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季語解説          この他、「YSミニ辞典」にも季語の解説が含まれています。

白馬節会(あおうまのせちえ) : 奈良時代ころから行われた年中行事で、
    正月7日、天皇が紫宸殿(ししんでん)または豊楽殿(ぶらくでん)に出御し、
    左右馬寮(めりょう)から引き出された21頭の青馬(あおうま)を見て、その後宴を催す儀式。
    青馬とは、白または葦毛(あしげ)の馬で、この日に青馬を見れば、
    その年の邪気を避けられるという中国の風習に倣ったもの。
    もとは「青馬」と書いていたが村上(むらかみ)天皇(在位946〜967)のとき「白馬」と書き改めた。
    ただし読みは「あおうま」のままであり、馬の色がとくに変わったのではなく、
    ただ、上代の色彩感が平安時代になると、白を重んじる結果であり、行事の日本化のためでもある。
    平安時代には儀式も整い、初めに御弓奏(みたらしのそう)、白馬奏(あおうまのそう)があり、
    のちに諸臣に宴が設けられた。平安末ごろからこの行事は衰え、
    応仁(おうにん)の乱(1467〜77)で中絶、1492(明応元)年再興して、明治初年まで行われた。
(あかぎれ) : 寒さで血液の循環が悪くなって起きる皮膚の亀裂で、
    特にひびが入るだけでなく出血するような裂傷の状態のことを呼ぶことが多い。
県召除目(あがためしのじもく) : 正月11日から13日までの3日間に、
    宮中において諸国の国司の任命をした儀式。毎年正月に行われたので「春の除目」とも称した。
    まず任命の推薦理由を記した申文を蔵人が奏上し、
    銓衡して大間という文書に任官すべき者の氏名を記して奏上する。
秋茜(あきあかね) : 体長約4センチほどの代表的なアカトンボ。山地で盛夏を過ごし、秋に低地に下りてくる。
秋風(あきかぜ、しゅうふう) : 9月になって、大陸高気圧が張り出し、ときどき吹き始める涼しい西風で、
    高原や海辺を渡る風、うら悲しく身にしむ風など素風とも呼ばれる秋の風。
網代(あじろ) : 網の代わりに竹や柴などを編んだり、それらを立て連ねて魚を捕る漁のこと。
畔塗(あぜぬり) : 田鋤き後、水洩れや、田に畦土が入り込まないよう畦を泥土で塗り固めること。
温め酒(あたためざけ) : 重陽(陰暦9月9日)日は寒温の境目なので、
    この日にに温めた酒を飲むと病にかからないとの言い伝えカラ生まれた季語。
穴まどい(あなまどい) : 晩秋になっても蛇が冬眠のための穴に入らずうろうろしていること。
甘茶(あまちゃ) : 土常山(あまちゃのき)や甘茶蔓の葉で製された茶葉を煎じたたもので、
    誕生仏に注ぎかけるお茶。
海女の笛(あまのふえ) : 浮き上がった海女が口を細めて息を吐き出す時の音。
烏柿(あまぼし) : 燻したり、陽に焼けて黒くなった甘柿。
水馬(あめんぼう) : 三対の長足で水面を走るカメムシ目アメンボ科の昆虫の総称。体は黒色で細長く、
    体長3〜27ミリメートル。中・後脚が著しく長く、大きく広げて水に浮かび、水上を滑走する。
    捕らえられると飴に似た甘い臭気を出すのでこの名がある。
    別名に、あめんぼ、かわぐも、みずぐも、あしたか、みずすまし、すいばなどがある。
鮎汲(あゆくみ) : 稚鮎が堰堤などのために遡上できなく、集団でいるところを掬いとる漁。
蟻地獄(ありじごく) : 薄翅蜉蝣(ウスバカゲロウ)類の幼虫の俗称で、
    すり鉢状の巣を作り落ちた蟻や蜘蛛などを捕獲し食べる。
安居(あんご) : 陰暦4月16日から7月15日までの間、僧侶が修行のため一室に籠もって行う修行のこと。
    安居は梵語(古代インドの文語であるサンスクリット語)の訳語で、元々は雨や雨期の意味。
十六夜(いざよい) : 陰暦8月16日の月に限定しているが、通常は名月の翌夜の月のことをいう。
    満月よりも少し遅れて現れ、まるで迷う(いざよう)ように、ためらうように現れることから。
石たたき(いしたたき) : 石を叩くように尾を上下に振る様から。
磯竃(いそかまど) : 海女などが海から出て暖をとる焚き火を、春に限ってこのようにいう。
五日(いつか) : 1月5日 宮中ではこの日に叙位が行われた。
凍返る(いてかえる) : 春先の気候の歩みは一進一退で、
    いったん融けた大地が、寒さのぶり返しで再び凍る様を言う。
凍解(いてどけ) : 凍っていた大地が、春の暖かさでゆるむこと。
糸遊(いとゆう) : 強い日差しのため、ゆらゆらと物の形が糸が風で揺らいでいるように見える現象。
寝積む(いねつむ) : 元日に寝ること(大晦日から寝ずにいることから)。
亥の子(いのこ) : 中国の俗信にもとづいた行事で、陰暦10月の亥の日に、多産な猪にあやかって
    子孫を多くふやし、万病まで取り除くとされて、亥の日の刻(午後9時〜11時)に、
    赤小豆(あかあずき)をつきまぜたいの子餅を食べて祝う風習。日本では、平安時代以来
    宮中で行われたものが、民間の行事として移り、収穫祭の意味合いが強く、西日本に多い。
芋煮会(いもにかい) : 山形地方で行われる秋の行事で、里芋の子芋も太り、
    山にはさまざまな茸が出るころ、川原に大鍋を持っていき、芋、茸、牛肉、鶏肉、
    野菜などを煮込んで共同飲食をする集まり。
    山形市の馬見ケ崎川河畔で、直径6メートルの大鍋が湯気を上げる「日本一の芋煮会フェスティバル」
    が、2004年9月5日の第16回で、一杯200円だった芋煮を300円に値上げする。米国産牛肉の
    牛海綿状脳症(BSE)発生による政府の禁輸措置で、国産牛の価格が高騰しているため。
    開始以来15年間も価格を据え置いてきた実行委員会は「祭りの存亡を懸けた苦渋の選択」と理解を
    求めているということだが、一度に5割増とは高過ぎるのではないの。牛肉を鶏肉などに代えるとか、
    一時しのぎくらいできると思うし、輸入禁止が解けて牛肉の価格が元に戻ったら、来年は元の200円に
    戻すのだろうか。下関の「ふく祭り」では、先着1000名に無料ふく鍋が配られているし、
    観光客を呼ぶための採算度外視もあっていいのではないの。

芋名月(いもめいげつ) : 陰暦8月15日の夜の月をいい、
    仲秋の名月としてサトイモを月に供える風習からこの名がある。
色変えぬ松(いろかえぬまつ) : 紅葉する木々の中にあって松が緑のままでいること
色鳥 (いろどり) : 秋に渡ってくる鳥のうち色鮮やかな美しい鳥の総称。
    上鶲(じょうびたき)、四十雀(しじゅうがら)など、種類が多い。
石清水祭(いわしみずさい) : 京都府八幡(やわた)市の石清水八幡宮で毎年9月15日に行われる例大祭。
    賀茂祭(葵祭)、春日祭とともに三大勅祭の一つ。古くは旧暦8月15日に行われ、明治まで
    石清水放生会(ほうじょうえ)と称した。八幡放生会については、本来、八幡神社の祭日は放生会の
    日であったが、新暦になってから1カ月ずらしの9月15日の祝日以降に変えたところが多く、
    10月に入ってから行うところもあり、現在では全国各地の八幡神社の秋祭として定着している。
    放生会とは、秋の実りに感謝し、鳥や魚、亀を池川山林に放って自然を供養する儀式である。
魚島(うおじま) : 春に鯛などの魚の群が産卵のため集まり、
    あたかも島のようにせり上がって見えること。(魚島時の略)
浮巣(うきす) : 沼などに葦の枯葉などを材料にして掛け、水の増減によって上下する水鳥の巣。
    鳰(にお:かいつぶり)の浮巣が有名。
浮人形(うきにんぎょう) : 水遊びや浴槽などで、魚、鳥、船などの形をした水に浮かべて遊ぶ子供の玩具。
浮寝鳥(うきねどり) : 鴨や雁などの水鳥が、長い首を羽根の間ににつっこみ、水の上で眠っているさま。
午祭(うしまつり) : 京都市右京区の広隆寺で催される行事で、鞍馬の火祭、今宮神社のやすらい祭とともに
    京都三大奇祭の一つ。紙の神面をつけ、白の浄衣に身を包んだ摩だ羅(まだら)神が牛にまたがり、
    赤鬼、青鬼の面をつけた四天王や、囃方、牛方、松明持ちなどを従えて西門を出て、周辺を練り歩く。
卯波(うなみ) : 陰暦の4月(新暦では5月後半から6月前半)頃にたつ川や海の波のこと。
卯の花腐し(うのはなくたし) : 陰暦の4月(卯の花月)に降り続く陰鬱な雨のことで、
    この長雨がせっかく咲いた卯の花を腐らせるという意味。
馬肥ゆる(うまこゆる) : 冬の寒さを和らげるため、皮下脂肪が増えて馬が豊かに太ること。
厩出し(うまやだし) : 春馬や牛を厩舎から解き放つこと。
夷講(えびすこう) : 陰暦10月20日に行われる行事で、
    江戸時代の商家では、商売の神であるえびす像の前で酒食の宴を設け、
    座敷にある物に千両・万両の値をつけて売り買いのまねごとをし、手をしめて祝った。
    また、呉服商では、端切れ布を、えびす切れと称して福箱に入れて売り出したりした。
会陽(えよう) : 寺院の年頭の法会である修正会の結願の行事。
挿す(えりさす) : 湖や沼などで魚の通路に青竹をを刺し、そこに魚を追い込んで網で掬いとる漁。
えんぶり(えんぶり) : 2月に青森県八戸市を中心に行われる豊年祈願の行事。
御火焚(おうたき) : 12月に近畿地方の神社で行われる火を焚く祭。
大服(おおぶく) : 元日の早朝、若水で沸かしためでたいお茶を飲み、新年を祝うこと。大福茶の起源は、
    平安時代、村上天皇が六波羅観音の霊夢によって、茶を服され病気が平癒した故事による。
    梅干・山椒・昆布に淹(だ)し茶をそそいで行う地方もあるが、家元では、ホウライ山に飾られた
    小梅と昆布を取り分けていただき、濃茶を喫する。家元の一年はこの大福茶で始まる。
福笑(おかめつけ) : 輪郭だけが描かれたお多福の顔に、別に用意された眉、目、鼻、口を
    目隠しをした人が置いていくという正月の室内遊びをいい、とんでもない顔になって大笑いとなる。
女王禄(おうろく) : 「女」を略して「おうろく」と読む。正月8日(「白馬節会(あおうまのせちえ)」の翌日)と
    11月の新嘗(にいなめ)祭の翌日、女王(にょおう)に禄を賜る儀式。
    天皇、皇后の出御をはじめ、尚侍(しょうじ)、典侍なども参加、紫宸殿(ししんでん)の庭に
    幄(あく)(天幕)を張り、女王たちに絹や綿などを賜った。禄を賜る順序は年の順ではなく、
    世次によった。禄を賜る女王は262人もいた、と『延喜式(えんぎしき)』にある。
沖膾(おきなます) : 沖で捕った魚などを船の上で料理して食べること。
送火(おくりび) : 魂送りともいい、盂蘭盆会の終わる15日または16日夕刻、
    各家庭に迎えていた精霊を送るため、迎火のときと同様門前や戸口に香を手向け、
    苧殻(おがら)を焚く盆行事である。京都の大文字山の送り火が有名。
押し風(おしかぜ) : 冬に大陸の高気圧が強まって吹く季節風。
晩霜(おそじも、ばんそう) : 大陸北方の冷たい空気とともに南下してくる高気圧が、
    5月の遅い時期に夜間になってつくる霜のことで、発芽している農作物に損害を与える。
落穂拾い(おちぼひろい) : 刈り取った稲穂が、こぼれているのを拾う作業のこと。
落し文(おとしぶみ) : 広葉樹の葉を円筒状に巻いて巣にするコウチュウ目オトシブミ科の
    穀象虫に似た甲虫のこと。筒状の葉っぱが地上に落ちてくる様をもじったのが「落し文」。
(おとり) : 小鳥を捕らえるため、誘い寄せるための鳥。
御取越(おとりこし) : 浄土真宗の寺や在家で行う親鸞忌。
鬼打木(おにうちぎ) : 鬼や悪疫を祓うための木
お火焚(おひたき) : 11月中に京都の諸社で行われる火を焚く神事。現在行われている主な御火焚は、
    1日の八坂神社、8日の伏見稲荷、13日の新玉津島神社、25日の北野天満宮である。
帯解(おびとき) : 陰暦11月15日、男子は5歳、女子は7歳で初めて幅広の帯を締める祝い。
お水取(おみずとり) : 毎年2月の初め、国家安泰を祈願して営まれる法会。現在は新暦の3月になり、
    東大寺二月堂、薬師寺、新薬師寺などで行われる。奈良東大寺二月堂では3月1日から
    14日間にわたって行法が行われ、堂に向かう練行衆のための松明(たいまつ)
    夜の境内に豪奢(ごうしゃ)な炎を見せることから「お松明」と呼ばれたり、
    あるいは3月13日午前2時から行われる若狭から送られた御香水を汲みとり、
    本堂に運ぶ修二月会を略した修二会(しゅにえ)と呼ばれる
    十一面悔過法要の深夜の行にちなんで「お水取り」と呼ばれる。
御神渡り(おみわたり) : 凍結した湖の氷が、急激な温度変化により亀裂が生じ、
    長い帯状の隆起をする気象現象。諏訪湖の御神渡りが有名。
御命講(おめいこう) : 日蓮宗の開祖日蓮上人の忌日に営む忌辰法会で、
    東京池上本門寺の御命講(陰暦10月11日〜13日だが、今は陽暦で行う)は特に盛んである。
    信徒は団扇太鼓を叩き、南無妙法蓮華経の題目を唱えながら寺院に参詣する。
蚕の眠り(かいこのねむり) : 蚕は一週間に一回づつ脱皮・休眠を繰り返しながら成長する。
    この休眠の時をさす。
貝寄風(かいよせ) : 陰暦2月22日ごろ吹く強い季節風。
    その強い風により難波の浜に吹き寄せられた貝殻でお供えの造花を作ったことから、
    陰暦2月22日に大阪四天王寺で聖霊会(しょうりょうえ)が行われる。
傀儡師(かいらいし) : 正月に首に人形箱を付けて各戸を回り銭を請い歩いた人。
顔見世(かおみせ) : 毎年11月から12月にかけて芝居役者と契約を改めるため、
    一座の役者の顔ぶれを刷新した後の一座総出演の顔見世興行のことで、歌舞伎の年中行事の一つ。
書初(かきぞめ) : 年が明けてはじめて書や絵をかくこと。2日に行うことが多く、
    書初めでかいたものは1月14日の左義長で燃やし、その炎が高く上がると字が上達するといわれている。
霍乱(かくらん) : 暑気あたりが原因でおきる病気の総称。現在では、日射病をいう。
    夏に起こる、激しい下痢や嘔吐を伴う病気の古称でもあり、今日の急性腸炎・コレラ・赤痢などか。
掛香(かけごう、かけこう) : 携帯用の匂い袋または、
    室内の臭気を防ぎ邪気を払うために柱などに掛ける香料袋。
風切鎌(かざきりがま) : 鎌のもつ力によって、風を衰えさせようというおまじないの一つ。
    屋根に鎌を取り付けたり、竹竿の先に取り付けて風に向けて立てたりする。
風花(かざはな) : 空が晴れているのに、雪が舞っている様子。
    風花が舞うというように、湿気の多いぼたっとした雪ではなくて、
    はらはらと舞うような晴天にちらつく雪や、風の出初めに少し降る雪のこと。
梶の葉(かじのは) : 陰暦7月7日の七夕行事で、歌を供えるために梶の葉に歌を書き、硯や筆などを供えた。
    諏訪大社の御神紋。梶の葉に神に捧げる供物を盛る、祭事に必要な植物。
春日万燈篭(かすがまんとうろう) : 春日大社で、一斉(三千基ほど)に燈される燈籠のこと。
春日若宮おん祭 (かすがわかみやおんまつり) : 奈良市若宮神社(春日大社の摂社若宮)の祭礼で、
    12月に行われる奈良最大の恒例行事。15日は大宿所(おおじゅくしょ)祭、16日は若宮宵祭、
    17日は若宮本殿祭が行われ、18日には御旅所前で後日の能が演じられる。
    歴史と風俗の大絵巻がくり広げられ、芸能史的に価値が高い祭礼である。
風の盆(かぜのぼん) : 9月1日〜3日にかけて行われる富山県八尾町の盆踊で、町中仕事を休み、
    雪洞(ぼんぼり)を燈し、法被(はっぴ)、綾藺笠(あやいがさ)姿の若い男女を中心に、
    全町の人たちが夜を徹して民謡「越中おわら節」を唄い踊る。
風光る(かぜひかる) : 春の日差しが強くなると、吹く風がなんとなく光のように鋭く感ぜられるようなこと。
片陰(かたかげ) : 夏の灼けつくような強い日差しでできた影のこと。
鐘供養(かねくよう) : 寺の梵鐘の供養。
鹿火屋(かびや) : 夜に火を焚いて鹿や猪などの嫌う臭いの物をを燻らせて
    田畑を荒らすのを防ぐために山里などに作った小屋。火の番をする人を鹿火屋守という。
鎌鼬(かまいたち) : 寒さのきびしい時期に、突然皮膚が裂けてあたかも鋭い刃物で
    切られたような傷ができることで、昔は妖怪のイタチに似た動物のしわざと思われていた。
籠猫(かまどねこ) : 冬寒い頃にかまどなどの近くで気持ちよさそうにして、暖をとっている猫のこと。
神在祭(かみありまつり) : 陰暦の10月は神無月とも呼ばれ、
    それは全国の神様が出雲に集まるから、といわれている。
    そのことから10月に出雲大社や佐太神社などで集まった全国の神々を迎える神事のこと。
髪置(かみおき) : 3歳までの11月15日に初めて髪を伸ばす儀式。
神の旅(かみのたび) : 神無月(陰暦10月)の前日の夜に
    八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に旅をするという信仰。
亀鳴く(かめなく) : 春になると亀の雄が雌を慕って鳴くという情緒的な言い方。
    実際は鳴かないが、遊び心や想像力が生んだ季語の一つ。
    「笑う」ことの隠語として伝わり、使われている言葉。
鴨川踊(かもがわおどり) : 京都先斗町の芸妓や舞妓が5月に踊る歌舞。
粥杖(かゆづえ) : 15日の粥を煮るときに竃にくべた燃えさしや年木の一部を削った杖
神等去出の神事(からさでのしんじ) : 出雲に集まった神々がそれぞれの
    お国へ帰られるときに執り行われる神事で、12月1日と10日に神等去出祭(からさでさい)がある。
空っ風(からっかぜ) : 中央山岳部を超えて太平洋側に吹き降りてくる、乾いた冷たい冬の北西季節風。
空梅雨(からづゆ) : 夏の北太平洋高気圧がはやばやと日本をおおうために起こる現象で、
    梅雨時期に雨がほとんど降らないこと。
川開(かわびらき) : 旧暦5月28日(現在は8月1日前後)が川開きの日で、江戸時代の両国の川開きには、
    料亭の桟敷(さじき)、水上の屋形船、岸辺などに数十万人の群集がつめかけ、深夜まで花火を見物した。
    この日から8月28日まで夕涼みが行われ、川岸の茶店はもちろん、
    見世物や寄席(よせ)なども、夜中まで営業していた。納涼期間の幕開け行事の一つとして、
    隅田川、両国橋上下流の花火大会、新潟県長岡市の信濃川の川開きが有名である。
雁木(がんぎ) : 新潟などの雪の深い地域で、軒などにある頑丈な庇(ひさし)
寒垢離(かんごり) : 寒中(約1カ月間)に、滝に打たれたり、冷水を浴びたりして、
    心身を清め、神仏に祈願する水垢離(みずごり)をとること。
寒晒(かんざらし) : 穀類などを水に漬け寒中に晒してふんまつにすること。
元日(がんじつ) : 年の始めの第一日、つまり1月1日のこと。
    1948(昭和23)年7月に公布・施行された祝日法によって制定された国民の祝日である。
    年の始・月の始・日の始なので三始(さんし)という。とくに元日の朝は「元旦」「元朝」「歳旦」などと称する。
寒施行(かんせぎょう) : 冬、狐や狸に食べ物を与えること。
寒造(かんづくり) : 寒中の水で酒を醸造すること。あるいは寒中の水を用いて作った酒をいう。
竿燈(かんとう) : 8月5日〜7日に行う秋田市の行事で、秋田杉を形どった長さ12mの太竹に、
    たくさんの横竹をつけて、それに46個または48個の提燈をぶらさげ、さらに重さ50kgにもなる
    人形を飾りつけた竿燈を、男衆が一人で手や額、肩や腰に乗せ、太鼓や笛の音と囃言葉にあわせて
    その妙技を次々に演技し披露するお祭り。額にのせた竿燈が顔にずり落ち鼻を骨折したり、
    上に上げた竿燈が自分の足に落ちてけがをすることや、見物客の方に竿燈が倒れていくこともある。
    竿燈まつりは、真夏の病魔や邪気を払う、ねぶり流し行事として宝暦年間にはその原型となるものが
    出来ていたそうで、竿燈は約250年の歴史がある。その由来は豊作を祈る庶民の願望から
    生まれたもので、提灯は米俵を形どり提灯のゆれる様は、風にそよぐ稲穂を表すと言い伝えられている。
寒土用波(かんどようなみ) : 冬の低気圧が本州東方洋上で異常発達したときに起こる、高いうねりのこと。
寒念仏(かんねんぶつ) : 寒中に明け方大声で念仏を唱える修行。
寒の入り(かんのいり) : 「小寒」の季節に入ることで、太陽暦の1月5日頃。
    これから2月4日頃の「立春」までが1年中の極寒期となるので、この間に「寒中見舞い」を出す。
寒波(かんぱ) : 日本付近には冬の間、大陸から零下何十度という冷たい空気が流れ込み、
    その寒気が大波のように押し寄せるさまから。
雁風呂(がんぶろ) : 春に雁が帰った後、海岸の流木を拾い風呂をたてて雁の供養をする青森の言い伝え。
寒紅(かんべに) : 寒中に製した紅花から採れる紅のことで、品質がよく、色が鮮やかで珍重された。
    紅はエチオピアまたはアフガニスタンの山地を原産地とするキク科の
    1年草ベニバナから製した鮮紅色の顔料で、染料や化粧品原料、また食品の着色料とする。
    とくに寒中に製した化粧用の紅は上質で色が美しいとされた。
喜雨(きう) : 日照りが続き長らく雨が降らなかったときに降る喜びの雨のこと。
菊供養(きくくよう) : 10月18日に東京浅草寺で行われる菊の花の供養祭。
菊枕(きくまくら) : 干した菊の花びらを入れてある枕。
如月(きさらぎ) : 新暦の2月の終わりから3月頃で、気温の変化が激しく、
    ぬいだ着物を再び着る「衣更着」から出た言葉といわれている。
着衣始(きそはじめ) : 新年に初めて新しい着物を着ること。
衣被(きぬかつぎ) : 里芋の子など皮をつけたまま塩味で茹でたもので、月見の供え物の一つ。
(きぬた) : 植物繊維で織った布を柔らかくするために木槌などで打つこと。またはその木を打つ台。
曲水(きょくすい) : 杯を水に浮かべけがれを祓う、宮中などで行われた遊宴の行事。
御慶(ぎょけい) : 新年にお互いに述べあう祝詞。
麒麟草(きりんそう) : ベンケイソウ科の多年草で、6月ごろ、黄色い五弁花が枝ごとに集まって咲く。
喰積(くいつみ) : 年賀の客をもてなすための料理(取り肴)を箱詰めにしたもので、
    「蓬莢」(ほうらい)飾りの江戸での呼び方という。
    つまり、「蓬莢」や「喰積」というのが、昔でいう「お節料理」を指していた。
水鶏(くいな) : クイナ科の鳥の総称で、冬鳥の水鶏と混同されてきたが、
    緋水鶏(ひくいな)のことをいう。夏鳥として飛来し、各地の湿地にすむ。
茎立(くくたち) : 「くく」は「茎」の古形。蕪や油菜などの野菜やそれらの
    トウ(草冠に旧漢字の台)のことをいう。また芽や茎が伸びて、トウが立つことをさす。
草いきれ(くさいきれ) : 繁茂した夏草から醸し出される蒸されるような熱さのこと。
草の市(くさのいち) : 陰暦7月12日に、盆の行事に使うものや盆踊の用品を売る市で、
    盆花、秋の草花なども売られる。
草矢(くさや) : ススキなどの葉を裂いて指に挟んで飛ばす遊び。
国栖奏(くずそう) : 古代吉野に住んでいた国栖人の歌舞。
薬玉(くすだま) : 蒼じゅつ、もぐさ、香料などを袋に入れ、これに菖蒲や造花などを添え
    五色の糸を垂らしたもの。端午の節句に柱などにかけ、悪霊祓いをした。
薬喰(くすりぐい) : 獣の肉は穢れ(けがれ)があるので食べないようにしていた時代に、
    肉ではない、薬だ、と言いきかせて食べたことから生まれた言葉で、
    病気養生や強壮のため、猪や鹿などの肉を薬や栄養物としてを摂ること。
薬掘る(くすりほる) : 秋の野山に入って薬草を、特に根を採集すること。
口切(くちきり) : 茶家で最も重要視する茶事で、葉茶壺を所持する茶人は、
    その年の新茶が採れる前に茶師に預けておき、濃茶と葉茶(詰茶)を詰めた茶壺が茶師から戻ると、
    茶家では炉開きで当年初の濃茶を点てるとき、その新茶の封を切ること。
熊突(くまつき) : 熊の巣の入り口に熊が出られないように丸太を渡し、仕留める猟。
熊祭(くままつり) : アイヌの人が冬に熊を祭神にして行う祭。
鞍馬の火祭(くらまのひまつり) : 京都市左京区鞍馬の由岐神社の祭で、京都三大奇祭の一つ。
    10月22日の夕方、各家の門口に篝火(かがりび)が焚かれ、午後6時、
    子供たちが1〜2メートルの松明をかついで町内を練り歩く。そのあと、若者たちが長さ5メートル、
    重さ50〜60キロもある松明を4、5人がかりでかつぎ、火の粉を散らしながら練り、
    午後9時、200本余りの松明が鞍馬寺仁王門前に勢揃いすると、若者たちが由岐神社に突進し、
    2基の神輿をかついで、石段を一気に駆け下りて町内を巡行する雄壮な祭である。
クリスマス(Christmas Day) : もともとは「キリストのミサ」を意味する。
    12月25日のイエスキリストの誕生を記念する日で降誕祭という。キリストの降誕が夜なので、
    その前夜をクリスマスイヴといってミサをする。キリスト教では復活祭とともに最も大きな行事である。
栗名月(くりめいげつ) : 陰暦9月13日の「十三夜の月」のことで、
    クリまたはエダマメを供えるので、「豆名月」とも呼ばれる。
桑解く(くわとく) : 風雪を防ぐために藁などで括っておいた桑の枝を芽が出る時期に解くこと。
解夏(げげ) : 陰暦7月15日に安居をとくこと。安居→[夏]。
今朝の秋(けさのあき) : 過ぎ去っていく夏への愛惜の言葉で、夏の朝などに感じられる秋の気配のこと。
香魚(こうぎょ) : 香りのよい魚というアユの美称。
黄葉(こうよう) : 晩秋に木の葉が黄色に変化すること。
黄落(こうらく) : 銀杏の木など黄色くなって葉が落ちること。
極暑(ごくしょ) : 7月末から8月上旬のきびしい暑さ。
木下闇(こしたやみ) : 青葉の茂りがうっそうと夏日を遮って昼なお暗い樹木。
    日照りの強い道から木陰などの暗い所に入ると一瞬まっくらに感じるさまもいう。
小正月(こしょうがつ) : 旧暦の1月15日のこと。元旦を大正月と呼ぶのに対し、このように呼ぶ。
    年神様をお迎えする行事の多い大正月に対し、小正月は豊作祈願など農事に関連した行事が多いようである。
    7日までの松の内の「大正月」に対し、1月14日の夕から15日にかけて祝う正月のことをいい、
    1月1日の男正月に対することと、松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味をこめて「女正月」という地方もあり、
    男が料理する日とも言われ「小豆粥」を食べて祝う習慣がある。
    昔は奉公人(年季奉公の人)たちの休日でもあった。
    思い起こせば、かつて1月15日といえば「成人の日」という国民の祝日でもあった。
去年今年(こぞことし) : 年去り年来る。たちまちのうちに年が去り、新年が来るという時の歩みの早さを言う。
東風(こち) : 東から吹く春の柔らかい風。
事初(ことはじめ) : 12月13日、正月の年神さまを迎える準備を始めること。裏千家家元でも13日を事始とし、
    正月の準備にとりかかり始める。この日、社中や出入りの人々が鏡を持参して、1年間の恩恵を感謝する。
    家元では、その餅を対流軒の床前に飾って新年にそなえる。昔からこの日に、
    門松やお雑煮を炊くための薪など正月に必要な木を山へ取りに行く習わしだった。
小鳥狩(ことりがり) : 秋になって渡ってくる小鳥を捕獲すること。
木の葉髪(このはがみ) : 冬の抜けやすい髪の毛を落ち葉にたとえたもの。
小春(こはる) : 陰暦の十月の異称で、その頃は雨風も少なく暖かい日和(ひより)がつづくので、
    小春日、小春日和などといい、また小(こ)六月といってよろこぶ。
小松引(こまつひき) : 新年最初の子の日の行事。
御身拭(ごみぬぐい) : 京都清涼寺で4月に行われる法会。
小六月(ころくがつ) : ちょっと歩くと すぐ汗ばむことに基づく。陰暦の十月の異称。
催青(さいせい) : 孵化(ふか)2〜3日前に蚕の卵が青くなることから、
    蚕の卵を一斉に孵化させるため、温度・湿度・光線などを調節して胚子の発育をそろえること。
幸木(さいわいぎ) : 正月の料理の材料を吊り下げる風習。
坂鳥(さかどり) : 早朝に坂の向こうからやってくる渡り鳥のこと。「朝越ゆ」にかかる枕詞でもある。
左義長(さぎちょう) : 小正月を中心に行われる火祭りの行事で、新年の飾りを取りはずし、
    これを燃やすこと。地方によって、とんど焼き、どんど焼、さいとやき、
    三九郎焼(さんくろうやき)、ほちょじ、ほっけんぎょうなどの名称で行われている。
朔旦冬至(さくたんとうじ) : 冬至を1年の始まりとしていた古代中国の名残で、
    現在でも冬至は暦の基準となっている。中国や日本で採用されていた太陰太陽暦では、
    冬至を含む月を11月と定義しているが、19年に1度、陰暦11月1日が冬至にあたること、
    またその日をいう。この日に当たると、以後10年間は豊作が約束されるという。
    日本では聖武(しょうむ)天皇の726(神亀3)年から朝廷の祝日として祝われ、
    「朔旦の旬」とよばれる宴会や恩赦が行われた。古代には盛んであったが、中世になって衰微し、
    暦の変化も原因して、江戸時代の1786(天明6)の光格天皇の時に朔旦冬至の儀式が
    行われたのが最後であり、次の1870年の朔旦冬至の際に明治政府は古い因習として、
    以後こうした儀式は行わないこととした。これまでで最後の朔旦冬至は1995(平成7)年、
    次の朔旦冬至は2014(平成26)年である。なお、朔旦とは1日(ついたち)の朝の意。
櫻狩(さくらがり) : 飲めや唄えの単なる花見とは異なり、「桜」を求めて山野を尋ね歩くこと。
里雪(さとゆき) : 水蒸気を含んだ冬の北西季節風が弱まり、平野部に降る雪のこと。
猿酒(さるざけ) : 猿が木の窪などに木の実などを隠してそのまま酒となって発酵したもの。
三が日(さんがにち) : 1月の1、2、3日の総称で賀客迎ともいわれる。年賀の客を迎えるため、
    また茶家自身改まった年を迎えるため、茶席をそのように装うのである。掛物には、
    輪飾(わかざり)を掛けるのがしきたりである。三カ日の茶は、大福茶の延長とみてよく、
    茶が終わって、その席上または別席で、屠蘇(とそ)なり年酒を酌(く)むのである。
三寒四温(さんかんしおん) : 冬期、三日間ぐらい寒く、
    次の四日間ぐらいが温かいという気象現象のくりかえしのことをいう。
残暑(ざんしょ) : 立秋後の暑さのことだが、立秋とは名ばかりで、暑さがぶり返すこと。
山椒の花(さんしょうのはな) : 山椒はミカン科の落葉小高木で、4、5月ごろ、
    枝の頂に淡黄色の小花を総状につける。若葉や実は香辛料として喜ばれ、庭などに植えられる。
三伏(さんぷく) : 中国の陰陽五行説による区分で3つの伏の総称で、
    夏の暑さの最も烈しい期間をいい、「三伏の猛暑」の略称。初伏、中伏は7月中旬から下旬、
    末伏は8月中旬、これら初伏、中伏、末伏を合わせた期間。
鹿の角伐(しかのつのきり) : 奈良の春日神社で、10月に入ると神鹿を呼び寄せて角切りを行う。
    鹿の交尾期の前、10月中の日曜日と祭日の計5日間行われている。
敷松葉(しきまつば) : 庭に生えた苔などが霜で損なわれないように松の枯葉を敷いて保護する。
櫁の花(しきみのはな) : 香りの強いシキミ科の常緑樹で仏前花に用いる。淡黄白色の小花をつける。
時雨(しぐれ) : 晩秋から初冬にかけて、さっと降って、さっとあがる雨で、
    それが断続し、ときにはしばらく降り続く雨のこと。
鹿垣(ししがき) : 田畑を荒らす獣の進入を防ぐ垣根。
地蔵盆(じぞうぼん) : 8月24日(元は陰暦7月24日)に行われる地蔵菩薩の縁日である。
    この日全国各地で地蔵盆の行事が行われ、子供達が石地蔵に花や果実、野菜、
    団子などを供えてまつり、祭りが終えるとそれらをもらって帰るという風習がある。
    京都では、洛外六ケ所にある地蔵尊の会式六地蔵詣でが行われ、
    各地蔵をめぐっては地蔵幡をもらい、これを戸口にさげて疫病をはらうという。
芝神明祭(しばしんめいまつり) : 9月11日〜21日まで長くつづく祭りのためだらだら祭りともいわれ、
    境内で生姜を売るのでしょうが市の別名もある。
四方拝(しほうはい) : 元日の払暁(ふつぎょう)、午前5時半頃天皇が清涼殿で天地四方の神々を拝し、
    平和を祈念祈念される儀式。御座は宮中神嘉殿の南庭、屏風をめぐらした中で行われる。
霜くすべ(しもくすべ) : 霜の降りそうな晩に、籾殻や松葉などを焚きくすべて桑を霜の害がらまもること。
霜の花(しものはな) : 屋外の気温が氷点下7度以下、屋内の気温が氷点下1度以下で、
    水蒸気が多いと発生し、窓ガラスなどに出来るきれいな霜模様のこと。
淑気(しゅうき) : 正月の何ともいえないめでたい気配。
十五夜(じゅうごや) : 中国で行われていた中秋の名月を鑑賞する風習が、日本に伝わった。
十三詣(じゅうさんまいり) : 4月13日に13才の少年少女が、
    京都虚空蔵法輪寺に知恵・福徳を授かるために詣でること。
十夜(じゅうや) : 浄土宗の寺院で陰暦10月5〜6日から14〜15五日まで行われる昼夜ぶっ通しで
    無量寿経の教えにもとづいて、誦経(ずきょう)し念仏をする十日十夜の念仏法要で、十夜念仏の略称。
    現在、京都・真如堂では月遅れの11月に行っている。夜半、信徒に給する粥を十夜粥という。
秋霖(しゅうりん) : 夏から秋に移る時の雨季のことで、梅雨のような秋の長雨をいう。
酒中花(しゅちゅうか) : ヤマブキ・タラなどの木の芯(しん)で作った、花や鳥の形の小さな細工物。
    杯に入れるとふくれて開く。
修羅落し(しゅらおとし) : 伐採した木を川を利用して下流に流すが、
    極めて急流や水量の増した川を修羅場にたとえていう。
春望(しゅんぼう) : なぜかめでたい雰囲気のする春の光のこと。
上元の日(じょうげんのひ) : 陰暦正月15日の称。この日に小豆粥を食べるとその一年中の
    疫病が避けられるといわれている。 ちなみに7月15日が中元、10月15日が下元である。
成道会(じょうどうえ) : お釈迦さまが難行苦行されたあと35歳のときインドのブッダガヤーの
    菩提樹(ぼだいじゅ)の下で煩悩の炎が吹き消された悟りの世界(涅槃・ニルヴァーナ)に入られ、
    仏陀(ぶっだ)となられた日を記念して行われる法会のことをいい、悟りを開いた12月8日に行われる。
    禅宗では仏殿に出山の釈迦像をかけてお粥に昆布・串柿・菜などを混ぜたものを食べる風習がある。
    これは、お釈迦さまが成道の際にひとりの少女からヤクのミルク粥を飲み回復し、菩提樹のもとで
    禅定に入られ、明けの明星を見て悟られたことにちなんだものである。
    「涅槃会」と「仏生会」とともに「三大法会」とか「三大聖日」などと呼ばれているのに
    「成道会」だけ季語に入らないのは何故でしょうということで、とりあげてみました。
聖霊会(しょうりょうえ) : 大阪の四天王寺で行われる聖徳太子の命日にあたる4月22日
    (本来は旧暦2月22日)に、毎年開かれる忌日舞楽四箇法要。亀の池上に設けられた石舞台で、
    古式に基いた舞楽や雅楽(舞いや音楽)が催される。
    奈良の法隆寺などでも行われている。キリスト教の聖霊会(せいれいかい)とは別。
不知火(しらぬい) : 陰暦8月1日ごろ有明海地方の沖で見られる怪発光現象。
験の杉(しるしのすぎ) : 京都伏見稲荷大社の御神木の杉のこと。
代掻(しろかき) : 田植え前に田に水を入れ、土を砕きながら掻いてならす作業。
    かつては牛馬に馬鍬(まぐわ)を引かせたが、機械化が進んで姿を消した。
神農祭(しんのうさい) : 神農(医薬を初めて民に伝えたとされる人)を祀る、大阪市中央区
    道修(どしょう)町の少彦名(すくなひこな)神社の11月22〜23日に行われる例祭。
    道修町は江戸時代から薬問屋の町として有名で、少彦名神は薬の神。もともと同じ場所に、
    中国の伝説上の皇帝で医薬を創り出したという神農氏が祀られていたため、「神農さん」とも
    称して親しまれている。祭の当日は、笹につけた張子(はりこ)の虎が魔除けとして授与される。
忍冬の花(すいかずらのはな) : スイカズラ科の甘い香りのある常緑性植物で、
    茎は蔓になって伸び初夏、葉のつけ根に筒状の花をつける。
水飯(すいはん) : 柔らかく炊いた飯を冷水で冷やしたもの。
酔芙蓉(すいふよう) : 朝は白・昼は楊貴妃のようなほんのり薄紅・夕は真っ赤に酔った
    顔色の紅に変わることからついた名で、翌朝にはしぼむ園芸品種。
すが漏り(すがもり) : 軒先などに氷が張り、その後緩んでくると屋上の雪が解け、水が軒先にたまり、
    屋根の隙間から逆流して浸透してきた水が穴があいていないにも関わらず漏れてくる現象。
すがれ虫(すがれむし) : 盛りを過ぎ衰えた声で鳴く虫のこと。
末黒野(すぐろの) : 川べりの茨などの草が半焼けに残っていること。
末黒の芒(すぐろのすすき) : 野焼き後、穂先の焼け残った黒い芒のこと。
冷まじ(すさまじ): 冬枯れにも似た寒さ。
諏訪の御柱祭(すわのおんはしらまつり) : 7年に一度の申と寅の年に樅丸太を切り出し、
      長野県諏訪大社の上社(5月4日)と下社(5月5日)の社殿の隅に建てる祭事で、山出し、
      木落とし、川渡し、里曳き、冠落とし、御柱建てと一連の行事が勇壮に、古式豊かに行われる。
硯洗(すずりあらい) : 七夕の前日に常用している硯を洗い清めること。
    この硯に芋の露を取り、墨をすって詩歌を書いていた。
釈奠(せきてん) : 孔子をはじめとする儒学の先哲を先聖、先師として祀る祭典で、
    釈奠(せきてん)と釈菜(せきさい)の2種類がある。
    釈奠は、牛や羊、豚のいけにえなどを供える大典であり、釈菜はその略式です。
早春(そうしゅん) : まだまだ肌寒かったり、木の芽も伸びない、春未だ浅い頃のこと。新暦では2月頃。
蒼朮を焚く(そうじゅつをたく) : 湿気を払うために白朮をいぶすこと。
添水(そうず) : 田畑を荒らしに来るものを音を立てて追い払う道具。
雑炊(ぞうすい) : 白米から煮立てるか冷飯から作り、粥よりも少し堅く炊き、醤油・味噌または残りの
    汁等で味をつけ、大根・ねぎなどの具を刻みこんで野菜・魚鳥の肉等を加えて炊いた粥(かゆ)で、
    冬の寒い日などに、温まるには好適な食物。俗に「おじや」といい、「こながき」と言われるところもある。
掃苔(そうたい) : 墓石の苔(こけ)を掃き清める意で墓掃除のこと。特に、盂蘭盆(うらぼん)の墓参をいう。
大根焚(だいこだき) : 京都鳴瀧の了徳寺、俗にいう鳴瀧御坊の行事である。
    建長4年11月、親鸞上人が80歳の老体でこの地に足をとゞめ他力本願を説かれた時、
    土地の人が日夜大根の塩煮を供した。この故事を記念して、毎年12月9日大根を焚いて
    開山上人に供え、人々にも分つのである。当日は庭前・厨房等に幾つもの大釜・大鍋をかけて
    大根が煮られ、狭い境内は大勢の人々で埋まる。
高きに登る(たかきにのぼる): 旧暦9月9日重陽の日に丘の上などの
    高いところに登り菊の酒を飲むと寿命が延びるとされた言い伝えから。
宝船(たからぶね) : 枕の下に敷くと、めでたい夢が見られると言われる宝船の絵。
薪能(たきぎのう) : 社寺の境内で夜間、篝火(かがりび)を焚いて演じられる野外能。
    奈良・興福寺で修二会に際して行われていたが、幕末に中絶した。
    昭和21年に復興し、5月11、12日に演じられる。
    奈良興福寺の薪能が始めだが、色々な行政や観光目的で新設され、季節が特定できなくなっている。
竹伐会(たけきりえ) : 京都・鞍馬寺本堂において、頭に五条袈裟を弁慶かむりした法師8名が、
    近江座と丹波座の2組に分かれ、大蛇に見立てた太さ10センチほどの青竹を気合いもろとも
    山刀で叩き切る行事。管長の檜扇を合図に、素早く伐った方が勝ちとなり、豊作になるという。
竹の秋(たけのあき) : 春になると葉が黄ばんで見えることから秋枯れになぞらえて。
竹の春(たけのはる) : 成長した若竹が枝を伸ばし生きよい良く茂ること。
竹瓮(たつべ): 細い竹を編んで一方を閉じ、一方の口から魚を捕る漁。
竹婦人(ちくふじん) : 竹で編んだ筒状のもので、夏、涼をとるために抱いて寝る竹籠(たけかご)
秩父夜祭(ちちぶよまつり) : 祇園祭、高山祭と並んで、日本三大曳山(ひきやま)祭の一つ。
    秩父神社(埼玉県秩父市)で12月2〜3日に行われる冬祭で、
    3日の夜は、笠鉾2台と屋台4台が、夜を徹して市中を練り歩く。
ちゃっきらこ(ちゃっきらこ) : 15日神奈川県三浦市で行われる左義長の後祭。
中元(ちゅうげん) : 元日から半年過ぎての無事を祝い、祖先の霊を供養する日。
            中国の習慣が伝わったものだが、日本では「盂蘭盆会」と日が重なったことから、
            祖先の霊を供養し、両親に食べ物を送るようになった。この習慣が、目上の人、
            お世話になった人などに贈り物をする「お中元」に変化した。
中日(ちゅうにち) : 昼夜の時間がいっしょになることから。
帳綴(ちょうとじ) : 1月4日にその年に用いる帳簿を綴じて祝う習慣。
草石蚕(ちょろぎ) : 正月のお節料理の具。
土筆(つくし) : スギナという羊歯(シダ)植物の胞子茎。つくしの頭から胞子が飛散り、それから芽が出て
    スギナになる。そして、次の春にはスギナの根からつくしが伸びる。
    日当たりのよい畦や土堤などに生え、成長しきらない柔らかいものを摘んで茹でて食べる。
    スギナは、最古の陸上植物の末裔で、3億年前の先祖は高さが30mもあった。
    長い地球の歴史の中で、何度も春を迎えて今の形になったのでしょう。
筑摩祭(つくままつり) : 滋賀県坂田郡米原町の筑摩神社で毎年5月3日におこなわれる祭礼のことで、
    鍋釜祭(鍋冠り祭、鍋釜祭保存会)ともいわれ、少女が張り子の鍋と釜を冠り、
    緑の狩衣に、緋の袴で渡御に奉仕する姿はよく知られている。
(つゆ) : 明け方に気温が下がると、空気中の水蒸気が凝縮して、草や木の葉の上にできた水滴。
梅雨明(つゆあけ) : 梅雨の終わりのことで、蒸し暑い夏の始まり。
梅雨寒(つゆざむ、つゆさむ) : 冷たいオホーツク海高気圧の影響で、
    北東の寒々とした風が吹き、梅雨期に数日続く季節はずれの寒さ。
釣荵(つりしのぶ) : 羊歯植物を束ね籠や船の形などにして、軒下に吊す。見た目の涼しさを味わうもの。
釣瓶落し(つるべおとし) : 秋の日の暮れやすさを釣瓶が井戸に落ちる早さにたとえたもの。
出初式(でぞめしき) : 消防出初式ともいい、正月6日前後にに全国共通で行わる消防団や消防署が
    新年はじめて消防演習を行う儀式。現在の消防組織が制度化されてから一般化したが、
    江戸時代から「鳶(とび)の者」と呼ばれた町火消たちの勇壮な初出行事が、
    今日も受けつがれ、正月の風物詩となっていて、東京では伝統的なハシゴ乗りなどがある。
伝教会
(でんぎょうえ) : 6月4日に比叡山延暦寺で営まれる伝教大師の忌日会で、正しくは長講会という。
    伝教大師最澄は、空海とともに入唐し、天台宗を開き、弘仁13年(822年)、56歳で入寂した。
踏青(とうせい) : 春の野山に出て青草を踏み遊ぶこと。古い中国の行事から来た言葉で、
    ちょっとしたピクニックなどを言い、春の散策やそぞろ歩きも含め、心はずむ明るさがある。
十日夜(とおかんや) : 西日本の亥の子に対して、主に東日本で行われる。陰暦10月10日の夜に
    行われる収穫祭で、4月10日に山をおりた田の神が、この日山へ帰るのを感謝する。
    子供たちが芋の茎を入れた藁鉄砲を作り、はやし歌をうたいながら地面を打って回る。
通し鴨(とおしがも) : 夏になっても北へ帰らず留鳥となって巣作りなどをする鴨のこと。
野老飾る(ところかざる) : 野老(ところ)は、薯蕷(とろろ)芋や山芋と属は同じヤマイモ科で
    自然薯に似ているが別のものである。苦いので食用には適さず、薬用とされる。
    芋の表面のヒゲの多さが長寿老人にたとえられ、海の海老(えび)とともに正月の山の縁起物とされる。
年木(としぎ) : 正月の祭事のための薪。
年木樵(としきこり) : 正月に飾る年木を、年の暮れに山に入って伐ること。
年篭(としごもり) : 大晦日の夜、社寺に参詣して、新しい年を迎えること。
歳徳神(としとくじん) : 陰陽道(おんようどう)での方位神の一つで、その年の福徳をつかさどる吉神。
    年徳、歳神、正月さまなどとも言う。この神のいる方を明きのかた、
    または恵方(えほう:その年の幸運の方角)といい、万事に吉とする。
    この神様は、正月に飾られる門松に宿られて家々に祀られる。
年守る(としまもる) : 大晦日に眠らず元旦の朝を迎えること。
鳥総松(とぶさまつ) : 門松を取り去った跡へ、松の梢を挿したもの。
土用波(どようなみ) : 遠方の台風によって発生したうねりが伝わって生じる波で、
    夏の終わりに海岸地方に被害をもたらす。
土用芽(どようめ) : 夏の土用の頃に萌え出る新芽のこと。
虎が雨(とらがあめ) : 陰暦5月28日の雨。曾我兄弟が討たれた日で、
    その兄(十郎)の愛人であった遊女「虎御前」が死を嘆き流した涙とされることから。
    曽我兄弟の仇討ちは鎌倉時代初期の頃の出来事で、長雨と悲しみをもじったもの。
鳥追(とりおい) : 正月に家々を祝って歩く門付け芸能。
鳥雲に入る(とりくもにいる) : 北へ帰る渡り鳥が雲にはいるように見えること。
鳥曇(とりぐもり) : 渡り鳥が北へ帰っていく頃の曇天。
どんど(どんど) : 1月14日夜か15日の朝、正月の松飾りや注連縄(しめなわ)、書き初めなどを燃やす、
    小正月の火祭り。この火で餅を焼いて食べれば一年が無病息災といわれる。
長月 (ながづき) : 陰暦の9月の異称で、陽暦では10月に当たる。夜長月の略称。
名越の祓(なごしのはらえ) = 名越の祓(ミニ辞典に別掲)
菜種御供(なたねごく) : 菜種御供大祭で、参拝者にふるまわれるクチナシの実で黄色く色づけられた
    「だんご」のことで、雑煮(ぞうに)やぜんざい、粥(かゆ)などに入れる。九州の太宰府(だざいふ)に
    左遷(させん)されることになった道真公が、叔母を訪ねて道明寺に立ち寄った際、旅立つ道真公の
    気持ちを汲んで、梅の実をかたどり、クチナシの実で春の訪れを感じさせる菜種の花の色をつけた
    菜種御供を叔母が道真公に作ってあげたことがその始まりと伝えられている。
菜種梅雨(なたねづゆ) : しとしととした降り方が梅雨に似た、菜の花の咲く頃に降る長雨。
                 日本の南海上にできる停滞前線のためで、関東から西の地方に降る。
夏めく(なつめく) : 気候・風物が、どことなく夏らしい輝きを待ち、生活・調度にも夏めきが見えて来ること。
七草爪(ななくさづめ) : 正月の七日薺を茹でた汁に浸して爪をきった。
七日(なぬか) : 1月7日 七種粥の行事が行われる日。
七日正月(なぬかしょうがつ) : 1月7日の祝い。七種粥を食べ無病息災を祈った。
成木責(なりきぜめ) : 柿木などの果樹の今年の成熟を祈る祝い。
苗代茱萸(なわしろぐみ) : 山野に自生するグミ科の常緑低木で、庭木にもされる。
    秋に白い小花が開き、翌年の春から夏にかけて長楕円形の実が赤く熟す。苗代を作る初夏に実が
    熟れるので付いた名で、果実は甘酸っぱく食べられる。グイミの略で、グイはとげ、ミは実のことである。
南天の実(なんてんのみ) : 南天は料亭の入口や家庭の庭先によく見かける日本を代表する庭木の
    一つである。古くから進物用の食物にこの葉をのせて、食あたりの「難を転ずる」まじないとしたり、
    めでたい木としてお祝いごとに用いたり、生活の中にもなじみのある木と言えるでしょう。
    南天は12月ごろに実を結ぶが、この実を煎じて飲むと「せき止め」に効用がある。飲みにくければ
    蜂蜜や砂糖を加えてもよい。また、南天には赤南天と白南天があり、薬用には白南天を用いる
    風習があるが、その確かな根拠はないようです。
二月礼者(にがつれいじゃ) : 正月に忙しい演劇、料理屋関係の人たちや、事故に遭った人など、
    年始まわりができなかった人が、月遅れの2月1日に厄祝の回礼(かいれい)に歩く風習をいう。
    元来2月1日は、厄年の人が早く年を送迎するために正月のやり直しや、
    厄払いをしたり、還暦長寿の人が長寿を祝ったりする日であった。
逃水(にげみず) :  日射により地面付近の空気の密度が変わるために起きる光学現象で、
    風がなく天気のよい日中、自転車や自動車で路上を走っているときに、
    遠くにある水溜まりに近づくと、次々と逃げていくように見えること。
煮凝(にこごり) : 煮魚を煮汁とともに、凍結させた食料品。
二重廻し(にじゅうまわし) : かって、男が和服の上に着た外出用の防寒着のことで、
    マントのほかにトンビ、インバネスとも呼ばれた。
二番渋(にばんしぶ) : 収穫後、まだ青いままの未熟な柿の果実を突いて、臼(うす)でくだく。
    その後、樽の中にいれて、2昼夜ていどかけて発酵をさせてできたものをしぼると、
    柿3.75kgから0.72リットルほどの「生渋」ができる。生渋を静かに置いておき、
    かすを沈殿させた上澄み液が一番渋である。そして、一番渋をしぼりとった残りのしぼりかすに
    水を加えてさらに発酵させ、再度しぼりとって得たものが「二番渋」である。
    これは一番渋より色が濃く液も濃いが品質は劣る。
    柿渋の用途は広く、家屋・家具の漆下や番傘などに塗られる。
入梅(にゅうばい) : 梅雨の時期に入った日で、6月11日頃にあたる。太陽の黄経が80度に達した時刻。
繞道祭(にょうどうさい) : 奈良県桜井市大神神社の元旦の祭。
葱坊主(ねぎぼうず) : ネギの花の見た目から。
熱帯夜(ねったいや) : 最低気温が25度以上の日をいう。
涅槃西風(ねはんにし) : 陰暦2月15日の涅槃会前後一週間ごろ吹く強い西風。
    陽暦ではちょうど彼岸の頃で、この風を境に急速に暖かくなる。
根深汁(ねぶかじる) : ネギを主体とした味噌汁。
合歓の花(ねむのはな) : 高さ5〜10メートルほどの山野に自生するマメ科の落葉高木で、
    6、7月ごろ、薄紅色の花が夕方に開く。
    夜になると葉をたたんで睡眠状態になるので付けられた名前。
練供養(ねりくよう) : 浄土信仰では, 人が死ぬときには 極楽浄土から大勢のほとけさまが迎えに現れる
    (来迎) という教えがあるそうで, これを劇的に表現するものとして、「二十五菩薩」の格好をした人達が
    練り歩く祭である。橿原市久米町の久米寺の開祖で聖徳太子の弟の来目皇子(くめおうじ)
    7歳のときに患った眼病の回復を薬師如来に3日3晩の願掛けを7回、あわせて21日間祈願したところ、
    浄土から25菩薩と薬師瑠璃光如来が現れて病気を治したという故事に由来する行事。
年魚(ねんぎょ) : 生まれたその年に死ぬ魚という意味で、鮎のこと。
後の更衣(のちのころもがえ) : 陰暦4月1日の更衣に対して、陰暦10月1日の更衣をいう。
    もとは平安時代の宮廷行事で、
    この日、装束のほか調度や室内の装飾に至るまで、冬春の衣料に改められた。
後の彼岸(のちのひがん) : 秋分の日を中日としたその前後各三日の一週間の仏事。
のっぺい汁(のっぺいじる) : もとは島根県津和野の郷土料理で、
    油揚げ、人参、大根、里芋、椎茸、蒟蒻(こんにゃく)などを形を揃えて切り、甘辛く味つけした煮物。
野焼(のやき) : 春先、晴天で風のない日、枯れ草を焼き払って害虫を駆除し、
    またその灰が馬や牛の飼料となる草の生長を促して、
    ワラビやゼンマイなどの発育を助ける肥料にもなる。
野分(のわき) : 「野の草を吹き分ける」の意味で、秋の暴風のこと。
梅花祭(ばいかさい) : 北野天満宮の祭神菅原道真公が大宰府で亡くなったのが、延喜3年(903年)
    3月25日(陰暦2月25日)。道真公がこよなく梅花を愛でた。その故実にちなんで、「梅花御供」を
    献饌する。古くは御祭神を宥(なだめる)と音の通じる菜種の花を供え「菜種御供(なたねのごく)」と
    称していたが明治以降新暦になり、菜種のかわりに梅の花を用いたことから次第に
    「梅花御供(ばいかのごく)」と呼ばれるようになった。
廻し(ばいまわし) : 陰暦9月9日の重陽の節句の際の、コマを回しあい、はじき飛ばす遊び。
    ばい貝という貝を使った。
歯固(はがため) : 延命長寿のため、鏡餅の外に大根・瓜・押鮎・猪や
    鹿の肉などの主に堅いものを食べる儀礼。
袴着(はかまぎ) : 童子が5歳で初めて袴をはく祝い。
掃納(はきおさめ) : 大晦日にその年の最後の掃除をすること。
掃立(はきたて) : 卵からかえったばかりの蚕を蚕卵紙から移すこと。
    種紙から発生した毛蚕を羽帚で蚕座に払い落とすこと。
鉢叩(はちたたき) : 11月13日の空也忌から大晦日まで行われる僧たちの修行。
初戎(はつえびす) : その年最初の戎祭のことで、前日が宵戎。関西では1月10日の十日戎が一般的で、
    大阪の今宮戎神社、西宮の戎神社、京都の蛭子(えびす)神社などが善男善女でにぎわう。
初鏡(はつかがみ) : 新年になってはじめての化粧のために鏡に向かうこと。
二十日正月 (はつかしょうがつ): 1月20日の節日。この日で正月の儀礼を終了する。
初鰹(はつがつお) : 脂肪がつき、味が良いので珍重される鰹の走りで、
    衣更(ころもがえ)の日以降にとれた鰹を初鰹とした。
初観音(はつかんのん) : 毎月18日の観世音菩薩の縁日のうち、一年最初の1月18日の縁日のこと。
八朔の祝(はっさくのいわい) : 陰暦8月朔日(1日)の武家の行事。この日稲の初穂は禁裡(きんり)
    献上したもので、これを田実(たのみ)の節といった。後嵯峨天皇、あるいは後深草院のころから
    始まったといわれる。また天正18年(1590)の8月1日は、徳川家康が初めて江戸城に入った日で、
    これを祝日として、大小名や直参の家臣が白帷子(しろかたびら)を着て登城し、祝詞を述べた。
    このことから8月1日を祝儀の日として、この日から中元の挨拶が始まる。
初東雲(はつしののめ) : 元旦の明るくなり始めの朝の空。
初荷(はつに) : その年に初めて運ぶ荷物のこと。現在では仕事始めの4日頃になることが多い。
初昔(はつむかし) : 元旦に旧年をさす言い方。
初夢(はつゆめ) : 一般には1月2日の夜にみる夢のことで、
    縁起のいい夢として「一富士、二鷹、三茄子」と言われている。枕の下に宝船の絵を敷いて寝、
    よい初夢が見られるという風習があった。また、夢を食う獣と言われる獏を描いた
    紙を枕の下に敷いて寝ると、凶夢を見ないという俗説から「獏枕」の風習もある。
鳩吹(はとふき) : 野生の山鳩の鳴き声を真似て両手を合わせて吹くこと。
花換祭(はなかえまつり) : 4月上旬頃福井敦賀の金崎宮で行われる祭礼。
鎮花祭(はなしづめまつり) : 晩春に花が散り風が吹くと、花粉に乗って疫病が流行すると
    考えられたことから、花の霊力によって悪霊や疫神を鎮める祭。
花冷え(はなびえ) : 桜の咲く頃に急に冷え込むこと。
羽抜鳥(はぬけどり) : 繁殖期が終わり夏から秋にかけて抜け換わりつつある鳥のこと。
跳人(はねと) : 佞武多祭の際にいきよい良く飛び跳ねる人のこと。
針供養(はりくよう) : 針仕事を休み、針を供養する日。関東では2月8日、関西では12月8日に行う。
    ともに「慎みの日」とされているので針仕事を休むので「針休み」ともいわれ、針を休ませ、
    折れた針を集めて供養する。1年間使って不用になった針類を豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに
    刺して、神社に納めたり、紙に包んで海に流したりした。手芸、芸能の守護仏である虚空蔵菩薩を祀り、
    平安期に清和天皇が針を納める堂を建てたことから、針供養の風習が始まったといわれている。
    行事としての針供養は、和歌山県の淡島(あわしま)神社などが有名である。
春一番(はるいちばん) : 立春から春分までの間に日本海で発生した低気圧により最初に吹く強い南風。
春駒(はるこま) : 新年に各戸を回る門付け芸能。
春深し(はるふかし) : 桜も散って、風物の様子にどこともなく春も盛りを過ぎたと感じられるころ。
風光る(はるひかる) : 吹く風が鋭く感ぜられるようなこと。
半夏生(はんげしょう) : 七十二候の一つで、夏至から11日目の旧暦8月5日頃からの5日間。
    太陽の黄経が100度に達した日。半夏生までに田植えが終わらなければ、
    半作といって収穫が半分になるとの言い伝えにより、たこの足の吸盤がしっかりと吸い付くことから、
    稲の苗がしっかり根付くように、半夏生に「たこ」を食べることになったそうである。
引き風(ひきかぜ) : 冬に東方の低気圧が強まって吹く季節風。
引鶴(ひきづる) : ナベヅル、マナヅル、タンチョウヅルが3月上旬頃、北へ引き揚げ、帰る鶴のこと。
(ひこばえ) : 樹木の切り株や根元から萌え出てくる若芽のこと。
火取虫(ひとりむし) : 夏の夜など、街灯や人家の内外の灯火に集まる蛾のこと。
雛市(ひないち) : 2月25日頃から、江戸では十軒店など、
    京都では四条通り、大阪では御堂前などに立った出店。
火の番(ひのばん) : 火の用心のため夜廻りをすること。
氷室(ひむろ) : 夏に使うために冬の氷や雪を貯蔵しておく設備で、
    宮中に4月初めから9月末まで献上されたが、特に6月1日が大切な日とされた。
鰭酒(ひれざけ) : 河豚の鰭を焼いて熱燗を注いだもの。
枇杷葉湯(びわようとう) : ビワの葉を煎じて飲む方法で、清涼剤として、
    夏まけや暑気あたり、また食中毒や大腸カタルの予防に一種の保健薬として愛飲されてきた。
鞴祭(ふいごまつり) : 11月8日鍛冶屋など火を使ったりする所で行われる鞴を祀る祭。
蕗の薹(ふきのとう) : 早春の山野草の代表格で、蕗の花及び花芽のこと。
富士詣(ふじもうで) : 江戸時代には、晦日(みそか)から6月朔日(ついたち)にかけて富士詣と称して、
    駒込や浅草などの、富士権現(ふじごんげん)の分祀(ぶんし)されたお宮に参ることが盛んに行われ、
    その際、麦わらで作った蛇を、葉竹や杉枝に巻きつけたものを買って帰り、それによって、
    疫病をまぬがれると信じていた。富士山の山開きは7月1日、富士登山をして、富士権現の奥の院に
    参詣する。昔は登頂することを富士禅定(ぜんじょう)といい、登山者は富士行者、富士道者といわれた。
札納
(ふだおさめ) : 新しいお札を社寺から預かり、古いお札を元の社寺に納めること。
二日(ふつか) : 1月2日、初仕事の吉日の日。
二日灸(ふつかきゅう) : 陰暦2月2日および8月2日に灸をすえると息災になるとか、
    倍の効能があると昔からいわれ、この頃は農閑期の気候の変わりめにあたるので、
    灸をすえて体力の回復をはかったとされる。
冬苺(ふゆいちご) : バラ科の常緑低木で、クリスマスなどで食するオランダ苺とは異なる。
冬安居(ふゆあんご) : 冬に行われる寺院の修行。
冬構え(ふゆがまえ) : 風雪や寒冷を防ぐために、風除けや囲いなどをして冬の寒さに備えること。
冬座敷(ふゆざしき) : 冬すきま風などを防ぎ、暖房をしてある部屋。
冬将軍(ふゆしょうぐん) : 冬期にシベリア方面から強い季節風とともにやってくる、きびしい寒さをいう。
    ナポレオンさえも退却させた厳冬から名付けられた。
冬紅葉(ふゆもみじ) : 時雨や風によって色も深まり、立冬を過ぎても枝に残っている紅葉。
鰤起し(ぶりおこし) : 日本海沿岸で鰤がとれる12月・1月頃の雷鳴。
風炉の名残(ふろのなごり) : 10月に茶道の風炉の終わりの季節で、まだそのままに残してあること。
風呂吹(ふろふき) : 冬、おいしくなる大根や蕪を厚切りにして茹でたり蒸したりし、
    その熱い間にたれ味噌を塗って食べる料理のこと。
べったら市(べったらいち) : 陰暦10月19、20日に東京日本橋本町三丁目の
    恵比須神社を中心に開かれるべったら漬(浅漬け大根)を売る市。
報恩講(ほうおんこう) : 浄土真宗の開祖親鸞聖人のご恩を報謝する報恩の講(法会)。
    聖人は1262(弘長2)年11月28日に生涯を終えられたので、本山(東本願寺)では
    11月21日から28日までお勤めがあり、特に「御正忌(ごしょうき)」といわれている。本願寺では、
    これを太陽暦にあらためて1月16日とし、1月9日から16日まで御正忌報恩講をお勤めする。
蓬莱(ほうらい) : 蓬莱山の形に作った新年の飾り。
宝恵籠(ほえかご) : 大阪今宮戎の十日戎に参拝するために大阪南新地の芸者たちが乗ってくる籠。
頬刺(ほおざし) : イワシの口からえらのあたりを竹串または藁(わら)で刺し連ねて干した食品。頬通し。
干飯(ほしいい) : 天日で乾燥させた携帯用の飯のこと。
(ほだ) : 囲炉裏に用いる木などの焚きもの。
牡丹焚火(ぼたんたきび) : 福島県須賀川町市の牡丹園で行われる牡丹の枯れ木炊焚き。
ぽっぺん(ぽっぺん) : 細いガラス管の先に薄い丸いガラス玉がついた玩具で、
    ガラス管を吸ったり吹いたりすると、ぽっぺん・ぽっぺんといい音が出る。
    正月の女児のあそび物とされていた。「ぽっぺん」は大阪での呼称で、
    江戸では、「ビードロ」のほかに、「ポコンポコン」などがあるが、
    ビードロは夏の季語となっていることから、関東では正月の玩具として用いられなかったのだろうか。
鼓虫(まいまい) : 目が四つあり、池や小川の水面を忙しく旋回するコウチュウ目ミズスマシ科の
    光沢のある黒い小さな楕円形の昆虫。
真菰の馬(まこものうま) : 「星祝い」とも言われ、8月7日の晩の七夕の夜に織り姫と彦星が
    馬に乗って再会できるようにと願い、庭には笹飾り、
    軒先に飾った真菰(まこも)で作った1対の雄馬と雌馬のこと。
松の内(まつのうち) : 正月の門松を立てておく期間をいう。関東では6日まで、
    関西では14日までが慣習となっている。その日が過ぎると、松がはずされて松過ぎということになる。
松葉牡丹(まつばぼたん) : 南アメリカ原産のスベリヒユ科の一年草で、
    松葉に似た肉質の葉を持ち、小さな牡丹のような花をつける。
鞠始(まりはじめ) : 新年に初めて蹴鞠を蹴ること。奈良時代に中国から伝わったとされ、平安時代に
    貴族の遊びとして盛んに行われた行事。京都の下鴨神社では1月4日に行われ、境内に15m四方の
    鞠庭が設けられ、14時頃から烏帽子に水干・葛袴姿の鞠人たちが掛け声と共に、鹿皮製の鞠を
    落とさないよう蹴り上げ、王朝の遊びを今に再現する。雨天の場合は屋内にて行われる。
万歳(まんざい) : 正月に家々を訪れて祝言を述べる門付のことで、風折烏帽子(かざおれえぼし)
    素襖(すおう)を着て腰鼓を打ち、その年の繁栄を祝い、賀詞を唄う者を言い、それらの人々を
    「才蔵・太夫」などと呼び、滑稽な駄洒落を掛け合う芸で、大和万歳・三河万歳・尾張万歳などが有名で、
    大阪の「漫才」はこれの流れである。正月の街角で舞い、家ごとに訪れる「獅子舞」は、万歳と同じで、
    祝賀の縁起をかつぐ行事の一つで、その舞い方にはいろいろな流儀がある。
万灯(まんどう) : 東京池上の本門寺や堀の内の妙法寺など日蓮宗の寺で、
    10月13日の御命講(おめいこう)の夜に掲げて練り歩く灯籠提灯(とうろうちようちん)のこと。
水貝(みずかい) : 新鮮な鮑を賽の目に切り冷水で締めて、塩をふったもの。
味噌搗(みそつき) : 自家用の味噌を作るために、十分に煮た大豆に食塩や麹(こうじ)を加えて搗くこと。
三日(みっか) : 1月3日 皇室の大祭があり、もっともめでたい日とされている。
三椏の花(みつまたのはな) : 中国やヒマラヤ原産でジンチョウゲ科の落葉低木で、
    枝は全て三叉に別れていて白黄色かオレンジ色の花が咲く。
水口祭(みなくちまつり) : 苗代に種をまくときに神を祀る豊作祈願の祭。
身に入む(みにしむ) : 秋になってつれづれと寒さが感じるようになること。
蚯蚓鳴く(みみずなく) : 何の虫かも分からずジーと鳴いている虫たちのこと。
                実際には、蚯蚓は鳴かないが誤って伝えられた。
耳袋(みみぶくろ) : 寒さのため耳にかぶせる防寒具。
峰入(みねいり) : 修行のため紀伊の大峰山脈に入山すること。
三船祭(みふねまつり) : 「お船祭」とも言われ、嵐山の大堰川(おおいかわ)で行われる車折神社
    (くるまざきじんじゃ:京都市右京区)の祭礼。舞や音楽を奉納する御船遊は、昌泰元年(898年)
    長月21日に、宇多上皇の嵐山への御幸に際し、行われたのに始まると伝えられている。
    竜頭船、詩歌船、御座船、鷁首(げきす)船、小唄船などが、大宮人の優雅な船遊びを再現する。
都鳥(みやこどり) : 元来の全身が黒い都鳥は絶滅に瀕していて見ることはないので、
    クチバシの赤色が共通で全身が白い「ゆりかもめ」のことを都鳥と呼んでいる。
迎火(むかえび) : 盆の初日の夕方に祖先の精霊を迎えるために、芋殻、麻幹(おがら)などを
    門口で燃やし煙を焚くことから、送火と総称して門火と言われている。
    焚いた煙にのって、祖先が家に帰ってくる、と古来より信じられてきたのが、迎火のはじまり。
零余子飯(むかごめし) : 山芋などにできる玉芽を入れて炊きあげた御飯。
麦の秋(むぎのあき) : 麦が熟する初夏のことをいう。
    稲は秋に実るが、夏であっても麦にとっては刈り入れどきの秋ということ。
(むし) : 松虫、鈴虫、馬追、こおろぎ、きりぎりす、くつわ虫、邯鄲などの秋に鳴く虫を総称していう。
睦月(むつき) : 陰暦正月の異名。睦び月。
六花(むつのはな) : 雪の結晶が六角形のため。
霧氷(むひょう) : 氷点下に下がった冷たい霧が、地面近くの木や枝に吹きつけられて出来る氷のことで、
    樹霜、樹氷、粗氷の3種類がある。
名月(めいげつ) : 陰暦8月15日の中秋の月。
メーデー(めえでえ) : 1886(明治16)年、シカゴの労働者が「1日の労働時間を8時間に」を訴え
    ストライキやデモを 行なったことを記念し、3年後1889(明治22)年のパリで開催された
    第2インターナショナル創立大会でこの日を国際的な労働者の祭典・万国労働者団結の日と制定。
    翌1890(明治23)年に第1回メーデーが開催された。日本でメーデーの集会が行われたのは
    1920(大正9)年5月2日上野公園が初で、その後全国に広がったが、1936(昭和11)年政府によって
    禁止。敗戦後の1946年に復活した。現在も様々な労働団体が5月1日に「統一メーデー」を行っているが
    「総評」「同盟」など労働組合の中央組織が解散して「連合」が発足した1990年からは
    「連合」「全労連」「全労 協」が別会場で中央集会を行う“分裂メーデー”が続いている。
和布刈神事(めかりしんじ) : 北九州の門司の和布刈神社の神事。旧暦元旦の午前2時半頃から、
    3人の神官が狩衣、烏帽子、白足袋、藁草履の姿で、約3メートルもある大きな松明に先導され、
    身を切るような寒い関門海峡へ入り、瀬戸の岩に付いたワカメを一つひとつ刈り取って、神殿に奉納し、
    海の安全と豊漁を祈る。出雲でも大社町宇竜の権現島であったワカメ豊漁を祈る和布刈神事がある。
孟秋(もうしゅう) : 陰暦8月頃のまだ暑い日のづづく頃のこと。
虎落笛(もがりぶえ) : 木枯らしなどが竹垣や木立ち、電線などに吹き付けて笛のようにピューピュー鳴ること。
    虎落+笛で、昔中国で虎除けの竹柵に風が通る、ということを当て字とされた。
土竜打(もぐらうち) : モグラが畑などを荒らすのを防ぐための呪い。
鵙の贄(もずのにえ) : 捕らえた蛙などの小動物を小枝の先などに刺して蓄えたもの。
餅花煎(もちばないり) : 正月の餅花をとっておき、2月の涅槃会(ねはんえ)のときに
    煎(い)って供物とするもの。餅をあられのように切って用いることもある。
紅葉かつ散る(もみじかつちる) : 紅葉しながら一方では散る木。
紅葉狩(もみじがり) : 山や谷などに行き、紅葉の美しさを観賞すること。
厄払(やくばらい) : 節分の晩に行われる厄払いの風習。
厄日(やくび) : 稲の開花の時期の暴風雨の来襲を警戒する日。
夜光虫(やこうちゅう) : 1〜2ミリの球形の単細胞原生動物の一種で海中に浮揚し、
    体の発光体を光らせる。
薮入(やぶいり) : 江戸時代に1月16日に奉公人が主家(しゅか)から休暇をもらい、
    実家に帰って休息できること。年2回あり、7月16日も薮入りで盛り場が賑わった。
    地方によっては、この日は嫁が実家に里帰りする日にもなっていた。
薮巻(やぶまき) : 雪折れを防ぐために、樹木などをくるんで枝を押さえること。
山眠る(やまねむる) : 眠るように静かな冬山。冬の山の、静かな風もなく、
    雪もない穏やかな日よりの山で、まるで深い眠りに入っているように見えることををいう。
山法師の花(やまぼうしのはな) : 山地に自生するミズキ科の落葉高木で、
    5、6月頃に白色四弁の花が咲く。秋に熟す実が桑の実に似ているので、山桑ともいう。
山雪(やまゆき) : 水蒸気を含んだ冬の北西季節風が日本列島の山脈にあたり、山の斜面に降る雪のこと。
山粧う(やまよそおう) : 紅葉に彩られた山のこと。
山笑う(やまわらう) : 今まで眠っていたように静かだった山が、樹木がいっせいに芽吹き、
    花が咲き明るくなったような姿。
闇汁(やみじる) : 明かりを消した部屋で、めいめい持ち寄りの具を鍋に入れ、
    闇のまま、箸でさぐりながら食べる趣向。
弥生(やよい) : 「弥」(いよいよ)、「生」(生まれる)という意味で、勢いよく芽吹く草木をあらわす。
敗荷(やれはす) : 荷(か)は蓮(はす)の葉っぱの事で、
    それが秋風などで吹き破られたり、葉の緑が失われ、破れ始める蓮の葉のこと。
雪明り(ゆきあかり) : 積もった雪からの反射光により、夜でもあたりが薄明るく見えること。
    もともとは中国の故事で、貧しいために雪の明かりで書を読んだ孫康の話が転じて、
    苦労して学問をすることをいうようになった。雪明りはかなりの明るさがあるが、
    日本版の「蛍の光窓の雪」の窓の雪のことになるが、蛍の光では何百匹分になるのでしょう。
雪起し(ゆきおこし) : 雪もよいの暗い空になる雷。
雪形(ゆきがた) : 高い山などで残雪が溶け、馬などを描き出す現象。
雪解(ゆきげ、ゆきどけ) : 降り積もった雪が春先に解け始めること。
雪代(ゆきしろ) : 春先に急に積もった雪が溶けて、川や海へ流れ溢れ出す現象。
雪の果(ゆきのはて) : 3月の終わり頃に降る最後の雪、つまり降りじまいの雪のこと。
雪間(ゆきま) : 降り積もった雪が、春の陽気にところどころ溶け消えた隙間。
湯気立て(ゆげたて) : 室内の空気の乾燥を押さえるため、ストーブの上にやかんなどをのせること。
柚子湯(ゆずゆ) : 12月22、23日頃の冬至の日に南瓜を食べたり、 
    柚子の実を風呂に浮かべて入浴する習慣があり、万病を防ぐといわれる。
湯婆(ゆたんぽ) : 中にお湯を入れて冷たい布団の中で体を温めるために使う、
    ブリキや陶器製の容器 のことで、現在はプラスチック製のものが多いが、使う人は少ない。
養花天(ようかてん) : 桜の咲く頃の曇天で、草木を育ててくれる雨を降らせる天。
余花(よか) : 初夏になってもまだ咲いている桜のこと。
余寒(よかん) : 寒が明けても寒さが残っているという感じ。立春を過ぎてもなお残っている寒さ。
葭切(よしきり) : 昼も夜もやかましく鳴く、雀よりやや大きいウグイス科の渡り鳥で、
    夏、水辺の葭の茂みに巣を作る。
吉田火祭(よしだひまつり) : 山梨県富士吉田市にある富士浅間(ふじせんげん)神社と諏訪神社で
    8月26、27の両日行われる秋祭りであり、山じまい祭りでもある。26日は神事のあと神輿が渡る。
    夜祭りでは、富士登山吉田口の御師(おし)の家を初め、沿道の戸毎に積み上げられた大松明に
    一斉に点火される。一方、富士山の各室でも点火され、登山道が火の海となる感がある。
    この間、神輿のほか富士山をかたどった御霊代が繰り歩く。翌27日は神輿が神社に帰って祭りは終る。
    富士山の火を鎮めるための祭と言われ、日本の三奇祭の一つといわれる。
四日(よっか) : 1月4日 仕事始めの日で、農家などではこの日に仕事を始める。
夜振(よぶり) : 闇夜に松明や電灯などを振りそれに集まる魚を捕る漁のこと。
夜の秋(よるのあき) : 朝晩はいくらか涼しくなり、晩夏の夜などなんとなく秋めいた感じのすること。
    かすかに漂う秋の気配を表現した季語。
落花(らっか) : 桜の花が散り落ちること。
竜の玉(りゅうのたま) : ユリ科の蛇の髭(じゃのひげ)の実のことで、花後の緑の玉は、
    冬にはコバルト色に変身し、硬くて良く弾むことから「はずみ玉」ともいわれる。
冷夏(れいか) : 夏の気温を左右するオホーツク海高気圧が、強く南へ張り出すために梅雨が長引き、
    気温の上がらない夏になること。
礼者(れいじゃ) : 歳始めに訪ねてきて祝詞を述べる客。
臘八会(ろうはつえ) : 臘八接心ともいい、釈迦が苦難に耐え、鶏鳴を聴き暁の星の落ちるのをみて、
    悟りを開いたという臘月(12月)の8日を記念して、禅宗の各僧堂で外部との接触を一切絶ち、
    釈尊の苦行を偲び、7日間不眠不休の座禅修行が行われる。
    8日の暁には臘八会法要をし、粥の中に甘酒、もち、焼栗などを入れて食べる。
六道参(ろくどうまいり) : 8月7日〜10日までの間に京都市東山区の六道珍皇寺に詣でる行事。
    六道珍皇寺の付近は、平安時代、都人が野辺の送りをした鳥辺野に近く、このあたりは冥界と現世の
    分かれ道、六道の辻と呼ばれた。同寺の鐘は十万億土の冥界にも届くといわれ、盆ともなれば、
    この鐘をついて先祖の精霊を家に迎え、供養するために参詣する人々の長い列ができる。
若水(わかみず) : 正月の朝汲む水。歳神に供える。
若菜(わかな) : 正月7日の七種粥に入れる春草。
若菜野(わかなの) : 正月7日の若菜を摘む野。
渡り魚夫(わたりぎょふ) : ニシンの漁期に本州からニシン漁に出稼ぎにくる人。
藁盒子(わらごうし) : 藁で蓋のついた椀の形に編んだものを門松につけて、
               正月の間雑煮などの供物を入れて門神に供える。




















































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