特別(YSミニ辞典)

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特別会計(とくべつかいけい) : 特会。特定の税金や保険料などを目的の決まった事業に使う際、
    その歳入と歳出を一般会計とは別に独立して管理する国の予算上のしくみをいう。
    あらかじめ決まった特定の事業や特定の資金を運用・管理するための予算で、
    通常の一般会計予算とは別に、特定の財政資金を管理するために計上されていて、
    国民の受益と負担の関係などが国民に理解しやすいように組まれている。
    防衛費、教育費、科学技術の振興費など様々な用途に税金を支出する一般会計と異なり、
    「受益と負担」の関係がわかりやすいという利点がある。
    一方、資金の運用はそれぞれの省庁で個別に管理しているため、
    外部のチェックが届きにくく無駄な事業や天下り問題が指摘されてきた。
    各省庁に任されているのは、財務省も国会も、一般会計予算だけでキャパシティオーバーに
    なってしまい、特別会計まで管轄するほどの余裕がないといった理由とされる。
    特定の事業ごとの収入と支出について、現在、道路整備、空港整備、港湾整備などの
    公共事業に関するもののほかにも、外国為替、国債整理基金、財政融資資金、産業投資、
    国有林野事業、国立学校、国民年金、厚生保険労働保険など合わせて31の特別会計がある。
    その予算額を単純に合計すると460兆円で、一般会計の6倍近くになる。
    ただ、特別会計同士や一般会計と特別会計の間でお金のやり繰りがある。
    そうした重複を除いた実質的な規模は225兆円になる。
     小泉政権時代の2003年、当時の塩川正十郎財務相は「母屋(一般会計)で
    おかゆをすすっているのに、離れ(特会)ですき焼きを食べている」と表現し、
    改革に着手し、31あった特会は2010年10月現在18会計51勘定まで減っている。
    会計間のやりとりなど重複分を除いた歳出純計画は2010年度予算で約176.4兆円。
    財政法によると、特別会計は次の3つの場合に限り、法律で設置することができる。
     @国が特定の事業を行う場合、
     A特定の資金を保有して、その運用を行う場合、
     B一般の歳入・歳出と区分して経理する必要がある場合
    この特別会計に、一般会計と政府関係機関予算を加えて、本予算と呼ばれている。
    政府は、これら予算案を作成して毎年1月に召集される通常国会に提出し、
    一般会計予算、政府関係機関予算および特別会計予算を合わせた
    本予算の審議・議決を経たうえで、予算を成立させる。
    国の主な特別会計 ( )内は予算規模
     国債整理基金(224兆7399億円) : 国債の元利払いや借り換えの経理を区分して管理する。
     厚生保険(45兆3238億円) : 厚生年金や健康保険の保険料などを管理・運用し、
      医療費、年金、児童手当支給などに充てられる。
     道路整備(3兆7243億円) : ガソリン税、石油ガス税などの道路特定財源を、
      国・地方の道路整備に充てられる。
     食料管理(3兆2794億円) : 輸入麦の売却益などを元手に、米農家や麦農家に出す助成金など。
     電源開発促進対策(4629億円) : 電気料金に上乗せされる電源開発促進税を元手に、
      原発受け入れ自治体の地域振興、安全対策などに充てわれる。
    参 : 産業投資特別会計

    仕事が減ったり、無くなったりしても、管轄の省庁が特別会計の収入を手放さないことなどが背景にあり、
    無駄遣いが多いと批判されている。例えば、原子力発電所のホームページ作りの予算が
    3年間で10億円にもなった特別会計があり、原発の地元に出す交付金などに充てる支出が、
    原発立地の減少で減ったのに、別の口実で予算を使い切ろうとしたからである。
    ホームページ作りには3年間で1千万円もあれば十分と思われるのに10億円とは、
    官僚や省庁職員の金銭感覚と予算分捕り悪知恵作戦にはあきれかえるばかりである。
    一般企業にも言えることだが、一度獲得した予算は絶対手放さないという意識は変えなければならない。

特別検査(とくべつけんさ) : 特別検査とは、株価など市場の評価に著しい変化が生じている企業等に
    着目して主要銀行に対し金融庁が行う検査で、銀行が、破綻が懸念される企業をきちんと
    破綻懸念先債務者として区分し、不良債権額を適正に把握しているかどうかチェックするもの。
    この特別検査は、不良債権問題の解決のために改革工程表に盛り込まれ、2001年10月から
    実施されている。この他にも、改革工程表では銀行の検査の強化策として、包括検査を2年に
    一回程度から年一回に増やすことや、フォローアップ検査を実施することが掲げられている。
    特別検査で破綻懸念先として区分された企業については、(1)再建計画の策定、
    (2)民事再生法などの法的手続きによる会社再建、(3)RCC(整理回収機構)などへの債権売却、
    のいずれかの措置をとるよう求めることとされている。
    特別検査の結果は、銀行の3月期決算に反映されるとともに、
    検査終了後できるだけ早い時期に金融庁から公表される予定。
特別攻撃隊(とくべつこうげきたい) : @特攻隊(とっこうたい)。特攻(とっこう)。特別飛行攻撃隊。
     太平洋戦争末期に旧日本陸海軍が編成した、生還の可能性の無い爆弾を積んだ戦闘機や
     小型艦艇で敵艦(連合国軍艦艇)に体当たり攻撃を行うために特別に編成された部隊や部隊名。
     体当たり・自爆攻撃として通じている。爆装して敵艦に体当たりした「神風特別攻撃隊」などの
     航空特攻と、特攻艇「震洋」・人間魚雷「回天」などの海上特攻とがあった。
     主に航空機や特殊潜航艇により、連合国艦艇に対する体当たり攻撃を実行するための
     生還の可能性の無い作戦で、外国語においても「Tokko(トッコウ)「Kamikaze(カミカゼ)」とは
     戦死を前提とした体当たり攻撃として通じている。フィリピン戦線で1944(昭和19)年10月、
     海軍の第1航空艦隊の命令で編成されて出撃した神風(しんぷう)特別攻撃隊(神風A)が最初で、
     発令したのは大西瀧治郎海軍中将だった。最初の特攻は予想以上の戦果をあげた。
     海軍が10月28日に大きく発表したのは「神風特攻隊敷島隊」と名づけられた5機の攻撃。
     成功は腕利きパイロットによる懸命の操縦が大きかったが、
     軍首脳は「1機が1隻撃沈」という事態が次々に到来するとみた。陸軍も特攻を開始。
     1945年3月、米軍が沖縄・慶良間列島に上陸後、陸軍は知覧基地(現鹿児島県南九州市)、
     海軍は鹿屋基地(同鹿屋市)が沖縄に向けた出撃拠点になった。
     以降、陸海軍ともに多数の特攻機を出撃させ、航空特攻の死者は約4000人に上るとされる。
     人間魚雷「回天」による水中特攻やモーターボート「震洋」を使った水上特攻などもある。
     1945年4月に沖縄に向けて出発した戦艦・大和の場合も海上特攻といわれる。
     結果として特攻は護衛空母3隻を撃沈、複数の正規空母を終戦まで戦列から去らせるなど
     相応の戦果を挙げ、戦後の米戦略爆撃調査団はその有効性をかなり高く評価している。
     フィリピンで特攻による損害を強いられた連合国軍は、沖縄戦の頃にはピケット艦や
     空母艦載機編成の改編等様々な対策を採っており、特攻の有効性は大きく減じられることとなった。
     日本側はこの後も当初より問題視されていた威力不足の改善を図る等の対策を採り、
     想定される本土決戦に向けて大量の特攻戦備を整えている段階で終戦を迎えた。
      知覧の「特攻平和会館」に、出撃を命じられた特攻隊員たちが最後に過ごした「三角兵舎」が
     復元されている。米軍機に発見されないよう、半地下式構造で建てられた。
     板の間に並べられた寝床は当時も薄いものだったようだ。この簡素な兵舎で眠った若者の大半は、
     十分な飛行訓練を受けないまま飛び立った。搭乗した飛行機も老朽化していた。
     春先、沖縄までの飛行路の南西諸島上空は雨が多い。
     視界不良や機体の故障のため、海に墜落した人も多かった。
     参 : 戦争遺跡、[YouTube](神風特攻隊)、[YouTube](アメリカからみた神風特攻隊)
     
     泣いた母を父が叱った(谷英夫(たに・えいふ)さんの証言)
      私たち兄弟は明教寺(京都府舞鶴市)という浄土真宗の寺の息子です。
     4歳上の兄・暢夫(のんぷ)は名前通り、のんきで穏やかで、母は「のんちゃん」と呼びました。
     手先が器用でね、紙と木の模型飛行機を寺の境内でよく飛ばしていた。
     16歳で予科練(海軍の甲種飛行予科練習生)に行ったのも空が好きだったからでしょう。
      訓練の様子をよく手紙で伝えてきました。ゼロ戦のパイロットになることが決まった時、
     うれしくて、兵舎の周りを走り回って喜んだと書いてきました。でもフィリピンに行った事は知らなかった。
     特攻で戦死したこと(享年20)はラジオと新聞で知った近所の人が教えてくれました。
      悲しみを感じるより、えらい事をしたもんじゃと思った。
     舞鶴は海軍の軍都でしたから、軍のお偉方やら大勢がお参りに来て両親は応対に大変でした。
     そのなかで母が「のんちゃん、体がこなごなになってかわいそうに」と泣きました。
     父は「お前がそんなことでどうする」と叱(しか)った。
     寺の前に「軍神谷暢夫少尉生家」という柱も建って、通る人が頭を下げました。
      終戦後、兄の死を「無駄死に」と話す人が現れ、母は「無駄だったかなあ」ともらしていた。
     でも、若者の命がむごく愚かに奪われた証しとして記憶されるなら、
     兄の特攻死は決して無駄ではなかった。私はそう思うのです。
     特攻隊へ志願させられる羽目に
     (2011.8.16、朝日新聞「声」より、福岡市城南区の家原 至宣さん(84歳)の投稿文紹介)
      私が旧制中学5年生になった1943(昭和18)年4月といえば、
     太平洋戦争もいよいよ敗色濃厚となり、連合艦隊司令長官・山本五十六大将も戦死した。
      わずか1年前、受験勉強に「小野圭の英語・岩切の代数」を学んだ先輩たちとは全く違って、
     戦時色が学校全体を覆った。全国の中学校へ「甲種飛行予科練習生」の大量募集が行われ、
     「全員志願しろ。この国家危急存亡の時、募集に応じないやつは非国民である」と強要され、
     私も志願者の一人となった。
      入隊して驚いた。募集時の説明内容と全く違い、旧帝国海軍の下士官・兵の教育は全くの
     人権無視であった。人間としての品位や人格など、個人の意思は抹殺され、猛訓練と体罰の連続に
     苦しめられた。一人のミスが1艦を沈めることもあるため、個人に落ち度がなくても全体責任として、
     軍人精神注入棒で尻をたたかれ、忍耐力・闘魂を体で覚えさせられた。
      挙げ句の果ては、「統率の外道」といわれた特攻隊へ志願させられる羽目となった。
     ただ戦うマシンになるため、しごきにしごかれる毎日であった。
     しかし、これが戦争であり、こんなことが当時は至極当然のこととして肯定された時代であった。
      戦争体験者が少なくなっている今、こんな時代もあったのだと、戦争を知らない世代に伝えたい。
    A日本海軍が漸減作戦用に開発した甲標的を使った、真珠湾やシドニー湾などの泊地攻撃部隊。
     生還の可能性は低いが100%死亡というわけではない。
    B韓国の特殊部隊(KNP−SWAT:大韓民国警察特攻隊)。
特別抗告 → 抗告
特別国会 = 特別国会(国会関連に別掲)
特別支援学校 = 特別支援学校(教育関連に別掲)
特別支援教育 = 特別支援教育(教育関連に別掲)
特別昇給(とくべつしょうきゅう) : 本来は1年かかる昇給を一定期間短縮して行う制度。
    国家公務員の場合、主に勤務成績の良い職員を対象とし、全職員の15%枠内で12カ月短縮を実施。
    表彰されたり殉職した場合なども対象になるが、件数は少ない。
    人事院規則に規定され、地方公務員も準じるのが原則とされる。

    どうにかして税金をかすめ取ろうという制度は、自分たちで提案して自分たちで決めたのではないの?
    他の職員に比べて勤務成績優良の根拠は何だ!誰がチェックし、差別するのだ!
    対象は賄賂や中元・歳暮などを、判定する上司に出す職員だけではないの?
    そんなに優秀で国家に貢献しているのなら、ボーナスで色を付けるくらいでよい。
    元々高給待遇の国家公務員に、こんな制度は即廃止すべきだ!

特別手配(とくべつてはい) : 正式には「警察庁指定被疑者特別手配」といい、
    警察庁が過激派などの凶悪犯罪が相次いだのを受けて1972(昭和47)年に始めた制度である。
    東京都の警視庁、大阪府の大阪府警など、都道府県の警察が指定するのが「指名手配」で、
    特別手配は早期逮捕のため、全国の警察を統括する警察庁が指定し、
    全国の警察が組織を挙げて行方を捜す最高レベルの指名手配である。治安に重大な影響を及ぼし、
    または社会的に著しく危険性の強い凶悪または重要な犯罪の指名手配被疑者が対象になる。
    「指名手配」は全員が一般公開されるわけではないが、
    「特別手配」は全員の顔写真を公開して国民からの情報提供も求める。
    全国の警察本部と警察署に担当者が置かれ、警察官全員に携帯用の手配書が配られる。
特別天然記念物 → 天然記念物
特別防衛秘密(とくべつぼうえいひみつ) = 特別防衛秘密(防衛関連に別掲)
特別養護老人ホーム(とくべつようごろうじんほーむ) : 特養。「介護老人福祉施設」とも呼ばれ、
    常に介護を必要とする要介護度1以上の高齢者が入所する施設のこと。
    医師が配置され、基本的な医療は満たせるとして、外部の医療機関の利用は制限されている。
    床ずれ処置や、末期がん患者が受ける在宅療養支援診療所医師の訪問診療などに限られる。
    かかる費用としては平均月5万4000円と安価であるが、
    入所待ち期間が2〜3年で主に相部屋(個室化が進んでいる)での入所生活を送ることになる。
    介護保険施行後、選ぶことのできなかった特別養護老人ホームが各高齢者の好みに合わせて
    選ぶことができるようになり、入所待ち期間は人気がある施設ほど長い。施設内では、
    入浴や排泄、食事などの日常生活をサポートするとともに、身体機能や健康管理なども行っている。
    2005年10月から新型を含む特養などの食費や居住費が自己負担となった。
    新型特別養護老人ホームは、介護保険施設の一つで、
    共有のリビングの周りに個室を10室以内設置し、壁で完全に仕切られ、
    個室は1室あたり床面積13.2平方メートル以上と定められている。
    きめ細かいケアができるため、新たに特養をつくる場合は、原則として新型にすることになっている。
    2005年11月のNPO法人の調査では、新型特養の居住費の全国平均は月額約6万7千円だった。
    最高額は長野県にある特養で1部屋約15平方メートルで15万円。一方、岩手県の特養は
    1部屋約35平方メートルで10万8千円と、施設によって大きなばらつきがあることが分かった。
    居住費が月8万円以上の場合、ほかに自己負担として介護費の1割(要介護5で月約2万6千円)と
    食費(国基準で月4万2千円)がかかり、合わせて月に15万円近くになる。    
介護保険の給付対象施設の比較
比較項目 施設系(介護保険3施設) 住宅系
特別養護老人ホーム 有料老人ホーム
初期費用 なし。行政は困窮者や重度の人を優先
(入所の8割が低所得者)
介護型は0〜500万円
自立型は1500〜4000万円
月々の食費
などの負担
基準は相部屋は約5万円、
個室は約10万円、所得が低いと負担軽減
介護型は平均約18万円
自立型は平均約15万円
介護保険
負担分
入所者1人当たり平均約23万4000円
(1割は自己負担、4人部屋)
入所者1人当たり平均約20万5000円
(1割は自己負担)
部屋 大半が4人部屋。個室は13.2m以上 介護型は個室・16〜21m
自立型は個室・30〜53m
スタッフ 基準は入所者3人に対して
介護・看護職員1人以上
基準は入所者3人に対して
介護・看護職員1人以上
施設数・
ベッド数
約5300ホーム、入所定員約37万床 約1600ホーム、居室数は約9万3000室
特徴 一定のサービスが保障されているから
安心。費用は安いが、入所は2〜3年待ち
といわれ、なかなか入れない
色々なサービスが選べるが、
質にバラつきがある。
施設は多いので入りやすい
他の施設 老人保健施設(約27万床) 高齢者専用賃貸住宅
療養病床(約38万床)
(2006年度から6年かけて廃止)
ケアハウス
グループホーム
    参 : 在宅療養支援診療所軽費老人ホーム安心ハウス介護老人保健施設高齢期の住まい

    砂防対策、2008年5月に要望、被害の特養ホームが県に<山口豪雨>
     山口県の豪雨災害で、入所者に死者、行方不明者が出た防府市の
    特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」が2008年5月、施設近くを流れる渓流「上田南川」の
    砂防対策を要望していたことが2009年7月22日、明らかになった。
    県は今年度予算に調査費3000万円を計上しているが、
    砂防課は「調査に着手したばかりで災害が起きてしまい残念」と話している。
     県や防府市によると、県砂防課は2008年3月、ホームがある一帯を土砂災害警戒区域に指定した。
    ホームの前理事長は同年4月、施設前で建設中の農道に絡んで県農村整備課と協議した際、
    「河川の水害が心配だから改修してほしい」と要望。
    同課は「河川管理者は防府市なので、市に要望してはどうか」と答えたという。
    ホームが翌月、防府市に相談したところ、砂防事業は県の担当と言われ、地元の自治会と連名で、
    「安心して暮らせるよう、砂防対策の検討をお願いします」と記した要望書を県に提出した。




























































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