動物関連(YSミニ辞典)

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アマミノクロウサギ(Amami rabit、Ryukyu rabbit) : 奄美野黒兎。学名は「Pentalagus furnessi」。
    哺乳(ほにゅう)綱ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属の動物で、
    鹿児島県の奄美(あまみ)諸島の奄美大島と徳之島だけに生息する。
    1921(大正10)年に動物部門では第1号の国の天然記念物に、
    また1963(昭和38)年には特別天然記念物に指定されたが、絶滅危惧IB類(EN)にも指定されている。
    生息数約3700匹と推定されるが、森林破壊などで絶滅が心配される。
    環境省は2004年7月、種の保存法に基づく国内希少動物種に追加指定した。
    普通のウサギと比べて耳や鼻骨が短く、後足も短いため、外見はウサギらしくない。
    メキシコウサギ(中南米)やアカウサギ(南アフリカ)とともにムカシウサギ亜科に属する
    「生きた化石」の一種である。憶病な性質で、日中は深い森林の岩の下や地中に穴を掘ってすむ。
    夜行性で、移動するとき、キキッと甲高い鳴き声を発するのも特徴であるが、
    まれに日中でも森林の茂みで観察されることがある。
    食物はシダ、ススキの葉、シイの実、樹木の若葉、樹皮、果実などの植物質のものである。
    飼育下では、なぜか奄美にはないリンゴを好んで食べ、
    巣の近くに置くと、好奇心のためか、日中でもにおいにつられて出てくる。
    10〜11月と4〜5月の年2回、育児巣の中に、赤裸で閉眼の子を1子、まれに2子産む。
    雌親と子がいっしょの場合以外は、巣の外で単独で行動する。
    短い後肢は急峻(きゅうしゅん)な山を登り降りするのに適する。頭胴長44.5cm。
    
    アマミノクロウサギ
    参 : [YouTube
アルパカ(alpaca) : @偶蹄目ラクダ科の体長2m、肩高1mほどの家畜で、
     主に毛を利用するために飼育される。南米のペルー、ボリビア北部、チリ北部の、
     海抜およそ3500〜5000mのアンデス湿潤高原地帯で放牧されている。
     現在はアメリカ合衆国やヨーロッパ、ニュージーランドにもたくさん飼育されている。
    
     アルパカ
     羊のような毛と細長く伸びた首が特徴で、長いまつげや優しげな目、
     愛嬌(あいきょう)のある顔つきに「癒やし」を感じる人も多いという。
     ラマに似るが毛は約10〜12cmと長く、軽くて保温性にも優れた性質を持っている。
     そのため、アルパカの毛を原料としたセーターやカーディガンなどは高級品として人気がある。
     2008年に化学メーカーのテレビCMに登場したことをきっかけに一躍人気を博し、
     アルパカを飼育する牧場や動物園などへの見学ツアーが組まれるなど、
     ちょっとしたブームとなっている。
    A@の毛の繊維から製した糸・織物など。光沢と弾力がある。
(いぬ) = (犬関連に別掲)
(a wild boar)いのしし、しし、い : 干支では「亥」。ウシ目(偶蹄目)・イノシシ科に分類される哺乳動物。
    鼻が非常に敏感で神経質な動物である。体長1.5メートル前後。ブタの原種。ブタに似るが、
    犬歯が下顎(したあご)から上方へ突き出る。体毛は硬く暗褐色。
    
    赤ん坊イノシシには、縞模様があるので「ウリ坊」と呼ばれている
    写真はECO JAPANより借用

    ヨーロッパ中南部からアジア東部の山林原野に生息し、夜行性で雑食で、世界には約30種ほどの
    亜種がある。分布地域によってその大きさには差があり、中国東北部のイノシシには
    体重300kg以上に達するものもある。日本にはニホンイノシシとリュウキュウイノシシが分布する。
    リュウキュウイノシシはニホンイノシシよりはるかに小柄で、世界最小の亜種である。
    イノシシの子には縞模様があり、その姿がまるでシマウリ(奈良漬や鉄砲漬にするウリ)に似ているので、
    イノシシの子を俗に「ウリ坊」という。この縞模様は生後5カ月程度で消えてしう。
    イノシシの肉は山鯨(やまくじら)・ぼたんと称して食用とする。
    赤い肉に白い脂肪で縁どられているため、薄切りにして皿に盛った状態が
    牡丹(ぼたん)の花に似ていることから、イノシシの肉を「ぼたん」という。
    ぼたん鍋、ぼたん汁などを名物にしている地方(兵庫県・丹波地方、神奈川県・丹沢地方など)も多く、
    滋養強壮に効くといわれている。
    日本でお馴染みの「イノブタ」は、雌豚と雄猪の交配によって生まれた家畜である。
    「ミニブタ」とは、愛玩用に小さく改良された交雑種で、ポットベリー系、ゲチンゲン系、
    ユカタン系、会津系、オーミニ系、クラウン系、クーンクーン系以外にも、
    ハンフォードタイプ、マイクロユカタンタイプなど、多くの品種が飼育・販売されている。
    中国では猪とは豚のことで、猪は「野豚」という。だから干支もイノシシ年ではなくブタ年である。
    世界各国で十二支がみられるが、チベット、タイ、ベトナム、韓国などでも「猪」ではなく「豚」である。
    山中節の「加賀の山中恐ろし所よ夜の夜中に猪が出る」の猪とは「湯女」のことである。
    「玄猪」とは、旧暦十月の亥の日、亥の刻に、亥の子餅を食して子孫繁栄を願った「亥子祝い」のこと。
    「倭猪」とは、中国での日本人の別称で、 「小さいブタ」という意味である。
    [季語]冬−動物。 参 : 食品保存法
猪と豚の違い
項目 猪豚(イノブタ)
野生と家畜 野生の原種
(野生種)
1万年くらい前から
猪を家畜(食肉)にする
ための改良種
雌豚と雄猪を交配してつくる
一代交雑種(改良種)だが、
猪豚同士の交配可
発情期 限られている ほぼ一年中
肉質と味 臭みがありやや硬いが、
煮過ぎても硬くならない。
山椒、味噌、ねぎ、生姜、
にんにく、などで臭みをとる。
未交尾のメスが一番美味い
やわらかいが、
角煮などを除き、
煮過ぎると硬くなる
(pork)
臭みも癖も味も豚に近い。
猪よりやわらかく
豚肉よりしまりがある。
飼育期間9カ月以上1年未満を
「ゴールデンボアポーク」という。
体形 前部が大きい 後部が大きい ずん胴
(きば) ある 種類によりある ない
長い 短い 少し長い
小さい 大きい 大きい
巻いていない 巻いている 巻いていない
家畜化 天然と養殖があり、
どちらも飼育はされる
されている される
中国語 野豚(ye zhu) 猪(tun)
中国語(肉) 野豚肉 肉(猪肉)
イリオモテヤマネコ(Iriomote wild cat) : 西表山猫。学名は「Mayailurus iriomotensis」。
    動物界脊索動物門哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科ベンガルヤマネコ属に分類されるヤマネコの一種、
    もしくは一亜種の動物。世界中でただ1カ所、290kmほどの沖縄県の西表島の森林だけに生息する。
    分布域内では、主に標高200m以下にあるスダジイやカシからなる亜熱帯もしくは
    暖帯の森林に生息する。河川の周辺や低湿原、林縁などを好む。
    体長はオスが55〜60cm、メスで50〜55cm、体重はオスが3.5〜5kg、メスで3〜3.5kg、
    尾は先端まで太く、尾長は23〜25cmほどで胴が長く、四肢は太く短い。
    体は暗灰褐色で、背側で濃く腹側で淡く、多数の黒褐色の斑点(はんてん)が縦に並ぶ。
    オオヤマネコなどと同じく上あごの第2前臼歯(きゅうし)がなく、歯数は28本。
    耳の骨(聴胞)とその後ろにある骨の突起(後頭傍突起)が成獣でも離れている点が著しい特徴で、
    これにやや類似したネコ類は南アメリカのチリに産するコドコド(Oncofelis guigna)だけである。
    
    イリオモテヤマネコ(Yahoo!百科事典より)
    単独で生活し、夜行性であるが、繁殖期には日中も出歩く。
    地上性でありながら木登りや泳ぎが巧みで、潜水もする。
    原生林の中にある湿地や沼や小川、マングローブ林、草原などでカルガモやバンなどの鳥、
    トカゲやヘビ、イノシシの子、カエル、カニ、オオコウモリなどを捕食する。
    1頭で面積約700ヘクタールの行動圏(ホームレンジ)があり、3〜4日で一巡する。
    繁殖期は11月中ごろに始まり、雄は雌を求めて広い地域を歩き回り、つがいを形成する。
    雌が強く発情すると半月以上にわたる共同生活を営み、このときに妊娠を伴う交尾があると考えられる。
    妊娠期間は65日前後と推定され、5月ごろ大木の樹洞で2頭ぐらいの子を産む。
    子は1歳を過ぎるまで母親に保護される。寿命は飼育下で8〜9年。
    発見が遅く、1967(昭和42)年に新属新種として発表されたきわめて原始的なヤマネコで、
    鮮新世に滅んだ化石ネコ類のメタイルルス族の生き残りと断定されている。
    地元で「ヤママヤー」(山のネコ)「ヤマピカリャー」(山で光るもの)と呼ばれていた動物の皮と頭骨を、
    動物作家の戸川幸夫さんが日本哺乳動物学会に提出、1965(昭和40)年3月14日、
    学会は「これまでに知られていない種のヤマネコとみられる」と発表した。
    国立科学博物館の今泉吉典博士が鑑定し、1967年5月に「新属新種」とする論文を発表。
    最新の遺伝解析によると、ベンガルヤマネコの近縁で約20万年前に分かれたという説が有力だ。
    貴重な種にもかかわらず生息数は約30頭と少なく、1977(昭和52)年に国の特別天然記念物、
    国際保護動物とされ、完全な保護対策が望まれているが、
    保護区の範囲や、イノシシわなの禁止など保護の内容で住民との意見が一致せず、
    十分な保護がなされておらず、絶滅が心配されている。
    環境省による推定生息数調査では、1994年に108〜118匹だったのが、
    2008年には100〜109匹。初めて減少が確認され、
    絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧(きぐ)1A類」に格上げされた。
    生息数が減ったのは、湿地が農地改良などで乾燥化し、適地が減った影響が大きいとみられている。
    参 : ツシマヤマネコ
海豚(いるか) = 海豚(鯨関連に別掲)
ウォンバット(Wombat) : 哺乳(ほにゅう)綱有袋目(カンガルー目)ウォンバット科に属する動物の総称で、
    オーストラリアと同国のタスマニア島に生息している。名前はアボリジニの言葉で「平たい鼻」を意味し、
    日本では「フクログマモドキ」などと呼ばれる。生態は異なるがコアラに近い種族で、3〜5種に分類される。
    同科の仲間は大きさは種により非常に異なり、体形はアナグマに似てずんぐりしている。
    尾はほとんどなく、前足、後足ともに5本の指があり、後足の第1指以外には頑丈なつめがあって、
    穴を掘るのに適している。育児嚢(のう)は後方に開口し、中に1対の乳頭がある。
    丘陵地帯に普通単独で生活し、夜行性で、昼間は巣穴で休息している。おもに根、地下茎、草を食べる。
    1産1子で、子は育児嚢内で育てられ、完全に毛が生えてから外へ出る。
    性質はおとなしく、人によく慣れる。わりあい長生きで、26年間飼育された記録がある。
    
    ウォンバット
(うさぎ) = (別掲)
(うし) = (牛関連に別掲)
(うま) = (別掲)
オカピ(okapi) : 学名は「Okapia johnstoni」。シマウマにも似ているが、キリン科の哺乳類で、
    皮膚でおおわれた角、長くのびる舌など、キリンとおなじ特徴をもっている。
    肩高1.5〜2.0m、体重約200kg、尾長約40cm。
    体の背面と側面は濃褐色で、四肢には白色の横縞がある。
    雄は前額部に一対の短い角をもつ。アフリカのコンゴ地方の森林にすむ。
    20世紀初頭の1901年にイギリスの探検家ハリー・ジョンストン卿によって公式に発見された。
    ジャイアント・パンダコビトカバと共に世界三大珍獣である。
    オオカモシカのボンゴが加わると世界四大珍獣になる。
    
    オカピ(インターネット動物園より)
オランウータン(an orangutan) : 猩々(しょうじょう)
    マレー語で「森の人」を意味する霊長目ショウジョウ科の哺乳類。
    アジアで唯一の大形類人猿で、雄は背の高さ1.4メートル、体重110キロにも達する。
    上肢は長く、直立しても地に届く。全身赤褐色の長い毛で覆われるが顔は無毛。
    ボルネオ(インドネシア名・カリマンタン)島とスマトラ島だけの熱帯雨林に生息し、ドリアン、
    マンゴーなどの果実や芽などを好んで食べ、小さな群れで樹上を移動しながら広い範囲で生活する。
    母親の子育ての期間を除き、家族や集団ではほとんど生活しないユニークな存在で、
    雌の妊娠期間は約9カ月、赤子の離乳には2〜3年を要し、5〜6歳まで母親からじっくりと
    食料の採りか方、木の登り方などを教わるため、野性で独立するまで7〜10年ほどかかる。
     森林の伐採や密漁で頭数が急激に減少し、20年後にも絶滅するとも言われている。
    ボルネオのオランウータンは絶滅危惧種、スマトラのは近絶滅種に分類されている。
    
    オランウータンの子ども
ガゼル(gazelle) : 動物界脊索動物部門哺乳(ほにゅう)網ウシ目(偶蹄目)ウシ科ガゼル属に
    含まれる小型のレイヨウ類の総称。この属(Gazella)のアンテロープ(レイヨウ)は、
    アフリカ大陸だけでなくアメリカ大陸にも生息し、アラビア半島、シリア、アフガニスタン、イラン、
    パキスタン、インド、チベット北部およびモンゴルまで広く分布する。
    生息地も変化に富み、サバンナ、ステップから荒れ地や砂漠まであり、十数種が知られている。
    最大種はダマガゼル。乱獲や環境破壊で個体数が減っているものもある。
    イエメンガゼルとアカガゼルは絶滅した。
    体長は140〜165cm。体重は40〜75kg。尾はやや長めでオスは角が太く長い。
    体は細く優美で、四肢も細く長い。通常は砂色の体色で、多くは顔や体側に暗色帯がある。
    雌雄ともに角(つの)があり、横からみると始め後方に曲がり、先のほうはわずかに前方あるいは
    上方に曲がり、前方からみると竪琴(たてごと)形である。角の長さは種によって異なる。
    いずれの種も乾燥した地域に適応し、水がなくても長期間生存できる。
    夕刻または早朝に、普通は草を食べるものが多いが、砂漠地帯にすむものは小低木の葉なども食べる。
    単独で生活するもの、2頭から30頭ほどの小群でいるもの、
    あるいは大群をなすものなど、その生活様式はいろいろである。
    
    トムソンガゼルの群れ。中央左寄りに横の黒いすじのないグラントガゼルが紛れ込んでいる
    普通、子は草などの植物が多い4〜6月に産まれる。1産1子。寿命は10〜12年ほどである。
    体は小さいが走るのは速く、時速64〜96kmに達するといわれ、ジャンプも巧みである。
    ガゼル類は次の3つのグループに分けられる。
    @体は大形で、臀部(でんぶ)の白色部が大きく、尾の付け根だけでなく、腰の後部にまで達するグループ。
    グラントガゼル(G.granti) : 肩高80〜100cm、角長30〜80cm、東アフリカの草原に分布。
     体重はトムソンガゼルの3倍もあり、背も高いので肉食獣をより早く発見できる。
     トムソンガゼルのように体の横に太くて黒いすじがないが、子供の時だけ現われる。
     子供でもトムソンガゼルの大人と同じくらいのグラントガゼルはトムソンガゼルの群れの中に
     紛れ込んで敵から身を守っている。トムソンガゼルの群れが持つ圧倒的な数の力、
     グラントガゼルが持つ警戒心が強く敵を発見する高い能力、互いの長所を最大限に生かし
     最強の守りを作り上げているのだ。両者は持ちつ持たれるの関係にある。
    
    グラントガゼル(オス)
    ダマガゼル(G.gama) : ガゼル類中最大で肩高90〜120cm、角長16〜41cm、
     アフリカ西部から北部の砂漠に分布。
    A体は中形ないし小形で、臀部の白斑(はくはん)は小さく、尾の付け根までしかないグループ。
    ドルカスガゼル(G.dorcas) : 肩高50〜70cm、角長16〜38cm、
     アフリカ北東部から中近東の砂漠に分布。
    トムソンガゼル(G.thomsonii) : 小形のレイヨウで、頭胴長約1m、肩高55〜70cm、
     角長7〜43cm。角は竪琴(たてごと)状で、雄では40cmに達する。
     背は黄褐色で体側に幅広い黒色帯がある。東アフリカの草原に分布。
     小型の草食獣なので、すべての肉食獣から狙われる。
    
    トムソンガゼル(オス)
    
    メスを追うオスのトムソンガゼル
    B中形で白斑は前者と同じであるが、普通は雌に角がないグループ。
    コウジョウセンガゼル(G.subgutturosa) : 雄ののどは繁殖期に膨れる。
     肩高60〜80cm、角長25〜43cm。モンゴルからアフガニスタンの平原に分布する。
カモシカ(a Japanese serow:ニホンカモシカ、an antelope:レイヨウ) : 羚羊。氈鹿。
    偶蹄目ウシ科カモシカ属の哺乳類の総称で、シカ科にはオスに角がありメスにはないが、
    ウシ科にはオスにもメスにも角がある。ヤギに似た姿で、体色は変異に富み、
    頭胴長1.1〜1.8メートル程。急峻な岩場で生活し、植物の葉や芽を食べる。
    ヒマラヤから東南アジア、台湾、日本にかけて分布。ニホンカモシカとスマトラカモシカの二種よりなるが、
    一般には前者を指すことが多い。縮れた毛という意味の「氈(かも)」と鹿のような意から付いた名である。
    日本には世界で唯一のカモシカ専門の動物園「日本カモシカセンター」が三重県の御在所岳の
    山頂にあり、ニホンカモシカタイワンカモシカゴーラルシャモアシロイワヤギ、ジャコウウシ、サイガ、
    シーロー、チルー、ターキンの世界のカモシカの仲間10種類のうち8種類もの剥製が展示してある。
    青色の5種類については飼育されている。ニホンカモシカは水を通さず保温に優れているために
    乱獲され、昭和30年代にはわずか3000頭まで激減したが、
    国の特別天然記念物に指定されて手厚く保護され、現在で7〜10万頭いるとされている。
    
    ニホンカモシカ
    (注)日本カモシカセンターは2006年11月30日をもって閉園された。
       飼育されていたカモシカたちは各地の動物園に引き取られた。
キョン(Reeves’s muntjac) : 学名は「Muntiacus reevesi」。中国名は「山羌」。
    学名や英語名は東インド会社の茶の鑑定人で1812年に広東を訪れ、この種の記録を残した
    イギリス人(John Reeves)にちなむ。和名は「羌」を台湾語で読んだ「Kiong(キオン)による。
    哺乳綱偶蹄目シカ科ホエジカ属に分類されるシカで、体長70〜100cm、肩高40〜50cm、
    10〜15kgほど。体毛は黄褐色。オスには5cmほどの短い角と、牙もあり、上顎犬歯は牙状に伸びる。
    目の下方に臭腺(眼下腺)の開口部があり、目が四つあるように見えることから
    四目鹿(ヨツメジカ)とも呼ばれ、犬のような声で鳴く。群れは形成せず単独で生活する。
    草食性で木の葉や果実等を食べる。繁殖形態は胎生で1回に1匹の幼体を出産する。
    中国南部・台湾の森林地帯、低木林に生息する。
    
    キョン
     日本では元々動物園で飼育されていた個体が逃げ出し、野生化している。
    農作物への被害や生態系への影響が懸念されることから、
    外来生物法により、2005年に特定外来生物に指定され、
    許可なく日本国内に持ち込んだり国内で飼育したりすることは禁止されている。
    今、千葉県内で、2001年8月31日で閉園した行川(なめがわ)アイランドから
    逃げ出したキョンが5,300頭もの大繁殖をしている。
麒麟(きりん) = 麒麟(別掲)
(くじら) = (鯨関連に別掲)
コアラ(koala) : 学名は「Phascolarctos cinereus」。哺乳(ほにゅう)綱有袋目クスクス科の動物。
    コモリグマ、フクログマ、キノボリフクログマともいう。オーストラリア南東部に分布する。
    コアラは水をほとんど飲まず、水分を新鮮なユーカリから摂取するため、
    オーストラリア原住民の言葉アボリジニで「水を飲まない」を意味する「コアラ」と名付けられた。
    頭胴長60〜80cm、体重4〜15kg、尾はほとんどない。鼻鏡は大きく裸出する。
    前足、後ろ足ともに5本の指がある。前足の第1、第2指はほかの指に対向し、枝を握るのに適している。
    後ろ足の第1指は短くて太くつめを欠き、ほかの指に対向し、第2、第3指は結合する。
    雌の腹部には育児嚢(のう)があり、後方に開口し、内部に2個の乳頭がある。体毛は羊毛状で密生し、
    上面は暗灰色、下面は灰白色である。盲腸は哺乳類中もっとも長く、体長の約3倍で2.4mもある。
    樹上生で、ユーカリの森林地にのみ生息する。夜行性で、昼間は木の叉(また)などで休息し、
    夜ユーカリの葉だけ食べる。コアラが食指を動かすのは、600種ほどあるユーカリ類のうち、
    わずか35種ほどである。単独で生活することが多く、性質はおとなしく、動作も緩慢である。
    妊娠期間約35日で、普通1頭の子を産む。子は未熟な状態で産まれ、
    頭胴長1.7〜1.9cm、体重1g以下、毛は生えていない。育児嚢内で数か月育てられ、
    その後約半年は雌親に背負われている。離乳時に、雌親の肛門(こうもん)に口をつけて、
    なかば消化したユーカリの葉の特殊な軟便を離乳食として食べる。
    寿命は15〜20年。1985年現在、オーストラリア以外では、アメリカのサン・ディエゴ動物園、
    ロサンゼルス動物園と日本の東京都多摩動物公園、名古屋市東山動植物園、
    鹿児島市平川動物公園で飼育されている。2010年12月31日現在では8園館で、
    49頭(オス14、メス32、不明3)が飼育されている。日本へきたのは1984(昭和59)年10月である。
    毛皮のために乱獲されて数が減ったので、現在は保護されている。
    
    コアラ
    
    同上
    参 : (社)日本動物園水族館協会(HP)
コビトカバ(Pigmy Hippopotamus) : 学名は「Choeropsis liberiensis」。小人河馬。リベリアカバ。
    偶蹄(ぐうてい)目カバ科の哺乳類。体長1.7〜2m、体重160〜275kg、体高70〜92cm、
    尾長15〜20cmで、体形は普通のカバに似るがはるかに小形で、指間に水かきがない。
    体は紫褐色。湿地を好み、草や樹根などを食べる。西アフリカのリベリア・ギニアなどの森林にすみ、
    水中にはあまり入らない。1844年にリベリアで発見された絶滅危惧種の国際保護動物で、
    オカピジャイアント・パンダと共に世界三大珍獣である。オオカモシカのボンゴが入ると世界四大珍獣。
    
    コビトカバ(インターネット動物園より)
鹿(deer)しか : 哺乳(ほにゅう)綱鯨偶蹄(クジラぐうてい)目シカ科に属する動物の総称。
    ニホンジカ、トナカイ、ヘラジカなどが属しており、約16属36種が世界中の森林に生息している。
    この科Cervidaeの仲間は、枝角(えだづの)をもち反芻(はんすう)する偶蹄類で、
    南北アメリカ、ユーラシアに広く分布する。
    草食性で牛のように4つに分かれた胃を持ち、反芻による消化を行う。オスは枝分かれしたツノを持つ。
    多くのシカ科のメスはツノを持たないがトナカイはオスメス共にツノを持つ。
    ウシ科の動物のツノ(洞角)は骨の芯があり生え替わらずに一生伸び続けるが、
    シカのツノ(枝角)は皮膚が盛り上がって作られるもので毎年生え替わる。
    角は触ると硬いが、水につけていると自然と軟らかくなる。
    縄文人たちはこうする事で角を釣り針や矢じりなどの自由な形に加工していたと考えられている。
    体の大きさは体重6〜8kg程度のプードウー(チリ、アルゼンチンなどに生息)から、
    体重800kgにも及ぶヘラジカ(ムース)まで様々である。[季語]秋−動物。
    ニホンジカ : 日本鹿。学名は「Cervus nippon」。アムールからベトナムに及ぶ東アジア沿岸部及び
     日本列島に分布するシカの一種。日本では北海道から九州、その他の島々に広く棲息し、
     日本人にとってなじみ深い大型哺乳類である。頭胴長110〜170cm、尾長8〜20cm。
     全身は茶色だが、尻の毛は白く縁が黒い。夏には胴体に白点が出現し、冬になるとほぼなくなる。
     オスは枝分かれした角を持ち、春先になると落下し新たな角に生え換わる。
    奈良のシカ : 若草山や春日大社のシカが有名だが、飛火野(とびひの)にある公園では、
     広く青々とした芝生の上で気ままに生活しているシカを見ることができる。
     1957(昭和32)年9月、国の天然記念物に指定された。
     春日大社と鹿の縁起はかつて春日大社の主祭神が鹿島から三笠に遷座した際、神が座したという
     白鹿が同地で繁殖したものとされている。以来、鹿は神使の子孫として丁重に保護されてきた。
    
    興福寺前の鹿(2011.4.2撮影)
    
    春日大社の親子鹿(同上)
縞馬(a zebra)しまうま、ゼブラ : 斑馬。哺乳(ほにゅう)綱奇蹄(きてい)目ウマ科のシマウマ亜属と
    グレビーシマウマ亜属に含まれる動物の総称。肩高1.2〜1.5メートルほど。
    体の地色は白ないし淡い黄土色で、黒色ないし濃褐色の明瞭(めいりょう)な縞がある。
    ラという。アフリカ大陸のサバンナと山地の草原に群れをなしてすむ。
    現存するウマ科動物のうちで、もっとも原始的なグループである。
    歯の数は合計40〜42本、やロバと同じである。
    染色体数は、ノウマが66本、ロバが54〜62本であるが、シマウマは32〜46本である。
    
    グラントシマウマの親子(富士通の壁紙より)
    
    
シマテンレック(Streaked Tenrec) : 学名は「Hemicentetes semipinosus」。
    インド洋の島国、マダガスカルに生息するテンレック目・テンレック科の小型の哺乳(ほにゅう)類。
    シマテンレックは約30種が知られるハリネズミのような姿の「テンレック」の仲間で、
    「尿」と「糞」、「子供を生み出す」ための管が1つになっている原始的な特徴を持っている。
    他の哺乳類にくらべて、体温は低く、エサの少ない時期はさらに体温を下げて休眠する。
    シマテンレックは、18頭くらいになる家族をつくり、主にミミズなどの無脊椎動物を食べる。
    体長15〜19cm、体重80〜280gの小動物で、外見はハリネズミのようだが、
    遺伝子解析の結果、ゾウやジュゴンに近いことが最近分かった。
    全身が針状の太い体毛で覆われ、背中の後ろの方に特殊なとげが15本程度密集して生えている。
    とげは成体で長さ8〜9ミリ、直径0.8ミリ。他の体毛よりさらに太く短く、ギザギザの刻みがある。
    とげの下の皮膚には長さ2センチ弱、幅約1センチ、厚さ約3ミリの薄い円盤状の
    特殊な筋肉が見つかった。この筋肉は特に素早い動作が可能な「速筋」でできており、
    とげを高速でこすり合わせて「ジー」という音を出す珍しい特性を持っている。
    背中にあるとげをこすり合わせて音を出す詳しい仕組みを、東京大総合研究博物館の
    遠藤秀紀教授(遺体科学)らが発見した。羽をこすり合わせて音を出すスズムシやコオロギと似た原理。
    同様の仕組みを持つ哺乳類は他になく「島国での極めて特異な進化の結果」だという。
    とげで音を出すことは知られていたが、解剖して体の部位を調べ初めて詳しい仕組みが分かったという。
    遠藤教授は「シマテンレックのように半分地下で生息する動物は、(視覚が制限されるため)音での
    コミュニケーションが重要。シマテンレックはのどが小さいため発声が難しく、
    独自の発音機構を進化させたのではないか」と話している。
    
    シマテンレック
(ぞう) = (別掲)
ツシマヤマネコ(Tsushima leopard cat) : 対馬山猫。学名は「Prionailurus bengalensis euptilurus」。
    哺乳(ほにゅう)綱ネコ目(食肉目)ネコ科に属する動物。近年になって南アジアから東南アジアに
    分布するベンガルヤマネコ(Prionailurus bengalensis(シノニム:Felis bengalensis)の
    亜種であるアムールヤマネコ(P.b.euptilurus)の変種として位置づけられた。
    日本国内に分布するネコ類は、イエネコを除けば、対馬のツシマヤマネコと、
    西表島イリオモテヤマネコの2種のヤマネコのみである。
    本亜種は長崎県対馬やモンゴル、中国大陸北部、東シベリア(アムール川流域)、
    朝鮮半島、済州島などに分布し、体長45〜60cm、体重3〜5kg、尾長25cmほどである。
    マンシュウヤマネコ(P.b.manchurica)またはチョウセンヤマネコと呼ぶこともある。
    その場合、これらのヤマネコのうち対馬に生息するものを特に「ツシマヤマネコ」と呼ぶことになるが、
    これは亜種のさらに下位グループとなるので、変種(地域個体群)扱いとなる。
    また、地元対馬の人々の間では、山に住むトラ毛に因み「とらやま」「とらげ」と呼ばれていた。
    地域によってはツシマヤマネコの餌となる動物が住む水田付近でも見かけられることから
    「田ネコ」「里ネコ」と呼んでいた。国の天然記念物に指定され保護されている。
    1994(平成6)年には環境庁(当時)によって国内希少野生動植物種に指定された。
    長崎県対馬市上県町(かみあがたまち)にある対馬野生生物保護センター(1997年に設置)では、
    ツシマヤマネコをはじめ絶滅のおそれのある野生生物の生態や現状について普及啓発活動を
    行っており、2003(平成15)年からはツシマヤマネコの一般公開も実施している。
    
    ツシマヤマネコ(対馬野生生物保護センター(HP)写真館より)
動物愛護法(どうぶつあいごほう) : 「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)の略称で、
    「動管法」とも呼ばれる。動物の虐待防止や適正な取り扱い方などの動物愛護に関する事項、
    人に対する危害や迷惑の防止などを図るための動物の管理に関する事項を定めた法律で、
    1973(昭和48)年9月に「動物の保護及び管理に関する法律」として、議員立法で制定された。
    1999(平成11)年12月の第146回国会において改正、名称変更された。
    法律の対象となる動物は、家庭動物、展示動物、実験動物、産業動物などの人との関わりのある
    動物とされていて、第27条第4項には、「牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、
    いえばと及びあひる」(第1号)「前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、
    鳥類又は爬虫類に属するもの」(第2号)が、「愛護動物」であると書かれている。
    第2号を噛み砕くと、「人が飼ってる哺乳類、鳥、爬虫類」が「愛護動物」と言う事になる。
    2000年12月に動物愛護法が改正施行された。動物を単なるモノでなく、初めて「命あるもの」と規定し、
    「人と動物の共生に配慮し」と明記され、動物を虐待した者への罰則が「3万円以下の罰金」から
    「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に強化された。
    えさや水を与えずにペットを衰弱させた者に対しても「30万円以下の罰金」が設けられたが、
    2006年6月1日の改正で50万円以下に強化された。さらに、これまで法の監視下になかった
    動物取扱業者に都道府県への届け出を義務づけられた。また、2006年6月の改正で、
    「登録制」の導入と「動物取扱責任者」の選任及び研修が義務付けられた。
    個体識別措置及び特定動物の飼養等規制が全国一律化され、人の生命等に害を加えるおそれが
    あるとして政令で定める特定動物について、マイクロチップ等の個体識別措置が義務付けられた。
    実験動物の福祉の向上を図り、配慮事項として@動物の苦痛の軽減(Refinement)
    A使用数の削減(Reduction)B代替法の活用(Replacement)の「3Rの原則」が明記された。
    動物取扱業として、新たに、インターネットによる販売等の施設を持たない業が追加された。
    また、「動物との触れ合いの機会の提供」が含まれることが明確化された。
    主な内容 : ●動物虐待の禁止●適正飼育の義務●犬や猫の繁殖制限の義務
     ●ケガをした動物を見つけた場合の通報●犬や猫の引き取りについて●動物愛護週間について
    参 : 動物の殺処分動物の愛護及び管理に関する法律
動物園(Zoo)どうぶつえん : 生きた動物を収集・飼育・研究し、繁殖させ、これを教育、
    レクリエーションなどのために一般の観覧に供する施設のことで、法令上は博物館の一種とされる。
    東京都立の「多摩動物公園」のように広い場所での飼育法、展示法を目指した動物園や、
    大規模な動物園を「動物公園」とも呼ばれる。普通は陸上の動物を中心として扱うものを指す。
    水中の動物を中心として扱うものは特に水族館とされ、
    動物園の特殊な形態としてサファリパークや移動動物園、鳥類園などがある。
    1752年開設のウィーンのシェーンブルン動物園が世界最初とされる。
    参 : 徳山動物園
動物園でぜひ見たい動物ランキング    
順位 見たい動物 記    事
パンダ
(ジャイアント
 パンダ)
中国・四川省の高地の竹林などにわずかに生息する。
現在、日本国内ではアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)、
神戸市立王子動物園で飼育中。体長1.2〜1.7m、
体重約100kg。前足には5本の指のほかに「第6の指」と
呼ばれる突起があり、これを使って器用に竹をつかんで食べる
1345
ゾウ( アジアゾウは体重3〜5トン。アフリカゾウは7トン以上に
なるものも。長い鼻の中に一度に大量の水を
吸い込むことができ、鼻先は器用に動く
1076
ライオン ネコ科の動物は群れをつくらないが、
ライオンだけは1〜3頭の雄と数頭の雌、子どもたちからなる
10〜30頭の「プライド」と呼ばれる群れで暮らす
803
キリン(麒麟 陸上で最も背が高く、舌は50cm近い 795
ペンギン 水中では飛ぶように自在に泳ぎ回る 604
コアラ ユーカリの葉しか食べない 599
トラ ライオンと並ぶネコ科最大の動物 545
ゴリラ 動物質のものをほとんど食べない「菜食主義者」。
ヒトをふくむサルの仲間で、最も大きな体をしている
468
ホッキョクグマ
北極熊
泳ぎや潜水がとてもうまい 461
10 オランウータン 長い腕で枝から枝へ渡って森を移動する 403
11 レッサーパンダ
12 オオカミ
13 ニホンザル
14 カピバラ
15 チンパンジー
16 アルパカ
17 ヒョウ
18 カバ
2010.4.3、朝日新聞「beランキング」掲載。3988人から回答を得た。調査の方法は、
動物園に出かけたら「ぜひ見たい」「魅力を感じる」という動物を60の選択肢から三つまで
選んでもらった。動物園に期待することは「本来の姿を見せる展示」が過半数で最多。
日中国交正常化の象徴として、上野動物園に初めて2頭のパンダ「ランラン、カンカン」が
やって来たのは1972(昭和47)年のことだったが、現在の中国にはレンタル料として
ペアで年約8500万円もの巨額の金を払わなければならない。
動物の殺処分(どうぶつのさつしょぶん) : 法律上は家畜伝染病予防法のみに書かれている用語だが、
    近年は政令「動物の殺処分方法に関する指針」などの表題に用いられたため、
    「不要な、もしくは人間に害を及ぼす動物を殺害すること」という広い意味で使用されるようになった。
    この政令では、「化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて
    当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、
    社会的に容認されている通常の方法によること。」と定めている。
    また「苦痛」とは省令で「痛覚刺激による痛み並びに中枢の興奮等による苦悩、
    恐怖、不安 及びうつの状態等の態様をいう。」(同省令 第2(4))と定められている。
    日本国においては殺処分方法は政令に定められており、対象となる動物は動物愛護法第44条4項に
    定められた家庭動物、展示動物、実験動物、産業動物が対象であり、
    すなわち人が所有する動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものが対象となる。
    また動物愛護法では、都道府県や政令指定都市、中核市は、飼えなくなったペットや野良犬・
    猫を引き取らなければならない、と定めている。一定期間を過ぎると自治体が殺処分する。
    方法については同法に「できる限り苦痛を与えない方法によって」という条文がある。
    犬猫の殺処分数は1980年代には100万を超えたが、今では約5分の1に。避妊・去勢手術が普及し、
    引き取った犬や猫の新しい飼い主を探す取り組みが広がったことなどの効果が出たとみられる。
    高濃度の二酸化炭素は哺乳類の呼吸中枢を麻痺させるので、小・中型動物の場合には
    二酸化炭素による昏睡と自発呼吸の停止による窒息死で処分するという方法が一般的であり、
    最終的に死体は焼却される。定期的な慰霊祭などを実施しているところもあるが
    食肉生産等のために行う「と殺(屠殺)」とは異なり、人間社会に最も身近な動物である犬・猫を飼い
    主側の一方的な都合によって殺さなければならないという点において、
    獣医師も含めて処分に携わる職員の精神的苦痛は非常に大きい。
    参 : [YouTube](名もなきペットたち:「殺処分」ガス室の犬 )、
        [YouTube](犬の殺処分1〜追い込みからガス室まで〜)
     ペットショップに飼育状況を定期的に報告する義務を必要とする法を整備するか、
    人間に危害を加える動物は、ペットとして一般家庭での飼育を禁止する条例を早急に設けるべきである。
    どんなペットでも同じことだが、飽きれば捨てる、大きくなれば捨てるような者にはペットを飼う資格はない。
    殺処分を少なくするには、法律やマナーを守らない飼い主には、罰則を強化し、
    ペットを捨てた場合は、危険度に応じて10万円〜100万円程度の罰金を科すべきだ。
    人間の都合で捨てられた動物の殺処分費用を、善良な市民に税として押し付けられるのはごめんだ!

朱鷺(とき) = 朱鷺(鳥関連に別掲)
徳山動物園(とくやまどうぶつえん) = 徳山動物園(別掲)
徳山動物園遊園地(とくやまどうぶつえんゆうえんち) = 徳山動物園遊園地(別掲)
トゲネズミ(spine rat) : 刺鼠。の一種で、学名は「Tokudaia osimensis」。
    哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目ネズミ科の日本固有種の動物で、
    奄美(あまみ)大島・徳之島と沖縄本島特産の世界的な珍種であり国の天然記念物だが、
    絶滅が心配されるほど少なくはない。奄美大島にアマミトゲネズミ、徳之島にトクノシマトゲネズミ、
    沖縄本島にオキナワトゲネズミという亜種があり、ともに森林にのみ生息する。
    最初の発見は1924(大正13)年で、9年後の1933(昭和8)年にクマネズミ属(Rattus)に
    編入された。しかしインドトゲネズミ(R.jerdoni)やタイワントゲネズミ(R.coxinga)と
    分類的にかなり異なることから、その後独立種とされた。
    頭胴長10〜18cmで、尾を除く全身に、長さ2cm余りの扁平(へんぺい)
    先が鋭い針状の硬い毛を密生する。夜行性で、日中は岩の下の巣穴に潜む。
    食物は昆虫やシイの実が多い。繁殖期は10〜12月で、1〜7匹の子を産む。
    跳躍力に優れ、ハブの攻撃をかわす。
            
不思議な「性決定」をするトゲネズミ
アマミトゲネズミ トクノシマトゲネズミ オハナワシゲネズミ
体長 約12〜18cm 約14〜16cm 約13〜17cm
染色体 25本 45本 44本
性染色体 XO型(Y染色体がない) XO型(Y染色体がない) XY型(多くの哺乳類と同じ)
SRY遺伝子 ない ない 有無は不明
    哺乳類で雄になるのを最終決定しているのは、ふつうはY染色体にある「SRY遺伝子」という
    スイッチで、これが適切なタイミングで働くと、精巣ができて雄になる。
    Y染色体を持っていても、SRY遺伝子が壊れて働かないと、雌になる。
    しかし、奄美大島にいるアマミトゲネズミと、徳之島にいるトクノシマトゲネズミには、
    なぜかY染色体がなくて雌雄の区別はないのに、雄と雌がいて、種が保たれているのである。
ヌートリア = ヌートリア(別掲)
(ねずみ) = (別掲)
白鼻心(Masked Palm Civet、Gem−faced Civet)はくびしん : 白鼻芯。学名は「Paguma larvata」。
    ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科に属する哺乳類。その名の通り、額から鼻にかけて
    顔の中央に白い線があることが特徴で、ほおは白く、目の下にも白斑がある。
    東南アジアから中国を中心に広く分布している。 日本にも生息する唯一のジャコウネコ科の動物で、
    在来種説と帰化動物説がある。頭胴長65cm内外、尾長約50cm。
    毛色は灰褐色から黒褐色で、背中の中央は濃く、腹部は淡い。体形はイタチとネコに似る。
    雌雄とも会陰(えいん)付近に麝香嚢(じゃこうのう)をもつ。
    ハクビシンは主に樹上生活をする夜行性で雑食性の動物で、果実類を好むが、鳥や小動物なども食べ、
    地上で採食することもある。昼間は樹洞などで休んでいるが、タヌキが使った巣穴なども利用するほか、
    里山にある民家の屋根裏や軒下などにも住みつくことがある。
    国内のハクビシンは中国などに分布するものに比べて、やや小さく、顔は比較的丸いような感じがする。
    また、体色も濃く、寒さにも強いと言われている。1産3〜4子で、幼獣から飼育するとよくなれる。
    
    ハクビシン(インターネット動物園より)
パンダ(ぱんだ) = パンダ(パンダ関連に別掲)
(ひつじ) = (別掲)
(ふくろう) = (鳥関連に別掲)
北極熊(polar bear)ほっきょくぐま : 白熊(シロクマ)。学名は「Thalarctos maritimus」。熊の一種。
    哺乳(ほにゅう)綱ネコ目(食肉目)クマ科の動物。
    北極圏、グリーンランド、アイスランド、シベリアなど、北極周辺の海岸沿いおよび氷上に生息している。
    ときに流氷にのって遠くまでくることがあり、日本でも北海道の根室(ねむろ)まできたことがあるという。
    頭胴長3m、体重750kgにも達する。他のクマに比べて頸(くび)が長く、頭が比較的小さく、体が長い。
    足はとくに大きい。鼻先と爪が黒い他は全身の毛がクリーム色を帯びる
    白い(正確には内部が空洞になった透明な)体毛に覆われているため、
    一般的には「シロクマ(白熊)」と呼ばれる。
    幼獣ではより白くきれいであるが、しだいに黄みを帯びてくる。
    交尾期以外は単独で生活し、泳ぎ、潜水が得意で、時速6.5kmほどで65km程度の距離を
    泳ぐことができると言われる。また、嗅覚、聴覚も非常に良く、殊に嗅覚においては
    氷の下を泳いでいるアザラシの臭いを判別する事が出来るため、これらの能力を駆使して狩りをする。
    食性は雑食で、アザラシ、セイウチなどの海獣(大型哺乳類)やサケ、タラなどの魚類、鳥を主食とし、
    イチゴなどの果実、コンブや貝なども食べる。冬ごもりはしないが、雌は雪の中に穴を掘り、
    1〜2子を産む。エスキモーが毛皮をとるために狩猟する。[季語]冬−動物。
    
    氷の海をめざして旅するホッキョクグマの親子。母親のぬくもりが生後3カ月の子グマを守る。
    
    行くたびに寝ていた徳山動物園の北極熊(2010.2.24撮影)
    
    同上、風の強い寒い日だったので起きてはいたが、動きはにぶかった(2010.12.3撮影)
    このオスの「ホクト」は2011年3月6日に老衰のために死亡した。
    推定27歳で、人間でいえば80歳前後に当たるそうで、動きのにぶいのはそのためだった。
    カナダの動物商から購入し、1986年4月に入園。2006年12月から2009年5月まで、
    繁殖目的で愛媛県のとべ動物園に貸し出されたが、移動のストレスと高齢から、
    体調を崩しがちになった。3月に入ると特に、えさを食べる量が減り、弱っていたという。
    徳山動物園のホッキョクグマはメスの「ユキ」(推定27歳)1頭だけになったが、彼女も高齢グマだねえ。

ボンゴ(Eastern Bongo) : ケニアボンゴ。学名は「Tragelaphus euryceros」。
     偶蹄目ウシ科の大型のレイヨウ(オオカモシカ)で、
     「森の魔術師」「森の貴婦人」「密林の貴公子」「魔女の生まれ変り」などとも呼ばれている。
     野生のボンゴはケニア一帯が生息地であることから、和名はケニアボンゴとされているが、
     シエラレオネからウガンダにかけてのアフリカ中部の森林地帯にも生息している。
     大きさは、頭胴長2.2〜2.4m、尾長24〜26cm、肩高1.3〜1.4m、体重200〜300kgで、
     森林に豊富な樹葉や木の根等が主食である。
     頭には雌雄に問わず、一回転半ほどねじれた大きな曲線を描いた角を2本持っている。
     縦に白のラインが10本から15本ほど入った輝く赤栗毛の体、そして涼しげな顔をしているボンゴは、
     日本では上野動物園、名古屋市東山動植物園、横浜市金沢動物園の3カ所の動物園でしか
     見ることができない絶滅危惧種である。
     植物が密生する森林の中に生息しているため、19世紀末に確認された珍獣で、
     ジャイアント・パンダコビトカバオカピの世界三大珍獣にボンゴが加わると世界四大珍獣になる。
     
     ボンゴ(インターネット動物園より)
モモンガ = モモンガ(別掲)
レッサー・パンダ = レッサー・パンダ(パンダ関連に別掲)



































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