.【政治・外交・法律に関すること】
A52 何故、浅田農産は鶏の大量死が続いていたのに届出もせずに出荷を続けていたのだろうか。
浅田農産(兵庫県姫路市)の会長・社長ともども「まさか鳥インフルエンザとは思わなかった」(後に社長は
従業員に鳥インフルエンザとは思いたくなかった)と言っているが、かなり前から東南アジアや韓国で
発生したことが新聞やテレビで報じられているし、山口や大分県の感染も大々的に報道されたばかりなので、
「鳥インフルエンザではなく、腸炎と思っていた」では世間に通用しない。鶏を大量に飼育する経営者としては
失格で、大量死していく鶏を出荷する時間稼ぎのために通報しなかったと言われてもしかたなく、
家畜伝染病予防法の届出義務違反で罰せられて当然である。(京都府警は、2004年3月31日に、
鳥インフルエンザの可能性があることを認識しながら鶏の大量死を届け出なかったとして、浅田農産社長の
浅田秀明容疑者ら3人を家畜伝染病予防法(届出義務)違反容疑で逮捕している。

2月26日夜の京都府への従業員からの匿名電話で大量死が発覚し、陽性と判明する前の24日ごろに、
今まで消毒したことがほとんどなかったのに、農場に出入りするトラックの下部を消毒するように、
社長が従業員に指示していたことや、現場には月1回くらいしか顔を出してしない社長が、鳥が死に始めた
時期から毎日のように出ていたと、後に従業員の証言で分かったように、届出違反や隠蔽工作の疑惑は
増すばかりである。山口や大分ではたった数羽の異状で通報して感染の拡散を防止したのである。
食肉処理業の「アリノベ」に20万羽(処分は25万羽だった)すべての引き取りを要請したことについての
社長の釈明で「卵の価値が下がっていたため、鶏を食肉化して船井農場を空にしたかった」とのことであるが、
卵の相場下落だけのためなら、同社の姫路農場の鶏も同時に要請すべきで、筋が通らない。
「腸炎で1千羽ほどが死ぬのは珍しいことではない」や「弱った鶏から出荷するのが業界の常識」
(この常識は他の養鶏業者では、卵を産まなくなった鶏は出荷するが病気になった鶏を出荷することは
ないと否定している。)だそうだが、それは鳥インフルエンザで騒がれている時期に発する言葉ではない。
他に養鶏場を持っているので、大量に死骸が埋まっている汚染養鶏場を閉鎖しても、それほど痛手では
ないと思っていたら大間違いで、従業員や関連業者の大きな痛手は知ったことではないではすまされない。
山口県のように数羽が感染した時期は、2月15日から20日前後くらいと思われ、早期の通報・検査が
行われていたら、他県までの各地に拡大していなかったことを思うと残念でならない。
逮捕された後の社長は府警の調べに、大量死を届けなかったのは「会社のためだった」と供述。
その後も卵の出荷を続けており、府警は会長と同容疑者が感染発覚による経営への打撃を恐れ、
届け出を怠ったとみている。
)だったように私の推測通りだった。
政府は、早期の届出や連絡体制の強化(京都市から兵庫県へのFAX問題など)や検査方法の法整備で、
関連業者や消費者を泣かせないようにしてほしい。翌日の3月5日の朝日新聞で、1000羽以上を飼っている
養鶏業者は、異常死の有無の週1回報告など、2重チェックの実施が義務づけられた。と報じていたが、
ウイルスに感染している野鳥などはどこに舞い降りるか分からないので、たとえ数羽の養鶏やベットでも、
同時期に不自然な死に方をすれば、早期の報告を義務づけるべきである。農水省は3月8日になって
対象を広げ、鶏の数が1000羽未満の養鶏農家に対しても、定期的に鶏が死んだ数や状況の報告を
求める方針に変更している。
この記事を書いた日に、5Km離れた高田養鶏場で感染が確認され、1万5千羽の鶏が処分されるが、
養鶏場の大きな損失とともに、身動きもできないような小さな鶏舎でブロイラーにされるまでの短い一生を、
ただひたすらに太るための飼料を食べ続け、卵を産み続けていて、こんなことで殺される鶏たちが
哀れでならない。一羽づつ検査して、感染していない鶏を救うことができないものだろうか。
健康な人間でもワクチン、健康な鶏でも処分同じ生き物 人間ワクチン 鶏処分ではあまりにもひどい。
また、処分するにも死骸を土中に埋めるより、高温焼却炉で灰にできないものだろうか。そうすれば
完全殺菌ができるし、地域住民が恐れている腐敗後の地下水や河川などへの影響も出ないのでは
ないかと思うが、素人の考えでしょうか。高田養鶏場の鶏は、ごみ焼却場で焼却していました。

2004.3.6の朝日新聞「声」欄、北海道の田淵 光夫さんの投稿記事の一部を紹介しましょう。
「感染の鶏隠し倫理超え犯罪」の後半から、【事実をすみやかに公表し、商品の回収など必要な措置を
早急に講じるのが発生業者の義務です。しかし、事実隠蔽となれば、発覚した場合の信用失墜は大きく、
業績の回復も絶望的です。これは以前の雪印乳業の例にある通りです。目先の利益にとらわれるあまり
小手先の対応に終始し、その結果企業の衰退、破綻を招くという図式は、日本の一部企業の側面を
表していると思います。】まさにその通りすべての企業や生産者に言えることです。

会長は、3月8日に鳥インフルエンザ感染拡大の責任から精神的に追い詰められて自殺されたが、
息子の社長の責任まで夫婦で引き受けるためか、奥さんまで亡くなられたことは残念であり、
鳥インフルエンザ収束に向け、長年の養鶏に関する高度な知識を注いでほしかった。
ご冥福をお祈りします。このようなことがあっても、息子の浅田秀明被告(41)は届け出義務違反容疑で
逮捕された。この鳥インフルエンザ感染隠ぺい事件で、鶏大量死の届け出を怠ったとして家畜伝染病予防法
(届け出義務)違反の罪に問われた浅田農産と社長の判決で、京都地裁の東尾龍一裁判長は
2004年8月10日、浅田被告に懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)、同社に罰金50万円
(求刑罰金50万円)を言い渡した。

消費者の食に対する信頼を揺るがし、養鶏業界に大打撃を与え、社会に大きな影響を与えた事件としては、
罰金の50万円は納得できないね。500万円の誤りかと思った。でも報告の遅延が社会問題となることを
知らしめる結果になったことと、会社も廃業(破産)に追い込まれたのでしかたがないか。


もしも、私が事業のことで多くの人々に多大な迷惑をかけた場合、一緒に死んでくれるか」と
妻に聞いたところ、「お供するのは当たり前」とのことだったが、今の日本の女性にこんな信念が
あるとは思えない。60代の女性だからだろうか?あなたの奥さん、旦那さんにも聞いてみてください。
私は殺人などをして死刑にならないかぎり、妻に頼まれてもお供(自殺)はしない。
これは後に「誰がお供しますか」に代わり、女心の変わり身の早さを知らされた。
(H16.3.4、3.6、3.8、4.1、8.11追加・修正)




































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