食育(YSミニ辞典)

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食育(しょくいく) : 食生活の環境が大きく変わったことによる栄養の偏りや不規則な食事、
    肥満生活習慣病の増加など、さまさまな問題について、教育を通して解決する試みのこと。
    子供たちが自分で自分の健康を守り、健全で豊かな食生活を送るための
    「食事の自己管理能力」を育てること。その能力とは、
     ●食べ物を選択する能力 : 食べ物は、体によいものばかりとは限らない。
                       体によいものか判断、選択する力が必要である。
     ●料理する能力 : 自分で作ってみると、きらいだったはずのものが美味しく感じられる。
              五感を使う料理は子どもたちの創造力や集中力や物事の計画的に進める力を育てる。
     ●味がわかる能力 : 家庭で料理をする事が少なくなって、
       味も均一化し、味覚障害が増えてきたといわれている。味覚は、幼い頃から自然の食べ物をどれだけ
       たくさん食べてきたかによって、違ってくるといわれる。正しい味覚を育て、
       食材の本来持っている味を美味しいと評価できる能力は、人間として大切な教育である。
     ●食べ物の育ちを感じる能力 : 食べ物は、野菜でも魚でも、
       土、水、大気(空気)、太陽とともに自然の中で息づきながら、生育してきたもので、
       その育ちを知る事は、おのずと食べ物に対する感謝の気持ちを持つ事につながる。
     ●元気な体のわかる能力 : 今の世の中は、「半健康人」といわれる人が増えてきている。
       自分の体の最も元気な状態を感じて、常に健康でいられるように、
       体をコントロールする能力を身につけることが大切である。
    の5つの能力であり、幼い時からの毎日の繰り返しによって身についていくとされる。
    現在、国民の食生活について、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、
    過度の痩身志向などの問題、さらに、「食」の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題が
    指摘されている。こうした中で国民に、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を
    習得し、健全な食生活を実践していくことが食育への取組の目的である。
    食育という言葉は古くから使われていたようで、1898(明治31)年、軍医、石塚左玄が書いた
    「通俗食物養生法」の中に「学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき」との
    記述が見られる。また明治36年には当時の報知新聞編集長、村井弦斎が「食道楽」の中で、
    「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも、食育がさき。体育、徳育の根元も食育にある」と
    指摘している。政府は2005年6月に「食事バランスガイド」を作成した。
    これは、国民一人ひとりがバランスのとれた食生活を実現していくことができるよう、
    食事の望ましい組み合わせやおおよその量をわかりやすくイラストで示したものである。
    参 : 政府広報オンライン(食事バランスガイド)、
        内閣府ホームページ(「食育推進基本計画案」に対する意見募集
食育基本法(しょくいくきほんほう) : 近年における国民の食生活をめぐる環境の変化に伴い、
    国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが
    緊要な課題となっていることにかんがみ、食育に関し、基本理念を定め、
    及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、
    食育に関する施策の基本となる事項を定めることにより、
    食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来にわたる健康で文化的な
    国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的に、
    2005(平成17)年6月17日i法律第63号で公布され、2005年7月15日から施行された。
    「食」に関する知識を身に付け、食べ物を選ぶ力を育む「食育」を推進するために
    国や自治体が取り組むことを定めた「食育基本法」が2005年6月10日午前の参院本会議で
    自民、公明、共産各党などの賛成多数で可決、成立したが、民主、社民両党は反対し、
    民主党の理由として「『食』は個々人の選択と自由に任せるべきで、
    国家が介入すべき性質のものではない」などとしていた。
    内閣府に首相を会長とし、新設する食育担当相ら関係閣僚と有識者で構成する食育推進会議を設置、
    食育推進基本計画をつくるほか、都道府県や市町村にも、推進計画の作成に努めるよう求めている。
    食への理解を深めるための体験活動や、伝統的な食文化への配慮などを盛り込む一方、
    「国民の責務」として、「生涯にわたり健全な食生活の実現に努め、
    食育の推進に寄与するよう努める」と定めた。
    2003年の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、
    成人の1日の野菜摂取量の目標値350グラム以上に対し、実際の摂取は293グラムであった。
    朝食の欠食率(菓子や錠剤などのみも含む)は20代が最多で、男性29.5%、女性23.6%。
    30〜60代男性の3割以上が「肥満」(BMI値が25以上)で、20代女性の「やせ」は23.4%。
    こうした栄養の偏りや不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加のほか、
    BSEなど食の安全をめぐる問題を受け、家庭、学校、保育所、
    地域などで国民運動として食育を推進するとしている。
食育推進基本計画(しょくいくすいしんきほんけいかく) : 2005年7月に施行された食育基本法に基づき、
    食育推進会議(会長・小泉首相)が作成し、期間は2006〜2010年度の5年間となっている。
    食に関する知識を持ち、健全な知識を持ち、健全な食生活を実践できる人づくりを目標に、
    家庭や地域、学校などがとるべき対策の方向性を数値目標を掲げて示した。
    たとえば@朝食を欠食する子供の割合を4%から0%にする。A食品の安全性について基礎的知識を
    持つ国民の割合を60%にする。など。都道府県や市町村にも地域計画の作成を求めている。
    参 : 栄養教諭、Yahoo!インターネット検定HP(食育エキスパート

























































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