YSミニ辞典(ぽっくり・ぼけ関連)

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吉田寺(きちでんじ) : 奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1−1−23にある浄土宗の寺院で、
    俗に「ぽっくり寺」の名で親しまれ、年配の参拝者が多い。山号は「清水山」。
    本尊は、丈六(像高5m15cm)の「大和のおおぼとけ」と呼ばれる金色の阿弥陀如来坐像である。
    木造では奈良県下最大で、定印を結び、千体仏の光背を持っており、重要文化財である。同じく
    聖霊殿(聖徳太子を祀る)と1463(寛正4)年6月13日建立の多宝塔が重要文化財に指定されている。
    室町時代に創建の多宝塔は1辺3mあまりの小塔で、内部には大日如来像が安置されており、
    普段は秘仏となっているが、9月1,2日と11月1〜3日の5日間のみ特別公開される。
    第38代天智天皇が妹の「間人(はしひと)内親王」の冥福を祈って発願し、987(永延元)年に
    恵心僧都(源信)が開基した寺で、本堂の西側には妹の間人皇女を葬るといわれている古墳がある。
    恵心僧都は、母親の臨終の際に、除魔の祈願をした浄衣を着せかけると、なんの苦しみもなく
    安らかな往生を遂げさせたという伝説から「ぽっくり往生の寺」「ぽっくり寺」とされている。
    吉田寺にお参りして、本尊の丈六阿弥陀如来像に祈ると、長患いせず、腰から下の世話もかけずに
    ぽっくり往生できるという。さらに臨終の際にも阿弥陀如来のお迎えが得られ、
    安らかに極楽往生できるとされている。
    
    石造りの極楽橋を渡って山門に入る
    
    山門
    
    本尊丈六阿弥陀如来像の石碑と石灯籠
    
    境内に入って左側にある手水舎。水が変らないので本堂前の手水鉢を利用しましょう
    
    本堂前の手水鉢
    
    本堂
    
    同上
    
    多宝塔(大阪のK.Kさん提供)。左に本堂、右に鐘楼がある
    
    多宝塔
    
    同上
    
    袴付き「鐘楼」
    
    使われていた鬼瓦
    拝観時間 : 通年9:00〜16:00(拝観受付30分前まで) 拝観料 : 大人300円
    問合せ先 : 0745−74−2651
    アクセス : JR大和路線・近鉄生駒線王寺駅より奈良交通バスで8分、「龍田神社前」下車、徒歩すぐ。
            JR法隆寺駅よりレンタルサイクルで約10分。
    参 : 吉田寺(公式HP)、斑鳩町観光協会(HP)
痴呆(dementia)ちほう :  @愚かなこと。Aボケとも言われる痴呆症のことだが、
    「痴」「呆」の2字を使用したこの表現には「侮蔑的な意味合い」が含まれていることから、
    厚生労働省は2004年12月24日から「認知症」を使うことにした。
認知症(treatable dementia)にんちしょう
    一度獲得された知能が、後天的な大脳の器質的障害のため進行的に低下する状態。
    老年痴呆・進行麻痺・アルコール精神病・頭部外傷・癲癇(てんかん) ・分裂病などでみられる。
    痴呆老人は老年痴呆の状態の高齢者のこと。
    「痴呆」は医療界から一般にまで広く浸透した呼称であるが、
    「痴」「呆」の2字を使用したこの表現には「侮蔑的な意味合い」が含まれていると認められ、
    何もわからない・できないという誤解を生じる場合もあり、また、
    そのために痴呆と診断されることに恥ずかしさや恐れをいだき、
    予防や早期診断の妨げになっているとの指摘があった。このことから「痴呆」にかわる呼称を
    議論していた厚生労働省の検討会(座長・高久史麿自治医科大学長)は2004年12月24日、
    「認知症」が最適だとする報告書をまとめた。厚労省は同日から認知症を使うことにし、
    同省は同日、都道府県や関係する学会、日本新聞協会などに変更を求める通知を出した。
    法律上の用語は2005年の通常国会で関係法を改正した。
     認知症の最も大きな要因は加齢で、厚生労働省によると、高齢化に伴い患者数は年々増え、
    認知症のお年寄りは2010年10月現在、推定約200万人。
    団塊の世代が75歳以上の高齢者となる2025年には約1.5倍の323万人に増え、
    患者の割合は、65歳以上の6〜7%、85歳以上では4人に1人といわれている。
    2030年には「65歳以上の10人に1人が認知症」という時代がやってくる。    
他の症状との違い
譫妄 ウツ状態 認知症
発症 何日の夜からというように
発症時期を特定出来る
多くは何らかの契機がある。
例えば、身体疾患、
配偶者の死亡、転居など
進行性でゆるやか。
発症時期を特定できても
季節や年単位に発症
症状の
訴え方
一定しない 自分の物忘れなどの
症状を強調する
多少の物忘れに対する
自覚はあるが、
社会生活に支障を
きたしている自覚はない
応答 簡単な質問でも何回も
質問し直さないと
いけないことがある
はじめから「分かりません」
などという拒否的な答えが多い
質問をはぐらかしたり、
作り話しでごまかそうとする
異常の
内容
一定しない 自責的、自罰的 自分の失敗を他人の
せいにするなど他罰的
健忘症(単なる物忘れ)」と「認知症」の違い (自治医科大学のHPなどから)
健忘症(主に加齢によるもの忘れ) 認知症(記憶障害)
記憶力 ●体験の一部を忘れる
●食事に何を食べたか忘れてしまう
●約束をうっかり忘れてしまった
●物の置き場所を思いだせないことがある
●物覚えが悪くなったように感じる
●体験全体を忘れる
●食べたこと自体を忘れてしまう
●約束したこと自体忘れている
●置き忘れ、紛失が頻繁になる
●数分前の記憶が残らない
見当識 ●人の名前が出てこない
●場所はわかる
●月日はわかる
●人の顔を忘れてしまう
●場所がわからない
●月日がわからない
日常生活 ●支障がない ●支障がある
進行性 ●進行しない ●ゆっくりだが進行する
    認知症の主な症状
     最も多いタイプは「アルツハイマー型」で、脳全体が少しずつ縮み、
     もの忘れがすすみ、重くなると日付や年齢が分からなくなる。
     「脳血管性」は脳梗塞脳出血の働きが低下して起こる。
     パーキンソン病患者の脳の中にできる異常な構造物がたまることで
     引き起こされる「レビー小体型」もある。この場合、「幻想」を起こすことが多く、
     パーキンソン病のように、体が硬くなったり、歩行が困難になったりもする。    
認知症の症状 



物忘れがひどい(記憶)


幻覚
時、場所、人物が分からない(判断力) 妄想
日常生活ができない(実行機能)  情緒障害
物事を計画したり、考えたりできない  不穏・焦燥
失認、失語、失行  不潔行為
  徘徊
    認知症には大きく分けて下記の3つのタイプがあるが、@Aで認知症全体の約8割を占めている。
    @脳血管性認知症高血圧動脈硬化高脂血症などで、
     脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して、脳に十分な酸素や栄養素が届かず、
     脳の機能低下が起こる病気で予防や治療は可能。50歳以後、加齢とともに増加する。
    Aアルツハイマー型認知症…認知症の約60%を占めている原因不明の中枢神経の疾患で、
     発病後、5年から15年くらいかけて徐々に進行する。脳内に異常なたんぱく質が蓄積し、
     脳の神経細胞の働きが衰え、変性しながら死んでいき(脳の萎縮)、
     脳全体の機能が低下してしまう病気で、70歳以上に起きやすい。
     記憶を担う大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)の海馬(かいば)や扁桃体(へんとうたい)
     思考・判断・物事の遂行などを担う大脳皮質の前頭前野などがダメージを受け、
     記憶などの知的機能が低下する。症状は記憶障害に始まり、
     やがて判断障害、失語、失禁、行動障害などが現れる。末期には完全な介護が必要となる。
    Bレビー小体型認知症…たんぱく質のかたまりがたまって神経細胞が変形して起きる。
    害になるもの塩分(高血圧・動脈硬化)、アルコール・たばこ(高血圧)、ストレス(心理的な誘因)
    認知症の原因となる病気
     ●脳血管性の疾患(脳梗塞、脳出血などの脳血管障害による認知症)
     ●退行変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、ピック病など)
     ●内分泌・代謝性中毒性疾患(甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、
      アルコール脳症、麻薬中毒など)
     ●感染性疾患(クロイツフェルト・ヤコブ病、脳炎・髄膜炎など)
     ●腫瘍性疾患(脳腫瘍など)
     ●外傷性疾患(慢性硬膜下血腫、頭部外傷後遺症)
     ●その他(正常圧水頭症、多発性硬化症など)
    これらの病因のうち、高齢者の認知症では圧倒的にアルツハイマー病と脳血管障害による認知症が
    多い。脳血管障害とは脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の機能が低下する病気である。
    認知症の予防
     ●認知症を疑う場合は早めに認知症を専門に診療する「物忘れ外来」を受診し、
      軽度認知障害の可能性を含めた精密な診断を受けるのが、いま最善の方法である。
     ●高血圧高脂血症糖尿病など生活習慣病の予防・早期発見・治療。
      塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を摂り、高血圧や動脈硬化を予防する。
     ●深酒とタバコはほどほどにし、規則正しい生活で高血圧を予防する。
     ●歯を大切にし、自分の歯で噛み、脳に刺激を与える。
     ●ストレスをためない。くよくよしないで明るい気分で生活をする。
     ●転倒に気をつけ、頭部打撲を防ぐ。●興味と好奇心を持つ
     ●適度に運動をおこない、足腰を丈夫にして血液の流れをよくする。
      認知症を予防する方法のなかで、もっとも確実で誰にでもできるのが「ウォーキング」である。
     ●何事にも意欲を持って、頭を使う習慣をつけ、脳細胞を活性化する。
     ●仕事一筋でなく、趣味を持ち楽しみを見つけて生活を充実させる。
     ●日記をつけたり楽器を演奏したりして目や手を使い脳の萎縮を防ぐ。
     ●孤独にならないように、家族、社会の一員としてのつながりを大切にする。
     ●湯飲みに小さじ2杯の粉茶を入れ熱湯を直接注ぎ、スプーンなどで泡立つほどかき混ぜて
      1日5杯飲み、2日に1回羊羹(ようかん)一切れ(約50g)をお茶うけにすると、
      認知症・アルツハイマー病の予防になる。
     ●脳の前頭葉を若々しく保ち認知症を防ぐには、1日1回気持ちの良い音楽を楽しむとよい。
      認知症予防専門医お勧めの曲、ベスト3は、
      @民謡、Aリズムのあるロック、Bスローなクラシック、である。
     ●脳を若々しく保つには、魚の油と一緒に、葉酸ビタミンB12を含む海苔を摂るとよい。
     ●こまやかな気配りをした良い付き合いをし、いつも若々しく、おしゃれ心を忘れない。
     ●2日に1回サバ一切れ(約100g)のDHA摂取で認知症の予防になる。
    若年認知症 : 認知症というと65歳以上の高齢者の病気と考えられているが、
     65歳未満で発症する患者のことを「若年認知症」といい、
     公的なサービスや制度面での支援がまだまだ遅れている。直近のことを忘れ、
     家族や友人のことも分からなくなる。言葉が出なくなり、肉体的な衰弱が進む場合もある。
     若年認知症の場合、前頭葉などの一部が萎縮する
     退行変性疾患のピック病が病因の3分の1程度を占めると推定されている。
     そのほかの原因には、脳細胞が損傷されていくアルツハイマー病脳血管障害などがある。
     薬や作業療法などで進行を止めたり、遅らせたりできる場合もある。
     若年認知症の患者は40歳以下での発症もあり、働き盛りで発病し、その後の人生も長いため、
     家族を含めて精神的・経済的な負担は大きい。医療保険による治療や精神科デイケアのほか、
     40歳以上の場合、介護保険制度で認定されれば、介護サービスを利用できる。
     厚生労働省が1996〜1997年に実施した調査では、
     若年認知症の患者数を全国で2万5000〜3万7000人と推計されたが、
     専門家の間には、軽い症状の人も含めると、現在は全国で10万人いるといわれる。
     厚生労働省研究班の2002年の推計では、患者は全国で約3万7800人。
     一方、65歳以上の高齢者で、介護保険の要介護認定を受けた認知症患者は、推計で149万人。
     要介護認定患者の全国集計は難しいことではなく、なぜ推計なのだろうか?
     
    ★介護支えあい相談(厚生労働省)土日祝を除く10〜15時 0120−070−608
    ★認知症の人と家族の会(本部・京都府)土日祝を除く10〜15時 0120294456
    ★高齢者安心電話 年中無休、平日18〜24時、土日祝を除く13〜24時
     03−5215−7350
    参 : 譫妄高齢者グループホームグループホーム成年後見制度身体拘束高齢者虐待
        軽度認知機能障害喫煙と健康被害自動車運転免許証寝たきりセルフネグレクト
        財団法人ぼけ予防協会(HP)、認知症を知るホームページ認知症なんでもサイト
    ボケ予防の十か条
     1.塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事
     2.適度に運動を行い、足腰を丈夫に
     3.深酒とタバコはやめて規則正しい生活
     4.生活習慣病(高血圧、高脂血症、肥満など)の予防
     5.転倒に気をつけよう
     6.興味と好奇心を持とう
     7.頭を使って考えをまとめて、表現する習慣を
     8.こまやかな気配りをしたよい付き合いを
     9.いつも若々しく、おしゃれ心を忘れない
     10.くよくよしないで明るい気分で生活
    「替え歌集」にもある「ボケない小唄」を紹介しましょう。曲に合わせて唄ってみましょう。
              ←音量は適当に調節してください。
     ●何もしないで ボンヤリと テレビばかりを 見ていると
       のんきなようでも年を取り いつか知らずに ボケますよ
     ●仲間がいないで 一人だけ いつもする事 ない人は
       夢も希望も逃げていき 年を取らずに ボケますよ
     ●お酒も 旅行も嫌いです 歌も踊りも大嫌い
       お金とストレス 貯める人 ひとの二倍も ボケますよ
     ●風邪も引かずに 転ばずに 笑いを忘れず 良くシャベル
       頭と足腰 使う人 元気のある人 ボケません
     ●スポ−ツ カラオケ 囲碁 俳句 趣味のある人 味もある
       異性に関心持ちながら 色気のある人 ボケません
     ●年を取っても 白髪でも 頭ははげても まだ若い
       演歌歌って アンコ−ル 生甲斐ある人 ボケません
     ●今日のこの歌 胸に抱き これから先も 元気よく
       自分のことは 腰軽く ボケない小唄で がんばろう

     これは「まつのき小唄」バージョンですが、「お座敷小唄」バージョンもあります。
     他に作編曲:市川 龍之介さんの「ボケない小唄」もあります。
    
    認知症の症状の一つに、物取られ妄想、嫉妬妄想などの「幻覚・妄想」があるが、
    奇妙なことに「私は○○にサイフを盗られた」の○○は息子の嫁または娘の婿を対象にしていることが
    多いことに気付いたが、それは、とられた子供の嫉妬心からも要因の一つではないかと思う。
    また、食事をした直後に食べたことを忘れるような「物忘れ」は、忘れたのではなくて
    食事したことを覚えていない気がする。歳をとるに連れて記憶を司る細胞が少なくなり、
    見たり聞いたりしたことが脳細胞に残っていないからでしょう。
    最近、友人・知人を見たり聞いたりしても、名前がすぐに出てこないようになった。
    これは記憶していた脳細胞が部分欠落しているのかもしれない。
    芸能人の名前でも妻と二人三脚でようやく名前が出てくることが多い。
    我いま69歳の冬。いやだ、いやだ。

    長門裕之「介護は恩返し」 妻、南田洋子の認知症を涙で語る
     俳優の長門裕之(74)が、結婚47年を迎えた妻、南田洋子(75)の認知症について語り始めた。
    2008年10月3日、テレビ朝日系「徹子の部屋」に出演、介護について涙ながらに打ち明けている。
     長門によると、3年前から南田に物忘れの症状が出始めたという。「洋子がすべてを忘れていく中で、
    2人きりの生活を楽しく過ごし、最後に『楽しかった』と思わせて2人で(人生を)まっとうしたい」。
    振り絞るように告白する長門に、南田と同じ年の黒柳徹子も、もらい泣き。
     長門は介護がしやすいように、と長年住んだ豪邸を売り、暮らしやすいマンションに引っ越したといい、
    「洋子への恩返し。男として夫として充足感がある」と振り返っている。
     南田の認知症については2月に「週刊女性」で、南田の記憶が薄れていき、深夜に徘徊することや、
    排せつ物の世話を長門が引き受けていることを告白。9月14日放送のフジテレビ系「ボクらの時代」でも
    弟の津川雅彦(68)、めいの真由子(34)と3人で出演。長門は「妻に何もしてこなかったが、
    今は、介護が必要となった妻の世話ができてよかったと感じている」と話している。
     介護費用の捻出も大変だ。長門は、18日公開の映画「夢のまにまに」に主演、
    津川が監督した「次郎長三国志」にも出演するなど俳優活動に再び力を注ぐ。
    演技力に定評があるベテラン俳優とはいえ、津川の後押しが頼みの綱だ。
     芸能界きってのおしどり夫婦といわれた長門と南田は1961(昭和36)年に結婚。
    南田は長門の父(俳優の沢村国太郎さん)の介護を15年近く続け1998年には当時を振り返った
    著書も出していた。その南田を長門が介護するとは、なんという運命の巡り合わせか。
     元女優の南田洋子さんは2005年頃から認知症の症状が出現し始め、
    現在は芸能活動からリタイア(長門裕之・談)し、長門さんと余生を送っている。
     認知症の介護は想像を絶することはわかるが、同期の若尾文子さんとともに南田洋子ファンの
    私としては、「排泄」や「徘徊」のことなど、夢が壊れるようなことはテレビで放映してほしくはなかった。
    映画での知的で美しい姿こそ、大女優・南田洋子なのである。
    南田さんが健康な時に「私の認知症がひどくなっても放映してもかまわない」と言っていたのならともかく、
    今も女優としてのプライドを持ち、外出時は車いすを嫌がるという人なのである。
     夫の俳優・長門裕之さんは、「老いて暮らしやすいマンションに移り住み、
    かつて自分の親の介護をさせたり、自分と関係した女優の暴露本を出したりして、
    苦労をかけた南田に恩返しの介護をしている」と話しているが、自宅内に隠しカメラを設置して
    南田さんの病状まで撮影するのは、映像を提供するとギャラが高くなるからとも思えてしかたがない。
    「洋子、愛しているよ」と、長門さんが洋子さんの寝室を出るとき言ったが、
    誰にも言動を知らせることなく、二人だけの夫婦愛であってほしい。
    ほとんどの夫は妻に尽くすのは当たり前だと思っていて、長門さんだけではないでしょう。
     私なら妻に認知症の症状が出たとしても、早めに病院に連れて行って精密検査をしてもらう。
    アルツハイマー病だったとしても、進行を遅らせる薬はあるのだ。
    老夫一人だけで老妻の自宅での介護は荷が重過ぎで、しかるべき施設での介護をお勧めする。
    私はパーキンソン病になった同級生のマッサージに、2日に1回車で病院に通っている。
    症状が回復しても手足が曲がったままでは、持つことも歩くこともできないからである。
    2006年5月16日からなので2年半が過ぎたが、当初の半年は毎日のように行った。
    たった5分から15分くらいの症状に効くツボを中心とした指圧だが、手足の曲がりの進行も少なく、
    床ずれもなかったが、言語訓練としての「あいうえお」も1年くらい前から言わなくなったし、
    「ありがとう」も2カ月くらい前から聞かれなくなったのが寂しい。
    手足を伸ばすと、奥さんには「痛い」と言って止めさせるが、私ならじっと我慢をしている。
    私が行く病院に変わる半年前から奥さんは、付き添い介護のために電車やバスで病院まで毎日通い、
    飲み込めない痰(たん)をティッシュで取ったり、汗を拭いたり、ひげを剃ったり、爪を切ったり、
    流動食に市販の高価な飲み物を追加したりと、夫のために尽くしている。
    これが、テレビにもラジオにも出ることがなく誰も知らない世間一般の夫婦愛だと思う。
     テレビ局には、「長門さん頑張って」「夫婦っていいなあと思った」などの電話が同局に
    十数件寄せられたそうだが、私も「長門さん頑張って」とエールを送る一人だが、
    実写を使ってまでの告白には反対の意見の一人である。
    テレビ局はドキュメンタリー番組として視聴率さえ取れればよいのだから・・・
     あなたならどんな介護方法をとるでしょうか?@妻(夫)を自宅で介護する?
    A妻(夫)を施設に入れて介護に通う?B妻(夫)の介護を娘や息子などの身内に依頼する?
    Cこの際、介護のある施設に一緒に入る?などがあるが、私ならAにします。
    [談話室]や[メッセージBOX]からご意見を聞かせてください。

    認知症の祖母、私を忘れ悲し
    (2010.5.9、朝日新聞「声」より、広島県福山市の高校生・廣川 奈穂さん(17歳)の投稿文紹介)
     祖母の記憶のなかで、私との思い出が薄れていくのが耐えられない。
    アルツハイマー病で入院した途端、祖母の病の進行が加速した。
    多くて1週間に1回のペースでしか面会に行けない私には、毎日会っていない分、進行が早く見えるのだ。
     同じ話を繰り返したり、私の名前を忘れたり、ついには私を他人行儀に扱う。
    84歳の祖母と高3の孫。近しいはずの関係が揺らぎ始めた。2人で、傷ついた小鳥を助けたこと、
    散歩中に野花を摘んだことも覚えていなかった。これらのことを私が語りかけても思い出してくれない。
    ひとごとのように聞き流している祖母の横顔に、涙が止まらなかった。
     病気だから仕方がないのだが、素直に受け入れられない。
    波打ち際に残した足跡が波にかき消されるのを止めることができないように、
    私ひとりの力ではどうにもならない。ただ悲しみにくれるばかりなのだ。
認知症疾患医療センター(にんちしょうしっかんいりょうせんたー)
    高齢化の進展に伴い、認知症高齢者の数も増加が見込まれていることから、
    認知症患者とその家族が住み慣れた地域で安心して生活ができるための支援の一つとして、
    国の許可を受け、都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置するもので、
    診断や治療が難しい認知症高齢者の鑑別診断、地域における医療機関等の紹介、
    問題行動への対応についての相談の受付などを行う専門医療機関である。
     保健医療・介護機関等と連携を図りながら、認知症疾患に関する鑑別診断、
    周辺状況と身体合併症に対する急性期治療、専門医療相談等を実施するとともに、
    地域の保健医療・介護関係者への研修等を行うことにより、
    地域における認知症疾患または認知症と思われる方の診断を行い、
    またその予防・治療・介護を総合的に支援し、保健医療水準の向上を図ることを目的としている。
     認知症に伴う徘徊(はいかい)や幻覚・妄想などがある人が、
    糖尿病や肺炎といった体の病気が悪化した場合、一般の医療機関では治療が難しいことがある。
    センターは地域の病院や診療所と連携してこうした人にも対応する。
     厚生労働省が従来の老人性認知症疾患センターに代わって採り入れ、
    2008年度から、「当面150カ所程度」を目標に、全都道府県、政令指定都市にセンターを
    最低1カ所ずつ確保することを目指しているが、2010年6月現在、全国で73カ所にとどまり、
    目標の半数に満たないことが朝日新聞の調査でわかった。
    認知症疾患医療センターの役割(業務内容)
     ★患者、家族等の相談の受付、専門医療相談、医療機関等の紹介
     ★鑑別診断とそれに基づく初期対応
     ★身体合併症・周辺症状への急性期対応
     ★かかりつけ医等への研修会の開催
     ★認知症疾患医療連携協議会の開催
     ★地域包括支援センターなど介護サービス提供者との連携
     ★認知症医療に関する情報発信
ピンピンコロリ(Pin・Pin・Korori) : 「PPK(ピーピーケイ)」ともいい、
    「健康で長生きしてコロリと死ぬ」人生を送ること。死ぬまで、痛みや苦しみからの解放願望や痴呆
    徘徊、寝たきりなどで誰にも迷惑をかけないで過ごせたらいいという、いつまでも元気で生き、
    病まずにポックリゆきたい願いを簡潔に表現したもの。元気に長生きして、ある日、
    誰の世話にもならずにポックリいくという、人間の理想的な生き方(死に方)を表わしたものである。
    昔からある「ぽっくり寺」の「ぽっくり」を長野県下伊那郡高森町で生まれたと言われる
    「ピンピンコロリ」という言葉で表現したものだともいえる。
ぽっくり寺(ぽっくりでら) : 痴呆、病気や老衰で寝たきり老人になって長々と家族に手数をかけたり、
    社会に迷惑をかけるのを恐れて、「ポックリ」と安楽に死にたいと願う老人の願望に応えて、
    参詣するとその功徳で何の苦痛もなくポックリと安楽往生できるという寺のことで、「ぼけ封じ寺」とも
    言われる。全国的に有名なぽっくり寺の一つに、奈良・斑鳩(いかるが)の里の田んぼの中に
    ぽつんとある竹藪に囲まれた浄土宗吉田寺(きちでんじ)というお寺がある。
    ここで祈祷をしてもらった肌着を身に着けていれば、長患いをせず、周りの者に世話をかけることなく
    安心してぽっくり死ねるという御利益のあるお寺で、別名「ぽっくり寺」や「腰巻寺」と呼ばれて
    いつもぽっくり往生を願うお年寄りたちでにぎわっているということだが、
    「ピンピンコロリ」はその「ぽっくり」を長野の言葉で表現したものだといえる。
    念仏中に安楽往生したという故事から、このような名が付いたそうだが、本当のぽっくりは
    大和言葉で保久利(ほくり)往生といって、「十分に生きて安らかに死ぬこと」つまり
    真の安楽死はあっさり急死することではないと吉田寺では言っている。
    「ぽっくり寺」の名を頂いた寺は全国各地に存在し、同じく奈良の阿日寺、日高市高萩の常満寺、
    埼玉県秩父郡皆野町国神の長言寺、名古屋市昭和区八事本町(尾張高野)の興正寺、
    千代田区神田淡路町のぽっくり寺、徳島県板野郡藍住町のぽっくり寺、京都東山区の泉涌寺即成院、
    熊本県八代郡泉村の金海山大恩教寺釈迦院(参道に3333段日本一の石段がある)、
    山口県美弥市伊佐町南原の南原寺(ぼけ封じ観音)など、ネットから拾っただけでもこんなにある。
     「ポックリ」と安楽に死ねたとしても、極楽浄土に行けるのが真の願いかも。







































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