YSミニ辞典(ぽっくり・ぼけ関連)
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吉田寺(きちでんじ) : 奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1−1−23にある
浄土宗の寺院で、
俗に「ぽっくり寺」の名で親しまれ、年配の参拝者が多い。山号は「清水山」。
本尊は、丈六(像高5m15cm)の「大和のおおぼとけ」と呼ばれる金色の阿弥陀如来坐像である。
木造では奈良県下最大で、定印を結び、千体仏の光背を持っており、重要文化財である。同じく
聖霊殿(聖徳太子を祀る)と1463(寛正4)年6月13日建立の多宝塔が重要文化財に指定されている。
室町時代に創建の多宝塔は1辺3mあまりの小塔で、内部には大日如来像が安置されており、
普段は秘仏となっているが、9月1,2日と11月1〜3日の5日間のみ特別公開される。
第38代天智天皇が妹の「間人
(はしひと)内親王」の冥福を祈って発願し、987(永延元)年に
恵心僧都(
源信)が開基した寺で、本堂の西側には妹の間人皇女を葬るといわれている古墳がある。
恵心僧都は、母親の臨終の際に、除魔の祈願をした浄衣を着せかけると、なんの苦しみもなく
安らかな往生を遂げさせたという伝説から「ぽっくり往生の寺」「ぽっくり寺」とされている。
吉田寺にお参りして、本尊の丈六阿弥陀如来像に祈ると、長患いせず、腰から下の世話もかけずに
ぽっくり往生できるという。さらに臨終の際にも阿弥陀如来のお迎えが得られ、
安らかに極楽往生できるとされている。
石造りの極楽橋を渡って山門に入る
山門
本尊丈六阿弥陀如来像の石碑と石灯籠
境内に入って左側にある手水舎。水が変らないので本堂前の手水鉢を利用しましょう
本堂前の手水鉢
本堂
同上
多宝塔(大阪のK.Kさん提供)。左に本堂、右に鐘楼がある
多宝塔
同上
袴付き「鐘楼」
使われていた鬼瓦
拝観時間 : 通年9:00〜16:00(拝観受付30分前まで)
拝観料 : 大人300円
問合せ先 :
0745−74−2651
アクセス : JR大和路線・近鉄生駒線王寺駅より奈良交通バスで8分、「龍田神社前」下車、徒歩すぐ。
JR法隆寺駅よりレンタルサイクルで約10分。
参 :
吉田寺(公式HP)、
斑鳩町観光協会(HP)
痴呆(dementia)ちほう : @愚かなこと。Aボケとも言われる痴呆症のことだが、
「痴」「呆」の2字を使用したこの表現には「侮蔑的な意味合い」が含まれていることから、
厚生労働省は2004年12月24日から「
認知症」を使うことにした。
認知症(treatable dementia)にんちしょう
一度獲得された知能が、後天的な大脳の器質的障害のため進行的に低下する状態。
老年痴呆・進行麻痺・アルコール精神病・頭部外傷・癲癇
(てんかん) ・分裂病などでみられる。
痴呆老人は老年痴呆の状態の高齢者のこと。
「
痴呆」は医療界から一般にまで広く浸透した呼称であるが、
「痴」「呆」の2字を使用したこの表現には「侮蔑的な意味合い」が含まれていると認められ、
何もわからない・できないという誤解を生じる場合もあり、また、
そのために痴呆と診断されることに恥ずかしさや恐れをいだき、
予防や早期診断の妨げになっているとの指摘があった。このことから「痴呆」にかわる呼称を
議論していた厚生労働省の検討会(座長・高久史麿自治医科大学長)は2004年12月24日、
「認知症」が最適だとする報告書をまとめた。厚労省は同日から認知症を使うことにし、
同省は同日、都道府県や関係する学会、日本新聞協会などに変更を求める通知を出した。
法律上の用語は2005年の通常国会で関係法を改正した。
認知症の最も大きな要因は加齢で、厚生労働省によると、高齢化に伴い患者数は年々増え、
認知症のお年寄りは2010年10月現在、推定約200万人。
団塊の世代が75歳以上の高齢者となる2025年には約1.5倍の323万人に増え、
患者の割合は、65歳以上の6〜7%、85歳以上では4人に1人といわれている。
2030年には「65歳以上の10人に1人が認知症」という時代がやってくる。
他の症状との違い
|
譫妄 |
ウツ状態 |
認知症 |
発症 |
何日の夜からというように
発症時期を特定出来る |
多くは何らかの契機がある。
例えば、身体疾患、
配偶者の死亡、転居など |
進行性でゆるやか。
発症時期を特定できても
季節や年単位に発症 |
症状の 訴え方 |
一定しない |
自分の物忘れなどの
症状を強調する |
多少の物忘れに対する
自覚はあるが、
社会生活に支障を
きたしている自覚はない |
応答 |
簡単な質問でも何回も
質問し直さないと
いけないことがある |
はじめから「分かりません」
などという拒否的な答えが多い |
質問をはぐらかしたり、
作り話しでごまかそうとする |
異常の 内容 |
一定しない |
自責的、自罰的 |
自分の失敗を他人の
せいにするなど他罰的 |
健忘症(単なる物忘れ)」と「認知症」の違い (自治医科大学のHPなどから)
|
健忘症(主に加齢によるもの忘れ) |
認知症(記憶障害) |
記憶力 |
●体験の一部を忘れる
●食事に何を食べたか忘れてしまう
●約束をうっかり忘れてしまった
●物の置き場所を思いだせないことがある
●物覚えが悪くなったように感じる |
●体験全体を忘れる
●食べたこと自体を忘れてしまう
●約束したこと自体忘れている
●置き忘れ、紛失が頻繁になる
●数分前の記憶が残らない |
見当識 |
●人の名前が出てこない
●場所はわかる
●月日はわかる |
●人の顔を忘れてしまう
●場所がわからない
●月日がわからない |
日常生活 |
●支障がない |
●支障がある |
進行性 |
●進行しない |
●ゆっくりだが進行する |
認知症の主な症状
最も多いタイプは「アルツハイマー型」で、脳全体が少しずつ縮み、
もの忘れがすすみ、重くなると日付や年齢が分からなくなる。
「脳血管性」は
脳梗塞や
脳出血で
脳の働きが低下して起こる。
パーキンソン病患者の脳の中にできる異常な構造物がたまることで
引き起こされる「レビー小体型」もある。この場合、「幻想」を起こすことが多く、
パーキンソン病のように、体が硬くなったり、歩行が困難になったりもする。
認知症の症状 |
中
核
症
状 |
物忘れがひどい(記憶) |
周
辺
症
状 |
幻覚 |
時、場所、人物が分からない(判断力) |
妄想 |
日常生活ができない(実行機能) |
情緒障害 |
物事を計画したり、考えたりできない |
不穏・焦燥 |
失認、失語、失行 |
不潔行為 |
|
徘徊 |
認知症には大きく分けて下記の3つのタイプがあるが、@Aで認知症全体の約8割を占めている。
@
脳血管性認知症…
高血圧や
動脈硬化、
高脂血症などで、
脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して、脳に十分な酸素や栄養素が届かず、
脳の機能低下が起こる病気で予防や治療は可能。50歳以後、加齢とともに増加する。
A
アルツハイマー型認知症…認知症の約60%を占めている原因不明の中枢神経の疾患で、
発病後、5年から15年くらいかけて徐々に進行する。脳内に異常なたんぱく質が蓄積し、
脳の神経細胞の働きが衰え、変性しながら死んでいき(脳の萎縮)、
脳全体の機能が低下してしまう病気で、70歳以上に起きやすい。
記憶を担う大脳辺縁系
(だいのうへんえんけい)の海馬
(かいば)や扁桃体
(へんとうたい)、
思考・判断・物事の遂行などを担う大脳皮質の前頭前野などがダメージを受け、
記憶などの知的機能が低下する。症状は記憶障害に始まり、
やがて判断障害、失語、失禁、行動障害などが現れる。末期には完全な介護が必要となる。
B
レビー小体型認知症…たんぱく質のかたまりがたまって神経細胞が変形して起きる。
害になるもの…
塩分(高血圧・動脈硬化)、
アルコール・たばこ(高血圧)、
ストレス(心理的な誘因)
認知症の原因となる病気
●脳血管性の疾患(脳梗塞、脳出血などの脳血管障害による認知症)
●退行変性疾患(
アルツハイマー病、パーキンソン病、
ピック病など)
●内分泌・代謝性中毒性疾患(甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、
アルコール脳症、麻薬中毒など)
●感染性疾患(クロイツフェルト・
ヤコブ病、脳炎・髄膜炎など)
●腫瘍性疾患(
脳腫瘍など)
●外傷性疾患(慢性硬膜下血腫、頭部外傷後遺症)
●その他(
正常圧水頭症、多発性硬化症など)
これらの病因のうち、高齢者の認知症では圧倒的にアルツハイマー病と脳血管障害による認知症が
多い。脳血管障害とは脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の機能が低下する病気である。
認知症の予防
●認知症を疑う場合は早めに認知症を専門に診療する「物忘れ外来」を受診し、
軽度認知障害の可能性を含めた精密な診断を受けるのが、いま最善の方法である。
●
高血圧・
高脂血症・
糖尿病など
生活習慣病の予防・早期発見・治療。
塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を摂り、高血圧や動脈硬化を予防する。
●深酒とタバコはほどほどにし、規則正しい生活で高血圧を予防する。
●歯を大切にし、自分の歯で噛み、脳に刺激を与える。
●
ストレスをためない。くよくよしないで明るい気分で生活をする。
●転倒に気をつけ、頭部打撲を防ぐ。●興味と好奇心を持つ
●適度に運動をおこない、足腰を丈夫にして血液の流れをよくする。
認知症を予防する方法のなかで、もっとも確実で誰にでもできるのが「
ウォーキング」である。
●何事にも意欲を持って、頭を使う習慣をつけ、脳細胞を活性化する。
●仕事一筋でなく、趣味を持ち楽しみを見つけて生活を充実させる。
●日記をつけたり楽器を演奏したりして目や手を使い脳の萎縮を防ぐ。
●孤独にならないように、家族、社会の一員としてのつながりを大切にする。
●湯飲みに小さじ2杯の粉茶を入れ熱湯を直接注ぎ、スプーンなどで泡立つほどかき混ぜて
1日5杯飲み、2日に1回羊羹
(ようかん)一切れ(約50g)をお茶うけにすると、
認知症・アルツハイマー病の予防になる。
●脳の前頭葉を若々しく保ち認知症を防ぐには、1日1回気持ちの良い音楽を楽しむとよい。
認知症予防専門医お勧めの曲、ベスト3は、
@民謡、Aリズムのあるロック、Bスローなクラシック、である。
●脳を若々しく保つには、魚の油と一緒に、
葉酸と
ビタミンB12を含む
海苔を摂るとよい。
●こまやかな気配りをした良い付き合いをし、いつも若々しく、おしゃれ心を忘れない。
●2日に1回サバ一切れ(約100g)のDHA摂取で認知症の予防になる。
若年認知症 : 認知症というと65歳以上の高齢者の病気と考えられているが、
65歳未満で発症する患者のことを「若年認知症」といい、
公的なサービスや制度面での支援がまだまだ遅れている。直近のことを忘れ、
家族や友人のことも分からなくなる。言葉が出なくなり、肉体的な衰弱が進む場合もある。
若年認知症の場合、前頭葉など
脳の一部が萎縮する
退行変性疾患のピック病が病因の3分の1程度を占めると推定されている。
そのほかの原因には、脳細胞が損傷されていく
アルツハイマー病、
脳血管障害などがある。
薬や作業療法などで進行を止めたり、遅らせたりできる場合もある。
若年認知症の患者は40歳以下での発症もあり、働き盛りで発病し、その後の人生も長いため、
家族を含めて精神的・経済的な負担は大きい。医療保険による治療や精神科デイケアのほか、
40歳以上の場合、介護保険制度で認定されれば、介護サービスを利用できる。
厚生労働省が1996〜1997年に実施した調査では、
若年認知症の患者数を全国で2万5000〜3万7000人と推計されたが、
専門家の間には、軽い症状の人も含めると、現在は全国で10万人いるといわれる。
厚生労働省研究班の2002年の推計では、患者は全国で約3万7800人。
一方、65歳以上の高齢者で、介護保険の要介護認定を受けた認知症患者は、推計で149万人。
要介護認定患者の全国集計は難しいことではなく、なぜ推計なのだろうか?
★
介護支えあい相談(厚生労働省)土日祝を除く10〜15時
0120−070−608
★
認知症の人と家族の会(本部・京都府)土日祝を除く10〜15時
0120−
294−
456
★
高齢者安心電話 年中無休、平日18〜24時、土日祝を除く13〜24時
03−5215−7350
参 :
譫妄、
高齢者グループホーム、
グループホーム、
成年後見制度、
身体拘束、
高齢者虐待、
軽度認知機能障害、
喫煙と健康被害、
自動車運転免許証、
寝たきり、
セルフネグレクト、
財団法人ぼけ予防協会(HP)、
認知症を知るホームページ、
認知症なんでもサイト
ボケ予防の十か条
1.塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事
2.適度に運動を行い、足腰を丈夫に
3.深酒とタバコはやめて規則正しい生活
4.
生活習慣病(高血圧、高脂血症、
肥満など)の予防
5.転倒に気をつけよう
6.興味と好奇心を持とう
7.頭を使って考えをまとめて、表現する習慣を
8.こまやかな気配りをしたよい付き合いを
9.いつも若々しく、おしゃれ心を忘れない
10.くよくよしないで明るい気分で生活
「替え歌集」にもある「
ボケない小唄」を紹介しましょう。曲に合わせて唄ってみましょう。