自律(YSミニ辞典)

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織名園(しきなえん) : 那覇市(真地421の7)の高台にある琉球王家最大の別邸で、
    国王一家の保養や中国皇帝の使者である冊封使(さっぽうし)の接待の場にも利用されていた。
    俗に「識名の御殿(シチナヌウドゥン)」とも、
    また首里城の東に位置していた御茶屋御殿が「東苑(とうえん)」と呼ばれていたことに対し、
    識名園は首里城の南にあることから「南苑(なんえん)」とも呼ばれている。
    尚温王時代の1799年に造営され、その形式は池の廻りを歩きながら景色の移り変わりを
    楽しむことを目的とした「廻遊式庭園」で、池の周辺に御殿、築山、花園などを配置している。
    池には大小2つのアーチ橋が架かり、池の小島には中国風のあずまや六角堂が建てられるなど
    中国の影響も見られるが、赤瓦屋根の御殿など琉球独特の工夫が見られる庭園の一つである。
     1941(昭和16)年に国の名勝に指定されたが、園内のほとんどの建造物が
    1945年の沖縄戦で米軍におおかた破壊されたため、現在見られるものは復元されたものである。
    1975(昭和50)年から整備が進められ、約20年の歳月と約8億円の費用を費やして
    今日の姿を取り戻した。1976(昭和51)年1月30日には、再び国の名勝の指定を受けた。
    2000年12月2日、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界文化遺産に登録された。
    
    識名園入り口(観覧料大人300円、中学生以下100円)。開園は午前9時〜午後5時までだが、
    4月1日〜9月30日は5時半まで。休園日は毎水曜日と祝日で、慰霊の日の場合は翌日。
    正門や通用門は右に曲がった先にある。(2008年4月18日、小雨の中での撮影)

    
    世界遺産の碑
    
    園内のガジュマルの木と張り巡らせている根
    
    識名園のシマチスジノリ発生地の碑
    
    池を横切る二つのアーチ橋
    
    
    
    六角堂(ろっかくどう)とアーチ橋
    
    
    
    池の中に配された島に架けられた荒々しい幅2.03mの小石橋(手前)と
    幅2.15mの大石橋(奥)の大小二つの石橋は、橋の中央が高くなった中国風のアーチ橋だが、
    形をあわせないのは本土的、石の積み方や階段の傾斜は琉球的という。

    
    向こう岸に見えるのが琉球独自の赤瓦屋根で木造建築の「識名御殿(ウドゥン)」
    
    「六角堂」は池に浮かぶ島につくられた六角形のあずまや。
    屋根の形や瓦を黒く色付けているところに、中国風の趣を感じさせる。
    島へは、一つ石(琉球石灰岩)でつくられた幅95.5cmの六角堂石橋(アーチ橋)が架かっている。

    
    識名御殿と池。手前の橋は「大石橋」
    
    池に浮かべる舟を揚げる舟揚場(ふなあげば)
    
    池の水源の一つの「育徳泉(いくとくせん)」
    琉球石灰岩を「あいかた積」にした美しい曲線の石垣で囲われている。
    他の勧耕台とともに、ここを訪れた中国の柵封正使の書による石碑が建っている。

    
    御殿内の台所
    
    御殿内の前の一番座
    参 : 那覇市教育委員会文化財課(HP)













































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