YSミニ辞典(ゆ)

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湯野温泉(ゆのおんせん) : 山口県周南市の西端を流れる夜市(やじ)川上流の山峡にあり、
    豊かな自然と山海の幸に恵まれたのどかな温泉郷。日本屈指のラジウム含有量を誇る名湯で、
    美人の湯としても知られる。16世紀の終わりごろ発見されたといい、
    かつて神功皇后が周防灘を航海中に大しけに遭い、熱を出した生後間もない応神天皇を湯に入れると
    すぐに熱が下がった、という言い伝えが残る。また天狗が舞い降り温泉で休養したという天狗伝説もあり、
    天正年間(1573〜1592)には、河村三五兵衛という人が薬師如来のお告げを受け温泉を掘り当てた
    という伝説も残り、日露戦争の際には負傷した兵士の療養地として利用された歴史も持つ。
    1935(昭和10)年に源泉開発が行われ、現在のような温泉地が築かれていった。
    泉質 : アルカリ性単純放射能泉/放射能泉
    泉温 : 28度 湯量 : 261.4リットル/分
    効能 : 胃病、高血圧、リウマチ、糖尿病、神経痛、筋肉痛、関節痛、ねんざ、
          切り傷、皮膚病、婦人病、冷え性、動脈硬化、皮膚病、打撲、
     夏目漱石の小説『坊っちゃん』の主人公のモデルの1人と言われる、弘中又一の生まれ故郷でもある。
    弘中は22歳の時、漱石が英語教師をしていた愛媛県の松山尋常中学校に赴任。
    シッポクうどんを4杯ぺろりとたいらげ「一つ弘中シッポクさん」と教師の数え歌に謡われるなど、
    型破りな名物教師として生徒に親しまれた。
    「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」“坊ちゃん”は、漱石が弘中と語り合う中で、
    その数々の逸話を作品の中に盛り込んだのでは、と見られている。
    温泉郷内には弘中の生家が残り、「弘中又一記念公園」には肖像入りの石碑がひっそりと建つ。
    夜市川のほとりに佇むのは、弘中の少年時代をイメージしたという「釣りをする坊っちゃん像」。
    100年以上経てもなお、愛され続ける名作の原点を訪ねる旅もまた興味深い。
    
    「坊ちゃん」時代の湯野村。現在の国民宿舎・湯野荘の北西方面より元湯・小松方面を望む。
    左よりの高い建物が旅館・割烹の天松閣(現在の紫水園)。
    手前藁屋根右棟の上の2階建てが当時の湯野村役場。

    
    2008.1.31、ほぼ同じ場所から撮影。60〜70年の月日は、山以外かくも姿を変える。
    
     現在の風景(国民宿舎 湯野荘から元湯 小松方面を望む)
    紫水園寿仙荘芳山園国民宿舎 湯野荘元湯 小松若武旅館民宿 慶庵の7軒の宿が
    渓谷沿いに点在し、静かで落ち着いた雰囲気。郷土色豊かな料理に力を入れる宿もあり、
    食事も楽しみのひとつ。このあたりの海はフク(フグ)延縄漁の発祥地で、魚介類の宝庫。
    湯野温泉郷の入り口にあった「紅葉館」は2009年3月末で閉館した。福祉施設に変わると聞いている。
    参 : 湯野温泉事業協同組合(HP)、周南市観光協会(HP)
    サン・サンロード : 地域を流れる夜市川(やじがわ)沿いに整備された河川公園で、
     「天狗の碑」や「坊ちゃんの像」、「陽晏(ようあん)の碑」などがある。
    
    散歩コース「サン・サンロード」入り口
    天狗の碑 : 昔、天狗が湯野温泉地内の岩の上に舞い降り、
     温泉に入り休養したという伝説からこの碑が建てられた。
    
    天狗の碑。湯野の天狗伝説の天狗像(「サン・サンロードの入り口にある)
    陽晏淵 : 陽晏という領主の家臣の娘と乗実という若侍が、実らぬ愛を悲観して
     身投げしたという言い伝えの場所で、「陽晏の碑」が建てられている。
    
    陽晏の碑。陽晏の看病のために大五郎乗実が渡った乗実橋のそばにある石碑
    元湯小松(もとゆ・こまつ) : 周南市湯野4196番地にある温泉施設。
    近年独自にボーリングをしている旅館も元湯だが、小松は湯野温泉で最も歴史のある元湯である。
    開湯伝説では神功皇后が発見したと言われているが、開湯は16世紀末期とされる。
    1935(昭和10)年に源泉開発が行われたときに実業家・小松松三郎氏が営業を開始した。
    小松松三郎氏が営業を始めたので「小松」の名が付いているが、
    小さい頃から小学校の低学年まで白いアゴヒゲを生やした小松さんと湯船でよく一緒になった。
    声をかけられるのは注意されるくらいで、口数の少ない人だった。
    一人娘が姉と同級だったので、家にもちょこちょこおじゃました。その家は今はない。
    戦前に百万長者と言われた大金持ちとの小松さんは紙幣をたくさん貯めていたのか、
    戦後になっても大きな一円の兌換紙幣をお釣りにもらっていた。何枚かは今も持っている。

    
    元湯小松の玄関口
    
    国民宿舎 湯野荘から望む小松湯の看板
    浴室の源泉が取り込まれる方の湯舟が「沸しの湯」で、
    接しているもう一つの湯舟は「自然の湯」と名付けられている。
    入浴時間は宿泊の場合は6:00〜23:00だが、日帰りは7:30〜19:00までである。
    参 : 元湯 小松(HP)

    誰かに水質検査をしているかと聞かれ、申し合わせで飲泉ができなくなったような看板が
    浴室に掲げてあるが、何年にもなるのに検査を受けずに源泉は金網でガードされたままになっている。
    私は小松湯のすぐそばで育ち、高校を卒業するまでの18年間毎日のように
    小松湯の源泉を飲んでいたが、体調など何の問題もなかった。
    ホリドールやパラチオンの農薬が川の一面に白く浮き、それを川泳ぎで水と一緒に口にした時には
    顔などが腫れあがり、体にぶつぶつができたが、母から温泉の水をがぶ飲みするように言われ、
    多量の温泉の水を飲んだので回復したと今でも信じているくらいだ。
    二日酔いに飲むとすっきりし、子供のアセモは翌日に消えていたように、
    湯野温泉は徳山に移った後でも、車で片道20〜30分かかるのによく利用してきた。
    何百年間も飲泉されていたのに、検査を受けていないから飲ませないとは納得がいかない。
    湯野温泉は胃病、高血圧、リウマチ、糖尿病、動脈硬化など飲泉にも効くとされているのだ。
    私も含め多くの入湯客は水風呂に出ている源泉を飲んでいるので金網の効果は薄い。
    脱衣室の蛇口からも多くの人が水を飲んでいる。
    水質検査にいくらかかるのか知らないが、温泉組合はなぜ指導などしないのだろうか。
    また、浴槽の源泉の出口付近にもステンレス製の大きな金網が覆われているが、
    これは誰かが肩に湯を当てて他人に散らすという苦情を受けたからと言われているが、
    それなら出口を太いパイプなどで湯船の中に落とせば済むことで、
    こんな大きな金網があるために、4〜5人の人が湯船を利用できないのである。
    こんな馬鹿でかい金網を設置した当初にはオームの人が営業しているとささやかれていた。
    先日回数券を使い終えたので、金網がなくなるまで小松湯は利用しないことにした。

    紫水園(しすいえん) : 山口県周南市湯野4341番地にある温泉旅館。
    川が流れる回遊式の広い日本庭園に建つ木造平屋で、客室は全て、川の水を引き込んだ
    約4000坪もの庭園を望めるよう配された離れ風の造りである。
    参 : 紫水園(HP)
    
    戦前の旅館・割烹の天松閣の絵葉書(現在の紫水園だが、この玄関は建て替えられている)。
    
    現在の建物
    
    紫水園の前身の70〜80年前の「天松閣」
    
    現在の玄関はこのような洋風になっている
    
    紫水園本館の玄関。入って左側のカウンターで宿泊と日帰り入浴の受付をしている
    
    戦前の旅館・割烹の天松閣の絵葉書(このあたりはかなり変わっている)。
    
    旧写真の池は現在の大浴場入口前の池あたりだろうか
    

    上の2枚の写真の面影は現在も残っている。
    
    同じ方向から撮ったが、高い石灯篭は紅葉に覆われて見えない
    
    こちらから撮ると石灯篭が松の脇から見えるが、残念ながら鳥除けネットが景観を壊している。
    しかし、大型の鷺(さぎ)などに錦鯉が食されるのでしかたがないが、もっと良い方法はないものだろうか。

    
    
    
    「天松閣」時代のひととき。多分、宴会前でしょう。
    現在は石の周りに緑が増えています。3つ前の写真にある石燈篭が左端にあります。
    母は浄瑠璃の師匠だったので、会社の重役連中に呼ばれて弾き語りをしていました。
    一番上の普通の髪型が母で、祖父の趣味で4歳から三味線を習い、
    10代で「豊沢新女」の名をもらっていました。
    (画質は悪いものの父母、祖父母がいらしたら大判をメール送信します)

    
    脱衣場。鍵付きロッカーが欲しい
    
    浴室(男湯)。打たせ湯の左側は水量が少なく利用価値はない
    
    浴室(男湯)。泉質はいいのに人気の出ない理由の一つに、サウナと水風呂がないことがあげられる。
    浴室の窓の外が開けてないだけに、露天風呂も欲しい。

    
    私の昼食
    
    家内の昼食
    
    2010年7月現在の入浴優待券の表面。裏面は白紙。(原寸は13.5×6cm)
    参 : 紫水園(HP)
    芳山園(ほうざんえん) : 山口県周南市湯野下町4265にある温泉
    静かな山あいの夜市川沿いの河畔に立つ温泉旅館で、ラジウムを豊富に含んだ湯は
    山陽路随一の泉質を誇り、川を望む岩造りの露天風呂や気泡岩風呂、打たせ湯のある浴場、
    総檜造りの家族風呂などがあり、硫黄臭の柔らかい湯が自慢。また日本庭園も美しく、離れが点在する。
    
    河辺に立つ温泉旅館「芳山園」
    
    宿泊者用の入り口
    
    同上内部より
    
    玄関ロビー
    
    レストラン側の入り口
    
    レストラン「花水木」の入り口
    
    1100円の海鮮釜飯セット。1000円以上の食事をとると入浴料が半額になる
    
    レストランの奥の川辺にある足湯。外からでも利用できる
    
    日本庭園の一部
    
    男湯の入り口
    
    浴室。外気温が低くて湯気がひどく、暖かくなって撮り直します
    
    ヒノキの露天風呂
    
    露天の岩風呂
    入浴と会席料理がセットの日帰りプラン(要予約)もある。
    海と山の季節料理が美味で、冬場の鴨鍋、ふぐ料理、夏場の鮎・鱧が人気。
    レストラン「花水木」のタコ釜飯も好評で、日帰り入浴とセットで利用すると入浴料が半額となる。
    泉質 : 含弱放射能硫黄温泉 泉温 : 32.5℃
    効能 : 筋肉痛、関節のこわばり、うちみ、慢性消化器病、冷え症、疲労回復など
    ◇施設タイプ : 旅館 鉄筋2階建て
    ◇改築日 : 1995年
    ◇客室数 : 20室(特別室:1 離れ室:7 和室:12)
    ◇収容人数 : 100人
    ◇駐車場 : 普通車70台、大型車4台(無料)
    参 : 芳山園(HP)
    国民宿舎「湯野荘」(こくみんしゅくしゃ・ゆのそう) : 山口県周南市湯野4346−2にある温泉
    階部分が駐車場で、見た目は中2階だが、実際には3階あって、
    2階がフロントや食堂、3階が客室になっている。料金は入口右手の宿泊用フロントで支払う。
    湯上がりには大浴場前のロビーでくつろげる。
    食堂の日替わり定食は安くておいしく、高齢の私には量が多いくらいだ。
    もっとボリュームのある定食を求める人には、湯野荘の手前にある「樹里庵(じゅりあん)」が
    お勧めと言ったが、2008年10月から日替わり定食はなくなっていた。
    でもほかのメニューも多くそれぞれがおいしく、9時から11時までモーニングがある。
    
    湯野荘本館(以下2008.9.3撮影)
    
    奥に食堂と客室がある
    
    階段を上がった所が玄関入口
    
    内湯。左隅にはジェット湯がある。外の庭園は草ぼうぼうで、植木とともにもっと手入れをしてほしい
    フラッシュ発光禁止としていたので暗く見えるが、浴室は明るい

    
    ジャグジー付きの水風呂。10時の開館間際は冷たく、人が入るに従って水温は少しずつ上がる
    
    打たせ湯
    
    ボディーシャワー。6箇所あるシャワー口からの水流で全身マッサージ
    
    大理石の床のある洗い場。2つある備品はどちらもボディシャンプーでリンスインシャンプーはない
    
    食堂入り口
    
    840円の日替定食(2009.12.6)
    
    同じく840円の日替定食(2011.9.4)
    えびのオーロラソース和え、春雨とミンチの炒め物、刺身、ヤーコン麺、吸物、漬物と多彩で
    年寄りにはちょうどよい量だが、若者にはもっとボリュームのある定食がよいでしょう。

    
    一泊2食、入湯税、消費税込みで6615円(2011年12月1日現在、木曜日は5555円)の夕食
    この他にご飯とすまし汁が付く

    
    同上、朝食
    参 : 国民宿舎湯野荘(HP)

























































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