文学関連(YSミニ辞典)

[ホーム] [索引] [前項] [次項]

芥川賞(あくたがわしょう) : 正式には「芥川龍之介賞」。大正から昭和のはじめにかけて活躍した作家・
    芥川竜之介(1892(明治25)〜1927(昭和2)年)の名を記念して、
    文芸春秋社の菊池寛の提唱により、直木賞とともに1935(昭和10)年に創設された文学賞である。
    栄えある日本初の芥川賞は1935年『蒼氓(そうぼう)』で、石川達三が受賞した。
    昭和20年中絶し、同24年復活した。応募方式ではなく、「新潮」「すばる」「文学界」「群像」
    「文芸」といった文芸雑誌や新聞、雑誌(同人雑誌を含む)に掲載された純文学短編作品を対象に、
    最も優秀な新人作家の小説に呈する賞である。主に無名もしくは新進作家が対象となる。
    選考の対象になる作品は約100作。正賞は懐中時計、副賞は100万円。授賞は年2回。
    上半期(12月1日〜5月31日までに公表されたもの)の選考会は7月中旬、贈呈式は8月中旬。
    「文藝春秋」9月号に掲載。下半期(6月1日〜11月30日までに公表されたもの)の選考会は
    翌年1月中旬、贈呈式は同2月中旬。「文藝春秋」3月号に掲載。
    参 : 日本文学振興会(HP)

    芥川賞、最年少記録
     綿矢りさ「蹴りたい背中」2004年1月(第130回芥川賞・2003年下半期)の19歳11カ月。
     ちなみに、1956年の石原慎太郎の「太陽の季節」は23歳3カ月で4位。        
私が愛した芥川賞作家    
順位 芥川賞作家 記    事 票数
松本清張 (1909〜92)1952年下半期『或(あ)る「小倉日記」伝』。
受賞作は森鴎外が残した日記の行方を探すことに生涯を捧げた
無名の人物を描く。1958年にベストセラーとなった
「点と線」以降の社会推理小説で国民作家に
713
遠藤周作 (1923〜96)1955年上半期『白い人』。
キリスト教信仰を主題にした重厚な作品を多く残す一方、
狐狸庵(こりあん)先生の随筆シリースも人気
463
村上龍 (1952〜)1976年上半期『限りなく透明に近いブルー』。
受賞作は文壇の枠を超えて論議を呼んだ。現芥川賞選考委員
359
井上靖 (1907〜91)1949年下半期『闘牛』新聞社勤務経験を生かした
受賞作。歴史小説や自らの青少年期を描く自伝小説も名高い
321
北杜夫 (1927〜)1960年上半期『夜と霧の隅で』。精神科医で歌人の
斎藤茂吉の次男。自身も医師で、ユーモアエッセーのファンも多い
301
宮本輝 (1947〜)1977年下半期『蛍川』。受賞作は『泥の河』『道頓堀川』
と並び三部作と称される。芥川賞選考委員を務めている
274
大江健三郎 (1935〜)1958年上半期『飼育』沖縄、広島のルポルタージュも
読み継がれている。1994年ノーベル文学賞を受賞
263
田辺聖子 (1928〜)1963年下半期『感傷旅行』。大阪弁を使った恋愛小説を確立。エッセーや歴史小説も定評がある。関西在住 251
安部公房 (1924〜93)1951年上半期『壁』。時代に先駆ける前衛作家
として、世界的に評価が高かった。戯曲や演出家としても活動した
242
10 石川達三 (1905〜85)1935年上半期『蒼氓』。栄えある第一回受賞者。
社会派の旗手といわれたが、戦後は物議をかもす失言も
232
11 庄司薫 『赤頭巾ちゃん気をつけて』
12 開高健 『裸の王様』
13 石原慎太郎 『太陽の季節』(1955年下半期)
14 綿矢りさ 『蹴りたい背中』
15 小川洋子 『妊娠カレンダー』
16 池田満寿夫 『エーゲ海に捧ぐ』
17 柴田翔 『されどわれらが日々一』
18 柳美里 『家族シネマ』
19 丸谷才一 『年の残り』
20 辻仁成 『海峡の光』
21 吉行淳之介  
22 川上弘美  
23 川上未映子  
24 三浦哲郎  
25 高樹のぶ子  
26 金原ひとみ    
27 森敦    
28 中上健次    
29 玄侑宗久    
30 荻野アンナ    
31 平野啓一郎    
32 高橋三千綱    
33 唐十郎    
2011.3.12、朝日新聞「beランキング」掲載。
朝日新聞の無料会員サイト「アスパラクラブ」で2月にアンケートを実施。回答者は2189人。
1935年上半期の石川達三から2010年下半期、朝吹真理子、西村賢太まで149人の
芥川賞受賞者から、好きな作家を5人まで選んでもらった。
菊池寛賞(きくちかんしょう) : 故・菊池寛が日本文化の各方面に遺した功績を記念するために
    1952(昭和27)年に制定された。文学・演劇・映画・新聞・放送・雑誌・出版および
    広く文化活動において創造的な業績をあげた個人・団体に年1回贈られる。
     第56回菊池寛賞(2008年12月5日)は、松本清張記念館のほか、
    宮尾登美子、安野光雅、かこさとし、羽生善治の各氏が受賞した。
近代文学(きんだいぶんがく) : @近代社会の文学。世界文学の上で、広義ではヨーロッパの
     15〜16世紀のルネサンス以降、特にフランス革命以降の文学を指し、分析的な散文、
     特に小説が主流で、狭義では19世紀以後の近代精神・人間中心主義に基づく文学を指す。
     日本では普通、明治20年代以後の、自我の確立と人間性の尊重をめざした文学をいう。
近代文学の名作日本一
順位 「 作品」作家(舞台) 回答数(人)
「坊ちゃん」夏目漱石(松山) 2564
「風の又三郎」宮沢賢治(岩手)  1963
「雪国」川端康成(新潟)  1833
「伊豆の踊子」川端康成(静岡)  1536
「蟹工船」小林多喜二(北海道)  1309
「津軽」太宰治(青森)  1033
「城の崎にて」志賀直哉(兵庫)  954
「羅生門」芥川龍之介(京都)  763
「千恵子抄」高村光太郎(福島)  733
10 「千曲川のスケッチ」島崎藤村(長野) 686
2009.2.11掲載、朝日新聞「アスパラクラブ」より
     好きな近代文学の作家(朝日新聞beインターネット調査より引用)ベスト12
      @芥川龍之介A夏目漱石B宮沢賢治C太宰治D森鴎外E谷崎潤一郎
      F島崎藤村G志賀直哉H石川啄木I樋口一葉J井伏鱒二K堀辰雄
      ほかの近代文学者には、坪内逍遙、二葉亭四迷、伊藤左千夫、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、
      徳冨蘆花、徳田秋声、田山花袋、国木田独歩、与謝野鉄幹、泉鏡花、与謝野晶子、有島武郎、
      永井荷風、正宗白鳥、斎藤茂吉、野村胡堂、高村光太郎、北原白秋、武者小路実篤、萩原朔太郎、
      山本有三、菊池寛、岡本かの子、村松梢風、室生犀星、久保田万太郎、内田百閨A岸田国士、
      吉川英治、佐藤春夫、子母沢寛、獅子文六、江戸川乱歩、大仏次郎、宇野千代、尾崎士郎、
      今東光、川端康成 、山手樹一郎、尾崎一雄、川口松太郎、稲垣足穂、石坂洋次郎、海音寺潮五郎、
      林芙美子、山本周五郎、今日出海、小林多喜二、舟橋聖一、丹羽文雄、石川達三、円地文子、
      中原中也、火野葦平、高見順、山岡荘八、井上靖、南条範夫、大岡昇平、松本清張、檀一雄、
      新田次郎、源氏鶏太、向田邦子、山崎豊子、水上勉、黒岩重吾、川上宗薫、司馬遼太郎、
      柴田錬三郎、梶山季之など、多くの作家がいる。
     参 : 日本近代文学館(HP)
    A雑誌名。1946(昭和21)年創刊、1964(昭和39)年廃刊になった文芸雑誌。
     政治に対する文学の自律性と人間の主体性を強調、戦後の批評界を主導した。
直木賞(なおきしょう) : 正式名は「直木三十五賞」で、直木三十五氏の大衆文学における業績を記念し、
    大衆文学の新人の顕彰を目的として、菊池寛が1935(昭和10)年に設けた文学賞で、
    毎年2回、大衆文学の新進・中堅作家に贈られる。純文学の新人作家の登竜門である芥川賞と違って、
    直木賞は大衆文学の人気作家をさらに売れる流行作家にする役割を果たしている。
    大衆文芸作品が対象で、主に単行本から選ばれる。規定では雑誌や新聞の掲載作も含むが、
    1998年に宇江佐真理(うえざまり)さんが雑誌に載せた「桜花を見た」で候補になって以来、
    単行本以外は対象になっていない。選考の対象になる作品は約250〜300作。
    直木三十五賞規定
     一、直木三十五賞は個人賞にして広く各新聞雑誌(同人雑誌を含む)に発表されたる
       無名若しくは新進作家の大衆文芸中最も優秀なるものに呈す。
     二、直木三十五賞は賞牌(時計)を以てし、別に副賞として金五百円(現在は100万円)也を贈呈す。
     三、直木三十五賞受賞者の審査は「直木賞委員」之を行う。
       委員は故人と交誼あり且つ本社と関係深き左の人々を以て組織す。
       菊池寛・久米正雄・吉川英治・大佛次郎・小島政二郎・三上於菟吉・
       白井喬二・佐佐木茂索(順序不同)
     四、直木三十五賞は6カ月毎に審査を行う。適当なるものなき場合は授賞を行はず。
     五、直木三十五賞受賞者には「オール讀物」の誌面を提供し大衆文芸一篇を発表せしむ。
    芥川賞・直木賞は実質的に文芸春秋社が主催しているが、新潮社系では三島由紀夫賞・
    山本周五郎賞、講談社系では野間文芸新人賞・吉川英治文学新人賞がある。
ノーベル文学賞(ノーベルぶんがくしょう) : ノーベル賞6部門のうちの1つ。定数1。
    ノーベルの遺言によれば、この賞は文学を好み、自らも筆を執ったことのある彼が、
    「文学の分野においても1つの理念をもって創作してきたものの中で、最も傑出した作品を創作した」人に
    与えることを目的として制定したものである。現在のノーベル文学賞は文豪の作品及び
    その本人を表彰するものであるが、かつてはその者のそれまでの功績を称える趣旨の賞だった。
    当初から、他の科学賞、平和賞の趣旨と歩調をあわせて人類の進歩、発展に寄与する理想主義的、
    人道主義的な文学者に授与されることが多かったが、回数を増すごとにノーベルの定めた
    「理想」あるいは「理想主義」と関係なく優秀な作家に対して贈呈される場合も出て来た。
    現在でもこの@理想・理想主義の作品と、A)純粋に文学的にすぐれた成果を収めた作家、
    という二つの基準が混在しており、近年の各国持回り的傾向とともにしばしば疑問点として指摘される。
    授与は、その作家の作品、活動の全体に対して与えられるものであって、
    1つの作品に対して与えられるものではないというのが建前であるが、
    場合によっては特に代表的な作品や選考の上で評価された作品などの名前が賞記に記されることもある。
    原則として選考の時点で生存している作家が対象であり、追贈は行わない。
    基本的には各地のペン・クラブから候補が推薦され(必ずしも自国の作家である必要はない)、
    これをスウェーデン学士院が選考する。日本人では川端康成と大江健三郎の2人が受賞している。
    ノーベル賞の候補者や選考過程は50年間の守秘義務があり、
    ノーベル財団のウェブサイトでは1950年までの候補者が公表されている。
プロレタリア文学(Proletarian literature) : 日本文学では、大正時代末期から昭和時代初期にかけて、
    個人主義的な文学を否定し、社会主義、共産主義思想と結びついた文学である。
    プロレタリアとは賃金労働者の階級、無産者階級のことで、
    プロレタリア文学とは字義どおりにいえば労働者文学となるが、
    本来はプロレタリア革命文学というべきもので、ロシア革命(1917年)以降、
    世界各地でおこった社会主義的、共産主義的な革命文学をいう。
    日本においては、古く明治30年代の木下尚江などの「社会主義小説」や、
    堺利彦の売文社によった社会主義者たちの活動、1912(大正元)年に大杉栄や荒畑寒村によって
    創刊された「近代思想」掲載の作品から宮島資夫の労働文学、ついでおこった民衆芸術論、
    第四階級の文学論などその系譜をたどれるが、直接的には1921(大正10)年に
    小牧近江・金子洋文らによって創刊された「種蒔く人」を出発点とし、
    その後、日中紛争の泥沼化のなかで圧殺されるまでの十余年間の文学活動をさす。

    小林多喜二の最初期の小説発見 短編「老いた体操教師」
     「蟹工船」などで知られるプロレタリア文学の作家小林多喜二(1903〜33)が、
    17歳の時に書いた最初期の短編「老いた体操教師」が見つかった。
    著書や全集には未収録で、社会的な弱者に温かいまなざしを向けた多喜二の資質が早くもうかがえる。
     日本大教授(日本近代文学)の曾根博義さんが、昭和女子大図書館に収蔵されている
    文芸雑誌「小説倶楽部」1921年10月号に掲載されているのを発見し、
    同人雑誌「さん(舟へんに山)板(ぱん)」3月号(EDI)に発表した。
     1921年に小樽商業を卒業して小樽高商に入学した多喜二は「小説倶楽部」の懸賞小説に投稿し、
    翌年に廃刊になるまで計5作が選外佳作となる。このうち1922年3月号掲載の
    「龍介と乞食(こじき)」が商業雑誌に発表された最初の小説とされていた。
     曾根さんによると、民衆文芸社発行の「小説倶楽部」は実態がよくわからない短命の雑誌で、
    国立国会図書館にも全19冊とも20冊ともいわれるうち14冊しかなく、1921年10月号は欠けていた。
     「老いた体操教師」は、日本大国文学会が2007年3月25日に発行した
    機関誌「語文」第127輯(しゅう)に掲載された。
文学(literature)ぶんがく : @言語表現による芸術作品。詩歌・小説・戯曲・随筆・評論など。文芸。
     (例)文学作品、文学書。 参 : 近代文学プロレタリア文学            
いつかは読みたい本ランキング    
順位 文学書等 記    事 票数
紫式部「源氏物語」 世界最古の小説作品。谷崎潤一郎や瀬戸内寂聴による現代語訳の
ほか、漫画作品「あさきゆめみし」で筋を追ったという読者もいた
489
司馬遼太郎
「坂の上の雲」
文春文庫で全8巻。明治維新から日露戦争に至る日本を描く、
著者の代表作。本木雅弘さん主演でNHKスペシャルドラマにもなった
272
トルストイ
「戦争と平和」
岩波文庫で全6巻。過去には全8巻の時代も。複数の男女の恋愛を
横糸に、ナポレオンによるロシア侵攻を縦糸に織りなす大叙事詩
240
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」 亀山郁夫さんによる新約が話題に 223
プルースト「失われた時を求めて」 集英社文庫で全13巻。途方もない長編 209
柳田国男
「遠野物語」
2010年は発刊100周年だった 207
ダンテ「神曲」 地獄篇、煉獄(れんごく)篇、天国篇から成る 187
万葉集 155
吉田兼好「徒然草」 「万葉集や徒然草、おくのほそ道が上位にきているのは、
高校時代までに一部なりとも触れて再読したいと思わせた。
これが古典のもつ実力です」と渡部さん
139
太宰治「人間失格」 2010年、映画も公開された 139
11 マルクス「資本論」
12 スタンダール
「赤と黒」
13 「旧約・新約聖書」
14 ミッチェル
「風と共に去りぬ」
15 ゲーテ「ファウスト」
16 松尾芭蕉
「おくのほそ道」
17 ユーゴー
「レ・ミゼラブル」
18 宮沢賢治
「銀河鉄道の夜」
19 セルバンテス
「ドン・キホーテ」
20 ブロンテ「嵐が丘」
2011.1.15、朝日新聞「beランキング」掲載。「アスパラクラブ」会員のアンケートより。
回答者は2560人。編集部が古典や大長編の本59冊を選択肢として示したうえで、
それ以外の本も含めて3冊まで選んでもらった。
小説以外では(23)西田幾多郎『善の研究』(26)フロイト『精神分析入門』
(32)ハイデガー『存在と時間』(39)カント『純粋理性批判』などがあがった。
    A詩・小説・戯曲など文学作品を研究する学問。文芸学。
    B文芸学・語学・哲学・心理学・史学などの総称。(例)文学部。
    C律令制で、親王家で経書を教授することをつかさどった職。
文学賞(ぶんがくしょう) : 各種の優れた文学作品に対し与えられる賞の総称である。
    文学の育成と発展とを促すために、団体、出版社、新聞社等の機関が、
    優秀な作品または作家に対して贈る。文学賞は、広く世界全体を対象にしたものと、
    国内の作家、作品を対象にしたものとに分けることができる。
    国際的なものとしては、ノーベル文学賞(スウェーデン文学アカデミー)がそれであり、
    授与する側の本国スウェーデンの作家よりも、諸外国の作家に与えられる場合が多い。
    国内の作家、作品を対象とした文学賞としては、日本の芥川賞(日本文学振興会)、
    毎日出版文化賞(毎日新聞社)、アメリカ芸術文学アカデミー賞などがあり、
    これらの賞はさらに二つに大別することができる。
    新人の発掘を目的とし、未発表の作品を公募してそれに与えられる賞(公募新人賞)と、
    新聞・雑誌・単行本などによって発表済みの作品に与えられ、
    既成の作家、大家の功労を顕彰する殊勲賞、功労賞の傾向の濃いものの二つである。
    前者は、作家の登竜門と考えられている芥川賞(純文学短編)、文学界新人賞(文芸春秋)、
    ゴンクール賞(フランス)などがそれにあたり、日本ノンフィクション賞(角川(かどかわ)文化振興財団)
    のように、功労賞と新人賞の二本立てのものもある。多くの場合は優れた一作品に与えられる。
    後者は、各国のアカデミー賞、野間(のま)文芸賞(野間奉公会)のように、
    該当する作家の代表作ともなるべき一つの優秀な作品に与えられるものと、
    ノーベル賞や日本の芸術院賞、メフィスト賞、日本ファンタジーノベル大賞のように、
    1人の作家の多年の業績全体を対象に与えられるものとがある。
    また、読売文学賞(読売新聞社)のように、小説、戯曲、随筆・紀行、評論・伝記、詩歌俳句、
    研究・翻訳まで含めるものと、詩だけに与えられるH氏賞(日本現代詩人会)、短歌だけに与えられる
    現代歌人協会賞、翻訳だけに与えられる日本翻訳文化・出版文化賞(日本翻訳家協会)など、
    ジャンル別の賞もある。そのほか、推理小説、女流文学、農民文学、歴史文学、
    SFなどを対象とするものなど多様である。特に小中学生や幼児向け児童書(童話・絵本など)を
    対象としている場合、児童文学賞と称することがある。
    1980年代以降、サントリーミステリー大賞(サントリー、文芸春秋社、朝日放送。2003年終了)、
    日本ファンタジーノベル大賞(三井不動産販売、読売新聞社。1999年より清水建設、読売新聞社)、
    日本ホラー小説大賞(角川書店、フジテレビジョン)など、推理小説、ホラー小説などの賞が多くなった。
    ノンフィクションを対象としたものに、講談社ノンフィクション賞、21世紀国際ノンフィクション大賞(小学館。
    7回目の1999年から小学館ノンフィクション大賞に改称)、ノンフィクションだけではないが開高健賞
    (TBSブリタニカ、2003年より集英社による開高健ノンフィクション賞。ジャンル不問)などがある。
    外国の文学賞では、サント・ブーブ賞(フランス)は評論にだけ与えられ、ウィットブレッド賞(イギリス)は
    小説部門と処女小説部門、ヘミングウェイ基金賞(アメリカ)は処女小説部門のみ、
    ピュリッツァー賞(アメリカ)は小説、詩、演劇、伝記、ノンフィクションの各分野にわたる。
    芥川賞や直木賞(大衆・中間文学)のように作家の死や業績を記念して制定された賞や、
    故人の遺志や遺産によって制定された賞もある。
    大宅壮一(おおやそういち)ノンフィクション賞(日本文学振興会)、岸田国士(くにお)戯曲賞(白水社)、
    川端康成(やすなり)文学賞(川端康成記念会)、大仏(おさらぎ)次郎賞(朝日新聞社)、
    吉川英治文学賞・同文化賞(吉川英治国民文化振興会)、三島由紀夫賞(純文学。新潮社)、
    山本周五郎賞(大衆文学。新潮社)、サマセット・モーム賞(イギリス)、フォークナー賞(アメリカ)、
    クライスト賞(ドイツ)、バッハマン賞(オーストリア)、ストレーガ文学賞(イタリア)などである。
    また、県や市など地方自治体が主宰者となる文学賞が、1990(平成2)年ごろから増えてきた。
    伊藤整(せい)文学賞(小樽市、北海道新聞社)、宮沢賢治賞(花巻市)、
    斎藤茂吉(もきち)短歌文学賞(山形県)、やまなし文学賞(山梨県)、萩原朔太郎(さくたろう)賞(前橋市)、
    丸山薫賞(豊橋市)、坪田譲治文学賞(岡山市)、中原中也(ちゅうや)賞(山口市)、
    丸山豊記念現代詩賞(久留米市)、泉鏡花(きょうか)文学賞(金沢市)などがある。
    授賞回数も芥川賞、直木賞のように年2回のもの、ゲーテ賞(ドイツ)のように3年に1回のものなどもある。























































inserted by FC2 system