毒(YSミニ辞典)

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道後温泉(どうごおんせん) : 城下町、愛媛県松山市の市街の北東、道後山の麓にある温泉で、
    泉質はアルカリ性単純泉、泉温は42度、効能には、神経痛、筋肉痛、関節痛、
    打ち身、五十肩、痔疾、冷え性、運動器障害、病後回復などがある。
    兵庫の有馬、和歌山の白浜とならび「日本三古湯」と称され、古代から知られた温泉で「日本書紀」
    「万葉集」「伊予国風土記」などにも記載された名湯で、596(法興6)年にはかの聖徳太子が
    入湯した記録も残っている。歴代松山藩主に珍重され発展した賑やかな温泉街には、
    多くの文人墨客が訪れるようになった。道後温泉を一躍有名にしたのは夏目漱石の「坊っちゃん」で、
    漱石ゆかりの史跡や友人であった正岡子規の「子規記念博物館」もある。
     稼働する17の源泉を市が管理し、外湯や各旅館に配湯している。
    道後温泉本館
    北に「神の湯本館」、東に「又神殿(ゆうしんでん)」・「霊の湯(たまのゆ)棟」、南に「南棟」、
    西に「玄関棟」が互いに接続して建つ複雑な構成をもっている。神の湯本館が1894(明治27)年、
    又神殿・霊の湯棟が1899(明治32)年、南棟及び玄関棟が1924(大正13)年の建築で、
    現在の姿は明治中期から昭和初期にかけて整えられたものである。
    神の湯本館は木造三階建で塔屋を設けており又神殿は皇族の入浴に備えられて建てられたもので、
    ともに棟梁坂本又八郎が手がけた。道後温泉本館は、複雑な屋根を持つ外観に特徴がある。
    その姿は古くから人々に親しまれており、わが国の温泉建築を代表するものである。
    共同湯「道後温泉本館」の木造の三層楼は、1994(平成6)年12月に、
    近代和風建築としてのすばらしさと保存状態のよさから、国の重要文化財に指定されており、
    道後温泉のシンボルとなっている。神の湯と霊の湯という二つの浴室と、それぞれの休憩室など、
    4つの入浴コースと皇族専用の又新殿からできている。木造3階建ての屋根の上、赤いガラス障子に
    囲まれた振鷺閣(しんろかく)と呼ばれるやぐらから、街に1日の始まりを告げる「刻太鼓(ときだいこ)」の
    音が聞こえてくる。明治から大正初期までは1時間おきだったが、徐々に回数が減り、
    今では日に3回、朝6時開門時に6回、正午に12回、18時に6回、3階接客係の女性が太鼓を打つ。
    朝の1打目の合図に、入り口で待っていたお客が、一番湯をめざして走り出す。
    
    冠山・湯神社駐車場より望む重要文化財・道後温泉本館の全景
    
    道後温泉本館の又神殿(ゆうしんでん)
    
    南東側
    
    南側の「南棟」
    
    南西側
    
    入口のある西側
    
    西側。屋根の瓦の丸い部分は、沸き立つお湯の泡「湯玉」をかたどっている。
    
    道後温泉本館の額と振鷺閣
    
    西側
    
    北側になるが、明治時代はこちらが正面玄関だった
    
    北東側
    
    又神殿
    
    又神殿
    
    東面の「霊の湯棟」(左)と「又神殿」(右)
    
    皇族専用浴室(又新殿)の入口
    
    鳳凰・龍のデザインによる又新殿の屋根の鬼瓦
    
    霊の湯(たまのゆ)二階席。浴衣とお茶のサービスがあり、一階の二つの神の湯も利用できる。
    
    道後温泉本館内「神の湯」(男湯)
    
    同上(女湯)

    
    霊の湯2階入浴券(表)。霊の湯と2カ所の神の湯に入浴できて1200円。
    ちなみに「霊の湯3階個室」は霊の湯と2カ所の神の湯に入浴できて1500円。
    「神の湯階下」は2カ所の神の湯のみで400円。入浴券の原寸は12×6cm。

    
    霊の湯2階入浴券(裏)。道後温泉の欠点は「霊の湯3階個室」が1時間20分以内、
    それ以外は1時間以内と利用時間が少ないことで、休憩する暇はない。平日はもっと伸ばしてほしいね

    
    道後温泉本館(東側)の前にある坊ちゃんの石碑
    道後温泉椿の湯(どうごおんせん・つばきのゆ)
    愛媛県松山市道後湯之町にある共同湯で、本館の近くにあり、歩いて1〜2分ほどの距離である。
    日本最古の道後温泉本館の姉妹湯として、1953(昭和28)年「第8回国体」が
    松山で開かれたときに新設され、その後、1984(昭和59)年に改築され、現在に到る。
    道後温泉本館が重厚な木造の入母屋造りに対して、こちらはコンクリート造りだが、
    浴室は天井が高くて湯船も本館より広くて開放感がある。
    内部に入ると広い吹き抜けのロビーがあって、歴史を感じる本館に対して近代的な造りである。
    椿の湯の壁面には「椿の湯」の文字と、窓から湯と椿が流れ落ちる「からくり絵」が描かれている。
    一度に30人は入れる大きな湯船の造りは本館とほぼ同じ御影石造り、
    中央に大きな湯口があってそこから流れ出る湯は滅菌されているものの、掛け流しである。
    お湯は、無色透明無味無臭で、本館と泉質は似ているが、源泉は別とのこと。
    本館が、観光客の入浴客が多いのに対して、椿の湯は地元の人が多い。
    尚、シャンプー類は置いてないので持参か、ここで購入しなければならない。
    また、本館脇の坂上にある駐車場を利用すると、駐車券持参で1時間無料になるサービスがある。
    
    コンクリート造りの椿の湯
    
    椿の湯の入口
    参 : 道後温泉旅館協同組合(HP)、(財)松山観光コンベンション協会(HP)、
        [YouTube]、からくり時計
























































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