YSミニ辞典(椿関連)
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笠山椿群生林(かさやまつばきぐんせいりん) : 山口県萩市笠山の先端部分にあたる
虎ケ崎灯台周辺に広がる椿の群生林のこと。笠山は
江戸時代、萩城の鬼門の方角(北東)に
当たっていたことから、藩によって樹木伐採が禁止されていたことなどから、
世界的にも珍しい、60余種類・約2万5千本ものヤブツバキが10ヘクタールの広さに自生する
群生林が残った。その椿群生林では毎年2月下旬から1カ月間の開花期には
「萩・椿まつり」が開催されている。群生林のヤブツバキは背が高く、上のほうに咲いている花を
見上げるようになるが、高さ約13mの展望台から上からも椿を楽しむことができる。
上のほうに咲いている群生林のヤブツバキ(2010.3.7撮影)
地上13mの椿群生林展望台
群生林の高台より日本海側の島々を望む
大実の椿(おおみのつばき)。この椿の実は直径7cm位になり、
8月頃にはリンゴが下がっているようだという。(2002.2.10撮影)
萩の里(はぎのさと)。大形のヤブツバキで、朱紅色の先細り芯の美しい花として
日本ツギキ協会桐野秋豊氏の命名。(2010.3.7撮影)
第二駐車場そばの資料展示休憩所内の鉢植え椿
以下は笠山椿群生林のツバキ展示園の椿
笠山案内図(萩・椿まつりパンフレットより)
参 :
笠山椿群生林つばきマップ、
萩・椿まつり(
萩市HP)
萩・笠山の椿まつり
2011年は2月19日(土)から3月21日(月祝)まで、笠山椿群生林(萩市椿東)で開催される。
標高112mの笠山一帯には約2万5千本のヤブツバキが群生し、毎年1月頃から花をつけ始める。
祭り期間中は土・日・祝日の10時から16時までを中心にイベントが展開される。ボランティアガイドの
「椿見どころ案内人」が会場に待機して、椿群生林の見どころなどを無料で案内してくれる。また、
販売コーナーには、焼きイカ、サザエつぼ焼き、地ビールといった萩の美味しいものや特産品が並ぶ。
さらに、日曜・祝日にはステージで郷土芸能が披露される。
群生林内に設置された高さ13mの展望台からは、日本海の眺望を楽しむこともできる。
問い合わせ :
0838−25−3139(
萩市観光課)
椿(a camellia)つばき : @日本特産でツバキ科の常緑低木ないし高木。
「ヤブツバキ」ともいい、暖地の山林から本州北部の海岸に自生し、早春、葉腋に五弁花をつける。
高さ3〜7メートル。葉は楕円形で厚く、つやがある。花びらは5枚あり下部が合着し、
多数の雄しべも基部が合着している。果実は球形で、秋に熟すと厚い果皮が裂けて黒い種子が現れ、
種子から椿油をとる。ワビスケなど多くの品種があり庭木としても重用される。
ユキツバキ・トウツバキとの交雑も行われ、白・桃色などの花もある。
紅花の花言葉は「気品に富み、奢りけなし」、白花は「可憐この上なし」。
[
季語]春−植物。椿の実の[
季語]は秋−植物。
管理方法 : 植え替えの最適期は9月中旬から10月下旬だが、4月から7月の間も移植できる。
その際、苗についている土と新しく植える場所の土質が違うと活着しにくく、
次第に弱って枯れてしまうことがあるので、根を痛めないように土を洗い落して植えるとよい。
元肥として牛ふん堆肥、ケシユーキ、マグアンプKを混合して与えると良い。
増殖は種まきや挿し木をする。種は秋に採取してすぐまく。硬いのでなかなか水分を吸収しないため、
種皮に傷をつけてないてもよい。成長して開花するまで品種によるが、かなりの年数がかかる。
挿し木は早ければ2年で開花する。梅雨の時期に伸びた新枝を挿す。
水はけのよい場所を選んで植える。酸性土を好むので、
土に無調整の弱酸性のピートモスを適量混ぜると生育がよくなる。
山口市大字鋳銭司の「両足寺」にある樹齢300年前後の「五色八重散椿(ごしきやえちりつばき)」
我が家の椿
オトメツバキ(Camellia japonica‘Otome’)
2011.4.28、大阪の長居植物園にて(大阪のK.Kさん提供)
Aツバキ・ユキツバキおよびその園芸品種。中国産の近縁種などを含めることもある。
葉が大形で光沢があること、早春に花が咲くことでサザンカと区別される。
普通、花弁は離生しない。種子から椿油を採る。
B襲
(かさね)の色目の名。表は蘇芳
(すおう)、裏は赤。
椿山森林公園(つばきやましんりんこうえん) : 椿山は、宮崎市鏡洲と北郷町との境界・
標高400mの山頂付近にあり、加江田川上流加江田渓谷西側に隣接し、
付近一帯の山は飫肥杉
(おびすぎ)が植林されている宮崎市内でも有数の森林地帯である。
以前から多くの薮椿が自生し「椿山」と呼ばれていた地域が、戦後の造林などで杉林の山となっていた。
この「椿山」に、再びツバキをよみがえらせ「世界一の椿園をつくろう」と、
宮崎市は市制施行60周年記念事業として官民一体となって1984(昭和59)年から
平成2年5月にかけて整備したのが椿山森林公園で、面積41.3haの広大な敷地に約1千種類、
約5万本の椿が植栽されている(椿の種類は2006年3月時点で1111種が確認されている)。
宮崎市に古くからあるといわれる品種「紅日向(べにひゅうが)」
ゆうちょの「いきいきシニア」平成15年12月号より
椿山は、2003年3月8日には国際ツバキ協会の
国際優秀ツバキ園(International Camellia Gerden of Excellence)の認証を受けるなど、
椿園の規模・椿の種類及び本数において日本一の椿園を確立し、現在も整備が続けられている。
殿様道路 :
江戸時代の天正から慶長の頃(1573〜1614年)に開削されたと伝えられ、
飫肥藩主
(おびはんしゅ)の伊東氏が参勤交代で利用した道路を整備したものである。
参 :
日本ツバキ協会(HP)、
国際ツバキ協会(HPの抄訳)
見ごろ : 例年、1月上旬から3月下旬ごろ。
アクセス : JR日南線・木花駅から車で約20分。宮崎空港から車で約30分。
宮崎市内から宮崎医科大西側の県道27号線を鏡洲の方へ向かい、
双石山
(ぼろいしやま)登山口を過ぎ10分程度。宮崎市内から27km、車で約50分。
問い合わせ :
0985−58−3200(椿山森林管理事務所)
0985−21−1781(宮崎市役所農林水産課)
夏椿(なつつばき) : 学名は「Stewartia pseudo−camellia Maxim」。
花言葉は「気品」。7月22日の誕生花。
ツバキ科の落葉高木で、高さ15メートルにもなる。シャラの名は、仏教の聖樹・インドの
「沙羅双樹
(さらそうじゅ)」に似ていることから混同して付けられ、沙羅樹
(しやらのき)、
「沙羅の木」や沙羅の花
(しゃらのはな)とも呼ばれるが、夏椿が正式植物名である。
沙羅双樹の名で利用されることがあり、真正のサラソウジュ(フタバガキ科)と混同されることが多い。
山中に自生し、東北地方以西の本州から九州、および朝鮮半島に分布する。
また、庭木として植えられ、材は床柱、器具、彫刻に用いる。樹皮は滑らかな赤褐色で、
葉は互生して枝先につき、楕円
(だえん)形で長さ約10cmほどである。
葉も花も椿のように厚くなく、幹はつるつるしていてサルスベリに似ている。冬には落葉する。
6、7月ごろ、新枝の葉腋
(ようえき)にツバキに似た径6cm内外の白色の五弁花を上向きにつける。
花は1日だけの命で、夜明けに咲き、日が沈むと落ちてしまい、
花びらの縁がギザギザになっているのが特徴である。
雄しべは多数あり、花糸の基部は花弁に合着する。雌しべは1本で、花柱は5裂する。
葉と花弁の裏面に白い絹毛が密生する。種子は卵形で先はとがり、狭い翼がある。
[
季語]は夏−植物で、沙羅の花の別名となっている。