ビール関連(YSミニ辞典)
[ホーム]
[索引]
[前項]
[次項]
アルコール0%ビール風味飲料 =
ノンアルコールビール
オリオンビール(Orionbeer) : 1957(昭和32)年)5月18日に設立された沖縄県に本拠を置く
日本の大手ビールメーカーで、本社は沖縄県浦添市字城間1985−1にある。
ビールのブランドである「オリオンドラフト」を指して「オリオンビール」と称することもある。
日本のビール大手5社(麒麟麦酒・アサヒビール・サッポロビール・サントリー・オリオンビール)中の
シェアは0.9%と最下位だが、沖縄県では最大のシェアを誇り、いわば「県民ビール」として定着している。
沖縄県内シェアは、オリオンビールによれば55〜56%(2003年度実績、アサヒビール委託分を除く)。
オリオンビール本社
オリオンビール名護工場
沖縄県名護市東江2丁目2番1号にあるビール製造工場で、沖縄で50%以上のシェアを占めている。
ビールの出来上がるまでの製造ラインを見学したあと、
他社のビール工場と同じく出来立てビールが試飲できる。
工場見学予約電話番号 : 0980−54−4103
※見学希望者方は電話にて予約。予約は1カ月前から受付け。
参 :
オリオンビール(HP)
クラシックビール(classic beer) : 復刻ビール。明治・大正・昭和初期など、昔のビールの懐かしい味を
昔のままの製造方法で今に再現した、いわゆる昔ながらのビールのこと。
応募で当たったキリンクラシックビール
右 : 明治21(1888)年に発売された最初のキリンラガービール。
中 : 大正期の首が長いのが特徴の「鶴首びん」のキリンラガービール。
左 : 昭和初期のキリンラガービール。現在のものとデザインはよく似ているが、
色合いや表記事項がが少しずつ異なっている。
第3のビール(だいさんのびいる) : 「ビール風飲料」や「ビール風味アルコール飲料」とも言われ、
炭酸による
ビール独特の爽快感などを出し、原材料や製法を工夫して酒税負担を抑えた
アルコール飲料(正確には「雑酒」に該当)のことで、
発泡酒に続くことから「第3のビール」と呼ばれる。
また、本来のビール、発泡酒と第3のビールをまとめて「ビール関連飲料」と呼んでいる。
現行の酒税制度は、酒類を「ビール」「ウイスキー類」など原材料や製法により10種類に分け、
異なる税率を適用している。この複雑さを突いて低価格を実現したのが強みで、
各社ともに売れ行きは好調である。ビール税が、麦芽使用比率66.7%以上と規定して
高税率である点に目を付け、エンドウ豆などから抽出した成分でビール酵母を発酵させるなど、
麦芽をあまり用いないでビールに似た風味にしたのである。
2004年4月に全国発売されたサッポロのドラフトワンは、
原料にエンドウ豆を使うことで酒税を1缶約22円節約することに成功し、
すでに数千万ケースを越えるヒット商品になった。
ビールとビール風飲料の区別は麦芽の使用率で決まり、ビールなら66.7%以上、
それ未満なら発泡酒で、ビール風飲料は麦芽をほとんど使用していない。
また、ビールと名乗るには特定の副原料のみの使用が許されている。
麦芽を使う発泡酒に麦焼酎などのアルコール飲料を混ぜたものはリキュール類に分類され、
いずれも酒税は発泡酒より350ミリリットル缶で20円程度安い。
農政族の強い他の酒業界と違って、ビール業界の政治力は弱いこともあり、
ビールに対する税率は非常に高いものになっていて、1リットル当たりで比較するとビールが222円、
発泡酒が134円に対して、清酒は140円、甲種焼酎248円、ウィスキー409円で、
アルコール度数や小売価格からみてもビールの課税が異様に高い。
対アルコールに対する税率で比較すると清酒や焼酎やウィスキーはほぼ横並びなのに対して、
なんとビールはその4倍以上、発泡酒でも2.5倍の税率になる。
ちなみにドラフトワンなどの雑酒の税率は1.3倍程度である。
もしも「税の公平さ」を主張するならば、ビールや発泡酒の税率を今の1/2〜1/3以下にすべきである。
しかし、政府税制調査では庶民に売れてきたビール風飲料を増税しようと画策している。
低価格のビール風味アルコール飲料「第3のビール」市場の先行組のサントリーは
夏季限定の新商品「サマーショット」を2005年6月8日から、トウモロコシを使った
「キレ味」を7月26日から発売すると発表。サッポロビールも5月に新商品投入を予定している。
キリンビールもすでに大豆たんぱくを使った「のどごし(生)」を250万ケース超の出荷するなど、
大手4社で最後に参入するアサヒビールが4月20日に発売した大豆ペプチドや酵母エキスを使った
新商品「新生
(しんなま)」で、4社合計の4月出荷量は800〜900万ケースに上るという。
ビール関連総市場の1割程度まで成長するとみられた「第3のビール」だが、
「15%程度を占める」(関係者)可能性も出ている。
酒ディスカウントのデイ・リンク(広島市中区)など中国地方の中堅酒販店が、大手ビールメーカーの
製品よりさらに低価格の「第三のビール」として「粋生(いきなま)スーパーファイン」を売り出した。
デイ・リンクでは355ミリリットル缶を95円で販売し、
大手メーカーの「第三のビール」より十円程度安く設定している。
酒税法改正に伴い「第3のビール」などの増・減税が2006年5月1日実施され、
第3のビールは350ミリリットル缶当たり3・8円の増税となった。
キリンビール、アサヒビールなどメーカー各社は、これを反映させた出荷価格改定を同日から実施した。
「消費者は価格に敏感」とみたイオンやイトーヨーカ堂など大手スーパは店頭価格への転嫁を見送った。
増税分は流通コストの削減などで吸収するとしており、事実上の「値下げ」となる。一方、ダイエーは
増税分の上乗せを実施。「当面は値上げしない」などとして消費者の反応を見極めるスーパーもある。
ローソン、ファミリーマート、セブン−イレブン・ジャパンなど大手コンビニは1缶当たり4円引き上げる。
政府はこれら出荷量が増えている酒類の酒税を上げて、特別減税廃止に続き、
またもや庶民イジメをしたのである。安いビール風飲料や焼酎でがまんしてきたのに、
税制の中立性や公平性を確保すると言いながら、献金してくれる企業側にたち、
ビールや清酒の酒税は下げ、安いから売れる第3のビール、焼酎、ワインのみを値上げしたのである。
財務省は酒税改正で、原料や製法、アルコール度数によって10種類ある課税区分を
「ビール」「醸造酒」「蒸留酒」「その他」と欧米並みの4種類に簡素化し、
酒ごとの税率格差を小さくする方針で、ビールや発泡酒の税率は下がるが、
安さが魅力の第三のビールのほか焼酎の税率は上がってしまった。
2008年のビール系飲料の国内市場シェアは、
発売6年目の第3のビールが23.7%で、23.3%の発泡酒を始めて抜いた。
発泡酒は「糖質オフ」などの製品は根強い支持があるものの、6年連続で前年を割り、
ビールもピークだった1994(平成6)年の半分以下に落ち込んだ。
第3のビールは、キリンビールの「のどごし生」の販売数量が初めて
4千万ケース(1ケースは大瓶換算で20本)を超えた。
アサヒビールの「クリアアサヒ」、サントリービールの「金麦」も、ヒットの目安とされる1千万ケースを
突破し、サッポロビールの6月発売の「麦とホップ」も、当初目標を上回る500万ケースに達した。
第3のビールが急伸しているのは、価格が安く節約志向の時代に合っているうえ、
味の幅が広がったことが大きい。消費の冷え込みが厳しさを増す2009年は、
割安な第3のビールがさらに躍進しそうだ。
2009年の大手4社の第3のビールの販売計画は合計で前年実績の18.3%増で、
節約志向を受け、大手各社はそろって「味」を磨いた第3のビールの販売強化に重点を置く。
2010年発売の主な「第3のビール」の販売実績
商品名 |
メーカー |
販売数量 |
販売目標 |
2011年計画 |
くつろぎ仕込<4VG>
(9月発売) |
アサヒビール |
約135万ケース |
約200万ケース |
販売継続 |
サウザン(3月発売) |
キリンビール |
約120万ケース |
約630万ケース |
販売終了 |
7種のホップリラックス
(3月発売) |
サントリー酒類 |
約146万ケース |
約400万ケース |
3月に
販売終了 |
クリーミーホワイト
(9月発売) |
サッポロビール |
約120万ケース |
約150万ケース |
販売継続 |
2011.1.18、朝日新聞より。ビール大手5社が2011年1月17日、
2010年のビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)の出荷量を発表した。
第3のビールの伸びは鈍化し、各社は戦略を練り直しするという。 |
地ビール(a micro−brewery’s beer、a locally produced beer、the local beer industry)じビール。
中小の醸造会社によりその土地で少量生産される地方ローカルブランドのビールのこと。
規制緩和の一環で、1994(平成6)年に酒税法が改正され、年間最低製造数量が
2000キロリットルから60キロリットル(発泡酒は6キロリットル)に引き下げられたことから、
ビールも地酒同様に少量生産が可能となり、1995(平成7)年2月に、
第1号地ビールとして新潟県の上原酒造が作った「
エチゴビール」が発売された。
その後地ビールは日本のあちらこちらで生産されるようになった。
多くの醸造所が、エール、ダークエール、ビルスナー、ヴァイツェン、ケルシュなど数種類の
スタイルのビールを醸造している。こうした地ビールの醸造所は、全国で100カ所前後ある。
新潟のエチゴビール(全国第1号地ビール)
生ビール(draft beer)なまびいる : ドラフト-ビール。なま。
醸造したままで、加熱殺菌をしない
ビールのこと。[
季語]夏−生活。
ちなみに、瓶詰め・缶詰めにして加熱殺菌したビールを「ラガービール」や「貯蔵ビール」という。
ノンアルコールビール : アルコール0%ビール風味飲料。アルコール0%の完全ノンアルコールビール。
アルコール0%飲料。ビール風味飲料のアルコール度数は0.00%で、
麦汁に炭酸を加えるなどの製法でビールに似た味を実現しているのが特徴である。
ノンアルコール飲料は、従来も各社から発売されてきたが、アルコール分が0.1〜0.5%含まれるため、
飲酒できない運転手らの警戒感がぬぐえず、各社の販売も縮小していた。
そこでキリンが2009年4月に「世界初」を掲げて売り出したのが「キリンフリー」である。
アルコールゼロの先駆けで「これなら安心して飲める」と運転手や妊婦などに好評で、
増産に踏み切るほどの人気を博している。
アサヒによると、2010年の販売量は微量のアルコール分を含む商品と合わせ、
業界全体で2008年の7倍近い推計約800万ケース(1ケース大瓶20本換算)。
2009年4月1日発売
350ml缶と小びん(334ml)の2品種がある完全ノンアルコールの「キリンフリー」。
9月16日には中瓶や500ml缶も発売予定である。
アルコール0%ビールの製法
@通常のビールを製造しそこからアルコールを抜く方法。
A香料などを使ってビール味を出し炭酸を加える方法。
Bビールを製造する際にアルコールを生成させないようにする方法。
アインベッカーなど海外産は@の方法だが、キリンフリーとアサヒの2009年9月発売の
ポイントゼロはAの方法、アサヒ(現行のポイントワン)、サッポロ、サントリー製はBに該当しする。
Bの方法は出来るだけビールの味わいに近づけるために、通常のビールと同じ原料、
同じ製造設備、同じ製法で、しかもアルコールを低くにすることで、麦汁濃度や酵母を働かせる時間、
その時の温度などを調整して出来る限り低アルコールにし、酵母もそれに似合ったものを使っている。
キリンフリーの場合はビールの製造工程に出てくる麦汁と、
系列社キリンビバレッジのヒット商品「キリンヌューダ」のノウハウを生かして作られたと言われる。
また、アサヒから発売される「ポイントゼロ」は現行品「ポイントワン」の技術を応用し、
麦汁に炭酸などを加えてビールの味を出しているそうだ。
大手4社のアルコール0%のビール風味飲料出そろう
キリンの好調ぶりを受け、サッポロビールは2009年8月27日、
ノンアルコールのビール風味飲料「スーパークリア」を9月30日に発売すると発表した。
アルコール度数0.00%のビール風味飲料は、2009年4月にキリンビールが発売した
「フリー」が先駆けで、アサヒビールも9月1日から同様設計の「ポイントゼロ」を発売予定であり、
実勢価格は148円前後で、初年度に40万ケース(1ケースは大瓶20本換算)の販売を目指す。
サントリーも同29日に「ファインゼロ」を投入して追随する。
3社の新たな参入で、ビール大手4社による新市場を巡る競争が激化しそうだ。
主要各社の新車の形状が皆同じになるように、ビール業界もキリンが4月に
アルコール0%ビールを発売すると、各社が申し合わせたように5カ月後の9月に追従した。
この期間に先行ビールの成分分析なとをして独自のビールを開発したのだろうか。
アサヒビールの「ポイントゼロ」、
2009年9月1日発売 アサヒビールの「ダブルゼロ」
2010年8月2日発売
サントリーの「ファインゼロ」。2009年9月29日発売
サントリーの「オールフリー」。2010年8月3日発売。2011年2月に500ml缶入りを追加する。
9月30日発売
サッポロビールの「スーパークリア」 アルコール分約0.5%の「スーパークリア」
右の缶はわずかだがアルコール分が含まれるので、車に乗るなら飲まないように!
右の缶は製造中止にするつもりで、アルコール0%の「スーパークリア」を同じ名前にしたのだろうか。
各社のノンアルコールビール成分表(アルコール分0%)
メーカー |
原材料 |
栄養成分 |
カロリー
(kcal) |
たんぱく質(g) |
脂質 (g) |
糖質 (g) |
食物
繊維
(g) |
ナト
リウム
(mg) |
プリン
体 (mg) |
キリン・フリー |
麦芽、食物繊維、
果糖ぶどう糖液糖、
ホップ、酸味料、香料、
調味料(アミノ酸)、
酸化防止剤
(ビタミンC)、苦味料 |
16 |
0.1
〜
0.3 |
0 |
3.3 |
1.2 |
0〜10 |
|
アサヒ・ ポイントゼロ |
スターチ、麦芽、
果糖ぶどう糖液糖、
ホップ、香料、酸味料、
アミノ酸(グリシン) |
22 |
0 |
0 |
5.4 |
0
〜
0.1 |
0〜8 |
|
アサヒ・ ダブルゼロ |
麦芽エキス、食物繊維、香料、酸味料、カラメル色素、苦味料、甘味料
(アセスルファムK) |
0 |
0 |
0 |
0.9 |
0
〜
0.5 |
0〜8 |
0〜
0.2 |
サントリー・ ファインゼロ |
麦芽、糖類
(糖化スターチ)、
ホップ、酸味料、香料、
酸化防止剤
(ビタミンC)、甘味料
(アクスルファムK、
スクラロース) |
16 |
0
〜
0.2 |
0 |
4.0 |
0
〜
0.1 |
0〜7 |
|
サントリー・ オールフリー |
麦芽、糖類
(糖化スターチ)、
ホップ、酸味料、香料、
酸化防止剤
(ビタミンC)、甘味料
(アクスルファムK、
スクラロース) |
0 |
0 |
0 |
0 |
0
〜
0.1 |
0〜7 |
|
サッポロ・ スーパークリア |
水溶性食物繊維、
香料、糖類(水飴、
果糖ぶどう糖液糖)、
麦芽エキス、
カラメル色素、酸味料、
酸化防止剤(ビタミンC) |
6 |
0 |
0 |
1.0 |
1.5 |
0 |
0〜
0.3 |
サッポロ・
プレミアムアルコールフリー |
2011年3月発売予定 |
|
|
|
|
|
|
|
日経トレンディネットの資料などをもとに表作成 |
大手4社の製品の飲み比べ(平林 理恵さんの感想文より)
キリン・フリー : 飲み口は軽めながら、苦味の効いたビールの風味が感じられた。
飲み込んだときの感触も炭酸飲料とは明らかに違うビールののどごし。
飲んだ後、ほのかに舌に残るフルーツのような酸味が気になる人もいるかもしれないが、
4種の中では一番ビールらしい味に仕上がっている。
アサヒ・ポイントゼロ : 4つの中で一番ドライな味わい。
のどを通っていくときにホップのアタック感があり、切れもある。
スーパードライを造っている会社が造ったノンアルコールビールという感じだ。
香りは高いが、麦やホップというよりもっと別の華やかな香りに感じた。
2009年9月9日現在販売中のキリン、アサヒの2商品のうち、ビールらしい味わいで選ぶなら
「キリン・フリー」、のどごしの爽快感なら「アサヒ・ポイントゼロ」というところか。
サントリー・ファインゼロ : 確かにホップの香りが高く、苦味の効いたビールらしい味わい。
口に含んだときの印象は、複雑というか雑味を感じる。
スッキリしたクリアな味よりも味わい系のビールが好きな人に向きそうだ。
サッポロ・スーパークリア : あっさりさらさらとした口当たりで、ビールの風味はするが、
ビールの泡立ちやのどごしはない。ビールの代替物としては物足りないけれど、
甘味のないスッキ リした炭酸飲料を求める人には飲みやすい味わいだ。
他3社の商品は、ビールが飲めなかったり、飲めてもビールが好きでなかったりする人には
受け入れられな いだろうが、「スーパークリア」は、ビールが苦手な人でも手が出るのではないか。
発泡酒(はっぽうしゅ) : 日本の酒税法で定義されている酒類の一つ。
麦芽の使用比率が3分の2未満で、炭酸ガスを含み、開栓してグラスに注いだときに
泡がたつ酒の通称である。日本の酒税法では、ビールと発泡酒は区別されており、
例えば定められた副原料以外を用いた場合はビールとは認められずに発泡酒になる。
ビールは麦芽比率が3分の2以上とされているが、
果汁などビールに使えない副原料を添加すると発泡酒とみなされる。
定義 : 麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(同法第3条第7号から第17号までに掲げる酒類及び
麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く)で
発泡性を有するものをいう。麦芽比率が、50%以上のもの、50%未満〜25%以上のもの、
25%以下の3種に税制上区分され、25%以下のものが発泡酒である。
以前の酒税法では、シャンパンはじめ発泡酒は、ビールを除いて「雑酒」に属していたが、
1962(昭和37)年の改正で、すべての酒類について、炭酸ガスを加えて発泡性をもたせたものも、
酒税法上の種類、品目を変えないことになった。したがってシャンパンやシードルは「果実酒」に属する。
ただ、どの酒の品目にも属さない酒、たとえば麦芽を原料としても、
麦芽の使用量の少ない発泡酒はビールではなくて「雑酒」に属すると規定された。
一般的には、発泡酒というと、シャンパン、そのほかのスパークリング・ワインをさすことが多かったが、
1995(平成7)年以降、日本では低麦芽使用率でビール様の雑酒が発売され、
これがビールより低い酒税が適用され安価なこともあって人気をよび、発泡酒の名称で定着している。
翌年の1996年から大手ビールメーカーの25%未満の発泡酒が市場に本格参入した。
健康系発泡酒の中で、2008年に最も好調だったのがアサヒの「スタイルフリー」である。
この商品は、2007年3月に発売された、糖質ゼロ発泡酒(注・栄養表示基準に基づき、
糖質0.5g(100mL当たり)未満を糖質0(ゼロ)としている)の業界第1号商品である。
2008年は
メタボリック症候群の特定健診制度が開始され、消費者の健康志向が高まった。
他社に先駆けて発売された「スタイルフリー」は2008年に1138万ケースを販売。
前年比137.1%を記録した。アサヒの発泡酒の定番「本生ドラフト」「本生アクアブルー」を
上回る第3位になった。ちなみに1位は「麒麟・淡麗」(3371ケース)、
2位は「淡麗グリーンラベル」(1730ケース)だった。
ビール大手4社の「糖質ゼロ」ビール
メーカー |
商 品 名 |
発売時期 |
アル
コール
分(%) |
エネルギー
100ml
当たりの
エネルギー |
商品のコンセプトやイメージ |
アサヒ |
スタイルフリー |
2007年
3月 |
4 |
24 |
糖質0のきれいな味 |
キリン |
麒麟ZERO |
2008年
2月 |
3 |
19 |
「カロリーオフ」と「糖質ゼロ」の
2つの価値を同時に実現 |
サントリー |
ゼロナマ |
2008年
3月 |
4 |
23 |
「糖質ゼロ」と
「本格的なうまさ」を両立 |
サッポロ |
ビバライフ |
2008年
4月 |
5 |
28 |
ガマンしない糖質ゼロ発泡酒 |
ビールと発泡酒の違い : 一般的なビールの原料は、麦芽(モルト)、ホップ、酵母(イースト)、
副原料(米、コーンスターチなど)で、このうち、副原料を使わないビールをオールモルトビールと言い、
地ビールのほとんどがこのタイプである。酒税法では、水以外の原料に占める麦芽の比率が
67%以上(残りは副原料)の発酵酒をビールと言う。麦芽の比率が66%以下の場合は発泡酒となる。
ただし、麦芽比率が67%以上であっても、副原料に定められた以外のフルーツやハーブを
使用すると発泡酒となる。税金は、麦芽比率50%未満だと、
麦芽比率50%以上のビール・発泡酒より安くなり、大手メーカーの発泡酒は、
もっとも税金の安くなる麦芽比率25%未満のものが多い。
平成15年5月からビール、発泡酒の副原料に「麦」が加えられた。
ビール(beer英:、bier:オランダ、ale、porter) : 麦酒。
麦芽を原料としてつくる苦みのある
アルコール飲料。麦芽(主に大麦)の糖化液に
ホップを加えて
低温で発酵させ、発生した炭酸ガスを混和したもの。[
季語]夏−生活。
日本で初めてビールがつくられたのは1870(明治3)年で、
アメリカ人コープランドが横浜の山手に開いたスプリング・バレー・ブルワリーで産声を上げた。
当時は、栄養価が高く滋養強壮のイメージから、栄養ドリンクとして薬局で販売されていた。
ビールの含有成分 :
ビタミンB2、
ビタミンB6、ニコチン酸、
パントテン酸、
ナイアシン、
葉酸、
マグネシウム、
カルシウム、
カリウム、
たん白質、
食物繊維
ビールの健康効果
●
肥満予防 : ビールに含まれるホップの成分に肥満抑制効果があることが判った。
さらに効果を高めるにはクリーミーな泡を立て、泡を飲むと良い。肥満抑制効果を生かすには、
麺類の「めんつゆ」に、アルコールをとばしたビールを活用するとよい。
●
骨粗しょう症予防 : ビールには
女性ホルモンと同じ働きをするフイストロゲンが多く含まれ、
骨密度減少をを防ぐ効果があり、ビール100mLで効果を現すことが判った。
さらに効果を高めるには、ビールを味噌汁に入れるのがよく、シミ・シワを強力に防いでくれる。
●
動脈硬化予防 : 効果を高めるには、漬け物(浅漬け)に使うとよい。
●
血液サラサラ効果 : ビール入り寒天が、ビールに含まれる強力な
ポリフェノールと
寒天の食物繊維で血液サラサラ効果がさらに高まる。
●
高血圧予防●
乳ガン予防●
大腸ガン予防●
老化予防●
認知症予防●
夏バテ予防
●
美肌効果●
腎機能改善●
更年期障害改善●
胃粘膜保護●
食欲増進。
●
快眠効果 : 就寝4時間前の夕食時に、
ビールをコップ1〜2杯味わいながら飲むと、寝つきが良くなる。
ただし、健康効果を生かすには上手に利用することが大切。
ビール関連市場の商品(缶)比較
種 類 |
ビール |
発泡酒 |
第3のビール
(ビール風飲料) |
水を除く
麦芽比率 |
原材料の66.7%以上 |
原材料の25%未満 |
麦芽の代わりに大豆、
エンドウ豆などを使う |
税額
(350mL缶) |
77円
(215円) |
約47円
(160円) |
約28円
(140円) |
銘 柄 |
スーパードライ(アサヒ)、
エビスビール・クラシック・
冬物語・ギネス(サッポロ)、
ラガー・クラシックラガー・
一番搾り(キリン)など |
淡麗(キリン)、
生搾り・ブロイ・ドラフティー
スペシャル(サッポロ)、
本生(アサヒ)、
純生・スーパーホップス・
ゼロナマ(サントリー)など |
のどごし生(キリン)、
新生(アサヒ)、
ドラフトワン・
スリムス(サッポロ)、
スーパーブルー
(サントリー)など |
※★ビール風飲料は「その他の雑酒」に分類されるが、サントリーのスーパーブルーは、
発泡酒に小麦抽出液を混ぜた製法のために「リキュール類」に分類される。
★税額のカッコ内はコンビニでの平均販売価格。
ビール大手4社の主な新商品と戦略(2009年)
ビール会社 |
新 商 品 |
戦 略 |
アサヒ
(18150) |
クールドラフト |
発泡酒「クールドラフト」。ビール「スーパードライ」、
第3のビール「クリアアサヒ」とともに定番商品を強化 |
キリン
(18020) |
キリンフリー |
アルコール0%の清涼飲料「キリンフリー」。
「一番搾り」もリニューアルし、
飲料全体の需要拡大につなげる |
サントリー
(5959) |
ザ・ストレート |
アルコール度の高い第3のビール「ザ・ストレート」。
高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」も大幅に拡充 |
サッポロ
(5630) |
シルクエビス |
女性向けになめらかな口あたりにした
期間限定の「シルクエビス」。
高級ビール「エビス」のファン拡大に注力 |
カッコ内の数字は2008年の販売実績。単位は万ケース |
参 :
生ビール、
日本地ビール協会(公式HP)、
酒税・たばこ税の税制改正(財務省HP)、
アルコール0%ビール風味飲料
キリンビールのラベルの秘密
キリンビールのマークの麒麟
(きりん)は幸福のシンボルといわれる古代中国の想像上の霊獣で、
聖人が世に出る前兆だと言われている。このラベルの中には色々な秘密が隠されている。
LAGER BEERの両端の数字は製造年月日、会社名の後の数字は製造工場を表している。
また、マークの麒麟の中には「キ」「リ」「ン」の3文字が隠れている。さがしてみてください。
こんなに拡大すれば判るので、最初は本物のビールビンでさがしてみましょう。
引き伸ばしても「キ」はよく判らないようです。回答は[
ここ]をクリックしましょう。
このラベルは私が会社の新聞の編集委員をしていた時の、1970(昭和45)年6月1日に
キリンビール広島工場を見学し、工場長に無理を言って使用前のラベルをいただいたもの。
残念ながら現在はこの工場はありません。
国内ビール類市場、キリン9年ぶり首位(
YOMIURI ONLINEより)
キリンビールが2009年の国内ビール類市場でライバルのアサヒビールを制し、
9年ぶりに首位を奪還したことが2009年12月30日、明らかになった。
消費者の低価格志向が強まり、キリンが得意な「第3のビール」の販売が伸びたことが決め手となった。
首位への返り咲きを弾みにキリンは国内販売を盤石にし、
サントリーとの経営統合で海外戦略も強化して国内飲料業界で圧倒的な地位を築く構えだ。
関係者によると、2009年のキリンの販売数量は小差でアサヒを上回った。
最大の勝因は「第3のビール」で約3分の1の占有率を持つ「のどごし<生>」の
販売数量が2008年より10%以上伸びたことだ。
2009年のビール類市場はビールの割合が全体の5割まで減る一方、
「第3のビール」は2008年の約23%から約30%に躍進した。
飲食店ではウイスキーを炭酸水で割った「ハイボール」が人気を集めるなどビール離れが進み、
家庭では価格が安い「
第3のビール」が定着してきた。
キリンは3月に主力ビール「一番搾り」を麦芽100%に改良してビール通に好評を博し、
ビール販売の落ち込みを抑えた。
キリンとアサヒの対決は、アサヒが2001年に「スーパードライ」を武器に48年ぶりに首位を奪って以降、
8年連続でトップの座に君臨していた。
アサヒは今年、1缶売るごとに1円を自治体に寄付するキャンペーンなどで防戦に努めたが、
ビール離れを食い止められなかった。
アサヒビールが2年ぶり首位
ビール大手各社が2011年1月17日発表した2010年の発泡酒、
第3のビールを含むビール類の
出荷量によると、国内市場シェアでアサヒビールが第3のビールの売り上げが伸びたことなどで
37・5%を占め、2年ぶりに首位を奪還した。ただ総出荷量は猛暑の追い風があったものの、
前年比2.8%減の4億5917万ケース(1ケースは大瓶20本分)と6年連続で過去最低となった。
背景には高齢化や若者のビール離れが続いていることがありそうだ。
トップを争った2位のキリンビールは36・7%でアサヒとは、僅差だった。だが、上位2社は
それぞれ前年に比べ出荷量を落とした。一方、3位のサントリー酒類は12・9%、
4位のサッポロビールは12・0%。双方とも出荷量を前年より伸ばした。
ビール風飲料(びーるふういんりょう) =
第3のビール