公報を対象とする特許情報収集などを行うこと。
     これら遡及調査には、出願調査、公知例調査、実施可否調査、出願人(発明者)別調査などがある。
    献血血液の追跡調査 : 献血時の血液検査でウイルスなどの感染が疑われた場合、
     過去の献血歴などを調べること。繰り返し献血する人は多く、
     献血の直前に肝炎などのウイルスに感染すると、まだウイルスが増殖しておらず、
     検査をすり抜けてしまう空白期間(ウインドーピリオド)があるために過去の追跡調査を行う。
    遡及調査の方法
     @遡及調査期間A検体及び記録の保管B感染・伝播拡大防止のための通知C感染に係る検査方法
     Dプライバシーの保護E遡及調査の記録と保存F遡及調査体制の整備G医療機関の協力 など。
    遡及調査の対象となる病原体
    「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン」で対象とされた
     @ヒト免疫不全ウイルス(HIV)AC型肝炎ウイルス(HCV)
     BB型肝炎ウイルス(HBV)C梅毒トレポネーマ
族議員(political tribe)ぞくぎいん : 政権政党である与党議員の中で、専門的な知識、
    人脈でのプラス評価よりも、特定の省庁や業界との癒着体質など、マイナス面のほうが目だち、
    単なる代弁者となり下がっている議員を俗に族議員といい、1960年代末から1970年代にかけて
    現れはじめた。族議員は特定分野のエキスパートで、部会は族議員の勉強場などと言う人もいるが、
    利権政治屋としての族議員が多いせいか、改革を阻害する悪者としてのイメージが強い。
    各省庁の応援団や縦割り組織の各省庁の省益代弁者が、族議員の主たる役割で、
    公共事業に対する影響力が強い「建設族・運輸族」、自民党政調会の道路調査会を根拠地に
    建設族のなかでも、とくに道路建設に関心や利害関係を持つ「道路族」(いずれも国土交通省)、
    自民党農林水産部会を根拠地に農業・林業関係に強い「農林族水産族」、自民党厚生労働部会、
    自民党政調会医療基本問題調査会などを根拠地とし、製薬会社の利益代弁者であり、医療行政や
    福祉などに影響力の強い「社労族厚生族労働族)」(厚生労働省)、自民税調のメンバーを中心に
    税制に対する影響力が強い「税制族」、銀行、サラ金業界に影響力の強い「財政族(元の大蔵族)」、
    自民党経済産業部会を根拠地に産業関係に力をもつ「商工族」(経済産業省)、携帯電話などIT関連で
    大きな利権をもち、郵政事業民営化に反対し、郵便局を応援する「郵政族」(総務省)、援助などの
    承認をにぎっている「外交族」(外務省)、教科書検定などに影響力の強い「文教族」(文部科学省)、
    自衛隊と密接な関係を持つ「国防族」(防衛庁)、パチンコ、警備保障、
    各種規制に影響力の強い「警察族」(警察庁)、悪者になるのが難しそうな「環境族」(環境庁)などが
    分野ごとに名前を付けられていて、それぞれの分野で利権をにぎっている。
    そのうちで、自民党の五大族議員とは、道路族農林族厚生族商工族郵政族。それぞれの
    バックにいる代表的な業界団体とは、土建業界農協日本医師会経団連特定郵便局長会である。
    すなわち族議員達は、国会議員として、それぞれの省庁に強い影響力を持ち、省庁側も「省益」を
    守るために族議員を頼りにするといった構造により成り立っているが、特に公共事業関連で予算配分の
    多い建設省、運輸省、農水省、福祉の追い風を受けている厚労省、その他郵政省、防衛庁など
    利権官庁に多く生息している。つまり、関連業界は族議員の省庁への影響力に期待して陳情を行い、
    議員はそれにこたえることによって、政治献金や選挙での応援を受けるといった“もたれ合い”
    の構図である。なお、かつての複数が当選できた中選挙区時代は、特定業界の支持を固めれば
    有利に選挙戦を戦えたため、議員は特定の省庁の族議員となったが、一選挙区で1人しか
    当選できない小選選挙区制の今日においては、幅広い支持が得られないと当選できないため、
    多くの「族議員」になる“オールマイティー族”が増えているといわれている。
    自民党国会議員→「部会」「調査会」を根城に団結→族議員→官僚たちへの圧力や応援=族議員
    票とカネに汚い=族議員抵抗勢力→利益誘導の手法を実現する利権政治屋→族議員
    の関連でどことも固く結び付いている。

    古い切り抜きを整理していて、族議員について面白い記事が出てきたので紹介しましょう。
    2002(平成14)年4月4日の朝日新聞の「天声人語」より、
     「族議員」と言われて、族議員が怒ったそうだ。そのせいかどうか、牛海綿状脳症(BSE)を
    めぐる報告書で、族議員という言葉は農林関係議員に変えられた。
    ▼確かにゾク議員の語感はあまりよくない。真っ先に浮かぶのは「賊」議員という語だ。
    続いて「俗」議員か。「属」議員も思い浮かぶが、これも何かの付属物のような感じがする。
    ▼そうやって挙げていくと、どの「ゾク」も実際にあてはまりそうな気がする。というと、
    また「族」ならぬ「関係」議員の怒りを買いそうだ。いうまでもなく肝心なのは、名前より実態である。
    今回でいえば、農林「関係」議員や外務「関係」議員のあり方である。
    ▼理屈の上では、国民の公僕である役人が国民の代表である議員の意見を聞くことに
    何の不思議もない。しかし本当に「公僕」か、本当に「代表」か、という疑問があるときには、
    理屈通りにはいかない。
    ▼政官の関係といっても、まず政が政らしく、官が官らしくなることが第一だろう。
    「代表」も「公僕」もどちらに顔を向けているか、だ。当然、国民の方に向いていなければならない。
    そのうえで両者の関係をどうするか。いや、真に国民の方を向いているなら、
    それほど心配する必要はなかろう。
    ▼小泉内閣の支持率が下がり、不支持率が上がっている。
     そういえば、以前の小泉首相は国民を真正面に見据えて語りかけてくる印象があった。
     この頃、その感じが薄れた。支持率低下と無関係ではないだろう。
     国民に顔向けしにくい事情でもあるのかと疑いたくなる。
即身仏 = 即身仏(宗教関連に別掲)
即身成仏 = 即身成仏(宗教関連に別掲)
速度抑制装置(そくどよくせいそうち)スピードリミッター : 速度が90キロ以上になると、
    エンジンへの燃料供給が自動的に抑制され、それ以上加速できないようにする仕組み。
    総重量8トン以上か最大積載量5トン以上の大型トラックについて、
    2003年9月1日以降に発売される新車に装置が義務付けられた。
    すでに走っている車にも3年間で取り付けないと車検証の更新ができなくなる。
    国土交通省は最初の1年間で約30%が装着車になると予測、
    大形トラックの死亡事故は2〜4割削減できるとみている。
    このように相次ぐ高速道路での事故を防止するねらいだが、輸送時間が長くかかることに加え、
    納期の時期も予想が難しくなりそうだ。このため、長らく国内物流の中心だったトラック輸送から、
    鉄道や海運、航空に輸送を切り替える動きが出始めているが、環境汚染や騒音からも大歓迎。
    鹿児島から東京までの実験結果では、平均70キロのスピードしか出ず、
    東京までの運転時間は従来に比べ、5時間以上かかったという。長距離の鮮魚のトラック輸送は
    事実上不可能ということだが、5トン未満のトラックが倍増したのでは規制の効果はない。
即発臨界 = 即発臨界(核関連に別掲)
仄聞(happen to know)そくぶん : 側聞。うわさなどで、少し耳に入ること。人づてにちょっと聞くこと。
測量の日(そくりょうのひ) : 「測量法」が1949(昭和24)年6月3日に公布され、
    1989(平成元)年に満40年を迎えたことを機会に、国民に測量・地図への幅広い理解と関心を
    深めてもらうことを目的として、建設省(現在の国土交通省)、国土地理院等が制定した。
    測量の日を制定した平成元年以降、毎年6月3日を中心に「測量と地図のフェスティバル」
    「国土地理院技術研究発表会」「日本水準原点をはじめとする各種施設公開」等の
    測量と地図に関する情報と知識を国民に啓発する運動を広範に展開している。
    また、地方公共団体、関係団体等においても幅広く「測量の日」を中心とした行事を推進している。
    参 : 日本の国土面積
鼠蹊部(そけいぶ) : 鼠径部。下腹部で大腿(太もも)の付け根部分。
    恥骨部の両側にある三角形状の部分をいう。下方の境はももの付け根である。
鼠径ヘルニア(そけいヘルニア) = 鼠径ヘルニア(医療関連に別掲)
粗鋼生産量(そこうせいさんりょう) : 「粗鋼」とは、英語では「Crude steel」のことをいい、
    製鉄過程によってできた銑鉄から転炉などによる製鋼過程によって炭素や燐などの
    不純物を取り除いて作られた素材で、鋼材に加工される前の鋼(はがね)の半製品のことで、
    の生産規模を示す代表的な指標として使われ、
    日本の鉄鋼統計史上では1958(昭和33)年1月に採用された統計用語である。
     2005年の全世界の粗鋼生産量は11億2930万トン。
    中国が3億4940万トンで最も多く、日本が1億1250万トンで続いた。
     日本最大手の新日本製鉄の2005年の粗鋼生産量は3291万トンで、2位のJFEは2957万トン。
    
    日本鉄鋼連盟が2007年1月19日発表した2006年の国内粗鋼生産量は、
    前年比3・3%増の1億1622万トンで、2004年(1億1272万トン)をわずかに上回り、
    過去3番目の生産量だった。景気回復を受け、過去最高の1973年(1億1932万トン)、
    2番目の1974年(1億1713万トン)に迫る水準となっている。
     品種別では、代表的な建材の「H形鋼」が前年比14・4%増。
    自動車の車体などに使われる「亜鉛めっき鋼板」は1・3%増で、過去2番目の水準だった。
    建材や自動車用の鋼板に加工する前の「ホットコイル」が1・3%増で過去3番目になった。
     大企業の設備投資がバブル期以来の高水準となったことを受け、
    建設・建築業や、自動車、造船、電機など製造業を中心に、内需の需要が高かったとしている。
阻塞気球(そさいききゅう) → 気球
組織対策費(そしきたいさくひ) = 組織対策費(国会・政治関連に別掲)
訴訟(a suit、an action)そしょう : @訴(うった)え出ること。裁判を申し立てること。
     訴える者と訴えられる者を当事者とし、裁判機関が第三者としての立場から裁判を請求する
     手続きのこと。特に、紛争・利害の対立を法律的に解決・調整するために、公権力(裁判権)により、
     利害関係人を訴訟当事者として関与させて審判する手続き。民事訴訟・刑事訴訟などの別がある。
     参 : 訴訟件数形成訴訟指し止め義務づけ訴訟少額訴訟
    A不平・嘆き・希望などを人に言うこと。うったえること。
    B嘆願すること。哀訴すること。 
訴訟件数(そしょうけんすう)
    平成13年に地方裁判所において第一審の結果が出た民事訴訟事件の件数は157,451件で、
    刑事訴訟事件の人員は71,379人です。ただし、これらはそれぞれ、夫婦・親子のような身分関係を
    対象とする「人事訴訟」や訴訟にか かる費用について減免を求める「訴訟費用免除申立て」など
    特殊なものを除 く「通常訴訟事件」を対象としている。これを10年前(民事け122,919件、
    刑事:62,145人)と比べると、民事は 約30%、刑事は約15%増加している。
    一方、審理に要した平均期間は、民 事では8.5月、刑事では3.3月と、
    10年前(民事:10.9月、刑事:3.4月)と比べてやや短縮されている。しかし、その内訳を見ると、
    民事・刑事ともに6月以内に結果が出たものが大部分(民事:62.0%、刑事:92.4%)ではあるものの、
    2年を超えるものも、民事で11,383件(7.2%)、刑事で264人(0.4%)に及んでおり、
    中には5年を超えるもの(民事:1,176件、刑事:36人)もある。
    第一審の審理期間が5年を超えるような長期化した事件の中には、
    社会的 に関心の高い事件が含まれているが、三審制をとる我が国では、
    裁判の最終的な結果が出るまでにさらに時間がかかることがある。このため、
    裁判は時間がかかるという印象があり、「思い出の事件を裁く最高裁」との川柳もあるくらいである。
    裁判に時間がかかり、権利の救済が迅速に行われていない、あるいは、
    健全な経済活動や国際的な競争の足かせになっているというご意見に応え、
    司 法を国民にとって頼りがいのあるものにするためには、より速やかに判決を出し、
    権利を実現していく必要がある。現在、司法制度改革推進本部では、民事・刑事の訴訟手続について、
    第一 審の裁判の結果が2年以内に出るようにするための出発点となる法的措置を、
    2003年の通常国会に向けて具体的に検討している。 参 : 形成訴訟
訴訟能力(そしょうのうりょく) : 訴訟当事者として自ら訴訟行為をし、
    また相手方や裁判所の訴訟行為を受けるのに必要な能力のこと。
    被告の立場や重要な利害を理解し、相応な防御ができる能力で、刑事訴訟法は被告が心神喪失の場合、
    裁判所は検察官と弁護人の意見を聴き、その状態が続く間、決定で公判を停止しなければ
    ならないと定めている。事件当時、善悪判断や行動制御ができる「責任能力」とは別のものである。
租税特別措置 = 租税特別措置(税関連に別掲)
租税特別措置法 = 租税特別措置法(税関連に別掲)
そぞろ歩き : 特にこれという目的もなく、ぶらぶらと歩き回ること。散歩。
即決裁判(そっけつさいばん) : 公開の法廷で、口頭主義に基づき、
    簡略な手続きにより即日審判する形式の裁判のこと。交通事件即決裁判手続法(法律)がその例だが、
    刑事裁判の迅速化を目指し、2004(平成16)年の刑事訴訟法の改正に盛り込まれ、
    2006年10月2日から導入された即決裁判は、刑事訴訟法における手続きの一種である。
    万引き(窃盗)や外国人の不法残留、初犯の薬物(大麻覚醒剤など)使用などの
    比較的軽い罪で起訴された被告について、初公判のその日に判決まで終わらせる裁判で、
    被告が有罪を認めれば、起訴から14日以内に判決というスピード審理が実現する。
    2009年5月までに裁判員制度が始まるのを控え、
    「合理化」で浮いた時間や人、法廷を裁判員による裁判に回し、手厚く対応する狙いである。
    長引きがちだった被告の身柄拘束日数を短縮して負担を減らす効果も見込んでいる。
     平成16年中に全国の地裁と簡裁に起訴された刑事事件は約13万2000件だったが、
    このうち約1割に当たる1万数千件が即決裁判の対象になると推計されている。
    これまでは、公判1回で結審しても判決は別の日に言い渡されるケースが多く、
    起訴から判決まで2カ月以上を要していたが、原則14日以内となることで大幅な期間短縮が図られる。
    即決裁判の流れ
     事件の内容が明白で、刑の下限が懲役・禁固1年に満たない軽いケースが対象で、
     死刑や無期懲役はもちろん、1年以上の懲役や禁固にあたる事件は即決裁判の対象からは外される。
     また、実刑判決はなく、懲役・禁固には必ず執行猶予が付くことになっている。
      手続きの流れとしては、まず捜査段階で容疑者が即決裁判にすることに同意することが前提で、
     同意があれば、検察官が起訴時に裁判所に手続きを申し立てる。弁護人の同意も必要で、
     弁護人がいない場合には裁判所が速やかに選任。さらに、起訴から14日以内に公判期日を指定する。
      公判当日。冒頭に、被告が「自分は有罪だ」と認めると、正式に即決裁判に移行する。
     通常の刑事裁判のような検察側の冒頭陳述もなく、証拠調べも簡略化した方法で進む。
     原則としてその日のうちに判決が出る。いったん即決裁判を選ぶと、判決に不服があっても
     事実誤認を理由にした控訴はできず、量刑(刑の重さ)に限って控訴審での審理を求めることができる。
     このことは、裁判に関与する裁判所・検察・弁護人の法曹3者にとっても負担が軽くなる。
    参 : 日本司法支援センター

    懲役・禁固が1年に満たないことが分かっていて、しかも必ず執行猶予が付いて実刑にならないことから、
    「即決裁判に同意するか」と聞かれて「いいえ」という被告はいないに決まっている。また、
    こんな有利な条件があるのに有罪を認めない被告がいるわけがない。
    裁判で争えば無罪を勝ち取れるかもしれない微妙なケースで、
    軽い罪とはいえ冤罪を見過ごすおそれがあるかもしれないし、必ず執行猶予が付くことは、
    審理が30分程度のことも伴い、弁護士や検察官が真剣に真実解明をしないおそれまである。

袖を絞る(そでをしぼる) : 涙で濡れた袖を絞る。ひどく涙を流すことにいう。
卒塔婆 = 卒塔婆(宗教関連に別掲)
備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし) : ふだんから非常時に備えて、
    十分な準備をしておけば、いざという場合にもまったく心配がない、ということ。
    予(あらかじ)め備えがあれば、後の心配事はなくなるものである。

    『地震対策』『台風対策』『防犯強化策』『防火対策』『倒産・リストラ対策』『ケガや事故防止策』
    『子供の養育費や老後の生活のための預貯金』『海外旅行に備えての英会話』などから
    『パソコンのデータ保存』まで様々な備えがあり、平素からそれらの準備や対策を講じておくと、
    突然の災難に役立って安心度を高めることができる。

    地震など万が一災害にあった時のためにも、「備えあれば憂いなし」という意識を持ち、
    生活必需品がそろった避難用の緊急防災用品(防災グッズ)を、一家に一つは用意しておきましょう。

    ある衆議院議員が有事関連三法案の成立後に、今後何時、何がどうなるか
    予測できない現時点に立って、「自分の国は自分で守る最低限の備えはしておくべきだと思うし」、
    小泉総理の言う「備えあれば憂いなし」であります。と寄稿していたが、
    いくら軍艦や戦闘機などの兵器を十分備えていても、核ミサイル数発で日本は滅びるし、
    いざという時に友好国とされる米・露・中・韓は本当に助けてくれるのだろうか。
    2国間で相互の不可侵条約を結んでいても、日本が劣勢になると攻めてくる旧ソ連のような国もあり、
    大金を投じて「備えあっても憂いあり」にならないようにしてもらいたいもんだね。
    生活面では、備えがあっても年金給付の減額など、弱者切捨てをされては憂いばかりだ!

ソフィストケイト(sophisticate) : 正しくはソフィスティケートで、sophisticated(ソフィスティケーテッド)の
    意味でも用いられる。洗練された。洗練化。世慣れた。教養の高さ。
    趣味や態度などを洗練(優雅で品位の高いものにみがきあげる)すること。
ソフトクリーム(和 soft+cream、soft ice cream) : ソフトアイスクリーム。ソフト。
    その名の通り“ソフト”で滑らかな舌触りが特長の、あまり温度を下げず、
    軟らかいクリーム状にしたアイス・クリーム。通常「ソフトクリーム」と言うと、コーンと呼ばれる
    小麦粉で作った円錐形の容器にアイスクリームを渦巻き状に盛り付けた物を指すことが多い。
    
    京都清水寺参道の「ふじや茶舗」のソフトクリーム。どちらも300円
    私が口にするソフトクリームのほとんどは抹茶ソフトだが、マンゴーソフトがあればこちらを選ぶ

    ソフトクリームの日 : 7月3日。1951(昭和26)年7月3日、東京の神宮外苑にて、
     日本を占領していたアメリカ軍が自国の独立記念日を祝ってソフトクリームの店を立ち上げた。
     このことを契機に「魅惑の食べ物」は広まり、やがて百貨店でも販売されるようになったという。
     1990年に「日本ソフトクリーム協議会」が、この日を記念して7月3日をソフトクリームの日と制定した。
ソブリンリスク(Sovereign Risk) : 国家(ソブリン)、つまり政府や中央銀行などの融資における
    信用リスクのこと。信用リスクとは、国家がデフォルト(債務不履行)になった際に、
    購入した国債や政府保証債のような政府または政府関係機関が発行している債券などの
    元本が返済されないデフォルトリスクを指す。デフォルトの懸念が増すと、
    国債などが売られ、長期金利が上昇して投資や消費が減退する場合が多い。
    かつては政情不安などで政府の債務返済が不安視される途上国で取りざたされるケースが多かったが、
    近年は先進国であっても財政赤字や公的債務残高が多ければリスクは高いとされる。
    リーマン・ショック後、金融機関が世界的に広がるなか、銀行救済のための公的資金注入や
    景気刺激のための巨額の財政出動が各国政府に重くのしかかったことが背景にある。
    財政悪化から、2009年にギリシャでリスクが高まり、その後、アイルランド、スペイン、ポルトガル、
    イタリアにも懸念が広がっている。2011年の夏には米国の国債が初めて格下げされたほか、
    公的債務残高が巨額に達する日本の国債も格下げの一途をたどっている。
    ソブリンリスクがどれだけ高まっているかを表すのが、
    債務不履行に備える保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率。
    これが上がるとソブリンリスクも高くなると受け止められる。
    突然の政変の発生や、資本流入規制などが課せられて、為替予約の実行が
    困難になる場合に起こるリスクで、カントリーリスクと同義で使われることもある言葉だが、
    厳密に区分するならば、ソブリンリスクは特に国家への融資に関するリスクに限定されている。
ソマリア(Somalia、the Somali Democratic Republic:公式名) : 正称は「ソマリア民主共和国」。    
 アフリカの東北端部、アラビア海に面する民主共和国で、
 インド洋に突き出した国の形状から「アフリカの角」とも呼ばれる。
 1960(昭和35)年イギリス領ソマリランドとイタリア領ソマリアとが合併して
 独立したが、直後から今日まで覇権をめぐる抗争が続いている。
 遊牧が盛ん。バナナを産する。住民はソマリ族。
 95%がイスラム教徒。主要言語はソマリ語・アラビア語。首都モガディシオ。
 面積63万8千平方キロメートル。人口約870万人。
 一人あたりのGDP(国内総生産)は600ドルほどで福祉制度や医療体制が大きく立ち後れ、
 平均寿命は49歳と短い。国民の半数は飢餓状態で、子どもの4人に1人は5歳までに死亡する。
    1991年1月、反政府武装勢力により独裁体制を敷いていたバーレ大統領が首都を追放され、内戦が勃発、
    氏族が群雄割拠して無政府状態になった。1991年5月、北西部のソマリランドが独立を、
    1998年には北東部のプントランドが自治をそれぞれ一方的に宣言した。
    現在に至るまで対立勢力間の抗争が続いており、無政府状態の南部を含め3分割状態にある。
    2000年に隣国ジプチにできた暫定政府と、支援するエチオピア軍の連合軍が2006年末、
    「イスラム法廷連合」から首都を奪取した。国連特別代表は2007年1月に「平和構築の絶好の機会」と
    宣言したが、イスラム勢力が反攻に出て泥沼化した。アフリカ連合(AU)は2007年1月、
    8000人規模の平和維持部隊派遣を決めたが、現在展開しているのはウガンダ軍1200人にすぎない。
    国際テロ組織アルカイダが潜伏していると見る米国も1月、南部で空爆を行った。
    海岸線は約3千キロに及び、年間2万隻もの船が通行する要所のアデン湾や、
    ソマリア沖で海賊事件が頻発し、陸上でも外国人誘拐が多発している。
    長年の戦闘と干ばつで避難民は国内に約130万人、周辺国にも50万人いる。
    国内で320万人が援助食料を必要としているとされる。我が国は政府未承認。
    ソマリアの海賊(日経BPnetより、環境学者・石 弘之氏の記事を部分引用)
     海賊が出没する紅海からアデン湾にかけては、5つの海賊集団が出没し、
    約1000人の武装メンバーが活動している。海を熟知し、船の操縦ができる元漁民がリーダーになり、
    火器の扱いに慣れている民兵が襲撃を担当、GPS(全地球測位システム)などを使える元船員らが
    機械を担当しているという。武器は イエメンなどからも調達するが、
    内戦が続いているだけにソマリアの国内で簡単に手に入る
     船外機を付けただけの小型のグラスファイバー船をロケットランチャーなど重火器で武装、
    標的に近づくや縄ばしごを甲板に投げ入れるなどして乗り込む。「自分らの漁場を荒らされた」ことを
    大義名分にして身代金を要求する。身代金額は50万ドルから200万ドルにまで及ぶこともある。
     海賊たちに政治的要求や宗教的動機は見られず、身代金を取ることが目的である。
    人質に対しての暴力や虐待などはほとんどない。
    人質の生命を保証 し、食事はもちろん、たばこや酒などの嗜好品も与えられている。
    船会社からの身代金は米ドル紙幣を指定して、ヘリコプターから包みに入れて指定した地点に
    投下するか、防水スーツケースに入れて小舟で流す、などの方法がとられる。
     スエズ運河からインド洋を往来する年間約2万隻の商船にとっては、恐怖の航路である。
    2005年に入って多発するようになり、2007年以後はその被害範囲も
    ソマリア沖の700kmぐらいまでに広がってきた。
    現在では、世界で年間発生する海賊事件の3分の1がこの海域に集中する。
     国際海事局(IMB)によると、2008年に起きた海賊事件は111件で、前年に比べて3倍近く増えた。
    42隻が乗っ取られ、815人の乗組員が人質になった。日本が関係する船舶も12隻が発砲を受け、
    うち5隻が乗っ取られて人質も前年比で5倍の105人になった。
    日本は、2009年3月に船舶護衛のために海上自衛隊を現地に派遣した。
蘇民祭(そみんさい)
    岡山の「西大寺会陽(さいだいじえよう)」と大阪の「四天王寺どやどや」とともに日本三大奇祭の一つで、
    その名のとおり蘇民将来(そみんしょうらい)を祭り、五穀豊穰、家内安全を祈願する祭りである。
    『備後風土記(びんごふどき)』に残る説話の主人公「蘇民将来」に由来するといわれ、
    『武塔神(=素戔嗚尊)が旅の途中、貧しい兄の蘇民将来と富んだ弟の巨旦将来に宿を求めたところ、
    弟は拒絶し兄は泊めて優遇した。その後、武塔神に宿を貸さなかった弟は滅び、
    兄やその子孫は災厄を免れて栄えた』というものである。
    蘇民袋に詰まっている小間木を「蘇民将来」(=護符)と呼ぶのはこの説話にちなんだもので、
    災厄を免れるとともに福運を授ける蘇民将来をめぐり、厳寒の夜に裸の男たちが
    ぶつかりあって獲得を競う祭りである。蘇民祭は、岩手県内に多く残されていて、
    江刺市の伊手熊野神社・奥州市の黒石寺(こくせきじ)・花巻市の胡四王神社(こしおうじんじゃ)
    石鳥谷町の五大尊などや、雪が消えかかる3月になって大迫町の早池峰神社でも行われる。
    また、福島県柳津にある虚空像菩薩にも正月の奇祭として蘇民祭が伝えられていて、
    東北地方に多く残されている。いずれも五穀豊穣や無病息災を祈る祭りとされ、
    寒中裸でもみあいながら、それぞれの社寺に特定される何かを取り合うかたちが共通している。
    伊手蘇民祭(いでそみんさい)
     400年以上もの歴史をもつ奇祭で、伊手地区ではその昔、大凶作や原因不明の疫病、
     火災などが相次ぎ、住民たちが不安に陥いったために、
     五穀豊穣、火難よけ、厄よけを祈願する祭りとして始められたもの。
     2005年は、1月15日の18時から翌日2時まで岩手県江刺市の伊手熊野神社の境内で行われた。
    黒石寺蘇民祭(こくせきじそみんさい) : 黒石裸祭(くろいしはだかまつり)
     檀家の7歳になる男子2名に麻衣を着せ、籠手をつけさせ、木槌(さいづち)を持たせ、
     鬼面を逆さに背負わせ、水垢離(みずごり)をとった大人に背負われて薬師堂に登り、
     参拝する鬼子(おにご)登りの式が終ると、蘇民袋(そみんぶくろ)争奪戦
     (蘇民ねじり又は蘇民びきともいう)が始まる。五穀豊穣、無病息災を願って故事にならい、
     疫病の護符である將軍木(かつのき)を削って六方形とし、
     毎方「蘇民將来子孫門戸(そみんしょうらいしそんもんこなり)」の九字を書き、
     寸角に切って麻袋(祈願者が1日で紡いだもの)に入れた蘇民袋を檀徒の1人が抱き、
     外に向って「蘇民将来」と3度叫び終るや、裸体の若者達がこれを奪いあい、
     堂の外陣は八方から袋を目がけて飛びかかる肉弾相うつ、るつぼと化す。
     堂の外陣でひともみもんだ挙げ句、裸形の群は堂外へ潮のごとく押し出されてくる。
     氷点下、寒冷積雪の中である。西に奔り、東に飛んで、生きものの如き袋の行く方を追って奪ったり、
     奪い返えされたり、汗みどろの争奪戦が明け方までくりひろげられる。
     白一色の中に展開される男性美の極致で、1000年以上の歴史がある。
     かくて激闘3時間近くに及び、ようやく夜が明けそめる頃、取主が凱歌を挙げる時刻となり、
     袋を奪った者の地が五穀豊穣が約束されるという。
     毎年旧暦1月7日から8日にかけて開催され、2005は2月15日の午後10時から
     翌16日の午前7時頃にかけて岩手県水沢市黒石町にある天台宗妙見山黒石寺の境内で行われた。
     [季語]新年−行事。 参 : 奥州市(HP)、黒石寺(HP)、[YouTube]、[YouTube](蘇民祭2011)
    
    平成23年のポスター。黒石寺所蔵薬師如来を守る・十二神将像の摩虎羅(まこら)神将を題材
    
    平成22年のポスター
    
    平成21年のポスター        
裸祭りのポスター掲示断る 「客に不快感」とJR盛岡支社
 岩手県奥州市の黒石寺で行われる「蘇民祭」の
 観光ポスターを、市がJRの駅構内に
 掲示しようとしたところ、
 JR東日本盛岡支社が「ポスターは
 客に不快感を与えるかもしれない」と
 断っていたことが2008年1月8日に分かった。
  ポスターは写真3枚を組み合わせたもので、
 ひげ面に胸毛がある男性が大きく掲載され、
 奥に下帯姿の男性らがいる。
  奥州市によると、祭りのポスターは
 数十年作製してきたが、掲示拒否は初めてで、
 市は印刷枚数を200枚減らして1400枚とし、
 駅で張れない分は市内や首都圏で張るという。
  2007年11月28日に、市がポスターの版下を
 盛岡支社に持ち込んで掲示許可を求めた。
  JR側は本社に相談し、12月3日に
 図柄を変えない限り掲示できないと伝えた。
  市は一部修正したものの、ほかに画像がなく、
 日程や予算の問題からも、
 全面的な変更は難しかったという。
  奥州市水沢総合支所では、「来年もJRには
 駅構内の掲示を要請したい」としているが、
 JR東日本盛岡支社は、「公共交通機関の利用客が、
 不快感を覚える可能性が高くないかなどを
 今後も総合的に判断する」としている。

 JR東日本盛岡支社の田中明広報室長は「裸や胸毛自体が駄目だというのでなく、
 全体的に見る人に不快な印象を与える可能性があると判断した」と説明する。
 市水沢総合支所の佐々木禅(ゆずる)商工観光課長は
 「祭りの性格上、これまでも同様の写真はあり、今回も問題ないと考えていたのだが」と
 困惑している。ポスターの写真を撮影した佐々木さんは
 「躍動感をテーマに撮影したもの。不快と言われるのは心外だが、
 大好きな祭りなので腐らずに撮影を続けたい」と話している。
 裸をさらすことは大昔からある伝統行事なのに、「胸毛など特に女性が不快に感じる図柄で、
 見たくないものを見せるのはセクハラ」と判断したそうだが、
 「客に不快感を与えるかもしれない」だけの理由で、ポスター掲示を断るとはJR東日本も心が狭いね。
 胸毛がセクハラなら、大相撲や格闘技などで胸毛の濃い人は放送もできなくなるわけで、
 親からもらった体のままで何が悪いんだろう。
 不快に感じるかどうかは個人差があり、迫力があり、すぐに目がいくすばらしいポスターだと私は思う。
 警察がわいせつ物やセクハラと判断しない限り、少数の世間の声を過剰に意識し過ぎることはない。
 この祭りのために見物客が増えて増収になることはJRも同じで、持ちつ持たれつの関係でしょう。
  次の一昨年のポスターで、右側の人には多くの胸毛にも見えるものがあるが、
 JRの駅構内に問題なく掲示されていたのである。

 
 つまり、セクハラだというより、外見による差別だと思う。
 JR東日本盛岡支社は、誰かにセクハラと言われる前に予防線を張ったのかもしれない。
 日本古来の伝統や文化を、外見だけで封じ込むのはナンセンス。
 
 平成16年のポスター
 
 平成14年のポスター
 
 平成9年のポスター 
    胡四王神社蘇民祭(こしおうじんじゃそみんさい)
     花巻地方に原因不明の難病が流行したことから蘇民将来の説話譚に基づき
     慶応元年(1865)より始められた。無病息災・商工繁栄・家内安全・国家安穏・五穀豊穣を願って
     麓の遥拝殿で行う祈年祭に始まり白鉢巻姿に褌、腰に注連縄(しめなわ)を巻き白足袋に
     草鞋(わらじ)ばき姿の年男やスポーツ少年団による裸参りに続き山頂拝殿前に松明(たいまつ)を灯し
     境内内外を清める浄火祭を経て同境内にて勇猛果敢に一つの蘇民袋をめぐって
     奪い合いを繰り広げる一大郷土行事である。
     2005年は、1月2日の8時30分から13時頃まで岩手県花巻市矢沢の胡四王神社の境内で行われた。
    参 : はだか祭

    西大寺会陽のように前垂れ式だと緩みやすいので、前袋式に締めるのが奨励されているそうだが、
    蘇民袋と褌(ふんどし)とを間違られて大事な玉を潰されないようにフルチンがいいとか。
ソムリエ = ソムリエ(酒関連に別掲)
空の日(そらのひ) : 9月20日。1940(昭和15)年に「航空の日」として制定された。
    戦争中中断されていたが、1953(昭和28)年に復活した。日本で最初の飛行に成功したのは、
    1910(明治43)年12月19日に東京・代々木錬兵場で徳川大尉が行った飛行実験だった。
    しかし12月では気候的に「航空日」の行事に適さないため、翌年の1911(明治44)年、
    山田猪三郎が開発した山田式飛行船が、滞空時間1時間の東京上空一周飛行に成功した
    9月20日を「航空日」とした。この日を1992(平成4)年に運輸省(現在の国土交通省)航空局が
    「空の日」に改称した。「空の日」からの10日間が「空の旬間」になる。
空豆(そらまめ) : 蚕豆(そらまめ、さんとう)は漢名。ノラマメ。マメ科の一年草または越年草。
    原産地は西アジア、アフリカといわれ、古くから世界各地で栽培される。高さ約60センチメートル。
    葉は羽状複葉。春、葉腋(ようえき)に淡紫色で黒斑のある蝶形花をつける。
    豆果(とうか)は長さ約10センチメートルの狭長楕円形で、種子を2〜4個含む。
    
    空豆の花(Yahoo!画像より)
    
    空豆と食用にする種子(Yahoo!画像より)
    種子は塩ゆでにして食用とするほか、甘納豆・煮豆・餡(あん)などとする。
    豆果つまり「さや」が空に向かってつくのでこの名が付いた。
    そして、食べ頃になると重くなり、さやを下に向ける。[季語]夏−植物。
反りが合う(そりがあう) : 刀の反り具合が鞘(さや)に合うという意味から、気心がぴったりと会うこと。
    【類語】●馬が合う●意気投合する●意気相投ず
ソリューション(Solution) = ソリューション(パソコン用語)
ソリューション事業 = ソリューション事業(パソコン用語)
ソルベンシーマージン比率(solvency margin ratio)そるべんしーまーじんひりつ : 「支払い余力比率」。
    生命保険会社が契約者に保険金を支払うため、どれだけ資金に余裕があるかを数値(単位は%)で
    示したもので、保険業法で定められた保険会社の経営状態の判断に用いられ、
    経営の健全性を測る基準になる。分子に有価証券の含み益などの自己資本額(支払い余力)を置き、
    分母には大災害や資産運用による損失時などに発生する予想を超えたリスク総額の
    半分を置いて比率を求める。基準としての比率は200%が目安とされ、
    基準値が高いほどリスクへの対応力が強く会社の体力があるといえる。
    大手生保は2010年4月現在、500〜1000%前後になっている。金融庁は、この比率が
    200%を下回った保険会社に対して早期是正措置を発動して経営の改善を求めることになる。
    1995(平成7)年(施行は1996年)の改正保険業法で導入された。
    保険関係の法令の中では、「保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」という。
    近年、同指標が200%を越えていながら破たんする生保が増えたことにより、
    2001年3月期の決算から「基礎利益」という新しい指標を公表している。
    「基礎利益」とは「経営利益」から生命保険会社が保有している資産を売却することにより
    得られる利益など、いわゆる本業以外での利益である「有価証券売却損益」や
    「臨時損益」などを除いて算出したもので、保険本業の1年間の期間収益を示す指標である。
    2008(平成20)年秋以降の世界的な経済金融危機に伴い全般的に比率は低下傾向にある。
    政府はこれまでのこの比率の算出方法に甘い部分があったとして、
    算出方式をより厳格に見直す方針である。新方式は2012年にも導入される。    
大手生保の株式運用方針と体力
順位 大手生保 ソルベンシー
マージン比率
株式運用
明治安田 1212.6%
富国 1167.4%
日本  1077.7% または
大同  1072.5%
太陽 1016.6%
第一  986.0% または
住友 956.5%  
三井  698.8%  
朝日  570.7%  
横ばい、増加、減少、微減
株式運用は2010年度に国内株式に運用する
残高(簿価)の見通しで、2009年度と比較した増減。
ソルベンシーマージン比率は2009年12月末時点。
太陽と大同はT&Dホールディングス傘下
朝日新聞(2010.4.24)より
ソレニア → ベゴニア(季語の花木に別掲)
損害保険(そんがいほけん) : 損保。偶然の事故により生ずる損害を填補(てんぽ)するための保険で、
    火災保険・海上保険・運送保険・自動車保険などの種類がある。
    将来起こるかもしれない事故による損害にあらかじめ備えて、
    万一、事故が起こった場合に発生する経済的な損失を最小限に抑えることができる。
    損害保険は何に対する補償をするかによって大きく3つに分類できる。
     ●人保険 : 自分や家族などの死亡、疾病、ケガに備えるための保険
     ●物保険 : 自分や家族などの財物に対して備える保険
     ●賠償責任保険 : 第三者や第三者の財物に損害を与えてしまった場合の賠償に備える保険
    この分類から言うと火災保険は物保険になるし、傷害保険などは人保険に分類される。
    自動車保険の場合は、人・物・賠償の3つがセットになったものということになる。
    参 : 保険の第3分野
損害保険代理店(そんがいほけんだいりてん) : 損害保険会社との間で締結した
    損害保険代理店委託契約に基づき、損害保険会社に代わって客と保険契約を締結したり、
    保険料を領収することが基本業務で、損保会社が集める9割以上が代理店経由である。
    代理店の最も重要な仕事は、消費者・保険契約者と保険会社のパイプ役となり、
    消費者・保険契約者を様々な危険から守るべく最適な保険提案を行なうことである。
    業界再編や損保会社主導の合理化で、零細代理店を中心に統廃合が進み減少が続いている。
    保険販売を専業とする代理店を「専業代理店」といい、その他の業務もあわせて営んでいる
    代理店を「副業代理店」という。たとえば、ディーラー、修理工場、不動産業者、
    旅行代理店などが損害保険代理店としての業務も行っている場合などが副業代理店にあたる。
    1社の保険会社とのみ委託契約をしている「専属代理店」が約8割を占め、
    残る2割は複数の保険会社と委託契約をしている「乗り合い代理店」である。
    代理店の登録は、「個人」・「法人」のいずれもできる。
    したがって、個人が独立して代理店を営むことも、会社組織として代理店を営むことも可能である。
    代理店は圧倒的に副業が多く、自動車修理工場や地域の有力者の小遣い稼ぎといったケースも目立つ。
    参 : 日本損害保険代理業協会(HP)

    損保業界は、払うべき保険金をきちんと支払わない「保険金不払い」問題の渦中にあり、
    大手損保が軒並み、金融庁から業務停止命令を受ける異常事態に陥っている。
    損保会社側は「きちんとお客に説明しない代理店が悪い」と言い、
    代理店には「会社の制度や商品が悪い」と不満がくすぶっているが、
    代理店制度を認可した国も悪く、問題が起きると罪を相手にきせるような体質が生じるのだ。
    契約約款にしても、わざと小さな文字にしたとしか思えないような読みづらい文章を大量に並べ、
    理解しにくい専門語を多用し、契約者にすべて確認することをあきらめさせるようなことをしているのに、
    代理店の説明が悪いはないだろう。契約者の前で代理店が読んで聞かせたとしても、
    途中で契約者から「もうよい」と言われるのがほとんどだと思う。

損害保険料率算出機構(そんがいほけんりょうりつさんしゅつきこう)
    「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて、2002年7月1日から業務を開始した
    料率算出団体で、@参考純率と基準料率の算出と提供A自賠責保険の損害調査
    Bデータバンク機能、などを事業内容としている。
尊厳死(そんげんし) : 患者が「不治かつ末期」になったとき、自分の意思で延命治療をやめてもらい
    安らかに、人間としての尊厳を維持して死に至らしめること。
    参 : 安楽死リビング・ウイル延命治療終末期医療
損失補填(そんしつほてん) = 損失補填(株関連に別掲)
損失余命(Loss of Life Expectancy:LLE)そんしつよめい : 「その害で余命が何日縮まるか」といった
    統一的尺度のことで、特定の化学物質などの影響で、平均寿命がどれだけ短くなるかを表す尺度をいう。
    発ガン、神経疾患など病気の種類が違ってもリスクを比べられる。
    ある物質の環境中の濃度に生涯さらされると、
    10万人に1人はガンになるとき「生存期間が約1時間(約0.04日)減少する」と計算される。
    参 : 喫煙と健康被害

    ダイオキシン、ディーゼル浮遊粒子に続いて、「アスベスト」がリスク化学物質として
    最近問題視されているが、損失余命にして、アスベストは約0.4日なのに、喫煙は1000日以上、
    受動喫煙も120日と、アスベストにより中皮腫で死ぬと推定される人より、
    受動喫煙のせいで死ぬ人の方が200〜300倍も多いのである。
    煙草を吸う人が自分の寿命を縮めてまで喫煙することは勝手だが、
    吸わない人にしてみれば、不快な思いもさせられた上に健康まで害され、
    さらに寿命が120日も縮められることには文句を言いたくもなるでしょう。

忖度(そんたく) : 「忖」も「度」もはかる意で、他人の気持ちをおしはかること。推察。
    (例)他人の胸中を忖度する。相手の真意を忖度する。
     ちなみに「斟酌」(しんしゃく)とは、水や酒をくみ分ける意から、
    相手の事情や心情をくみとること。また、くみとって手加減すること。
    つまり、単純に相手の心情を推し量るのが忖度で、
    推し量った上で、それを汲み取って何か処置をするのが斟酌だといわれる。
尊王攘夷(そんのうじょうい) : 勤王攘夷(きんのうじょうい)。尊攘(そんじょう)
    天皇を尊び、攻めてくる夷(:外国人)を追い攘(はら:排斥)おうとする思想のこと。
    もともと別個の思想であったが、幕末期、幕藩体制の矛盾と諸外国の圧迫による危機感の中で
    両者は結びつき、次第に討幕運動へと展開、王政復古に至る幕末政治運動の指導的役割をになった。
    「尊王(尊皇)」は天皇を中心とした権力の統一国家のこと。しかし、実情は幕藩体制を否定した
    統一国家をめざしていたのではなく、幕藩体制強化のために天皇の存在を利用したにすぎない。
    この頃には、天皇とは単に祭祀を執り行うだけの存在であり、
    朝廷に対する人々の畏敬の念は薄れていた。
    「攘夷」とは、外国人排斥思想のことであるが、日本よりも格段に軍事及びその他技術力の上回る
    外国勢を目の当たりにし、この排除など不可能であることを思い知らされることになる。
    尊王論も攘夷論も、ともに封建思想であり、江戸時代を通じて存在していたが、
    水戸藩で生まれた”水戸学”という思想は朱子学の日本版とも言えるもので尊王論と攘夷論が
    融合した尊王攘夷論は水戸藩の思想家、藤田東湖(弘道館記、1838)によって最初に唱えられ、
    存在意義を失いかけていた武士や国を憂う者たちに広く支持されるようになった。
    水戸で生まれた「尊王攘夷」という言葉の意味するところは「外国勢力に対抗できるように
    幕藩体制を強化しよう!」というものだった。 1853年にアメリカ合衆国のマシュー・ペリーが
    国書を持って来日し通商を求めた。外国との条約締結を巡り幕府では朝廷に勅許(天皇のお許し)を
    求めるべきであるとする意見が出され、鎖国政策を維持するか、
    開国するかにあたり朝廷の判断を仰ぐ事となった。 参 : 安政の大獄
孫文(スン・ウェン)そんぶん : (1866〜1925)中国革命の指導者、政治家、革命家
 字(あざな) は逸仙(いつせん) 。号は中山(ちゅうざん)
 広東省出身。清朝打倒のため、1894年興中会を組織。
 1905年、東京で中国革命同盟会を結成して、
 三民主義を主唱し、革命を指導する思想とした。
 1911年の辛亥革命の際、臨時大総統となり中華民国を発足した。
 清朝を倒したが、まもなく軍閥の袁世凱(えんせいがい) と対立し、
 日本に亡命した。のち中国に戻って国民党を創設し革命の完成を
 めざしたが、その中途にて病死した。1924(大正13)年11月の
 来日時に、日本の対華21カ条要求の撤廃を訴えるとともに、
 神戸で「大アジア主義」という講演を行った。
 その講演で、日本国民に「西洋の覇道の番犬になるのか、
 東洋の王道の干城(守り手)となるのか」と迫った。
    参 : 5.4運動蒋介石孫文記念館(HP)、周恩来
損保の保険金不払い(そんぽのほけんきんふばらい) : 本来支払うべき保険金の不適切な不払いが
    自動車保険の「特約」部分などで大量に発覚し、金融庁は2005年11月、損害保険26社に一斉に
    業務改善命令を出した。損害保険各社の自動車保険の特約などの保険金不払いは、
    再調査した26社で約32万件になったことが、2006年10月6日に明らかになった。
    不払い額は総額約187億円に達した。また、三井住友海上火災保険への金融庁検査で、
    医療保険など「第3分野」の不払いも大量に発覚し、金融庁は同社を業務停止処分とした。
    同社だけでなく、損害保険大手6社で過去5年間に計4365件、
    総額12億2200万円に上る不適切な「第3分野」での保険金の不払いもあった。
    東京海上日動火災保険など大手6社の不払いは約26万2000件で、
    中堅、中小損保でも本来支払うべき保険金を出していなかったケースが約5万4000件あり、
    支払い契約を守ろうとしない損保会社の姿が鮮明になった。

    金融庁の五味広文長官は2006年10月2日の定例会見で、損害保険会社で新たな保険金不払いが
    判明したことについて「起こっている事実の内容、程度、原因に応じて同じようなことが
    再び起こらないように、行政上何をすればいいかをよく考えて、適切な対応をしていきたい」と語った。
    損害保険大手6社は2006年9月29日、金融庁の要請で再調査していた保険金の
    支払い状況に関する調査結果を公表。それによると、6社合計の不払い件数は
    26万2158件(約161億円)にのぼり、前回調査(調査時期は各社により異なる)よりも
    9万8279件(約79億円)増加した。

    2006年10月7日付の「西日本新聞」朝刊「再発防止を何回言うのか 損保不払い」によると、
    以下の通り、問題点を2つ挙げている。
    1つは、今回の再調査も前回の自主調査も監督官庁である金融庁の指示で行われたことだ。
    もう1つは前回調査から1年ほどたったにもかかわらず、不払い問題が決着しそうにないことである。
    損保各社は再発防止のための組織や意識改革に本気で取り組んできたのか疑問を持たざるを得ない。
    自浄能力も疑わざるを得ない。再調査のきっかけになったのは、
    2006年に発覚した損保ジャパンと三井住友海上火災保険による不祥事だった。
    損保ジャパンでは、金融庁の検査で、新たな保険金不払いのほか、顧客の名前の印鑑を用意し、
    無断で契約を継続するなどの不正が約3000件見つかった。
    三井住友海上では、金融庁の検査で、自動車保険だけでなく、火災保険や傷害保険、
    さらに第3分野と呼ばれる医療保険でも不払いが明らかになった。
    このため、金融庁は大手6社を含む26社に対して、第3分野商品の不払い調査の結果について、
    10月末までに届け出るように求めている。
    金融庁に指摘された経営陣の認識の甘さは本当に改まったのか。
    何回、再発防止を口にすれば姿勢が改まるのだろうか。損保業界に対する利用者の信頼低下と裏腹に
    「お上」の威光が高まるばかりでは少しばかり情けなかろう。

























































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