YSミニ辞典(教育関連

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NIE = NIE(別掲)
PISA(国際的な学習到達度調査) = PISA(別掲)
PTA = PTA(別掲)
イエナプラン教育(いんなぷらんきょういく) : 1920年代にドイツの教育学者、
    ペーター・ペーターセン(故人)が提唱したのが始まりで、
    1950〜1960年代にオランダに紹介され、「教育の自由」が豊かに保障されたオランダで、
    本国ドイツでよりも急速に普及し、オランダ人教育者によってさらに広く深く発展していった。
    個別の子供の個性やニーズに応じた自主的・自律的な自立学習が特徴で、
    子供たちの自発的な行為や子供同士の相互作用が有効に生かされたシステムである。
    3学年の異なる年齢でつくる「ファミリーグループ」が学校活動の基本単位になる。
    過去40年間に渡ってオランダの学校教育の変革に多大な影響を及ぼし、
    現在、人口わずか1600万人のオランダに、220校以上の小学校が導入している。
外国語指導助手(Assistant Language Teacher:ALT)がいこくごしどうじょしゅ
    児童・生徒に、生きた英語に接する機会を増やすため、国が1987(昭和62)年度から実施している
    「語学指導等を行う外国青年招致事業」(通称・JETプログラム)で、世界の英語圏から
    大学を卒業した青年(米国を中心にオーストラリアやニュージーランドなど)を日本に招致し、
    小中高校などの英語の授業で日本人教師を補助する外国人のこと。
    最長3年契約で、県や市町村から給与をもらう。JETプログラム参加者にはALTのほか、
    県庁や市役所などに配置されるCIR(国際交流員)がいる。
     文科省調査(2010度)では、国がかかわる国際交流事業(JETプログラム)で日本に来た
    ネーティブスピーカーを雇う自治体が971。JETではなく自治体独自に直接雇用しているのが434、
    民間会社への業務委託(請負)が618。労働者派遣が137。
    小中学校で直接雇用の指導助手だけで約6千人が活動している。 参 : 偽装請負
学習指導要領(がくしゅうしどうようりょう) : 指導要領。
    学校で児童生徒に教えなければならない学習内容などをまとめた教育課程の最低基準で、
    文部大臣により公示される。約10年ごとに改定されてきた。
    内容周知や教科書作成などのため、告示から完全実施まで3〜4年程度の移行期間がある。
    中央教育審議会(中教委)の答申に基づいて文部科学省が告示し、小・中・高校、盲・聾(ろう)
    養護学校の教育内容や学習事項の学年別配当、授業時間などの編成基準が示される。
    1947年(昭和22)に試案として出され、当初は教師が自ら教育課程を編成する際の
    手引きとしての性格をもっていたが、1958(昭和33)年の改訂以来法的拘束力を持つようになった。
    教科書の編集基準でもある。学校の完全週5日制が始まった2002年4月からの現行要領は、
    「自ら学ぶ、考える力をつける」ことを目的に教科横断的な学習をする「総合的な学習の時間」の実施や、
    教科内容の3割削減などを盛り込み、ゆとり教育を前面に出した。
    しかし、学力低下が社会問題になり、2003年に指導要領が最低基準と位置づけられ、
    それを超えた「発展的な学習」を認める一部改訂が行われた。第3期中教委がスタートした2005年2月、
    中山文科相(当時)が指導要領の全面的な見直しを中教委に要請し、
    教育課程部会が39回、それぞれの教科などを検討する専門部会が計135回開かれたが、
    2007年1月までの任期中に答申には至らなかった。
    参 : 学習指導要領(文部科学省)、文部科学省(HP)
学習指導要領解説書(がくしゅうしどうようりょうかいせつしょ)
    文部科学省が学習指導要領の内容を明確にするため、
    「意味や解釈など」を示したもので、およそ10年に1度行われる学習指導要領改定に合わせ、
    指導要領の記述の解釈などを補足し、教育委員会や教師の理解を助けるため、
    小中高の各教科ごとに作成し、初等中等教育局長の決裁で発行される。
    文科相が官報で告示する学習指導要領には法的拘束力がある一方、解説書には法的拘束力はないが、
    教科書会社は教科書編集の指針としており、現場の指導にも一定の影響がある。
    同省は教育委員会に教員への周知、徹底を求め、教科書作製の指針にもしている。
     2008年6月30日、文部科学省が小学校各教科の解説書を公表した。
    6年の社会科で教える内容として「沖縄戦」「各地への空襲(くうしゅう)
    「広島・長崎への原子爆弾の投下」という言葉が初めて盛りこまれた。
    2007年、高校日本史の教科書検定で沖縄戦の集団自決に
    日本軍の指示があったとする記述がけずられたが、沖縄を中心に反対の声があがり、
    文科省は教科書会社からの訂正申請を受け入れる形で復活させた。沖縄戦などは
    これまでも小学校の教科書で扱ったが、こうした動きの中でしっかり教える方針が示された。
    竹島:中学の学習指導要領解説書に初めて記載
     文部科学省は2008年7月14日、中学校の新学習指導要領(12年度完全実施)の解説書を公表した。
    社会編の解説書で竹島の領土問題に初めて触れ、「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に
    相違がある」などと記載した。文科省は当初「我が国の固有の領土」と明記する方針だったが、
    韓国の反発を受け政府内で調整。直接的に領有を示す表現を避けた。一方、
    日本の主張に基づいて指導することも求めており、日韓両国の世論に配慮した玉虫色の記載となった。
     町村信孝官房長官は会見で「李明博(イミョンバク)大統領と福田康夫首相のシャトル外交は
    軌道に乗っており、日韓関係がぎくしゃくすると、新時代に向けた積極的な動きが頓挫する。
    拉致問題解決にも悪影響を及ぼしかねない」と述べ、韓国側に配慮したことを明言した。
     韓国は駐日大使の召還を決めるなど反発を強めているが、町村官房長官は
    「一つの案件で日韓関係が大きく左右されるのは避けたい。冷静な対応を期待する」と述べた。
     竹島の教科書記載を求めてきた島根県の溝口善兵衛知事は「一定の前進があったと評価している。
    若い人の理解が深まることが大事だ」と話した。
     解説書は北方領土について「ロシアに不法に占拠され、返還を求めている」と、
    従来の表現に「不法に」を加えた。竹島については「(韓国と)主張に相違があることなどにも触れ、
    北方領土問題と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要」とするにとどめた。
     会見した文科省の高橋道和教育課程課長は「解説書には
    『我が国が正当に主張している立場に基づいて』という記載もあり、
    『理解を深めさせる』ことの前提となる」と説明。学校現場では「我が国固有の領土で、
    韓国が不法占拠している」との政府の公式見解に沿って指導するよう求める立場を強調した。
    現行の中学教科書(地理、公民)で竹島を扱うのは14冊中4冊だが、
    解説書は教科書編集に一定の影響があり、今後はすべてで扱う可能性が高い。
学歴(a school[an academic] career、one’sacademic background)がくれき
    ある人が学んできた経歴。どういう学校を卒業したかという経歴。
    日本において日常生活で「学歴」という語を用いる時は
    その人の卒業・修了・退学した学校の経歴である学校歴(がっこうれき)の事を表わす事も多い。
    その人が学んだ学校のうち、最上位の学校の経歴を最終学歴(さいしゅうがくれき)といい、
    一般的に「学歴」と言うと「最終学歴」のことを指すことが多い。最終学歴は「大学の卒業」、
    「高等学校の卒業」などのように学校の種類と卒業・修了・中退・退学などの別を用いて表す事が多い。
    日本では学歴が中学校卒業の場合を中卒(ちゅうそつ)、高等学校卒業の場合を高卒(こうそつ)
    高等専門学校卒業の場合を高専卒(こうせんそつ)、専修学校専門課程卒業の場合を
    専門卒(せんもんそつ)、短期大学卒業の場合を短大卒(たんだいそつ)
    大学学部卒業の場合を大卒(だいそつ)もしくは学卒(がくそつ)
    大学院修了の場合を院卒(いんそつ)と略して呼ぶ。ただし学卒には学校卒業の意味もある。
    (例)学歴がものを言う。学歴偏重社会。    
子や孫に「高学歴」を持たせたいと思いますか?
59%の「思う」と
答えた人の理由は?
回答者
数(人)
41%の「こだわらない」と
答えた人の理由は?
回答者
数(人)
あなたの学歴は?
知的能力を伸ばせる 1043 本人の希望を尊重したい 1177 大学院(9%)
恩師、友人との出会いが増える 985 高学歴が幸せとは限らない 715 大学(61%)
自分に自信を持てる 800 いい就職につながらない 362 短大(11%)
将来が不透明なので「保険」に 454 受験で自由を奪いたくない 101 専門学校(4%)
民間企業への就職を有利に 334 本人が勉強が苦手だから 64 高校(13%)
勉強することで忍耐力がつく 203 エリート意識を持たせたくない 63 中学・その他(2%)
エリート職に就く道が開ける 193 学歴と無関係の分野へ 59
恋愛・結婚を有利にしたい 23 経済的負担がたいへん 49
周囲の多くが目指すから 18 少子化で大学に入りやすい 42
世間体がいい 早く職に就かせたい
その他 119 その他 78
2009.4.25、朝日新聞(be)掲載の「アスパラクラブ」会員によるアンケートより。
20歳以下の子や孫がいない3165人の答えでは、
「高学歴」を持たせたいと思う人は61%で、こだわらない人は39%だった。
私の答えは、現状では就職に有利で高収入が得られると思うからだが、本人の希望も尊重したい。
ちなみに、私は工業高校卒で、長男と長女は専門学校卒である。
    高収入ほど高学力の世とは
    (2009.8.21、朝日新聞「声」より、滋賀県長浜市の中川 彰さん(71歳)の投稿文紹介)
     全国学力調査を分析したら親の収入が多い家庭ほど子どもは好成績だったと、
    文部科学省の委託調査の結果が先ごろ報道されたが、長年教職にあった私の意見を述べたい。
     小学6年の国語A問題の正答率で、年収200万円未満の家庭の子は1200万円以上
    1500万円未満の層に比べ、22ポイント以上も差がついた。算数でも同じ傾向という。
    どの時代でも保護者の収入に差があるが、そんな高収入は私の住む田舎では夢みたいだ。
     また、塾や習い事の支出が「(月に)5万円以上」と「ない」家庭ではさらに大差が付いたという。
    保護者はがっかりし、子どもは学習意欲を失わないだろうか。
     私は小6を何回も担任したが、子どもの意欲を促すことに力を入れた。
    皆はその後、立派な社会人になって同級会で成長ぶりを見せてくれる。
     親の収入で学力が左右されず、
    子どもの日頃の努力の積み重ねが必ず良い結果を生む社会にするべきだと思う。
学校給食費(がっこうきゅうしょくひ) : 学校給食法第6条第2項に規定する保護者の負担すべき経費をいう。
    学校給食法第6条は、学校給食に必要な施設設備の整備費・修繕費、
    学校給食に従事する職員の人件費に要する経費を学校の設置者の負担とし、
    それ以外の経費を学校給食費と定め保護者の負担と規定している。
    しかし実際に保護者が負担しているのは、食材料費のみで、
    光熱水費や消耗品等は学校の設置者が負担している。
    学校給食費は、パン・めん・米飯・牛乳及び副食の代金が中心となる。
    自治体独自の補助制度として、小中学校へは牛乳代の一部とパン包装紙代、
    定時制高校へは夜食費を補助している市区町村もある。
     2005年度の公立校の保護者負担分は、小学校が月額平均約3900円、中学校は4500円である。
    低所得者には生活保護による教育扶助就学援助などの制度がある。

    給食費滞納、全国で22億円超…6割は「モラル低下」
    給食を提供している全国の小中学校で2005年度、給食費の滞納額が計22億2963万円に
    上ることが2007年1月24日、文部科学省の初めての実態調査で分かった。
    滞納者総数は全体の1%にあたる9万8993人で、
    回答した学校の6割が「保護者の責任感や規範意識」の欠如が主な原因と認識。
    また、「保護者の経済的な問題」を原因に挙げた学校も33.1%あった。
     調査は、給食を提供している国公私立の小中学校計3万1921校、1003万3348人を対象に
    2005年度の滞納額や理由などを調べた。国会などで給食費の滞納が増加しているという指摘を受け
    調査した。滞納の児童・生徒がいる小中学校は全体の43.6%にあたる1万3907校に上った。
    滞納の児童・生徒や金額について、「かなり増えた」「やや増えた」と感じている学校が49.0%に達した。
    滞納の児童・生徒の割合を都道府県別で見ると、(1)沖縄県6.3%(2)北海道2.4%
    (3)宮城県1.9%の順で多かった。「ゼロ」とした自治体はなかった。
     各学校の対応(複数回答)は「電話などでの説明・督促」(1万3493校)
    ▽「家庭訪問での説明・督促」(7691校)のほか、「支払いを求める法的措置」も281校あった。
    滞納分は補てんせず、徴収できた給食費でまかなっている学校が4025校と最も多く、
    学校や教育委員会の予算から補てんしている学校もあるという。
     児童・生徒数で見ると、100人に1人が滞納していた計算になる。
    滞納があった学校の6割は、「保護者の責任感や規範意識が原因」としており、
    経済的に払えるのに払わない保護者の存在が改めて浮き彫りになった。
    「給食費は義務教育だから払わなくてもいい」という保護者が多いそうだが、
    義務は教育だけで食事までが義務ではなく、給食設備や調理人の人件費には
    税金が投入されていて、食費代だけを保護者が負担しているのである。
    予定していた食材費が入らない場合は、給食の質を落としている自治体もあるそうで、
    他の児童・生徒まで迷惑をかけていることから、払えるのに払わない人には、
    市区町村の広報などで公表してもよいと思う。年収2000万円以上の保護者も
    払わないことがあるそうだが、こんな人こそ世間体を気にするので、すぐに払うでしょう。
    払わなかった保護者には、専門の徴収員の人件費まで割り勘で負担させるべきだ!
    全国の国公私立小中学校の6%は学校給食を行っていないのだがら、「学校の給食はまずい」
    と言っている学童には、別の場所で保護者の用意した弁当を食べてもらうのもいいかもしれない。
    しかし、皆と一緒に食べるから、嫌いなニンジンやピーマンなどを食べるようになることもあり、
    教育の一環にもなるでしょう。

学校給食法(がっこうきゅうしょくほう) : 子供たちに給食を提供するよう自治体に
    「努めなければならない」と努力義務を規定している。そのための設備や調理員の人件費は
    自治体が負担するが、食材費は保護者が負担するよう定めている。
     1954(昭和29)年に第19国会で「学校給食法」成立、公布された「法律第160号」のこと。
    学校給食法施行令、施行規則、実施基準等も定められ、法的に学校給食の実施体制が整った。
    1956(昭和31)年に「学校給食法」が一部改正され、中学校にも適用されるようになった。
    「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」も公布された。
    1976(昭和51)年には米飯給食が正式に位置づけられた。 参 : 学校給食法(法律)
学校健診(がっこうけんしん) : 学校保健法は幼稚園から小中高校、大学までの各段階で、
    設置者や教育委員会に児童・生徒の健康診断をするよう義務づけている。
    検査は身長・体重、栄養状態、視力、聴力、耳鼻咽喉(じびいんこう)疾患や結核の有無、
    心臓の異常の有無など計12項目、運動器では「脊柱(せきちゅう)および胸郭の疾病および異常の有無」
    が対象で、側わん症や漏斗胸などの異常をチェックする。
    診断する学校医は内科・小児科、耳鼻咽喉科、眼科の3科体制が多い。
     平成7年4月より学校保健法施行規則の一部改正に伴い、学校における定期健康診断では、
    従来の「疾病の早期発見・治療勧告」という考え方から、「心と体の健康つくり」を指向するようになった。
    このように、学校は「教育の場」であり、「医療の場」ではないことから、
    通常歯科医院での診断で用いられるむし歯の確定診断名(C1、C2、C3、C4)は使用せず、
    部位も特定せず、「むし歯」はすべてCと表記し、むし歯の徴候や進行の危険性のある歯を
    CO(シーオー)「要観察歯」とすることとなった。
学校建築の基準(がっこうけんちくのきじゅん) : 文部科学省の学校施設整備指針(1992年作成)を基準に、
    各自治体が建築する。かつての設計指針ではトイレの数や、教室は南向きとすることなど
    細かな基準があり、設計が画一的になる一因になっていた。整備指針では細かな基準はなくなり、
    多様な校舎が生まれる分岐点となった。しかし、教室が大きすぎるなど、
    学校建築の基準に合わない場合、国の補助金が出ないこともある。
学校保健法(がっこうほけんほう) : 児童、生徒、学生及び幼児並びに教職員の保健管理及
    び安全管理に関し必要な事項を定めた法律(公布:昭和33年4月10日 法律第56号)で、
    1958(昭和33)年に制定された。
    学校歯科保健の分野では、就学前幼児、児童・生徒の歯科健診などについて規定されている。
    学校保健行政において、歯科保健の向上を目的として、各学校に学校歯科医が配置される。
    参 : 学校保健法(法律)
学校薬剤師(がっこうやくざいし) : 学校保健法に基づき、生徒、児童の健康と学習能率及び
    発育の場である学校の環境衛生を守るために、すべての幼稚園、小学校、中学校、高等学校、
    高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、高等専門学校に至まで、大学を除く国立、
    公立、私立の学校を問わず配置され、公立学校の場合は、地方公務員特別職で、
    国立学校の場合は非常勤の国家公務員の一般職であり、薬剤師の資格を持つ人のこと。
    学校保健法で、大学以外の学校には学校医、学校歯科医、学校薬剤師を置く事とされており、
    仕事としては、学校において保健管理に関する専門的事項に関し技術及び指導を行う。
    学校薬剤師は学校保健法第2条・第3条により、環境衛生をまもり児童・生徒が最善の環境で
    学習できるよう努めなければならない。薬の使い方や副作用などだけでなく、学校内の空気の汚れや
    水道、プールの水、照明、騒音などを定期的に測定・検査し、改善点などを助言する。
学校林(がっこうりん) : 地域の学校が管理する森林のこと。
    小学校、中学校、高等学校等において、学校の基本財産形成や児童・生徒への環境に関する教育、
    体験活動を目的に、学校が保有している森林をいい、
    学習の一環として間伐や枝打ち、下草刈りなどをする。
     日本での学校林は、1895(明治28)年に来日した米国人の教育家・ノースロップ博士から
    紹介されたことが最初とされている。当時、米国ではネブラスカ州など荒れた原野が広がる地方では
    「植栽日」というものが決められており、その日は州民こぞって木を植える行事が定着していた。
    学校の子どもたちも参加し、「木を植えて育てる」ことは教育上とても効用があることに注目され、
    学校林の考え方が広がっていったとされている。日本でも、愛郷心や公共心を育むことと、
    学校財政の強化という目的から、同博士の来日からわずか8年後の1903(明治36)年には、
    2023校が学校林活動を実施して、面積も約5千ヘクタールに達した。
    学校林の造成は、戦後の国土復興運動の一環として、森林資源の確保、愛護思想の普及、
    公共福祉への寄与などの林政・教育上において重要なものとして推進されてきた。
    学校林の所有形態は、学校所有のほか、国有林や公有林など分収林によるものもある。
    国土緑化推進機構の学校林現況調査によると、1974(昭和49)年には、
    全国5256の学校(小中高)が学校林を保有していて、面積も約3万ヘクタール近くあったが、
    2001年時点では3312校、面積約2万ヘクタールにまで減少している。
    そのうち、学校林を実際に活用している学校は約25%、1183校にとどまっていた。
    2006年度は3057校で、全国の小中高校の7.8%まで減り続けている一方で、
    東京や大阪、千葉などの都市部を中心に13都府県で保有校が増えている。
    体験学習への期待の高まりが背景にあるという。
     現在、学校林活動は、心身ともに発育中の小中学校の生徒や高校生が、
    植樹や保育作業を通じた自然に関する科学知識の学習、社会に貢献する情操豊かな人間性の修得、
    森林造成による地域社会への寄与などの側面を持った活動として実施されている。
     教育改革の一環として、青少年の奉仕体験や自然体験活動の充実が求められている中で、
    森林においてもこうした活動の受け入れ機会・体制の整備が急務となっている。
    このため、青少年にとって継続的な活動が可能である学校林について、
    学校林活用のための相談の受付やマニュアルの作成を行っているほか、
    次のような体験活動等を促進することとしている。
     @ 学校林を活用した交流活動
     A 学校林における森林ボランティアによる森林保全管理活動等
     B 学校林活動促進のための歩道、ベンチ等の環境整備等
義務教育(compulsory education)ぎむきょういく : 人(保護者・国民など)がこどもに
    受けさせなければならない普通教育のことである。現在の日本の教育については、
    日本国憲法の第26条第2項に「すべて国民は、法律の定めるところにより、
    その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と
    定められており、この規定に基づく教育を「義務教育」と呼称している。
    日本の現行学制では、6歳から15歳の9年間がその期間である。

    政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、
    期間を10〜11年間程度に延長する方針を固めた。
    幼稚園―小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、
    幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ。
    幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある。
    2006年1月に召集される通常国会に提出する予定の教育基本法改正案で
    義務教育の9年間規定を削除し、2009年度以降の義務教育延長の実現を目指す。
    教職員給与費等の国庫負担の地方への補助金を削減してまで税源を確保したいのに、
    少子化対策の効果も不明で、教育期間を延長することの意義があるのだろうか。
    それでなくても幼少の頃から塾や個人指導などで、ゆったり感のない児童に、
    これ以上の負担をかけないで、昔のように遊ぶ機会を多くした方がベターだと思う。
    今の子供は親の強要により、心の傷を持ったまま大人になることが多いと思う。

義務教育費国庫負担(ぎむきょういくこっこふたん) : 都道府県が負担している義務教育課程の
    公立小中学校の教職員の給与の半分を国が負担する制度のこと。
    1953(昭和28)年4月1日から施行された義務教育費国庫負担法の第2条で
    教職員給与費等の国庫負担を定めている。1975(昭和50)年にいったん廃止されたが、
    教育水準の地域差を懸念する知事らの要望で1978(昭和53)年に復活した。
    だが、地方への補助金を削減し、税源を写す「三位一体改革」で廃止論が再浮上したが、
    全国知事会などの存続論も強く、政府・与党は2004年11月、
    「2005年秋までに中教審において結論を得る」ことで合意している。
    日本国憲法の第26条では、義務教育の無償を定めていて、
    国民に基礎的な教育を無償で保障するのは、国と自治体の責務になっている。
    教職員給与には給料や諸手当、退職手当などが含まれる。
    対象になる教職員は校長、教頭、教諭、養護教諭、事務職員、学校栄養職員の約70万人で、
    2003年度で総額2兆8千億円。学級編成は義務教育標準法により、
    1クラス40人とするなどの「標準」が定められていて、
    それをもとに教職員定数が算出され、各都道府県への負担配分が決まる。
    憲法26条の【教育を受ける権利・教育の義務】を保障し、教育の機会均等、
    地域別格差是正のためにも何としてでもこの制度を堅持しようという文部科学省と
    小泉総理の三位一体改革のもと、国庫負担を削減し、地方に裁量の拡大をもたらしたいという
    総務省・財務省との意見の対立が続いている。文科省では負担金を残したまま、
    その範囲内で都道府県ごとに給与水準を決められる「総額裁量制」を打ち出している。
義務教育標準法(ぎむきょういくひょうじゅんほう)
    正式名は「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法」。
    公立小中学校の学級規模と教職員配置の適正化などを目的に、1958(昭和33)年に制定された。
    現在の1学級の上限は40人で、都道府県が独自の判断でそれ以下に設定することもできるが、
    独自に配置した分の人件費は地方でまかなう。40人の標準が引き下げられると、
    地方の支出の一定額をカバーできるが、このためには教員の新規採用や、学級増に伴う校舎の
    増改築の必要があり、財政的な負担がかさむ。1学年が41人以上になると2学級以上となる。
    これに基づき教職員の定数を算出し、義務教育費国庫負担制度により、
    国が人件費の半額を負担している。

    文部科学省は2005年5月3日、これまで小中学校で一律1学級40人としてきた学級編成基準を改め、
    小学1、2年生については1学級35人とする方針を固めた。2006年度から5年間で実現する。
    基準を見直すのは、40人学級を導入した1980年以来で、文科省が特定の学年に限定して異なった
    基準を設けるのは初めてである。実施には、教職員約9千人の新規採用が必要なことから、
    2006年度予算の概算要求に初年度分として百数十億円を計上するとともに、
    来年の通常国会に義務教育標準法改正案を提出する。文科省はこの方針を、
    教育条件の充実を目的とする「第八次教職員定数改善計画」と位置付け、
    中央教育審議会の義務教育特別部会に提示した。専門家による作業チームを設け、具体化を急ぐ。
キャリア教育(career education)キャリアきょういく : キャリア(経験)を活かして、
    現在や将来を見据えることなどを主眼として行われる教育のことである。
    一般に、キャリア教育は、「児童生徒一人一人に、望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や
    技能を身に付けさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育」
    と定義されている。学校教育におけるキャリア教育とは、
    子ども達が、一人の社会人・職業人として自立できるよう、自分にふさわしい生き方を実現しようとする
    意欲や態度、能力を身に付けることを目的とした教育活動のことをいう。
     キャリア教育については、以前、循環再教育(リカレント教育)ともいわれていたこともあるものの、
    概念の広まりもあって、厳密には、キャリア教育と循環再教育(リカレント教育)が
    区別されて扱われるようになりつつもある。
    キャリア教育の過程には、自分自身の専門的な資質・能力を維持・向上させるために、
    現職あるいは退職後も、講座・セミナーなどを受講し、知識・技能のリフレッシュを図ったり、
    社会人大学院や夜間大学院などで再び学び、職質・資格などの向上を目指すことなどが含まれる。
    また、資質・能力を維持・向上させるための制度や手法の整備などについても研究されている。
    キャリア教育は、生涯学習の一貫としても重要なものである。
    専門職学位課程(専門職大学院の課程)などでは、
    社会人の経歴を有する人に対する取り組みもされている。
    キャリア教育のねらい
     ★幼児児童生徒一人一人のキャリア発達を支援する。
     ★「働くこと」への関心・意欲を高め,学習意欲の向上を図る。
     ★職業人・社会人として必要な資質や能力を高める。
     ★働くことの意義を理解させ、自立意識をはぐくみ、豊かな人間性を育成する。
    キャリア教育では@夢づくりA働くことの意味B人とのかかわり、の3つの視点から、
    次の4つの能力を高める。(「ふれあい山口」2008年12月号より引用)
     @自分の将来を前向きに設計できる能力
     A自分の意志と責任でよりよい選択・決定を行う能力
     B幅広い情報を活用する能力
     Cさまざまな人々とコミュニケーションを図り、協力して課題に取り組む能力。
    参 : 日本青少年キャリア教育協会(ACE・HP)
教育委員会(きょういくいいんかい) : 教委。
    戦後、米国の勧告もあり、1948(昭和23)年に教育委員会法によって
    戦前の国家主義的な教育を繰り返さないよう地方自治の考えに基づいて導入された。
    初期の教育委員は公選制だったが、政治的な対立の影響を受けやすいとして
    1956(昭和31)年に任命制にする地方教育行政法が成立した。
    地方の教育行政を担当する機関で、都道府県および市(特別区を含む)町村などに設置されている。
    法律(地方自治法・地方教育行政の組織及び運営に関する法律など)に基づき、
    教育に関する仕事を専門的に行う行政委員会で、大学・私立学校を除き、高校は都道府県、
    小中学校は市区町村の委員会が主に担当し、学校その他の教育機関の管理、
    学校の組織編制、教材の取り扱い、教育課程、社会教育などに関する事務を扱い、
    教育行政全体の方針や重要事項を決める最高の意思決定機関である。
    広い意味では、総務課、学校教育課など事務局を含めた全体のことを意味する。
    委員は自治体の首長が議会の同意を得て任命し、月に1、2回会合を開く。
    任期は4年で、標準定数は5人だが、条例により都道府県・政令指定市は6人以上、
    町村は3人にできる。合議制で教職員の人事を決め、学校教育、社会教育、
    文化・スポーツの事務を管理・執行する。
     委員のうち1人は、教育委員会事務局を統括する教育長で、
    ほかのメンバーは校長経験者や地元有力者などから選ばれることが多いことから、
    事務局の報告や提案を追認するだけになっている例が多いようで、
    事務局を「教育しがらみ共同体」と批判する人もいる。月に1、2回の会議に参加するだけで、
    委員の間には「素人は余計な口出しはしない」という雰囲気があり、
    事実上、名誉職になっている自治体も多いと指摘されている。
    教員の先輩、後輩の間柄で互いの保身のため、問題にフタをしてしまうのである。
    文部科学省→都道府県教委→市区町村教委→学校と、上意下達の支持系統になったせいで、
    各教委が独自性を発揮しにくい面もある。
     制度の発足時と違い、今は予算編成権もない。そこで、「いっそ委員会設置の義務をなくし、
    首長直属の教育審議会を持たせてほしい」と要望する市町村長もいる。
     全国で相次いだいじめ自殺事件をきっかけにした2007年の改正で、
    委員会の活動の充実のほか、不適切な事務をした場合に国が関与できる規定も盛り込まれた。
教育課程審議会(きょういくかていしんぎかい) : 文部科学省におかれる諮問機関の一つ。
    1949(昭和24)年設置され、文科大臣の諮問に応じて初等・中等教育の目標・内容・方法等に
    関する「教育課程の基準」事項を調査・審議し、答申を行う機関である。
教育関連3法案(きょういくかんれんさんほうあん) : 教育再生会議の第1次報告を受けて、
    安倍首相が2007年2月の国会に提出するよう指示した3つの法案のことで、
    「地方教育行政法」のほか、教員免許の更新制度を盛り込んだ「教員免許法」、
    各学校段階の教育の目的・目標について定めている「学校教育法」が含まれる。
    ちなみに、2001年6月29日に可決成立した教育改革関連3法案の主な改正点は、次の通り。
     @奉仕活動の導入 : 学校教育、地域社会におけるボランティア活動等社会奉仕体験活動、
      自然体験活動等の体験活動の促進
     A出席停止 : 制度の要件・手続の明確化。次のような行為のある児童生徒の場合、
      その保護者に対して、児童生徒の出席停止を命ずることができる。
      ・他の児童生徒に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
      ・職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
      ・施設又は設備を損壊する行為
      ・授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
      ・出席停止期間中の児童生徒の学習支援その他の教育上の措置を講ずる
     B不適切教員の免職など
      ・児童生徒に対する指導が不適切な教員を免職し、教員以外の他の職に異動
      ・教職員人事に関する校長の意向の一層の反映
     C少人数学級 : 公立小・中学校等において基本的教科の20人授業などの
      少人数指導が実施できるよう教職員定数を改善。国が定める学級編制の
      標準(40人)を下回る特例的基準を都道府県教育委員会の判断で設定。
     D17歳での大学飛び入学 : 特定分野で特に優れた資質を有する者の大学への
      17歳入学、大学3年修了からの大学院入学
教育基本法(the Fundamental Law on Education)きょういくきほんほう
    日本国憲法の精神に基づいて、新しい教育の目的とその基本方針を示した法律で、
    「真理と平和の希求」などを掲げ「教育の憲法」と位置付けられている。
    1947(昭和22)年に制定し、憲法と同じ年に施行されたが、今まで改正されたことはない。
    教育勅語に代わるものとして、教育憲法とも呼ばれる。
    前文以下、教育の目的、教育の方針、教育の機会均等、義務教育、男女共学、
    学校教育、社会教育、政治教育、宗教教育、教育行政、補則の全11条からなる。
    「祖国を愛せという言葉がない」「わが国の伝統が伝え得ない」と文相らが発言するなど
    見直し論が幾度となく起きた。2000年には森首相(当時)の私的諮問機関・教育改革国民会議が
    見直しを提言した。中央教育審議会が2003年、改正を求める答申で「公共の精神、道徳心」
    「日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心」などの理念を盛り込むのが適当とした。
教育基本法改正案(きょういくきほんほうかいせいあん) : 文部科学省は教育基本法の
    全面改正を求める中央教育審議会の答申を受け、改正法案の策定作業に着手し、
    いじめや学級崩壊の問題などを解決するには、教育の根本を改革することが必要であるとして、
    2006(平成18)年4月28日に教育基本法の全部改正案を閣議決定し、国会に提出した。
    政府は、戦後、教育水準が向上し、生活が豊かになる一方で、都市化や少子高齢化の進展などによって、
    教育を取り巻く環境は大きく変わり、近年、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、
    家庭や地域の教育力の低下などが指摘されており、若者の雇用問題なども深刻化している。
    このような中で、教育の根本にさかのぼった改革が求められており、
    将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確に示し、国民との共通理解を図りながら、
    国民全体で教育改革を進め、我が国の未来を切り拓く教育を実現していくため、
    教育基本法を改める必要があるとしている。
    改正案の焦点
    @愛国心 : 改正案では、我が国を愛し、更にその発展を願い、
     それに寄与しようとする「態度」を規定しており、この「態度」を養うことと、
     「心」、「心情」を培うこととは、一体としてなされるものであり、このことを踏まえて、「態度」と明記し、
     「国を愛する心」が明記されず、「我が国を愛する態度」という規定になった。
    A不当な支配 : 「不当な支配に服することなく」とは、教育が一部の勢力に不当に介入されることを
     排し、教育の中立性、不偏不党性を求める趣旨である。しかしながら、この規定は、
     現行法の「教育は、・・・国民に直接に責任を負って行われるべきものである」や「教育行政は、
     ・・・必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」との規定ともあいまって、
     一部の教職員団体等により、教師のみが教育権を持ち、
     国や教育委員会は教育内容や方法に関われないという誤った主張がなされてきた。
     このような考えから教育委員会や校長等による指示、指導を認めない根拠となってきた。
     また、一部の教職員団体等によるこのような誤った考えに基づいて、
     入学式や卒業式等での国旗掲揚や国歌斉唱に対する反対がされてきた。
     このため、これらの規定を整理し、「不当な支配」以外の規定は削除し、
     「教育は、不当な支配に服することなく、法律の定めるところにより行なわれるべき」ことと規定し、
     法律に従って行なわれる教育行政、教育委員会や校長等の行為が「不当な支配」に当たらないことを
     明確にした。このような改正によって、校長の権限を侵すなど教職員団体などの一部勢力による、
     法律に反する「不当な支配」のための従来のような主張の余地がなくなり、
     指導内容・方法に関することを含め、適正な教育行政の実施が確保されることになる。
    B宗教教育 : 自然や生命に対する畏敬の念を養うといった意味での
     「宗教的情操の涵養(かんよう)」は、重要なことであるが、「宗教的情操」という言葉は多義的であり、
     特定の宗教・宗派を離れて教えることが困難との意見もあって、国公立学校で教えることが憲法の
     政教分離の原則に抵触する恐れもあることから、国家神道復活を懸念する公明党の反対などで
     文言としては盛り込まれず、「宗教に関する一般的な教養の尊重」となった。
    参 : 教育基本法案(法律)、国旗・国歌法

    今なぜ、教育基本法を改正する必要があるのか(安倍晋三首相説明)
    現在の教育基本法が制定されてから半世紀以上が経過しました。
     戦後教育は、機会均等という理念のもとで
    国民の教育水準を向上させ、戦後の経済発展を支えてきました。
    また、個人の権利や自由、民主主義や平和主義といった理念についての教育も行われてきました。
     しかし、他方で、道徳や倫理観、そして、自律の精神といったものについての教育は
    おろそかになっていた点はやはり否めません。
     現在、子供たちのモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下といった問題が
    指摘されています。こうした中で、いじめ問題や未履修問題が相次いで表面化し、子供たちも
    保護者の皆さんも不安を抱き、教育再生の必要性をさらに強く感じているのではないでしょうか。
     海に平気で空き缶を捨てる子供に対しては、法律で禁止されていなくてもそうした行為は恥ずかしい、
    やってはいけないのだという道徳や規範意識を身につけさせることが必要です。
     さらに、利益にならなくても、海に捨てられた空き缶を見つければ拾ってゴミ箱に捨てる、
    といった公共の精神を培っていくことも必要だと思います。
     教育は学校だけで全うできるものではありません。道徳を学び、自分を律し、人を思いやる心は、
    家庭や地域社会の中で人と人のふれあいを通して醸成されるものです。
     こうした教育に対する基本的な考え方や価値観を、まずはみんなで共有することが大切なのでは
    ないでしょうか。毎日様々な問題が発生し、教育のあり方に対する危機感が広く共有されつつある今こそ、
    家庭が、地域が、学校が、そして一人一人が、自ら何ができるかを考え、
    自覚することが教育再生の第一歩であると考えています。
     これが新しい教育基本法の意味なのです。最近起こっている問題に対応していくために必要な理念や
    原則は、政府の改正案にすべて書き込んであると思っています。
    公教育の再生や教育委員会のあり方など、具体的な教育政策を今後検討する上でも、
    一刻も早い改正案の成立を願っています。
              安倍内閣メールマガジン(第6号 2006/11/16)「教育基本法への想い」より抜粋
教育訓練給付金(きょういくくんれんきゅうふきん) : 働く方の主体的な能力開発の取組みを支援し、
    雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度である。
    受講開始日現在で雇用保険の被保険者であった期間(支給要件期間)が3以上あることなど
    一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった方(離職者)が
    自己啓発のために、厚生労働省が指定する講座を受講し修了した場合、教育訓練施設に支払った
    教育訓練経費(入学金、受講料、教科書代の一部)の一定割合に相当する額(上限あり)が支給される。
    指定講座には、英会話やパソコンなどのほか、中小企業診断士、保育士、医療事務、施工管理技士、
    測量士、建設業経理事務士など幅広い教育が対象になる。
    一方で、パート勤務など非正社員で、雇用保険を支払っていない人は利用できない。
    支給額 : 支給要件期間に応じ、以下のとおり。
     @5年以上 : 教育訓練経費の40%に相当する額となる。
      ただし、その額が20万円を超える場合は20万円とし、8千円を超えない場合は支給されない。
     A3年以上5年未満 : 教育訓練経費の20%に相当する額となります。
      ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、8千円を超えない場合は支給されない。
    支給申請手続 : 教育訓練を受講した本人が、受講修了後、本人の住所を管轄する
     ハローワークに対して、下記の書類を提出することによって行う。
     申請書の提出は、疾病又は負傷、1カ月を超える長期の海外出張等その他やむを得ない
     理由があると認められない限り、代理人又は郵送によって行うことができない。
     @教育訓練給付金支給申請書
     A教育訓練修了証明書
     B領収書
     C本人・住所確認書類
     D雇用保険被保険者証
     E教育訓練給付適用対象期間延長通知書(適用対象期間の延長をしていた場合に必要)
     F返還金明細書(「領収書」、「クレジット契約証明書」が発行された後で教育訓練経費の一部が
      教育訓練施設から本人に対して、還付された(される)場合に必要)
    支給申請の時期については、教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1カ月以内に
    支給申請手続を行うこと。これを過ぎると申請が受け付けられない。

    厚生労働省は2006年11月29日、原則として受講料の4割としている現行の助成率を、
    2割の半分に引き下げる方針を固めた。同給付は雇用保険を財源としており、
    これまで200万人近くが利用している。
教育再生会議(きょういくさいせいかいぎ) : 安倍晋三首相が官邸主導の「公教育改革」を掲げ、
    教育再生を検討するため、2006年10月18日に肝いりでスタートさせた有識者会議のことで、
    安倍首相に直属する諮問機関である。有識者17人に加え、首相、官房長官、
    文部科学相がメンバーである。首相は、公教育で「高い学力」と「規範意識」を
    保証したいと述べ、再生会議をそのエンジン役と位置付け、
    再生会議の初会合でも「美しい国」を実現する基盤は「教育」と訴えている。
    会議は今後、月2回程度開き、テーマごとの分科会も設置する。
    2007年1月の1次報告で教育関連3法の改正、6月の2次報告で授業時数10%増の具体策としての
    土曜授業、徳育の教科化や大学改革に中間報告をまとめ、「骨太の方針」に盛り込んだ。
    12月の3次報告で注目されるのは、一部の委員が推奨し、阿部首相も著作で取り上げた
    「教育バエチャー制度」で、家庭が行政から利用券を受け取って子供を通わせたい学校に提出し、
    学校は券の数に応じて運営費を得る仕組みである。
     伊吹文科相は、学校教育に関連した分野は、文科省や、文科相の諮問機関の中教審でもう一度
    議論した上で結論を出す考えで、再生会議の提言がすべて実現するとは限らないようである。
    首相は@質の高い教育の提供と学力向上を図る。
        A規範意識や情操を身に付ける。
        B家庭や地域の教育力を高める。
    方策について検討を要請し「国づくりの基礎となる教育再生の推進に全力で取り組む」方針としているが、
    「議事要旨や議事録は公表するが、傍聴は認めず非公開とする」ことになっている。
    傍聴を認めない理由について野依良治座長は、『事実は真実の敵だ』という言葉がある。
    理念に基づき(行う)個々の発言を整理し、
    最終的にまとめてメッセージにする方が国民に有益だと思う。とコメントしている。
    これに対して江田五月さんは、ショートコメント「子どもたちの戸惑い」で、
    教育再生会議は非公開を決めた。野依座長によると、理由は「事実は真実の敵」だからだそうだ。
    訳が分からず、失望するばかりだ。小・中学生の自殺が相次いでいる。学校生活が理由だ。
    管理者が説明する「真実」に納得できず、「事実」を知りたいと願う関係者の声を敵視して、
    どうして改革や再生が望めるのか。これでは、子ども、父母、教師たちを振り回す教育改革でない、
    現場に開かれ「事実」に向き合う議論は、期待できない。リアルタイム公開を求める。と述べている。
    参 : 教員免許更新制
    トップレベルの有識者委員たちが怒号を飛び交わしたり、居眠りをしたりしているのを
    国民に見られたくないのだろうか。改革と名の付くすべての会議は、広く国民にも公開すべきだ!


    2006年10月18日、教育改革を議論する「教育再生会議」(野依良治座長)の初会合が総理官邸で
    開かれた。安倍総理は冒頭の挨拶で、「すべての子供に高い学力と規範意識を身につける機会を
    保障すること、そのために、公教育の再生や、家庭・地域の教育力の再生が重要である」と課題を挙げ、
    教員免許の更新制や外部評価を含めた学校評価制度の導入などの必要性を強調。
    教育再生に向けた決意を表明した。
     同会議は、安倍総理と17人の有識者委員、伊吹文部科学大臣らが出席。具体的な検討課題として、
    「質の高い教育を提供し、学力の向上を図る」「規範意識や情操を身につけた『美しい人づくり』」
    「家庭や地域の教育力を高め、地域ぐるみの教育を再生する」の3つが検討事項として挙げられた。

    安倍晋三首相は2006年10月25日午前、首相官邸で開かれた教育再生会議の第2回会合で、
    いじめを苦にした小中学生の自殺が相次いでいることを念頭に「短期的に変えられるものは
    すぐ対応していく」と述べ、いじめ問題への対処を急ぐ考えを示した。
    同会議でいじめ問題の再発防止策が協議され、委員から「子どもの心の悩みに積極対応すべきだ」
    「社会へのメッセージ発信にメディアの協力が必要」などの意見が出された。
     また同会議では、学校再生▽規範意識・家族・地域教育再生▽教育再生、の三つの分科会を設置し、
    それぞれ主査に白石真澄東洋大教授、池田守男資生堂相談役、
    川勝平太国際日本文化研究センター教授を選任した。
    参 : 教育再生会議(首相官邸HP)
教育再生懇談会の報告書 → フィルタリング(パソコン用語)
教育職員免許法(きょういくしょくいんめんきょほう)
    1949(昭和24)に制定し、9月1日から施行された、教員の免許に関する基準を定め、
    教員の資質の保持・向上を図ることを目的とする法律(最終改正:平成16年5月21日法律第49号)。

    全国の公立小中高校などで、わいせつ・セクハラ行為で教員免許を失効した教員が、
    教育職員免許法の改正(2003年1月)後から2005年3月までの2年3カ月で、
    250人を超えたことが毎日新聞の都道府県・政令市教委へのアンケートで分かった。
    同法は2001年3月に改正され、懲戒免職者は自動的に免許が失効するようになった。
    また文部科学省は児童・生徒へのわいせつ行為をした教職員は原則、
    懲戒免職とするよう通知しているが、3分の1の教委は「ケース・バイ・ケースで判断すべきだ」と
    していることが明らかになった。調査は47都道府県と13政令市が対象。
    わいせつ事案の免許失効者は「把握していない」という大阪市を除く59教委で計255人に上った。
    文科省は2001年7月に神戸市で起きた中学教諭による女子中学生監禁致死事件を受け、
    各教委に児童・生徒へのわいせつ行為をした教職員は原則として懲戒免職とするよう通知。
    だが、20054月現在、原則を明文化したのは22道県市、実質的に原則としているのが14府県市。
    23都府県市は原則化していない。宮崎県は「原則かどうかも公表できない」と答えた。
    参 : 総務省行政管理局の「教育職員免許法」条文

    教育職員免許法第十条第一項第二号に該当し、公立学校の教員であって
    懲戒免職の処分を受けて免許状が失効しても、第5条5項で当該失効の日から3年を経過すれば
    再授与できることにしているのはどうみてもおかしい。一般の会社での懲戒免職は、
    退職金もなく2度と元の会社には戻れないのに、本来、児童・生徒へのわいせつ・セクハラ行為で
    教員免許を失効した教職員は教壇から永久追放されるべきなのに、
    再び採用されるシステムにしている文部科学省は教育の場を何と考えているのだ!!
    こんな甘い処分をしていては、処分者が何年経っても絶えることはない。

教育振興基本計画(きょういくしんこうきほんけいかく) : 2006(平成18)年に成立した
    改正教育基本法(法律第120号)第17条第1項に基づき、政府が決め、国会に報告するものである。
    また、地方自治体もこの計画を参考に、地域の実情に応じた計画を定めることが努力目標となっている。
    中教審特別部会は今後10年を通じて「目指すべき教育の姿」と考え、
    5年間で取り込むべき施策を計画に入れるため、2007年2月から検討してきた。
    参 : 教育振興基本計画(文科省HP)
教育バウチャー(Education Voucher)きょういくバウチャー : 学校選択に利用券を活用する制度のこと。
    安倍首相が著書「美しい国へ」で導入に前向きな姿勢を示している。
    仕組み : 子供のいる家庭がバウチャーと呼ばれる利用券を受け取る→
           通いたい学校を自主的に選び、利用券を学校に出す→
           集まった利用券の枚数に応じて学校が行政から運営資金を得る。
    政府が父母に対して私立学校の授業料に充当できる一定額の現金引換券などの
    利用券(バウチャー)を支給することにより、私立学校選択を支援するとともに、
    公立学校と私立学校との間に競争原理を働かせ、公立学校改善を促そうとする制度で、
    学校は集めた生徒数に応じて運営費を獲得できる。
    つまり、生徒を奪われたくない公立学校は自主的に教育環境を整えざるを得ないことになる。
    子供がたくさん来てくれる人気校になろうと学校同士が競い合うことで、結果的に、
    教育の質が向上すると言われる反面、子供が集まらない学校は得られる運営費も少なくなるから、
    教育環境が悪化する心配がある。逆に、特定の学校に子供が集まり過ぎると、格差が広がりかねない。
    実際、学校選択制度を導入している自治体の中には、子供の集まり方に偏りが生まれ、
    新規入学者がゼロになる学校も現れている。
     ニュージーランド、チリ、オランダなど、発券はないが生徒数に応じた補助がある擬似バウチャーのほか、
    米国ではミルウォーキーやクリーブランドといった一部の都市で学校バウチャーが導入され、
    スウェーデンでは1993(平成5)年に国家規模で義務教育段階に学校選択の方法として
    導入されているが、対象を低所得者に限定したり、バウチャーを発行しなかったりと、
    様々な形態があり、イギリスでは保育に利用されたことがあるという。
    現在では、保育や介護サービスなどの利用場面におけるバウチャー方式の導入が提案されている。
    教育バウチャーの起源 : もともとバウチャーのアイデアは19世紀中頃のフランスに遡(さかのぼ)ると
     されるが、学校教育機関の規制緩和に関連付けたものとしてはアメリカの経済学者フリードマンが
     1962(昭和37)年に著した「資本主義と自由」の中で提唱したものとされる。
     フリードマンは両親に公立学校の教育費と等しい額面のバウチャーが政府から支給されれば、
     このバウチャーは子どもが入学した公立・私立の学校教育費に充当されるため、両親は子どもを
     希望する学校へ転校させることによって、転校前の学校に不満を表明することができるとした。
     政府によって換金されるバウチャーのもと、生徒獲得のため、
     その要望を満たす多様な学校が設立され、学校間の競争が起こり、教育の質向上が促されると考えた。
     この場合の政府の役割は、学校が一定基準を満たすことを保証することに限定される。
    (財団法人自治体国際化協会ニューヨーク事務所所長補佐・荒木 敬輔氏の「教育バウチャー制度」や
    フリースクール・ぱいでぃあ代表・馬場 章氏の「教育バウチャー制の導入について」の一部などを引用)

    バウチャーは国公私立を問わず受け取れる場合もあるが、
    日本では、今でも公立学校は敬遠されがちで生徒数不足なのに、
    その上に私立学校の選択・援助する制度は必要とは思われない。
    そもそも学校が徒歩圏内にいくつもある都市部はいいけれど、
    地域に学校が一つしかないようなところでは、学校の選択はできず、
    教育バウチャーのすべてに教育が良くなるとは必ずしも言えない。

教育扶助(きょういくふじょ) : 生活保護法に基づく扶助の一種で、生活困窮者に義務教育を
    受けるのに必要な学用品代、学校給食費などの費用を援助すること。
     2005年度の受給者は月平均で約13万6千人で、給食費は実費分が支給されている。
    給食費については就学援助と重複して受給することはできず、教育扶助を受けている保護者は、
    扶助の対象とならない修学旅行費などについてだけ、就学援助を受けられる。
教員免許更新制(きょういんめんきょこうしんせい) : 2007(平成19)年6月20日、
    新しい「教育職員免許法」が成立し、教育職員となるための免許状を一定の期間ごとに
    更新しなければならないとする制度のことで、2009(平成21)年4月1日より導入された。
    2009年4月以降取得の免許には、10年間の有効期間が設けられる。
    幼稚園から高校まで、全国に約100万人いる現職教員は、今後10年に1度、
    大学などでの講習が義務付けられ、落とすことを前提とした制度ではないが、
    終了認定が得られなければ教壇には立てなくなる仕組みである。
    期間満了2カ月前までの2年間に必修領域12時間、選択領域18時間の計30時間の講習を受講し、
    修了認定を受けることで更新できる。一方、2009年3月31日までに取得した免許には
    有効期間は設けられないが、55歳、45歳、35歳になる年度末が修了確認期限とされ、
    その2カ月前までの2年間に同様の講習を受けなければ失効する。
    対象者は全国で年間約10万人。2009年度に対象になる職員に限り、
    予備講習を修了すれば制度導入後の講習が免除される。
    教壇に立っていない「ペーパーティーチャー」は受講しなしても失効しないが、
    教職に就く際には講習を受けなければならない。
     子どもとのコミュニケーションなど実践的講義を大学などで30時間程度受け、
    修了することが更新の要件だが、修了できないと免許が失効し教員でいられなくなる。
    制度では、改めて講習を受けて合格すれば免許は更新される。
    大学などでの受講料は3万円程度で、自己負担となる。
     現職の教員は、失効する可能性があることを前提に免許を取得していないことから
    「現職への適用は法的に問題がある」との指摘や、「教育委員会などが実施する従来の研修で十分」
    「多忙な教員の負担をさらに重くしてしまう」といった批判もある。
     更新制の議論はもともと、「不適格教員を現場から排除するにはどうしたらいいか」という点が出発点で、
    安倍政権の目玉として設けられた教育再生会議などが提案した。
    目的 : その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、
     定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、
     社会の尊敬と信頼を得ることを目指すもので、不適格教員を排除することを目的としたものではない
    「更新制」の基本的なポイント
     @更新制の目的は、その時々で教員として必要な最新の知識技能を身につけること。
     A平成21年4月1日以降に授与された教員免許状に10年間の有効期間が付されること。
     B2年間で30時間以上の免許状更新講習(注)の受講・修了が必要となること。
     C平成21年3月31日以前に免許状(旧免許状)を取得した者にも
      更新制の基本的な枠組みを適用すること。
    参 : 教員免許更新制(文部科学省HP)

    児童や生徒に対して不適格な言動をした教員のみを再教育(免許講習)するだけで十分なのに、
    定員割れに苦しむ大学の救済の一端のように思える。
    国が定めた制度なのだから、せめて講習料の半分くらいは国で補助すべきである。

教科書検定(きょうかしょけんてい) : 民間の教科書会社(出版社)が著作して申請した図書(本)を、
    文部科学省が教科書検定基準に基づいて小学校・中学校・高等学校用の教科書に
    ふさわしいかを審査し、合否の判定をする制度のこと。修正を求める部分には「不正確だ」
    「誤解の恐れのある表現だ」などといった検定意見をつけて出版社に伝え、
    出版社はそれを踏まえて修正した本を再度提出して合否判定を受ける。
    検定は大学教授などで構成される「教科用図書検定調査審議会」の検討を経ている。
    このため、一度決まった検定意見を政治の意向で変えることについては「介入につながる」との理由で、
    政府は否定的な立場を貫いている。
    この検定制度は1886(明治19)年に実施され、1903年に国定教科書制度になったが、
    1947(昭和22)年に再び採用された。ほぼ4年に1度のサイクルで行われ、
    検定に合格したもののみが、学校で教科書として使用が認められる。
    文部科学省で3月末に公表の、合格した教科書は翌年の春から学校で使われる。
    しかし、検定に合格したからといって、韓国のように何の外圧もなく政府が作る
    国定教科書を全国で使う制度とは違い、日本では教科書が使われるかどうかは
    各地の教育委員会が決めているので、すべての市区町村で使われるとは限らない。
    
    歴史教科書は、中国や韓国との間でしばしば関係悪化の原因になってきた。
    政府が1982(昭和57)年、教科書検定基準に「近隣諸国との間の歴史的事象の扱いに
    必要な配慮がされていること」とした「近隣諸国条項」を新設したのもその対応策だった。
    ただ、政府が教科書会社に具体的な記述を直接指示することはできない。
    学説や政府見解など「データ」に沿っている限り、修正を求める検定意見もつけられない。
    
    教科書検定の基準(教科用図書検定基準)
    各教科共通の条件と各教科固有の条件があり、共通条件は、学習指導要領への準拠、
    中立性・公正、正確性などの観点において教科書としての適格性を審査するため、審査の基準を
     1.範囲及び程度
       @学習指導要領に示す目標に従い、学習指導要領に示す内容を取り上げていること。
       A学習指導要領に示す目標、内容及び内容の取扱いに照らして、
        不必要なものはとりあげていないこと
       B図書の内容は、その学年の児童・生徒の心身の発達段階に適応しており、
        その能力からみて程度が高すぎるところ又は低すぎるところはないこと。
     2.選択・扱い及び組織・分量
     3.正確性及び表記・表現      の3つの観点で示す。
    「発展的な学習の内容」とは、学習指導要領の範囲を超える内容が、全頁数の1割程度までの
    記述が認められることをいい、2002年8月の検定基準の改定によって導入された。
    本文と区別した形で掲載し、学習指導要領に示されていない内容で、すべての生徒が
    一律に学ぶ必要はないことを明記することが求められる。「ゆとり教育」や学校週5日制導入のために
    学習内容を3割削減したことで高まった「学力低下」への不安に対応したものである。
    近隣諸国条項とは、文部科学省の社会科教科書に関するする検定基準の一つ。
    1982(昭和57)年に起きた歴史教科書の「侵略・進出」問題を契機に作られたもので、
    高校・小学校教科書が日本の「中国侵略」を「進出」などと書いていたことが問題となり、
    内外から批判が起こり、外交問題にも発展した。同年8月26日、「過去において、我が国の行為が
    韓国・中国を含むアジアの国々の国民に多大の苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを
    二度と繰り返してはならないとの反省と決意の上に立って平和国家としての道を歩んで来た」と当時の
    宮沢官房長官は談話を発表し、この精神が「我が国の学校教育、教科書の検定にあたっても、
    当然、尊重されるべきものである」とのべた。この談話の具体化として、当時の文部省が、
    教科書検定基準の中に「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに
    国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という条項を設けたことをいう。

    文部省はえぬきで、元国立教育研究所長や元文部省初等中等教育局長の菱村幸彦氏の
    「中央政府による教科書検定がなぜ必要か」の理由を紹介しましょう。
                               (朝日新聞2005.4.15より一部引用。緑字は私の意見)
     @正確性。教科書に誤りが載ってはならないが、出版社の提出する原稿には、
            誤記誤植を含めて誤りがとても多い。チェックは必要。
     A指導要領との適合性チェックは必要。
     B教育的配慮。発達段階に応じた教材か、などのチェックが重要。チェックは必要。
     C中立性の維持。教育基本法のうたう宗教的・政治的中立性を守るため、偏向がないかどうかを見る。
                 文部科学省の国家による知識の権威づけが皆無だとは言えず、
                 中立性が完全には守られているとはいえない。

     D全国水準や機会均等の確保。どの地域、どの学校でも同質の教育が保障されることが大事。
         同質の教育を行うのなら、最終決定した最良の教科書のみを、全国あまねく用いるべきで、
         使用決定権が市区町村にあるのでは機会均等とはいえない。
         全国共通教科書なら、転校などでも問題がない。複数の教科書を認めることは
         民間の教科書会社を擁護することのみで、国や自治体との癒着も生じる。


    事実や通説との違いを直す役割が教科書検定の本質とされているが、竹島について、
    「韓国とわが国で領有権をめぐって対立している」から「韓国が不法占拠している」に、検定により
    修正されたのは「検閲」に近く、憲法の、学問の自由や表現の自由の保障、検閲の禁止などに違反し、
    教育基本法の精神にそむくものだともいわれている。しかし、日本は何社もの教科書会社から
    検定に合格した教科書すべての使用を認めているが、中国や韓国はいまだに国家主導の
    国定教科書のみであり、国の思想・信条をそのまま国民に押し付けているが、日本はより公正で
    民主的な方法で行っている。今の中国や韓国は、かつての日本の軍政による教科書と同じく、
    自国の国定教科書で繰り返し教え込むことで偏向教育を行っているために、国民は国の意向に
    沿うような教育を受けているのである。中国の場合は、江沢民主席の指導による1994年からの
    愛国主義教育などによって、多くの中国人に侵略当時の日本軍の写真や映像を繰り返し見せている
    反面、武力による紛争解決を禁じた憲法を持ち、核兵器は持たず、戦争を否定している日本の戦後史は
    ほとんど知らされていなく、過去の靖国神社や一部の歴史教科書の問題ばかりが強調される
    現代日本への認識には、相当な偏りがある。中国は日本から多額の援助を受けているとか、
    国連分担金は日本の10分の1くらいしか納めていないなどの事実も国民に伝えるべきである。
    国家に不利となる言論は封じ込め、利益となる都合のよいもののみ国民に知らしめているのだ。
    中国の朱鎔基総理が2001年3月16日、教科書問題は、日本の内政に干渉しようというものでは
    決してなく、日本国民と、中国人民を含むアジア各国の人々が、何代にも渡って友好的な関係を
    保っていけるかどうかに関わるものであると考える。また日本国民の利益に関わる問題でもある。
    もちろん、この問題が、両国首脳の交流に影響を与えるとは思わない。
    と全人代記者会見で話しているが、過去の過ちとされることがらをいつまでも執拗に
    干渉することの方が両国間の感情を高めることになり、両国民の不利益を被ることになると思う。
    逆に日本が中国の教科書の内容を批判した場合には、修正などに素直に応じるだろうか。
    ある団体では、大東亜戦争は尊い聖戦であったなどと言うのならいざ知らず、
    戦時にあって軍人や国民が全力を尽くしたことを伝えることが何故戦争の美化になるのか?
    「軍民みな逃げまわりました」ではなく、「軍民みな力を尽くし奮闘しましたが、多くの犠牲者を出しました」
    というのが真実であり、反省や慰霊の心もここから湧くのである。と反論しているが、
    私もその通りだと思う。いずれにしても中国や韓国の一部の跳ね上り分子が裏で糸を引き
    反日感情を煽っているだけで、日本国民は冷ややかに見守っているだけのようである。
    中国は、この平和な時代に大東亜戦争当時の「鬼畜米英」を再現していると言えよう。
    日本国民は連合国の人たちを鬼畜だと信じて疑わなかったのである。

    2005年6月20日午後の小泉首相と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との日韓首脳会談での教科書問題で、
    ノ・ムヒョン大統領は「日本政府は、日本の教科書検定制度では政府は介入できないというが、
    韓国国民にはとうてい理解しがたい」と不満を述べたが、韓国国民とはぐらかさずにはっきりと
    「私は」と言うべきで、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の「中国国民とアジア国民は・・・」と
    アジアを付け、多くが味方に付いていると思わせることと同じことで、
    二人だけのトップ会談の場合は一個人の考えを述べてもらいたい。

教職員の定数(きょうしょくいんのていすう) : 公立義務教育諸学校の教職員定数は、
    公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭33法116)に基づいて
    過去6回にわたり改善計画(昭和34〜平成12年度)を実施し、学級編制と教職員定数の標準の
    改善を進めてきた。さらに、13年度からは第7次改善計画でその一層の改善が図られる。
     この定数は、「第5次教職員定数改善計画」が1991年度に終了して以降減り続けており、
    2006年度は約66万4千人である。都道府県は、これを標準として条例で定数を定めている。
     都道府県は、国の基準(学校の種類、学級規模、各規模に応じた乗数)に基づいて総定数を算定して
    決めている。このことから市町村は、自らの地域に必要な教職員の定数を独自の判断で決められない。
     2001年度以降は少人数指導などのため、都道府県が標準を上回る教員を独自に置くことが
    できるようになったため、実際の小中学校の教員数は増えている。
    ただ、標準を上回る教員数を置く場合、都道府県の負担が増えることになる。
     教職員の定数は義務教育標準法で「1学級40人」と定められているが、
    2005年、文部科学相が「30人学級」実現に努めると発言。
    文科省は同年、5年で小中学校の教職員を1万5000人増やす「定数改善計画」の策定を目指した。
     だが結局、財政負担を理由に策定は見送られ、2006年6月施行の行政改革推進法では、
    公立学校の教職員などの定数を増員しない方針を打ち出した。
    2006年の「骨太の方針」で削減方針が決まり、
    2007年度の文科省の教育予算は前年度比78億円減となっている。
    「教職員の増員必要ない」財政審の意見書原案
      政府の2008年度予算編成に向けた財政制度等審議会(財務相の諮問機関、
     西室泰三会長)の意見書(建議)原案が2007年11月12日、明らかになった。
     文部科学省が求める小中学校教職員約2万1000人の増員について、
     「必要な状況にはない」として認めない姿勢を打ち出している。
     増員要求は与党内にも根強く、年末にかけ焦点のひとつになりそうだ。
      意見書は財政審が19日にまとめるが、財務省が作成に深くかかわり、
     予算編成に向けた同省の考え方が実質的に示される。
      文科省は夏の概算要求で、教職員が子供と向き合う時間を増やす必要があるとして、
     2008年度からの3年で教員を増員するよう求めた。
     だが、財務省は、2006年7月に閣議決定した「骨太の方針06」で、
     「教職員の定数については5年間で1万人程度の純減を確保する」と定めたことを根拠に、
     難色を示してきた。
      意見書の原案は、子供の減少に伴い児童生徒1人当たりの教職員数は増加しているなどとして、
     「現状でも対応可能だ」と指摘。授業以外で、教師の事務作業の負担が重くなっているとして、
     校長や教頭の組織運営力強化やIT(情報技術)化の推進などを求めている。
    参 : 公立義務教育諸学校の学級編制及び
        教職員定数の標準に関する法律施行令の一部を改正する政令
(法律)
教職大学院(きょうしょくだいがくいん) : 通常の大学院のような研究者の養成という役割ではなく、
    ロースクール(法科大学院)やビジネススクールと同様、2003年度に始まった「専門職大学院」の一種で、
    プロの職業人を育てる。中央教育審議会が2006年7月の答申で「教職大学院」の創設を提言し、
    文部科学省は2007年3月、設置基準を公表した。
    学校運営や授業研究のリーダーとなる教員を育て、研究や論文作成より実践を重視し、
    2008年春から各地の大学などに19の教職大学院が誕生したが、2009年度にも5校が開設する。
    入学定員は16〜100人で、19校で計706人に上る。終了時に「教職修士」を与えられる。
     2年制が標準だが、現職の教員が入学することに配慮した1年の短期コースや、
    教員免許を持たない社会人、大卒向けの2年以上の長期コースも可能で、
    以下のことなどが義務付けられている。
    ●小中高の教員経験者ら「実務家」が専任教員の4割以上を占める。
    ●実習などのために近隣の小中高から「連携協力校」を得る。
    ●院生は10単位(400時間)以上の実習、つまり授業や学校運営にかかわらなければならない。
     ただ、教壇に立った経験のある人は一定程度まで実習したとみなされ、
     標準で2年間のところを1年で終えることも3年以上も可能である。
    2009年3月、教育内容などの大学運営を評価する評価機構が発足した。
    (朝日新聞2007年3月11日、11月28日、2009年3月23日の記事より部分引用)
高校卒業程度認定試験(こうこうそつぎょうていどにんていしけん) : 高等学校卒業程度認定試験。
    高等学校を卒業していない者等の学習成果を適切に評価し、
    高等学校を卒業した者と「同等以上の学力」があるかを認定する試験のことで、
    大学入試資格検定試験(大検)から衣替えして2005年度に始まった。
    文部科学省が実施している。一般に高卒認定(こうそつにんてい)・高認(こうにん)等と呼ばれる。
    高校卒業程度認定試験に合格すれば、公的に「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」と
    みなされ、大学・短期大学・専門学校への受験資格だけでなく、
    公務員試験などの就職や多くの資格試験でも高卒と同等に扱われるようになった。
    しかし、従来の大学入学資格検定と同様、高等学校卒業の学歴を与えるものではない。
    そのため、現実には高等学校卒業を要件とする企業の就職試験の受験資格がない場合や、
    就職しても給料や待遇などで同じように扱われない場合もある。
    そのため文科省では、周知のため高認(または大検)を取得した有名人などを起用して宣伝を行っている。
     各科目100点満点で40点取れば「科目合格」となり、複数回にまたがっても
    8または9科目合格すれば高卒の資格が得られる。実施は毎年8月と11月の2回ある。
高校の単位制度(こうこうのたんいせいど)
    1988(昭和63)年に文部省が導入した高校の新しい単位制制度のことで、
    学年によるカリキュラムの区分を設けず、科目毎に一定の単位数を修得し、3年間で必修科目
    選択科目の合計で、必要な単位数(74単位以上)をとれば卒業認定される制度である。
    これまでの「学年制」のような、学年・クラス・類型(文系・理系等)という枠を取り払い、興味・
    関心能力・適性、進路希望などに応じて、ガイダンスを受けながら自分で選んだ科目の学習ができる。
    前期・後期の2学期制の導入により、学期ごとの単位認定や選択科目の変更も可能となる。
     各科目の1週間あたりの授業時間数を単位と呼ぶ。例えば、数学を1週間に4時間勉強するときは
    「4単位」あるという。ほとんどの学校では、1年間勉強することで、その科目の修得が認められる。
    学習指導要領は、高校の授業時間について1コマ50分を標準とし、35コマ履修すると1単位を与える。
    世界史Aを履修すれば2単位、世界史Bなら4単位になるのが標準である。
    普通科の場合、13もしくは14科目、計31単位が必修となっている。
    単位制のメリット : 高校を卒業するために必ず学習しなければならない科目(必履修科目)を除けば、
     あとは自分の進路希望にあった科目や、学びたい科目を多く選択したり、得意な科目を伸ばし
     不得意な科目を克服するための科目選択が自由にできる。上手に科目選択をすることで、
     大学進学に圧倒的に有利な学習ができる。例えば、英語の力をつけ私立大学の外国語学部への
     進学を強く希望する人は、2年次において数学の授業をとらないで、
     週12時間以上の英語の授業を受けることも可能である。このように選択して学習する時間が、
     2年次では週19時間、 3年次では週20時間もある。
    ちなみに、学年制の高校では、一部自分で選べる科目もあるが、学年ごとに勉強する科目が
    決められている。欠席(欠課:その授業を休むこと)が多かったり、課題を提出しなかったり、
    試験の成績が悪いと次の学年へ進級することができない「原級留置」となる。
    原級留置になると、もう一度その学年の勉強をやりなおさなければならない。
   履修単位不足問題 : 受験を控えた高校3年生を巻き込んで、
    全国に広がった高校の履修単位不足問題で、伊吹文明文部科学相は2006年10月27日、
    「卒業証書を出すまでの間に学習指導要領に決めた通りの授業は受けていただく。
    (単位不足の高校生に)特別な配慮は難しい。みんなが決めたルールを守るところから
    社会の秩序は成り立っている」と補習授業を厳格に実施することを求め、
    さらに責任の所在について「所管をしている教育委員会そのものに責任があるんじゃないか」と
    言及した。こうした文科相の発言を受け、各学校は2007年3月までに厳格に補習授業を実施する
    必要に迫られている。しかし、盛岡市の私立盛岡中央高では、普通科特進コースの3年生51人の
    履修不足は10単位に上る。履修が必要なのは世界史B、家庭基礎、情報A、芸術の4科目。
    50分の補習を計350回受けなければ卒業できない生徒たちがいる。
    「そんなに受けられるのか」「受験に影響する」。生徒たちには不安が渦巻く。
    対応策について、3年生は補習やリポートなどで補充する予定だが、生徒の負担を軽減する措置を
    検討中という。富澤正一校長は「学習指導要領にのっとらなかったことは悪かったと思っている。
    しかし生徒のためを思って、進路目標を達成させるためにやったことだ」と強調する。
    未履修科目の授業時間には受験に必要な科目の授業をしていた。少なくとも1997(平成9)年ごろ
    から行っていたという。一方、北九州市八幡東区にある私立の九州国際大付属高男子部は
    10月26日から、世界史や地理などの必修科目を履修していなかった3年生の補習授業を始めた。
    同校によると、3年生322人のうち、社会系科目の補習が必要な生徒は150人程度、
    卒業には最低でも70時間の補習が必要という。
    今後は1日2時間程度の補習を実施し、受験シーズン前までに終了させる。 参 : 単位とコマ
    指導要領を見直すべきという声もあるが、先ずは教育現場は学習指導要領に従って
    全国統一のルールで行われているのだから、全ての高校でルールは守らなければならない。
    その上で単位制のデメリットを取り上げて議論すべきであり、校長権限での履修漏れは許せない。
    「生徒のためを思って、進路目標を達成させるためにやったことだ」と言うのは言い逃れに過ぎず、
    受験を優先して東大や京大など有名大学への進学率を重視しているとしか思えず、
    主に地方の高校がルール破りをしていることからも伺える。
    それを10年近くもほっておいた教育委員会の怠慢には何と申し開きするのだ!
    全国校長会や幹部の集まりなどからルール破りが伝わっていったのでしょう。
    それにしても、大都市の校長は何故見習わなかったのでしょうね。

高等専門学校(こうとうせんもんがっこう) : 一般には「高専(こうせん)」と略称で呼ばれる。
    中学校卒業者またはそれと同等以上の学力を有する者に対し、
    専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする高等教育機関で、
    高度成長期の1962(昭和37)年、学校教育法の一部改正(70条の2)で設置された。
    工業または商船に関する学科を置き、修業年限は高等学校と短期大学を併せた
    修業年限に相当する5年(商船に関する学科は5年半)で、
    工業界、産業界に貢献する実践的な技術者の養成を目的に設立された。
    機械や電気・電子などのイメージが強いが、学校によっては情報デザインや商船なども学べる。
    2007年度時点で42都道府県に64校(国立55、公立6、私立3)が設置され、学生数は約5万6千人。
    卒業生には準学士の称号が与えられる。
    分野別学科数は、電気・電子系が78と全体の3割を占め、機械系54、情報系44と続いている。
    国立高専は2004年4月に法人化され、国立高等専門学校機構が全校の運営主体となった。
     少子化による志願者減に加え、国からの補助金の減少や産業界のニーズの変化、
    設備の老朽化が重なるなど、初めての再編・統合計画が発表され、2009年10月から宮城、富山、
    香川、熊本の4県8校が4校に統合され、2010年4月から新しい学校のスタートをめざす。
校内暴力(こうないぼうりょく) : 学校生活における児童・生徒の暴力的な行為のこと。
    対教師暴力・校内器物破壊・生徒間暴力に分けられる。
    文部科学省によると、2003年度に、公立の小中高校の学校内で起きた暴力行為の発生件数は、
    前年度比6.2%増の3万1278件。総件数の8割近くを中学校が占めろ。生徒間暴力が最も多く、
    器物破損、対教師暴力と続く。加害児童・生徒の33.4%が中学3年生である。
     ある大阪の中学校で、英語の授業中、男子生徒が突然ラジカセでロックを鳴らし始めた。
    室内のざわめきを超えて、廊下に響いてきた。「こら、授業中だぞ」と教師が取り上げようとすると
    「分かった、分かった」の繰り返しで止めようともしない。首から携帯をぶら下げた別の生徒が
    「お前もしつこいのう」とにやついた。このあと、2人は教室を抜け、空き教室でタバコをふかし始めた。
    2004年度以降、300枚を超える窓ガラスが割れた。学校はベニヤ板を入れた。それでもすぐに
    けり破る。一部に鉄板をはめ込んだら、今度は鉄パイプのようなもので殴打した跡が残っていた。と、
    ある大阪の中学校からの報告だが、なんとダメでなさけない中学校の校長なんだろう。
    現在線路側に面した空き教室の窓には、ガラスが一枚も入っていなくて、戸も廊下側の窓も壊され、
    枠だけ残した窓となり、冬には寒風が吹き込んでくるということだが、まじめな生徒にまで迷惑を
    及ぼしているし、窓ガラスといえどもすべて税金で賄われているので、器物損壊をした生徒には
    何十人になろうとも罰を与えなければならない。学校は監視カメラの設置や、保護者との懇談を
    積極的に行ったうえで、器物損壊は犯罪であり、警察に通報する旨を生徒に通告したのだろうか。
    未成年者が校内でタバコを吸っていれば、直ちに法の基に、学校から警察に通報すべきである。
    こんなことを容認してきたから生徒の荒れが拡散してきたのである。ここまできたら、
    「器物損壊や喫煙は、警察に通報し、少年院送致も辞さない」と通告すべきである。
    私たちの中学生の頃には、そんなことをしたら、先生に鼻血が出るくらい殴られたものだが、
    最近はPTAが強くなり過ぎて、わずかのことでも人権だの暴力行為だのと、すぐに抗議するので
    先生は何もできないことはよく分かるが、生徒といえども犯罪には毅然とした態度をとるべきである。

    親の甘さが許す校内暴力
    (朝日新聞1981.7.3「声」より、東京都の佐崎 孝夫さん(59歳)の投稿文紹介)
     徒党を組んで、先生をつるし上げ、うっぷんをはらしたりする。
    先生はなぐられっぱなしで、生徒に手出しできない。シリ馬に乗る者もいる。
     私が親なら、学校に乗り込んで、足腰立たぬまで、自分の子をたたき据えてやる。
    子が憎いのではない。その甘えが憎い。甘い大人ばかりではないことを、みんなの前に見せつけてやる。
    世の親たち一人ひとりに、その覚悟があるなら、明日にでも校内暴力はやむのではないか。
     今の世の中は、どこかおかしい。生徒に暴力を振るわれて、先生が手も足も出ない。
    そんなバカな話があるかと、若い、“熱中”先生が意気込んだばかりに、父母に訴えられて処分を受ける。
    本当に、わが子がかわいいのなら、人に子をまかせておけないという気になるのではないか。
     “熟愛”は、親のエゴである。子の甘さは親の甘さである。昔から、子に抑圧、不満は、つきものだった。
    子は、その中で鍛えられていった。己をタナに上げて、先生だけを責めている限り、
    少年の非行、暴力は止まらないだろう。
     家庭内暴力でコメントしているように、
    戦後の教育方針とPTAが、何もできない教師を生んでいるといえる。

公立小中学校の事務職員(こうりつしょうちゅうがっこうのじむしょくいん)
    学校事務職員(がっこうじむしょくいん)とは、公立学校や私立学校、
    専門学校等で学校事務を行う職員の総称で、そのうちの公立小中学校の事務職員をいう。
    学校教育法第28条第8項により学校に置かれた、事務に従事する職員で、
    各都道府県の通知により、具体的な学校事務職員の標準的職務内容が明示されている。
     企画運営に関すること ・ 学校予算の編成と執行、施設設備物品の管理などの財務に関すること・
    情報管理に関すること・人事に関すること・職員の給与旅費、経理などの会計に関すること・
    福利厚生に関すること・文書処理や児童の転出入などの学籍の管理、服務に関する事務、
    教科書関係、教育扶助などの庶務に関すること・等、幅広い領域の事務を1〜2名で担当し、
    市町村立小学校、中学校の職員室又は事務室で働いているが、
    4〜26学級の小学校と4〜20学級の中学校は1人などと定数が決まっており、
    小さい学校には配属されない。給与は教員と同様、3分の1を国庫が負担する。
    都道府県が試験を行うが、身分は市町村立の小中学校に属する。
    したがって県費負担職員と言われているが、県職員ではない。
    一般行政職で試験を受けて、公立小中学校に配属になる自治体もある。
    多くが独自の採用枠を設けているが、東京、宮崎、岩手、石川のように一般の職員と同じ枠で採用したり、
    都道府県や市町村によっては定数とは別に独自の予算で採用したりする。
    現在の所、義務制学校の枠で採用され、異動も義務制学校の間で行われる自治体が多いが、
    少例ながら高校・教育委員会への異動可能な自治体もある。
    市町村の職員の配属先、異動先としてその自治体の小中学校・高校に勤めることもある。
    また、事務補助員などの職名として採用されているところもある。
    ただし最近は市町村給与負担の学校事務職員は引き上げか、非常勤・パート待遇になっている所も多い。
    公立小中学校の事務職員になるためには
     都道府県単位で実施される「市町村立小中学校事務職員」「教育事務」「学校事務」の
     区分採用枠での試験を受験し、合格、採用されると市町村立の小中学校・
     養護学校に配属される。待遇はその県の行政職に準ずるところが殆どである。
    教職員と学校事務職員の違い
     公立小中学校の場合、基本的に就職する際の雇い主が違い、
     教職員(教育職)については、教員資格を持っており、知事が行う試験に合格する必要があり、
     県費負担職員と言って主に都道府県の予算から給料を支払う。
     教育職には校長、教頭、教諭、養護教諭、講師、実習助手などがある。
     一方、学校事務職員(行政職)については、市町村の採用試験に合格したとしても、
     学校に配属されなければならず、一般事務に配属されることの方が多い。
     給料は、3分の1を国庫が負担するが、市町村の予算の中から支出される。
     行政職には、事務長(事務室長)、係長、主任、主事、技手、技師、介護員などがある。
     仕事の役割から言いと、学校事務職員は、教職員が行う授業とそれに準ずる
     進路指導や遠足など以外の仕事の補助的な役割を担っている。
     教職員も学校事務職員も仕事上の命令権者は校長であることは共通している。
    参 : 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令(法律)
国語審議会(こくごしんぎかい) : 国語の改善、国語教育の振興などに関して調査審議するために
    設けられた機関で、委員は文部大臣が任命する。文部大臣の諮問に応じて、
    国語の改善、国語教育の振興およびローマ字に関する事項を調査・審議し、
    これらに関して必要と認める事項を政府に建議する。
    1934(昭和9)年に臨時国語審議会を発展させて、
    文部大臣の諮問機関として設置されたのに始まるが、第二次世界大戦後、多数の臨時委員を入れて、
    「現代かなづかい」「当用漢字表」(ともに1946年)、「同音訓表」「同字体表」、
    「同別表」(教育漢字表)の答申を行い、政府の採用するところとなった。
    1949(昭和24)年改組、委員70名からなる建議機関となり、「送りがなのつけ方」
    「ローマ字のつづり方」を建議し、政府の採用するところとなったほか、
    「国語問題要領」「これからの敬語」などを出した。1962(昭和37)年改組、以後、
    それまでの施策の見直しを行い、1973(昭和48)年「送り仮名の付け方」、
    1981(昭和56)年「常用漢字表」、1986(昭和61)年「現代仮名遣い」、
    1991(平成3)年「外来語の表記」を答申、公布をはじめ、国語政策に関する多くの建議・答申を行った。
    中央省庁の再編に伴って、2001(平成13)年に廃止され、
    以後は、「文化審議会」の国語分科会が実質的な内容を継承している。
国際学力調査 = PISA(別掲)
国旗・国歌法(こっきこっかほう) = 国旗・国歌法(別掲)
コミュニティ・スクール(Community School:CS) : 2004(平成16)年9月から、
    新しい公立学校運営の仕組みとして導入された「学校運営協議会制度」で、
    教育行政が自らの所管の公立学校の運営や改革について手が回らないところを、
    地域住民に積極的にかかわってもらって運営の一部を任せる形態の学校のことである。
     保護者や地域の代表の声を学校運営に直接反映させ、保護者・地域・学校・教育委員会が
    一体となってより良い学校を作り上げていくことを目指すもので、設置については、
    保護者や地域の代表の意向やニーズを踏まえて、学校を設置する教育委員会が決定する。
     協議会は、校長がつくる学校運営の基本方針を承認し、日常の運営に意見を言える。
    教員人事について意見を言うこともでき、
    任命権者(通常は都道府県と指定市)は意見を尊重する必要がある。
     2004年の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正により、
    学校を管理する教育委員会の判断によって、公立学校に学校運営に関して協議する機関として、
    学校運営協議会を個別におくことが可能になった。
     日本では、この学校運営協議会がおかれた公立学校を指して、
    「コミュニティ・スクール」や「地域運営学校」と呼称されている。
     2004年11月に日本で初めてコミュニティ・スクールに指定された足立区立五反野小学校では、
    毎年秋になると保護者3人、地域代表3人に校長らを加えた計11人の学校理事会を開き、
    翌年の人事について話し合う。2007年8月現在、鳥取県南部町の会見小学校など
    全国で142校が指定され、協議会を置く学校(コミュニティ・スクール)がある18都県・指定市のうち
    7都県・指定市が要望を反映させた人事を行っている。
災害共済給付制度(さいがいきょうさいきゅうふせいど) : 学校(小中高、特別支援学校と高専、幼稚園、
    保育園)の各教科や学校行事などの授業中、部活動などの課外指導中、休憩時間中などのほか、
    登下校中など「学校の管理下」で起きた事故で児童、生徒、又は幼児が死亡・負傷した場合、
    災害共済給付(医療費、障害見舞金または死亡見舞金の支給)を行うもので、
    運営に当たる経費を、国、学校の設置者及び保護者の三者が負担する互助共済制度である。
    給付額は死亡見舞金が2800万円、障害が残った場合は82万〜3770万円。
    保護者の掛け金は小中学校では年400〜500円。事業は文部省所管の独立行政法人・
    日本スポーツ振興センター(本部・東京都新宿区)が運営し、97%の児童生徒が加入している。
    センターへの給付金の支払い請求は、学校の設置者が行い、保護者から学校を経由して
    学校の設置者へ請求する。給付金は、センターから学校の設置者を経由して各学校へ送られ、
    各学校から児童生徒の保護者へ支払われる。
    文科省によると、1983年の日本海中部地震で、社会科見学中に津波に遭って死亡した
    小学生13人に、当時も震災は制度の対象外だったが、
    総額が給付可能な範囲に収まったために、見舞金(当時1200万円)が給付された前例がある。
    参 : 日本スポーツ振興センター(災害共済給付)
サイバー大学(Cyber University) : すべての講義を録画してインターネットで配信する
    日本初の4年制の私立大学で、2007年4月に福岡県福岡市東区香椎に開学した。
    福岡市・博多湾の人工島にあるシーマークビルの3階に、事務局や図書館を備えた本部がある。
    大学の運営はソフトバンクの関連会社である株式会社日本サイバー教育研究所が行い、
    設置学部は定員各600人のIT総合学部と世界遺産学部の2学部である。
    特定の科目だけを受講する学生も合わせると1900人近くが学んでいる。
    学生は20代、30代が全体の7割、社会人が6割を占めるが、世界遺産学部は主婦らも多いという。
     大学側の説明では、誰もが平等で格差のない教育を受けることができる、豊かで公平な社会の実現へ。
    地域や年齢、時間、ハンディキャップの有無を問わず幅広い学びの場を提供し、
    教育格差の解消を目指します。とある。学長はエジプト考古学で有名な吉村作治氏が務める。
    参 : サイバー大学(HP)

    構造改革特区を利用して2004年に生まれた「LEC東京リーガルマインド大学」をはじめ、
    株式会社立大学は現在、全国に7校あるが、多くは知名度が低く、
    定員の半分強しかいないサイバー大学も含め6校が大幅な定員割れで、どの大学も経営が厳しい。
    2008年4月に開校を予定する株式会社立大学は1校もなく、
    グロービス経営大学院大のように「非課税で、私学助成もある学校法人の方が経営が楽」と、
    2008年4月に学校法人を設立して「普通」の私大になる株式会社立大もある。
山村留学(さんそんりゅうがく) : 財団法人・育てる会は1968(昭和43)年から春、夏、
    冬休みに農家での宿泊を取り入れた自然体験活動をスタートし、1976(昭和51)年に
    長野県八坂村(現在の大町市八坂)で、日本初の「山村留学」を制度化した。教育実践活動で、
    寮や里親のもとで暮らしながら1年間を通して自然豊かな環境の中で暮らし、学ぶという制度である。
    1990年代から急速に全国に広がったが、ここ数年は横ばいである。
    過疎地の農山漁村にある小規模校に、都市部に住む小中学生を受け入れて、
    一定期間定住(通常1年間)し、地域の活性化を図るとともに、
    都会の子供たちを豊かな自然の中でのびのび育てるのが狙いの「次代を担う人づくり事業」で、
    さまざまな体験活動を通して、子どもたちの生きる力を育むことを目的としている。
    そのため農山村の豊かな自然を活動の場とし、そこで都市や農山村の青少年が、夏休み、春休み、
    冬休み等の休暇中を利用して、集団体験、自然体験を行ったり、また、都市の青少年で
    より長期の滞在による体験を希望する場合は、親元を離れて農山漁村へ転入し、
    農家や寮などで生活しながら現地の学校に通学する等の方法を実施する。
    山村留学生を受け入れる側の子どもたちにとっては、山村留学生(=一般的には都会の
    子どもたちであることが多い=)と接しながら一緒に自然体験活動を行うことで、
    自分の住んでいる地域を見直し、ふるさとを再発見するという大きな効果が期待できる。
    これまでに約270校が実施し、延べ1万1千人以上が留学した。
    受け入れ方式は、主に@専用施設で集団生活する寮方式、A受け入れ家族と暮らす里親方式、
    B親と一緒に転居する家族方式の3通りがある。
     2006年度は27都道府県の93市町村で806人を受け入れた。
    地域的には北海道(174人)が最も多く、鹿児島(135人)、長野(121人)と続く。
     山村留学の発祥地にある八坂美麻学園の在籍者は関東や名古屋、関西からがほとんどである。
    海外在籍者が「子供に日本らしい生活を体験させたい」と申し込んでくることもある。
    費用は月々8万円前後である。
     今は大町市八坂のほかに北相木村と売木、大岡の4カ所に活動センター(寮)があり、
    1カ月の半分をここで過ごす。さまざまな年齢層の集団生活の中で、身の回りのことは
    極力自分でこなしながら、野外活動や自然観察、郷土の伝統的な芸能などの体験ができる。
    残りの半分は里親となる地元の農家で暮らす。ここでは農業はもちろん、村の行事などにも参加。
    それぞれの場所から地元の公立学校に通うシステムで、
    センター、学校、里親が連携を取りながら、地域全体で子どもたちを見守る環境が整っている。
     育てる会が大切にしていることは、できる限り「体験」の場を多くの子どもたちに提供すること。
    そして、手とり足とり子どもたちの行動に口をはさむのではなく、かといって放任でもなく、
    「ぼくは(わたしは)、これをするんだ、したいんだ」という子ども自身の意思を尊重。
    その課題への取り組みを通して、毎日いきいき楽しく過ごせるようにサポートしている。
    参 : NPO法人・全国山村留学協会(HP)、財団法人・育てる会HP)
就学援助(しゅうがくえんじょ) : 公立の小中学校に在学する児童・生徒の保護者で、
    経済的な理由によって就学が困難な児童・生徒の保護者を対象に、
    市区町村が学用品費、給食費、通学費、修学旅行費用などの援助をする学校教育法上の制度のこと。
     文部科学省によると、子どもが公立に通う保護者の学校生活にかかる年間負担額は、
    1人平均で小学生9万7500円、中学生16万9700円(2006年度)で、
    制度はこうした部分を公的に支援しようというものである。
    就学援助の対象者 : 現に生活保護を受けている又は、
     生活保護を必要としている「要保護児童生徒」に加え、市区町村が独自の基準で
    「要保護者に準ずる程度に困窮している」と認定した「準要保護児童生徒」である。
     文科省によると、対象となる全国の児童生徒は1997(平成9)年度は約78万4千人で
    全体の6.6%だったが、2007年度は約142万1千人で、全体の13.7%と急増しているる。
    参 : 教育扶助授業料の減免
修学旅行(a school trip)しゅうがくりょこう : 児童生徒の心身の発達、学校生活の充実をはかる目的で、
    教師の引率のもとに、学年または級単位で団体をつくって遠隔地に出かけ、
    平素の学校生活では望めない、さまざまな経験や見聞をすること。
    通常は宿泊を伴う点で遠足と区別される。諸外国にはあまり類例をみない、きわめて日本的な教育活動で、
    現在は、学校の教育課程のうえでは、特別活動のうちの学校行事に位置づけて計画され、
    実施されている。日本における修学旅行は、1882(明治15)年に
    栃木県第一中学校(現栃木県立宇都宮高等学校)の生徒たちが先生に引率され、
    東京・上野で開かれた「第二回勧業博覧会」を見学したことが日本での「学生・生徒の集団旅行」の
    始まりといわれており、1886(明治19)年2月には
    東京師範学校(後の東京高等師範学校、、現在の筑波大学)が「長途遠足」の名で
    11泊12日の日程で実施した、東京と千葉県銚子(ちょうし)の間を徒歩で往復したという記録がある。
    これは、心身の鍛錬と規律正しい集団行動を目ざす兵式訓練的要素と、
    そのころの流行であった直観教授の主張、すなわち、実物に触れることを重視する教育理論に基づく
    校外学習の要素と、古くからの物見遊山(ゆさん)の系譜を引く慰安(いあん)、親睦(しんぼく)
    要素の三者を、あわせ目的とする形で実施されたもので、
    その点でも今日の修学旅行の原型をなすものである。    
日本一の修学旅行先 (回答総数1万8462人)
順位 旅行先(所在地) 回答数(人)
1位 清水寺(京都) 6803
2位 金閣寺(京都) 5199
3位 広島平和記念公園(広島) 4801
4位 日光東照宮(栃木) 4471
5位 法隆寺(奈良) 4316
6位 東京ディズニーリゾート(千葉) 2476
7位 長崎平和公園(長崎) 2044
8位 国会議事堂(東京) 1685
9位 ひめゆりの塔(沖縄) 1538
10位 東京タワー(東京) 1406
朝日新聞の「アスパラクラブ」会員のアンケートより
2008.10.15「be」掲載
タレント・パックンと編集部で候補を選択
修身教育(しゅうしんきょういく) : 「修身」とは、身を正しく修めて立派な行いをするように努める、と言う意味で、
    修身教育とは、「自分の行いを正しくするよう、身を慎むことのシツケ教育」のことだと言われている。
    戦前、我が国では小・中学校において学校教育に「修身」と言う科目があり、
    古今東西の偉人・賢人達の具体的エピソードを通じて「正直・謙虚・礼儀・勤勉・公益・勇気」と言った
    儒教的な道徳に基づく科目を子供たちに教えていて、筆頭教科に位置付けられていた。
    終戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は国史・地理と並んで修身を軍国主義教育とみなし、
    授業を停止する覚書きを出した。教育勅語も1948(昭和23)年6月に衆参両院で
    排除・失効が決議されて廃止となった。1950年代に入り、いわゆる「逆コース」の流れの中で、
    理性ある社会人を育てるものとして改めて復活したのが「道徳」である。
    修身は大東亜戦争(太平洋戦争)後の道徳に相当するものとも考えられるが、
    道徳と修身とは語感が多少異なる。道徳とは人が守るべき規範の意味であり、
    努力といった人間の資質の向上の意味が薄いようだが、
    修身は「人間の資質の向上」の意味が強いとされる。

    「修身教育」の復活を考えては
    (2010.3.16、朝日新聞「声」より、大分県日田市の橋本 睦雄さん(77歳)の投稿文紹介)
     最近、虐待を伴う子殺し事件が相次ぎ、嘆かわしい限りだ。もちろん、政治、教育、福祉に
    携わる方々は、相応の努力をされていると思う。しかし、厚生労働省の統計によると、
    2008年度の「全国の児童相談所で対応した児童虐待相談対応件数」は約4万2千件もあり、
    1998年度の6倍以上である。この現実をどう理解すればいいのか。
     私は、「修身教育」が戦後廃止されたことが、その一因にあると思っている。
    ただ、私は戦前戦中の修身教育をすべて肯定するものではない。
     昔、修身教育の中で、親に孝養をつくすこと、兄弟仲良く、夫婦は相和し、友とはお互いに信じ合い、
    他人には博愛の精神をもって接し、自らには厳しく、1人はみんなのために、
    みんなは1人のために生きることなどを、しっかり教え込まれた。
    そして、この科目だけは特別で、校長自らが教壇に立っていたのを思い出す。
     吸収力の盛んな子供の時期にこそ、人格形成の教育を正科目として取り上げ、
    徹底させることが、長い目で見て実に大切なことだと確信する。「三つ子の魂百まで」だ!!
     私も橋本さんの考えとまったく同じで、修身教育は必要だと思う。
    戦後の弊害はPTAのでしゃばり過ぎと日教組だと思う。
    先生がしつけのために指で鼻先をパチンとしただけで、教育委員会に言い付けたりするので、
    指導意欲のある先生までも委縮してしまい、昔のような熱血先生は一人もいなくなった。
    生徒には当たり障りのないよう教育をするものだから、生徒からバカにされ授業もままならない。
    私たちの小中学校の頃は先生は怖いというイメージが強かったが、
    今の子供は先生を何とも思っていないようで、そのくせ何かされるとすぐに親に言いつける。
    これがPTA総会などで校長に伝わり、先生がお叱りを受けることになる。
    金があるのに給食費を払わない親、たいした距離もないのに子供を車で送り迎えする親、
    授業参観日に一度も出ない親、子供の言い分だけで、すぐに学校に電話する親など、
    すでに親がまともな教育を受けていないと思われ、子供に家庭教育する資格はないようだ。
    先日の健康パークの例をあげると、サウナに入ると1人用の敷きマットが何枚も置きっぱなしに
    なっていた。水飲みに外に出ることもあるかと思うが、2回目に利用時にまだあると私はすべてを
    回収箱に持って出ることにしている。シャワーでも頭の上からかければよいのに真横に向けるので、
    せっかく拭いていた体が濡れてしまうのだ。施設によって異なるが、利用後は洗面器は椅子の上に
    伏せておくことになっているのに、洗面器に湯を入れたまま立ち去っている。
    サウナや浴槽の中で髭をそったり、サウナで横になっていたり、
    1人はみんなのためにという修身の心はまったくなくなっているのだ。
    ここまで堕落してきたからには、子供の時期の「修身教育」の復活しかないでしょう。
    修身教育が出来ない場合、ルール破りには高額な罰金を科せばよい。
    例えば優先席で携帯を使用した場合は1万円の罰金とか、
    空き缶やタバコの吸い殻を公道や公共の場所に捨てた場合は5万円の罰金でもよいと思う。
    シンガポールでは、チリ紙1枚捨てても5万円の罰金が科されるからか、
    街にはゴミ、吸い殻一つとないという。

授業料の減免(じゅぎょうりょうのげんめん) : 交通遺児、生活保護受給世帯や、
    市町村民税非課税世帯等の都道府県立高校の生徒が経済的理由により就学困難である場合に、
    学業を継続させることを目的として授業料の一部を減免する制度のこと。 参 : 就学援助
准教授(じゅんきょうじゅ) : 自分で研究し学生を教えているのに、「教授を助けるのが仕事」という
    助教授の職務規定が今の実態にそぐわず、国際的にも名称が通用しないことが理由で、
    中央教育審議会がポストを新設する制度改正案をまとめ、文部科学省がこれを踏まえ、
    学校教育法を改正し、2007年4月から大学の先生にできた新しい肩書きのことで、
    法改正であることから、国公私立を問わず大半の大学が対応する。
    だが、大学によっては、以前から助教授のほかに「準教授」や「准教授」がいるところもある。
    法改正は教員の自立性を促して、教育研究の活性化を図ることが目的である。
    今まで大学の教員は主に教授、助教授、講師、助手の4通りあったが、
    このうち助教授が准教授に変わった。名前が変わるだけでなく、
    法的な職務内容も「学生の教授・研究指導、または研究に従事すること」となる。
    地位は教授に準じるが、教授と同じ役割を担うことになる。
     また、現行の「助手」についても、研究者として教授を目指す人と、
    学部や研究室の事務作業をする人が混在しているのが実情で、
    この二者を分離して別々の職種を設けた。つまり、助手のままの人と助教になった人に分かれた。
    「助教」は、自ら研究して教壇にも立つ人で、
    新しい「助手」は、授業や研究の準備など補助作業が中心になる。
奨学金 = 奨学金(別掲)
小学校の授業時間増(しょうがっこうのじゅぎょうじかんぞう)
    2011年度から新しい学習指導要領が実施され、小学校の授業時間は
    2008年度に比べ各学年で35〜70時間増える。2009年度から算数や理科などで
    新要領に沿った内容の授業が先行して始まり、全学年で年34、35時間増えた。
    2011年度はさらに1年生で34時間、2年生で35時間増える。
小規模特認校(しょうきぼとくにんこう) : 市町村教育委員会が地域の事情に応じて指定できる
    学校選択制の一つで、正式には「小規模校入学特別認可制度」上の学校である。
    人数による教育のよさを生かし、個に応じた指導や自然を生かした体験的活動、
    会話科等の特色ある教育活動を展開する小規模校に、市内全域から通学できる制度である。
    豊かな自然環境に恵まれた小規模の学校で、自然に積極的にふれあい、
    地域との出会いや交流を大切にした教育活動の中で、豊かな人間性を培いたいと希望する
    児童・保護者に一定の条件を付して特別に入学・転学を認め、
    多様な教育の機会を創出し、児童・保護者のニーズに応えようとするものである。
    学校選択制はほかに、市町村内のどの学校でも就学できる自由選択制など4種類がある。
    小規模の特色を生かした学校で、市町村内の全域からの通学を教育委員会から認められている。
    市町村教委が小規模校の通学区域を市町村全域と指定することで、児童を集めやすくする。
    1997(平成9)年に当時の文部省が「通学区制度の弾力的運用」を通知したことで全国に広がった。
    2004(平成16)年度の文部科学省の調査によると、小規模特認校制を導入しているのは
    全国で小学校が74自治体、中学校は22自治体となっている。
    転入学を希望する保護者に必要な同意事項
     @特認校の教育活動に賛同すること。
     A通学は保護者の負担と責任で行うこと。
     B卒業まで通学すること。
常勤講師と非常勤講師(じょうきんこうしとひじょうきんこうし)
    常勤講師は正規教員と同じくフルタイム(週約40時間)働き、学級担任もできる。
    非常勤講師は「直接担当する授業時間だけ」「週20時間」といった限られた時間の指導を担う。
    いずれも、非正規の身分で教壇に立ちながら正規採用を目指す人が多い。
     月給は、たとえば大阪府の小中学校の場合、大卒の正規採用は、初任給が19万9700円、
    45歳では38万3500円、60歳は42万1500円。一方、常勤講師は初任給が19万5900円で、
    途切れず働き続けられたとしても45歳で31万円となった後は頭打ちに。
    非常勤講師は時間給で2790円と、さらに安い。(asahi.comより)
常用漢字表 = 常用漢字表(別掲)
新学期(a new school term)しんがっき : 新しく始まる学期。学期の初め。
    日本の新学期は「春4月」だが、アメリカ・カナダ・イギリスなどヨーロッパ諸国・中国はともに9月、
    オーストラリア・ニュージーランドは1月末から2月で、 長い夏休み明けのスタートが多い。
    タイは5月、フィリピンは6月、インドネシアは7月、こちらも長い雨期休み明けである。
    満開の『桜』とともに始まる新学期・新年度は、日本だけである。
正規教員と非正規教員(せいききょういんとひせいききょういん)
    正規教員は教員免許を持ち、都道府県・指定市の試験に合格して採用された人で、フルタイムで働く。
    非正規教員は教員免許を持ってはいるが、試験に合格していないなど正規として採用されていない人。
    2009年度は公立小中学校の教員全体(約69万8千人)のうち、正規が85%、非正規が15%を占めた。
     非正規教員にはフルタイムで働く常勤講師と、パートタイムの非常勤講師がおり、
    常勤講師は担任ができる。正規教員が産育休をとった場合の代替教員には常勤講師があてられる。
    給料の高さは正規教員、常勤、非常勤講師の順である。 参 : 常勤講師と非常勤講師

    非正規教員7人に1人<2009年10万5000人、財政難で毎年増>
     各地の公立小中学校で、正規採用の教員ではない常勤講師や非常勤講師が増え、
    2009年は約10万5千人と全体の15.1%を占めた。文部科学省の調査でわかった。
    この7年間で約3万7千人増えており、こうした「非正規教員」が7人に1人を超えるまでになっている。
     財政難の自治体が安い給料で済む非正規の採用に動いているためだが、
    任期が限られ、「教育活動の水準を保てない」と懸念する声が上がっている。
     文科省によると、全国の非正規教員のデータがあるのは2002年以降で、
    同年(5月1日)の人数は約6万8千人と教員全体(約67万3千人)の10.1%だった。
    以後、毎年増え続けており、2009年は約10万5千人に。全体の15%を占めるまでになった。
     内訳をみると、正規採用の教員と同じようにフルタイムで勤める常勤講師は
    2002年の約4万1千人から2009年には約5万7千人と38%増加。
     授業時間だけ勤務するなど、パートタイムで働く非常勤講師は2002年の約2万7千人から
    2009年には約4万8千人と8割近く増えた。背景には、少人数指導や35人以下学級を進めるため、
    給与のより安い教員で頭数をそろえようという自治体側の姿勢がある。国の規制緩和が後押しした。
     文科省は、1クラス40人を標準とした学級編成を2001年から都道府県レベルで弾力化。
    2006年には市町村も自前で教員を雇えば少人数学級に出来るようにした。
    2004年、教員給与の半分を負担していた義務教育費国庫負担制度を緩め、
    国の計算した総額ないなら、給与や人数を自由に決められるようにした。
    自治体側は人件費を抑制する動きを加速させ、非正規の採用が拡大した。
     自治体側には「少子化が進んで教員の数が過剰になっても、
    任期の限られた非正規教員を抱えておけば人数調整がしやすい」という思惑もある。
    ただ、非正規教員は「次年度も雇用されるあてがなく、学校側が人事などの計画を立てにくい」
    「特に非常勤講師の場合、児童生徒とのかかわりが細切れになり、
    生活全体を踏まえた指導ができない」といった問題が指摘されている。
全国学力調査(ぜんこくがんりょくちょうさ)
    「全国学力・学習状況調査」の略称で、「全国学力テスト」ともいわれる。
    原則として国公私立の小6と中3の児童・生徒全員を対象に行う国語と算数(数学)の学力テストのこと。
    国の「全国学力調査」としては43年ぶりの復活で、文部科学省が2007年4月24日に実施し、
    不参加を表明した愛知県犬山市を除く国公立の全小中学校と約6割の私立校が参加し、
    小6の117万人、中3が116万人の計233万人が受けた。基本的な学力を問う「知識」に加え、
    資料や文章を読み解いて考えをまとめる記述式の「活用」を盛り込んだのが特徴で、
    結果は2007年10月24日に公表された。2008年4月22日、
    2007年に引き続き全国学力テストが実施され、2008年8月29日に公表された。
    文科省が公表するのは▽国全体▽都道府県ごと▽市と町村など地域の規模に応じたまとまり、
    の結果(得点)のみで、市町村・学校別は、
    序列化や過度な競争が生まれることを理由に非公表を通達している。
     義務教育における機会均等や全国的な教育水準の維持向上の観点から、
    国における学力調査の質的な充実を図るとともに、
    都道府県等が実施する学力調査における共通のものさし作りの基盤を形成する。
    また、学力調査の結果に基づく検証改善サイクルの確立に向けた実践研究、
    全国学力・学習状況調査の結果等を活用・分析し、教育委員会や学校における効果的な取組や
    課題を明らかにし、改善につなげることが目的である。
     このため文部科学省は、2007年度概算要求で、世界トップレベルの義務教育の質の保証をかかげ、
    全国学力・学習状況調査を平成19年度から実施するために115億5300万円を予算に盛り込んだ。
     2011年度は東日本大震災を受け、被災地に配慮して全国調査としての実施を断念し、
    希望校だけに問題を配り自由に活用してもらう方式としたが、希望率は結局78%に達した。
    2教科とも主に基礎知識を問うA問題と、応用力を測るB問題に別れている。
    B問題は日常生活や実社会に出て使える学力をみる理念で、PISAの趣旨にも沿う。
    予備調査 : 文部科学省が、全国学力・学習状況調査を確実かつ円滑に実施するため、
     2006年11月6日から12月15日にかけて行われたリハーサルのこと。
     各都道府県ごとに小学校と中学校2校ずつ、計188校が参加したが、結果は発表しない。
     文科省は、出題傾向を知らせる狙いから、試験終了後に問題の一部をホームページなどで公表した。
    参 : PISA平成20年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料(HP)

    学力調査公表「府教委説明を」
     全国学力調査の市町村別結果の公表の是非をめぐって、橋下徹知事の発言がエスカレートしている。
    「公表しない市町村教委への予算配分を減らす」など脅しとも取れる発言もあった。
    一方、公表に前向きな首長も出てきて、市町村教委の受け止め方も非公表一色でなくなってきた。
    2008年9月10日には府教委が各市町村教委に公表を要請する。
     市町村教委の幹部からは、「まず府教委の説明を聞きたい」という声が多く上がっている。
    門真市教委の川本雅弘・学校教育課長は「調査は文部科学省、府教委の指導を受けながら実施した。
    府教委の説明が以前と変わったのであれば、その理由を十分に聞かなければならない」と話す。
     吹田市教委の黒瀬哲也教育監は「府教委からは何の連絡もなく、
    新聞報道だけで情報を得ている状態」といらだちを見せた。市幹部から「公表した方がいい」
    という声が上がっているが「教育委員など多方面の意見を聞かないと判断できない」と述べた。
     柏原市教委の前芳治・教育部長は「調査でわかったのはあくまで学力のごく一部」として改めて
    公表の弊害を指摘しながらも、教育委員会の検討結果次第では「公表の可能性もある」との認識を示した。
     大阪市の平松邦夫市長は取材に対し「個人的には、教育施策を考えるうえで、市町村別データは
    知っておきたい」との見解を示しているが、市教委は今のところ、非公表の立場を変えていない。
    柴山浩一・初等教育担当課長は「まずは府教委から直接見解、説明を聞きたい。
    それを持ち帰り、市長の思いも踏まえ、子どもたちにとってどういった対応が最良か判断したい」と話す。
     箕面市では既に倉田哲郎市長が5日、市教委に対して市の平均正答率の公表を要請している。
    市教委は10日の府教委からの要請を待って、臨時の会合を開く予定だが、
    重松剛教育次長は「いずれにしても市独自で判断すること」と慎重な姿勢を崩していない。
     府内の町村の中には、学校が一つしかなく、市町村別の結果公表が学校単位の公表になってしまう
    所もある。中学校が一つしかない千早赤阪村の山本澄雄教育長は
    「学校が特定されるやり方はしないという文部科学省の方針に反することになる」と訴える。
    ただし小学校については複数あることから「前向きに検討したい」とも話す。
    田尻町の場合は小中学校ともに1校ずつしかなく、
    町教委の森茂・教育次長は「ほかと同じように議論されるのはどうか」と不安をのぞかせた。
     橋下知事は8日、公表しない市町村への予算配分に差を付けると報道陣に繰り返したが、
    記者に「知事の主張する地域主権でない」などと指摘されると「まずいというならやり方を考える」と
    ややトーンダウンさせた。一連の発言については「知事の個人的な思い」(大阪・柴山初等教育担当課長)、
    「発言が一人歩きしている部分はある」(吹田・黒瀬教育監)など冷静な受け止め方が多い。
    堺市教委の石井雅彦・学校教育部長は「知事の意向いかんにかかわらず、
    公表は市教委が主体的に決める」と強調している。
    「(市町村別成績を)公表しないのなら、府が35人学級の予算を出す必要はない」とした
    大阪府の橋下徹知事の発言には異論はない。府教委が国基準よりも教員約370人を上乗せし、
    配置しているきめ細かな指導を目的にした「35人学級」だけでも年約30億円の予算を計上しているし、
    口出しするのはもっともで、府民には公表しなくとも知事に資料を提供するくらいいいでしょう。
    全国の市教委には、ホームページで調査結果を一般公開しているところもあり、
    一般公開に目くじらをたてることもないだろう。全国で最下位となった県には、
    「日本で一番頭の悪い県」と言われることもあるし、毎年どこかの県が最下位になるのでしょう。
    文科省の序列化や過度な競争が生まれるからという理由なら、県単位の公表も問題でしょう。
    国際学力調査(PISA)での世界レベルでも、日本の学力低下に歯止めがかかっていないことから、
    調査結果を公表して競争原理による学力アップを図ることは良いことだと思う。
    公立校で愛知県犬山市の1市だけの不参加は何なのだ。生徒個人でも学力を知る権利があるでしょう。
    こんな市には教育関連の補助金は減額すべきだ。

    「オカンに怒られた」橋下知事「くそ教委」今後は封印
     大阪府箕面市地元FM局の公開生放送に2008年9月7日、出演した大阪府の橋下徹知事。
    このときの「くそ教委」発言が物議をかもした。
     橋下知事は9月9日、全国学力テストの市町村別結果公表に消極的な市町村教育委員会などを指した
    「くそ教育委員会」との発言について、記者団に「以後は使わない」と述べて封印する意向を示し、
    その理由を「オカン(母親)にこっぴどく怒られた」と説明した。
    ただ、発言自体は「自分としてはそういう意識だ。撤回はしない」と明言した。
    橋下知事は母親から「ちょっと行き過ぎだ」「子どもに悪影響を与える」と怒られたことを明かし、
    「表現方法はうまく考えます」と述べた。また、テスト結果を開示しない市町村に
    予算をつけないとした発言は「(市町村の)首長に確認して協議したい。
    おかしいと声があるのに命令するのは分権の趣旨から外れるかもしれない」と修正した。
    ちなみに、2008年度の大阪府の結果は
    【小学6年】国語A42位、国語B45位、算数A36位、算数B34位
    【中学3年】国語A45位、国語B45位、数学A43位、数学B45位
    (順位は47都道府県中。Aは知識、Bは応用力)
    頭を良くするには母乳で育てる、食事は3食きっちり摂る、ということが大切だそうで、
    昔の人のほとんどはこのことを守り、多くの偉人がでたそうな。
    そういえば、母の乳の出が悪くて半分がヤギの乳だったことから、私の頭はもう一つなのかもしれない。
    我が山口県もランクは下の方で偉そうなことは言えないが、大阪ともどもがんばりましょう。

全国体力調査(ぜんこくたいりょくちょうさ) : 全国体力・運動能力、
    運動習慣等調査(ぜんこくたいりょく・うんどうのうりょく、うんどうしゅうかんとうちょうさ)のことで、
    2008年度より日本全国の小学5年生、中学2年生全員を対象として始まった、
    スポーツテストのことである。一般には、「全国体力テスト」「全国運動テスト」とも呼ばれている。
    全国学力調査の体育版として、子どもの体力向上に生かす目的で実施される。結果は国全体の
    平均のほか、都道府県別や地域の規模別に公表し、市町村や学校、児童生徒本人にも提供される。
    調査種目 : 実技調査が握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・
     20mシャトルラン(中学2年生は、持久走との選択制)・50m走・立ち幅とび・
     ソフトボール投げ(中学2年生は、ハンドボール投げ)の8種目。
     併せて、生活習慣や食習慣、運動習慣などを調査する。
    前回までは原則小中全校参加だったが、事業仕分けで「抽出率を絞るべきだ」と指摘を受け、
    2010年は小中学校の各19%を抽出する形で実施された。
    別に6〜79歳を対象とする体力調査も行われている。
専門学校(a special [professional] school)せんもんがっこう
    1976(昭和51)年に学校教育法に基づいて誕生した「専修学校」のうちの一つで、
    高等学校卒業者を対象に職業教育をする専門課程のこと。
    1〜4年制まで様々な形態があり、各種の検定合格や資格取得のために必要な実践的な教育をする。
    専門学校は、大きく分けての次の8つの分野に分かれている。
     【 工業分野 】、【 農業分野 】、【 医療分野 】、【 衛生分野 】、【 教育・社会福祉分野 】、
     【 商業実務分野 】、【 服飾・家政分野 】、【 文化・教養分野 】。
    2003年5月現在、全国に2,964校あり約68万5千人が通っている。
    高校を卒業した生徒の2割近くが専門学校に進んでいる。
    「専修学校」とは、「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ること」を
    目的とし、(1)修業年限1年以上(2)年間授業時間800時間以上
          (3)生徒数40人以上で組織的な教育を行う、と定められている。
    この「専修学校」は、入学資格により次の3つの課程に区別されている。
    @専門課程・・・・・・高校を卒業した人が対象。
     専門課程のある学校が「専門学校」と称することができる。
     また次の要件を満たす専門課程の修了生には「専門士」の称号が与えられることになっている。
      A.修業年限2年以上。
      B.卒業に必要な授業時間が1,700時間以上。
      C.原則として試験により成績評価を行い、その評価に基づいて卒業認定を行っている。
    A高等課程・・・・・・中学を卒業した生徒が対象。
                この課程を設置している学校は 「高等専修学校」と称することができる。
    B一般課程・・・・・@、A以外で、入学資格の制限はない。
    修業年限が3年以上の中等学校卒業者に高等の学術・技芸を授けた旧制の学校も
      専門学校の一つだが、学制改革により新制大学となったものが多い。
専門職大学院(せんもんしょくだいがくいん) : 正式名は「教員専門職大学院」で、
    「学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び
    卓越した能力を培うこと」を目的とする大学院のことで、2003年度から制度化された。
    しかし、基本構想は2005年6月に固まったばかりで、現職教員を対象に授業内容を向上させ、
    さらに学校運営の中心的な役割を担うための実力を養い、
    学部の卒業生を「即戦力教員」に育てることを目指す。2007年4月の開校を予定している。
    大学院は、「学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる
    職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与すること」を目的としている
    (学校教育法第65条)。その中で特に高度専門職業人を養成する大学院が専門職大学院である。
    専門職大学院には、専門職学位課程がおかれ、標準期間は、通例2年であるが、
    専攻分野の特性により特に必要があると認められる場合は、1年以上2年未満である。
    修了するには、各専門職大学院が定める30単位以上の修得その他の教育課程の履修により
    課程を修了することとされている。専門職大学院の教員は、通常の大学院の教員と異なり、
    専門分野に関し高度の教育上の指導能力があると認められなければならない。
    また、博士の学位を求められないなど通常の大学院と異なる。
    「法曹に必要な学識及び能力を培うこと」を目的とする専門職大学院は法科大学院を始め、
    ビジネスや会計、公共政策などさまざまな分野で整備が進んでいる。
    標準期間は、通常の専門職学位課程と異なり、3年である。
    修了するには、各法科大学院が定める93単位以上の単位を修得しなければならない。
    専門職大学院の授与する学位を総称して専門職学位というが、法科大学院は法務博士(専門職)、
    その他の専門職大学院において授与する学位を○○修士(専門職)(○○内は専攻名)が授与される。
    法科大学院が授与する専門職学位は呼称上は外国のロースクールに倣い、
    博士と表記された学位を称することができるが、学術上の評価は修士相当とされている。
    また、専門職大学院という制度自体がはじまったばかりではあるが、司法制度改革の一環とはいえ、
    法科大学院だけが特化した形で優遇されている専門職大学院の制度自体は
    今後見直しの要望も高まることが想定される。
大学入試センター試験(National Center Test for University Admissions)
    だいがくにゅうしせんたーしけん : 正式名称は「大学入学者選抜大学入試センター試験」であるが、
    一般には「センター試験」と呼ぶ場合が多く、一般的な呼称が「大学入試センター試験」であり、
    受験生の間では「センター」「セ試」で通じる場合が多い。
    また大学入試の願書等でDNCと記載されることもある。
    1990(平成2)年以降、1年に1回、1月13日より後の最初の土曜日・日曜日の2日間にわたって
    行われる大学の共通入学試験で、大学入学志願者を対象とし、高等学校における基礎的な
    学習の達成度を判定するために独立行政法人・大学入試センターが実施する。
    全国すべての国公立大学と多くの私立大学が採用し、各大学・学部は、教科・科目等を自由に
    選択指定し、2、3月に各大学が行う学力試験や調査書、面接、小論文、実技等と組み合わせて
    入学者を判定する。国公立大学共通一次試験が大学共通一次試験と改められ、
    さらに改称し現在に至る。利用大学は増え続け、2011年1月は829大学・短大になる。
    国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の各教科から出題される。
    1979(昭和54)年度から国公立大学が共同で利用した共通第一次学力試験に代えて、
    私立大学も利用できるように1990年度から現在のセンター試験が始まった。
    参加する大学・短大が自由に教科・科目を指定できる「アラカルト方式」をとり、
    学部学科試験での利用方法は任されている。成績は、利用大学が志願者の試験結果を
    センターに請求して、提供を受ける。 参 : 大学入試センター(HP)
大学の情報公開義務化(だいがくのじょうほうこうかいぎむか) : 全国約780校の大学、大学院、
    約400校の短期大学すべてに対して、2011年度から入学者数や学部の教育上の目的などの情報を
    ホームページ上などで公開することが義務付けられることになった。高校生が大学を選ぶ際に、
    これまで情報が見えづらく塾などの情報に頼らざるを得なかったことなどから制度改正に至った。
    受験生らへの情報提供のほか、質向上に向けた大学の取り組みを促す狙いもあり、
    よりわかりやすい形で情報を公開していくことが大学側に求められている。
    公開内容は第三者機関が審査、公開が不十分だと、国からの補助金が減額される可能性がある。
    公開が義務化される大学情報
     ●学部、学科、課程などの名称
     ●教員組織、教員数、教員の学位・業績
     ●入学者数、定員、在学者数、卒業者数、進路、就職者数、教員数、教員の業績
     ●学部・学科・課程・研究科・専攻ごとの教育研究上の目的
     ●授業科目、授業の方法や内容、年間授業計画
     ●修業年限に必要な修得単位数、取得可能な学位、卒業の認定基準など
     ●所在地や交通手段、キャンパス、施設、課外活動など
     ●授業料、入学料などの費用、授業料減免の概要
     ●学生の支援組織、利用できる奨学金概要
    ※中退率は義務化の対象外
大学の認証評価 → 認証評価
体罰(たいばつ) = 体罰(別掲)
単位制高校(たんいせいこうこう) : 日本の教育制度にある学校の種類の一つで、学年の区分を取り払い、
    3年間で必要な授業科目を単位と呼ばれる学習時間数に区分して修得していく方式を採用している
    新しいタイプの高等学校のこと。卒業時に必要単位数(最低74単位以上で各高等学校が定める単位数)
    を取得すると卒業することが出来る。
    1988年度から定時制・通信制で導入され、1993(平成5)年度から全日制でも設置が可能となった。
    学年制の高校では、各学年で学ぶ科目がほとんど決められているが、
    単位制高校では必修科目以外は多くの選択科目の中から、 自分で学ぶ科目を決めていくことができる。
     文科省によると、定時制単位制高校は現在、全国に317校ある。卒業までの年数はさまざまで、
    2008年3月卒業見込みの人では、3年間が全体の62%、4年間が16%、5年間が4%である。
    99%は中学卒業後すぐに入学するが、20歳を越えて入学する人もいる。
    単位制高校の特色
     ●子どもたちの個性や希望を取り入れた学習プランの作成ができること
     ●多様な教科・科目の設定ができること
     ●少人数のクラス編成によって、わかりやすい充実した授業が実施できること
     ●多様な子どもたちに応じたカウンセリング体制の充実が図れること
     ●学校での学習活動だけでなく、大学や専門学校での学習や、ボランティア活動、
      インターンシップ、あるいは資格取得の成果を単位として認定できること など。    
学年制と単位制の違い
項 目 単 位 制 学 年 性
入学・卒業 学期の区分で入学、卒業が可能 4月入学、3月卒業
進  級 留年の概念がなく、
必要単位を修得すれば卒業できる
●一定の単位数を修得しなければ
 進級できない
●留年すると当年度の履修単位は
 留保される
時 間 割 教員の指導のもとに自分で作る 学校が定める
学習集団と生活集団 ●学習集団と生活集団は異なる
●異年齢集団での学習もある
基本的に、学習集団と生活集団は同じ
学校開放 生涯学習講座や、
生徒とともに社会人が学ぶ
聴講制度など、広く地域に開放できる
休業日などに開放講座を実施
単位とコマ(たんいとこま) : 1コマ50分の授業を35コマ受けると1単位となるのが標準である。
    高校必修科目の履修漏れ問題で、2単位分の70コマを履修するには、
    1日6コマの授業を受けたとして約12日が必要だが、文部科学省の救済策で
    50コマに軽減されれば約8日で済む。 参 : 高校の単位制度
中央教育審議会(Central Council for Education)ちゅうおうきょういくしんぎかい : 中教審。
    文部科学省に置かれている審議会の一つ。もとは文部大臣の諮問機関であり、
    1952(昭和27)設置された。その後、2001(平成13)年の中央省庁再編により、
    旧文部省の中央教育審議会を母体にしつつ、生涯学習審議会、理科教育及び産業教育審議会、
    教育課程審議会、教育職員養成審議会、大学審議会、保健体育審議会を統合して発足した。
    文部科学大臣の諮問に応じて、教育の理念・目的・制度・方向性あるいは
    教育・学術・文化に関する基本的な重要事項について調査・審議し、
    またこれらに関して文科相の諮問に対し答申する機関である。文科省からは独立した機関であるが、
    委員は文部官僚が指名するので、実質は文部官僚の方向性と一致する。
    中央教育審議会の事務
     @文部科学大臣の諮問に応じて、教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした
      豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に関する重要事項、
      スポーツの振興に関する重要事項を調査審議し、文部科学大臣に意見を述べること。
     A文部科学大臣の諮問に応じて生涯学習に係る機会の整備に関する重要事項を調査審議し、
      文部科学大臣又は関係行政機関の長に意見を述べること。
     B法律や政令により中央教育審議会の権限に属させられた事項を処理すること。
    中央教育審議会には課題の性質別に分科会がおかれ、審議会本体と分科会には
    それぞれ部会がおかれることがある。これらの分科会や部会と合わせて審議を行っている。
    参 : 学習指導要領
中学生の職場体験 = 中学生の職場体験(別掲)
中等教育学校(secondary school)ちゅうとうきょういくがっこう : 1998(平成10)年の
    学校教育法改正により、新たに定められた校種で、前期中等教育(中学校などにおける教育)と
    後期中等教育(高等学校などにおける教育)が完全に一体化した6年制の学校のこと。
    小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育並びに高等普通教育及び
    専門教育を一貫して施すことを目的とする。高校入試はなく、外部の中学から入ることはできない。
     中高一貫教育には他に、中学と高校が別だが内部進学者は高校入試のない「併設型」と、
    既存の公立中学と高校が提携する「連携型」がある。併設型は高校からの入試合格組も受け入れる。
    併設型には高校入試があるが、面接や作文などで済ませるところが多い。
     文部科学省によると、公立の中高一貫校は2006年4月の時点で
    全国に132校ある(併設型と連携型は中学・高校1組を1校として集計)。
    中等教育学校は一般的に6年間を通したカリキュラムを組む必要があり、
    そのための人材や予算が必要なため、15校にとどまっている。
通信制高校(correspondence education of upper secondary scool)つうしんせいこうこう
    高等学校通信教育。高校の教育課程のひとつである「通信制課程」が置かれている高校のこと。
    戦後の学制のもとで始まり、1948(昭和23)年、全国82校に設けられた。
    通信教育指導要領に「勤労青少年はもちろん広く一般成人に対して教育の要求をみたし、
    進学の機会を与える大きな意味を持つ」とうたわれた。
    通信制は全日制、定時制と並ぶ教育課程で、学校教育法により、修業年限は3年以上と定められている。
    個々に合ったペースで学習し卒業資格を取得することができるため、
    勤労者や不登校者、中退者、学業不振者に適したスタイルとして注目されている。
    基本的に自学自習により、課題の添削(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験(テスト)などを通じて
    単位を取得する。これらの学習活動をしないまま次年度の履修登録をしなかった生徒を「休眠生」と
    呼んでいるか、休眠生は増え続け、実際に活動する生徒(活動生)を大きく上回っている。
    学年制よりも単位制が多く、個人の進度で学習をすすめていくことが可能なため、
    最短では3年、在籍期間を活用して10年以上かけて卒業する人もいる。
    1961(昭和36)年には独立校としても設置できるようになった。
    2010年度学校基本調査では公立72校、私立137校があり、生徒総数は約18万7千人。
    参 : 通信制高校ナビ(HP)
デジタル教科書(でじたるきょうかしょ) : 情報通信技術を使った電子教材の総称で、
    ソフトの内容は文部科学省の検定を経た従来型の紙の教科書に沿っているが、
    画像を拡大したり、アンダーラインを引いたりといった加工が容易なのが特徴である。
    パソコンで読み込み、教科書と同じ内容を電子黒板やテレビなどに拡大表示でき、
    そこに出ている画像を動かしたり、画面上に書き込みをしたり、
    グラフなども歴年の変化を表現することができる、デジタル化された教科書である。
    現在は大型のスクリーン(電子黒板)に文字や画像を映す「指導者用」が主流だが、将来的には
    紙の教科書のように児童・生徒一人ひとりが手元のパソコンなどで読む「学習者用」が想定されている。
    総務省は2015年までにすべての児童・生徒にデジタル教科書用の情報端末を1台ずつ配布する方針。
    2010年秋10億円の予算で全国の公立小学校10校を対象に実証実験を始める。
    文部科学省も2010年4月から導入に向けた有識者懇談会を始めた。
    政府は2020年までに全小中学校生への導入を検討している。
    参 : デジタル教科書教材協議会(DiTT−HP)
道徳教育(どうとくきょういく) : 徳育。社会において望ましいと考えられている価値観や
    価値体系に基づく道徳的判断力・態度や行動様式を身につけさせるための教育。
    「道徳性の発達を促す教育」で、目標は、主体的に考え、判断し、行為し、
    責任を取ることができる「自律的な人間」、すなわち自己を確立し、他者と共感し、他者の人権を尊重し、
    自然や人間を超えたものに畏敬の念を持ち、一人の意味ある構成員として社会に積極的に関わっていく、
    そのような豊かな人間性をそなえた人間の育成をすること。
    小中学校学習指導要領の学校における道徳教育 : 学校の教育活動全体を通じて行うものとし、
     道徳の時間をはじめとして、各教科、特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じて
     適切な指導を行わなければならない。
     小中学校道徳教育の目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、
     人間尊重の精神と生命に対する畏敬(いけい)の念を家庭、学校、その他社会における
     具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び
     国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓(ひら)く主体性のある
     日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこととする。
     中学校では第3章の「道徳」で、道徳教育の目標は、前項の目標に示すところにより、
     学校の教育活動全体を通じて、道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。
     道徳の時間においては、以上の道徳教育の目標に基づき、各教科、特別活動及び
     総合的な学習の時間における道徳教育と密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によって
     これを補充、深化、統合し、道徳的価値及び人間としての生き方についての自覚を深め、
     道徳的実践力を育成するものとする。として追加説明がある。
     道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童及び児童相互の人間関係を深めるとともに、
     家庭や地域社会との連携を図りながら、ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して
     児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。としている。
      学習指導要領では、小中学校では週1時間程度の「道徳の時間」があるほか、
     前述の「学校の教育活動全体を通じて行うもの」とされており、
     高校では「現代社会」や「倫理」などを中心に、教育活動全体を通じて実施されることになっている。
      小渕・森内閣の教育改革国民会議2000年、
     小学校に「道徳」、中学校に「人間科」、高校に「人生科」を設けることを提言し、
     文科相の諮問機関である中央教育審議会でも道徳教育の見直しが検討されている。
     一方、「修身」が必修だった戦前の反省から、教科とすべきでないとする声も多い。

    日本人は元来、両親・年配者を敬い、規律正しい民族であったが、
    戦後は欧米化の波に押され、横文字が氾濫し、かつての日本人らしさは影をひそめ、「やまとなでしこ」も
    日本の「とき」と同じく絶滅してしまった。乗り物や公共の場所で平気で携帯電話を使用したり、
    喫煙場所以外でたばこを吸い、投げ捨てる。車からもたばこの他、空き缶やゴミを投げ捨てる。
    家電リサイクル法などで家電製品やパソコンなどに回収料が徴収されるようになると、山中や
    河川・海中に不法投棄するなど、多くの日本人が交通ルールも含めて社会のルールは平気で破り、
    公共物やシャッターへの落書きなど、人のいやがることを平気でするようになったからには、
    道徳は教科に格上げし、修身も副読本扱いにし、幼少の頃からの教育で、規律正しい日本人に
    戻した方がよい。悪いことをしたよその子を叱ることなく、自分の子だけ猫可愛がりし、
    塾に通わせておけば教育は万全とする親がいる限り、学校での道徳教育が重要となる。
    政府の教育再生会議が2007年3月29日の学校再生分科会で、「道徳の時間」を
    国語や算数などと同じ「教科」に格上げし、「徳育」(仮称)とする提言には大賛成である。

特別支援学校(とくべつしえんがっこう) : 障害により学習上・生活上の困難がある子どもに対して、
    特別支援教育の理念に則った教育を行う学校で、従前の盲・聾(ろう)・養護学校が、
    2006年の学校教育法改正により、2007年4月から「特別支援学校」に一本化された。
    視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は、病弱者(身体虚弱者を含む)に対して、
    幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による
    学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。
     特別支援学校は幼稚部、小学部、中学部、高等部に区分される。
    また、地域の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校の要請に応じて、特別支援の
    必要のある幼児・児童・生徒の教育に関し必要な助言や援助を行うよう努めることとされている。
    このことから、特別支援学校は地域の特別支援教育センター的な役割を担っている。
    更に、特別支援教育の趣旨・目的に基づき、従来の障害に加えて、学習障害(LD)や
    注意欠陥多動性障害ADHD)、高機能自閉症などの幼児・児童・生徒にも、
    地域や学校において総合的で全体的な配慮と支援が行われる。
    なお、小学校、中学校、高等学校および中等教育学校に、
    教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置かれた学級については、
    「特別支援学級」に呼び名が変わった。
     施設や設備面を充実させるため、文部科学省は2007年7月24日、
    特別支援学校整備指針を改定した。複数の障害に対応する場合の配慮や、
    保護者向けの相談室や近隣の小中学校の教諭も利用できる研修室の設置を求めている。
特別支援教育(special support education)とくべつしえんきょういく
    日本の障害児教育の新しい呼称で、障害がある子供への教育のこと。
    2001年の春から文部科学省は、旧来の特殊教育という言い方に代わって、この呼称を使用している。
    2006年6月15日に「学校教育法等の一部を改正する法律案」が可決・成立し、
    6月21日に公布されたことで、特別支援教育は知的障害や肢体不自由などの
    児童・生徒を対象にした「特殊教育」の体系を改め、2007年4月から正式に実施される。
    学校教育法でいう特殊学級の対象は、言語障害児や情緒障害児はもとより、
    LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の子どもたちも支援されることになった。
    2006年6月に成立した改正学校教育法では、「その他心身に故障のある者で、
    特殊学級において教育を行うことが適当なもの」が「その他教育上特別の支援を必要とする
    児童・生徒及び幼児」という文言に変わった。
    盲・ろう・擁護学校は複数の障害に対応する「特別支援学校」に一本化され、
    小中学校の特殊学級は「特別支援学級」になった。通常学級に在籍するLDや
    ADHDの子供が新たに対象に加わり、小中学校は必要に応じて別教室で特別指導するなど、
    一人ひとりの教育支援計画を作って対応する。
    普段は通常の学級で授業を受け、障害に応じた特別の指導や支援を「進級指導教室」で受けられる。
    参 : 特別支援教育センター(HP)、特別支援教育(愛知県総合教育センターHP)
日教組(Japan Teachers Union:JTU)にっきょうそ
    「日本教職員組合(にほんきょうしょくいんくみあい)」の略称。
    日本最大の教員・学校職員による労働組合の連合体。「国立・公立・私立の幼稚園、小学校、
    中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校などの教職員で構成する組合と、
    教育関連団体スタッフによる組合を単位組織とする連合体組織」と自己規定している。
    現状では小学校、中学校、高等学校の教職員が、組合員の大半を占めている。
    日本労働組合総連合会(連合)に加盟している。
    「お国のために死ね、と教えた戦前の教師が、教え子を再び戦場に送らないように」と
    誓いを立てたのが原点になっていて、平和運動に力を入れてきた。このほか発足の宣言では、
    「教職員の待遇改善と、社会的・政治的地位の向上」を掲げ、「ほかの労働者や農民と協力し、
    豊かな民主主義教育・文化の建設に邁進(まいしん)する」としている。
    教職員定数の改善をはじめとする教育条件整備などを主な目的として活動を行っている。
    2008年6月30日現在、76単組、組合員数は約29万1000人、加入率は28.3%となっているが、
    福井県の80%という高い加入率をトップに、最下位の栃木県の0.1%未満まで大きな開きがある。
     日教組は、戦後すぐの1947(昭和22)年6月8日、3つの教職員団体が合同し、
    奈良の橿原(かしはら)スタジアムで生まれた。当時奈良は戦災をまぬがれ、宿舎があったからだという。
     日教組は年1回、教育現場の実践から学び合う「教育研究集会」を開く。
    会場には毎年、右翼の車が集結して街宣活動をする。
    だから、会場管理者が貸すことを嫌がるケースが過去にもあった。2009年2月には、
    グランドプリンスホテル新高輪が東京高裁の決定を無視して使用を拒否して問題になった。
    参 : 日本教職員組合(HP)
認証評価(Accreditation)にんしょうひょうか : 大学・短大・専門学校が行った
    教育研究等の状況についての自己点検・評価を、文部科学大臣の認証を受けた者(認証評価機関)が
    加えて評価することで、2004(平成16年)度から7年に1回
    (法科大学院を含む専門職大学院は5年に1回)、3つの機関のいずれかの定期的評価(認証評価)を
    受けることが義務づけられた(学校教育法第69条の3)。この制度を「認証評価」制度と呼んでいる。
     認証機関が定めた基準に「不適合」や「不認定」とされても行政処分の対象にはならないが、
    評価が公表されるため学生集めなどに影響が出る可能性がある。
     5年に1回の評価を義務付けている専門職大学院のうち、法科大学院だけは、
    「不適合」などと評価されると、文科相から詳細な資料の提出や聞き取り調査を求められる。
    その結果、法令違反が見つかれば、改善勧告などの行政処分が出されることもある。
    認証マーク : 大学基準協会の大学評価を受け、評価基準に適合した大学として認定公表されると、
     大学基準適合認定証とともに大学に交付されたものであり、その大学が常に自己点検・評価に
     取り組んでいること、そして社会に対して大学の質を保証していることを示すシンボルと言われている。

    愛知大、法科大学院初の不適合、認証機関「受験に偏重」
     法科大学院を評価する認証機関の「日弁連法務研究財団」は2008年3月26日、
    愛知大法科大学院(名古屋市)について、「不適合」と判定したと発表した。
    カリキュラムや授業内容が「受験対策に偏っている」とされた。
    新司法試験制度のもとで法科大学院が2004年に開校して以来、「不合格」の判定が出たのは初めて。
     評価結果によると、3年生の4科目で、時間内に試験形式で答案を書かせる「答案練習」形式の
    授業を必修としているほか、司法試験で重視される法律基本科目に授業が偏っていた点などを指摘し、
    司法試験対策に過度に偏重した面があったとしている。
     財団の担当者は「大学は、合格率を意識しすぎている。予備校が法科大学院をやっているような状態だ。
    創造的、批判的な検討能力や法的分析力が養われるかは疑問だ」などと指摘した。
    愛知大は、2006年に実施された初めての新司法試験で13人が合格。
    7割以上の合格率は、全大学院の中でも3位となり、注目を浴びた。
     今回の評価に対し、愛知大は同日、名古屋市内で堀彰三学長らが記者会見を開き、
    「評価を真摯(しんし)に受け止め改善に努めるが、意見を異にする部分もある」と不満をにじませた。
    加藤克佳・法務研究科長は「試験対策をしている意識はない。
    司法試験さえ受かればいいとも考えていない。大学の主張が理解されず大変残念だ」と述べた。
     愛知大は今後、試験形式で法律文書を作らせる講義などは取りやめるという。
    新年度は、問題視された科目を開講しないなど暫定的な対応にとどめ、
    2009年度から正式にカリキュラムを改めるとしている。
     このほか、今回の評価では、独協大が「必要な選任教員の人数を満たしていない」などの理由で、
    財団による再評価を受けるよう要請された。
    立命館大も、専任教員が答案練習会を開いていることが問題点として指摘された。
はんが甲子園 = はんが甲子園(別掲)
火育 = 火育(別掲)
必修科目(a required subject:米、a compulsory subject:英)ひっしゅうかもく
    履修過程の中で、すべての生徒が必ず学習しなければならない科目のこと。
    例えば、高校の学習指導要領では地理歴史の場合、『世界史A』及び『世界史B』のうちから一科目、
    ならびに『日本史A』、『日本史B』、『地理A』及び『地理B』の中から一科目の
    計2科目が必修になっている。「世界史A」は50分授業の70回分に当たる2単位、
    「世界史B」は140回分に当たる4単位が標準単位数として配当されている。 参 : 高校の単位制度
文化審議会(ぶんかしんぎかい) = 文化審議会(文化に別掲)
保育園 = 保育園(別掲)
法教育(Law Related Education:LRE)ほうきょういく : 法律の専門家以外の一般の人々に、
    法律に親しんでもらうと同時に、法に係わる基本的な知識、考え方、さらにはそれに必要な技能等を
    身に付けるための教育のこと。2005年5月、法務省に法教育推進協議会が設置され、
    また中央教育審議会で学校教育への導入に向けた検討が進められるなど、教育関係者と
    法曹関係者が連携し、広く社会の理解を得て、法教育を推進する体制の整備を目指すこととなった。
    小学校は2011年度、中学校は2012年度、高校では2013年度から導入される。
    参 : 日本弁護士連合会(HP)
     裁判員制度の導入などで、市民が法律的な素養をもつことが目的のようだが、
    その先には戦前の道徳・修身教育もちらついているような気がする。
    でも、今のルールを守らずに好き勝手なことをする“だらけた”日本の現状からすると、
    ある程度の修身教育も必要ではないかと思う。
    最も腹の立つものに「携帯電話」がある。●公共の車内で電話やメールをする
    ●車や自転車を運転中に使用して事故を起こす●静粛な劇場や館内などでマナーモードにしないなど、
    車内で携帯電話を出しただけで罰金5万円とするような罰則でも設けないと、
    ルールやマナー違反は永遠に野放し状態が続くでしょう。

免許外教科担任(めんきょがいきょうかたんにん) : 教員不足などを理由に免許を持たない教科を
    受け持つことを例外的に認める制度。教育職員免許法(昭和24年法律第147号)附則第2項において、
    ある教科の教授を担任する教員を採用することができない場合に、
    「教員の免許制度」の例外的な措置として、1年以内の期間を限り、
    都道府県の教育委員会が当該教科についての
    免許状を有しない教諭が当該教科の教授を担任することを許可する制度。
    免許外教科担任の許可を受けようとするときは、都道府県教育委員会の許可を受けなければならない。
    そして、この許可を行うに際しては、
    各都道府県教育委員会において具体的な審査基準を定めることとしている。
    「教員の免許制度」とは、教育職員免許法により、中学校の教員の免許状は、
    それぞれの教科について授与するものとされていて、
    中学校においてはそれぞれの教科についての免許状を有する教員による教育を行う制度。
    文部科学省教職員課によると、2003年度の免許外教科担任許可件数は
    全国の中学校で11,577件あり、5年間で毎年約1千件ずつ減っている。
    もともと山間地やへき地の学校が教員を確保できない場合の特例措置だった。
     千葉市立のある中学校で、社会科の授業を担当しているのが理科の先生で、
    その先生が「私は社会科が嫌いなのです」と言い、自習が多かったということだが、
    教育の機会均等からも許せないことだ。
    校長は「(生徒数が減り)教員数が減って全教科を専任の教師でできなくなっている。
    理解してほしい」と弁明しているが、高校受験を控える子供をもつ保護者にとっては納得できないだろう。
    千葉市教育委員会の担当者は「市で独自に講師を採用しているが、
    費用がかかるので限りがある」と話しているが、
    財政の苦しい市町村はまともな教育を受けられないことになる。
    戦後の混乱期に生まれたこそくな免許外教科担任制度は廃止し、
    義務教育にかかる費用は、国家財政で賄うべきてある。
    私は、一人の教員の免許状を多教科にわたり取得できるように改め、
    別途一教科ごとの特別手当てとすれば、
    生徒の少ない山間へき地校などでも教員不足の解消ができることの提案をしたい。
    1クラスのみの中学校に7人の専任教師がいたとすれば、1人が1時間の授業ですむことになるからね。
    現在のような中学校の教育レベルでは、卒業しても英会話もできないので、義務教育は6年とし、
    7年目からの6年を高校として進学と専門課程に進級する制度にした方が良いかもしれない。
    これから世界に羽ばたくには、広くて浅い知識より、中身の濃いエキスパートが必要になる。

森の幼稚園(もりのようちえん) : 自然体験を基本にして乳幼児の保育、教育をする活動の総称で、
    自然環境を保育の場として、特定の建物や囲われた敷地などのない幼稚園などをいう。
    デンマークが発祥の地で、その後、ドイツに伝わって、1990(平成2)年あたりから盛んとなり、
    国内では認可幼稚園から育児サークル、NPO法人など100以上の団体が運営している。
    デンマークやドイツのように年間を通して森で過ごすという例は少ないが、
    1〜2週間、清里高原などで「ミニ森の幼稚園」を体験するような幼稚園も現れている。
    2008年11月には「森のようちえん全国ネットワーク」が結成された。
    参 : 森のようちえん(森のようちえん全国ネットワークHP)、森林環境教育活動ネットワーク(HP)
モンスターペアレント(Monster parent:和) : 「怪物みたいな親」を意味する和製の造語。
    担任教師や学校に対し、自分の子に関する「理不尽な苦情」や「無理難題」など、
    常識の範囲を逸脱した要求や行動を突きつける「自己中心的な保護者」のこと。
    基本的には直接教員に非常識なクレームを突きつけることが多いが、
    校長や教育委員会など、より権限の強い部署にクレームを持ち込んで、
    間接的に現場の教員や学校に圧力をかけるという形式も増えている。
    また、なかには虚偽の告発をするなどして法的問題に発展させようとする場合もある。
     無理難題な苦情や要求には、●自分の子供はテニスが得意だが、学校にはテニス部がないので作ってほしい。
    ●下校途中に友達とけんかしてけがをしたので、学校は慰謝料を払ってほしい。
    ●模擬試験と運動会の日付が重なってしまったので運動会の日付を変えてほしい。
    ●子供はピーマンが嫌いなので、給食からピーマンを抜いてほしい。
    ●家庭の食事で子どもが「いただきます」と言わないのは、学校が給食の時に教えないからだ。
    ●宿題を忘れたぐらいで子供を怒るとは一体どういうことか? など様々なものがある。
    担任教師の中にはこのような苦情や要求に対応する過程で、精神的に追い込まれ、
    精神疾患や自殺に追い込まれる人もいる。モンスターペアレントは、なにも教師ばかりでなく、
    他の子供(生徒)や親までも迷惑を被っているのである。
    一部の学校や教育委員会からは、対策チームを設置したり、
    地域との連携強化を模索する動きも出てきている。
     なお、日本と同様に理不尽な要求を学校に出す保護者が社会問題化しているアメリカでは、
    彼らをヘリコプターペアレント(Helicopter parent)と呼んでいる。
    これは、学校の上空を周回するヘリコプターのように常に自分の子供を監視し、
    何かあればすぐに学校に乗り込んでくることからきている。
    
    私が小学生の頃、「先生に叱られた」と母親に言うと、いつも「お前が悪いからだ」の一言だった。
    中学生になったばかりの運動会の練習で、窪地に残っていた雨水をわざと音をたてて蹴散らしたと、
    先輩数十人が男性教師に殴られて鼻血が出た生徒や倒れて泥んこになった生徒がいたが、
    誰一人として学校に抗議した保護者はいなかった。私はPTA不要論を唱える一人で、
    学校に文句を言い過ぎる。通学路の交通整理当番すら過保護だと思っている。

ゆとり教育(cram−free education)ゆとりきょういく : 2002(平成14)年度から実施された
    「新学習指導要領」の通称で、マスコミが言い出した言葉とされる。
    「学習者に焦燥感を感じさせずに、ゆとりをもって基礎基本をきちんと身に付け、
    学習者自身の多様な能力を伸張させることをめざす教育のことであり、
    その一環として学習内容が3割削減され、教科書が薄くなり、
    週休2日制や教科書を使わない「総合的な学習の時間」の導入などが行われた。
    例えば、小学校で書けるようにする漢字が1006字から825字に、
    中学校で学ぶ英単語は約1千語から900語程度になった。
    「円周率は3.14ではなくて3で計算してよい」というのも、その一環であった。
     文部科学省は、1971(昭和46)年から進めてきた知育偏重の詰め込み教育への反省に立ち、
    1980年を皮切りに『ゆとり教育』へと転換を図り、1990年、2002年と改訂毎に、
    授業時間を大幅に削減してきた。この結果、1971年当時と今回の改訂とを比較すると、
    削減された主要4教科の授業時間は、小学校で1000時間、中学校で570時間にも及ぶ。
     ゆとり教育そのものは、昭和50年代の進歩主義の教育が「詰め込み」と批判されたことから
    導入された考え方であり、一言で言えば、授業時間と学習内容を削減することであった。
    ゆとり教育問題 : 1999(平成11)年ごろから、小中学校レベルの計算や漢字も分からない
     大学生がいることが問題になり、学力の国際比較でも、日本の子供たちの成績に陰りが見え、
     ゆとり教育が学力低下を招いたと批判された。それで、「これ以上教科書が薄くなれば、
     学力低下がますます進む」という不安が続出したことなどから、
     教育再生会議は授業時間を10%増やすことや、薄すぎる教科書の改善などを提言した。
    <教科書検定>ページ4割増、進む「脱ゆとり」
     文部科学省は2010年3月30日、2009年度の教科書検定結果を公表した。
    主な対象は小学校で2011年度から使われる教科書。学力低下批判を踏まえて授業時間を増やし、
    「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領に対応する初めての教科書で、
    全教科の平均ページ数(B5換算)は6年分で計6079ページと、「ゆとり」を強調した
    以前の教科書(2002〜04年度使用)と比べると42・8%(1821ページ)増えている。
     特に理科は67・3%、算数は67・0%も増えた。指導要領の範囲を超える「発展的な内容」の
    記載が認められた現行教科書(2005年度から使用)と比べても、理科は36・7%、
    算数は33・2%の増。全体では24・5%(1198ページ)増だった。
     算数の反比例や文字式(6年)、理科の食物連鎖(同)など、過去の指導要領改定で削減された
    学習内容が多数復活。国語は中学年で短歌や俳句、高学年で古文・漢文を学ぶことになる。
    改正教育基本法を踏まえて、日本の伝統文化に関する記述も拡充された。
     また、本来は中学の指導内容の一次方程式の問題を扱う算数教科書も登場。
    上の学年で習う漢字のルビ付き表記が増えている。
     今回申請があったのは小学校が9教科280冊で、すべて合格。
    検定意見は5551件付き、前回検定(2003年度)より2810件も多かった。
    現行の指導要領に対応した高校教科書も2教科5冊の申請があり、すべて合格した。
    参 : A14

    誰がゆとり教育を考えだしたのだ。週休2日制はサラリーマンの労働時間短縮のことで、
    春・夏休みや冬休みのある生徒に、土曜日まで休ませる必要はない。
    円周率は今まで通りの3.14で何が悪いのだ。使える漢字や英単語をコロコロ変えるな!
    審議会や再生会議などは1つに統一すればよい。教育は審議員の遊びの場ではない。
     ほら見ろ! ゆとり教育を実施したときに、問題点を指摘した通りになった。
    ゆとり教育の失敗から世界レベルで学力低下となり、あわてて2009年度から
    授業時間増や学習内容の復活をめざして「ゆとり教育」からの脱却を打ち出したのである。
    このおかしなゆとり教育を提案したのは誰で、おすみつき与えたのは文部省の役人は誰だったんだ。

幼稚園(ようちえん) : 小学校、中学校、高等学校、大学等と同じく、
    学校教育法に基づく満3歳から就学前の幼児を教育する機関で、文部科学省が所管している。
    幼稚園では「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、
    幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的」とし
    @満3歳以上の幼児を対象として、A学年単位で1年ないし3年の教育期間で、
    B1日4時間を標準に、C毎学年39週以上の教育を行う。なお、幼稚園は学校だが義務制ではない。
    1840年ドイツのF・フレーベルが世界最初の幼稚園を創設した。
    日本では1976(明治9)年に東京女子師範学校に付設されたのが最初である。    
幼稚園と保育園の違い (2008.12.26朝日新聞より)
幼稚園 保育園(法律上は「保育所」)
根拠法など 学校教育法、幼稚園教育要領 児童福祉法、保育所保育指針
所管庁 文部科学省 厚生労働省
対象児 満3歳〜就学前 0歳〜就学前の「保育に欠ける」子
基本の保育時間 4時間(預かり保育あり) 8時間(延長保育あり)
先生の資格 幼稚園教諭 保育士
保育料 幼稚園ごとに設定、定額 市区町村ごとに設定、所得に応じ負担
人数 167万人(3〜5歳児) 202万人(0〜5歳児)ほかに
無認可園約1万カ所に約23万人
ろう学校(ろうがっこう) : 聾学校。聴覚障害者(ろう者)の児童・生徒を対象に、
    幼稚部(幼稚園に相当)〜高等部(高校)、高等部専攻科に準じる教育を施し、
    併せて障害による困難を補うために必要な知識・技能を授ける学校のこと。
    制度上は2007(平成19)年4月1日から、改正学校教育法により複数の障害を対象にできる
    「特別支援学校」に変わった。しかし現在も、ろう学校の名称を残す学校も多い。2011年4月現在で、
    聴覚障害の子どもが在籍する特別支援学校は103校あり、児童生徒は約6400人。
    昔は「聾唖者(ろうあしゃ)」と言っていた。
    「聾」は聞こえないことを意味し、「唖」はしゃべることができないことを意味する。
    ちなみに、近年は「口話法」(唇の動きで話している内容を理解する)や補聴器の性能の向上などにより、
    ろうあ者でも音声を認識し、訓練すればある程度はしゃべる(発声・発話する)ことが
    できるようになったので「唖(あ)」の文字は消える傾向にある。




























































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