蝶関連(YSミニ辞典)

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揚羽蝶(swallow−tail)あげはちょう : 鳳蝶。昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科(Papilioonidae)の
    クロアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハなどの大形の蝶の総称で、多くは後ろ翅に長い突起がある。
    または同科に属するナミアゲハの別名。イギリスでswallow−tailといえばキアゲハをさす。
    日本で「アゲハチョウ」といえばアゲハチョウ亜科(Papilioninae)のチョウを指すことが多いが、
    広義のアゲハチョウ科はギフチョウやウスバシロチョウなども含む。
    ナミアゲハ(Papilio xuthus)は、単にアゲハともよばれ、
    翅(はね)の開張8〜12cmで、黄色に黒色のすじや斑点がある。
    幼虫はミカン・サンショウなどの葉を食べ、柚子坊(ゆずぼう)とよばれる。
    北海道から琉球(りゅうきゅう)列島(南西諸島)、および小笠原(おがさわら)諸島に分布する。
    日本産アゲハチョウ類中で、もっとも普通にみられる種であり、
    日本以外でも朝鮮半島、中国、台湾、グアム島などに広く分布する。
    アゲハチョウ科は世界に約500種、日本には19種を産する。幼虫の食草はウマノスズクサ科、
    モクレン科、バンレイシ科、クス科、ミカン科、キク科、エンゴサク科、ベンケイソウ科などの植物である。
    [季語]夏−動物。
    
    アゲハチョウ(写真共有サイト「PHOTOHITO」より)
    
    伊豆・下田の寝姿山で彼岸花を撮っていたら、偶然によってきたアゲハチョウ。
    残念なことに、飛び入りのアゲハの方はピントがずれている

    参 : [YouTube](アゲハ蝶の羽化 )
浅黄斑(あさぎまだら) : 浅葱斑。学名は「Parantica sita」。鱗翅目マダラチョウ科のチョウ。
    翅(はね)の開張10cm内外で、前翅は黒色、後ろ翅は茶色、それぞれの翅に淡青白色半透明の
    斑紋のある美しい種で、ゆるやかに飛び花に集まる。幼虫はガガイモ科の植物を食べる。
    日本全土から東南アジアにかけて広く分布。[季語]春−動物。
    
    アサギマダラ(フォト蔵より)
薄羽黄蝶(うすばきちょう) : チョウ目・アゲハチョウ科・ウスバアゲハ亜科に属するチョウの一種。
    キチョウと名は付くが、シロチョウ科のキチョウやモンキチョウとは異なり、アゲハチョウの仲間である。
    この混同を嫌って、和名をウスバキアゲハとする立場もある。
    日本には亜種(Parnassius eversmanni daisetsuzanus)が分布し、北海道の大雪山に多く、
    国の天然記念物として指定されている。大きさはだいたいモンシロチョウ程度で、
    翅(はね)は翅は薄く、開張5〜6cmで、半透明にも見える黄色の地色を持つ。
    これが和名のウスバキチョウの由来である。黄色ないし淡黄色で淡黒色の斑紋が散在、
    後ろ翅に橙赤(とうせき)色の紋がある。日本に産するウスバシロチョウ属のうち赤紋を有するのは
    本種のみである。また胴体はふさふさとした体毛に覆われる。
    雌は雄よりもやや大きくなるものが多く、翅の黄色味は淡くなるが、黒色部は発達する。
    交尾後の雌個体では受胎嚢を腹端に持つため容易に判別が出来る。
    幼虫はコマクサを食べ、成虫になるまで足かけ3年を要する。
    
    ウトバキチョウ(朝日家庭便利帳、1991年7月号より)
大胡麻斑(おおごまだら) : 大胡麻斑蝶。学名は「Idea leuconoe liukiuensis」。
    昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラチョウ科に属するチョウ。沖縄本島を北限とする日本最大の蝶で、
    羽を広げると15cmにも達する。琉球(りゅうきゅう)諸島に普通、現在では与論(よろん)島、
    沖永良部(おきのえらぶ)島にもまれでなく、すでに土着種と認められる。
    奄美(あまみ)大島、喜界島(きかいがしま)、トカラ列島、屋久(やく)島でときに発見されるものは
    南方からの迷チョウあるいはそれに由来する一時的な発生個体と考えられる。
    外国では台湾、フィリピン、ボルネオ島、ジャワ島、スマトラ島、マレー半島、タイ、
    ミャンマー(ビルマ)南部に分布するが、中国には産せず、マレー半島系のチョウである。
    はねの開張13cm内外。日本産のマダラチョウ科では際だって大形で、
    はねの地色は白色で多少の黒斑(こくはん)を散布し、日本およびその周辺地域にはこれに紛らわしい
    近似種はない。高所を飛ぶが、飛び方は緩やかで、花に舞い降りるものはたやすくとらえられる。
    幼虫の食草はキョウチクトウ科のホウライカガミであるが、ガガイモ科のリュウキュウガシワも
    食べるという。大きな半透明の羽には黒の斑紋があり、森林の中をゆったり飛ぶ姿はとても優雅である。
    サナギの色が黄金色をしているのが特徴。石垣市の「市蝶」にも指定されている。
    
    由布島(ゆぶじま)にある蝶々園の「オオゴマダラ」(2008.4.27、撮影)
    
    黄金に輝くオオゴマダラのサナギ                  トロピカル王国内で撮ったサナギ
    参 : [YouTube](オオゴマダラの幼虫)、[YouTube](オオゴマダラの羽化)
黒揚羽(くろあげは) : 学名は「Papilio protenor」。チョウ目・アゲハチョウ科に分類されるチョウの一種。
    成虫の前翅長は4.5〜7cmほどである。翅の表裏とも黒色で、裏面には後翅外縁に
    橙赤色の三日月紋が並び、日本産のものには尾状突起がある。オスには後翅前縁に白い帯が見られる。
    この白い帯は時間と共に黄味をおびる。春型は夏型よりも小形で、赤斑が発達し、
    色もより濃い黒色をしている。4〜8月ごろまで年に2〜4回発生する。ジャコウアゲハやオナガアゲハ、
    カラスアゲハなどと比べて尾状突起が短い。幼虫はナミアゲハと似ているが、やや茶色味が強い。
    台湾、中国からヒマラヤにかけて広く分布し、日本においては、ssp.demetriusが本州以南の
    都市近郊や山地に生息している。幼虫は、カラタチ、ユズ、サンショウ、ミヤマシキミなどの
    柑橘類の葉を食べ、蛹(さなぎ)で越冬する。[季語]夏−動物。
    
    クロアゲハ
(buterfly)ちょう : 昆虫綱鱗翅(りんし)類(目)Lepidopteraに属する昆虫の一部の呼び名。
    世界に産する種は約1万5000種、日本産は約260種。
    鱗翅目はすべて完全変態を行うので、チョウには成虫、卵、幼虫、蛹(さなぎ)の4つのステージがある。
    は、球形、半球形、まんじゅう形、砲弾形、ビヤ樽(だる)形などさまざまな形があって、
    卵殻の表面に稜(りょう)や突起、彫刻などをもつものが多く、
    卵の形態で種、属、科などの判定のできる場合が多い。
    幼虫は普通細長くて円筒形、ときにワラジムシ形。頭部1節、胸部3節、腹部10節の計14節からなるが、
    腹部末端部の分節はかならずしもつねに明瞭(めいりょう)ではない。胸部には成虫と同じく3対の胸脚、
    腹部には第3〜第6節および第10節に5対の腹脚があり、第10節のものはとくに尾脚とよぶ。
    頭部の形態、胴部(胸部+腹部)の形態はさまざまで、特異な突起や棘(とげ)をもつものなどがあり、
    その形態、色彩によって、種、属、科の判定ができる場合も多い。
    成虫の体は、頭部、胸部、腹部の3部に分かれ、頭部には1対の触角、1対の複眼および口器、
    胸部には2対のはね、3対の脚(あし)がある。触角は多数の環節からなり、有鱗あるいは無鱗、
    感覚器を備えている。複眼はきわめて大きくて頭部の過半を占め、単眼はない。
    口器は小あごの変形した吸収管となり、下唇鬚(かしんしゅ)は3節で前方に突出する。
    胸部は、前胸、中胸、後胸の3節からなり、各節に1対の脚があるが、特定の群では種々の程度に
    前脚の退化がみられる。脚は基部より、基節、転節、腿節(たいせつ)、脛節(けいせつ)
    ふ節の5節よりなり、その先端につめがある。中胸、後胸にはそれぞれ1対の膜状のはねがあり、
    これを支える中空の脈がその中を走っており、これを翅脈といい、その様相を脈相とよぶ。
    脈相はチョウの分類上の特徴として多く使用される。はねの表裏には屋根瓦(がわら)のような状態で
    鱗粉(鱗片)および鱗毛が生えており、これらは毛の変形したものである。
    種によっては雄にだけみられる特別の形の発香鱗があるが、
    これははねの正常鱗の中に散らばっていることもあり、ある部分に集まっていることもある。
    腹部は10節よりなり、外見的には特別の構造はないが、末端の9〜10節あるいは8〜10節は、
    雄では変形して交尾器をつくり、雌にもそれに相応する変形がおこっている。
    交尾器の形態は、雌雄ともに分類上の重要な特徴としてきわめて多く使用される。
    (さなぎ:pupa)はすべての付属物(触角、口器、はねなど)がキチン質の鞘(さや)に収まって
    胴部に密着しており、被蛹(ひよう)とよばれ、原始的な鱗翅目にみられる
    裸蛹(らよう)(付属物が胴部から遊離)は存在しない。チョウ類の蛹は、尾端と吐糸による
    負ぶい紐(ひも)で体を固定している帯蛹(たいよう)(アゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、
    セセリチョウ科)と、尾端を固定して頭を下にして垂下する垂蛹(すいよう)(タテハチョウ科、
    マダラチョウ科、ジャノメチョウ科、テングチョウ科)の2形式が本質的なもので、
    地表で薄い繭をつくってその中で蛹となるウスバシロチョウ類や、地表のくぼみや石の下などに
    横たわって蛹化するタカネヒカゲ属、ベニヒカゲ属は例外で、
    前記の基本型から二次的に変化したものである。
    高等植物のまったく生えていない極地や砂漠を除いて全世界に広く分布するが、
    一般に植物相の豊富な地域ほどその種類は多い。[季語]春−動物。
ブータンシボリアゲハ(Bhutanitis ludlowi) : 学名は「 Bhutanitis ludlowi Gabriel」。
    チョウ目・アゲハチョウ科・ウスバアゲハ亜科・シボリアゲハ属に分類されるチョウの一種。
    ブータンのヒマラヤ山脈の標高約2200m山腹で1933年にイギリス人により発見採取され、
    5匹の標本のみが大英自然史博物館で保存され、以後確認されておらず
    生態の解明があまり進まず「幻の大蝶」とされていた。後に「ヒマラヤの貴婦人」とも呼ばれた。
    国際自然保護連合(IUCN)により危急種の指定を受けている種である。
    2011年8月中旬に、日本蝶類学会の調査隊により以前と同じ場所で78年ぶりに再発見され、
    飛来や産卵などの様子が初めてテレビカメラで撮影され、
    共同調査したブータン政府に許可を得て5匹を採集し、現地に標本を残した。
    調査にはNHKの取材班も同行し、世界で初めてテレビカメラでこのチョウが空を舞う姿を捉えることに
    成功た。この発見を受けてブータンシボリアゲハはブータンの国蝶に指定された。
    大人の手のひらほどの大きさで、翅を拡げた長さが約12cm、4種のシボリアゲハの中では最も大きい。
    ギフチョウのような翅に鮮やかな深紅の模様があり、尾のような3本の長い突起をなびかせて優美に舞う。
    アネモネの一種の白い花などを吸蜜して、幼虫はウマノスズクサ属などを食草とする。
    定期的に木の伐採が程よく行われている二次林に生息する、山里と共に生きる蝶である。
    
    ブータンシボリアゲハの標本
    
    2011年8月中旬、日本蝶類学会の調査隊により発見されたブータンシボリアゲハ
    参 : [ニコニコ動画](幻のチョウ、日本調査隊が確認)
















































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