外来(YSミニ辞典)

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外来生物 : たとえばカミツキガメのように、もともとその地域にいなかったのに、
    人間の活動によって外国から入ってきた生物のことを指す。
    アライグマのようにペットとして持ち込まれて野生化したり、セアカゴケグモのように荷物について
    輸入されたり、とルートは様々である。日本では2千種が確認されている。
    農作物を荒らす、元来の生態系を損なう、人に健康被害を及ぼすなどの問題がある。
    2005年施行の外来生物法で、特定種は飼育や運搬、放流などが禁止された。
    参 : WWFジャパン(公式HP)
外来生物法 : 正式名称は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で、
    2005年6月1日より施行され、外来生物の飼育・販売・放流などの規制が始まった。
    この法律の目的は、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、
    生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、
    国民生活の安定向上に資することである。そのために、問題を引き起こす海外起源の外来生物を
    特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し、
    特定外来生物の防除等を行うこととしている。
    ハブ退治のために奄美大島に放たれたジャワマングースは、雑食性のために農作物や鶏や卵まで食べ、
    特に天然記念物の「奄美の黒うさぎ」への被害が大きいことから特定外来生物に指定され、
    駆除が行われている。沖縄でも天然記念物の「やんばるくいな」を食している。
    他に、アマミトゲネズミ、アカヒゲ、キノボリトカゲ、ワタセジネズミ、オキナワアオガエル、
    イボイモリなど哺乳類から昆虫類まで様々な絶滅危惧指定種を捕食している報告がある。
    特定外来生物
     海外起源の外来生物であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、
     又は及ぼすおそれがあるものの中から指定される。特定外来生物は、生きているものに限られ、
     個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれる。
     特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、
     実態がよく分かっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定され、
     輸入する場合は事前に主務大臣に対して届け出る必要がある。
     届出がされた場合は、主務大臣が判断し、影響を及ぼすおそれがある場合は
     特定外来生物に指定され、輸入等について規制される。
     影響を及ぼすおそれがないと主務大臣が判断した場合は、特に規制はかからない。
    指定特定外来生物 : ブラックバスなどの魚類や哺乳類、昆虫類など80種が指定されている。
     哺乳類 : タイワンザル・カニクイザル・アカゲザル・アライグマ・カニクイアライグマ・
            ジャワマングース・クリハラリス(タイワンリスを含む)・トウブハイイロリス・ヌートリア・
            フクロギツネ・小型のシカのキョン
     鳥類 : ガビチョウ・カオジロガビチョウ・カオグロガビチョウ・ソウシチョウ。
     爬虫類 : カミツキガメ・グリーンアノール・ブラウンアノール・ミナミオオガシラ・
            タイワンスジオ・タイワンハブ。
            ワニ(アリゲーター・クロコダイル)やワニガメは何故指定から外れたのだろう。
     両生類 : オオヒキガエル。
     魚類 : ブラックバス(オオクチバス・コクチバス・ブルーギル)・チャネルキャットフィッシュ。
     昆虫類 : ヒアリ・アカカミアリ・アルゼンチンアリ。
     無脊椎動物 : セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ・ジュウサンボシゴケグモ・クロゴケグモ・
               イトグモ(3種)・ジョウゴグモ・キョクトウサソリ。
     植物 : ナガエツルノゲイトウ・ブラジルチドメグサ・ミズヒマワリ。
           喘息を誘発するセイタカアワダチソウも指定し、駆除してほしいね。
    要注意外来生物(ようちゅういがいらいせいぶつ)
     固有の自然環境を守るための「外来種被害防止法」での「特定外来生物」は法規制を伴うが、
     生態系への被害が不明、もしくは明らかだが、外来生物法の指定種として規制する効果が不確定な
     動植物のことで、法規制の対象外で国内運搬の際に許可も不要だが、
     取り扱いを注意して生態系への影響を監視し続ける必要がある生物として指定されている。
     環境省は今後、流通実態などの情報を集め、指定による社会的、経済的影響などを考慮し、
     指定を検討する。現在の指定リストには、
     哺乳類3種類(リスザル、フェレット、シマリス)、
     鳥類6種類(インドクジャク、シジュウカラガン大型亜種、
      コリンウズラ、クロエリセイタカシギ、シリアカヒヨドリ、外国産メジロ)、
     爬虫類9種類(ミドリガメ:ミシシッピアカミミガメ、ワニガメ、チュウゴクスッポン、アメリカスッポン属、
      クーターガメ:アカハラガメ属、チズガメ属の3種、ハナガメ、ヒョウモントカゲモドキ、グリーンイグアナ)、
     両生類2種類(アフリカツメガエル、ヨーロッパミドリヒキガエル等ヒキガエル5種)、
     魚類21種類(タイリクバラタナゴ、ニジマス、ブラウントラウト、カワマス:ブルックトラウト、グッピー、
      ソウギョ、アオウオ、オオタナゴ、カラドジョウ、ヨーロッパナマズ、ウォーキングキャットフィッシュ:クララ、
      マダラロリカリア、ナイルパーチ、タイリクスズキ、マーレーコッド、ゴールデンパーチ、ナイルティラピア、
      カワスズメ:ティラピアの一種、カムルチー:ライギョの一種、
      タイワンドジョウ:ライギョの一種、コウタイ:ライギョの一種)、
     昆虫類7種類(外来種のクワガタムシ科:カブトムシ・クワガタムシ、サカイシロテンハナムグリ、
      チャイロネッタイスズバチ、ナンヨウチビアシナガバチ、アフリカミツバチとアフリカ化ミツバチ、
      ホソオアゲハ:ホソオチョウ、アカボシゴマダラ)、
     その他の無脊椎動物16種類(アメリカザリガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、カサネカンザシ、
      タテジマフジツボ、チチュウカイミドリガニと、ヨーロッパミドリガニ、上海ガニ:チュウゴクモクズガニ、
      カラムシロ、コウロエンカワヒバリガイ、イガイダマシ、タイワンシジミ種群、シナハマグリ、
      カニヤドリカンザシ、ムネミオプシス・レイディ:ツノクラゲの一種、
      アフリカマイマイ、スクミリンゴガイ:ジャンボタニシ)及び
     植物84種類(オオカナダモ:アナカリス、セイタカアワダチソウホテイアオイ:ウォーターヒヤシンス、
      オオブタクサ、チョウセンアサガオ属、外来タンポポ種群、ヘラオオバコ、アメリカオニアザミ、ブタクサ、
      オオアレチノギク、ランタナ、サンショウモドキ、セイロンマンリョウ、イタチハギ:クロバナエンジュ、
      ハリエンジュ:ニセアカシア、ハイイロヨモギ、カモガヤ:オーチャードグラス、シバムギ、
      オオアワガエリ:チモシーなど)の合計148種類の外来生物が掲載されている。
    未判定外来生物
     生態系などに係る被害を及ぼすおそれがあるかどうかまだ判定していない外来生物をリストアップ。
     未判定外来生物を輸入したいという者から届出が出された場合は、
     大臣が規制が必要か否か判断する。
    種類名証明書の添付が必要な生物
     特定外来生物や未判定外来生物とよく似ている生物のこと。
     その生物を輸入する際は、輸入しようとする生物の種類名と
     数量が記載された「種類名証明書」を税関で提出する必要がある。
     「種類名証明書の添付が必要な生物」を輸入できるのは、
     成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港のみである。
    飼育などの規制
     特定外来生物の飼養、輸入などは学術研究目的で許可を受けた場合以外は禁止。
     飼養などは、きちんとした施設において許可を受けている事を明らかにした方法
     (マイクロチップ埋込等)で実施することを義務付けている。
     飼養している外来生物は施設外で放したり植えたりする事も禁止。
    違反した場合の罰則
     ●個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、
      法人の場合1億円以下の罰金に該当するもの。

      → 販売もしくは頒布(はんぶ)する目的で、特定外来生物の飼養等をした場合。
      → 偽りや不正の手段によって、特定外来生物について飼養等の許可を受けた場合。
      → 飼養等の許可を受けていないのに、特定外来生物を輸入した場合。
      → 飼養等の許可を受けていない者に対して、特定外来生物を販売もしくは頒布した場合。
      → 特定外来生物を野外に放ったり・植えたり・まいたりした場合。
     ●個人の場合懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金、
      法人の場合5千万円以下の罰金に該当するもの。

      → 販売もしくは頒布以外の目的で、特定外来生物の飼養等又は譲渡し等をした場合。
      → 未判定外来生物を輸入してもよいという通知を受けずに輸入した場合。
    参 : 外来生物法(環境省)、WWFF26























































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